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第2回定例会 6月20日(木) 本会議(一般質問2日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月20日(木) 本会議(一般質問2日目)
みらい下関
板谷 正 議員
1.中心市街地のまちづくり
【下関市議会 本会議確定版】
△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を継続いたします。10番、板谷正議員。(拍手)
〔板谷正君登壇〕
○板谷 正君
みらい下関の板谷です。実は、ちょっと昨日、腰を痛めて、ちょっと見苦しい姿勢で質問をさせていただきますことを、まずはお許しいただければと思います。
このたびは、質問事項として、中心市街地のまちづくり1件となります。その中心市街地は、極端な少子高齢化、居住者の減少、また、最近では駅前商業施設の売上げの減少や、それに伴いテナントの撤退による衰退や、公共交通機関であるバスの減便により、夜間の利用が不便になったなど、様々な問題を聞きますが、今回は、中心市街地の中でも、下関駅周辺のまちづくりに焦点を置き、質問させていただきます。
まず、1件目は、まちづくりの基本計画である都市計画マスタープランについて質問させていただきます。本市におきましては、最上位計画となる下関市総合計画をはじめとし、様々な取組に対し、個々の計画を作成し、行政運営を行われております。
その中で、都市計画マスタープランは、まちを形成していく上で、基本となる計画であり、このたびの質問では大切な取組ですので、まずは都市計画マスタープランについて御説明いただきたいのですが。今回は、中心市街地の、特に、その中の中心地区のまちづくりについてお示しください。
○都市整備部長(山上直人君)
都市計画の基本方針である下関市都市計画マスタープランでは、下関駅から唐戸周辺は都市拠点として、既存の都市機能を生かし、多面的な機能が複合集積する市街地形成や、まちなか居住の誘導を図ることとしております。
あるかぽーとなどの臨海部周辺は、海を生かした都市機能の集積と、回遊性の向上を図ることとし、観光客と市民の憩い、にぎわいの場として位置づけております。
また、国道9号より北側の斜面地など、居住地として課題を抱えている地区は、快適で利便性の高いまちを目指して、土地区画整理などのまちなか再生や、密集市街地の防災性の向上を図ることとしております。
さらに、グリーンモールや豊前田、唐戸などの商店街につきましては、回遊性の向上を図り、歩きたくなるまちづくりを図ることとしております。
都市計画としては、交流人口を受入れながらも、市民の皆様にとって住みやすく、住み続けたくなるまちづくりを推進してまいります。
○板谷 正君
都市計画マスタープランについての詳細の御説明をお聞きしましたので、これからは具体的な案件の質問に移ります。
まずは、この地域最大の課題でもある空き家・空き地対策についてお尋ねします。これまでも空き家・空き地の対策には、各担当部署で、様々な取組が行われておりますが、解決にはなかなかたどり着けない問題であるというか、この地域においては、空き家・空き地が増加しているのは間違いありません。
また、持ち主が管理を行わずに、周辺に迷惑をかける危険家屋も増加しております。
本来、民地上に建つ民家なので、持ち主や相続人が管理するのが当たり前でありますが、そのようになっていないのが大半です。国も所有者不明の土地、建物を解消する目的で、本年4月より相続登記を義務化する法改正が行われることになりましたが、即効性があるわけでもありませんので、現状として、空き地の雑草の繁茂、害虫の発生、空き家の倒壊や破損物の飛来など、近隣の住民も、被害や迷惑な案件が発生した場合には、私どもや自治会などを通じて市に頼るしかないと思いますし、だからと言って、市も直接的な手だてが行えるものではないことも理解をしております。
それでは、まずお聞きします。この件につきまして、これまでも何度もお尋ねしておりますが、改めて空き家・空き地の管理に関して、本市で現在行われている施策をお示しください。
○建設部長(伊南一也君)
空き家の管理に関する施策の取組につきましては、令和3年に策定いたしました下関市空家等対策計画に基づき、管理が不適切な空き家の増加を抑えるため、各種施策を実施しております。
具体的には、空き家の外観調査、内部換気を管理業者に委託する費用の一部を補助することにより、適正な空き家の管理を推進する、空き家管理・流通促進支援事業を実施しております。
また、周辺に影響を及ぼすなど、危険な状態となった空き家につきましては、所有者などに対して、助言、指導を行うとともに、危険な空き家の解体に要する費用の一部を補助する危険空家除却推進事業を実施し、管理や解体などの適切な対応を促しております。
○環境部長(吉田 誠君)
続きまして、空き地の管理に関する取組についてお答えいたします。
空き地に対する相談があった場合の対応手順につきましては、まず職員が現地に赴いて状況を確認し、法務局で登記事項証明書を取得して、空き地所有者を調べた上で、草刈り等をお願いする文書を送付しております。
その後も適正管理が行われず、継続して相談があった場合には、再度文書の送付を行っております。
空き地の管理につきましては、原則、所有者の責任において実施していただくものであり、これを市民に広く周知するため、昨年度から市のホームページに、今年度からは市報6月号を活用しまして、空き地の適正管理についての周知を行っております。
○板谷 正君
私たちも実際、市民の方、地域の方から御相談を受ける案件の半数近くが、空き家や空き地から発生するような問題も多く、その都度、各担当部署のほうに相談させていただき、迅速な対応をしていただいていることには心から感謝します。
続いて、そこで、近年、積極的に取り組まれているのが、空き家や空き店舗を手だてが行えなくなるまで放置するのではなく、物件がまだ状況のいい段階で、うまく利活用できないかという施策です。
本市でも、空き家バンクに登録し、建物を再利用する制度は、これまでも一定の成果が出ていることはお聞きします。また、空き店舗利活用を促す、空き物件活用ビジネス支援事業も行われておりますが、聞き取りの際、少し残念ですが、中心市街地の中心地区では、利用はほぼないようであることもお聞きしました。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○板谷 正君
ここで御覧いただくのは茶山通りの写真ですが、市内の事業者が積極的に空き店舗をリノベーションし、新たな店舗として活用されている物件です。手前の黄色い建物は既に稼働しており、奥の緑色の店舗は現在改装工事中で、近いうちに利用が開始するのではと思います。このように、民間事業者さんも積極的な取組が行われております。
それではお聞きしますが、本市で現在行われている空き家・空き地等の利活用策をお教えください。
○建設部長(伊南一也君)
空き家の利活用に関する取組につきまして、お答えいたします。
空き家の所有者と利用希望者とのマッチングを図るため、今、議員からもお話がございました、空き家バンク制度を実施しております。これにより、今まで未活用であった空き家を市場に流通させることで、空き家の利活用の促進につなげているところでございます。
また、空き家の利活用を促進する人材を育成するため、空き家のDIYの普及や、人材育成に取り組む団体の活動を支援する、空き家DIYリフォーム人材育成補助事業を行っております。
○総合政策部長(前田一城君)
今、画像のほうでも御紹介いただきましたリノベーションまちづくりについて御説明いたします。
現在、下関駅周辺エリアを含む中心市街地内に、多く存在する空き家や空き店舗等を改修して、新たな価値を生み出すリノベーションまちづくりを推進しております。これは、不動産オーナーや事業を始めようとされる方、まちづくりに興味や意欲のある市民などによるワークショップを通じて、空き物件の発掘をはじめ、再生に向けた手法やアイデアを持ち寄り、にぎわいを創出する拠点として再生し、新たな人の動線を生み出すことで回遊性を高め、エリアの価値を向上させていくことを目的としております。
令和2年度の事業開始以来、4拠点が整備され、現在2拠点が準備を進めております。具体的な取組としては、副業や起業を支援するチャレンジルームや、コワーキングスペース、シェアキッチン、イベントやセミナー会場として活用され、地域、世代、職種や価値観が異なる多様な人材が集まり、新たなコミュニティーやネットワークが形成され、交流人口の拡大や雇用の創出につながっております。
今後も引き続き、このリノベーションまちづくりを進めて、構築したにぎわいのスポットをつなぎ、点から線へ、さらに面へと広げ、にぎわいの拡大を図ってまいりたいと考えております。
○板谷 正君
お隣の国の釜山なのですけど、釜山の、ちょっと名前の呼び方が、韓国語の呼び方は分からないのですけど、甘川(カムチョン)文化地区というのがあって、そこはこういう具合に、古い建物を全部、ちょっとカラフルな形でペイントして、斜面地一帯がすごく鮮やかなパステル状に染まって、地域全体が観光地として、大変にぎわっている地域もあるようです。
この茶山通りがそういう具合な形になっていけばいいと思うのですが、なかなか急激にはできるものでもないですし、やはり今御説明いただきましたように、民間のノウハウだとか、活力などを利用した、こういう再生事業に対しては、より積極的に取り組んでいただければと思います。
次の質問は、下関市私道舗装等工事費補助金事業についてです。この事業の趣旨は、本市における私道の整備を促進し、もって生活環境の向上、及び交通安全に資するため、私道を整備する者に対して行う補助金の交付を行うこととあります。
要綱には、定義や交付対象など細かくルールが定められておりますが、この事業はあくまで、新たに私道を舗装整備したり、安全施設を整備すること以外に利用できない補助金です。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○板谷 正君
ここで写真を見ていただきたいのですが、これは竹崎町にある私道の下ののり面が崩れ、その影響で道が陥没し、通行ができなくなっている状況です。
次の映像は本市の提供する、しもまちアプリの道路情報による下関駅周辺、2,500分の1の地図です。この赤いところが市道なのですけど、御覧いただくように家はかなり密集しておりますが、公の道はなく、大半が私道であることが御理解いただけると思いますが、そこに暮らす住民の大半が、当然、私道を通行し、生活しているのです。あわせて、地図では分かりにくいと思いますが、この地域は大半が斜面地であることも御理解ください。
そういうことで、その一部が、先ほどのように破損し、通行ができなくなれば、日常生活をするために通った道が通れなくなり、道路の持ち主が理解のある方で修繕を行ってくれればいいのですが、それは簡単なことではなく、民間での修理は基本的に望めないのが現実です。この竹崎町の私道、以前相談を受けた案件でしたが、今でも自治会による簡易なバリケードで通行止めとなっております。通行止めですら、こういう具合の、自治会の方がひもを張って止めているぐらいの状態です。
それではお聞きします。今お見せしました道路地図は下関駅周辺だけでしたが、中心市街地は大半が同じように公道が少なく、住民の多くが私道を利用して生活しており、このたび説明した下関市私道舗装等工事費補助金事業を、私道の補修にも利用ができるよう、補助対象を拡大してはいかがかということと、また、この事業は、年間100万円しか予算措置されていないので、予算面も増額したらと思いますが、いかがでしょうか。
○建設部長(伊南一也君)
本市では、私道におきまして、生活環境の向上を図るため、舗装やガードレール、手すりなどの交通安全施設について、多くの住民が利用するような公益性の高い私道の新設工事を対象として、下関市私道舗装等工事費補助金を交付しております。
こうした多くの住民が利用しているような私道が、様々な要因で破損した場合は、地域住民の生活への影響が大きくなってまいりますので、近年の激甚災害の頻発化という状況も考えまして、私道工事の補助対象範囲の拡充につきまして、他市の事例も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。
また、予算措置につきましても、この補助金の対象範囲の拡充と併せまして、検討してまいりたいと考えております。
○板谷 正君
すごく前向きな回答をいただきまして、ありがとうございます。先ほどの地図にもありますように、これを拡大したらもっと分かりやすいのですけれど、ほとんど公の道がないのです。全部私道を通って生活されるような方ばかりなので、ぜひ今後の予算におきまして、御検討いただければと思います。
次の質問は、そこに暮らす方々を対象にした自治機能の維持についてです。これまで地域で暮らす方々は、基本的には自治会等を組織しており、一昔前はその一部として、婦人会や子供会、老人会まであり、それぞれが活発な活動をされていたと思います。
まだ人口の多い地域では、それぞれの組織が機能していると思いますが、中心市街地では、先ほども言いましたとおり、極端な人口減少や少子高齢化が進み、子供会や婦人会、老人会まで解散した地域も多く、コミュニティー内の組織が機能しなくなってきております。ひどいところでは、自治会まで解散といったケースも出てきております。
地域福祉を担う民生委員においても、中心市街地はいつも欠員状態であるのと、定年が75歳と定められておりますが、実際活動されているのは、80歳を過ぎた方ばかりで、次にバトンを渡せる方もいないようです。
本市も自治機能の強化を目的に、平成24年より、住民自治によるまちづくり推進事業を開始し、本年で12年目となりますが、それを担う組織の構成員の年齢層にも関係するのか、地域によって活動に大きく差が出てきているのではと思うのと、地域内の多くの役職を、大半が同じ方が担われていることは心配でなりません。
それではお聞きします。中心市街地は、自治機能が不全状況に陥るのが、他の地域に比べ、早く訪れるのではと心配な状況でありますが、所管する市民部として、いかがお考えかをお答えください。
○市民部長(山田之彦君)
議員が御心配されていらっしゃる中心市街地における自治機能の継続について、市としての考えをお答えいたします。中心市街地に限らず、自治会などの地域活動の担い手の高齢化や人材不足、急激な人口減少が進む中、担い手の減少により、地域活動が思うようにできなくなる可能性があると考えております。
市や県の関係機関等から、地域に様々な業務が依頼され、その役割が特定の方に集中していることも、負担の要因の一つであると認識しているところでございます。
地域活動の担い手不足については、喫緊の課題であり、地域活動を継続していくためには、後継者の育成や若い世代の参画の促進が必要であると考えております。その一方で、ライフスタイルや地域の置かれた状況の変化に合わせ、自治会などの活動内容を見直し、負担の少ない効率的な地域活動への転換を推進する必要性も感じております。
○板谷 正君
十分、私たち以上に御理解できていることは分かりましたが、なかなか地域のほうも、実際に先ほど言いましたように、同じ方がいろいろな役職をやられているのも事実です。それと、一時期に比べてやはり役職が多過ぎるのです。子供たちの非行防止に関しても、少年相談員があったり、補導員があったり、防犯連絡所指導員があったりと、同じような役職が三つもあって、それをそれぞれがしている。福祉においても民生委員があったり、福祉員があったり、保健推進員があったり、何個も同じような役職を、地域に依頼しているのが現状ですので、どこかのタイミングで、少しシンプルにしていくということも、大切なのではないかという具合に思います。
次の質問は、下関駅周辺地区市営住宅等団地再生業務により発生する、今回はこの空き地について行います。平成29年より取組が始まった団地再生業務(1期)においては、PFIによる事業者選定の入札公告が行われ、今年度中に事業者の決定、来年度から既存建物の解体が行われ、令和11年には建て替えが完了する予定、また、本年度より2期への取組も始まっております。
この計画は、現在14棟ある市営住宅を、3棟分の敷地に集約していくもので、建て替えが完了した際には、残り11棟を解体し、新たな用地が生まれることになるわけです。
それではお聞きします。通常の市営住宅では、底地は市の所有であるものが大半だと思いますが、この地域の市営住宅は、土地区画整理事業により整備された改良住宅であり、土地の所有者が複雑であると思いますので、まずは土地の所有状況について御説明ください。
○建設部長(伊南一也君)
下関駅周辺の市営住宅につきましては、下関駅周辺地区市営住宅等団地再生計画におきまして、14棟691戸を2棟363戸に集約建て替えすることとしております。
この計画において、建物を集約し、解体することにより発生する空き地は8か所ございまして、そのうち市が全ての土地を所有している箇所が3か所、残りの5か所は、市を含めた複数が所有している状況でございます。
○板谷 正君
当初の計画では、更地となる今8か所と言われましたが、11棟と書いてあるのですが、8か所に民間のノウハウを取り入れた形で土地利用を進めるという漠然とした説明しかありませんでした。
このたびの市営住宅の建て替えは、ゴールの見える事業ですので、事業者を選定した後は、粛々と進んでいくものと思いますが、本当に重要なのは、11棟分8か所の更地をどのように活用し、新たな町並みを形成していくのか、ここの取組次第で、下関駅前といいますか、下関の顔となる地域の未来を左右する大切な取組だと思いますし、本市の中心市街地の都市計画において、本気で力を注いでいかなければならないことと考えます。
それではお聞きしますが、今お聞きしましたとおり、底地の地権者状況も様々であり、担当部署としては、民間で何とかなると楽観視はしていないと思いますので、今後発生する八つの更地について、市はどのようにまちを思い描き、どのように関わっていこうと考えているのかをお聞かせください。
○建設部長(伊南一也君)
下関駅周辺の市営住宅を集約し、解体することにより、空き地となる箇所については、JR下関駅に近接した立地特性を生かして、地域の活性化やにぎわいの創出を目的とした、民間主導による土地利用を進めてまいりたいと考えております。
しかしながら、土地だけではなく建物につきましても、市を含め複数が所有しているものもありまして、複雑な権利関係となっていることから、建物を解体し、土地の利用に至るまでは、所有者など関係者との合意形成に向けて、多くの課題があると認識しております。
こうしたことから、今後、民間主導による土地利用を進めていく段階におきましては、市においても、民間事業者の動向や意向などをしっかり把握しながら、市の関わり方も含めて、他の関係部局とも連携して、検討してまいりたいと考えております。
○板谷 正君
しっかりと、市として関わっていただきたいと思います。下関駅前を、無秩序なまちにさせないためにもお願いいたします。例えばなのですが、先ほどから言っております斜面地の土地区画整理事業を考えたりして、新たに、今のところに改良住宅を、また整備することになるわけですが、区画整理用の改良住宅を整備して、斜面地の土地区画整理事業などに着手することも、可能性の一つではないかと思います。
斜面地も、あのままでは何とも手をつけられない状況ですので、昔、グリーンモール、50年前に行われた土地区画整理事業を、再度開始すること自体も、やぶさかではないと思っております。
次の質問は、下関市学校適正規模・適正配置基本計画における小中学校の再編についてになります。平成21年5月に、下関市立学校適正規模・適正配置基本計画(第1期計画)が発表され、現在は、令和2年から令和6年を期間とする第3期計画の計画期間中でありますが、令和4年11月には、この第3期計画の一部が見直されております。
一番最初の平成21年の計画では、関西小学校を、この地区だけなのですけれど、神田小学校、桜山小学校を関西小学校の位置に統合するというものでしたが、その後、神田小と桜山小が桜山小の位置に先行して統合されました。
また中学校も、文洋中学校と向洋中学校が、向洋中学校の位置での統合と、計画が発表されておりましたが、これはいまだに進展がありません。
そうしているうちに、今の第3期計画が令和2年に示され、当初は関西小と桜山小を桜山小の位置に統合し、文洋中と向洋中を旧神田小学校の位置に、新たに設置するというものでしたが、令和4年の変更では、関西小、桜山小、文洋中、向洋中、新たに向山小を加えた形で、旧神田小学校の位置に小中一貫校を設置すると、大きく計画が変更されました。
対象となるそれぞれの学校は、現在の生徒数も少なく、ある程度の生徒数が維持できる学校の設置は、生徒さんのことを考えても賛同できるものですが、現状、各学年2クラス程度を維持している向山小学校からすれば、もらい事故のような感は否めない状況で、地元説明会におきましても、反対の意見が多かったのも事実です。
そうは言いましても、昨年度の名陵学園の新設、本年度の吉見小、吉母小、吉見中を対象とした小中一貫校の設置など、各地域で計画が進行している中、この地域は一向に進む気配はありません。
それではお聞きしますが、ただいま話しました、5校を対象にした適正化モデルの現状と、進捗状況について御説明ください。
○教育部長(藤田信夫君)
現行の下関市立学校適正規模・適正配置基本計画では、ただいま議員御案内のとおり、下関駅周辺の関西小学校、桜山小学校、向山小学校、文洋中学校、向洋中学校による小中一貫教育校を計画しております。
令和4年10月に、住民の皆様を対象に説明会を実施し、その後、関係の5校のPTA会長と協議をし、適正規模化が必要であることについては、おおむね御理解をいただきましたが、統合後の学校位置につきましては、様々な御意見をいただいているところでございます。
第3期の計画期間が今年度で終了することから、現在、第4期の計画策定に取り組んでおり、今後も関係者の皆様と協議を続けてまいりたいと考えております。
○板谷 正君
この地域はどうしても、下関駅から幡生駅の途中にあるということで、山陰線、山陽線も間にありますし、国道なんかも通っており、非常に交通量の多いところなので、親御さんからすれば、子供さんが通う距離というのにも、非常に敏感になると思います。
そうは言うものの、今年、関西小学校などは、今40人ぐらいしか全校生徒がいないような状況で、その子供さんたちのかわいそうな状況も、私たちも目にしますので、次の第4期の計画策定に当たっては、しっかり地域のことも考えながら、特に子供さんたちの教育環境というのを気をつけていただいて、新しい計画の策定をお願いできればと思います。
次の質問は、下関駅前商業施設について行います。昨年度の12月に、7,000万円の補正予算から始まった下関駅前応援事業、本年度の当初予算では2億5,000万円と大幅に増額しており、市長の本気度が伺えます。
私たちが子供の頃は、下関駅前には多くの商業施設があり、週末、家族とおめかしして、お出かけをする場所でしたが、半世紀もたつと、駅前の商業施設数も減少し、新下関地区をはじめとした市内各所への商業施設の進出、下関駅の焼失など、下関駅の様子もすっかり変わってしまいました。
また近年は、消費者の消費動向も変化し、下関駅前に限らず、日本全体で駅前商業施設、特に百貨店といわれるデパートがどんどん姿を消してきております。
このたびの応援事業は、下関駅前の人のにぎわいや、明かりを消してはならないとの市長の熱い思いで始まったのだとは思いますが、やはり公費をかけて行う事業ですので、それ相当の成果の検証をしなければならないと思っております。本年度は年度途中でありますが、昨年度から、これまでの実績について、まずお示しください。
○産業振興部長(津野貴史君)
下関駅前応援事業についてお答えいたします。本事業は、昨年10月の下関駅前応援宣言を受け、昨年12月の補正予算、及び今年度当初予算におきまして、各種補助事業を実施しているものでございます。
事業メニューにつきましては、プレミアム付商品券事業、送客バス運行事業、イベント開催等支援事業、テナント誘致支援事業、公益的施設整備等事業があり、いずれも事業経費の一部を補助するものでございます。
実績につきましては、まず、商品券のプレミアム分を補助するプレミアム付商品券事業については、令和5年度は1万セット、総額1億3,000万円、令和6年度は3万セット、総額3億9,000万円を販売したところ、いずれも好評を得て完売しております。
また、市外のお客様を下関駅前に送客する買物バスツアーのバス借上げ経費を補助する送客バス運行事業については、令和5年度、6年度のいずれも、シーモール及び大丸下関店の共同実施により、県内5コースで運行されました。
令和5年度は、2月23日から25日までの3日間、バス18台で計399名の方に、令和6年度は、4月14日にバス6台で計200名の方に御利用いただきました。
イベント開催支援事業及び魅力的なテナントを誘致するというテナント誘致支援事業につきましては、現時点で補助金活用には至っておりませんが、テナント誘致においては、当該補助金を活用した誘致交渉を継続しており、令和6年度は、複数の誘致が実現し、順次開業する見込みでございます。
また、トイレ等の公益的性質を持つ施設の整備・改修等を補助する公益的施設整備等事業につきましては、シーモール、大丸下関店のいずれも2か所ずつトイレの洋式化や幼児対応などを行ったところ、利用者から利便性と満足度が向上したとの声があったと聞いております。
○板谷 正君
先ほども言いましたけれど、公費を用いて行う事業には、社会福祉事業のように成果の検証を求められないものもありますが、このたびの事業のように、事業者を限定して支援するのであれば、それ相当の実績も求めないといけないと思いますので、よろしくお願いいたします。
先日、北九州市が焼失した旦過市場の再開発計画を発表されておりましたが、4階建ての建物を整備し、1階は商業施設を配し、上部には北九州市立大学の一部の学部を設置するというものでした。旦過市場といえば北九州市民の台所と言われておりましたが、今後の人のにぎわいを創出していくには、商業施設だけでは限界があるとの表れではないかとも感じました。
下関駅前の商業施設では空きテナントも目立ち、来客も減少しているように感じますが、駅前として、にぎわいを維持していくことは大切な取組だと思います。一方で、市民の消費動向もしっかり把握し、にぎわいの継続には、今後どのような取組が本当に必要なのかということを、検証するタイミングに来ているようにも感じます。
それではお聞きしますが、昨年から続く下関駅前応援事業、今後、どのような対応を考えておられるのかをお示しください。
○産業振興部長(津野貴史君)
下関駅前応援事業は、魅力的なテナント誘致、集客のための各種施策、駅前商業空間の魅力化などにより、駅前商業の立て直しを図るもので、あくまで現在の商業空間の魅力再構築を行うカンフル剤的なものであると認識しております。
そのため、永続的ではなく、時限的に実施する中で、魅力的な商業空間を構築し、しっかりと顧客を獲得することで、その後、自走してもらえるものと考えております。
そして、その間、事業効果を検証し、必要があれば商業振興以外の方策についても検討すべきと考えております。
○板谷 正君
カンフル剤なら元気が出ると思うのですけれど、延命の点滴にはならないように、気をつけていただければと思います。
次は、最後の質問になります。海峡エリアビジョン推進事業との連動についてお尋ねします。本市が進めるウオーターフロント開発計画を具体的に進めていくのが、この推進事業であり、現在は、あるかぽーと・唐戸エリアを対象としたマスタープランが具体的に進められております。
先日も推進会議が行われ、あるかぽーと地区で行われるそれぞれの事業やロードマップも示されました。その会議の中で説明された取組に、推進委員さんから、それぞれが観光客を対象としたものなのか、それとも市民を対象としたものなのかとの質問に対し、それぞれが人のにぎわいを創出できるので、観光客はもとより市民の方もお越しいただけるようになると、専門家と言われる方が具体的な根拠もない、楽観的な回答をされておられました。
確かに、下関から唐戸にかけてはマンションやアパートなども建ち並び、一定の居住者がおりますが、その背後地は、数年もすれば、ほぼ誰も住んでない地域となるのが予想されます。
観光客も一定数は期待できると思いますが、本当の意味での人のにぎわいとは、そこで暮らす方々が日常的に利用してこそ定着できるものであり、市民でも遠くの方がわざわざ車で来て、有料の駐車場代を払って利用するものではないと思います。
このままウオーターフロント開発を進めていけば、国道沿いには、本市に訪れる観光客は満足してもらえるものがそろうのかもしれませんが、市民は無関係の、人の住んでいないまちが広がっていくのではないかと心配しております。現に、今進められている噴水やライトアップ、海響館横の緑地帯の整備について、市民から喜びや期待の声を聞いたことはありませんし、以前よく聞いたのは、あるかぽーとにある観覧車がなくなるのを残してほしいというものでした。
このたびの質問では、海峡エリアビジョン推進計画で進められている具体的な質問は行いません。特に現在進められている、あるかぽーと・唐戸エリアマスタープランについては、特別委員会において、今後は星野リゾートさんや唐戸商店街関係者、唐戸市場関係者、また、最も大切な地域に暮らす近隣の自治会の皆様なども参考人として招致し、それぞれの立場の意見をしっかりお聞きし、市民の代弁者である議会として、来年度予算編成前には提言を行いたいと考えております。
それではお聞きします。海峡エリアビジョンの推進において、本当の意味での人のにぎわいを創出するには、ウオーターフロントの開発と合わせて、周辺の住環境の整備をより積極的に行うべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
海峡エリアビジョンの推進におきましては、下関駅から火の山までの海峡エリアを下関駅エリア、それから、あるかぽーと・唐戸エリア、火の山・壇之浦エリアの三つに分類し、それぞれが目指すべき将来像に向けて取り組んでいるところでございます。
そのような中で、下関駅エリアにおきましては、先ほどの下関駅前応援事業をはじめ、駅前オフィスビルの整備や、歩きたくなるまちづくりの推進などを行っております。
また、グリーンモールや豊前田商店街周辺においては、先ほど申しましたリノベーションのまちづくりにより、新たなにぎわいやコミュニティーの創出に取り組むとともに、市営住宅の団地再生など、良好な住環境の整備も進めており、活力ある市街地を創出するためには、議員がおっしゃるように、住環境の整備というものは大変重要であると考えております。
これらの取組は、市民にとって利便性が高く、安全安心で、住みやすい生活環境を構築するとともに、観光客など市内外からも多くの来訪者を呼び込み、地域経済の活性化や、新たなビジネス、雇用を生み出すなど、調和の取れたまちづくりに資するものと考えております。
○板谷 正君
歩きたくなるまちをつくっても、そこに歩く人がいなかったら、歩けないので、どうぞよろしくお願いいたします。
このたびの質問は、中心市街地が荒廃していく様を、何とか食い止めなければとの思いで行わさせていただきました。本日始まった東京都知事選挙で、小池都知事の公約の中に、木造住宅密集地域の解消促進があり、東京都でさえ、古い町並みを解消する取組が必要な状況なのだと思います。
中心市街地の、特に中心地区一帯を再生するという目的を持ち、まず、計画をしっかり示し、再開発を進めていかなければ、本市中心市街地の、特に斜面地は、数年後にはゴーストタウンになるのではと危惧します。日本一のウオーターフロントシティーを標榜し、現在、様々な事業に取り組んでおりますが、このままでは、本当のにぎわい創出にはつながらないのではと思います。
前田市長も、次期選挙への立候補を表明されておりますが、ぜひとも当選いただき、次の任期の重要課題としての取組をお願いし、このたびの質問を終了いたします。(拍手)
著作権について
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