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第1回定例会 3月5日(火) 本会議(代表質問2日目)
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内容
会議録
第1回定例会
3月5日(火) 本会議(代表質問2日目)
日本共産党 下関市議団
片山 房一 議員
1.令和6年度予算の基本的な考え方
2.子育て支援策
3.人口減少対策
4.防災対策
5.安全・安心の街
6.住環境整備
7.農業振興
8.観光施策と住民福祉の増進
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
5番、片山房一議員。(拍手)
〔片山房一君登壇〕
○片山房一君
日本共産党下関市議団の片山房一です。与えられた質問時間は、答弁も合わせて1時間しかありませんので、市政の重要課題の中で、取り上げたい課題は幾つもありますが、やむを得ず割愛し、市長が市政の最重要課題として掲げる子育て支援などに、的を絞って代表質問をします。
最初に、令和6年度予算編成の基本的な考え方を質問します。市長は、施政方針で、子育て支援を最重要施策として、強力かつきめ細やかに推進していく所存と述べました。子育て支援は、私たち日本共産党下関市議団も以前から強く要望してきたことであり、昨年の市議会議員選挙でも、最も力を入れて訴えてきたことで、重要施策として、推進することは評価します。
しかし、数年前までは、私たちの、子供の医療費や学校給食の無償化の要望に対して、財源の確保が困難との理由で、無理だとの答弁を繰り返してきました。なぜ、昨年から子育て支援が重要課題の位置づけとなり、新年度では最重要課題としたのかお答えください。
また、前田市長1期目は、人口減少が下関市の最大の課題としていました。前田市長の初めての施政方針、この中で「本格的な人口減少時代を迎え、一億総活躍社会の実現を目指し、国を挙げて経済の再生、人口減少、少子高齢化に取り組んでいるところです。本市においても、人口減少問題は重要課題であり、人口減少社会への挑戦こそが私に課せられた使命であると考えております」と述べています。人口減少は解決どころか、一層加速している状態です。人口減少対策の位置づけはどうなったのでしょうか。
来年度予算案では、一般会計予算は前年度より86億8,000万円、7.1%増の1,312億円と過去最大の予算です。市の借金である市債は43.6%増の120億円を超す莫大な金額です。その主な要因は、市民生活の向上に直接寄与しない投資的経費の大幅増額です。
主要投資事業を見ると、令和6年度、7年度オープンの市立大学データサイエンス学部、新下関学校給食センター、捕鯨母船建造支援、新下関市総合体育館、安岡地区複合施設、乃木浜公園野球場、新社会福祉センター、市立大学看護学部、海響館リニューアル、新卸売市場、高機能消防指令センター、白雲台団地公営住宅、火の山公園展望デッキ等整備など、総額96億円を超す施設建設、未来への投資とする新規事業です。
新規施設の設置は、新たな将来にわたっての施設管理維持費の負担のスタートでもあります。市債と言うと聞こえはよいが、実際には借金と、今は好調のボートレース収入頼みの投資的支出の増大によって、未来への希望より、むしろ負担を生むことにもなりませんか。
市政の基本は、市民、子供から高齢者が安心して暮らせる安全、安心のまちづくり、住民福祉の増進であるべきです。市長のお考えを伺います。
次に、市政の最大課題とされている子育て支援について質問します。国は持てる力を総動員し、少子化対策と経済成長実現に、不退転の決意で取り組まなければならないとして、次元の異なる少子化対策実現のためのこども未来戦略を策定しました。この中で、こども未来戦略に基づく加速化プランを示しています。これらの戦略やプランで、何を実現しようとしているのでしょうか。また、市長が施政方針で述べたギアを1段上げて、子育てしやすい環境を整える施策とは何でしょうか。昨年12月、閣議決定されたこども未来戦略では、若者、子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできないとしています。
そして、次元の異なる少子化対策の3つの基本理念の最初に、構造的賃上げ等とあわせて、経済的支援を充実させ、若い世代の所得を増やすことを挙げています。
しかし、下関市の新年度予算には、この基本理念に沿った下関市の施策が読み取れません。従来からの施策の継続、拡大の範囲内でしかありません。下関の施策として、民間の企業に、その世代の所得向上を働きかける、あるいは市が直接できることとして、この世代の市職員の所得向上のために、例えば、下関市の場合、会計年度任用職員の全てがパートタイム雇用です。希望する人に対して、フルタイム雇用への転換をする、あるいは、正規職員への登用の仕組みをつくるなどが必要です。
先ほど、下関市の最重要施策とする子育て支援が、従来からの施策の継続、拡大の範囲内でしかないと言いました。医療費の無償化や給食費の負担軽減、保育料無償化、どれをとっても、県内には下関市よりさらに充実した施策を打ち出している自治体が幾つもあります。
人口減少しているとはいえ、県内で最大の人口規模の下関市が、最重要施策として位置づけた子育て支援と、胸を張るには程遠い状況です。下関市の子育て支援で残された課題と、その解決に向けた中長期的な取組をどう考えているか、お答えください。
次は、冒頭にも伺った人口減少対策です。下関市の人口は1市4町の合併時の人口約28万9,000人が、現在は約24万7,000人と、4万2,000人の減少です。ここ数年も毎年3,500人前後の減少です。人口減少の根本的原因は何と分析していますか。加えて、下関市が他市と比較しても人口減少が大きい理由は何と捉えていますか。
また、今まで実施した施策にはどのようなものがあり、それはどのような効果があったと判断していますか。継続する施策と新たな施策の説明をお願いします。
私は、人口減少対策の基本は、今住んでいる人が住みやすいと感じるまちをつくることであり、人が流出しないまちづくりだと考えます。子育て環境の充実とともに、全世代にわたる、もしもの不安に寄り添う施策が充実しているまちにすることが重要だと考えます。下関市の人口減少対策をお答えください。
次に、防災対策、特に水害、地震災害の予測と対策の質問です。市長は、施政方針の冒頭で、能登半島地震や下関市の昨年夏の豪雨災害に触れています。下関市は災害がないとよく言われますが、近年は豪雨災害が毎年のように発生しています。昨年夏の豪雨による災害復旧も終わっていません。
そして、地震対策です。下関市には菊川断層が存在し、菊川断層が動いて地震が起こったときの地震規模はマグニチュード7.6、下関市全域が震度5以上、ほとんどの地域が震度6、最大震度は7が予想されています。
山口県の被害想定報告書の被害状況予測では、下関市だけで死者数202人、負傷者数1,600人、罹災者数4万6,000人、全壊家屋3,496戸、半壊家屋1万409戸となっています。能登半島地震と同様の被害をもたらす地震が起こる可能性が指摘されています。にもかかわらず下関市の地域防災計画では、被害がはるかに少ない予測の南海トラフ地震に関しては1章を当て、災害対策推進計画が書かれていますが、菊川断層地震に関しては、被害予測がより大きいにもかかわらず、具体的な対策計画は示されていません。
今朝の山口新聞の報道によると、山口県が能登半島地震を踏まえ、有識者による地震津波対策検討委員会を4月にも設置し、被害想定の見直しや課題の検証を行うそうです。
下関市は今まで災害が少なかった、そのために市全体でも、市民の意識においても、災害への備えがほとんどなされていません。下関市の水害、地震災害の予測と被害の予測、水害の予防や対策、地震対策、特に今回の能登半島地震の教訓を生かした避難所の在り方、住宅倒壊による死亡者をなくすための耐震改修の促進、水道の耐震管布設を、震度予測の大きいところを優先するなど、現実的な被害軽減施策が緊急に必要だと考えます。対策の現状と、下関市の地域防災計画の抜本的な見直しについてお答えください。
次に、安全・安心の街について質問します。今回は地域医療構想と、それに基づく新下関市立病院計画について質問します。まず、新市立病院です。2023年に、新下関市立病院に関する基本構想案が策定されました。新病院は、市が幡生操作場跡地に建設する診療科、診療体制は市民病院と市民医療センターの急性期機能の統合を基本とし、下関医療圏としての急性期医療を3病院体制で担うことができるよう、必要な機能再編について協議を進めるとしています。
しかし、現在の案では、新病院の病床数は400床未満とされています。今、市民病院の病床数は376床、下関医療センターは285床、合計すると661床ですから、260床もの大幅削減です。緊急搬送についても、搬送にかかる時間が長くなる。受入れ不可が増加することも懸念されます。下関医療圏として、260床の大幅病床削減ありきの新市立病院建設で、持続可能な医療提供体制が本当に確保できるのでしょうか。
下関市が市立病院を持つ意味を改めて考えました。市民病院も、会員である自治体病院協議会の自治体病院の倫理綱領で、病院の使命を、自治体病院は都市部から僻地に至る様々な地域において、行政機関、医療機関、介護施設等と連携し、地域に必要な医療を公平公正に提供し、住民の生命と健康を守り、地域の健全な発展に寄与することを使命とするとしています。
自治体病院は病気を治すだけでなく、保健行政や福祉行政と連携して、医療という専門性を持って、地域全体の健康度を向上させる役割を持っています。
また、災害時医療、救急医療、僻地医療など、採算の取りにくい医療に対して、住民の命と健康を守るためにも必要な病院です。新型コロナ発生時に、市民病院が感染症患者の入院治療ができる病床を持っていることの重要性が、改めて確認されたことも記憶に新しいことです。そもそも公共が行うべきことを、利潤を生むか否かといった、1面的な基準で判断するのは間違いであることを、強く訴えたいと思います。
地域医療構想を検討し始めた当初は、協議の場として、地域医療構想調整会議、さらには外部有識者会議も設置されました。会議では、下関医療圏として、最大の課題として医師確保がある。そのためには、500床以上の規模の病院が必要との見解が示されていました。にもかかわらず、400床未満の新病院の構想です。改めて、地域医療構想の目的と調整会議での検討状況を伺います。
次に、持続可能な生活環境基盤の強化として、竹崎町四丁目と細江町三丁目のマンション建設を行う民間業者支援の理由を質問します。優良建築物等整備事業として、現在工事中の竹崎町四丁目のマンション建設に約5億8,000万円、細江町三丁目のマンション建設に約7億円の補助金を出すものです。
私は今、複数の方から、市営住宅、県営住宅に応募してもなかなか入れないと相談を受けています。「年金だけでは暮らせないので仕事を続けているが、いつまで仕事ができるか分からない」「今暮らしているアパートの家賃の負担が重い」などの理由で、市営住宅や県営住宅に入りたいと希望しておられる方々です。なるべく今まで住んでいた地域の公営住宅に入りたいという、市民として当然の願いです。この願いに応えることができない下関市が、良好な市街地環境の形成に資する優良建築物との名目で、マンション建設に、なぜ12億8,000万円もの補助金を支出するのでしょうか。一般市民に理解を得られるとは思えません。しかも、竹崎町四丁目のマンションは、下関市がオフィスビル建設促進補助事業として総額約2億5,000万円の補助金を出すオフィスビルの隣です。
下関市都市計画マスタープランでは、この地域は中核市にふさわしい魅力ある商業業務地として、土地利用の再編や高度利用化を図るとともに、既存商店街の活性化や医療、教育、文化などの、高次の都市機能も併せた施設の立地誘導を進めますとしている地域です。商業業務地域に住宅が混在することが、住環境の整備につながるのでしょうか。
もちろん下関市、評価すべき住環境整備事業も行われています。下関駅周辺地区市営住宅等の集約建て替え事業、長門改良住宅の建て替え計画が取り組まれています。長年の懸案事項解決に向けた取組です。これこそ、市が取り組むべき住環境整備の事業だと考えます。困難の多い仕事だと思いますが、事業の概要と進捗状況をお尋ねします。
次に、農業振興について質問します。今回は、耕作放棄地対策と地場産農産物の学校給食提供の2点だけを質問します。
まず、耕作放棄地の増加です。自給率、食料安全保障、豪雨災害防止の観点からも対策が必要です。新年度予算で、中高年移住就農支援事業、親元就農経営改善支援事業、スマート農業実践加速化事業など、様々な取組が予定されていますが、認定農業者や農業法人などの条件があるものがあり、しかも、目標数値が、2件や3件といったものもあります。この問題に対する市の取組の本気度が問われます。
昨年の豪雨災害を契機に、農業をやめる事例もあります。農地を維持していくためには、農地を大規模農家や法人に集積するだけでなく、家族経営農家、小規模農家の役割が欠かせないと考えます。家族経営農家、小規模農家、先祖から受け継いだ農地を荒らしたくないと考える人に届く、きめ細かい支援が必要です。耕作放棄地増加の理由と、根本的対策についてお答えください。
次に、地場産農産物を学校給食に提供する仕組みづくりの質問です。引退した我が党の江原議員が最後の代表質問でも、この問題を取り上げています。質問に対して、前田市長はこのように答えています。「これは令和6年スタートまでにやりたい。まずは、月1回、1食の完全な下関産の給食ができるか。これができなかったら、僕はもうちょっと言うだけの政治家になってしまいますから」このように発言されています。議事録に記録されている答弁です。
令和6年スタート、民設民営の大規模調理場のスタートを意識しての答弁だと思います。必要な対策は、市が安定的に適正な価格で、地元農産物を買い上げ、給食に提供することです。これにより農家の意欲も高まり、耕作放棄地の対策にもつながるのではないでしょうか。
給食の食材として、鯨を市が提供している例もあります。令和6年度スタートに当たって、地元農産物の学校給食提供の進捗状況を伺います。
最後の質問です。市長は施政方針で、市民が誇れる「日本を代表するウォーターフロントシティ」の実現、火の山地区再開発の着工を述べられました。市長は、海峡エリアビジョンは下関市に何をもたらすと考え、推進しているのですか。
私は、全体像を示さず、場当たり的な事業展開ではないかと懸念しています。あるかぽーと・唐戸エリアと火の山だけでよいので、事業費の総額と市と民間の負担額、市への経済効果を示してください。そして、これらの事業が、自治体が本来取り組むべき住民福祉の増進につながるのか、お答えください。
子育て支援や全世代にわたる、もしもの不安に寄り添う施策で有名な前明石市長泉房穂氏は著書で、観光施策についてこのように書いています「日本の観光施策は、政治家の周りにいる取り巻き連中に金を落とすための策ばかりです。地に足のついていない付け焼き刃的なこれらの策は、その後も長く地域を潤してくれるような施策にはなり得ません」下関市の観光施策が、この指摘に当たらないことを願います。
以上、市長の施政方針、新年度予算に関しての1回目の質問です。
〔市長前田晋太郎君登壇〕
○市長(前田晋太郎君)
片山房一議員の代表質問にお答えいたします。子育て支援の強化が、なぜ最重要課題の位置づけかという御質問でございます。本市におきましては、依然として少子化の一途をたどっておりまして、人口減少の大きな要因となっております。そのようなことから、令和6年度予算におきましても、昨年に引き続き、子供子育て支援や良好な教育環境の整備など、本市の未来を受け継ぐ子供たちへ投じる施策こそが、一丁目一番地であると捉えております。
今後につきましても、さらなる行財政改革を行うとともに、ボートレース収益やふるさと納税など、財源の確保に努めて、これら施策を継続的かつ強力に進めてまいりたいと考えております。
続きまして、人口減少につきましては、現在も本市にとって最大の課題でございます。そのようなことから、人口減少対策につきましては、子育て支援の強化をはじめ、本市が取り組む全ての施策であるものと考えておりまして、全庁各部局が専門性を発揮し、部局間の連携を図りながら、所管の業務、事業を展開しております。
続きまして、市民の暮らしが大変な今、市が基本的にすべき仕事は何かという御質問でございました。まず、市民の命を守る災害対策をはじめ、地域経済の活性化であったり、雇用を創出するための産業振興、そして市民生活における利便性を高めるためのインフラ整備など、多岐にわたる市民生活に密着したサービスの充実は、当然必要であると考えております。
一方で、足元のサービスを充実させるだけでは、本市の若者たちのふるさと下関離れに歯止めをかけることは困難でありまして、このままでは、本市は衰退の一途をたどることになります。若者の流出を食い止めるためには、ふるさと下関への愛着や誇りを高めるとともに、下関の未来に希望を持っていただくことが絶対に必要でございます。
そのため、ウオーターフロント開発、そして火の山再編整備など、本市の未来を担う若者たちが、これまでの下関と違う、新しい景色を感じて、若い人たちがわくわくするような投資が大変重要でありまして、足元のサービスと並んで、今本市が行うべきことであると確信をしているわけでございます。
国はこども未来戦略に基づく加速化プランで、何を実現しようとしているのかという御質問でございました。国はこども未来戦略において、少子化を最大の危機と位置づけ、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造、意識を変える、そして全ての子供・子育て世代を切れ目なく支援する、この3つの基本理念を掲げております。
加速化プランは、こども未来戦略に基づき、国が少子化対策として、今後3年間に集中して取り組む施策として、ライフステージを通じた経済的支援の強化や、若い世代の所得向上に向けた取組、そして子供・子育て支援の拡充、共働き・共育てを支える環境整備などが掲げられております。
子育て支援策におきまして、ギアを1段上げて、子育てしやすい環境を整える施策とは何かという御質問でございました。本市では、国が加速化プランで示した少子化対策のうち、子育て支援について、令和5年度は1段ギアを上げて「For Kids For Future」をキャッチフレーズに、強力に支援する施策を実施してまいりました。
令和6年度も「For Kids For Future」のセカンドステージとしまして、子育て世代の経済的な負担の軽減を図るため、第2子以降の保育料無償化など、3つの事業を最重要施策として集中的に予算を投入いたしまして、引き続き、子育て世帯に寄り添った施策を、強力かつ細やかに推進することにより、子育てしやすい環境を整えてまいります。
民間企業への働きかけといたしましては、毎月5月の県内就職促進月間に合わせて、山口県労働局、そして山口県と一体となりまして、雇用の確保を中心とした要請を行っております。この中には、もう何度もお伝えしておりますとおり、企業における人への投資として、賃上げの促進も掲げております。今後も引き続き、地元企業に向けて要請をしてまいりたいと考えます。
また、賃上げには企業の経営改善の取組が必要となりますので、各種産業振興施策を重層的に展開することによって、市内企業の生産性向上を図り、経営基盤の強化につなげてまいりたいと考えております。
子育て支援の中長期的な取組を、どう考えているかということでございました。本市の子育て支援の課題といたしましては、子育ての孤立化、保育士等の人材の確保や一時預かり施設の不足、共働き・共育てを支える環境整備などが挙げられます。
本市が中長期的に取り組む子育て支援の考え方といたしまして、令和6年度に策定する子供・子育てに関する次期計画「”For Kids”プラン2025」において、課題を整理して、切れ目のない長期的かつ包括的な子育て政策の計画として、施策を展開していきたいと考えております。
その計画に基づいて、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保、そして児童虐待防止、そして独り親家庭等の自立促進など、子供・子育て支援のための取組を中長期的に進めてまいります。
人口減少についてのお話がありました。根本的な原因は何かということでございます。我が市の人口減少の根本的な原因につきましては、直近の人口動態を見ますと、1年間に約3,500人の減少が、現在、進んでおります。そのうち、死亡者数が出生数を上回る―――自然減、それが約2,500人となっております。ですから、亡くなった方が約4,000人いらっしゃって、生まれる子供たちが1,400人ということで、もう誰か出ていかなくても二千五百人、六百人、七百人減っているのが、下関の状況であると考えております。本市における高齢化、並びに少子化の進行が大きな要因であると考えております。
それと、やはり、ずっと言っていますけれど、自分のまちをちゃんと愛して、このまちでずっと暮らしていけると思う気持ちが、根底に必要なのだろうと私は思っておりまして、そのために様々な施策を展開しているということでございます。この一言が、恐らく片山議員が、今日ずっと質問されたことを全て集約された答えになろうかと思っております。
続きまして、先ほど御説明させていただきましたけれども、この人口減少対策は、子育て支援をはじめ、教育、医療福祉、防災対策や都市生活基盤の整備、そして地域経済の活性化や人材確保・育成など、本市が取り組むべき全ての施策であり、全庁を挙げて取り組んでまいりました。
効果につきましては「第2期下関市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる本市の基本目標のうち、生産性や就業率の向上、健康寿命の延伸においては、一定の効果を上げている一方で、子育て環境の充実や交流人口の増加などについては、道半ばの状況であると認識をしています。
人口減少対策におきましては、一朝一夕に効果が出る特効薬はございません。子育て支援を中心に、様々な行政分野において新たな政策を投じて、これまでの取組も地道に継続をしながら、各種施策に成果を生み出し、本市の未来を担う若者が、ふるさと下関への愛着であったり、誇りを高め、希望や夢をかなえることができるまちを築くことが最も重要であると考えております。
今住んでいる人が、住みやすくなるまちづくりが重要ではないかという質問でございました。市民誰もが、本市で暮らす、幸せを感じていただくことが最も重要であるということです。今後も引き続き、1人でも多くの市民の皆様、特に若者や子育て世代の方に、住んでみたい、住み続けたい、そして未来に希望を感じていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
防災対策についての質問でございました。下関市は、水害や地震災害による被害予測をどう考えているのかということでございます。まず、水害につきましては、洪水や高潮、津波の各ハザードマップに浸水想定区域を記載しております。具体的な被害想定といたしましては、想定最大規模の雨量等に基づき、想定される浸水の深さを段階的に示しております。
また、地震災害につきましては、国や山口県からの情報に基づいて、下関市地域防災計画の被害の予測に加えまして、被災家屋の戸数や死者数、被災者数等の被害想定を記載している状況でございます。水害や地震災害による、これらの被害情報につきましては、災害による被害軽減のために、非常に重要になるものであると考えておりますので、各種ハザードマップや揺れやすさマップ等による周知を図っております。
そして、水害に対するソフト面での対策につきましては、平時は出前講座であったり、防災フェア等のイベントを通じて水害ハザードマップの周知を図り、水害に対する減災意識の啓発や向上に努めております。また、災害が発生した場合につきましては、本市地域防災計画に掲載をしている災害種別ごとの災害応急対策計画に基づいて、対応に当たることとしております。
そして、河川についての御質問でございます。河川での水害予防の取組といたしましては、河川の氾濫による被害の軽減を図るために、老朽化した護岸の改修であったり、土砂の堆積をしている河川のしゅんせつを、計画的に進めている状況でございます。
下水道に対する御質問でございましたが、浸水被害常襲地区における浸水対策として、雨水渠等の整備を計画的に進めている状況でございます。
そして、地震対策における、この御質問でございますが、まず、この南海トラフ地震防災対策推進計画につきましては、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づいて、本市が防災対策の推進地域に指定されていることもございまして、同法に基づいて、下関市地域防災計画に別立てで掲載をしているところでございます。
次に、菊川断層地震による被害予測につきましては、山口県の被害想定報告書に基づいた被害予測を、下関市地域防災計画に掲載をしておりまして、発災時の対策につきましても、周防灘断層地震であったり、それから小倉東断層地震と共通した災害応急対策計画を立てまして、地域防災計画に掲載しております。
このため、地域防災計画の大幅な変更は、予定をしていない状況でございます。しかしながら、下関市地域防災計画につきましては、毎年、国の防災基本計画であったり、山口県地域防災計画の動向に加えまして、庁内や関係機関等からの意見を踏まえ、適宜適切な修正を行っておりまして、今後も能登半島地震の災害事例等も踏まえた上で、より実効性のある計画とするよう努めてまいりたいと考えております。
地震発生時の救援、避難所についての御質問でございました。大規模地震発生時の国や県、そして他の地方公共団体等からの救援に係る本市の受援体制につきましては、下関市災害時受援計画に基づいて、迅速かつ状況に応じて弾力的に対応してまいります。また、避難所につきましては、地震の規模や発生場所等に応じて開設をしてまいりたいと考えています。
そして、生活に欠かすことのできない水の供給を担うライフラインである水道につきましては、菊川断層による規模の地震が発生した場合には、耐震性能を備えていない管路、施設が被害を受け、大規模な断水に生じることも想定をされております。被災地域に対する応急給水活動、そして施設等の復旧に際しましては、本市の人員、資源を最大限に活用して対応に当たっていくことはもちろん、被害の大きさによりましては、日本水道協会を通じて他都市の応援を要請し、市民のライフラインの確保、そして復旧活動を進めてまいります。
避難所の絶対数、そして設備備品、水、食料品、日用品などの現状と見直し状況において質問がありました。現在、185か所の避難所を指定しておりますけれども、今後、施設の老朽化による統廃合等によりまして、指定避難所の減少も考えられますので、平時から避難所要件に適した新たな避難所の確保に努めているところでございます。
また、万が一、本市におきまして能登半島地震のような大地震が発生した場合には、一部の避難所では、建物の倒壊等により避難所として使用できないことも想定されますので、耐震性のある避難所の確保に、より一層努めてまいりたいと考えております。
次に、水や食料等の備蓄品等につきましては、備蓄方針に沿った確保に努めているところでございますが、能登半島地震で必要となったもの等を踏まえまして、より有益な備蓄品の確保に努めていきたいと考えております。
加えて、住宅の耐震改修の現状と進捗状況についての御質問でございます。本市において想定される地震の建築物による被災から市民を守るために、平成19年度に下関市耐震改修促進計画を策定し、建築物の耐震化を促進しております。住宅の耐震化の状況でございますが、平成15年度の耐震化率は67%でございましたが、平成30年度には81%となっておりまして、15年間で14%ほど向上している状況でございます。
本市では、耐震化率の向上に向けて、耐震相談会を開催しているほか、木造住宅の無料での耐震診断であったり、耐震改修の費用の補助を行っております。また、地震対策について、情報を随時ホームページで公開いたしまして、耐震改修の重要性を市民に周知しているところでございます。
本市の道路におきましては、地震時の避難、そして救助をはじめ、物資供給などの応急活動や、緊急車両の通行を確保すべき重要な道路を、緊急輸送道路として位置づけております。この緊急輸送道路については、過去の災害を踏まえまして、橋梁が地震で落下しないよう対策を行っているわけです。
また、この地震により電柱が倒壊することで、緊急車両の通行の妨げとならないよう、道路の無電柱化を推進しておりまして、近年、頻発する大規模災害に備えて、引き続き災害に強い道路の整備を進めてまいります。
水道施設におきましては、菊川断層、小倉東断層の地震規模を比較した上で、地域地震動を決定し、長府浄水場の更新をはじめ、主要配水池の耐震化を進めているところでございます。
また、水道管路につきましては、動脈となる送水管や、重要給水施設となります災害拠点病院、そして救急告示病院、そして透析病院などに供給している水道管を新たに耐震継ぎ手に更新をしまして、耐震化を現在進めております。
能登半島地震においては、大変多くの方々が断水下における生活を余儀なくされておりまして、水に不自由をする被災者の姿をたくさん目の当たりにしたところでございます。本市におきましても、自然災害にも強い水道施設を確保するため、計画的かつ着実に耐震化を進めてまいります。
新市立病院建設についての御質問でございました。持続可能な医療提供体制が確保できるのかという御質問です。新病院の具体的な病床数は、現在、まだ決定をされておりませんけれども、新病院は他の2病院を上回らない程度の規模と設定されております。
これは、2次救急医療を担う、公立・公的等の4病院院長が議論を重ね、下関医療圏において、3病院体制による効率的で持続可能な質の高い医療提供体制を確保するためには、各病院が良好な経営状態で運営することが必要であり、他の2病院に不要な悪影響を与えないために、取りまとめられたものであります。
本市といたしましても、これを尊重して検討してまいりたいと考えております。病床数にかかわらず、現在、市民病院が担っている救急医療や感染症医療、僻地医療などの医療機能については、新病院においても、引き続き担うことを検討しているところでございます。
地域医療構想の目的を改めて聞くという御質問でございました。医師の確保につきましては、平成29年の下関医療圏地域医療構想調整会議中間報告の中で、病床数500床以上の規模の基幹病院であること、そして専門医の研修が可能な環境が整備されているなど、医療従事者にとって、魅力的な病院を目指すこととされておりました。その後、新型コロナウイルスの感染症の流行によりまして、全国的に入院患者は大きく減少し、感染症法上の位置づけが5類に移行した現在でも、入院患者数は以前の水準には戻っていない。そして、病院の経営状況はますます厳しいものとなっております。
令和5年3月の第2次中間報告では、各病院の建て替えのタイミングに合わせまして、段階的に再編、統合を進めていく必要があることから、まずは4病院体制から3病院体制へ再編・統合に係る検討を、早急に進める必要があるということ。その際には、各病院が良好な経営状況になるように検討を進めること。そして既存の施設等を最大限に有効活用することが重要であり、新病院の規模は他の2病院を上回らない規模とすることが提言されたわけでございます。
3病院体制への段階的な再編・統合であっても、現在の4病院体制よりも新病院に症例数を集約できることから、新専門医制度であったり、医師等の働き方改革にも対応し、医師確保が実現できるものと考えております。
今後も大学医局と連携を密にしまして、大学医局及び医師にとって魅力的な病院となりますように、症例の確保や勤務環境の整備に努め、医師確保を進めてまいります。
続きまして、竹﨑町四丁目の民間マンションに対する補助金を出す理由ということで御質問がございました。JR下関駅から唐戸地区周辺にかけての市街地は、都市計画マスタープランにおきまして、本市の中心的な役割を担う都市拠点といたしまして、銀行、映画館、飲食店、百貨店、事務所などに、住宅を含む多面的な機能が複合集積する市街地形成であったり、まちなか居住の誘導を図ることとしておりまして、立地適正化計画におきましても、都市機能誘導区域に位置づけているわけでございます。
優良建築物等整備事業は、都市機能誘導区域内において、市街地環境の整備改善であったり、良好な市街地住宅の供給に向けまして、土地利用の共同化、そして高度化、老朽化マンションの再生に寄与する建築物の共用通路などの整備に対して支援を行うものであります。
市街地環境の整備改善におきましては、民間活力の導入が不可欠です。そのため、地区計画に沿った壁面の後退であったり、1階部分には住宅以外の商業施設を整備するなど、都市環境に配慮した民間開発事業に国と市が支援することは、公共の福祉に寄与するものと考えております。
続きまして、市営住宅等の集約についての御質問でございました。下関駅周辺地区の市営住宅につきましては、令和2年度に策定をいたしました団地再生計画に基づいて、集約建て替えに向けて進んでいるところであります。この集約建て替えにつきましては、2期に分けて実施することとしております。
1期目につきましては、長門市場付近に集約建て替えすることといたしまして、現在、入居されている方々の仮移転を進めておりまして、引き続き、令和6年度の事業着手に向けて取り組んでまいります。
また、2期目につきましては、長門プラザ付近に集約建て替えをすることとして、令和6年度に基本計画を策定し、事業の進め方について検討してまいります。
農業振興についてです。耕作が放棄されております農地の増加理由と対策についての御質問でございました。遊休農地の増加は地域農業の衰退だけではなく、集落の崩壊にもつながりかねない重要な問題と認識をしております。
遊休農地が増加する理由といたしましては、農業従事者の高齢化や跡継ぎがいないことによる離農、そして耕作を依頼する担い手の不足が、主な要因と考えております。
このため、市といたしましては、農地中間管理機構を通じまして、担い手への農地集積を進めるとともに、担い手育成支援事業などによる新たな担い手の確保育成対策や、農地再生基盤の整備、スマート農機の導入に対する支援などによる生産性の向上、そして農作業省力化を推進しております。引き続き、国や県の施策を有効に活用しながら、市としても様々な観点から必要な施策を検討しまして、遊休農地の発生防止に努めてまいりたいと考えております。
学校給食の件については、教育長の答弁となります。
海峡エリアビジョンについての御質問です。あるかぽーと・唐戸につきましては、令和5年2月に策定しましたマスタープランにおいて、「日本を代表するウォーターフロントシティ」を目指すこととしておりますが、これによりまして、下関が市民の皆様にとって楽しい、思い出に残る、誇れるまちになるものと考えております。
また、観光客として流入人口が増加することで、地域産業の需要が拡大し、新たな雇用が生まれ、本市の人口維持に貢献するものと考えております。さらに、エリア内やその周辺に新たな投資を呼び込んで、まちづくりに関わる人材を育成するといった効果も見込めます。
火の山については、世界に誇る歴史が詰まった海峡を一望する絶好の位置にありまして、観光資源として、絶大な可能性を持っていることはもちろんですが、それと同時に、下関市民の郷土愛を育む場所として、これまで長きにわたり市民に親しまれてきました。
整備に当たりましては、火の山の魅力である眺望、歴史、自然を十分に生かしまして、日常生活での市民利用から、非日常的な観光利用の両面を想定して、推進しているところでございます。
市に何をもたらすかということにつきましては、公園の観点では、市街地に近い公園として、市民のレクリエーションであったり、健康、心の潤い、教育の場を提供することにつながるものと考えております。また、観光の観点では、多くの観光客が火の山まで足を伸ばすこととなりまして、滞在時間の延長や宿泊客の増加につながるものと考えております。
そして、事業費の総額、そして市民と民間の負担額、市の経済効果ということでございます。その中で、あるかぽーと・唐戸エリアの開発についての御質問でございました。
現在、デザイン会議と推進会議を設置しまして「カイキョーリボーンプロジェクト」として、港湾緑地の再整備であったり、渋滞対策など、マスタープランに基づいたエリア開発の検討を今進めている状況です。
マスタープランにおける当該エリアの開発の最終目標年次は、おおむね10年後と設定をしておりますけれども、範囲が広くて、長きにわたるプロジェクトでありますことから、まずは、あるかぽーとから唐戸市場にかけてのエリアを中心に検討しているわけです。
今後、船だまりであったり、岬之町などを含め、数多くの事業の検討を進めてまいりますので、現時点においては、官民全体における将来的な、全体事業費の総額及び経済効果を算定するような段階ではないと考えております。
一方で、火の山の再開発についての数字については御報告申し上げます。火の山再整備事業の全体事業費については、公園整備に関する費用と、ロープウエーの移動手段に係る費用といたしまして、現在のところ約63億円を見込んでおります。そのうち、約41億円が市の負担で、残りは国の交付金となります。また、市への経済効果につきましては、公園整備により発生する経済的価値を算出しておりまして、その額は100億円以上を見込んでおります。
これらの施策が、住民福祉の増進につながるものと考えているのかという御質問でございました。これが最後の答弁となります。
あるかぽーと・唐戸エリアも火の山も、関門海峡という世界でも希有な景観と、大きなポテンシャルを持ったエリアです。そのよさを生かした質の高い開発を進めることによって、市民の皆様が楽しめるコンテンツ、誇れる名所が生まれます。
また、宿泊や飲食、物販等、裾野の広い観光産業が発展することによりまして、本市経済の活性化につながり、市税収入の増加であったり、新たな産業や雇用を生み出して、さらに本市のブランド価値が向上することも想定されますので、住民福祉の増進につながるものと考えております。
以上で、1回目の質問をお答えさせていただきます。
○教育長(磯部芳規君)
地場産農産物の学校給食提供の進捗状況についてお答えいたします。地場産農産物の学校給食での利用については、JA山口県下関統括本部及び各営農センターによるランチ倶楽部協議会において、来年度から学校給食用として青果が出荷されることとなっており、まずはジャガイモやタマネギなど、7品目からスタートいたします。
地場産の給食については、令和4年度、令和5年度において、下関産食材にこだわった給食の日を、全市の小中学校において実施したところでございます。
その取組の中で、やはり食材の確保という課題もあり、関係者の方の御協力は不可欠であることから、ハードルは高いですが、農林水産振興部等とも連携して、仕組みづくりに積極的に取り組んできているところでございます。
今後、新下関学校給食センターからの配送校での定期的な実施を目指してまいりたいと考えているところでございます。
○片山房一君
いろいろ聞きたいことがあるのですけど、あと7分です。
まず、少子化対策として、国が若者世代の所得を上げなければいけないというのを、一番の課題として挙げております。それに対して、市としてはどう取り組むのかというところを質問しました。民間に対しては一定の働きかけ、こういうのがあるということをおっしゃいました。だけど、今、実際にすぐにできる市職員はたくさんいる。そこで今、市がすぐにできること、これをどう考えているのかということの質問に対して、お答えがありませんでした。
具体的に私の提案はしましたけれど、そのことについてお答えをお願いします。
○総務部長(笹野修一君)
今御質問がございました、子育て支援策のところの部分でございます。御質問の中では、例示といたしまして、会計年度任用職員のパートタイム雇用を、希望する人に対してもフルタイム雇用に転換するという、正規職員への登用の仕組みをつくる考えはないかという御質問であったと理解しております。
こちらにつきましては、まず本市といたしましては、将来にわたって安定的に質の高い、市民サービスを提供できる体制づくりを進めるということで、正規職員については、よく御存じのとおり、下関市定員管理計画、こちらに基づいて職員数を管理しております。
また、会計年度任用職員につきましては、業務の内容やその量に応じまして、毎年度の予算編成作業、こちらを通じまして、多様な任用形態の活用に取り組んでいるところでございます。
そうした中で、職務の内容や責任の度合いから、フルタイムで勤務する職員が必要ということであれば、常勤職員や任期付職員を採用すると、いわゆる採用試験を実施して、こちらでの任用を図るということになります。
正規職員への登用につきましては、地方公務員の任用における、いわゆる成績主義、あるいは平等取扱いの原則、こういったものを踏まえて、競争試験により採用されるべきものと考えております。
○片山房一君
公式的には、そういう答えをいつも頂いているのですが、実際の現場としては、正職員が、もう定員管理計画で職員の絶対数を減らしていくのだと、その中で、足りなくなっているのを補っているというのが実態ではないですか。今の言い方だと、その実態を反映していないような気がします。
その辺については、今日の少子化のことと直接の関係にはならないので、もうこれ以上言いませんけれど。
本当に、今の下関の財政を健全化していこうという中で、職員数の絶対数を減らしていく、もうまさに一番簡単なやり方、コストカット、これをやっているという、それが、今、例えば、こんな大きい震災などがあったときに、本当に職員がいなくなっていて、対応ができないというような、いろいろなことが起こってくる。そういうことも想定される。
今、全国的にはどんどん市の仕事などを、民間に出したのを、やはり公共に取り戻すという形で、もう一度、公共の仕事とは何かということを考えているような時代です。
現場のことを見て、そして将来を考えた、そういう体制を組んでいただきたいと思います。
もう一つの子育て支援のことですけれど、子育て支援のポイントとしては、負担の軽減だと思うのです。一番大きいのは医療費の無料化、あるいは給食費の無償化、保育料の無償化ということであると思うのです。
それぞれのところで、もうちょっとできないのかというところが、医療費についても、高校生の通院費だけが外されている。もう、県内でもそこまでいっているのがたくさんある。なのに下関はいっていない。
それから、給食費についても、今3年間しっかり取り組んで、その成果を見てという答弁だったのですが。これは、無償化するのがいいに決まっているではないですか。3年間、何を実証するのですか。課題としては、財源をどうやって確保するかということだけではないですか。
むしろ教育委員会が考えることではなくて、こちらの財政のほうが考えるようなことだと思うのですが。教育長がそういう答弁をせずに、それはそっちのほうで面倒を見てくれというような姿勢で、ぜひ給食の無償化は必要なんだという立場で、対応していただきたいと思います。
それから、保育料についても第1子から無償というのが柳井市で出ています。下関市が、先ほど言いましたように、山口県で一番大きい自治体だというのだったら、やはりその辺、先進的に胸を張って言えるような、そういう施策にぜひ取り組んでいただきたいと思います。
その3つのことについて、どなたか、市長が総括的に答えられるのだったら、それでお願いします。
○副市長(北島洋平君)
多分時間的にも最後になると思いますので、まとめて答えさせていただきたいと思いますけれども。先ほど、市長が1投目の答弁でおっしゃいましたけれども、まさしくそのとおりで、子育て、子供、少子化対策という話は、足元の負担をどう軽減するかという議論と、それから今子供を産んで、ちゃんとその子が育ってくれるか、要は将来に対する希望とか、そういう将来に対する思いというのが、多分どっちもすごく必要な事業だと思います。
今、片山議員からいろいろ御提案をいただきましたけれども、いずれにせよ、我々としては、財政も限られてもおりますが、その中で最大限、負担の軽減策と、それから、しっかり未来に対する投資を行う、このバランスをどうやって取っていくかということを、常に考えているわけでございます。
そうした中で検討して、それぞれ進めて、できているのがこれで、今回、今ベストだと思うものでお示ししているのが、新年度の予算であるという、そういうことであると思います。
○片山房一君
もう最後だと思いますので、自治体の仕事、市の仕事、この一番基本は、市民の命を守り、暮らしを支えること、これはもう共通だと思います。
それは、市長は足元のこと、足元をしっかりするんだとおっしゃいました。でも、今の答弁にあるように、市民が一番求めている足元がしっかりしていないのです。それなのに未来への投資という言い方で、いろいろな投資がされている。それは、未来への投資も必要かもしれません。しかし今、これだけのものが一斉にどんどんできている。プライマリーバランス、単年度で言えば赤字だと。市の財政、単年でいえば赤字で、そのことが何年か続きそうだということをおっしゃっている。
まず、一番大切にする足元を、きちんと固めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
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