録画中継

第1回定例会
3月5日(火) 本会議(代表質問2日目)
市民連合
濵岡 歳生 議員
1.人口減少・少子高齢化対策について
2.脱炭素社会の推進について
3.安心・安全で誰もが住みやすいまちづくりについて
4.地域公共交通の充実と交通政策について
5.旧豊浦郡4町の活性化について
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。

△代表質問
○副議長(安岡克昌君)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
代表質問を継続いたします。4番、濵岡歳生議員。(拍手)
  〔濵岡歳生君登壇〕
○濵岡歳生君
 市民連合の濵岡歳生です。市長施政方針並びに新年度予算に対し、会派を代表して質問します。
 初めに、人口減少、少子高齢化対策について4点伺います。1点目は、子育て支援施策の一層の充実についてです。市長施政方針において、子育て支援の新たな取組として、第2子以降の保育料の無償化、小中学校の特別教室へのエアコン設置、インクルーシブ公園の整備、こども家庭センター、保育士・保育所支援センターの設置などが示されました。市民連合がこれまで求めてきた施策もあり、一定の評価をしています。
以下、子育て支援施策の一層の充実について3点伺います。1、新年度の新たな取組であるこども家庭センター、保育士・保育所支援センターの設置のそれぞれの概要と、期待する効果を伺います。2、潜在化しているヤングケアラーを適切な支援につなげるための新年度の具体的取組を伺います。3、昨年度に利用が150万人に達し、好評を得ているふくふくこども館が、オープンから10年経過したことから、遊具や設備等のリニューアルを検討するということですが、どのような内容になりますか。
 人口減少、少子高齢化対策の2点目は、雇用対策についてです。本市の令和2年の国勢調査人口と、令和5年12月末の住民基本台帳の人口を比較すると、市全体で8,051人減少しており、そのうち15歳から64歳の生産年齢人口が4,692人、率にして58.3%を占めていることから、雇用対策と人口減少対策は、切り離すことができない重要な課題であります。
市長施政方針において、人材の確保や育成、定着における課題を抱える中小企業への支援として、セミナーやワークショップの開催を、新年度取り組まれると述べられましたが、本市の状況を鑑みれば消極的ではないでしょうか。
2月8日の毎日新聞朝刊に、2024年版九州経済白書に関する記事が載っていました。2030年には、九州と山口、沖縄9県で49万5,000人の働き手が不足すると推計されます。山口県は2万9,600人足りなくなるという推計結果でした。
また、建設現場は担い手不足が深刻で、高齢化も著しく、危機的状況になっています。さらに、トラック運転士の人材不足という物流の2024年問題も喫緊の問題です。国の持続可能な物流の実現に向けた検討会では、2024年問題に対して、何も対策を行わなかった場合には、営業用トラックの運送能力が、2024年には14.2%、さらに2030年には34.1%不足する可能性があると試算しています。
 これらの課題を踏まえて、以下2点伺います。1点目は、本市企業の99.9%を占め、雇用の7割以上を占める中小企業の現状を打破して、支援するために、中小企業振興条例を策定し、市として理念を掲げるとともに、いつまでにどのような状態にするという目標を掲げ、計画的、戦略的に取り組むべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 2点目、また現在の公契約における課題を把握、認識し、受注者の責任で、公契約の下で働く労働者の労働条件の維持向上を図り、行政サービスの資質向上、地域経済の健全な発展に資するため、公契約条例を制定すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 次に、人口減少、少子高齢化対策の3点目は、ワーク・ライフ・バランスについてです。2月11日の山口新聞朝刊に、男性育休、3か月未満8割という見出しで、共同通信社が主要113社に実施した、社内の男女平等などのジェンダー問題をめぐるアンケート結果が載っていました。これに関し、施政方針では、市役所が先頭に立って男性育休率100%を目指し、職員の意識や職場の環境を抜本的に変えていくと述べられました。
 本市の育休取得率の現状と課題、市内企業への働きかけ等の支援の現状と課題、男女の働き方改革に関する本市の基本姿勢と今後の方針について伺います。
 次に、人口減少、少子高齢化対策の4番目は、移住・定住対策についてです。初めに、移住対策について伺います。
 市長施政方針において、リモートワークや多拠点移住による多様な生活スタイルの変容により、地方への移住の関心が高まっていることから、移住・定住施策をワンストップで紹介でき、移住者と地域をつなぐトータルサポートセンターを設置し、相談窓口の機能強化を図ることが述べられました。また、お試し暮らし施設の拡大、地域おこし協力隊の処遇改善等についても触れられました。これらの施策や取組が移住促進につながることを期待して、以下3点伺います。
 1点目として、移住者と地域をつなぐトータルサポートセンターの概要と期待する効果を伺います。2点目として、お試し暮らし施設拡大の概要と利用してもらうための戦略を伺います。3点目として、地域おこし協力隊の処遇改善の内容と期待する効果を伺います。
 次に、定住対策について伺います。令和5年度予算に対する市民連合の代表質問において、若者の定住と人口流出防止の取組に関して、通勤に要する経済的負担を軽減し、定住人口の増加を図るため、市外に継続的に通勤する者に対し、補助金を交付している自治体があるが、従来の取組に加え、このような施策展開も併せて実施すべきではという質問に対し、今後の定住促進や人口流出の防止につながる新たな施策については、御提案を頂いた市外の通勤に係る補助金も含め、他の自治体の状況や事業効果を研究してまいりたいという答弁でした。
 この1年間の研究内容と、新年度、新たな施策展開はあるのか。また、定住促進を加速させるための今後の施策展開の考え方を伺います。
 次に、予算編成の重点ポイントの一つである脱炭素社会の推進に関して、地球温暖化対策について伺います。市長は、施政方針の中で、公共施設のLED照明への改修、公用車の電動化、循環型林業の支援、地域新電力会社の設立等に取組、脱炭素先行地域の指定を目指し、「ゼロカーボンシティしものせき」を加速すると述べられました。これらの施策により、「ゼロカーボンシティしものせき」が達成されることを期待し、以下2点について伺います。
 1点目は、脱炭素社会の着実な推進に向けて、本市特有の資源や技術が活用されるとともに、技術導入や施設投資に対する支援も必要だと考えます。新年度、新たに取り組まれる事業に、こうした観点が含まれていますか。2点目として、また、エネルギーの地産地消に取り組む考えはないか、お伺いいたします。
 次に、安心安全で誰もが住みやすいまちづくりについて、2点伺います。1点目は、災害対策についてです。年明け早々の1月1日、能登半島地震が発生しました。犠牲者になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧、復興を願っています。
さて、市長は、施政方針の中で、地域防災力の向上、一人一人の状況に合わせた避難支援に係る個別避難計画を作成すると述べられました。災害はいつ発生するか分かりません。平素の備えが重要なので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
能登半島地震において、避難所の耐震化、避難時のトイレ問題、福祉避難所の開設が予定どおりできなかったことなどが報道されています。これらに関して、以下3点伺います。
1点目は、災害時の避難所となる公共施設の耐震化の整備方針を伺います。2点目として、近年、各地で発生した自然災害において、避難所のトイレ問題が顕在化しています。能登半島地震においても、汚物で使用不能となった便器、数人で使わざるを得ない携帯トイレ、課題を抱えている仮設トイレなどの問題が発生していると報道されています。本市の避難時におけるトイレの整備状況と課題について、今後の整備方針を伺います。
3点目に、能登半島地震において、39か所の福祉避難所のうち、予定どおり開設できたのは4割以下にとどまったと報道されています。本市の福祉避難所の現状についてお伺いいたします。
 次に、安心安全で誰もが住みやすいまちづくりの2点目は、地域医療の充実についてです。これに関しては、市長施政方針で、地域医療構想と新病院の基本計画についてのみ触れられていますが、その他の見過ごせない課題もあるのではないでしょうか。地域医療の充実は、市民が安心して暮らせるまちの基盤です。故に、地域医療構想による病院の統廃合にあっては、行政や経営の都合で一方的に決定することなく、利用者や医療従事者の意見を反映しなければなりません。
そのために地域医療の現状及び課題、また、調整会議の内容についても、市民の十分な理解を醸成するため、繰り返し情報発信するとともに、市民と行政双方のコミュニケーションが図れる仕組みを構築することが肝要と考えますが、見解を伺います。
 次に、新下関市立病院基本構想で示されている、下関市民病院と下関医療センターの統合病院の運営方針については、現状の地方独立行政法人とすることが適当と考えますが、お考えをお伺いします。
 さらに、豊北地域における、唯一の入院設備を持つ民間の総合病院である豊北病院が、資金難で経営が立ち行かなくなり、先月26日、入院患者の転院を終え、事実上閉鎖したとの記事が山口新聞朝刊に出ました。医療を受ける権利は基本的人権の一つとして理解されなければならないと、日本弁護士連合会の第65回人権擁護大会シンポジウムの第1分科会は提言しています。
本市と条件は異なりますが、福島県の喜多方市では、病院の統廃合で県立病院が移転し閉院となった際、公設民営方式で病院を維持運営した事例があります。豊北地区住民にとって、個人の尊厳を守り、命を守るために必要不可欠の病院です。喜多方市の事例を参考に公設民営方式で、豊北病院の再建をすべきと考えますが、見解を伺います。
以上、地方医療構想、新下関市立病院構想、豊北病院について伺いました。
 次に、地域公共交通の充実と交通政策について3点伺います。
 1点目は、バス交通の充実についてです。市長施政方針で市長は「公共交通事業者の運転者不足への対応として、事業者の人材確保に係る費用への助成を行う」と述べられました。事業者の人材確保に係る費用への助成制度の内容と、今後の考え方を伺います。
 2点目は、持続的な公共交通の確立についてです。市長施政方針で、市長は「持続的な公共交通に向けて、現状の利用者の動向を踏まえ、新たな計画を策定する」と述べられました。計画策定においては、公共交通の現状と課題を十分に踏まえるとともに、事業者のみならず利用者の声を幅広く聞くなど、形式的な議論ではなく、本市の実態に即した建設的な議論を深めることが肝要と考えますが、お考えをお伺いします。
 3点目は、交通渋滞対策についてです。唐戸周辺の土日、祭日の渋滞対策について、唐戸周辺の駐車場に入るのに何時間も並ぶ光景が見えます。駐車場の空き状況や渋滞状況のサインが要所、要所にあれば、少しは渋滞解消になるのではと考えます。渋滞解消の対策を何かお考えですか。
 最後に、旧豊浦郡4町の活性化について4点伺います。最初に、道の駅きくがわの大規模改修について、内容及びスケジュールについてお知らせください。
 2番目に、道の駅蛍街道西ノ市20周年記念イベントと魅力実感プロジェクトについて、それぞれの事業内容についてお知らせください。
 3番目に、我が豊浦町、足湯を備えた川棚温泉癒やしの庭と、リフレッシュパーク豊浦野外ステージ整備について、それぞれの事業内容についてお知らせください。
 4番目に、リノベーションまちづくり事業の取組を踏まえた豊北地区の廃校の活用について、現在、小学校8校、中学校4校が廃校になっています。田耕小学校、二見小学校、神田小学校、神玉小学校、角島小学校、阿川小学校、粟野小学校、滝部小学校、中学は、豊北第一中学校、豊北第二中学校、豊北第三中学校、角島中学校と8校、4校の利用をどのように考えますか。このように、学校の分を、いろいろな面でドローンとかを利用して、ぜひ有効に活用していただきたいと思います。
 以上で、1投目の質問を終えたいと思います。
  〔市長前田晋太郎君登壇〕
○市長(前田晋太郎君)
 それでは、会派市民連合、濵岡歳生議員の代表質問にお答えをいたします。
 人口減少、少子高齢化対策における、こども家庭センターの概要と、期待する効果についてでございますが、こども家庭センターにつきましては、先ほども、昨日からも申し上げましたとおりでございますが、母子保健と児童福祉が一体的に相談支援を行う機関でございまして、全体を統括するセンター長のほか、母子保健、児童福祉について十分な知識を持つ統括支援員を、新たにこども未来部に配置することによりまして、専門性を生かした妊娠期から、伴走型相談支援につなげ、子育てに困難な問題を抱える家庭に対して、切れ目なく、漏れなく対応してまいりたいと考えております。
さらに、既存の地域支援団体等の把握や、新たな地域資源の開拓によりまして、一体的支援の効果的な実施に、地域全体で取り組んでまいります。
 保育士・保育所支援センターの設置概要と、期待する効果についてお答えいたします。先ほど坂本議員の質問にお答えしたように、保育士・保育所支援センターには就職支援コーディネーターを配置いたしまして、潜在保育士に対し、研修や技術指導を行うとともに、就労に最適な園・施設を紹介するマッチングを行っていきます。また、現役の保育士へ相談支援を行って、離職防止を図ります。
次に、期待する効果といたしまして、新たに潜在保育士の確保策を行って、現役保育士の離職防止を図っていくこと、喫緊の課題である保育士不足の解消を期待しております。
 潜在化しているヤングケアラーの適切な支援についてでございました。ヤングケアラーとは、法律上の定義はありませんが、本来大人が担うと想定される家事とか、家族の世話などを日常的に行う中で、責任や負担の重さによって、学業や友人関係などに影響が出てしまうおそれのある子供のことを指しております。
 令和5年、6年度の取組といたしましては、関係機関や市民への普及啓発事業を、引き続き実施するとともに、3年間の普及啓発の効果についても、十分に検証を行ってまいりたいと考えています。
また、令和5年度に開始いたしました「子育て世代家事・育児支援事業」の事業費を拡充いたしまして、新たに把握されるヤングケアラーへの適切な支援を実施してまいります。
 ふくふくこども館のリニューアルにつきましてです。令和6年4月1日に開園10周年を迎えるふくふくこども館では、屋内大型遊具ゆらゆら関門橋のロープ等を更新して、新しい遊び場の機能を付加いたします。また、子供たちが主に屋上で使う遊具といたしまして、パーツの組合せでいろいろな形にできる移動式遊具を導入します。これ以外にも衛生面におきましては、子供たちに人気のボールプールのボールを洗浄する機械の更新であったり、換気システムの更新などを行って、子供たちが安心安全に遊べる空間を提供してまいりたいと考えます。
 中小企業振興条例についての御質問です。本市を含む県内企業数の99.9%を占めます中小企業の皆様には、市内経済活動を支えると同時に、雇用の受皿として、市民の生活の基盤を形成していただいているものと認識をしております。
 中小企業振興条例につきましては、近年、様々な自治体で制定されていることは認識をしておりまして、これらの条例では、施策の基本方向や自治体の責務、中小企業者や住民等の役割などが規定されていることを鑑みますと、本市が同様な条例を制定するに当たっては、各方面からの条例制定を求める機運の醸成が欠かせないものと考えております。
 こうした中、本市におきましては、令和6年度より、中小企業が抱える人材課題等の解決を目的とした、新たな事業に取り組んでまいります。事業の内容につきましては、市や金融機関、商工団体等の地域関係機関による連携体制の構築や、市内中小企業向けのセミナーやワークショップの実施による意識醸成を図り、地域課題解決に向け、人的資本経営の促進に取り組むものとなっております。本事業が、中小企業振興基本条例の制定に向けた機運醸成のきっかけの一つになるものと考えております。
 公契約条例の制定についての御質問でございました。国または地方公共団体が民間事業者と契約をする―――公契約におきましては、最小の経費で最大の効果を上げなければならないことから、原則といたしまして、最低の価格で申込みを行った事業者と契約を行っております。
 その一方で、価格競争のしわ寄せが労働者に及ばないよう配慮が必要となっているわけです。下請も含めた全ての労働者の労働条件の維持、向上は全国的な課題でございまして、労働条件が関係法令に基づいて使用者と労働者の当事者間において決定されるものであることから、国において公契約に関する法の整備等、必要な措置を講じることが望ましいと、本市としては考えております。
 続きまして、本市職員の育休についてのお話でございました。先ほど坂本議員の答弁の繰り返しになりますが、過去3年間の男性職員の育休の取得率につきましては、令和2年度が13%、令和3年度が10.6%、令和4年度が7.3%となっております。また、現状の取得率に対する課題といたしましては、令和2年に実施した職員アンケート結果によりますと、男性職員の育休取得に対する職員自身や、職場における意識醸成、また安心して育休を取得できる職場環境づくりが必要であると考えております。
 続きまして、男女の働き方改革を推進していくための本市の取組といたしましては、男性職員の育休取得推進がございます。その方策といたしまして、まず令和7年度までに、男性職員の2週間以上の育児休業取得率を100%にするなどの目標を掲げ、全庁的に周知をしたところでございます。
 具体的には、職員が作成する育休プランシートによる所属長面談の実施であったり、経済的な不安の解消につなげるための収入シミュレーションシートの活用があります。
さらに、出産、育児等に関する男性職員の休業制度等を示したリーフレットによる制度と周知を併せまして、育休を取得した男性職員の体験談等を庁内インフラネットに掲載することによりまして、男性の育児休業取得が当たり前という意識の定着であったり、育休中の心構えなどの意識醸成を図ってまいります。
 これらの取組によりまして、行政職員が率先して男性育休の取得率を上げることで、社会的な機運の醸成にもつながるものと考えております。
 また、民間企業への働きかけといたしましては、企業の人材確保が課題となっている中、毎年5月の県内就職促進月間に合わせまして、山口労働局や山口県と一体となって、雇用確保の促進と、ワーク・ライフ・バランスや新しい働き方への取組を要請しているところです。
 なお「山口”とも×いく”共同アピール」におきましては、県内全域で「”とも×いく”」が当たり前となる機運の醸成を図ることとしておりまして、本市としても県と連携しつつ、民間企業への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 移住・定住トータルサポートセンターの設置につきましては、公明党市議団、坂本議員の質問でもありましたように、移住希望者をより多く、本市への移住につなげるために、相談窓口の機能を強化するものでございます。具体的には、全庁的な移住、定住支援策をワンストップで紹介、提案でき、様々な相談に迅速かつ、移住決定まで寄り添った対応をすることで、本市への移住決断につなげていきたいと考えます。
 お試し暮らし施設創業事業については、市内の未利用の不動産や空き部屋を、お試し暮らし施設として活用したい人材を発掘するとともに、民間主導によるリノベーションを推進して、家財の撤去や建物の改修費用を支援することで、お試し暮らし施設の拡大を図るものでございます。施設の拡大により、お試し暮らし体験の選択肢が増えることで、移住希望者が望む環境とか、生活スタイルに合わせた暮らしが体験できることが強みとなることで、より多くの方の本市への移住につなげていきたいと考えております。
 地域おこし協力隊につきましては、昨日の星出議員の質問でもお答えしたとおりですが、隊員の報酬費の引上げなど、処遇改善を図っていこうということと、地域おこし協力隊OB、OG等を中心に、コミュニケーションの場をつくってあげようということで、隊員同士のつながりを強化していきたいと考えております。これらの取組によりまして、隊員の活動環境を改善して、着任された隊員さんが本市で起業や、就職や、定住につながるように、しっかりとサポートしていくものでございます。
 本市の移住における新たな政策の展開といたしましては、昨年、御提案がありました市外への通勤に係る補助金を含め、他市の事例や移住希望者のニーズを踏まえながら、様々な角度から検討してまいりました。その中で、優先的に実施すべきと判断した事業について、新年度予算に計上させていただいているところでございます。
 主なものといたしましては、先ほど御説明いたしました相談窓口の強化であったり、お試し暮らしの施設の拡大とか、若者、子育て世代の移住に対する経済的負担を軽減するための家賃支援などが、その中に含まれるものでございます。
 定住を促進させる取組といたしましては、過疎地域や離島に移住した方に対する定住奨励金であったり、第3子以降の子を出産した方々に対する出産祝い金の支給は、引き続き継続して、新たな取組といたしましては、先ほども言いましたが、結婚に伴う新生活を経済的に支援するために、住居費用や引っ越し費用などを助成する事業を開始いたします。ほかに、子育て支援策を含む本市が実施をしている様々な施策を通じて、定住を促進していきたいと考えております。
 続きまして、地球温暖化につきましての質問でした。2050年までに脱炭素社会を目指すことが国の基本理念として掲げられておりますが、この目指すべき目標を達成するために、地方自治体におきましては、横展開できる先進性であったり、モデル性のある実現可能な事業の実施を求められているわけでございます。
本市といたしましても、2050年度までに、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すため、令和6年度は公用車の電動化及び公用車充電設備の整備、そして公共施設の照明のLED化に着手をいたします。
また、市民や市内事業者が、省エネ機器やLED照明を導入するための支援をしてまいりたいと考えております。
今後、技術革新等により、さらに新たな技術や設備が開発されて、市場への流通が可能となった場合には、脱炭素を目指す事業の一つとして、これらについてもしっかりと検討していきたいと考えております。
 そして、エネルギーの地産地消につきましては、市内でつくることができる再生可能エネルギーなどの多様なエネルギーを最大限に活用することで、地域の脱炭素化や地域経済循環の加速化を図ることが、大変重要でございます。そのため、令和6年度におきましては、市内で作られた再生エネルギーによる電気を、市民に安定して供給できるよう地域新電力会社の設立を支援していくということでございます。
 災害対策についての御質問でございました。その中における公共施設の取組につきましては、下関市公共施設等総合管理計画に基づきまして、将来の人口減少や財政状況を踏まえて、施設総量の最適化に取り組んでおりますけれども、その実現に当たりましては、避難所等の防災拠点の確保と併せて検討する必要があると考えております。
 令和5年9月に策定いたしました公共施設の適正配置に関する方向性(中期)におきましては、基本ルールの一つとして、防災拠点となる施設を確保するという考え方を示しておりまして、耐震性のみだけではなくて、高潮とか、あと土砂災害とか、洪水等の被害想定に応じまして検討を行うこととしております。これらの施設整備方針につきましては、個別施設計画において耐震化等の方針を策定いたしまして、安全・安心の確保に努めることとしております。
 加えまして、災害により、広域の断水が発生した場合でございますが、避難所の水洗トイレを使用できないという課題があることについては、十分認識しております。御心配いただきました本市の実態といたしましては、水を使用しない簡易トイレと、このトイレを覆うテントを、それぞれ100基程度備蓄いたしまして、災害時の避難所トイレ対策に備えているところでございます。
 この簡易トイレは、通常の水洗式とは違いまして、利便性が劣ることにはなるのですけれども、大規模地震などにより、上下水道等のライフラインが仮に寸断された場合には、復旧まで、この簡易トイレで対応していくものと認識しているところでございます。
 大規模災害時のトイレ対策につきましては、過去の災害事例のほか、直近の能登半島地震を踏まえまして、最新の情報を収集するなど、今後も研究をしてまいりたいと考えております。
 続きまして、本市の福祉避難所の現状についての御質問でございました。現在、16の社会福祉法人と協定を締結いたしまして、福祉避難所の数は18施設と御紹介をさせていただきました。本市では、現在、福祉避難所は、災害発生後、3日目以降の開設を想定した2次避難所と位置づけておりまして、現時点では、福祉避難所への直接の避難を受け入れる体制を取っておりません。
 今後、能登半島など、災害が実際に起こった地域の事例も研究し、福祉避難所として必要な施設の数、そして開設の時期、そして避難の受入れや運営の方法について、改めて検討したいと考えております。
 地域医療の充実について、御質問でございました。地域医療構想の推進につきましては、保健医療を提供する立場にある者、そして保健医療を受ける立場にある者、そして学識経験者、そして関係行政機関の職員を委員とする下関医療圏地域医療構想調整会議におきまして、これまで深々議論が進められておりまして、医療従事者の御意見も反映されたものとなっております。
 この調整会議は、公開で開催するとともに、山口県及び本市のホームページにおいて、会議資料及び議事概要を公表しておりまして、協議内容等については周知に努めているところでございます。また、シンポジウムや住民説明会を開催いたしまして、地域医療構想の推進の必要性や、調整会議で取りまとめられた第2次中間報告の内容等について、市民の皆様に情報提供を行うとともに、様々な御意見をいただいたところでございます。
これまでも地域医療構想の推進の必要性について、情報発信を行い、市民の皆様の御意見の聴取に努めてきたところでございますが、よりよい方法がないか、引き続き検討し、実施をしてまいりたいと考えております。
 続いて、下関市立市民病院及び下関医療センターの統合後の運営形態についての御質問でございましたが、この運営形態について、地方独立行政法人による運営と、それから国の独立行政法人による指定管理者制度の導入のいずれかが考えられるわけでございます。どちらの運営形態にする場合でも、いずれかの病院の職員については、身分の変更が必要となりますので、慎重に、これは検討する必要があると考えております。
令和6年度に、再編、統合による勤務労働条件の変化に伴う職員の処遇の整理と分析などを行いながら、下関市立市民病院、そして下関医療センター、そして下関医療センターの本部組織でありますJCHO、及び下関市を含む関係者等との協議を行いまして、運営形態を決定していきたいと考えております。
 続きまして、豊北病院の現状についてでございました。御心配をいただいております。外来、入院ともに診療の受付を休止している状況でございます。議員から、旧福島県立喜多方病院の事例を御紹介いただきましたけれども、地域の人口とか、それから医療需要が異なることから、この事例を参考にした対応は、なかなか難しいのではないかと考えております。
 先日、現状把握のため、豊北地域の医療提供の状況等につきまして、地域の医療関係者や住民の方々などの御意見をお聞きするための会議を開催いたしましたので、今後、必要な対応等については検討していきたいと考えております。
 続きまして、公共交通についての御質問でした。バス交通の充実についての御質問です。公共交通は人口減少や、過度な自動車への依存により、利用者は減少傾向にあります。加えて、長引く燃料費の高騰、そして物価高によりまして、公共交通事業者の収益低下を招き、廃止や減便が進んで、利便性が低下をし、さらに利用者の減少を招くという悪循環に、現在、陥っていると認識をしております。
 また、バスやタクシーといった交通事業者からは、2024年問題をはじめとして、高齢化に伴って、本市だけに限らず全国的な、現在、運転士不足であると聞いておりまして、交通事業者を取り巻く環境は、ますます厳しい状況であると認識をしております。
本市といたしましては、将来にわたる市民の生活に必要な移動手段の維持・確保に向けた、バスやタクシー事業者が抱える人材確保の課題に対応するものとしまして、従業員の第二種免許取得に係る費用の一部を助成するとともに、運転士の働く環境を整えまして、利用者の利便性向上のためにキャッシュレス決済機器等の整備費用の一部につきましても、国の補助に上乗せをして、補助を行ってまいりたいと考えています。
 下関市地域公共交通計画の策定において、市民の意見を聞くべきではないかという御質問でございました。今年度より、既存の計画を見直しまして、新たに下関地域公共交通計画の策定に着手をしております。現在は交通事業者へのヒアリングや市民アンケートを実施して、公共交通の深刻な実態や課題を認識し、計画の骨子を作成しているところでございます。今後は、より丁寧に市民や利用者の方の御意見を聞くために、地元説明会などを開催いたしまして、さらに幅広く課題を抽出する必要があると考えております。
 また一方で、市民や利用者の方々に、公共交通の現状や課題に対する御理解を深めてもらう必要もあると考えております。これらを踏まえ、引き続き幅広い意見等を反映しながら、策定作業を進めてまいります。
 続きまして、唐戸周辺の渋滞対策についてでございます。令和5年度に実施をした調査に基づいて、日常的な渋滞の緩和であったり、3連休などに発生する大規模な渋滞を、通常の土日程度に緩和することを目指してまいりたいと考えます。そのため、令和6年度はソフト面の対策といたしまして、唐戸地区の周辺駐車場の円滑で効率的な利用のために、混雑情報の周知、及び周辺駐車場への誘導の強化、そして駐車場の情報サイト「まちナビShimonoseki」の改良といった対策を進めていきます。
さらには、唐戸市場駐車場棟の横にあります市有地でございますけれども、年末年始を除いた土日祝日に、仮設駐車場として活用をしていきます。
 また、唐戸地区における市民の生活環境改善のために、生活道路への進入の抑制であったり、空いている駐車場への適切な誘導といった対策を進めていきます。なお、新規駐車場の設置であったり、出入口の増設などのハードの面については、今後実施する対策の効果の検証を踏まえまして検討してまいります。
 続いて、豊浦郡4町の御質問でございました。道の駅きくがわにつきましては、築後26年が経過し、施設の老朽化が進んでいることから、授乳室やおむつ替えスペースなどの子育ての支援施設、そして多目的シート、オストメイトを備えたバリアフリートイレの設置を行って、高齢者や障害者、そして子育て世代を含めて、来訪される皆さんが、快適で安心して利用できる利便性の高い環境を提供できるよう、大規模な改修に取り組んでまいります。
なお、令和9年度のリニューアルオープンに向けまして、令和6年度におきましては、基本設計を行っていきたいと考えます。
 続きまして、道の駅蛍街道西ノ市の20周年記念イベントの内容でございますけれども、指定管理者と連携をしながら記念式典や各種イベントを開催し、道の駅の魅力や豊田町の観光資源を市内外に広くPRし、観光振興や交流人口の拡大を図ってまいります。また、豊田の魅力実感プロジェクトにつきましては、豊田町内の市出資法人が管理運営する豊田農業公園みのりの丘、そして道の駅蛍街道西ノ市、そして豊田湖畔公園が、各法人の特色を生かし、農業体験(作る・販売する・食べる)などを通じて、豊田町の魅力をしっかりと実感してもらい、にぎわいの創出や地域の活性化を図る取組を実施してまいりたいと考えます。
 次に、豊浦、癒やしの庭及びリフレッシュパーク豊浦野外ステージの整備についてでございます。まず、癒やしの庭は、温泉地らしい情緒を演出するとともに、訪れた方々の憩いや語らいの場となることを目的に、足湯であったり、手湯等を備えた、観て触れる温泉体感スポットとして整備するものでございます。
 また、リフレッシュパーク豊浦野外ステージにおきましては、公園内で音楽とか、ダンス等に利用できる新たな空間を創出するものでございまして、休憩施設としての機能も有してございます。
 いずれの施設も、豊浦地域[川棚温泉エリア]再生事業の一環として整備をするものでございます。現在、隈研吾建築都市設計事務所による実施設計が進んでいます。また、その外観は、どちらも町のシンボルである川棚温泉交流センターになじむ、統一感のあるデザインとなっております。
 地元関係者の皆様からも高い期待が寄せられておりまして、完成の暁には、その芸術性や話題性を生かして、交流人口の拡大、にぎわいの創出を図ることとしております。
 豊北地域は、小中学校の統合によりまして、各地区にあった小中学校が廃校となっており、現在、廃校後の学校施設の利用につきましては、担当部局を中心に検討を進めてきているところでございます。
 令和5年度からは、リノベーションまちづくりによる地域再生に向けた取組を進めておりまして、廃校の利用につきましては、リノベーションまちづくりの考え方も取り入れながら、引き続き検討してまいりたいと考えています。
 以上で、濵岡議員、1回目の代表質問にお答えをさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○濵岡歳生君
 それでは、2回目の質問をしたいと思います。学校給食の無償化についてということで、子育て支援のさらなる充実を図るために、学校給食の無償化についてお聞きします。
 参議院事務局企画調整室編集・発行の学校給食の無償化をめぐる主な動向において、平成29年度時点では、完全給食を実施する自治体のうち、小中学校とも無償化を実施しているのは76校にとどまっていたが、日本農業新聞調査によれば、令和4年度に無償化を実施した自治体は、小中学校の給食を実施する全国1,600市町村の約3割に当たる451校に上っていると記載されています。
 また、令和5年度、または令和6年度から実施する方針を示している自治体も多数あることから、無償化を実施している自治体は年々増えています。全ての国政政党が、学校給食の無償化を提言しています。
 子育て支援の一層の充実を図るためには、本市においても、学校給食の無償化を早急に実現すべきだと考えますが、見解を伺います。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、子育て支援の一層の充実を図るための学校給食費の無償化についてお答えいたします。学校給食費につきましては、令和5年度から令和7年度の3年間、ボートレース未来基金を財源として、学校給食費の半額以上を市が支援する学校給食費支援事業を行い、保護者負担の軽減を図っているところでございます。子育て世帯の生活支援のため、当該事業をまずは3年間、しっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○濵岡歳生君
 どうもありがとうございました。それでは、意見、要望ということで、ざっと読んでいきたいと思います。
意見で、ヤングケアラー支援ですが、こども家庭庁では、大人に代わって日常的に家事や家族の世話を担うヤングケアラーに関する自治体の相談窓口に、進学や就職の専門支援員を配置する新制度を、4月以降に始めることになっています。国は、少子化対策関連法案を今国会に提出し、ヤングケアラーを国や自治体の支援対象だと明文化することで、ヤングケアラー支援の地域間格差を解消するとしています。
意見として、国が2022年に公表した実態調査では、進路や就職などに対する将来不安に対する支援を求める意見が28.3%に上っています。令和5年度予算に対する市民連合の代表質問に対し、ヤングケアラーに対する必要な支援及び予算について検討すると答弁していますので、専門支援員の配備をしていただきたいと思います。
 雇用対策について、意見を述べておきます。昨年12月議会に、下関商工会議所から出された陳情に、物流の2024年問題について、危機感が広がる一方、食品、特に活魚・水産物の流通において、具体的な対策に着手していない事業者も多く、高い人件費や人材の確保等、経営を圧迫していく状況は、水産都市下関にとって喫緊の問題でありますという内容で、水産物の流通環境の問題について、調査研究、支援等をお願いするという要望がありました。物流の2024年問題は、水産事業者だけの問題ではありません。本市の経済全般に影響する重大な問題です。公共交通事業者に対する人材確保支援と同様に、支援を講ずることを強く求めておきます。
 あと、医療充実についてということで、地域医療構想や病院再編統合について、市民に対して、分かりやすく丁寧な説明ができているとは思っていません。様々なツールを活用して、市民に伝えていただきたい。先ほど、新下関病院基本構想策定スケジュールをお聞きいたしましたが、パブリックコメントを実施した後、検討委員会を開催せず、完成、公表するということでした。パブリックコメントで頂いた意見をどのように基本構想に反映したか、それでいいのか、また市議会の意見をどのように反映したのか等について、審議、報告する場が必要だと思います。
 医療の充実について、地域医療構想に関する市民への分かりやすく丁寧な説明は、現状において不十分です。また、新下関病院基本構想の策定についても、もっと開かれた場で十分な審議を行うべきです。これについても、所管の委員会でしっかり議論していただきたいと思います。
 以上で、私の代表質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
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