録画中継

第4回定例会
12月13日(金) 本会議(一般質問4日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.有害鳥獣対策
2.空き家対策
3.マイナンバーカード健康保険証
【下関市議会 本会議確定版】

○副議長(安岡克昌君)
 20番、桂誠議員。(拍手)
  〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
 日本共産党下関市議団の桂です。まず初めに、有害鳥獣対策についてお尋ねします。
 私は、稲作農家として稲を60アール耕作しています。収穫時期の早い、ひとめぼれを作っていますが、地域で最初に収穫時期を迎えることもあり、毎年、イノシシ、鹿にやられます。今年も面積の2割が被害に遭いました。当然、電気柵、ネットを張っています。最近は鹿の被害もひどいということで、電気柵、ネットの上にひもを張り、鹿が入るのを防いでいます。毎日点検し、柵やネットが破れていないか確かめますが被害に遭います。どのような対策をしたらいいのか、途方に暮れているのが現状です。鹿の害は、このように稲の穂だけ食べます。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桂 誠君
 遠くから見ると被害がないように見えますが、近づくと穂はありません。イノシシの被害は、田の中をイノシシが転げ回るのか、稲を倒します。そして稲の穂を食べます。これがイノシシです。踏みつけられた稲をコンバインで引き起こすと無理をするのか、コンバインが壊れます。また、稲が泥まみれになるので、米に石がまじり商品になりません。鉄のフェンスでもイノシシは人間の入口や金網を破って中に入ります。
 今年の被害は例年になくひどく、今まで被害に遭ったことのない田でさえ被害に遭いました。農家の方と話すと、「今年はイノシシや鹿がいつもの年の2倍に増えているのじゃないかや」と話題になりました。そして、「こんなに被害がひどくてフェンスを破られるのやったら、もう田はつくっちゃおられん」と言う方もいました。
 高齢化の進む農家は、イノシシ、鹿の害を防ぐために投資する元気がありません。ですので、対策を考えるよりも農業をやめる方向に考えがいってしまいます。今年は米の買取り価格が昨年よりも上がりました。しかし、上がっても田を作るのをやめようという声は減りません。高齢化が進み、どんどんと農家数が減っている現状の中で、鳥獣害が農家数の減少に拍車をかけていると思いますが、そこでお尋ねします。
 農家数の減少と鳥獣害の増加について、平成17年の合併時と最近5年の数値を示し、傾向についてどのように考えているのか、お示しください。また、どの地区に鳥獣害が多いのかもお示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 市内の農家数と農林作物被害額についてお答えいたします。国の統計によりますと、本市の総農家数につきましては、合併直後の平成17年度が5,946戸、令和2年度が3,521戸でございます。この20年間で約4割の減少となっております。
 次に、農林作物被害額につきましては、合併直後の平成17年度1億5,753万1,000円、直近の5年でございますが、令和元年度1億4,025万8,000円、令和2年度1億4,734万4,000円、令和3年度1億4,974万2,000円、令和4年度1億4,974万6,000円、令和5年度1億4,987万4,000円とほぼ横ばいとなっております。ですので、農家1件当たりの被害額は増加していると考えられます。
 なお、令和5年度農林作物被害額のうち、豊北町の被害額が約4割と多く、続いて旧下関市の被害額が約3割となっております。
○桂 誠君
 被害額は横ばいですけれど、今言われたように農家数が減っていますので、1件当たりの額が増えているのではないかと思います。やはり豊北町の害が多いというのが数的にも示されたということで、私の実感は正しかったのだと思いました。
 6月の一般質問で、私が白滝山の風力発電について質問したところ、環境部長が、再生可能エネルギーを活用した発電事業につきましては、事業過程において様々な問題が生じる場合もあると答弁されました。様々な問題は、環境破壊だけでないと考えます。市民の営みである農業にも深刻な問題が発生するのではないかと思います。
 豊北町の粟野地区、田耕地区の農家と話をすると、必ず白滝山の風車と鳥獣害について話されます。風車が稼働してから鳥獣害が増えたというのです。理由は、風車の騒音、振動、さらに夜中のピカピカと定期的に光るライトを嫌って、イノシシや鹿が山から下に降りたというのです。
 質問ですが、豊北町の白滝山風力発電の稼働と鳥獣害の増加について、どのように認識しているのか、お示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 白滝山の風力発電の稼働によります、騒音、振動等と鳥獣害の増加が関連しているといった地域の農業者の声があると議員から御指摘をいただきましたが、それらを結びつける具体的なデータはございませんので、実際に因果関係等があるかどうかについては不明でございます。
○桂 誠君
 確かにデータはないと思いますが、実感としてそういうのがあるのだと考えます。それでは、里やまちにまで鹿やイノシシが現れる原因をどのようなところにあると考えておられますか、お示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 鹿やイノシシは、基本的に山林等で生活しておりますが、里や市街地に迷い込むことは以前からもございました。その程度が、近年増減しているかにつきましては、具体的な統計はございませんけれども、中山間地域の過疎化などによって、有害鳥獣の生息適地である耕作放棄地が拡大していることなど、増加する要因はあるものと考えております。
○桂 誠君
 いろいろな要因が考えられると思います。このような状況の中、下関市も農業への鳥獣被害を重く見ていて、下関市鳥獣被害防止計画を令和4年に作成しました。
 それに基づいて、これからお尋ねします。計画では被害の軽減目標を挙げておられます。令和3年度の被害総額1億4,600万円に対し、令和5年度の目標として1億2,400万円とされていますが、そこでお尋ねします。この目標は達成されたのでしょうか。被害額の変化などについても認識されておられますか、お答えください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 令和5年度の農林作物被害額は1億4,987万4,000円であり、下関市鳥獣被害防止計画における目標値でございます1億2,400万円を達成するには至りませんでした。
 現在、農林作物被害額を短期で激減させるということは難しく、有害鳥獣の個体数も増加傾向にあると推測しております。そうした中で、令和5年度の捕獲実績といたしましては、イノシシについては前年度比約1.6倍、鹿につきましては1.1倍と、捕獲頭数は増加しており、また鳥獣害防止柵の補助制度につきましても、設置延長が前年度比約1.2倍となっております。
 本市といたしましては、捕獲と防護の両面から、既存の対策を実施していくとともに、地元要望や他自治体の先進事例も参考にし、新たな施策についても検討してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
 なかなかこういう鳥獣被害対策は難しいことは理解しております。計画では被害防止対策として三つのことが取り上げられています。まず一つ目は捕獲、二つ目は防護柵の設置、三つ目が生息環境の管理などです。
 まず、捕獲についてお尋ねします。捕獲には、わなとおりと銃による捕獲があります。おりは比較的取り組みやすいということ、銃の捕獲従事者の高齢化で猟師が減っているということから、おりを使った捕獲が有効な手段になるとこれから考えられます。しかし、被害の実情に対しておりの数が足りているようには思えません。計画にも捕獲資材の数が不足しているとあります。
 そこでお尋ねですが、おりなどの捕獲資材の不足に対して、どのような対策をお持ちでしょうか、お尋ねします。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 おりなどの捕獲資材不足への対策についてお答えいたします。本市ではイノシシの捕獲おりにつきまして、購入補助ではなく、本市が事務局を担っております下関市鳥獣被害防止対策協議会、こちらが購入し、農作物被害が著しい場所で、狩猟もしくは有害捕獲の資格を有している者へ貸与するという方式で、猟友会の協力を得ながら設置をしております。近年は年10基以上の捕獲おりを購入し対応しているところでございます。
○桂 誠君
 それなりに対策しているのは分かりました。お隣の長門市でのことを紹介します。長門市では、おりの購入に対して、猟友会に一つ当たり8万円の補助をしています。被害の多い下関市では、それ以上の補助が必要ではないでしょうか。
 次に、捕獲従事者の減少傾向に対する対策として、狩猟免許の習得推進を図っていくとあります。その下に括弧でPR活動などとあります。PR活動だけで狩猟免許の習得が増えるとは思えません。
 長門市では、狩猟免許取得に対して補助があり、新規銃の免許習得に対して2万5,000円、わなは7,500円、免許更新は1,450円、年1回行われる射撃訓練に2,500円の補助があります。下関市は射撃訓練の会場代と交通費の補助はしているとのことですが、あまりにも寂しい現状です。
 お尋ねですが、計画には、新たな捕獲隊員の育成、確保が急務であるとありますが、具体的な方法はお持ちでしょうか。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 新たな捕獲隊員の育成、確保についてお答えいたします。議員の御指摘のとおり、現在、狩猟免許取得に対する支援といたしましては、狩猟免許講習会の会場使用料を負担するとともに、講習会に参加される方に対し、交通費の助成を行っており、令和5年度は12人、令和6年度は16人に対して助成をしております。
 市内の猟友会員も高齢化しており、新たな捕獲隊員の確保、育成は重要であるということは認識しておりますから、今後、猟友会等の御意見や他自治体の先進事例も踏まえ、PR活動を含め、新たな取組についても検討してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
 しっかり検討していただきたいと思います。狩猟に対して興味を持っている方は結構いると思いますが、なかなか踏み切れていないのが現状ではないかと思います。
 経済委員会では、夏に猟友会と行った市民と議会のつどいから、狩猟者の担い手確保に関する幾つかの提言をしました。担い手育成費の補助をすることや、猟に出たことに対する所得補償等の制度を設けること、異業種交流やジビエの促進を支援することなどを提言しました。鳥獣被害の増えている下関市では、すぐにでも実施してもらいたいものです。
 被害対策の二つ目として、防護柵の設置が取り上げてあります。中でも猿の被害は、柵を乗り越えるために畑全体を網で囲むしかありません。
 そこでお尋ねです。猿の被害防止に関してどのような方法を取っておられるのか説明していただきたいと思います。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 猿の被害防止に関する対策についてお答えいたします。防護の対策といたしましては、猿に有効とされるネット式の電気柵やワイヤーメッシュ、金網柵といった通常の柵の上部に電気柵を組み合せた複合柵の設置を支援しております。
 近年の補助実績といたしましては、令和2年度は2件、令和3年度は4件、令和4年度は1件、令和5年度は1件となっております。
 また猿を効率的に捕獲するための捕獲柵も導入しております。これは大きなもので8メートル四方の柵もございますが、猿は天井から侵入できますが、一旦侵入すると外には出られなくなるという仕組みになっているものでございまして、多ければ一度に10頭の猿を捕獲することが可能でございます。現在、豊田町に5基、豊浦町に2基、豊北町に7基ほど設置しております。
 これらの捕獲柵による捕獲実績は、令和2年度は96頭、令和3年度は91頭、令和4年度は83頭、令和5年度は38頭となっております。
○桂 誠君
 なかなかいい方法なのですが、移動ができないのが最大の難点だと思っております。また猿の農作物被害防止として、猿の群れを発見及び通報により、モンキードッグ、ロケット花火、スリングショットなどによる現地追い払いを地元の業者と協力して実施しているとありますが、実績と金額、様子などをお示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 猿の追い払いについてお答えいたします。本市では、平成21年度より農地等に現れた猿等を、山や野に追い払うモンキードッグの養成と認定を実施しております。ここ3年では、令和3年度は途中で対象の犬が死亡いたしいたしましたので実績はございませんでしたが、令和4年度は2頭、令和5年度は3頭の犬を新たにモンキードッグとして認定しております。
 なお、これらに係る金額でございますが、年額15万円程度であり、これは主に訓練士への報酬と旅費、認定したモンキードッグが活動する際に装着する首輪に係る費用となっております。
○桂 誠君
 猿の被害軽減は、なかなか難しいものがあると思います。また、主要な農作物に被害があるわけではありませんけれども、家庭菜園とかがほとんどやられているのが現状です。また、市街地にも猿が出てきているという被害もありますので、地道ながら続けていくしかないなと思います。
 防護柵設置などの取組の課題に、被害が発生している地域において、地域ぐるみで対策に取り組む意識の醸成が必要であるとあります。これだけ、鳥獣害が増えていると、農家1軒ではどうにかなるレベルではありません。課題にあるように、地域ぐるみでの取組をしないと、被害の軽減は不可能です。このことを受け、計画の三つ目には、生息環境管理のその他の取組が取り上げてあります。
 生息環境の管理とは、人間の住むところ、動物の住むところできちんと分け、人間と動物が遭遇しない環境整備のことだと考えます。今はそれらが崩れており、その結果として、人間の生活のところに、本来なら山に住んでいるはずのイノシシ、鹿が出てきて、害獣となっています。昨今では、山奥にいるはずの熊でさえ出没します。生息環境管理を言い換えれば、自然を守ることでもあります。
 そこでお尋ねですが、農業振興の視点から、山、海、川などの自然を守る取組、またはイノシシ、鹿などがいる自然と共存していく取組はどのように考えているのか、お示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 自然を守る、自然と共存していく取組についてお答えいたします。豊かな自然環境を維持しながら、農林水産業を発展させ、安心して暮らせる生活環境を確保していくため、やむを得ず野生鳥獣の捕獲を行うことが必要となっております。
 生息数が増加し、生息域が拡大している鹿をはじめとして、野生鳥獣と共存していくためには、一定の捕獲を進めて生息数や生息分布を適正に管理していくことが大切になると考えております。
 特に、近年市内で増加しているとされております鹿については、県の鹿生息頭数調査に基づき、今後の生息個体数の将来予測を行いながら、年間の捕獲頭数目標を県域で設定し、計画的な鳥獣保護管理を行っております。
 引き続き、野生鳥獣との共存と適正な捕獲とのバランスを保ちながら、関係機関や団体と連携して、農林水産被害の防止に向けた有害鳥獣への対策を進めてまいります。
○桂 誠君
 そのようにバランスを取っていくことが大変大切だと思いますが、今バランスが崩れている状態で鹿の数が格段に増えているという現実もあります。
 萩市では、地域を挙げての取組をしており、地域ぐるみで取り組む鳥獣被害対策を実施しています。県の鳥獣被害対策アドバイザー派遣制度の活用、鳥獣被害対策研修会、現地調査などを開催しております。そして鳥獣対策のフェンスの設置、放置された果実の除去、耕作放棄地の草刈り、農地周辺のやぶの撤去などを行います。このような事業に取り組んだ結果、獣害対策に効果があり、有効な事業であるとの感想もあります。
 そこでお尋ねですが、萩市のような取組の計画はありますか。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 本市における地域ぐるみの活動につきましては、令和3年度から令和5年度にかけて、豊北町大字田耕朝生地区で実施し、現在は、令和5年度から3年間の予定で吉田足河内地区にて実施しております。
 朝生地区における活動には地域の方々や行政のほか、山口大学の学生の方も参加されました。耕作放棄地などに牛を放牧し、除草を行う山口型放牧や、木の抜き切りを行うなどして、集落と里山の間に有害鳥獣が侵入しづらくなる緩衝帯を整備するとともに、防護柵の点検・修理などの活動を実施いたしました。
 また、吉田の足河内地区につきましては、吉田足河内地区地域ぐるみ活動対策プランを策定いたしまして、有害鳥獣の生息調査や防止柵の設置、わなの設置に取り組んでおり、令和6年度には2ヘクタールの緩衝帯整備を予定しております。
○桂 誠君
 このような意識の変化、それから地域を挙げての取組をもっと増やす必要があるのではないかと思います。耕作放棄地、それからイノシシのすみかになっているだろうというところが確実に存在しております。私も自治会の何人かと話をして、そういうやぶとかを刈りつつ、どうにかしないといけないとやっております。ぜひとも今の取組を広げていただきたいと考えております。
 鳥獣被害が増えた下関市にとって、農家だけ市だけでの取組では効果が期待できません。農家は高齢者が増え、獣害に懲りて農業をやめようとしています。しかし、食料を生産し、人間の生命維持に必要なものが農業です。このまま農家が減少するのをほっておくわけにはいきません。農家が中心となり、行政、専門家を交え、知恵を出し合って、この獣害対策に当たらなくてはならないと考えます。
 食糧自給率が下がっている今、獣害が農家だけの問題と放置するのではなく、住民、市民一人一人が自分ごととして考える必要があります。今の子供たちが将来決して飢えてはいけません。子供たちに豊かな食料を生産する環境を残してやるのは私たち大人の義務です。日本の農業が今大きな岐路に差しかかっています。子供たちの未来を考えたとき、今が踏ん張りどころです。子供たちに飢えのない豊かで健康で生きることができる未来を保障するのは、今を生きている私たちの責任です。
 続けてよろしいでしょうか。(「どうぞ」の声あり)
 それでは、空き家対策についてお尋ねいたします。私が住んでいる阿川には、浦自治会といって、農業、漁業が盛んだった自治会があります。ですから、子供の頃は同級生も多くいました。たまに遊びに行くと家が密集しているので、友達の家を探すのも一苦労でした。しかし今多くいた同級生も都会に出て行ってしまい、高齢者ばかりが生活している自治会へと変わってしまいました。
 その自治会に行くと必ず言われるのは、「人がおらんようなったけえ空き家が増え、危のうてやれん」「半分崩れちょるけえ、いつ物が落ちてくるか分からん、どうにかならんかのう」ということです。
 家と家が接しており、隣の屋根瓦が落ちてくると自分の敷地に入る状況です。引っ越しで自治会から出て行く時、自分の家を解体して出て行けば、このような危険はないのですが、家が密集しているので解体に多くの費用がかかるために、そのまま置いていってしまうのです。狭いのでユンボなどの重機が入らず、解体をほぼ人力でやらなくてはいけないからです。
 このような危険な家が残っているのは阿川だけではありません。かつて漁業が盛んだったところは、ほぼ同じ状況です。それだけではありません。旧市内でも、かつて多くの人が密集して住んでいるところは同じ問題を抱えています。
 令和5年度からの豊北町リノベーションまちづくりをきっかけとして、豊北町神田地区の特牛では、地域住民の方が立ち上がり、空き家の管理などを担って、空き家問題への取組を始められました。
 しかし、一方では、手の施しようのない危険な家屋があるのも事実です。スライドを御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桂 誠君
 近年は、人口減少や少子高齢化、核家族化などによって、空き家が年々増加しています。国においては、市町村が空き家に関する施策を総合的に推進する目的として、空家等対策の推進に関する特別措置法を平成27年5月に完全実施されています。
 下関市は、平成25年に下関市空家の適正管理に関する条例を制定し、平成27年に全面改定され施行されています。そうした状況の中で、市は空き家等の対策に向けた取組を総合的かつ計画的に進めるため、下関市空家等対策計画を策定し、令和3年から令和7年を計画期間としています。
 そこでお尋ねですが、防災、衛生、景観など、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす倒壊家屋や危険な空き家への対応についてどのように考えているのか、お示しください。
○建設部長(伊南一也君)
 空き家の対応につきましては、まず、空き家の所有者が自らの責任により、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理をしていただく必要がございます。
 この空き家の所有者が管理を十分に行わず、管理責任を全うしない場合には、管理不適切な空き家と判断し、その所有者に対し助言などを行っております。
 この助言などを行っても改善せず、倒壊等著しく保安上危険となるおそれがあり、特に周辺環境に悪影響を及ぼしている場合には、立入り調査を行った上で、特定空家等に認定しております。
 特定空家の認定後は、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づいて、助言または指導、勧告といった法的措置を実施しております。
○桂 誠君
 令和5年に行われた総務省の住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸になっており、これは約7戸に1戸は空き家という計算になります。さらに10年後の令和15年には空き家は約2,150万戸となり、3戸に1戸という将来が来ると予測する民間調査機関もあります。
 市内では空き家が年々増加しておりますけれども、一番の問題は放置されたままの空き家が増えているということです。空き家をこれ以上増やさず、どう活用するかは、まちづくりにとっても大きな課題であります。
 まず、本市の空き家数は、令和3年3月に策定された下関市空家等対策計画に記された、令和元年に実施された空家実態調査によるものです。
 そこでお尋ねですが、実態調査から5年が経過していますが、この計画に記された空き家数は、実際の空き家数と大きな開きがあると思われますけれども、この点についてはどのように考えておられますか。
○建設部長(伊南一也君)
 下関市空家等対策計画につきましては、令和元年に実施いたしました空家実態調査を基に、令和3年度から令和7年度を計画期間といたしまして策定したものでございます。この次期計画の策定に当たりましては、令和元年に実施いたしました調査と同様に、実態調査が必要となりますので、その中で、空き家の実態についても捉えてまいります。
 なお、空き家の傾向につきましては、人口減少などを要因として、全国的に空き家の数が増えておりますので、本市においても増加傾向にあるものと考えております。
○桂 誠君
 令和3年3月に策定されました下関市空家等対策計画によりますと、平成25年住宅・土地統計調査では、下関市の空き家率は16.36%です。このとき、山口県は16.2%、全国は13.5%となっております。5年たった平成30年の調査では、本市の空き家率は18.55%です。山口県は17.6%、全国は13.6%となっております。本市の空き家が年々増加し、空き家率が全国及び県を上回っていることが分かると思います。
 市は空き家の件数や分布状況等を把握するために外観調査を実施しておられます。それによると空き家件数は9,094件で、腐朽、破損のある空き家は3,952件となっています。
 平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法――いわゆる空家法が施行され、危険な空き家を自治体が特定空家と認定して解体し、費用を所有者に請求できる――いわゆる代執行の法整備がなされております。本市においても、特定空家に認定し、特定空家等の所有者等が特定できない場合は、空家法に基づいて略式代執行による解体が行われます。
 そこでお尋ねですが、これまでの略式代執行の実績についてお示しください。
○建設部長(伊南一也君)
 略式代執行につきましては、空き家の所有者を確認することができず、その空き家の周辺環境や不特定多数の方に重大な影響を及ぼしている場合に、やむを得ず市が所有者に代わってその空き家を取り壊すことができるという制度でございます。
 本市における略式代執行はこれまで、令和3年に向洋町、令和4年に上新地町の2件を実施しております。
○桂 誠君
 所有者不明の空き家を略式代執行した場合、何が起こるかというと、費用の回収が困難になるという可能性が非常に高くなります。その実態と対策についてお尋ねします。
○建設部長(伊南一也君)
 略式代執行につきましては、所有者が確認できないため、費用の回収は非常に困難でございます。このことから本市といたしましては、略式代執行に至る前に、空き家問題を解決するための施策といたしまして、空き家問題の解決や空き家の発生予防を目的とした説明会の開催、YouTube動画を通じた情報発信、管理業者に空き家の外観調査や内部換気を委託する費用の一部を補助する空き家管理・流通促進支援事業、危険な空き家の解体に要する費用の一部を補助する危険空家除却推進事業、空き家の所有者と利用希望者とのマッチングを図る空き家バンク制度、空き家のDIYの普及や人材育成に取り組む団体の活動を支援する空き家DIYリフォーム人材育成補助事業など、様々な支援策を講じているところでございます。
○桂 誠君
 いろいろな施策を持っておられるということが分かりました。市民の税金で略式代執行が行われる以上、執行後に所有者が判明した場合は、速やかに解体費用を所有者に請求するように強く求めておきます。
 不要になった空き家は、市民自ら費用を負担して解体するのは当然ですが、ここで問題になるのは固定資産税の負担増です。更地にすることで、固定資産税の負担が4倍になれば、空き家の解体は躊躇されます。解体にお金がかかる上に負担が増えるのでは、空き家の解消は一向に進まないでしょう。
 そこでお尋ねですが、解体しても固定資産税が減免される制度を設けることはできないでしょうか。
○財政部長(前田一城君)
 土地に係る固定資産税の住宅用地特例のことでございますが、日常生活に必要な住宅用地の税負担を軽減するという住宅政策上の見地から設けられた軽減措置でございまして、住宅を解体した場合は、この特例は適用されなくなります。
 そこで議員御案内のように、固定資産税が4倍程度になるというようなことになるわけでございますが、住宅解体後の土地に、引き続き、同様な減免を行うということは、ほかに同様の更地を持っていらっしゃる方との公平性を考えると、今は考えておりません。
○桂 誠君
 了解しました。空き家の所有者等による適正な管理を促進することは、空き家が放置され管理不全の状態になることを防止します。下関市は空き家管理費用の一部を、先ほど紹介されましたように補助しており、それによりますと宅地建物取引業者または管理業者に依頼して行う空き家の外観調査、内部換気に要する費用の一部を補助しております。
 補助金の額は、外観調査を含む管理業務の場合は毎月最大2,000円、内部換気を併せて行う場合は毎月最大5,000円とあります。管理不全の状態を防ぐには効果のある補助だと思います。そこでお尋ねですが、実績はどのぐらいありますか。
○建設部長(伊南一也君)
 管理業者に空き家の外観調査や内部換気を委託する費用の一部を補助する空き家管理・流通促進支援事業の実績につきましては、令和3年度は11件、執行額は32万9,000円、令和4年度は15件、執行額は46万3,000円、令和5年度は17件、執行額は34万6,000円となっております。
○桂 誠君
 下関市は空き家情報を市のホームページなどで掲載し、空き家所有者と利用希望者との橋渡しを行う目的で、空き家バンク制度を開設しています。空き家を有効に活用することは重要なことです。そのためにも空き家バンクへの登録促進が不可欠です。
 そこで質問します。空き家バンク制度の実績と登録促進への取組をお示しください。
○建設部長(伊南一也君)
 空き家バンクにつきましては、空き家の利活用を促進するための有効な施策として積極的に取り組んでいるところでございます。実績といたしましては、令和6年12月1日時点で、物件登録数は184件、成約件数は96件となっております。
 登録促進への取組につきましては、空き家無料相談会での御案内やYouTubeを使った広報に取り組んでおりまして、今後はホームページをリニューアルし、より効果的で分かりやすい閲覧とするなど、さらなる空き家バンクの利便性向上を図ってまいります。
○桂 誠君
 私の娘が空き家を探したときも、よその市ですがこれを利用しました。結構利用しがいのあるものだと私は思っております。
 一般的に、独居の高齢者のみの方の持家については、空き家になる前の早めの対策が必要だと思われます。一例を挙げますけれども、子供さんが他県にいて、独居の高齢者の方が介護施設などに入所している、その後、その方がお亡くなりになったため空き家になった事例というのがあります。
 このように、空き家等の所有者となり得る方に対しては、事前の普及・啓発が必要であり、住宅が空き家となった場合の維持管理方法や活用方針、あるいは除去等についてあらかじめ考えておいていただく必要があるのですが、こうした事例における対応について具体的に教えてください。
○建設部長(伊南一也君)
 所有者などへの普及・啓発のための取組といたしましては、固定資産税の納税通知書に、空き家の適切な管理と活用に関する補助制度を御案内するリーフレットを同封しているところでございます。
 また、先ほど申し上げました空き家無料相談会における宅地建物取引士や司法書士などによる空き家問題の解決や空き家の発生予防などの相談対応や、YouTubeによる空き家問題の現状や対策等を広報する動画の配信といった幅広い世代への普及・啓発に努めているところでございます。
○桂 誠君
 空き家をそのままほっておけば、困ったものになるのですが、活用すれば財産になるわけです。ぜひとも活用を考えていかなければならないと思います。
 空き家等の対策で大事なことというのは、まず空き家等の発生を減らす対策、それから空き家等の減少に向けた対策、そして空き家等の適正管理対策の三つを総合的に推進していく必要があると考えます。空家等は当然所有者自らの責任と負担において、適切に管理していくのが原則であります。
 しかし現状では、これに対応し切れていない事案というものが発生しております。防災、衛生、景観、地域住民の生活環境に深刻の影響を及ぼす倒壊家屋や危険空き家への対応については、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 続けていいですか。(「はい、どうぞ」の声あり)それでは、3番目の質問に移ります。マイナンバーカード保険証についてお尋ねします。
 私の父親は第2次世界大戦では海軍の戦闘機に乗っていました。その父親が15年前に亡くなりましたが、死ぬまで自分の兵隊番号を覚えていました。今から80年前の話ですが、兵隊には一人一人番号がつくのかと驚きました。しかし、今の私たちにも兵隊と同じように番号がついています。しかも2回もです。前回の住基カードの番号とマイナンバー制度の番号です。
 今回このマイナンバーカードと健康保険証の連携について質問します。折しも12月2日をもって、現行の健康保険証の新規発行が終了しました。
 11月5日に私は山口市の耳鼻科に行きました。その受付に署名用紙が置いてありましたので内容を見ました。それには、「現行の健康保険証を残してください」と書かれていました。マイナンバーカードを持たない私はそうだそうだと思い署名しました。署名簿の隣には、全国保険医団体連合会発行のパンフレットが置いてありました。内容を紹介します。こういうものです。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
〇桂 誠君
 まずパンフレットの最初には、「2024年12月2日に政府は今の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化しようと狙っています。ずっと今の保険証で何も困っていないのにです。政府に今の保険証も残すと言わせましょう」とあります。全くそのとおりだと思います。
 今の保険証を残す理由を三つ挙げておりました。一つ目は、受付窓口がスムーズになるのは疑問であり、他人の保険情報がひもづけられたとか、顔認証がうまくいかないとか、暗証番号を忘れてロックがかかった、資格を確認できず10割負担になったなどのトラブルが続出していますとあります。2023年10月1日以降のマイナ保険証とオンライン資格確認でトラブルが約60%の人があったと言っています。トラブルへの対応については、紙の保険証を出してもらって確認し、解決しているということです。ですから、今はマイナンバーカードと紙の保険証を両方医療機関に持っていかなければ不安で仕方がないという状況です。何ともしれない笑い話です。
 二つ目は、マイナ保険証の手続は簡単か疑問とあり、「マイナ保険証は5年ごとの更新が必要です。更新手続をしないと使えなくなります。今の健康保険証なら職場や住所が変わらない限り、手続が不要なのにです」とあります。
 三つ目は、医療の質が向上するのは疑問とあり、「薬剤情報の閲覧は、現在は1か月前の情報しか見られません。また、マイナ保険証だと高額医療費制度が手続なしで使えると言いますが、今の保険証でも受付時の確認で可能です」とあります。
 政府は12月2日から紙の健康保険証を廃止して、全てマイナンバーカード保険証に切り替えると言っています。ところで現在医療機関でマイナンバー保険証を利用している人はどのくらいいるのでしょうか。多くの人は使っていません。厚生労働省は、4月の時点で僅か6.56%だと言っています。使いたくないのか使えないのかよく分かりません。
 そこで質問ですが、健康保険証とひもづけられているマイナンバーカードの医療機関での使用率について、下関市は把握されているのでしょうか。把握していれば、どのぐらいの使用率なのかをお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 令和6年9月分の本市の国民健康保険のマイナ保険証の利用率は30.5%です。また、山口県後期高齢者医療保険の下関市加入分のマイナ保険証の利用率は23.0%となっております。
○桂 誠君
 国民健康保険と後期高齢者医療保険に限ってのことですね。それだけ見ると全国より高い率となっておりますが、いまだに紙の保険証の利用者が多いということには変わりありませんね。
 最近、私は次のような体験をしました。私が行った医院では受付の方が高齢者の方に、紙の保険証も一緒に持って行かれたほうがいいですよと言っておられました。何だこりゃと思ってしまいました。
 先ほども言いましたように、政府は12月2日から紙の健康保険証を廃止し、全てマイナンバーカード保険証に切り替えると言っています。私のようにマイナンバーカードを持たない人、保険証をひもづけていない人が現実にいます。紙の保険証が廃止になるということで、大きな不安を感じます。マイナンバーカード保険証を持たない人は、公的保険診療から遠ざけられる結果になりかねません。国民皆保険制度の下で守られている国民の命と健康が脅かされることになります。
 紙の保険証に代わるものとして資格確認書が出されるということですが、資格確認書について質問します。資格確認書と紙の保険証の違いは何でしょうか。また、資格確認書は申請しなければならないのでしょうか。それはいつ発行され、永久に使えるものなのでしょうか、お示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 資格確認書と紙の保険証の違いは何かということでございますが、違いは交付対象者となります。健康保険証は被保険者全員に発行されるのに対し、資格確認書はマイナ保険証をお持ちでない方に発行されます。医療機関等での利用の仕方に違いはございません。
 また、本市の国民健康保険と山口県後期高齢者医療保険におきましては、資格確認書と健康保険証とに有効期限やサイズ、材質等の違いはございません。
 続いて、申請はしなければならないのか、また永久に使えるものなのかという御質問ですが、資格確認書の発行には法令では申請が必要ですが、当分の間、申請をしなくても資格確認書を発行いたします。
 本市の資格確認書は、8月から翌年7月までの1年間の有効期限であり、毎年更新され、7月に新しい資格確認書を発行いたします。これは従来の健康保険証と同様でございます。
 また、転入や社会保険等脱退等に伴いまして、新たに健康保険に加入される方が、マイナ保険証をお持ちでない場合にも、資格確認書を発行いたします。
 なお、後期高齢者医療保険におきましては、令和7年7月31日までの暫定的な運用といたしまして、年齢到達等により、ほかの健康保険から後期高齢者医療保険に加入する方等には、マイナ保険証の有無にかかわらず、資格確認書を申請しなくても発行いたします。
○桂 誠君
 10月下旬からマイナンバーカード保険証の登録解除ができ、マイナンバーカードと保険証を今までのように、ばらばらにすることができるようになりました。このことを市民にどのような方法で周知されているのかお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 マイナ保険証の利用登録解除の市民の皆様への周知の方法につきましては、市のホームページにて周知しているところでございます。
○桂 誠君
 市のホームページだけでの周知は足らないと考えます。ほかの方法も考えてください。
 このように利用率が10%にも満たないのに強引に進めるのはなぜでしょう。マイナンバー保険証の導入で検査や投薬を制限し、患者が受ける医療を抑制しているのではないでしょうか。また、マイナンバー保険証には医療に関する個人情報が入っています。これは大企業がビジネスに活用できるのではないでしょうか。このように私はマイナンバーカード保険証は、国民のためを思ってつくられたものではないように思います。以上で私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(安岡克昌君)
 以上で本日予定された一般質問は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
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