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第1回定例会 3月7日(木) 本会議(個人質問2日目)
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内容
会議録
第1回定例会
3月7日(木) 本会議(個人質問2日目)
みらい下関
山野 陽生 議員
1.公共交通機関整備推進業務
2.しものせき産学交流しごとの魅力発信事業
3.若者の市内就職・採用活動支援事業
4.まちなかウォーカブル推進事業
【下関市議会 本会議確定版】
△個人質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
個人質問を継続いたします。10番、山野陽生議員。(拍手)
○山野陽生君
皆さんこんにちは。みらい下関の山野陽生です。昨年の3月議会は、2月の市議選で議員にさせていただき、最初の議会ということもあって、経験不足から質問はいたしませんでした。2年目となり、予算に係る質問ということで、通告に従いまして質問させていただきます。
予算の目的は、財政規律を守り、優先性、緊急性の高い分野に、重点的に財源を配分し、仕事を無駄なく、効率的に実施することと言われています。
その意味では、今年の予算書にも彦島の案件がほとんどなく、「彦島の発展なくして下関の発展なし」をキャッチフレーズにしている私としては、今後の議員活動において、下関の発展につながる彦島の魅力の発信にも、注力していきたいと思います。
また、私の議員活動のテーマは、下関の重要課題である人口減少問題、若者の市外流出に歯止めをかけるとし、観光、雇用、教育の両面で、政策提案していく方針です。
予算には、御承知のとおり、一、二年の短期、三、五年の中期、六から十年の長期財政推計に分かれ、その策定目的も異なっています。
優先性、緊急性の高い分野とは、今、市民が困っていることは何かという点です。もちろん短期の予算だけでは、街は衰退します。中長期的な投資が必要なのは必然です。本市は、市長が言われるように、足元のサービスの充実と、若者が下関への愛着を高める未来への投資を、予算の柱とされています。
今年度の一般会計当初予算は1,312億円、前年度86.8億円増と大幅増となりました。令和6年だけでも、総合体育館、安岡地区複合施設、新社会福祉センターをはじめ、多くの投資事業が行われ、投資的経費が大きく増化したことが要因となっています。
公共施設等総合管理計画においては、将来の世代の負担を考えた適正な量と質の施設と、インフラ資産になっているかは、疑問の多い予算組みと思われます。市民からも、下関は箱物が多く、維持管理費を考えて予算を立てているのか。老朽したら廃止、解体することしか考えていないのではと、苦言を言われます。また、新規事業は国庫補助を活用しますが、維持管理費用は長期にわたる経常的経費となり、全額一般財源の負担となることを重視すべきだと思います。例えば、ヨーロッパ諸国のように、箱物の維持管理を徹底し、100年以上インフラ資産として利用していることも考慮すべきだと思います。
全国の自治体共通の課題として、少子化、高齢化、人口減少、インフラ資産の老朽化、環境保護、情報化、防災対策が挙げられています。
先月、私は地元彦島で、議員後、初めての活動報告会を開催しました。先ほど述べた課題が、多数要望されました。その中でも、高齢者にとって、移動手段である路線バスに対する要望が多くありました。「バスの便が少ない」「バス代が乗り換えると高い」「循環バスが欲しい」「バスを小型化してほしい」などです。彦島から市内の病院に行くのに、下関駅で乗り換えて行かなければならず「病院代よりも高くつく」とか、彦島の一部の地区の方は「彦島八幡宮に行くのに、循環バスがなくて、乗り換えるのに不便だし、高くつく」とか「バスを小型化してでも便数を増やしてほしい」との要望が上がっています。
逆に、路線バスを運営するサンデン交通も赤字路線を抱え、人口減少による利用者減、運転手不足、長引く燃料費高騰、物価高、待遇改善問題等、負のスパイラルに陥り、厳しい経営を強いられております。バスの増便や循環路線の拡張、バスの小型化なども、現在の外部環境では、独自の経営努力だけでは困難と思われます。
そこで質問ですが、地方バス路線維持管理補助金についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
路線バスをはじめとする公共交通は、高齢者や学生など、車を持たない市民の方々の重要な移動手段であります。市民の生活に大きな役目を担っております。
本市といたしましては、交通政策基本法、及び地方公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、国と役割分担を図り、地域公共交通を維持・確保する責務がございます。そのため、地域住民の生活に必要な交通ネットワークとなる複数の市町を結ぶ広域路線や、下関駅や商業施設などの拠点を結ぶ路線のうち、バス事業者単独では採算が取れずに、維持することが困難な場合は、国や県と同様に、その赤字の一部に対する補助を、2億3,000万円を上限額として行っているところでございます。
○山野陽生君
行政としても公共交通としての路線バスの維持、管理に努めていることが分かりました。
次に、深刻な人手不足対策としての公共交通人材確保支援事業費補助金について、お示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
公共交通は、人口減少や過度な自動車への依存により、利用者は減少傾向にあります。加えて、長引く燃料費高騰、物価高により、公共交通事業者の収益低下を招き、廃止や減便が進み、利便性が低下し、さらに利用者の減少を招くという悪循環に至っております。
また、バス事業者からは、2024年問題をはじめ、高齢化に伴い、本市だけに限らず全国的な運転手不足であると聞いており、交通事業者を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識しております。
本市といたしましては、将来にわたる市民の生活に必要な移動手段の維持・確保に向けたバス事業者が抱える人材確保の課題に対応するものとして、従業員の第二種免許取得に係る経費の一部を、国の補助に上乗せして補助いたします。補助の割合ですが、国が2分の1、市が4分の1で、事実上、交通事業者は4分の1の負担で免許取得が可能となります。バスの大型二種免許取得に係る経費は、おおむね40万円でございます。国と市との補助制度を活用することによって、約10万円の負担で免許取得が可能となります。
○山野陽生君
力強い御支援、本当に心入ります。頂いた資料によりますと、平成27年1月末に、運転手は300名弱でしたが、令和6年1月末には229名と減少、10年後には159名と予想されています。
このような状況を鑑み、バス運転手に特化した求人サイトでのPRや、市内だけでなく、県内外からも運転手を確保する取組について、検討をしていただきたいと思います。
サンデン交通からも、路線バス事業維持について、次のような要望が出ています。今後の運転手数を想定すると、沿線住民の人口や利用状況を勘案して、路線の選択をせざるを得ない。大量の旅客を運ぶバスで運行する必要のない路線については、早期に話合いを始め、下関市公共交通再編実践計画が終了後の令和7年10月より、他の運送手段で運行できるよう検討してほしい旨、また、補助金額の上限の再考と、下関市公共交通事業者事業継続支援金の継続支給を検討してほしい旨が要望されています。
次に、自動車依存から、公共交通であるバスの利用率を高めるため、路線バスの利用促進についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
これまで取り組んできました利用促進でございますが、サンデン交通株式会社では、デジタルサイネージやアプリによるバスの運行情報を提供する、バスロケーションシステムを導入しております。
さらには、先々の利用につながるように、小学生を対象に、春休みや夏休みなどの長期休み期間中の運賃を、1日当たり50円とする「子供50円バスキャンペーン」を実施しております。
そのほかに、通院や買物の利便性向上のため、地域公共交通再編実施計画に基づいて、運行データやアンケートなどから、ニーズが多かった場所を結ぶ循環線として、新下関西部循環線を導入しております。具体的には、新下関駅や安岡地区などから、済生会下関総合病院や、ゆめシティなどの商業施設へ、アクセスしやすいよう新設したものでございます。
市といたしましては、利用者の利便性向上のため、バス事業者が行う様々な取組に支援を行っており、ノンステップバスの購入に対する支援や、交通系ICカード「nimoca」の導入に対し、支援を行っております。
令和4年度は、バスでおでかけ支援事業として、バスの運賃割引としてクーポン券を発行し、市内各世帯に配布し、バスの利用促進を行ってまいりました。クーポン券の使用率は22.1%でございましたが、定期券を利用されない方や、ふだん、あまりバスを利用されない方が、クーポン券を使っていただいたと想定されることから、一定の効果はあったものと考えております。
しかしながら、人口減少、高齢化の進行や運転手不足など、公共交通は深刻な課題を抱えている状況でございます。
令和5年度からは、このような社会情勢の変化をしっかり踏まえた上で、持続可能な公共交通を構築するため、既存の計画を見直し、新たに地域公共交通計画の策定に着手したところでございます。その際には、丁寧に市民や利用者の御意見をお聞きし、公共交通への理解を深めていただくとともに、引き続き利便性の向上と利用促進策を検討し、公共交通をより多くの方々に御利用していただくことで、公共交通の運営の健全化、安定化、ひいては持続可能な公共交通の実現に向けて取り組んでまいります。
○山野陽生君
いろいろな取組が今、路線バスに対しても取り組まれているということでしたが、なかなか根本的な改善にはなっていないのではないかと思います。
私から提案ですが、本年4月1日より実施される、高齢者バス等利用助成事業である、いきいきシルバー100が週1回、火曜日で通年化されます。その予算が約3,800万円となっています。先日、福祉部から伺ったのですが、もしこれを365日100円バスという常態化した場合はどうですかと、約3億円の予算を要するそうです。
ここで、萩市の事例を紹介します。高齢者移動支援事業として、昨年4月1日から、「HAGICA」バス乗車証が70歳以上の市民に配布され、全市内100円、無期限で利用できるそうです。また、私の知り合いの80歳の方が、バス代が高いため、歩いて買物に行こうとして転倒し、腕を骨折した事例もあります。また、近所の83歳の方は、運転免許は更新しているのですが、バス代が高いため、家族は運転の反対をしておりまして、この反対を押し切って、危険を顧みず運転しているそうです。
また、時々、市内を走る高齢者の車が、50キロ制限の道路を30キロ程度で低速走行して、渋滞を招いている場面に遭遇します。
安心、安全な生活を考えると、バス代の悪影響がいろいろな場面で出ています。年金生活で、収入が少ない高齢者が外出しやすくするためにも、今年の利用状況を見た上で、思い切った施策を取ることが、高齢者の多い本市の市民満足度も、大きく向上するのではないでしょうか。
さらに、高齢者思いの孫世代に、やりがいある運転手としてアプローチすることも大切だと思います。市長の言われる、足元のサービス充実の重要案件と思います。本市も70歳以上の市民、全市内100円で無期限利用できるよう要望、提案とさせていただきます。
また、唐戸1極集中による渋滞緩和策の一つとして、JRとサンデン交通と連携し、下関駅と新下関駅から、それぞれ100円バスを、土日、祝日の混雑時間帯に出すことも検討していただきたいと思います。
ここで周南市の事例を紹介しますと、防長交通と連携し、周南ちょい乗り100円バスが、土日、祝日、9時から18時、1時間に20分間隔で、JR徳山駅から文化会館、動物園、美術博物館などを結ぶ市街地循環線として、大人100円、小学生が無料で運行されているそうです。
昨年10月に実証実験された、グリーンスローモビリティ同様、実証実験されることを要望いたします。
次に、しものせき産学交流しごとの魅力発信事業についてお伺いします。昨年6月議会、一般質問でも申しましたが、本市の重要課題である人口減少問題、少子高齢化、若者の市外流出に歯止めをかけるため、若者の市内企業への就職者を増やす取組として、中小企業振興基本条例制定について提案させていただきました。
ただ、条例は制定すればいいというものではなく、産官学連携を図るべく、実際に機能しなければ意味がありません。その後、産業振興部さんの勧めで、企業の窓口の一本化を図るため、商工会議所中小企業問題検討委員会と中小企業家同友会で円卓会議を開きました。今後も他の経営者団体との円卓会議を開き、産々連携を進めていきたいと思います。
企業は、一部の大企業や中堅企業だけでなく、多くの優良な中小企業を加える必要があります。10人、20人の中小企業でも、こんな雰囲気の会社に勤めたいとか、こんな社長さんの下で働きたいと思える子供や、その親御さんは多いと思います。
一方、昨年10月、小倉で開催されました下関北九州道路期成同盟会で、下関市民を代表して、彦島の角倉小学校の生徒さんが第2関門橋や、将来の彦島の夢を発信しました。その後、彦島の5つの小学校と、2つの中学校の校長先生と、教育委員会にも参加していただき、授業の一環として、地域や地元企業を観察・体験し、よい点や課題を発見する中で、子供たちが地元に愛着を抱き、将来こんなまちにしたい、こんなまちに住みたいといった夢を発信する機会をつくり、本市に対する愛着を育む教育指導を行うことで、少しでも多くの子供たちが、将来下関に住みたくなるような仕組みをつくることを提案しました。
次の質問ですが、市内企業への就職者を増やすための職業体験イベントと効果についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
本市では職業体験イベントとして、しものせき未来創造jobフェアを、主に中学生、高校生を対象に、新型コロナウイルス感染症の影響で、中止を余儀なくされた令和2年度、3年度を除き、平成29年度から毎年開催し、これまで累計で1万3,395人の中高生が参加しています。
本イベントは、まだ就職に関するビジョンが明確になっていない中高生のうちから、市内企業の魅力を実感してもらい、市内企業や市内就職に関心を持っていただくことを目的としています。
毎年、開催後に実施しております参加中学生へのアンケートでは、おおむね半数を超える生徒が、イベントの中で興味を持った企業があったと回答していることから、市内就職への入り口として、一定の成果が得られていると考えております。
一方で、高校生の参加は、一部の学校のみにとどまっているため、今後も参加に向けて継続的な働きかけを行い、効果が拡大できるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
○山野陽生君
今言われましたように、高校生も進学校となると、受験勉強等もあるため、参加する生徒が少ないようです。そのために、小中学校から本市に対する愛着を育む教育指導が必要と思います。今後は、産業振興部と教育委員会が横の連携を取ることが重要と考えます。
人口減少問題、若者の市外流出に歯止めをかけるには、子供たちへの教育が原点と言っても過言ではありません。ぜひ行政も産学連携を進めていただきたいと思います。
次に、小学生を主な対象としたSTEMプログラムについてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
STEMプログラムにつきましては、先ほど御答弁いたしました職業体験イベント内の関連企画として、令和元年度から実施しております。STEMとは、科学、技術、工学、数学の4つの領域を横断的に活用し、自分で学び、自分で理解し、判断できる力を高める取組で、IT関連業界など、これからも成長が見込まれ、専門スキルのある人材が求められる理系分野への興味や、関心を高めるきっかけづくりとして、実施をしているものでございます。
具体的には、小学校4年生から6年生までを対象とした、プログラミングのワークショップを開催しておりまして、令和5年度は、1回30人のワークショップを5回、計150名の募集を上回る応募がございまして、大変人気のある企画となってございます。
また、この企画では、小学生の保護者の方も来場されるため、職業体験イベントへの集客効果も図られておりまして、今後も内容や実施形態などを工夫しながら、継続してまいりたいと考えております。
○山野陽生君
引き続き、小学生を主な対象としたSTEMプログラムの内容が、もっともっと深く入って、子供たちが仕事に対する興味を抱いていくということ、それを、先ほど言いましたように、地元企業につなげていくというのは、また次の問題になってくると思いますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、デジタルガイドブックについてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
デジタルガイドブックにつきましては、職業体験イベントに出展をされました各企業、各団体の活動を、分かりやすくまとめた電子ブック形式の資料でございます。
主に中学生が職業体験イベントに参加するに当たり、タブレット端末を活用した事前、事後の学習用素材として、市内企業の仕事やその魅力をより深く知ってもらうためのツールとして作成をいたしました。令和5年度の職業体験イベントに参加した中学生へのアンケートにおいて、イベントのホームページも含めたデジタルガイドブックの内容について尋ねたところ、8割を超える生徒からよかったとの評価を頂いており、事前、事後の学習用素材が職業体験イベントの事業効果を高めるためのツールとして、機能しているものと考えております。
○山野陽生君
今、デジタルの世の中、やはり、これを動かしていく今からの子供たち、中学生、しっかりと教育をしていただければと思います。
私は、今回、小中学生をやはり原点だと、先ほどお話しましたけど、実は、皆さんもそうかもしれませんが、私の年代としますと、当時、教育というのは、通知表というのは1から5段階で、点数が上がれば上がるほど子供たちも褒められる、大人からも褒められる、先生からも褒められる。100点満点で何点取ったと、そういう教育だったような記憶があります。地元のことはほとんど分からないです、遠足に行ったぐらいです。
でも、今やはり、地域のことを知るのが非常に大事だというのは、我々の世代の、今の年代の者というのは、地元に対する愛着がないのです。だから、一旦出て行って、大学を出ても戻ってこない。定年になっても戻ってこないというような現象が、僕はあるのではないかと思います。
ぜひ今、産業振興部さんだけではないのですが、教育委員会のほうにも力をしっかり入れてもらって、子供たちが地元に愛着を育む、そういう仕組みを、全庁を挙げてやっていくことが、市長が掲げる人口減少問題対策になっていくと、若者が市外に流出しない仕組みになると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
それでは次に、若者の市内就職採用活動支援事業についてお伺いします。まず、学生の市内就職状況についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
学生の市内での就職状況につきましては、個人個人のデータの収集が困難なため、市内の全体像が把握できないのが実情でございます。1例といたしまして、下関市立大学の学生は、おおむね9割が市外出身者で、それぞれの地元での就職を意識している傾向が見られるため、市内就職率は直近の5年間で、いずれも1割に満たない状況でございます。
また、本市出身で、市外に進学した学生につきましても、市内での就職関連イベントや、市内企業に関する情報の伝達が難しく、市内企業への就職を検討してもらう段階にまで及ばないのが課題となってございます。
○山野陽生君
私も先日、下関大丸で開催されましたフェスに行ってまいりまして、市内企業、中小企業と、市内の大学あるいは北九州大学の担当者との話合いがあったときに、いろいろ質問させてもらったのですが、やはり大学生、特に下関という立地もあるのでしょう、地方からどんどん入ってくると、それから、市大生に限らず私立大学にしてもやはり、言葉は悪いですけれど、一流大学というわけではなくて、やはり滑り止めで入ってきた人とか、地方からどんどん来ているのです。そうすると、地元に対する愛着どころか、もう早く自分たちの生まれ育ったところに帰ろうとか、そういう思いで、就職は都心部に行こうとかいうことで、なかなか市内の大学生の地元企業への就職率が高くならない、非常に低いと。市立大学に限らず、ほかの大学も1割を満たないというような状況だったようです。
また、学生と市内企業のマッチング等も非常に大事なのですけれど、これはちょっと村中議員と重複しますので。
続きまして、学生の就活方法と市内企業の求人方法についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
昨今の学生の就職活動におけます情報収集の方法といたしましては、売手市場を背景として、まず大手就職情報サイトの企業情報にアクセスをし、そして自分の就職条件に合った企業へエントリーするのが主流となっております。
一方、市内企業の新卒求人につきましては、各企業がそれぞれの実情に応じた手法により、様々な採用活動を行っております。企業へのヒアリングによりますと、大手就職情報サイトへの掲載は高額な反面、成果につながりにくいため、継続的な掲載を行わず、自社ホームページへの求人情報の掲載や、大学への直接的な求人のほか、本市のマッチングイベントのみを活用する企業もございまして、各企業の人事に関する体制によって、学生の訴求力に差が出ている状況が見受けられます。
○山野陽生君
行政のほうも懸命な努力をしているのですけれども、やはり今は、現状、企業が一つにまとまっていなくて、それぞれがばらばらで求人をしていると。要は、学校側とつながらない、学生とつながらない、上滑り状態になっている。どうしてもそういう求人サイトとか、そういったところで判断してしまうというところで、今後、ここを解決しないと、いつまでたっても市内の企業に就職するということは、まず不可能だろうと思います。今後の大きな課題と思います。
次に、「しものせきjobnet」アプリの目的と現状についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
「しものせきjobnet」は、令和元年度から運用を開始した、本市の就活情報発信のためのアプリで、就職活動中の学生や、その家族に向けて、市内就職についての情報を効果的に伝えるために市が制作したものです。さきに述べましたとおり、大手就職情報サイトを活用するには、コスト面で負担がかかりますけれども、本アプリの活用は無料で、企業の規模を問わず、市内企業の情報を一元的に発信できるツールとして、令和6年2月末現在、378社の情報を掲載しているところです。
そのほか、企業説明会やセミナー等のイベント、奨学金返還支援補助金や企業への助成金制度のお知らせなどを随時発信しており、令和6年2月15日現在のダウンロード数は累計2,783件で、現在も月30件程度のダウンロードがあるため、就活情報の発信ツールとしましては、継続的な効果が得られているものと考えております。
○山野陽生君
引き続き継続していただいて、効果がやはり出てくるまで、大きな効果が出るまで、ひとつよろしく、改善しながらやっていただければと思います。
本市の資料はありませんが、山口県の大学進学率は39.9%で全国ワースト2位、短大、専門学校を入れると全国ワースト1位だそうです。
下関市は県内他市に比べ、偏差値も低いため、もっと低い比率かもしれません。地元高校生は北九州の大手企業への就職が多いため、市内企業へのマッチングをこれから図っていく必要性がある。また、同様に市外に出た学生が、市内で就職できる仕組みづくりが重要と思われます。繰り返しますけれど、そのためにも小中学校から地元に愛着を抱き、誇りを持てるよう教育をすることで、地元に帰ってきたくなるようにしなければなりません。
あとは、多くの中小企業をはじめ、地元企業に就職する仕組み、すなわち産官学連携をつくる産業振興基本条例、もしくは中小企業振興基本条例が必要となります。引き続き、条例が制定できるよう活動していきたいと思います。
そして、地元の若者が地元で就職できれば、結婚、定住支援を強化し、市長の言われる最重要課題である子育て支援、教育支援につなぎ、人口減少問題に歯止めがかかるのではないかと思われますので、よろしくお願いいたします。
最後に、まちなかウォーカブル推進事業についてお伺いします。本市の中心市街地地区である下関駅から唐戸においては、昨年9月議会、一般質問でも申しましたが、唐戸1極集中の弊害は解消できていません。極度の車依存による渋滞緩和策ができていない点と、地元商店街が巻き込まれていない点です。現在進めている「居心地がよく、歩きたくなるようなまちなか」の創出について、建設部として、どのような見解を持たれているのかお示しください。
○建設部長(伊南一也君)
居心地がよく、歩きたくなるまちなかの創出についてでございますが、既存商店街や観光施設の周辺におきまして、官民が連携して歩道や公園を整備し、活用することで、車中心から人中心の空間へ転換し、人々が集い、憩い、多様な活動が繰り広げられる場を提供するというものでございます。
本市におきましても、まちなかウォーカブル推進事業によりまして、歩道の拡幅や舗装の美装化、デザイン照明の設置など、安心して楽しんでもらえるような道路整備を進め、にぎわいの創出につなげてまいりたいと考えております。
○山野陽生君
次に、ウォーターフロントエリアサイン整備事業についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
本市の中心市街地の歩行者用案内板は、公共施設や観光地などの目的地までの分かりやすい案内、誘導を行うことで、親切なまちづくりを推進することを目的とするもので、下関市公共サイン(歩行者系)基本計画に基づいて設置しております。
本事業は、この計画の趣旨に沿って、今後、周辺整備が進むことが見込まれるウオーターフロントエリアにおいて、市民や来訪者にとって、分かりやすい案内板を設置するための設計や、地図の作成、配置計画などを行うものです。案内板を効果的かつ適切に配置、表示するとともに、既存のサインの盤面更新も行ってまいります。
また、令和7年秋には、あるかぽーとに星野リゾートによるホテルの開業が予定されており、これを契機として、インバウンドを含めた観光客の増加も期待されます。
事業の実施に当たっては、ユニバーサルデザインに対応したピクトサインや、多言語対応などの導入を検討し、分かりやすい案内板となるよう工夫してまいります。あわせて、案内板を見て、この観光地へ行ってみたい、この通りを歩いてみたいと思っていただけるような内容となるように努めてまいります。居心地がよく、歩きたくなるまちなかの創出に向けて、エリア全体のさらなる回遊性の向上を図ってまいります。
○山野陽生君
ハード部分というのは非常に大切なのですが、並行して、いわゆるソフト部分というのが重要となってきます。幾ら道がよくなっても、歩く動機がないと、人は長い距離は歩きません。私からの提案ですが、歩いて楽しめるまちづくりについて、昨年9月議会、一般質問で申しましたが、駅周辺から唐戸、壇之浦にかけて、商業施設や商店街、名所などに、50か所程度ポイントを設置し、アプリや地図に書き込み、宝探しのようなゲーム感覚で回遊し、スマホでポイントを付与できるようにします。10ポイントためれば、エリアの商業施設や商店街、唐戸市場などで買物や飲食、お土産代などが割引されるクーポンのような仕組みをつくれば、観光客だけでなく、市民も広く利用し、参加店を広く募れば、地元の商店にもお金が落ちるし、初期投資も少なくて済みます。ぜひ実証実験してください。本当に居心地がよく、歩きたくなるまちなか、歩いて楽しめるまちづくりを目指すことを提案いたします。
ちょっと時間のほうが押していますので、次の下関駅前応援事業について、経緯と内容というのは、もう他の議員さんのときに、産業振興部さんのほうから十分御説明いただいておりますので、そこは省略させていただきます。この案件も、昨年9月議会、一般質問で、下関駅周辺のにぎわい創出について要望、提案させていただきましたが、前田市長の迅速な対応で、10月に、駅前で下関駅前応援宣言をされ、12月の補正予算で7,000万円計上していただきました。
新年度も引き続き、下関の顔である下関駅前の振興に対し、2億5,000万円の予算をつけていただき、本当にありがとうございます。しかし、駅前の好立地であり、関釜フェリーも隣接する場所です。もっと公共交通機関、JRやサンデン交通と連携した取組を進めなければと思います。
また、すぐには難しいかもしれませんが、リピエ2階に食堂街をつくり、少しでも駅前に人が滞留できるような仕組みを考えなければと思います。
そして、今回の補助金がどのように駅前商店街の活性化につながったかを十分検証し、場合によっては、商業開発の大株主として、経営に対し関わっていく覚悟で臨んでいただきたいと思います。
以上で、私の個人質問を終わります。どうもありがとうございます。(拍手)
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