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第2回定例会 6月15日(木) 本会議(一般質問1日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月15日(木) 本会議(一般質問1日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.市民活動保険
2.豊北地域リノベーションのまちづくり
【下関市議会 本会議確定版】
△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。この際、午前中の本会議における片山議員の一般質問において、山田こども未来部長より、発言の訂正をしたい旨の申出がありますので、これを許します。山田こども未来部長。
○こども未来部長(山田之彦君)
午前中の片山議員の一般質問の1問目におきまして、専門職の会計年度任用職員、その未就学施設の職員の状況を説明する際に、4年度から5年度に継続しなかった職員数を26人と申しまして、その26人を受けてその理由を発言するところ、21人と誤って発言してしまいました。26人が正しい数字ですので、ここで改めさせていただきます。どうも申し訳ございませんでした。
○副議長(安岡克昌君)
一般質問を継続いたします。4番、桂誠議員。(拍手)
〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
私、日本共産党市議団の桂誠です。市民活動保険についてお尋ねします。私はずっと小学校教員をしてきました。20年前、小学生誘拐事件以来、子供の安全を守るために、地域の多くの方が、子供を見守ってくださるようになりました。子供110番ののぼりもそうです。中でも、子供と一緒に登下校……、
○副議長(安岡克昌君)
桂議員、もっと正面でどうぞ。
○桂 誠君
すみません。一緒に登下校を歩きながら見守ってくださる方には、本当に頭が下がる思いです。しかし、この見守り隊の人たちに、もし事故があったらどうなるだろうと心配になりました。下関市では、市民活動に携わる方を支援するために、市民活動保険を準備していますということが分かりました。奉仕の精神で、子供を見守ってくださる方に、少しでも報いることができると、ほっとしております。
ところが、ある方が、小学校児童の安全見守りのために同行していたところ、積雪のために路上で転び、頭を強打されました。当然、保険適用の市民活動ということで、保険会社へ事故報告書を送りました。保険会社より、障害分保険金として、入院・通院にかかった費用が支払われました。しかし、頭を強打したことにより、後遺症が発生したのです。子供の見守りをするほど活発な方だったのですが、まず車に乗れなくなりました。さらに、家業の農業もできなくなりました。立ったり座ったりも大変になり、おむつも24時間必要になりました。また、新聞・テレビにも興味を示さず、ストーブの前でぼうっとしている状態になったのです。
このことを保険会社に連絡すると、後遺障害認定に関わる手続を取るようにと言われました。手続の結果、広島支社では、支払い手続を始めると説明されていたのです。しかし、その1週間後、この保険会社の本社より、後遺障害が適用できないと説明されたとのことです。そこで、本人は下関市に対して3度お尋ねをしましたが、市は保険支払いについては、保険会社が保険の約款によって判断するので、市は判断する権限はないと回答するばかりで、後遺障害は適用されることはありませんでした。当人は、この説明に納得できず、今に至っています。
市民は保険会社の約款など知る由もありません。情報は、ここらに示す市民活動パンフレットだけです。このパンフレットの後遺障害補償金の欄には、このようになっています。「傷害補償対象者が、傷害事故を直接の原因として当該傷害事故の発生した日から起算して180日以内に後遺障害を生じた場合(その期間内に当該後遺障害の生ずることが確定しなかった場合は、181日目における医師の診断により将来当該後遺障害の生ずべきことが推定された場合)」とあります。この文面を見る限り、住民には後遺障害の補償内容に制限がないと考えるのが当然だと思います。これをどのように思われるでしょうか。よろしくお願いします。
○市民部長(渡部英樹君)
本市が作成しております市民活動保険のパンフレット、ただいま議員にもお示しいただいたと思うのですけれども、これはイラストですとか、様々な事例を載せるなどしまして、市民活動をされる皆様に、内容を簡潔に分かりやすくお伝えできるように作成したもので、全ての補償内容について詳細に記載されているものではございません。
しかしながら、パンフレットを見た方に、誤解をお与えしてはいけませんので、今後は、事由によっては補償金の対象とならないことがある旨を記載するなど、誤解を生じることのないよう改訂したいと考えております。
○桂 誠君
誤解がないようにということで、改善していただけるということでありがたく思いますが、やはり、できるならば全ての後遺障害について補償できる内容にしていただきたいと思っております。
次に移ります。本事案の方は、下関市から、保険金の請求や支払いなどの手続は、本人と保険会社でやってくれと言われました。専門知識のない市民にとって、保険会社の言っていることが理解できるでしょうか。当人は全く理解できないと言っておられます。
さらにこの方の下には、保険会社に雇われた弁護士から、後遺障害の保険金を支払えませんと通知が来ました。保険会社や弁護士との対応を、個人に任せてよいのでしょうか。この事案では、市に3度相談しましたが、保険会社の交渉はそのまま放置されて今に至っています。下関市が保険会社と契約し掛金を出している、市は当事者です。私は、下関市が交渉するのが当然だと思いますが、どうでしょうか。お答えください。
○市民部長(渡部英樹君)
市民活動保険は、市民活動をされる方が、あらかじめ保険に加入せずに市民活動に参加し、物品の破損やけが人が出た場合でも、慌てずに済むように、市が保険会社と契約し、掛金を払っておりますが、個人で加入する保険の場合と同じく、補償金の請求者は、市民活動中に事故等に遭った方、御本人になります。
多くの場合は、保険会社の指示に従い書類を提出するだけですので、直接手続をされても問題になることはありませんが、今回は、保険会社と請求者の間に行き違いがあり、御指摘のような分かりにくい状況となりました。
市が手続をという御質問でございますが、保険契約では、請求者と保険会社との間で手続を行うことになっておりまして、所定の手続に沿って進めざるを得ないと考えております。
○桂 誠君
分かりました。しかし、今言われたように行き違いがあると、そういうことが起きるわけなのです。やはり素人対プロだということで。そういうときにはきちんと市のほうがアドバイス、それからへりについて話を聞く、そういう態度が必要ではなかったのでしょうか。それがないということで、こういう誤解を招き、放たれたという気持ちになったのだと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○市民部長(渡部英樹君)
先ほど契約の話を申し上げましたけども、基本的には、事故に遭われた方と会社との間で話をされる。ただ市としましても、御相談があったときに、いやもうそれは保険会社にと丸投げというか、そういうふうなことをせずに、お話をお聞きして必要な相談には乗ってまいったつもりですし、これからもそうしたいと思っております。
○桂 誠君
ぜひとも素人である市民に対して、せっかくいい保険ですので、安心して市民活動ができるように、ぜひとも今言われたように、へりに寄り添っていただき、アドバイスなどしていただければと思います。
次に移ります。今回の事案から、市民活動保険に対して、改善が必要ではないかと考えております。善意で市民活動しておられる市民が、より安心して、そして、また善意を生かせるようにするために、この市民活動保険の内容の見直しが必要ではないか、そのように思っています。契約内容や保険会社の見直しをするべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○市民部長(渡部英樹君)
市民活動保険は、毎年度、市が仕様書を示して、一般競争入札を行い、保険会社を決めているものでございます。この事案をもって特定の事業者を入札させないということはできないと考えております。
なお、今回の事案を踏まえ、保険の内容につきましては、予算の範囲内でできるだけ幅広い事由での補償ができるよう、仕様の見直しを検討してまいります。
本件につきましては、長年、ボランティアをしてこられた方が、その活動中に後遺障害が残るほどのおけがをされたことに対しまして、心からお見舞いを申し上げます。また当初、保険会社から後遺障害補償金が出るという誤った説明があったことは、大変遺憾に思いますが、市といたしましては、保険会社に連絡して、再度の説明を依頼し、保険会社も求められた資料を送付するなどの対応をしてまいっております。今後も、おけがなどをなされた市民の方から、補償内容について問合せがあった場合などには、誠実に対応してまいる所存でございます。
○桂 誠君
競争入札ということですので、見直した内容でもって競争入札をしていただければなと思いますし、今言われたように、より広い補償、それが市民のボランティア精神を生かすことにもつながるのではないかと思いますので、ぜひとも改善していただきたいと思います。
また、この事案で保険会社との対応いかんにかかわらず、何らかの補償的な対応が必要かなとも思っておりますが、以上でございます。
次の質問に移ります。豊北地域リノベーションのまちづくりを含む、豊北町の活性化についてお尋ねします。質問の前に、豊北地域が置かれている現状について説明します。
豊北町は、下関市と合併して18年がたちますが、人口は1万2,700人から7,700人へと約40%減りました。高齢化率は57.4%と、市内では一番高い率です。2番目が内日地区です。老人は増えていますが、子供は減る一方で、最近生まれた子供は1年間に町内で10人前後です。ですから、町内の小学校はもともと7校あったのですが、1校になりました。中学校は4校あったのですが、これも1校になりました。保育園・幼稚園は今、市立の保育園が一つと、こども園が一つだけです。高校は一つありますが、最近は、毎年定員割れを起こしています。学校がなくなった地域は、本当に火が消えたようだと、みんなが言っております。
人口の状態はこのようなもので、基幹産業である農業、漁業、これが豊北町の基幹産業です。私も農家で米をつくっています。しかし、担い手は高齢者ばかりです。ある自治会の農業をやる平均年齢は82歳です。もう全ての人が隠居してもいい年齢なのですが、実際に田に出ておられます。見る人から見れば、老人虐待かと言われるような状況が生まれているわけなのです。
もうからない農業に後継者は当然おりません。ですから、せっかく基盤整備された田んぼ、これは全て耕作放棄地、全てではありませんが、多くが耕作放棄地になっております。山際の土地はほとんど耕作放棄地となっております。そうなると、セイタカアワダチソウがどんどん元気よく立ってくるわけなのです。
それだけではありません。耕作放棄地が隠れ家になって、イノシシ、鹿がどんどん増えます。これらの農作物の被害は大変なものです。どのぐらいいるかといいますと、私は50頭の鹿が走るのを見ました。それはすばらしいです。ひょっとしたら人間より多いのではないかというぐらいに思いました。最近は、鹿、イノシシだけではないです。猿は当然です。ハクビシン、それからアライグマ、これらが農作物をどんどん荒らしております。これが現状です。
それでは漁業はどうかというと、20年前、私は角島小学校に勤務しておりました。その頃は、漁師の後継者ということで、30歳前後の方たちが漁をしておりました。それから20年がたちました。この後継者に、後継者はおりません。私たちが、最後だと言っております。ある方は、2年たったら角島の漁船は半分になるよと、こういうことを言う方もおられました。角島以外の地域では、専業漁師は各地区で、阿川に1人とか島戸に1人とか、そういうものです。年金漁師は多くいるのですが、多くと言っても多くはいませんが、専業で生計を立てるというのは、そういう数ぐらいしかおりません。
このような状況ですので、生活基盤もどんどん弱くなっております。買物するスーパーは、豊北町では1件だけです。サンマートが1件あるだけ。ところが、葬儀屋は3件もあるのですよ。何かもうかるという考えがあるのですかね。確かに高齢化率が高いですので、そういう状況になっております。路線バスのない地域もあります。人の移動手段が不足しているため、高齢になっても運転免許を戻すことができないというのが現状です。病院も大変少なくなっております。この間、高齢のために歯医者さんが1軒やめられました。角島診療所は、医師が病気のために、週に午前中2回の診療のみです。こういう豊北町ですので、安心して病気にもなれません。かといって、いつまでも元気なわけではないです。
大変インフラが弱くなっているのですが、暗い話だけではありません。24歳の青年が、専業農家を目指して頑張っています。ぜひとも応援していかなければならないと思います。豊北町に移り住んだ人は、ニンニク、稲作をしながら頑張っています。新しく漁業を始めたニューフィッシャーも、町内で14人おります。希望です。大規模酪農家も、下関のほとんどが豊北町だと思います。大きなものを数えただけでも6軒あります。そして、私の自治会にも大きな養鶏場があります。17万羽飼っております。養鶏場も酪農家も飼料の高騰に大変苦しんでおります。だけど一生懸命頑張っております。雇用もあります。また、ニシエフというユニークな造船所が粟野にもあります。こんな悲しいことばかりではなくて、希望のあるようなこともあります。
このような豊北町ですから、ここで生活している人たちは豊北町が好きです。そして愛しています。美しい海、山、文化、歴史、それらに誇りを持っています。ですから、多くの人が豊北町をどうにかしなくてはならないと切実に思っているわけです。と同時に、もう手後れという人も実際におります。諦めているのです。もうこれだけになったらどうにもならないだろうと、そういうことをよく聞きます。しかし私は、昔のようにはならないかもしれないけど、今の生活が不便では、それはおかしいだろうということを話しております。このようなときに、豊北地域リノベーションのまちづくりの事業が始まりました。このことについて私たちが集会をしようということで、自治会長を回ってきました。多くの方が大変関心を示しております。ひょっとしたら豊北町、再生していくのではないか、そういう気持ちがひしひしと感じられました。
この豊北町の現状を念頭において、地域の活性化のために、豊北地域リノベーションのまちづくりが、豊北町活性化・再生のための出発点になることを、今大変期待をしているところです。
そこで質問ですが、この豊北地域リノベーションのまちづくりの目的と、目的を達成するために必要なことは何でしょうか。お答えください。よろしくお願いします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
豊北地域リノベーションのまちづくりについて御説明いたします。目的につきましては、現在使用されていない不動産や公共の空間などのリノベーションを行い、まちの魅力の向上を図りながら、雇用の創出や移住・定住の促進、コミュニティーの再生を、住民が主体となって進めていくことです。
豊北地域には、未利用の公的不動産や民間の空き家など、地域資源が眠っており、これらを生かすためのリノベーションについて、地域住民の方々に理解していただくことが必要であります。
このため、まずは行政が、使用していない公的不動産でリノベーションを行い、そのノウハウを地域の方々とともに学ぶことにより、住民自らが町の課題を自分事として、リノベーションによるまちづくりに取り組んでいただけるものと考えております。
○桂 誠君
住民が主体、住民が自らやっていく。私もそう思います。住民が立ち上がらないことには、この事業は絶対うまくいかないと思います。豊北地域リノベーションのまちづくりを契機として、地域活性化の展望、これを今から示していただきたいなと思っております。
二つ目の質問に移ります。政策予算説明資料によりますと、地域再生計画の作成と豊北地域のエリアビジョンの検討となっています。まちづくりの中心的担い手は、まちに住む、生活している住民です。今おっしゃられたとおりだと思います。住民が一番まちのよさを知っております。それから、課題も一番よく知っているわけなのです。住民の主体的な取組がなくては、まちづくりは進みません。それらの決定の前に、リノベーションの進め方や課題解決に、住民から意見や取組を募集すべきです。その後、住民が取組を始めたらそれを支援するべきではないでしょうか。声を上げることもためらい、そういう気力もないというのが、今の豊北町の現状ではないかと思います。諦めている気持ち、これを何とかして覆して、自分たちで豊北町をよくしていこうという気持ちにさせていくことがぜひとも必要ですので、今のことについてお答え願えたらと思っております。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
住民の意見を募集しながら、市がそれを支援していくべきではないかという御意見でございます。リノベーションによるまちづくりは、基本的に民間主導の下で、公民連携を図りながら、継続的な補助金に依存しない形で、地域の抱える課題を複合的に解決していくものでございます。
そのため、行政は住民主体の取組に対して、必要な支援をすることが主な役割と考えております。このたびの事業の中で、豊北地域のエリアビジョンの検討を行うこととしておりますが、あらゆる世代の地域住民の方が、自由な意見交換を行い、お互いの理解を深めながら進めていきたいと考えております。
行政といたしましては、意見交換の場の提供を行うとともに、ビジョンの実現に向けた住民主体の取組に対しまして、必要な支援の検討を行ってまいりたいと考えております。
去る6月10日に開催いたしました豊北地域リノベーションまちづくりキックオフミーティングでは、桂議員にも御参加いただいたところではございますが、公募によりまして、豊北町滝部地区の滝部地区振興協議会長や滝部地区連合自治会長をはじめ、地域住民の方々を中心に46名の御参加をいただき、まち歩きの後のディスカッションにおきましては、大変活発な御意見が交わされました。住民の方々のまちづくりに対する、意識の高さを実感するとともに、住民によりまちづくりの変化に向けたスタートができたものと考えております。今後も継続して、このような場を設けていくこととしております。
○桂 誠君
6月10日のミーティング、大変有意義な会になったと思います。多くの方が参加された、その中で若者が多かったというのは非常に希望ではないかと思います。しかしその一方で、あれに参加しなかった方たちも結構いるわけなのです。そういう人たちの声を上げさせていく、これがこのリノベーションのまちづくりにはぜひとも必要だと思います。もう諦めている人たちに、どうにかして希望もあるのだということを伝えていく、それが行政の仕事ではないかと思いますが、そのような何か施策はあるでしょうか。今持っておられることで十分ですので、教えていただければと思っています。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
まだ実際に期日等は考えておりませんが、このたび集まってもらった方以外の方々にもお声掛けをして、今後このような事業の説明会を行いたいと思っております。
○桂 誠君
ぜひとも多くの方に知らせていただきたいと思います。私が聞いた声の中では、知らなかったという声が結構あるわけなのです。自治会長辺りまでは知っておりますが、ほかは知らなかったということであります。ぜひとも多くの方にこの事業を知らせていただきまして、みんなの力が集まるような、そして住民が声を上げ行動していくような事業にしていくことが成功への鍵ではないかと思っていますので、よろしくお願いします。
次に移ります。昨年度、私たちは住民要求アンケート、豊北町3,500世帯の中の3,000世帯に配布しました。そして184人の方たちより回答をいただきました。その回答の中の、豊北地域の特性を生かしたまちおこしに重視すべきことはという質問に対して、このスライドのような答えが出てきました。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○桂 誠君
こうした住民の願いに応えることも、豊北地域リノベーションのまちづくりの推進に不可欠と考えます。このアンケートを基にして五つの提案をするので、それぞれに答えていただきたいと思っています。
一つ目は、まちおこしには空き家紹介や未利用農地活用の促進が必要と住民は考えております。このことは、豊北地域のリノベーションによるまちづくりにも触れられています。特に、未利用農地活用は、まちづくりにぜひとも必要なことです。未利用農地活用のために、新たな政策を進める必要があります。このことについてはどうでしょうか。お答えください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
遊休農地等の活用の促進についてお答えいたします。遊休農地等の耕作されていない農地の拡大につきましては、地域農業の衰退につながる重要な課題と認識しております。遊休農地等が拡大する理由といたしましては、高齢化や跡継ぎがいないことによる離農や耕作を依頼する担い手が不足していることなどが主な要因と考えられます。
そこで、市といたしましては、この遊休農地等の解消に向けまして、令和4年度から、産地の育成を支援する遊休農地等再生対策モデル事業を、さらに令和5年度から移住就農者を支援する新たな農業経営者等育成実践モデル事業を実施しまして、地域農業を支える担い手の確保に努めるとともに、農地の集積あるいはスマート農機の導入支援による農作業の省力化、効率化を進め、遊休農地等の利用促進につなげていくこととしております。
今後もこうした取組を継続していくとともに、地域の実情や問題点の把握に努め、遊休農地等の解消に努めてまいります。
○桂 誠君
いろいろな施策があるのではないかと思いますが、今のを聞いておりますと、大規模農家が主体になってくるのかなと思っております。豊北町のほとんどが、小さい農家ばっかりなのです。それに対して補助金なり支援というのがあればと思っています。何年か前にウンカ被害ということで1反、10アールに対して1,000円の補助が出ていました。金額的には1,000円かという気持ちだったのですけれども、もらったものにしてみたら、市が見放していないのだという気持ちをすごく受けました。金額でないところに、援助していくのだと、見放されていないのだと、農業頑張れよと、そういう気持ちがこもっているのではないかと思うのです。そういうのが継続的にできたらどうなのだろうかなと思っておりますので御検討ください。
次に移ります。豊北町の人々は、まちおこしのためには基幹産業である農林水産業の振興に本腰を入れる必要があると考えているわけなのですが、この具現化のためには、下関市が言っている学校給食食材の地産地消の推進が、農業活性化に必要です。生産者から、農産物の安定供給を築くために、各学校調理場単位での食材供給契約締結を推進しなければなりません。このようなまちおこしのために、新しい農業振興策に取り組むべきではないでしょうか。よろしくお願いします。
○教育部長(藤田信夫君)
学校給食の関係でお答えをいたします。学校給食における食材の調達につきましては、学校給食物資納入業者として登録された業者に発注をし、納入いただいているところでございます。
豊北教育支所管内の共同調理場におきましても、登録された地元の業者などと契約をして、食材の調達を行い、地産地消の推進に努めているところでございます。
○桂 誠君
私は教員を38年間やりましたが、その前に農協に3年間おりまして、2年ほどは農業改良普及員ということで、農業に5年間ほど関わってきました。その中で、豊北町の農業はどのようなものなのか、よく分かっております。私が、ナスビがもうかるよと勧めたこともあるわけなのですけど、なかなか乗ってきません。稲作が主ではないかと思います。こういう現状の豊北町の中で、なぜ学校給食の地産地消を言うかというと、小さい学校であるならば、供給量もそんなに多くありません。そういうところから、一つの産地形成を始める。それによって、だんだんと大きくしていく、そのきっかけが、この学校給食の地産地消の供給ではないかと思っているわけなのです。小さいところから始めていく、いきなり大きなところから始めても無理があると思いますので、ぜひとも小さいところから始めていただければと思っております。ぜひとも、市が言っておられる学校給食の地産地消、確実に進めていただきたいと思います。みのりの丘での実証実験も始まっておりますので、ぜひとも強力に進めていただければと思っています。
三つ目、お尋ねします。まちおこしには、豊北町に多くある廃校の住民活用を促進する必要があると考えております。リノベーションでも廃校、また廃屋の活用、新しい価値を見つけて利用していくということがうたわれております。それにも合致することだと思います。以前の答弁で、廃校の目的外使用を許可し使用料の減免で支援しているとのことを、私は3月議会で聞きました。しかし、旧角島小学校はトイレが壊れ、使用に難儀をしている状況です。しかし修理はしませんとのことでした。これが支援と言えるでしょうか。廃校の住民活用の促進のためには、教育委員会以外で新たな廃校の住民活用の支援策をつくるべきではないでしょうか。お答えください。
○総合政策部長(前田一城君)
廃校の住民活用につきましては、3月の定例会でも私が答弁させていただいておりますが、先進他都市の取組におきまして、様々な行政分野を切り口に事業展開がされており、地域や民間事業者、それから行政が一体となって、ビジネスと地域コミュニティーの融合拠点を整備し、地域の方々が集い交流する場所として活用されているといった事例もございます。
このたびの豊北地域リノベーションのまちづくりは、そういった先進事例と同様に、地域の再生に向けて、未利用財産を活用した地域と民間事業者、そして行政が一体となったプロジェクトでありますので、こういった取組を参考に、ほかの地域においても、その地域の特性や課題などを踏まえて、横展開していくということが、廃校の住民活用策の一つと考えております。
○桂 誠君
豊北町には廃校がずいぶん多くあるわけですので、ぜひとも活用していただきたいと思います。何か昔はウニの陸上養殖も試みかけたと、それで挫折したそうなのですけど、いろいろな方法で廃校を活用していただければと思います。築65年がたっている神田小学校は、もう廃校ではなくて廃屋に近い状態になっております。ぜひとも、いい活用方法を見つけていただければと思っています。
次に移ります。このアンケートではないのですが、ほかの項目で、豊北町の1番の課題は、住民の移動手段がないことと回答しております。豊北地域リノベーションのまちづくりでは、幾ら人が集い、集まる場所をつくっても、移動手段がなければ、地域の交流も進めることができません。前回の個人質問の回答で、あらゆる手段を考えていくという回答をもらっております。来年度予算編成で、新たな対策をぜひ予算化してもらいたいのですがいかがでしょうか。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
交通対策についてお答えいたします。豊北地域では、通院や買物などにおける移動、特に高齢者の移動手段の確保が大変大きな課題となっていることは認識しております。これから、リノベーションによるまちづくりを進めていく中で、豊北地域内の移動の目的や手段、人の流れが変わってくることも想定しているところでございます。
豊北総合支所といたしましては、地域住民の皆様の意見を聞きながら、現状を的確に把握し、そして他市の先進事例等も参考にしながら、豊北地域の需要に応じた移動手段につきまして、関係部局と検討を行うとともに、関連する交通事業者等にも働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
交通対策を早急に進めないと、高齢化率が高い豊北町では、せっかくいい交通対策を進めてもその恩恵にあずかれない人が出てくる。可能性も出てくるわけなのです。ぜひとも早急にやっていただきたいと思っております。
最後に二つの点で、市長に構えをお聞きしたいと思っております。移住者支援と空き家活用が具体的テーマとされています。これは、私どもが実施したアンケートにおいても、住民の声に合致しています。この課題はリノベーション業務の3年間にとどまらず、継続的に取組が必要です。それを担うのは、市としては現場に最も近い総合支所となるでしょうが、住民の連携していく仕組みづくりが決め手になると思います。町内全域で継続的な取組を果たし得る住民組織を育成することには、市の運営上の財政的支援も必要かと思います。市長の判断を聞きたいと思います。住民グループ立ち上げについての機運を育てながら、住民自身が事業を推進する住民手作りの企画提案を公募したらと思いますがいかがでしょうか。これが1点です。
2点目は、今言われているリノベーション業務だけでは、市長が言われる旧豊浦郡本気の再生とか本格始動とまでは言えないのではないでしょうか。6月10日に開催された豊北地域滝部エリアでしたけど、リノベーションキックオフミーティングで、市長は豊浦四町を元気にしたい、市として全力で取り組む、金のことは言わないとまで言われました。豊北地域を元気にするには、豊北地域の第一次産業の中に、稼ぐ力を再構築する必要があります。そのためには、今さっき言いましたように学校給食食材の供給の安定、それとか生産出荷グループを育てる、これらが有効になるかと思います。住民の移動手段を確保することなど、生活環境を整えることも多くの住民の願いです。角島の廃校活用促進、交流拡大、まさに角島周辺エリアのリノベーションまちづくりに不可欠の要素となると思います。こうした課題を進めることが、豊北地域のリノベーションまちづくりを進めることにつながると私は考えますが、市長の判断と構えをお示しください。
○市長(前田晋太郎君)
御指摘のとおり、地域のまちづくりにおきましては、住民の皆様が自分事としてまちづくりを考えて、そして持続的に取り組んでいくための組織づくりが必要であります。地域で検討された企画等々ありましたら、ぜひ総合支所を通じて、また御提案いただければと思いますし、先ほどからこのたびのリノベーションに対する議員の思いの部分、それとまだ十分ではないのではないかということも御意見をいただきましたけれども、あのとき私が挨拶させていただいた思いというのも、うそ偽りなくて、本当に豊北町をやはり何とか元気にしていきたいと、高齢化率だ、少子化で学校もなくなったと、ずっと暗いニュースばっかりなのですけど、それを、指を加えてじっとしているわけにはいかないし、私もそもそも今回リノベーション、パソナのお力を借りることになりましたけど、いきさつは桂さんが議員になられてからここで話をしましたかね、要は滝部温泉を再生させるという私の公約がある中で、なかなか民間の持ち物であるが故に、なかなか手がつけられなかった、このタイムラグがこれまであったわけです。それでも何とかしなくてはいけないなと言っている中で、もう滝部温泉の施設を再生させるかどうか別にしても、何か企画をつくっていかなくてはいけないなということに、去年の春、ちょっとかじを切ったのですよね。
何をするかという中で、コロナで世の中のニーズがいろいろ変わって、下関に、地方に帰ろうという人たちの動きというのが出てきたわけではないですか。東京一極集中からね。その中で、下関に住んでみたいなという人たちが、いろいろな照会をかけてくるわけです。下関ではどういう住み方ができるのでしょうかと行政に来る中で、どこに住みたいのですかというふうな話をしたときに、実は豊北町に一番関心が高かったということから始まったのですね。地元に住んでいる方々は、自信も失ってしまっているでしょうし、なかなかそんなことを言っても家もないし、実際不動産会社も1社もないから、空き家の把握もどうやって仲介するかということも、今民間のレベルでできないわけですよね。だから、ニーズはあるけどできていない現状と、今世の中の仕組みを改善することが大事だなということから始まった。まずは行政ができることといえば、我々が持っている住居環境、住居施設を皆さんにどう民間に提供できるかというところを見渡したときに、教員住宅の空いた状態で古くなっているものをリノベーションしていこうではないかと。お金もばんばん出せるわけではないから、国のほうに地域再生計画を上げて、少しでも予算を取ってきて一緒にやっていこうということでやっている最中に、パソナさんとの出会いがあった。御承知のとおり瀬川さんという方は、パソナで地方を元気にしていこうということで、淡路島をリノベーションで元気にした実例を持った方が、実は下関の出身だったということです。彼は非常に、淡路島をやりながらもいつか下関に帰って故郷を元気にしたいと、やはり故郷を愛する気持ちを持っている人たちが、まだ日本人にたくさんいるわけですよね。そういった方々が本当に運命的な出会いで、これはやるべきだなということで一気にこうスピードが上がっていったということですね。足りない部分はまだまだありますし、もっともっと参加をしていただくようにどう我々がアナウンスをするか、地域の人たちがどう声を掛け合っていくかということは非常に大切なところなので、提案もしっかり受けていきますし、桂さんからもいろいろなところに声をかけて、みんなをつないでいただきたいなと思っています。頑張っていきますので一緒にやっていきましょう。よろしくお願いします。
○桂 誠君
市長の思いは分かりました。これは3年間で終わるわけではない、ずっと継続していかないといけない事業だと思います。その間のこともよろしくお願いしますし、今見えていること以外にも、やはり手をつけなければならないところがあると思います。僕今、漁業のことは全然言いませんでしたけど、漁業に関してもやはり手を入れていかなければならない。衰退していく一方ですので、ぜひとも今これを起爆剤として、そして長い視点を持って続けて、そして豊北町を再生していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。以上で質問を終わります。(拍手)
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