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第1回定例会 3月8日(水) 本会議(個人質問1日目)
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内容
会議録
第1回定例会
3月8日(水) 本会議(個人質問1日目)
日本共産党 下関市議団
片山 房一 議員
1.火の山公園再編整備事業
2.下関港ウォーターフロント開発推進事業
3.図書館の充実
※通告一覧表と発言の順番が異なります。
【下関市議会 本会議確定版】
△個人質問
○議長(香川昌則君)
日程第2 議案第13号「令和5年度下関市一般会計予算」から、日程第22 議案第33号「令和5年度下関市ボートレース事業会計予算」までの21件を一括議題といたします。
議案第13号 令和5年度下関市一般会計予算
議案第14号 令和5年度下関市港湾特別会計予算
議案第15号 令和5年度下関市臨海土地造成事業特別会計予算
議案第16号 令和5年度下関市渡船特別会計予算
議案第17号 令和5年度下関市市場特別会計予算
議案第18号 令和5年度下関市国民健康保険特別会計予算
議案第19号 令和5年度下関市土地取得特別会計予算
議案第20号 令和5年度下関市観光施設事業特別会計予算
議案第21号 令和5年度下関市漁業集落環境整備事業特別会計予算
議案第22号 令和5年度下関市介護保険特別会計介護保険事業勘定予算
議案第23号 令和5年度下関市介護保険特別会計介護サービス事業勘定予算
議案第24号 令和5年度下関市農業集落排水事業特別会計予算
議案第25号 令和5年度下関市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算
議案第26号 令和5年度下関市後期高齢者医療特別会計予算
議案第27号 令和5年度下関市市立市民病院債管理特別会計予算
議案第28号 令和5年度下関市公債管理特別会計予算
議案第29号 令和5年度下関市水道事業会計予算
議案第30号 令和5年度下関市工業用水道事業会計予算
議案第31号 令和5年度下関市公共下水道事業会計予算
議案第32号 令和5年度下関市病院事業会計予算
議案第33号 令和5年度下関市ボートレース事業会計予算
○議長(香川昌則君)
ただいま議題となっております。議案第13号ほか20件について、個人質問を行います。本日は、御手元に配付の通告一覧表により、1番から6番までの通告者について行います。
この際、お願いいたします。個人質問は初回から一問一答方式により、全て質問席で行います。1人の持ち時間は答弁を含め40分、質問回数の制限はありません。なお、所管事項及び当初予算に関連しない質問は、特に差し控えるようお願いいたします。
また、執行部におかれましては、質問の要旨を的確に捉え、簡潔にして、要を得た答弁をされるよう、お願いいたします。
それでは、順次質問を許します。1番、片山房一議員。(拍手)
〔片山房一君登壇〕
○片山房一君
おはようございます。日本共産党下関市議団の片山房一です。市議会議員3期目の最初の質問の順番が1番になった。そういう興奮に励まされながら、質問をしたいと思います。
今回の個人質問、今まで何度もこの本会議場で求めてきた子育て支援が一定の前進をした来年度の予算ですから、この分野の質問も検討しましたが、我が党の桧垣議員の代表質問で、主要なテーマとして質問することが決まっていたことから、あえて取り上げませんでした。子育て支援ではまだまだ不十分なところがあります。一層の前進を求めまして、通告しているテーマの質問をいたします。
申し訳ありませんけれど、質問順を変更します。最初に、3番目の項目、図書館の充実を、その後は順番どおりやりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最初に、図書館の充実について質問をします。当初予算の概要でも、従来の図書館運営業務とは別立てで、電子図書館整備が挙げられています。下関市の図書館基本計画では、電子図書の導入とされていましたが、従来の書籍購入とは別次元の考え方で電子図書館整備をしたと思います。電子図書館整備の目的をお答えください。
○教育長(児玉典彦君)
最寄りの図書館が遠い方や日中の来館が難しい方、視覚障害者の方、小・中学校の全ての児童生徒等が気軽に本に触れることができる環境を提供するため、電子図書館の整備を行います。
第2次下関市立図書館基本計画では、電子書籍を導入しますとしておりますが、今回の予算要求としては、電子図書館を移動図書館のように、一つの図書館として整備をしていきたいということで、電子図書館整備といたしました。
○片山房一君
今までの中央図書館のデジタル資料館は、下関市ゆかりの僅かな資料しかありませんでした。その延長ではない、電子図書館の誕生だと受け止めました。
図書館に出向くことなく、図書館が利用できる、今まで図書館の利用が困難だった方への新たな図書館サービスが展開されるすばらしい事業だと思います。図書館が遠かった方、障害のある方、それだけではなく、休館日も含め24時間、図書館の利用ができる。既に図書館を利用している人にとっても便利なものだと思います。
しかし、デメリットもあるようです。電子図書の価格が割高だということです。期限のある図書だと、紙の書籍と比較して、1.5倍から2倍になるそうです。政策予算説明資料によると、今後の予定として、一定の予算づけが示されていますが、従来の図書館購入費とは別枠での予算化が続くという理解でよろしいでしょうか。確認をいたします。
○教育長(児玉典彦君)
令和6年度以降は、利用状況を踏まえて、適切な予算の確保に努めてまいります。
○片山房一君
私の質問、趣旨が十分伝わらなかったようです。端的に言うと、電子図書館の整備によって、今までの本の図書購入費が削減されるようなことはありませんでしょうか。そのことの確認をさせてください。
○教育長(児玉典彦君)
それにつきましては、今後の検討課題とさせていただきます。
○片山房一君
新しい図書館をというイメージを作りながら、予算については、今後の検討課題というようなことなのですが、教育委員会としては、その辺の明確な答弁ができないようです。
市長は、下関市の総合教育会議の主催者でもあります。お答えをお願いしたいと思います。市長はよく未来への投資ということを言われます。まさに未来への投資の事業だと思います。今の予定だと毎年300万円ぐらいの金額です。その未来への投資を確保すると答弁していただけないでしょうか。
次の質問の火の山ロープウェイに関わる施設では、19億円の債務負担の約束がされている。この300万円の確保の努力をする、そういうことを、市長の口から、新しい事業を展開することとして、答弁いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○市長(前田晋太郎君)
しっかりと当然確保していくべきだと思いますし、政策を判断するときは、お金の費用対効果等々、大小で判断していかなくてはいけないのですが、この電子図書については、若干今他自治体を見渡しても少し遅れを取る方向性になりそうな状況でもありますし、世の中どんどんICT等々、技術は進んでいますから、価格もある程度これから戻ってくるのではないかという感覚も私は思っていますので、このまま行きたいと思っています。
○片山房一君
前向きの答弁をいただいたと思います。今までの図書館の利用が困難だった方や図書館が遠かった方、児童生徒の利用が大幅に増えると思いますけれど、目標指標の設定の登録者数が、令和5年度500人、令和6年度1,000人となっています。小・中学生のタブレット利用、しもまちプラスのコンテンツを挙げていながら、目標が若干低すぎるような気がしますが、いかがでしょうか。
○教育長(児玉典彦君)
目標指標ですが、図書館の窓口で登録を申請される方のみを対象としております。
小・中学校の全ての児童生徒へは、学校を通じての付与となりますので、ここには含まれていません。
○片山房一君
小・中学生のタブレット利用は、数に含まれていないので、これだけの目標数値だということが分かりました。
ぜひ、予算確保を含め新たな取組である電子図書館が導入目的を達成し、一層充実するように努力されることを願いまして、次の質問に移ります。
次の質問は、火の山公園再編整備事業です。2021年、令和3年につくられた火の山地区環境施設再編整備基本計画に基づいて、火の山新移動施設整備事業と火の山公園再編整備事業が実施されているようですが、火の山公園再編整備計画における移動施設の位置づけを教えていただきたいと思います。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
既存のロープウエーに替わる新たな移動施設につきましては、令和2年度末に策定をいたしました火の山地区観光施設再編整備基本構想におきまして、老朽化に伴う改修や新設の必要性をうたっているところでございます。
火の山新移動施設整備事業は、この基本構想に沿って検討を進めてきたものでございまして、光の山プロジェクトの一部として整備を進めてまいります。
○片山房一君
市長の施政方針では、老朽化したロープウエーの替わりとなる移動施設の整備に向けた調査に着手しますとなっています。政策予算説明資料では、現行ロープウエーをパルスゴンドラ方式として更新するとなっていて、令和6年度から令和8年度の債務負担行為として19億5,100万円が上げられています。19億5,100万円の算出根拠などを説明していただきたいと思います。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
新たな移動施設については、ロープウエーの一種であるパルスゴンドラ方式を採用することとし、令和8年度末の完成を目指します。令和5年度は、設計・施工を一括発注する事業者を、公募型プロポーザルにより選定する予定としております。
なお、令和5年度予算につきましては、事業区域の測量及び地質調査業務に必要な予算4,400万円を計上しております。令和6年度から令和8年度までの事業費と合わせまして19億9,500万円で、本体設備、駅舎、そして、客車等を整備する計画としております。
○片山房一君
今の説明でプロポーザル方式で設計・施工を一括で行う業者を決定する。今年度は測量や地質調査を行うということでしたけれど、まだ、そういう段階で、いわゆる債務負担行為の金額、100万円の単位までの計算がされているわけです。
今の段階で、それだけの詳しい算出の根拠は、どうやって出されているのでしょうか。設計・施工の計画が出てくるかも分からない時点で、この債務負担行為の金額は、どういうふうにして出されたのでしょうか。お願いします。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
今回の方式の決定に至る経緯といたしまして、RFIという情報を事業者のほうから提供いただくということで、具体的な、そういった方式に伴う予算的なもの等々、事前に提供いただいておりましたので、そういったものに基づいて、積算をしているところでございます。
○片山房一君
事前に、そういういろいろな形の移動の仕方がある。それを公募されたというのは、ホームページなどで見て分かります。
ですけど事前に、様々な業者、いろいろなやり方、それを公募していたわけで、それの中から、このパルスゴンドラ方式ということを、どういう場でどういう形でその方式を決めて、この金額に至るまでの経緯を、もう少し詳しく説明していただけますか。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
新たな移動施設では、令和4年7月に、情報提供依頼、いわゆる先ほど御説明いたしましたけども、RFIという方式で移動施設の方式と概算費用を公募いたしました。
提供のあったものを含めまして10種類の方式を候補といたしまして、学識経験者等で構成する火の山移動施設検討委員会において検討していただきまして、様々な角度から御意見をいただいたところでございます。
この意見を参考にいたしまして、庁内で検討を重ね、ロープウエーの一種であるパルスゴンドラ方式が最適であると決定をしたところでございます。
○片山房一君
今の方式を決めたところ、これは今のケーブルカーが通っている区間だけの計画だと思います。その前後の、例えばトンネルの人道入り口、あそこから今のケーブルカーの出発地点、それから今のケーブルカーの頂上のところから、それから先の移動手段。その辺のところがトータルに決まらない中で、そこの区間だけ――今のケーブルカーが走っているところだけの区間で方式を決定した。その辺がちょっと、よく理解できないのですが、説明をお願いできますか。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
今回の基本構想の中で、今の区間を第1工区と指定しておりまして、先ほど片山議員さんがおっしゃられた下駅から人道口までは第2工区、最後に上駅から山頂までを第3工区という位置づけにしております。
その状況が当然今のロープウエーのコースと、それから人道までというのは、民家もありますし、県道も走っていますし、いろいろ状況が異なりますので、今回は、第1工区について、方式を決定いたして、それから、今後も第2工区、それから第3工区と、必要性に応じて、その辺を検討していくという状況でございます。
○片山房一君
用地買収のこととかいろいろなことがあるので、取りあえずその真ん中の区間、第1工区からスタートすると。でもトータルに、全部の移動が、ここはどういう形をしようと、そういう全体の計画があってこそ、この第1工区のところをどういう方式にするということが、普通は決められるのではないかと思います。
なぜそこだけが先行して決められるのか、その辺のところが、私自身ちょっと理解できないところがあります。もう一回説明をお願いできますか。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
当初の計画で議論に出たのは、山頂から人道入り口まで1本でつなぐというのが一番いいと、そういう形で検討が始まりまして、その後に、当然、先ほども申し上げましたけども、第2工区というのは、今の用地買収の件であるとか、人道の用地については国の土地だということもございまして、あそこに施設を造るにおきましても、今後協議をしていかないといけないところが、たくさんございますので、まだまだ時間がかかる。
そういった中で、展望台の整備等ございますので、まずは、既定の第1工区、そこを進めるべきと判断をして、第1工区の移動施設を決定したところでございます。
○片山房一君
そういう形でそこだけが先行してやることになったということの説明は、理解いたしました。今までの説明を聞いておりますと、ロープウェーは、市の施設として設置、運営する。今と同じような直営が前提のような気がするのですけれど、民間での設置、運営も当然検討されたと思いますし、また、今、公共施設を造るときに必ずやっておりますPFIの方式の導入の検討もされたと思います。
どのような検討結果を経て、移動施設が、私としては、今のを聞いて、市の施設としての設置、運営となったように聞き取ったのですが、その辺のところの検討過程、あるいは市の設置、運営ということが決まっているのかどうかをお答えください。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
設置については、今後、公募型プロポーザルで進めていく形になります。設計・施工です。
運営につきましては、現在のところ、まだ確定はしておりませんけども、現状と同じような形での指定管理というような方向になるのではないかと考えております。
○片山房一君
今、火の山地区観光施設再編整備基本構想、これに基づいて展望施設や、先ほどからありました関門トンネルの人道との関係、あるいは今あるパークウェー、それぞれの施設の在り方を検討しているところだと思います。
それを統合して、どんな火の山公園にしていくのか。その中でどんな火の山公園にしていくか、全体像が見えてくる。その新公園にどのくらいの来客があるのか。再編整備事業にどのくらいの民間投資を予測するのか。市の投資はどの部分にどれだけになるのか。費用対効果は見込まれるのか。こんな見通しがあって初めて事業がスタートするのではないかと考えますけれど、当初予算の概要で明らかになっている事業費は、令和5年度は先ほどから説明があった同施設の測量等地質調査に4,400万円、令和6年から8年にロープウエーに替わる移動施設の金額は、債務負担行為として19億5,100万円。一方、展望デッキやアスレチック、キャンプ場などの公園再整備事業は、政策予算説明資料に書かれている令和8年度までだけで22億5,300万円です。
令和8年度までの事業ですから、事業費はもっと増えるはずです。合計すると、今資料で読み取れる金額だけで、42億円を超す事業になります。火の山公園を、どういうふうにしていくのかの全体像を市民に明確に説明しないままに、巨額の経費がかかる事業をスタートすることは、私には理解できません。費用対効果の見通しをお答えください。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
この事業ですけども、火の山地区観光施設再編整備基本構想に基づきまして、計画的に進めております。
山頂におきましては、屋外展望デッキ、アスレチックのほか、イベント広場、屋内展望施設、山麓におきましては、キャンプ場のほか駐車場の整備も考えております。
今後、先ほどもありましたけども、人道入り口から現ロープウェーまでの新設区間の移動施設、また、人道入り口には、観光交流センターの設置も検討しているところでございます。
このほか、全体に関わるものといたしましては、遊歩道や案内板の整備も検討してまいります。
全体の費用につきましては、移動施設の新設施設の区間も含めまして、詳細を決定しておりませんので、現時点でお示しできるものはございません。
御承知のとおり、平成29年に旧展望台を解体いたしまして、その後、火の山全体を再編整備しようということで、考えることに移行したわけでございます。この経緯から、基本構想として、長期にわたってこの火の山全体を魅力ある場所にしたいということで、再編整備をするという方向でスタートしております。
一般の工事等と異なりまして、全体像が確定して進めるという形ではなくて、全体像を部分的に長期間かけて、よりよい火の山をつくっていこうということで、進めておりますので、事業費が、全体像がなかなか見えてこないではないかという御意見ですけども、我々としては、部分的に市民の皆さんの意見を聞きながら、よりよい施設を造っていこうということで、部分的に事業がはっきりした段階で、議員の皆様方には事業費についても、お知らせ、御報告をさせていただきながら、進めていこうということで考えております。
当然、今のロープウエーにつきましては、また費用対効果、利用料金等も含めまして、そういった将来的に、どの程度回収できるのかということも含めて、しっかり検討してまいりたいと考えております。
○片山房一君
今、だんだんに造っていくので、全体でどのくらい市が投資するのか、数字も見えないということでした。
今、造ろうとしているロープウエーに替わる施設についても、今から費用対効果を検討していきますみたいなことで、今これを、この金額でやれるのかどうか、どのぐらい利用者がいると想定しているのか、それなしで、今、ロープウェーに代わる計画を立てているということなのですか。もう一度確認します。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
先ほども申し上げましたけども、重ねて同じような形になるかも分かりませんが、例えば今の第1工区であれば、今回はパルスゴンドラという方式に決定をいたしました、ある程度詳細な予算的なものが分かる。
今後、第2工区となると、先ほどのいろいろな問題がございますので、どういった移動施設がいいのか、その手法によって、予算的なものというのはかなり変わってきます。
先ほど、これも申し上げましたけども、人道入り口については国の土地ですので、そこの場所に、我々としては観光交流センターの設置を考えておりますけれども、どういったものが建つのかという規模感も全然変わってくると思いますので、その辺は、協議によって、改めて決定次第、お知らせをするという形になってまいります。
不確定な要素が多分にございますので、そういった全体像としての金額が、はっきりお示しができないという状況でございます。
○片山房一君
全体像も、ざっくりした事業に係る経費も、今の段階では分からない。だけど、事業は進めていかなければいけない、ということでやっているという説明だったと思います。
そういうやり方が本当なのかという気がします。これだけというわけにもいきませんけれど、もう少し本当に、どういう全体的な計画、その中でこの部分が動いているというようなことを、市民にも理解してもらいながら進めていくということが、必要だと私は考えます。
次の質問にいきます。次の質問も開発計画に関する質問です。下関港ウオーターフロント開発推進事業について伺います。資料によりますと、あるかぽーとエリア及び岬之町エリアを中心とした、関門海峡沿いのウオーターフロントエリアを開発整備するとなっています。
この地域に重なる開発計画に、あるかぽーと・唐戸エリアマスタープランがあります。2022年、令和4年3月に公表した海峡エリアビジョン、それをより具体化したものがあるかぽーと・唐戸エリアマスタープランです。星野リゾートに約5,000万円で委託して、昨年の12月に素案を受け取り、それに若干の修正を加えたマスタープランが、先日3月1日に公表されました。
この総合政策部が策定した、あるかぽーと・唐戸エリアマスタープランと、対象地域が重複する港湾局が進める下関港ウォーターフロント開発推進事業は、どのように関係するのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
○総合政策部長(前田一城君)
あるかぽーと・唐戸エリアマスタープランは、エリア内の開発コンセプトや実現イメージ、実現に向けたスケジュールや、推進体制等を示し、今後おおむね10年間における段階的な整備に向けた道筋を示すものとなっております。
今後、このマスタープランの実現化に向けては、段階的に事業を進めていくこととなりますが、まずはその推進体制を構築するとともに、先ほど議員御案内のありました下関港ウォーターフロント開発推進事業、この中で、あるかぽーと地区においては、にぎわい創出に必要な基盤整備の調査検討などを行います。岬之町地区においては、土地活用のための方策検討を行うこととしておりまして、これらの業務についても、先ほどの立ち上げた推進体制の中で、報告を受け、また、横断的に検討していくということとなります。
○片山房一君
同じ地域に二つの計画がある。それは横断的に調整しながら進めていくということだと思うのですけれど、今回の当初予算の概要の説明の同じページに、岬之町埠頭に捕鯨母船の陸上電力供給施設を整備する予算4,200万円も上げられています。
ところが、先ほどのあるかぽーと・唐戸エリアマスタープランには、この地域は「クリエイティブポートゾーン」ということになっています。整備方針では「自由でクリエイティブな雰囲気あふれる学術研究創造エリア」となっています。全く、今の言葉と、捕鯨母船の係留する場所、整合性が全くないのですが、その辺はどういうふうに考えていらっしゃるのか、説明をお願いします。
○港湾局長(酒井貴司君)
まず捕鯨母船についてでございますけれども、本市では従来から「くじらの街下関」の推進に取り組んできており、令和5年度末には、新造の電気推進船が完成予定で、その長期係留に必要となる陸上電力供給施設の整備は、喫緊で取り組んでいくべき重要な事項であると認識してございます。
そして、今の御説明がございましたのは、岬之町地区でございますけれども、マスタープランにおいて、海峡に面したロケーションや、下関の歴史・文化と結びつく産業の誘致や支援を行う「クリエイティブな文化創造拠点」という形で位置づけられてございまして、捕鯨母船が見える風景を含めた捕鯨関連施設というところも、この水産海洋関連の研究機関等の集積を目指すという形で、例示が掲げられているマスタープランの同地区のコンセプトに含まれ得るものと考えてございます。
引き続き、同エリアのコンセプトに適合する地域になるように、先ほど、総合政策部から答弁がございました推進体制での議論を通じて、適時・適切に調整を図ってまいりたいと考えてございます。
○片山房一君
「自由でクリエイティブな雰囲気あふれる学術研究創造エリア」という概念の中に、捕鯨母船が含まれるという答弁は、ちょっと無理があるのではないかと思いますけれど、私は、むしろ今のいわゆる仕事に使う船といいますか、いろんな船がそこに泊まっている今の状況、これは本当にむしろ生かしていけるものだと思います。
無理やり「クリエイティブポートゾーン」などという区域設定ではなくて、今のいろいろな船が係留している、それが見える、そういう場所としての岬之町の、市民にとっても外から来た人にも見せる空間になっていけたら、全然、面白い空間になるのではないかと思います。
いわゆる、星野リゾートが基本的に出してきた、あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン、これを本当に素材にして、今の計画は立てられているようですけれど、星野リゾートにとってみれば、あそこにホテルを建てるということで、周辺の整備というような視点が、やはり主力になっていると感じます。ぜひ本当に下関ならではの、今、市役所の皆さんが、港づくりについても、蓄積されたいろいろな素材があると思います。そういうものも十分に生かして、この地域の開発に取り組んでいただきたいと思います。
先ほどの火の山にしてもそうなのですが、ここでも、何か同じような、私は疑問を持っています。全体的な計画が、何かしっかりしないうちに個別の施設整備が進められている。その中で、全体計画が少しずつずれてくるような可能性があるような気がします。全体的な計画と個別の施設整備の進め方、これは基本的にはどのように考えていらっしゃるのか、お答えください。
○総合政策部長(前田一城君)
あるかぽーと・唐戸エリアマスタープランの推進に当たっては、官民問わず多数の事業が今後同時に進行していくこととなりますが、令和5年度において、先ほど申しました推進体制、これを実務検討のレベル、それから意思決定のレベルに分けた推進体制を構築する予定としております。
議員御案内のように、港湾計画など、ほかの各分野の計画との調整、それと個別施設の整備事業については、各分野における市の関係部局の担当者や専門家、それから地域の事業者で構成される、先ほどの推進体制の実務を検討する組織、ここにおいて、必要に応じてそれぞれの事業が位置づけられる計画等に反映しながら、導入すべき機能、必要な整備事項、事業スキーム、こういったものを具体的に、検討を進めていくということで考えております。
○片山房一君
今回の予算説明の資料を読みますと、「力強く躍動する街」、あるいは「賑わうまちづくり」、そういう言葉が躍っています。しかし、対象となる地域は、下関駅から火の山にかけての地域です。周辺地域は取り残されたままの印象です。
今までも、にぎわい、これをキーワードとした事業がありました。記憶に新しいものに、下関駅にぎわいプロジェクト、下関駅周辺整備事業があります。総事業費128億円、そのうち、市の負担は59億円でした。来年が事業完了後10年になります。市費を59億円投入した事業です。これが、今の状態を見れば、事業目的を達成しているとは私には思えません。コンパクトシティ構想のデメリットとして指摘されている中心市街地開発を優先する一方、周辺の切捨てが進んでいると言わざるを得ません。
地方自治体の本来の役割は、地方自治法が規定しているように、住民福祉の増進です。今の下関市が進めている、にぎわうまちづくりの諸事業が、今本当に必要な事業なのか。市民生活を支える未来への投資と言える事業なのか。地方自治の本来の仕事である住民福祉の増進の立場から、再検討されることを求めまして、私の個人質問を終わります。(拍手)
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