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第2回定例会 6月16日(金) 本会議(一般質問2日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月16日(金) 本会議(一般質問2日目)
みらい下関
山野 陽生 議員
1.ひこっとらんどの今後の開発について
2.六連島について
3.中小企業振興基本条例の制定について
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
11番、山野陽生議員。(拍手)
〔山野陽生君登壇〕
○山野陽生君
皆さん、こんにちは。みらい下関の山野陽生です。このたびの選挙で、新人として当選させていただき、誠にありがとうございます。本日、初めて議会にて一般質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
下関市に生まれ育ち、長く商売をさせていただいている私にとって、下関への愛着は計り知れません。これからの下関を、夢のある、わくわくするようなまちにするため、私なりに、皆さんに絵を書きました。ここに提案させていただきます。連動した話になりますので、少し長くなりますが御容赦ください。
下関は三方を海に囲まれています。瀬戸内海、周防灘、関門海峡、日本海、響灘の三海です。歴史的にも、文化、経済、観光においても、その恵みを生かしてきました。特に今、市の観光重点施策である関門海峡エリアビジョンと、城下町長府、そして、全国的に知名度の上がった角島大橋をはじめとした北浦街道、東部と北部には光が当たりました。後は、西部と南部の観光拠点づくりです。
彦島と下関は、今年合併して、90周年を迎えました。工業のまち彦島と商業のまち下関が合併し、発展してきました。しかし、彦島は産業構造の変化により、人口が激減し、その影響で下関も衰退してきています。つまり、関門の中心にある彦島の衰退が下関に大きな影響を及ぼしています。「彦島の発展なくして下関の発展なし」これが私の持論です。どっかで聞いたようなフレーズですが(笑い)本人にちゃんと承諾をいただいております。
御承知のとおり、下関市と北九州市を結ぶ第二関門橋(下北道路)建設計画が進行しています。下関にとって、数十年に一度あるかないかの経済、観光において、大転換期を迎えようとしています。現在、小倉日明地区から旧彦島有料道路につながるルートが有力です。
地元にとって重要なことは、ここを通過地にしないことです。そのためには、彦島にインターチェンジを設置し、下りたくなるような動機が必要です。それではタブレットの画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
これは、このたび提案する「響灘ひこっとらんどパーク」です。今、彦島の響灘沿いに、老いの山公園、ナイスビューパーク、ひこっとらんどマリンビーチが点在しています。そして、下関三井化学様の正門前にあった社宅等が本年解体され、約3万平米の広大な借地が、2年後に22名の地主さんに返還されます。この敷地に温浴施設付道の駅をつくる構想です。
海と山と湯を楽しめるエリアとして、見る、遊ぶ、買う、食べる、休む、五つを楽しめる魅力あるランドパークとなります。重要なのは、この四つのエリアを点で捉えては駄目だということです。点を線で結び、さらに面で捉えたエリアにしなければなりません。つまり、海と山と湯を楽しめるエリアとして、車で移動するのではなく、適度にウオーキングできる距離であり、歩いて回遊できなければなりません。
次の画像を御覧ください。これは温浴施設付道の駅です。排熱リユースのエシカルスパとして、「まったり湯ったり、地元の「おいしい」が集う癒やしとくつろぎの空間」をコンセプトとします。実は、選挙前に三井化学様へ御挨拶にお伺いしたときに、毎日、大量の排熱――スチームを廃棄していることを聞きました。社内的に環境問題も考慮し、温水にして、温浴施設として再利用しませんかと提案させていただきました。
また先日、神戸のほうに、みらい下関の会派で視察に行ったときに、都市のど真ん中ウオーターフロント開発ということで、埋立地に温泉がありました。1,000メートル掘ったということで、日本全国どこに行っても温泉が出るそうです。だから、ここは排熱にこだわらずコスト面で、調査次第では温泉を掘ることも視野に入れております。
さらに、近隣に大手の会社や南風泊水産加工団地があり、出張して来られる方の利便性を考え、50部屋程度の観光を兼ねたビジネスホテルとして、宿泊施設を造ったらどうかという御意見もいただいております。
以前より、地元からも地産地消の道の駅が欲しいと声が上がっておりました。下関には道の駅が豊北、豊田、菊川町と、旧市内から離れた地域にしかないため、市内中心部の立地を生かし、彦島、六連島の農産物や花、下関漁港、海士郷漁港の水産物、南風泊漁港等のふくはもちろん、鯨、ウニ、イカ、アンコウ、垢田のトマト、安岡の葱など、市内の農水産物をはじめ、酒、みそ、しょうゆなどの地元の特産物や土産品を販売します。そして、豊田町の蛍街道西ノ市のように、温浴施設を併設することで、高齢者の多い下関に必要なコミュニケーションの場をつくり、彦島には数少ない食事やカフェの場を提供します。
さらに、彦島や下関の歴史を学ぶ博物館的なスペースを設置し、書籍や展示物から観光客や市民に、地元の歴史を学んでもらうことで、地元愛をより深めることを進めていきます。また、彦島八幡宮が隣接し、地元の方が利用しやすい場所でもあります。
次の画像を御覧ください。これは、ひこっとらんどマリンビーチです。市内有数の海浜地として、「マリンスポーツにビーチスポーツ。歩いて、遊んで、釣って、食べて!楽しいがいっぱいのウキウキビーチ」をコンセプトとし、冬場の利用が悪いため、カキ小屋を運営したいという業者もいらっしゃいます。また地元では、昨年から「彦まちミニ駅伝」が開催されています。
右上の地図を御覧ください。ここで重要なのが、エリアを車で移動するのではなく、歩いて回遊するため、このマリンビーチから海岸線上に、旧彦島有料道路のナイスビューパークにつながる遊歩道をつくることです。歩きながら、また自転車や車椅子で移動でき、響灘の景観も楽しめる、夢のある遊歩道になります。
次の画像を御覧ください。遊歩道のイメージは、左下の、このような感じです。この画像はナイスビューパークです。「響灘を望む絶好のロケーション。サンセットビューへ夢こぐブランコ」をコンセプトとし、風車のなくなったナイスビューパークに、新たなランドマークになる場所をつくります。景観を体験に変える場所として、アクティビティーブランコを設置します。すばらしいサンセットがありながら、生かし切れていない場所の景観を体験に変えることで、観光とつなげ、市内周遊・癒やし・写真等のスポットになるようにデザインします。
このターゲット①は、市内を周遊してナイスビューパークに夕日を見に来る観光客です。ターゲット②は、老いの山公園を利用する地元家族連れです。このターゲット①、②の狙い・効果は、景観に感動し、景観から学び、景観体験を思い出にすることです。ターゲット③は、日常的にナイスビューパークに立ち寄って休憩している近隣住民です。狙い・効果は、日々の癒やし、景観のよさを再認識します。地元の人が日常的に使い、いることで閑散としている感じが生まれにくく、結果として観光客の満足度も上がります。
その他の狙いとして、事業化を見据えた小さな試みの複合が考えられます。右下の画像を御覧ください。昨年秋に地元の「ヒコハツ!」という若手のグループが企画したナイスビューのモニュメントを設置し、この夢こぐブランコとともに、インスタ映えする景観にします。また、旧有料の事務所があるのですが、ここをカフェにリノベーションし、キッチンカーを併設することで、滞在して景観を楽しめるようにします。
次の画像を御覧ください。これは、夢こぐブランコのデザインとデジタル案内板です。ブランコのデザインの一例として、この右上の画像を御覧ください。第二関門橋をモチーフにし、橋ができるまでの機運を養うスポットにと、照明を仕込むことで、夜になると上の部分の、橋に見立てた部分が光るイメージです。分かりますか。ほかにない彦島らしいデザインにすることで、小さくとも新たな地域のランドマークを目指します。
また、景観を体験に変える場所づくりの二つ目として、デジタル学びの案内板を設置します。下側、横長の画像を御覧ください。ナイスビューパークの眼前には……、
○副議長(安岡克昌君)
そろそろちょっとまとめて、一回目の質問を。
○山野陽生君
提案なので長めになるということを最初にお話ししました。申し訳ないです。副議長、すみません。
ナイスビューパークの眼前には、下関だけではなく北九州も含め、多くの離島が見渡せます。それらを知る機会、再認識する機会を持つことで、景観体験を学びに変えることが可能です。観光客はもちろんですが、地元の全世代が対象となります。透明な強化ガラスに、島や海の名前を表記し、QRコードを表記したり、ARのデジタルコンテンツと絡めることで、案内板で表記し切れない多くの情報、例えば、彦島や離島、海での歴史的な案内音声が流れる仕組みです。(「山野議員」の声あり)すみません。巻いていきます。
次の画像を御覧ください。これは老いの山公園です。「大人も子供も、そして自然もみ~んな元気!持続可能なグリーンヒルズパーク」をコンセプトとし、パークグラウンドの子供、家族連れはもちろん、地元の全世代、観光客にも広く利用できる公園にします。見晴らしの丘に、温泉やサウナ付きの先進的な高規格グランピングを設置し、宿泊できるようにします。ほかに、カフェやバーベキューハウスを設置します。さらに、丘の上にドッグランをつくり、年間を通して全世代の利用者を見込みます。
○副議長(安岡克昌君)
山野議員、そろそろ。
○山野陽生君
もう少しで終わります。すみません、申し訳ない。
右上の地図を見てください。今ある老の山公園を周遊する遊歩道に照明器具を設置・整備し、ウオーキング・ジョギングする方の安心・安全な公園にすることが必要です。老の山公園遊歩道から歩いたり、自転車、車椅子で、温浴施設道の駅やマリンビーチに移動できます。このように、響灘ひこっとらんどパークは、今までの点の施策ではなく、海と山と湯を面で捉えた施策です。地元彦島だけでなく、広く下関市民が利用でき、さらに中・長期的には北九州や福岡からの観光誘致につながり、関門連携を掲げる下関市にとっては、海峡エリアビジョンと連携することで、市内全体が活性化する大きなチャンスが到来しました。
ちょっと長くなりましたが、どうですか、皆さん。夢のあるわくわくするプロジェクトと思いませんか。ただ、下関市単独でできるプロジェクトでは決してありません。国や県を巻き込んで取り組まなければならないと思います。ぜひ、前田市長にはかじ取りをしていただいて、早期に実現できるようお願いいたします。以上、響灘ひこっとらんどパークの提案とさせていただきます。(笑い)
すみません、提案だけで質問がなかったのですが、すみません。
次に、下関海峡エリアビジョンの追加の検討について伺います。次の画像を御覧ください。下関駅西側、彦島エリア案です。関門海峡は、歴史、観光、文化、経済において、下関市にとって最も大きな財産であることは言うまでもありません。現在進めている下関海峡エリアビジョンは、駅から東側になっておりますが、ただ関門海峡の景観は、唐戸から見る景色だけではありません。景観を180度生かすために、下関駅西側から彦島エリアを本構想に追加していただき、改定を検討していただきたいと思います。
右上、画像を御覧ください。下関駅西側には、下関漁港があり、新鮮な水産物を利用すれば唐戸市場に劣らぬ市場になります。例えば、水産物を買うだけでなく、屋外型海鮮バーベキュー場を設置し、市民や観光客に利用してもらいます。穏やかな漁港の海である利点を生かし、ヨットハーバーを設置します。
次に、歴史的、文化的価値の高い世界最小のパナマ式運河である下関漁港閘門――水門を明るくデザインし、ライトアップし、インスタ映えするようにします。鉄道マニアには必見のJR西日本下関総合車両所検修センターや、日本遺産である関門鉄道トンネル口も近隣にあります。さらに、日本遺産である三菱重工業株式会社下関造船所、第3、第4ドックと資料館にクレーン群が続きます。造船所からの歩道を整備すれば、弟子待の巌流島展望台につながります。
中央の画像を御覧ください。ここは地元の黒川さんという方が、12年をかけて1人で整備された、関門海峡の絶景が目の前に広がる巌流島展望の地があります。正面に巌流島、その遠景に関門橋、右手に門司港、左手に下関市街が広がっています。まさに関門海峡の景観を180度楽しめます。巌流島には、現在は就航していませんが、彦島江の浦から渡れる連絡船を就航させ、利便性を図ります。
右画面を御覧ください。
○副議長(安岡克昌君)
山野議員、意見陳述の場ではありませんので、一回質問を。手短に言ってもらって、質問をお願いいたします。
○山野陽生君
これをちょっとやらせてもらって、質問なのですが。もうさっきのはすみませんが、提案だったので、すみません。申し訳ないです。ちょっと飛ばします。飛ばしていきます。
巌流島から南のほうに行くと、桜、ツツジの名所である憩いの場、彦島南公園。さらに南に行くと日本遺産である旧金ノ弦岬灯台、そして、その下の画面を見ていただくと、日本有数の急な階段を上る福浦金比羅宮から望む景色等、いろいろな関門海峡の絶景を楽しめます。また、近隣には地元が生んだ女優、木暮実千代の生誕地もあります。文化価値も高く、関門海峡の景観を180度楽しめる下関駅西側から彦島エリアを今後、下関市の貴重な財産として生かすため、下関海峡エリアビジョンの追加の検討をしていただけますか、お示しください。
○総合政策部長(前田一城君)
下関海峡エリアビジョンは、令和4年3月に策定したところでございますが、その対象エリアをJR下関駅から火の山までの関門海峡を望むエリア一帯と設定して、この設定に基づいて、市民を交えてワークショップを行い策定したものでありますので、このビジョンに、ほかの地区を追加するということは、現時点では想定しておりません。
しかしながら、ただいま議員から御提案のありました響灘ひこっとらんどパーク構想、これは非常に壮大な構想であると思いますので、今後、彦島地区の整備を進める際には、必要に応じて、別途、彦島地区の開発構想として取りまとめる必要が生じる可能性も、今後十分あり得るのではないかと考えております。
○山野陽生君
特に、先ほどの響灘ひこっとらんどパークもそうなのですが、こちらの関門海峡エリア――駅西側から彦島エリアなのですが、先々に第二関門橋も、福浦のほうに入ってくるという情報も入っておりますので、また景観が非常によくなると思いますので、ぜひ早めに御検討いただければと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、六連島についてお伺いいたします。六連島は、下関の新地港から連絡船で約20分かかる響灘にある離島です。現在、約30世帯、75名の方が暮らしています。ほとんどの方が、農業、花卉栽培や漁業を営んでいます。皆さんは、六連島に行かれたことはありますでしょうか。私も何度か伺いましたが、上陸して感じることは、非常に空気感がよいということです。本土にはない澄んだ空気で、島民も一体感があり、お互い助け合って明るく楽しく生活されており、私も将来は住んでみたくなりました。ただ、生活するには非常に不便で、船便も少なく、お店もなく、まさに買物難民島です。次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
これは六連島の船員宿泊所です。これをちょっとアップしますが、見ても分かるとおり、屋根周りを中心にかなり傷んでおります。それが分かると思います。また、雨漏りもあり、床も一部落ちかかっております。六連島の避難所になっている船員宿舎の現状について、お示しください。
○港湾局長(酒井貴司君)
六連島船員宿舎は、昭和51年に建築され、始発便が六連島発となっている時代の本土出身船員の宿舎として、長きにわたり活用されてきましたが、平成28年10月1日のダイヤ変更により、始発便が竹崎発となって以来、船員宿舎としての役割は終えているところでございます。
なお、令和3年8月から六連島で活動する地域おこし協力隊の住居として活用されてございます。
○山野陽生君
最近行かれたことはございますか。船員宿舎のほうは、行かれたことはないですか。
○港湾局長(酒井貴司君)
六連島自体には行ったのですけれども、船員宿舎を注視して確認したことはございません。
○山野陽生君
今、応援隊ですか、何ですか、今1人行かれているのが……、(「地域おこし協力隊」の声あり)地域おこし協力隊の方で、宮城さんという方ですかね。(「はい」の声あり)この方もすごく一生懸命やられているのですけども、もうここに、今住んでいらっしゃるのですけども、一番窮状を訴えたのがこの方で、何とかしてくれと、してくれないだろうかと。男1人なので、あれなのでしょうけども、やはり今の状態だと船員宿舎自体も、もうどれぐらいもつか分からない。特に、屋根側が非常に傷んでいるということを言われておりました。
○副議長(安岡克昌君)
何か答えられることはありますか。酒井港湾局長。
○港湾局長(酒井貴司君)
港湾局といたしましては、六連島船員宿舎につきましては、船員の宿舎を目的で利用して、その目的自体は、平成28年10月のダイヤ改正で、本土側から出発することになりまして、役割自体は終えているものと認識してございます。
一方で、この宿舎を今後どういう形で使っていくかというところは、いわゆる公マネの対象施設となってございまして、令和10年度までに、今廃止の方向性となっているところではございますけれども、令和10年までの間に、地元の地域の方々と対話をした上で、どういう使い方がいいのかというところで話合いながら、船員宿舎の今後の方向性を検討していくべきものだと認識してございます。
○山野陽生君
六連島の船員宿舎について、今年の1月のパブリックコメントにおいて示された公共施設の適正配置に関する方向性(中期)案の中では、今言われたように廃止となっておりますが、その理由はなぜですかということと、また、廃止は決定事項ですか。また、廃止ありきで進めるのはいかがなものでしょうか。併せてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
ただいま、公共施設マネジメントに関する御質問ということで、質問を頂戴いたしました。先ほどの港湾局長の答弁と多少重複する部分があるかと思いますけど、よろしくお願いいたします。
まず、本市では下関市公共施設等総合管理計画、こちらに基づきまして、公共施設マネジメントの推進に取り組んでおります。個別の施設の存廃、複合化、集約化、譲渡などの方向性につきましては、令和4年度に公共施設の適正配置に関する方向性(中期)ということで、こちらの案を作成し、その中での考え方をお示ししております。これが先ほど言われた、1月にパブリックコメントを実施したものとなります。
方向性(中期)の中では、五つの基本ルールというものを設定しておりまして、このルールに沿って検討を行ったところでございますが、六連島船員宿舎、こちらにつきましては、築47年を迎え、耐震性もないということから、基本ルールの中では、築年数が50年を超える建物は、原則として廃止ということでの基本ルールに従いまして、方向性の中期の計画期間中に廃止する方向ということで、述べさせていただいております。
また、先ほどのお話と重複いたしますけれども、平成28年10月からは、船員宿舎としての役割を終えておりまして、行政財産としての目的、こちらも喪失していることから、将来的には危険な建築物になることを防ぐため、建物は解体ということで考えております。
なお、最後にございました廃止ありきで進めないでほしいという御意見に関して申し上げますと、この方向性(中期)は、公共施設マネジメントを進めるための決定事項ではございませんで、市民の皆様との議論を深めていくということで、現時点での市の考え方をお示ししたものでございます。
これまでも実際の取組に当たりましては、施設所管課を中心に、市民の皆様との対話を図りながら、御理解をいただきながら進めてきたところでございまして、今後も、同様に取り組んでいきたいと考えております。
○山野陽生君
ただいまの、最後の回答については、ぜひ検討していただきたいというのが、やはり、今もう1か所、海岸部のほうにもう一つ、六連島の島民たちが集まる場所があるのです。そこは、やはり高潮などでやられると非常に危ない場所でありまして、唯一高台にある船員宿舎、これが避難所ということで今、指定されているのですけども、島民の方、1軒1軒にお話を聞くと、やはり全員が、100%、この避難所は維持してほしいということで、最低限度、どうやっていくかというのをお示しいただければと思います。今後どのように、この六連島の避難所をやっていくお考えがあるか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
今、避難所としての考えということで御質問をいただきました。確かに六連島は離島でございますので、災害時の避難場所の確保、こちらについては特に必要性、重要性、こういったものは認識しております。
現在、六連島にある市の指定避難所は、六連島の船員宿舎、先ほどの画面にありますそちらのみでございます。そのほかの避難場所としましては、地元住民の方々によって管理されておられる、先ほど御紹介のありました六連島漁村センター、こちらが緊急避難所として利用していただく施設となっております。
今後の状況によりましては、六連島漁村センターの活用についても、地元の皆様に御説明をしたいということと、新たな避難場所の確保について検討してまいりたいと考えております。
○山野陽生君
最初にお話しましたように、本当にいろいろな意味で不便な場所であるのですが、本当に皆さん、生き生きと生活されている。我々とか、皆さんもですが、行政がやはり1番大事にしていかないといけないのは、弱者を守っていかないといけない、弱者の安心・安全を確保していかないといけないという、そういうところかと思います。だから、決して皆さんも廃止で目をつぶるということはないと思うのですけども、弱者の声を、私もこういう議会の場で上げてきましたので、引き続き、この件に関しましては、修理の方向でいくとか、そういう形で動いていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、六連島は、ガーベラやカーネーション、菊などの花卉栽培が盛んでしたが、近年は後継者不足で空き農地や空きビニールハウスが増え、島民の不安は増しております。農業花卉栽培従事者の後継者づくりについてどのようにお考えですか、お示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
六連島の農業後継者づくりについてお答えいたします。六連島は、ガーベラ、菊、キンギョソウ、その他、草花類を中心に、花卉の周年栽培に取り組んでおられる、市内でも有数の花の産地でございます。
また、竹崎から船で僅か20分のところに位置する離島のため、市街地に近い島として、島の魅力を伝え、六連島に住みたい、花づくりをやってみたいという方を島外から呼び込む施策も必要であると認識しております。
その一方で、農業従事者の減少や高齢化も進んでおります。こうした中、令和4年度に、六連島の農業の10年後を見据えた計画を作成し、現状と課題を整理してきたところであります。六連島の農業後継者づくりにつきましては、関係機関や地元農業者からの御意見もお聞きしながら、離島といった地理的条件を六連島の魅力として発信しまして、各種事業の活用により一層充実に努めてまいります。
○山野陽生君
六連島で新たな農業従事者の後継者を増やすためにも、空き家の活用や移住の促進が必要と考えられますが、その取組状況についてはいかがでしょうか、お示しください。
○建設部長(伊南一也君)
空き家の活用についてでございますけど、空き家の活用促進のための取組といたしましては、六連島を含め市内全域を対象に、空き家の所有者と利用希望者をマッチングする空き家バンク制度や、空き家の居住促進のための改修費用の補助など、様々な補助制度を実施しております。
空き家の管理責任はその所有者にございますが、空き家バンク制度や各種補助制度につきまして、空き家所有者を含め、広く市民に説明し周知することが、空き家の活用促進のためには重要と考えております。
つきましては、引き続き、市報やYouTube動画などSNSを活用するほか、関係自治会とも連携しながら、空き家バンクなどの制度の周知に取り組んでまいりたいと考えております。
○山野陽生君
ただいまの空き家バンクに関しましては、私も島民の方と連携しながら情報を周知して、ぜひ、今の空き家を活用する方向で進めていきたいと思います。
続きまして、六連島の立地として、日帰りにするにはもったいない資源がたくさんあります。例えば、島の北側に回れば、イカ釣り船の漁火夜景は絶景だそうです。また、水産資源に恵まれ、釣り客も多いですが、船便が少ないため日帰りを余儀なくされているようです。観光、釣り客増員のための宿泊施設の設置と連絡船を増便する考えはありますか、お示しください。
○総合政策部長(前田一城君)
宿泊施設の件でございますが、六連島の観光につきましては、本土との移動乗船時間が片道20分と近距離であるという利便性から、釣り客などが主体となっており、日帰り体験型観光地であるものと考えております。
また、島内には、日本遺産でもある六連島灯台などをはじめ、魅力的な資源もございますので、本市が目指す滞在型観光において、周遊観光スポットの一つとなるよう、今後も引き続き自治会など島民の方や、先ほどからお話がありました島内に着任しております地域おこし協力隊員と一体となって、島の特性や魅力などの情報発信を行い、離島振興につなげてまいりたいと考えております。
○港湾局長(酒井貴司君)
六連島航路は、運賃収入だけで現状のダイヤを維持していくことがなかなか困難なため、離島航路整備法に基づく国、県の補助金を受け、さらに不足する額については、一般会計からの補塡により航路運営を行ってございます。
そういった関係上、恒常的な増便という形は困難であるものの、当該住民との交流の機会となる六連の日イベントや、灯台と桜のコンサートなど、観光交流イベント時にスポット的な臨時便を設ける形で対応してございます。
引き続き、国、県の支援をいただきながら、島民生活を支える唯一の公共交通機関としての機能を維持するとともに、各種イベント等と連携した臨時便により、観光客を含めた利用者の満足度向上に努めてまいりたいと考えてございます。
○山野陽生君
6月6日は何の日ですかと言って、皆さんは知りませんか、六連島の日なのです。こういう立派なパンフレットを作られて、もうびっくりしました。皆さんが六連島のいいところを、本当、よくぞ作られたというぐらいですね。
御承知のとおりで、六連島には明治時代につくられた灯台もあるのですけど、どっちかと言ったら大東さんがつくられた石油タンク、あれがちょっと目立ってあれですけども。実際、本当に観光資源としてすばらしいし、水産資源がいっぱいあるので、例えば、民宿などが1番いいのでしょうけど。伊豆のほうに行くと、昼間釣ったお魚を、そこの民宿のオーナーが料理してくれて、さばいてくれて、食事に出すとか、そういったこともできるようなところかなと思います。
続きまして、六連島の海の、先ほど市長からもお話がありましたけど、御承知のとおりウニのアルコール漬け瓶、加工技術発祥の地ということで、その歴史は明治初期に遡るそうです。しかし、先ほどもありましたけど、最近では六連島に限らずですが、沿海ではムラサキウニが増え、主食の海藻を食べ尽くし、高価なバフンウニが全く捕れないようです。六連島ではムラサキウニが増えて困っております。どのような対策をされていますか、お示しください。
先ほど、ブルーカーボンの事業もありましたけど、重複するかもしれませんけどお答えください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
現在、増殖しているムラサキウニへの対応策についてお答えいたします。近年、本市を含む近隣海域におきまして、個体数の増加と大型化が進み、アワビやサザエの餌となる海藻が減少しているという事例が多く報告されております。
原因としましては、夏に海水温の高温状態が続くなどの自然現象の影響、それから漁業者の高齢化によりまして、ムラサキウニの最盛期である冬場の潜水漁業活動が減少するなど、漁業操業の形態の変化など、様々な要因が考えられますが、これらを簡単に解決することはなかなか、困難な課題と認識しております。
この課題に対しまして、市内の業者の方々を中心としたグループが、国の水産多面的発揮対策事業を活用され、ムラサキウニの除去活動を行い、地先の海草を保全する活動を行っておられます。
本市では、このような地域資源の維持回復活動を行われる漁業者グループと協定を交わし、その活動が円滑に取り組めるよう支援しているところでございます。
今後も豊かな本市沿岸域の資源の維持、回復をするための活動について、しっかりと支えてまいります。
○山野陽生君
時間の関係で、以上で六連島を終わりますが、最後に、六連島の島民の皆さんが前田市長に挨拶したいということですので、ぜひ、近いうちに御一緒いたしましょう。よろしくお願いします。
次に、中小企業振興基本条例の制定について伺います。私は、経営者を40年しておりまして、その間、商工会議所や法人会、中小企業家同友会や生活衛生同業組合など、多くの経営者団体で学ばせていただいております。特に、全国会員数が5万社近い中小企業家同友会の県の代表理事を務めた中で、全国の自治体に中小企業振興基本条例が続々と制定され、産官学による取組が、地域に好循環を生んできた多くの事例を聞いてきました。
今、市長も言われる下関の最大の課題である人口減少、少子高齢化の問題ですが、最も大きな原因である若者の市外流出が言われていますが、この点はどのようにお考えですか、お示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
それでは、中小企業振興基本条例に関する御質問でございますので、私ども産業振興部のほうからお答えさせていただきます。人口減少の要因のうち、社会増減の内容を見ますと、本市における転入者数と、転出者数の差の純移動数と申しますけれども、このうちの年齢別状況では、大学等への進学や就職の時期と重なります10代後半から20代にかけてのマイナス移動、いわゆる転出超過が顕著となっております。
その原因といたしましては、県内の高等学校等における進路において、卒業者総数のうち約7割が大学や専修学校等へ進学する中、いわゆる実業系の高等学校からの進学も増えている状況から、高校を卒業して就職する人数が減少したことが挙げられます。加えて、これら進学により一旦市外へ出た学生さんが、就職に当たって本市に戻ってこないということも重なっているものと考えられます。
この学生が本市に戻ってこない理由としましては、複数の要因が考えられますけれども、若い世代が働きたいと思う場所が少ないということも、その一つにあると考えられます。こうした状況に対しまして、市内企業の魅力を伝え、市内就職に向けた意識づけを行うことに加え、企業誘致やスタートアップ企業の創出など、魅力的な働く場の確保が大変重要な課題であると認識をしてございます。
○山野陽生君
本当に若い人が、だんだんいなくなっていくという、私も自分の子供が3人ですけど、みんないないので、言えないのですけども、ちょっと大きな問題です。それについて、いろいろとまた、今日は一つの提案、きっかけにしていただければと思います。
中小企業振興基本条例は、産官学連携による取組により、小学生、中学生、高校生の頃から地元の企業に関わらせるため、積極的に地元の企業体験学習を行い、学校側と地元の経営者と交流が進み、マッチングにも成功しています。地元に就職したい生徒を、地元に就職させる取組についてどのようにお考えですか、お示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
地元就職への取組につきましては、近年、就職活動の早期化が著しい中、少しでも早い時期から下関市内での就職を意識していただき、ある程度の期間をかけて、市内での就職へと導いていく取組が必要であると感じております。
そのため、まず中高生のうち、市内企業の魅力を実感してもらう取組として、市内の企業・団体を知り、その職業を体験できるイベント「しものせき未来創造jobフェア」を開催し、併せて小学生向けの企画も展開するなど、幅広い若者を対象に、市内で働く意識の醸成を図っております。
開始をいたしました平成29年度から、残念ながら中止しました令和2年度、3年度を除きまして、これまで1万694人の中高生が参加をしておりまして、本年度も8月2、3日の2日間の開催で、40団体の出展を予定しております。このイベントは一般の方も御来場いただけるため、中高生や大学生の保護者の方が、市内企業を知る機会にもつながってございます。
大学生等への就職支援では、昨今の就職活動の入り口が大手就職情報サイトに偏るとともに、大学3年生までには就職の方向性が決まってしまう傾向があるため、この大学2、3年生を対象とした小規模な企業説明会や、業界研究の場を充実させるとともに、企業見学ツアーを開催し、より早くから市内企業と学生とが気軽に接点を持ち充実を図る、あるいは本市の魅力的な企業を知ってもらう取組を進めてございます。
また、企業担当者による採用を考える会を開催し、企業にも地元就職について考えていただくとともに、近隣の大学への働きかけも行い、連携して支援を進めているところです。
さらに、奨学金の返還を5年間で最大60万円補助する奨学金返還支援補助金制度により、就職先を選ぶ際の動機づけとするとともに、市内中小企業の人材確保という課題にも対応してございます。
こうした取組につきましては、本市の就活アプリ「しものせきjob netアプリ」で一元的に周知を図っておりまして、具体的には、市内企業の基本情報をはじめ、企業説明会やセミナー等のイベント、奨学金返還支援補助金や企業への助成金制度のお知らせなどを随時発信してございます。
○山野陽生君
行政の努力というのは、本当に頭が下がりますが、先ほど言いましたように、産官学の連携がうまく、実は取れていません。マッチングという言葉が空回りしているのが現状だと思います。
日本の企業の約99%、従業員数の約70%を占めている中小企業ですが、日本の経済社会に重要な経済的な役割を担っております。今、中小企業が発展することがなぜ必要か。中小企業を行政が公的に支援することや、中小企業を国民的に応援することがなぜ必要かなどの社会的根拠、合理的根拠を明示することが求められています。しかし、現実には、学校や学生、親世代は都会や大企業信仰にとらわれ、就活の条件だけでインターン先や就職先を決めているようです。このように大企業偏重から、地域に根づく中小企業の振興についてどのようにお考えですか、お示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
若者の就職先として、安定性や給与水準の面から、中小企業に比べ大企業の人気が高いことは確かでございますけれども、中小企業には独自の高い技術力や、新たな産業の創出、地域の特色を生かした事業活動など、大企業にはない魅力があると考えております。
今、議員からお示しがございましたとおり、中小企業は全国の企業数の99.7%を占め、本市を含む山口県におきましては99.9%にも上り、本市の経済活動は、中小企業の皆様に支えていただいていると同時に、雇用の受皿として市民生活の基盤を形成しているものと考えてございます。
こうした中小企業が本市経済の発展等において果たす役割の重要性に鑑み、中小企業等の振興を含めた商工業の振興に取り組んでございます。具体的には、各種融資制度や保証制度による資金繰り支援をはじめ、創業の支援、ものづくりの支援、地域資源を活用した新商品開発の支援、貿易の振興、設備投資の促進、成長企業の育成など、中小企業の経営の安定と、新規事業展開等に向けた様々な施策を展開しているところでございます。
○山野陽生君
本当に、この厳しい数字の中で、中小企業がいかに地元に知られていないかというのが、これが本音の部分です。この中小企業振興基本条例は、中小企業の地域における役割を明確にしています。地域に必要とされる中小企業を支援し、地域に根差すことが重要です。企業、行政、支援金融機関の間で新たなネットワークを形成し、地域内に新たな雇用が生まれるなど、地域経済の活性化が重要となります。産官学金に民を入れ、条例をつくった後は、お飾り条例にならないよう円卓会議を運営し、全数調査により問題点を把握し、生きた討論が必要となっております。
ちなみに、2023年1月時点で、全国自治体で条例を制定しているのは、都道府県は47で100%、東京23区は17で74%、市は385で49%、町は230で31%、村は37で20%。合計716で40%です。
山口県では市が7で54%で、岩国市、宇部市、山陽小野田市、防府市、美祢市、柳井市、山口市が制定されています。若者の地元就職が増えた自治体の成功事例が、全国で、この10年多く出ています。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
画像のほうには、大阪の八尾市の事例であったり、大東市の事例が書いておりますが、ちょっと時間がありませんので、簡単に中小企業振興基本条例の制定についてお示しいただければと思います。どのようなお考えかお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
近年、様々な自治体におきまして、中小企業振興基本条例が制定されており、特に自治体の中小企業振興の基本的方針をはじめ、施策の基本方向や、自治体の責務、中小企業者や住民等の役割などを制定した理念条例が、数多く設置されていることは認識をしてございます。
本市がこのような条例を制定する場合、市はもちろん、地元企業や市民の皆様も一定の責務を負うこととなるため、まずは各方面からの条例制定を求める機運の醸成が欠かせないものと考えてございます。議員の中小企業振興基本条例の思いは、本当に十分伝わっているところでございますけれども、現時点では条例の制定に向けた検討までには至ってございません。しかしながら、中小企業振興に対する環境の変化等が、今後全くないとは言い切れませんので、中小企業振興基本条例に関する情報収集等は、今後とも必要に応じて行ってまいります。
○副議長(安岡克昌君)
山野議員、時間がもうないのでまとめてください。
○山野陽生君
引き続き、私のほうも訴えてまいりたいと思います。今回は、下関の最大の課題である人口減少問題に対して、観光と雇用の面で提案させていただきました。
共通していることは、点の施策ではなく面の施策です。面とは横のつながりだけでなく縦のつながり、つまり、将来へ継続発展することを意味します。私も言いっ放しの点の活動ではなく、議員として、課題解決のため、市民、行政の皆様とともに、面の活動をしていきたいと思います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。(拍手)
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