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第3回定例会 9月19日(火) 本会議(一般質問1日目)
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内容
会議録
第3回定例会
9月19日(火) 本会議(一般質問1日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.6月下旬以降の豪雨災害対策
2.「豊北地域リノベーションのまちづくり」と豊北地域の活性化における公民連携とは
3.学校給食における市内産食材の確保と地産地消の推進
【下関市議会 本会議確定版】
○議長(香川昌則君)
3番、桂誠議員。(拍手)
〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
日本共産党の桂誠です。まず、6月下旬以降の豪雨災害について質問します。
6月下旬からの梅雨前線により、豊田町で線状降水帯が発生し、記録的な豪雨となり、避難指示が出るほどでした。豊田町を中心に、菊川町、そして私が住んでいる豊北町も大きな被害を受けました。被害は、床上、床下浸水に始まり、崖崩れによる通行止め、道路の崩落、田畑の土砂崩れによるもの、さらに泥水が入ったことによる農作物への被害、農業関連施設の被害など、挙げたら切りがありません。
豊北町では、粟野川を中心に、田耕、粟野地区で、被害が多く出ました。とりわけ、粟野川堤防の崩落、決壊による被害は相当なものでした。中でも、粟野川伏流水を取水している小河内水源地の冠水による断水では、多くの人が生活に困りました。これが被災した小河内水源地の様子です。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○桂 誠君
断水になった地区は、粟野、角島は全世帯、神田地区と阿川地区は一部が断水しました。断水は7月1日から3日まででしたが、その後、水が出たわけですが、影響は13日の飲用制限解除までの長期間になりました。私は、7月2日にそれぞれの地区の代表の方に状況を聞いて回りました。
こんな断水は初めてだが、いつ復旧するのか。広報車が通ったけど、聞こえはしないとか、給水すると言っても入れ物がないなど、生活の困難を訴えられました。中でも、豊北町は、年寄りは多いが、独りの者は水を取りに行くことができないと言われました。
私はこのことを、上下水道局に伝えると同時に、水源地に行きました。職員の方も全力を尽くしておられ、徹夜で復旧に当たっています。「3時間しか寝ていません」と言われました。また、広報車の放送が聞こえないことに対する対策として、対象家庭1,470戸、全戸を職員が回り、パンフレットを配付されました。途中、熱中症になった職員もいたということを聞いております。また、いつまで続くのだろうかという不安に対して、対象全自治会長さんを回り説明されました。水の入れ物も6リットルの給水袋を用意されました。1人で生活されている老人に対しては、社会福祉協議会を通じて、対策を講じられました。
このような長期にわたる断水は初めての経験ということで、誰もが知恵を出し合って乗り越えた、そのような感じを受けました。飲用制限解除までの間、私は全給水所を回っていろいろと聞いて回りました。その給水所では若干の苦情があったそうですが、おおむねスムーズにいったということでした。中でも驚いたのは、朝6時の給水所開始のために、職員の方は3時15分に集まり、打合せをするということに驚くと同時に、頭が下がる思いでした。今回は、断水から飲用制限解除まで、13日間を要したということで、多くの方が長期にわたり、不便な生活を余儀なくされました。長期間になった原因は、紫外線殺菌装置が冠水により使えなくなり、代替装置の設置、稼働調整に時間を要したとのことでした。
ここでお尋ねですが、紫外線殺菌装置の位置の変更などをはじめ、施設整備も必要になると思いますが、いかがでしょうか。
○上下水道局長(林 義之君)
7月1日に発生いたしました豊北町小河内水源地の浸水被害に伴いまして、断水の影響を受けられた皆様には大変な御迷惑と御心配をおかけいたしました。誠に申し訳ございませんでした。
また、応急給水を担当した職員に対しまして、親切なお声かけ、そして御協力をいただきましたこと、誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
御質問の紫外線処理装置の復旧方法についてですが、既存設備は建屋1階に設置しておりましたが、今回の浸水被害の規模を考慮いたしまして、建屋1階が丸々浸かりましたので、配管ルートを変更して建屋2階に移設をいたします。なお、本復旧までの工程でございますが、令和5年12月までに設計・入札を行い、令和6年1月から工事に着手、令和6年7月の完了を目標としております。
また、濁水が流入いたしました浄水池についても対策をいたします。浄水池の上部搬入口及び通気塔のかさ上げを行うなど、可能な限りの対策を講じることとしております。
○桂 誠君
大変難しいこととは思います。粟野川がどのような氾濫をするか分かりません。そのようなことに対しても、今後こういうことがないようによろしくお願いしたいと思います。
次に移ります。今回の断水でお店をやっておられる方が、10日以上休業を余儀なくされました。食堂や豆腐屋さんなどです。断水の原因が下関市にあるということで、休業補償などは考えておられるでしょうか、お尋ねします。
○上下水道局長(林 義之君)
御案内のとおり、このたびの長期にわたる給水制限により、飲食、食品関係で事業を営まれていらっしゃる方々の中には、休業されることを余儀なくされた、そういうふうに判断をされた業者の方もおいでであることも承知しております。
市民生活において水道水が不可欠なものであるだけに、私ども水道事業者には常時、水を供給する義務が課されているところでございます。一方で、その例外といたしまして、水道法などでは、災害が発生した場合などには、その限りではないとされております。このたびの給水制限は、大雨災害に起因して行った対応策でもあることから、関係者に対する、いわゆる休業補償を行う予定はございません。
○桂 誠君
残念ではありますが、元が自然災害ということですので、そう言われる理屈もよく分かります。水道は生活のライフラインです。それを守るために、職員の方が使命感を持って仕事をしておられることがよく分かりました。しかしこのようなことが、これから先、起こらないようにお願いします。
次に行きます。今回の豪雨災害で、山陰本線粟野川の鉄橋が傾き、列車が不通になりました。今は代行バスが長門市と小串間を走っていますが、多くの住民が生活に困っています。とりわけ豊北町は高齢者が多く、自家用車のない方も多くいます。まして、粟野地区に関しては、交通機関はJRだけです。バスも走っていません。汽車で通勤されている方は、始業時間に間に合わないということで、親戚の方に送ってもらっているのが現状です。通勤だけでなく、通院・買物にも大変難儀をしております。
中でも、汽車を利用している下関北高校の生徒さんが大変困っています。始業開始のほうは学内で調整して何とかなりました。しかし、帰宅の汽車利用で困っています。下校時の早いバスに乗ると部活ができません。また、部活を終え、遅いバスに乗ると、乗換えの影響で、帰宅が10時を超えることになります。学校が所有している同窓会のバスの利用も考えましたが、古いバスなので、いつ故障するか分からない状況で使えません。豊北町内で多く走っているスクールバス、小学校・中学校で利用しているわけですが、この利用も考えましたが、規定上、子供と教師しか乗れないということです。今は県の予算でレンタカーを運行しているという状況です。しかし、これもいつまでやるか分かりません。
そこでお尋ねですが、下関市は下関北高校など現場からの要望をしっかり聞き、それに応えた代行バスの運行をJRに要請したのでしょうか。お聞かせください。
○都市整備部長(清水 悟君)
今年6月30日からの大雨によりまして、JR山陰本線の小串駅から長門市駅間において、粟野川に架かる鉄道橋梁の傾きや、土砂崩れなどによる被災が、現時点で20か所程度確認されたということで、現在も運転を見合せております。
この災害復旧に対する要請につきましては、被災確認後、直ちに行っております。その要請内容ですが、7月3日には、前田市長自ら山口県知事をはじめとする沿線市とともに、西日本旅客鉄道株式会社広島支社を訪問し、JR山陰本線の早期復旧を図ること、また、運転再開までの間、通勤・通学等の利用者の移動に支障が生じないよう、早急に代行バスの確保・運行を行うことについて要望を行っております。
また、7月13日には、山口県知事及び沿線市とともに、国土交通大臣を訪問し、西日本旅客鉄道株式会社に対して、早期完全復旧が図られるよう財政支援を行うことや、今回の被災を契機として、直ちに路線の存廃の議論に結びつけることがないよう指導することについて、要望を行ったところでございます。
さらに、8月26日に開催された山口県市長会においても、山口県知事の強力なリーダーシップの下、国や西日本旅客鉄道株式会社に対し、被災箇所の早期完全復旧や、代行交通による利便性の確保に向けて働きかけを行っていただくよう要望を行っております。
8月10日の時点で、西日本旅客鉄道株式会社からは、「被災状況の調査を最優先に進めている」、また「利用者からの意見を反映した代行バスの運行を行っている」と聞いております。市といたしましては引き続き、西日本旅客鉄道株式会社に対し、山陰本線の早期復旧が図られるよう要望するとともに、関係するあらゆる方面へ要望を続けてまいります。
○桂 誠君
要望されていることはよく分かりました。大変努力されている。このJRの運休によりまして、下関北高校など多くの人がいるところは何とかしのいでいるわけなのですが、個人がとても困っております。これはもう手の打ちようがないわけなのですが、そういう人たちの声を聞きながら、代行バスの微調整をお願いしたいと思います。これからも、1年間続くという話も聞いておりますので、周辺に住んでいる住民が困らないように、よろしくお願いします。
続きまして、今回の豪雨は、豊北町の基幹産業である農業に多くの被害が出ました。農地、農業用施設が壊れ、使えなくなっている状況が多くあります。農地の崩落、崖崩れや河川からの土砂・流木などの流入、大変大きな木が流れてきて、田んぼの中に座っている状況です。逆に、耕作土壌が流れ出てしまい、こういう田もあります。また、川の水の取入口が流され、田に水が入らなくなる。農道が被害に遭い、通れなくなる。鳥獣被害防止柵の柵が流されたり倒されたりしているなどです。
今回の農業被害は規模が大きく、農家個々の力ではとても復旧できるものではありません。しかも、農家の高齢化、後継者不足から、こんなにひどいなら、元に戻すことはできない、百姓はもう続けられないという声を多く聞きます。
粟野川小河内の取水堰が壊れました。関係する田の面積は7ヘクタール以上です。農家13件が関係しております。そこの取水堰から水を取っている農家が13件あるわけです。しかしそのうち10人が、取水堰の修理にお金がかかるということで、もう農業をしないという声を上げています。3人だけは何とかしなければいけない。私たちが受け継いだ田を次にもつなげなければいけないという思いで、3人は何とか直そうと、農業を続けていこうという考えであります。こんな例は多くあります。数年前のウンカ被害のときもそうでしたが、農家の心が折れてしまい、やる気を失っているのです。激甚災害指定を受けたと聞きました。早急に災害復旧工事を国・県に求め、農地・農業用施設の回復に当たらなくてはなりません。しかし、どう考えても、今植わっている、今年の秋に間に合いそうにありません。ひょっとすると来年もどうかなという思いもあります。そこでお尋ねですが、国・県の災害復旧だけで、下関市の農業はきちんと救済できるとお考えでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
6月下旬以降の豪雨災害による農業関係の対策についてお答えいたします。今後の被害への対応でございますが、国庫補助災害復旧事業により復旧を計画しておりますが、国庫補助に採択されない小規模な災害につきましては、単市災害復旧事業により復旧計画をしてまいります。農業関係の災害復旧につきましては、国・県だけでなく、市においても補正予算を計上しており、一刻も早い復旧を進めてまいります。
○桂 誠君
市のほうでも頑張っておられることはよく分かりましたが、現在、豊北町では取水堰が壊れ、田に水を入れることができず、稲が枯れようとしている田が出てきております。しかし、今すぐこれに手を打ち、何とか一定の収穫を確保することができます。今年の作物に対してのことです。そこでお尋ねですが、田に水を入れるポンプの借上料、それから燃料代の補助は考えておられますか。これをすれば今年の稲が何とか助かるわけなのですが、どうでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
水を上げるポンプの借上料、燃料代の補助についてお答えいたします。豪雨災害により被災した農業用施設である頭首工・用水路などの取水施設の応急対応として、ポンプの借上料及び燃料代につきましては、災害復旧事業としての補助制度はございません。既存事業でございます多面的機能支払交付金事業及び中山間地域等直接支払交付金事業が活用できます。
○桂 誠君
なければつくればいいのではないかとも考えるわけなのですが、それは置いておきまして、今回の被害を乗り越えて農業を持続化していかないと、農業の担い手がどんどん減ってしまいます。その対策の一つは、被害補償の手当てをきちんと知らせることです。今回の豪雨災害で気になったことは、被害補償を知らない農家が多くいたということです。そして、もうこれは駄目だということで、途方に暮れているという状況がありました。
しかし災害復旧だけで離農するのを止めることはできません。とりわけ、今、田んぼのことで問題になっているのは、農地の利用権設定の期限が切れている――人の土地を借りるときには農地の利用権を設定しなければならないわけですが、それが切れ、そのまま解消されてしまう。もう、よその田んぼはつくらないという状況です。そうすると、稲がつくられておりませんので、農地がどんどん荒廃していきます。
そこでお尋ねですが、下関市として、農地の利用権設定の継続支援を創設するお考えはありますか。また、現在の状況を踏まえて、農地荒廃防止、高齢者が農業をしているという状況を踏まえて、援農隊の創設を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
荒廃農地の防止対策についてお答えいたします。荒廃農地の発生を防止するための取組としまして、国の制度である多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金を活用し、農地等を適切に維持管理するための保全活動や農業生産活動等に対する支援を実施しております。
また、荒廃農地の防止のため、令和4年度に遊休農地等再生対策モデル事業を、令和5年度に新たな農業経営者等育成実践モデル事業を創設するとともに、地域における合意形成の下、担い手に対し一定期間以上の農地利用権の設定を行った地域に対しましては、地域集積協力金による支援を行っているところでございます。
議員御提案の制度に関しまして、まず、農地の利用権設定の継続に対する支援につきましては、既存の支援制度がある中で、継続されない理由が、様々な事情によるものと思われるため、事業化するには十分な検証・検討が必要と考えております。
また、農作業を引き受ける援農隊のような受託組織等の創設支援につきましては、その組織の役割や、担い手となる人材の確保、活動の規模など、検討すべき課題が多くあるため、今後とも研究してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
今言われました利用権設定の事業、何かやられていると言われましたけど、何件ぐらいそういう利用権設定、再設定があったのでしょうか。教えてください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
利用権設定の件数でございますか。
○桂 誠君
今、何かそういう事業をやられて、新たに利用権設定を続けたというお話をされましたので、何件ぐらいあったのだろうかとお尋ねするところです。
○農林水産振興部長(植木純治君)
利用権設定の面積につきましては、令和4年度、2,435ヘクタールということでございます。
○桂 誠君
それは増えていますか、減っていますか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
令和2年度が2,424ヘクタール、令和3年度が2,414ヘクタールで、微増ではございますが、ほぼ横ばいということでございます。
○桂 誠君
横ばいということですので、これが続くように御努力願えたらと思います。下関市農業の持続化を妨げている大きな原因の一つが、鳥獣被害の大きさです。今回の鳥獣害防止柵が大雨で倒れたのに対して、こういう状況で、柵がもう立てる状況でもないという状況もあるわけなのですが、これに対して補正予算で、下関市単独の鳥獣害防止柵緊急復旧事業を組まれました。復旧に対して努力されていることは感じます。しかし、現在ある鳥獣被害防止柵の復旧だけでは、農業の持続化には不足です。鹿、イノシシ、猿、ハクビシン、アライグマの被害が大きい豊北町では、農作物の栽培が思うようにできません。学校給食に出す地産地消を進めるための野菜の話を進めても、何をつくっても鹿やイノシシが食べるから駄目だと言われました。このような状況ですので、鳥獣害防止柵の設置を望んでおられる方は多くおられる。そして順番待ちの状況です。
そこでお尋ねですが、下関市農業持続化のために、今ある下関市の鳥獣害防止柵設置事業を拡充して、順番待ちを解消する予定はあるのでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
鳥獣害防止柵新規設置に係る補助事業の対応についてお答えいたします。鳥獣害防止柵の新規設置事業には、国庫補助事業である鳥獣被害防止総合対策事業と、単市補助事業である鳥獣害防止柵等設置事業がございます。
国庫補助事業につきましては、被害額と柵の設置経費の費用対効果の検証等の採択条件がありますが、資材費の全額が補助されます。しかしながら、個人農家など国庫補助事業の要件を満たさない場合につきましては、補助率が2分の1以内の単市補助事業にて、侵入防止柵の設置の支援を行っております。
議員お尋ねの単市補助事業は、年々事業要望が増加傾向にありまして、要望から実施までおおむね2年間の期間を要している状況であることは認識しております。鳥獣害防止柵の設置は、営農意欲の継続及び農業の持続化の支援に必要な取組であるため、新規設置につきましては、引き続き、国の事業も有効活用し、市の事業と併せて予算確保に努めてまいりたいと思います。
○桂 誠君
鳥獣害防止柵の設置が、農業持続化の大事な要になるというところは意見が一致しました。これを待っていると、高齢化が激しい農業の世界では、みんなもう農業ができなくなる年齢になってしまいます。5年待ったら、半分ぐらい減ってしまうのではないでしょうか。90歳過ぎの方がトラクターに乗っておられます。もう危なくてしようがないのですが、やはり百姓のさがでしょうか、やらざるを得ないというのが現状なのです。できるだけ早く、このことにつきまして、順番待ちがないように改善願えたらと思います。下関市の農家を支援し、継続化していくことは、私は市の責任と考えています。よろしくお願いします。
次の質問に移らせていただきます。豊北地域リノベーションによるまちづくりと、豊北地域の活性化における公民連携について質問します。
このことにつきまして、6月10日にキックオフミーティングが開催されました。また、6月28日に行われた豊北自治会連合会理事会において、市から説明も行われました。
しかし、リノベーションについて知っているのは、まだ一部の町民だけのように思います。豊北町に住んでいる町民全員がリノベーションについて知り、意識を高めていくということが必要だと思います。
私たちは、8月25日に、住民主体のまちおこしを進める豊北の会を開催しました。その案内のために、豊北町全自治会長を中心に、200名近くの方と会いました。当日には多くの参加者があり、いろいろな意見が出ました。1つ目、学校給食の地産地消をどのように進めていくか考えようではないか。
2つ目、将来、豊北小学校の児童数が減るが、このままいくと複式学級、そして学校が消滅する。それを防ぐために、学校見学会などを行い、豊北町への移住を促していこうではないか。小学校の校長先生が提案されました。
3つ目、今、浜出祭を――浜出祭というのは7年に1回ある大きな祭りで、この祭りを神玉地区と田耕地区で取り組んでいるのですが、住民が少なくなることにより、年々開催が困難となっている。豊北町全体で、取り組めないものだろうか。こういう話も出てきました。
4つ目、特別養護老人ホーム白滝荘が2年後に閉鎖予定です。デイサービスも少なくなってきています。高齢者がとりわけ多い豊北町では、安心して老後が過ごせない。何か対策が必要ではないか、こういう話も出てきました。
5番目として、和久漁協にいらない漁網があります。これを鳥獣害対策に利用できないだろうか、などなど。どれもこれも豊北町の活性化にとって避けられない課題ばかりが出てきました。
6月議会で中野豊北総合支所長は、住民自らが町の課題を自分事として、リノベーションによるまちづくりに取り組むとか、リノベーションのまちづくりは、基本的に住民主導の下でとか、住民主体の取組や、あらゆる世代の地域住民の方など、住民が主体の事業であることを言われました。
私もそのとおりだと思います。町民が主体になってこそ本当のまちおこしと言えますし、まちづくりは住民が主体にならなければ成功しないと思います。しかし、住民だけでできるものでありません。中野豊北総合支所長の言葉の中に、基本的に住民主導の下、公民連携を図りながら、行政は住民主体の取組に対して必要な支援をすることが主な役割とありました。先に示したように、住民が自らいろいろな課題を出してきております。
そこでお尋ねですが、まちづくり課題解決のための住民活動に対する具体的な公民連携や行政支援は、どのように考えておられますか。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
今、住民によるまちづくりにおける公民連携や行政支援をどのように考えているかという御質問でございますが、リノベーションのまちづくりの基本的な考え方といたしましては、地域の方自らが、町の課題を自分ごととして捉え、企画・立案し、そして主体的に実践することだと考えております。
6月10日に開催いたしました豊北地域リノベーションまちづくりキックオフミーティング以降、徐々に地域の方々が主体となった動きも出始めているところでございます。その中で、議員御案内のとおり、豊北町の有志によります、まちおこしを進めることを目的とした会が開催され、活発な意見が交わされたと伺っております。これも地域住民が主体となってまちづくりを実践していくための第一歩だと受け止めておりますので、引き続き、皆様方が主体となったプロジェクトや事業の実践に向けて取組を進めていただきたいと思います。
市といたしましては、先ほど御案内がありました、様々な課題に対しまして、地域の方々による具体的なまちづくりの取組が行われることに際しましては、必要な連携・支援を個別に検討してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
まだ具体的なことが出ておりませんので、なかなか連携は難しいことだと思いますが、出てきたときには、きちんと連携、そして市としての援助をしていただきたいと思います。その前に、住民が課題を今回は出してきたのですが、それが生まれてこないというのもあります。諦めてしまっている、そのことから、もうどうでもええやという声も多分に聞くわけなのです。そういう気持ちを察していただき、ぜひとも、このリノベーションまちづくりによる豊北町のまちおこしを進めていっていただければと思います。
豊北小学校に赴任してこられた校長先生が、豊北町は魅力がいっぱいある。大自然の中で子育てしたいと思っている方にとっては、すばらしいところである。海があり、山があり、多くの人が訪れる角島もあると言われました。しかし、逆に住み慣れている私たちにとっては、豊北町の魅力を忘れてしまっています。この私たちに対して、豊北町のまちづくりリノベーションが、豊北町を再発見し、そしてまちづくりのきっかけになってくれればと思っています。一生懸命頑張っていきましょう。
次の質問に移ります。学校給食における市内産食材の確保と地産地消の推進について質問します。新しい共同調理場の開始も来年に迫ってきました。多くの問題も抱えているようですが、市内産の食材を使った地産地消を進めるということで期待しているところです。
さて、7月18日と19日にJA山口県豊北町支所で、共同調理場新設に伴う、学校給食向け野菜生産への取組説明会が行われました。私も参加しましたが、教育委員会とJA職員とでいろいろと説明されていました。盛況とは言えませんでしたが、豊北町で有機野菜を栽培されている楽天農業も参加されていました。
そこで質問ですが、今回の説明会での関係者の参加状況と、そこで出た意見をお知らせください。また、みのりの丘で行われている地産地消の実証実験の様子もお知らせください。
○教育部長(藤田信夫君)
令和4年7月に、JA山口県下関統括本部及び西部、東部、豊北、豊田、菊川、豊浦の各営農センターによりまして、学校給食のための青果供給を目的としたランチ倶楽部協議会が立ち上げられたところでございます。このランチ倶楽部協議会で説明会等々を行っておりますので、各地区の説明会の開催状況のほうを御説明差し上げたいと思います。
生産者への説明会につきましては、東部及び豊北営農センターが3回、西部営農センターが2回、豊田、菊川、豊浦営農センターが各1回開催され、延べ約140名の出席がございました。説明会におきましては、新学校給食センターの概要説明や、各営農センターでの取組品目の説明、流通形態、規格や価格についての説明が行われたところでございます。生産者の方からは、収穫から市場への出荷までの貯蔵についてや、青果の規格や価格について、予定数量の増減の場合の対応や、鳥獣対策などについての質問があったところでございます。
現在、各営農センターにおいて、ランチ倶楽部協議会に入会される生産者の方の取りまとめとともに、年間の取組計画を作成中と聞いております。教育委員会といたしましても、引き続き、より学校給食への提供をしていただけるよう、関係課とともに協力していきたいと考えております。
○桂 誠君
分かりました。140名の参加があったということで安心しました。JA豊北で行われた18日、19日――19日は誰も参加しないで取りやめになったのですが、他の地域では140名ということで、多くの方が地産地消のために頑張っていこうという気持ちが伝わってきております。みのりの丘のほうの実証実験、これについて説明をお願いいたします。
○農林水産振興部長(植木純治君)
みのりの丘で行われている実証実験の様子について、お答えいたします。現在、豊田農業公園みのりの丘に学校給食用の野菜の実証圃場を設置し、学校給食用食材実証業務を実施しております。栽培品目として、ニンジン、キャベツ、ブロッコリーを選定し、電気柵を設置するなど、有害鳥獣対策を行った上、播種、定植を行っております。
市内でも、年間の寒暖差が大きく厳しい気象条件を有する豊田町において、地域に合った野菜を栽培し、収穫した野菜を学校給食用食材として提供できる仕組みづくりに向け、JA山口県や県農林事務所と協力して課題を整理しております。
今後、栽培面での課題及び収穫後の集荷・運搬など、学校給食への提供面での課題を整理・検証し、学校給食用食材の安定的な供給体制づくりに向けて検討を進めてまいります。
○桂 誠君
実証実験がかなり進んでいることで安心しました。ぜひともその地域に合う作物を選定していただきたいと思いますと同時に、子供たちに安全な食材、それから農薬の散布等についてもきちんと指導していただき、子供たちが安心して食べられる給食を提供していただきたいと思っております。
私はこの農家の高齢化と農業離れの進んだ下関市で地産地消を進めるためには、農家の担い手を育成するぐらいの覚悟がないと難しいと思っています。ですから、教育委員会と農林水産振興部との連携はぜひとも必要です。新しい共同調理場の開始まで、あと半年と少しになりました。確実に地産地消を進めるためには、計画的な準備が必要と思います。そこで、前教育長は、地産地消率の目標は決めると以前答弁されておられました。地産地消の推進目標を決められますか。また、その実現のための手だてを併せてお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
先ほど御紹介いたしましたランチ倶楽部協議会から出荷される青果につきましては、新たに学校給食のために作付、生産、出荷されるものとなり、これまでにはない純然たる学校給食における地場産青果の増加分となるものでございます。
現在、各営農センターにおいては、どういった青果に取り組み、どの時期にどのくらいの出荷予定となるかを計画中でございまして、取組計画の詳細が定まり、令和6年度に出荷された数量、これを今後の目標の基準としていきたいと考えております。
また当協議会から提供された食材を、しっかり献立に反映させ、消費させていただき、その中での課題や検討事項を、JA山口県をはじめ、学校給食関係者とともに解決していくことで、学校給食における地産地消の推進を図ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
計画的に進めておられること、認めることができました。ぜひとも、子供たちに、この地域でできた、下関でできた物を食べさせていただきたいと思います。それがこの地域を愛する心にも僕はつながると考えておりますので、ぜひとも、みんなで地産地消を進めていきたい、そのように考えております。
この下関市で地産地消を進めるためには、以前にも言ったように、自校給食方式の規模の小さい調理場から始めたらと思っております。大きいところでは、なかなか難しいと思いますが、規模の小さいところから、そして生産者を育てながら、供給の契約を進めていくのがよいと考えています。そこで、自校給食方式及び中小規模の学校給食調理現場での地産地消推進対策も検討すべきだと思いますが、いかに対応されますか。
○教育部長(藤田信夫君)
ランチ倶楽部協議会にて生産された青果につきましては、各営農センターに集荷され、新下関市場に出荷し、仲卸業者を通して、主には新学校給食センターに納入されることとなっておりますが、集荷量や出荷日に応じまして、そのほかの自校式調理場や共同調理場への納入も想定しているところでございます。
また豊浦、豊北、豊田の共同調理場への納入につきましては、運送費等の負担軽減の観点から、各営農センターから直接調理場への納入ということも含めまして、今後、ランチ倶楽部協議会等と協議を行い、よりよい流通形態とすることで、地産地消を進めてまいりたいと考えております。
○桂 誠君
この広い下関市の中で、地産地消を進めていくためには、柔軟な発想で対応しなければ、なかなか難しいことと思います。硬直化した考えではなく、ここではこういうふうに考えると柔軟に進めていただければと思っています。
7月に四国の今治市に、地産地消と有機野菜の供給を進めている学校給食について視察に行きました。並大抵の努力で実現できたものではありません。担当の職員が強く推進された結果としての地産地消の実現でした。そのいきさつの本を出版されておられました。中でも、有機野菜の供給は大変難しく、こだわりの農家さんだけが供給しているのが現実でした。子供へ安心・安全な野菜を食べさせたいという強い思いで供給されていました。ちなみに今治市では、地産地消を進めるために、共同調理場方式をやめたとのことでした。下関市では、共同調理場で大変難しいかと思いますが、ぜひとも地産地消を進めていただければと思います。
最後に市長に質問です。リノベーションについて、市長は大変力を入れて取り組んでおられます。豊北町にとっても大変喜ばしいことと思っております。このリノベーションについて市長は言われました。豊北町を元気にしたい、市として全力で取り組む、金のことは言われないということから、この言葉の中から、課題解決のための住民グループの立ち上げに支援策はありますか。また、市長の思いを、ぜひとも住民と直接対話して伝えていただきたい、そのように思っていますが、どうでしょうか。
○市長(前田晋太郎君)
前回もそうなのですけど、桂議員は通告をくださらないので、だから今の2つあった質問に、ぱっと答えるのはなかなか難しいと思いますが、思いの部分につきましては、前回の議会でも、自分の中ではしっかり伝えさせていただいたのかなと。御理解も一定いただいているのかなと思っております。
そういった中で住民との対話の御提案につきましては、この間、1回会議を太翔館でやりましたね。あの時は私も参加をさせていただきましたが、ちょっと冒頭だけの接触になりましたので、ああいった皆さんがお集まりいただいて議論を深めていく機会があるならば、二度、三度足を運んで、今言われたような対話をするような時間を、また今度設定できればというふうには、今御提案を受けたので思いました。
そして、あの時会場になった太翔館、非常にいい施設、きれいに皆さんが守っていただいていたおかげで、あんなふうに残っていますから、これをいかに今から生かしていけるか。パソナの取組を私は淡路島まで、この間行ってまいりましたけれども、非常にすばらしい。新しいものをしっかりつくるし、古きよきものを守りながら、ブラッシュアップして、地域の方々や観光客にうまく提供できていると、それによって人のつながりや地域の活性化が生まれていると。
ただ、気をつけなくてはいけないのは、やはり観光客ばかりを誘致しようとし過ぎて、地元の方々が住みにくくなってしまうような観光地であってはいけないなと。これは1回、湯布院の例を出して議会でも話をしたことがあるかもしれませんけど、とにかく起爆剤と今回なるように願って、全力で市としても取り組んでいきたいし、先ほど中野総合支所長のほうからもありましたけれども、やはり地域の皆様もしっかりと協力していただく、自分たちのよく知っている町だから自分たちでここはどうしたほうがいいよというのは、我々が外から言うよりも、住んでいる方々が一番詳しいわけですから、その辺りの意見がどうしても欲しいし、そういう意味では、参加もしっかり、議員からも促していただけますようによろしくお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。
○桂 誠君
今、市長が言われたように観光客主体のまちおこしというのは、やはり住民が不満を持ってしまうのではないかと思います。大変そうだと思っております。またこれを機会に、豊北町に目を向けていただき、リノベーションをぜひとも成功させていきましょう。以上で質問を終わります。(拍手)
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