録画中継

第2回定例会
6月24日(水) 本会議(一般質問4日目)
市民連合
山下 隆夫 議員
1.ICT教育の現状と効果的な活用について
2.中東情勢に伴う地域経済や市民生活への影響について【29分21秒から】
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
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○副議長(江村卓三君)
 22番、山下隆夫議員。(拍手)
  〔山下隆夫君登壇〕
○山下隆夫君
 市民連合の山下隆夫です。よろしくお願いいたします。まず初めに、ICT教育の現状と効果的な活用についてお伺いします。GIGAスクール構想に基づき、令和2年度に市内の全小中学校の児童生徒及び指導者用として、1人1台端末が配備されました。導入から5年が経過し、故障が増加していることに加え、バッテリー劣化の懸念やOSのサポート期間終了の恐れがあるため、本議会に1万6,965台を更新する議案が提出をされています。タブレット端末の更新に合わせ、タブレット端末等を使った事業の学習効果等について、検証したいと思います。
 まず初めに、本市の小中学校におけるタブレット端末及び電子黒板等のICT機器を使用した授業の現状及び効果をお伺いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
 令和7年度全国学力学習状況調査の学校質問調査におきまして、本市の小中学校がICT機器を活用した授業を週3日以上または毎日実施していると回答しており、国の平均と比較しても高い数値となっております。
 各学校では、タブレット端末や電子黒板等を活用することにより、児童生徒一人一人の学習状況や理解度に応じた個別最適な学びと、互いに考えを共有しながら学びを深める協働的な学びの充実を図っているところでございます。授業においてデジタルドリル等のアプリを活用した学び直しや、電子黒板を活用した児童生徒の意見の集約の提示等、工夫した取組が各学校で展開されております。また、児童生徒を対象とした質問調査では、インターネットを活用した情報収集やICT機器を用いたプレゼンテーション資料の作成などについて、多くの児童生徒が自らの情報活用能力の成長を実感していることがうかがわれているところでございます。
○山下隆夫君
 全国平均を上回る活用をされている。そして学習効果もそれなりに表れているということだと思います。ICT機器を活用した授業のこの現状及び効果を踏まえて、さらに使用頻度を今後増やしていく考えなのか。現状の使い方を踏襲するというお考えなのか、今後の活用計画をお伺いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
 児童生徒及び教員によるICT機器の活用が進み、学習活動の充実が図られているところでございますが、一方でICT機器の活用自体が目的化として、タブレット端末の使用が中心となった学習形態とならないよう、配慮が必要であると捉えております。
 学力調査の学校質問の児童生徒同士がやりとりする場面でのICT機器の活用についての質問項目では、昨年度の結果が令和4年度の結果と比較して、肯定的な回答率が下がってきており、各学校においてもICT機器を使わない、これまでの学習形態のよさが見直されているところがうかがわれます。
 今後は、ICT機器の効果的な活用を一層推進するとともに、紙教材や対面での学び合いなど、アナログのよさも生かしながら、デジタルとアナログのそれぞれの特徴を組み合わせた、最適な学習環境の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○山下隆夫君
 アナログまたはデジタルに特化をするのではなく、デジタルのいいところ、アナログのいいところをうまく組み合わせて教育をしていくということだろうと思います。
 そこで次に、ICT教育を推進していく上において、メリットだけではなく、課題や懸念される事項もあると思いますけれども、これに関する教育委員会の御認識をお伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 ICT教育の推進に係る課題等につきまして、昨年度、各小中学校長を対象に調査を実施しております。その結果、長時間の端末使用による目や心身の健康への懸念、家庭学習での活用ルールについての保護者の一層の理解を図ること、校内のネットワーク通信環境の整備が課題として挙がっているところでございます。
 教育委員会といたしましても、これらのことは児童生徒がICT機器を学習用具の一つとして活用する上での課題であると捉えておりますので、課題解決について、学校と連携しながら取組を進めてまいります。
○山下隆夫君
 ICT教育を推進していく上での課題、私は、まず文科省が示す「同時に全ての授業において、多数の児童生徒が高頻度で端末を使用する場合にも、ネットワークを原因とする支障がほぼ生じない水準」である推奨帯域を目指している学校が、本市では3割程度と聞いています。これは一つの課題だろうと思います。
 それから懸念事項としては、先行的に導入された海外のデジタル先進国のほとんどで、子供の学力低下と心身の健康不良が顕在化をし、見直しの動きが相次いでいること、また家庭での利用実態、例えば、タブレット端末を使ってゲーム等に興じているというお話も伺っています。
 まず、課題の一つである通信環境整備についてお伺いします。下関市GIGAスクール構想推進計画で、推奨帯域を満たしていない学校に対し、必要なネットワーク速度の確保を計画的に行うこと、ということが示されています。具体的には、本年9月末までにネットワーク環境改善作業を完了すると、整備目標が示されていますけれども、現状の進捗状況をお伺いします。
○教育部長(門田重雄君)
 現時点におきましては、ネットワーク速度の確保に向けた具体の改善作業には未着手でございます。ネットワーク速度が十分に確保できていない学校につきましては、インターネットへ同時接続が発生するような授業において、端末の表示遅延などの症状が生じることを把握しております。学習の円滑性の観点から改善が必要な課題であると認識しております。
 児童生徒が快適に学習に取り組める環境の確保を早期に実現できるよう、文部科学省が示す推奨帯域を満たしていない学校につきましては、今後、回線状況、校内配線・機器構成、同時接続数や利用実態等について、詳細な調査・分析を行い、速度低下の要因を特定した上で、費用対効果や実施時期も含め、効果的な改善手法を検討してまいります。
○山下隆夫君
 現在調査中で具体的な改善策については今後、まだ先になるということだろうと思います。文部科学省が示す基準より上回るスペックのタブレット端末を導入するということを、文教厚生委員会で報告を受けておりますけれども、そういったすばらしい端末を準備できたとしても、通信環境に問題があれば意味をなさないと思いますので、これについては早急に対応していただきたいなということを申し添えておきます。
 次に、児童生徒の健康問題についてお伺いします。文部科学省は、GIGAスクール構想の下で整備をされた1人1台端末の利活用に当たって、健康面に関する留意すべき事柄を整理することにより、児童生徒、教職員、保護者等の理解の増進を図り、GIGAスクール構想を推進することが必要だとして、児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックを策定しています。その中で、教室の明るさ、電子黒板、タブレットPCの活用という3点について、具体的な改善方法が示されております。それぞれの改善状況及び現状をお伺いします。
○教育部長(門田重雄君)
 児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックへの本市の対応状況についてお答えいたします。まず、教室の明るさにつきましては、日差しのまぶしさや画面の見えにくさを軽減するため、令和6年度から学びの環境リニューアル事業において、遮光カーテンの設置を進めているところです。一方で、照明器具に多くの老朽化が見られる状況も把握しており、照度の不足やムラが生じた場合には、文字の視認性低下を招き、目の疲労につながる懸念がございます。
 次に電子黒板につきましては、画面の反射への配慮、設置位置の工夫、文字の見やすさの確保など、各学校の設置環境や授業実態に即した対応を行っております。
 最後にタブレットPCにつきましては、画面の反射を抑える角度調整と目と画面の距離の確保、正しい姿勢の保持について、教員が日常の授業の中で継続的に指導を行っております。
○山下隆夫君
 現状は分かりました。全ての学校で、子供の健康に留意して活用できるように、引き続き整備していっていただきたいなと思います。
 次に、学力の影響に関して伺います。タブレット端末の利用により、学力が向上したかどうかについてでありますけれども、国においても調査されていないが確実に学習の成果は出ていると、6月9日の文教厚生委員会で答弁をされています。先ほども同様の答弁をされましたけれども、しかし先ほども申しましたけれども、先行的に導入した海外のデジタル教育先進国のほとんどで、子供の学力低下が顕在化し、見直しの動きが相次いでいます。これに関する教育委員会の認識、見解をお伺いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
 まず、諸外国がデジタルから紙等のアナログに回帰する動きがあることは、文部科学省が示している資料等を通じて認識しているところでございます。学校教育は文部科学省が定める学習指導要領に基づき教育活動を行っています。現在検討が進められている次期学習指導要領においては、デジタル基盤を前提とした改定の方針が示されているところでございます。また、情報活用能力を各教科とも含めた探求的な学びを支えることを基盤と位置づけ、小・中・高を通じた体系的・抜本的な教育内容の充実を行うことが示されており、今後さらなるICT機器の効果的な活用が求められることが想定をされております。
 一方で、デジタルの負の側面にも対応した情報技術を自在に活用して課題解決ができる人材の育成についても示されております。ICT機器を活用する際の懸念事項を踏まえた取組の充実も重要であると捉えております。
 今後も国から示される学習指導要領や関連する通知、ガイドライン等の内容を十分に踏まえながら、本市として適切に対応してまいりたいと考えます。
○山下隆夫君
 シリコンバレーの技術者の多くは、子供をデバイスから遠ざけ、コンピューターを使わずに学習を行う学校に通わせているそうです。また、アップルの創業者スティーブ・ジョブスさんも、新しいiPadが発売になっても、子供に買い与えることはせず、家庭でのデバイス使用を最低限に抑える努力をしていたそうです。Windowsの生みの親であるビル・ゲイツさんも、子供たちには14歳になるまでスマホは持たせなかったそうです。ITは便利なツールですが、まずは情報を理解する力を養ってからではないと、弊害も多いと考えたからだそうです。行き過ぎたデジタル化にはこうした負の効果があり、急速なデジタル化により、子供の学力低下が顕在化したことから、先ほどの繰り返しになりますけれども、デジタル教育先進国のほとんどで、見直しの動きが加速しているわけであります。
 一方で、日本政府は4月7日、デジタル教科書を紙と同様に正式な教科書として位置づけ、小中学校で無償配布の対象とする関係法の改正を閣議決定し、6月10日には参議院本会議で与党などの賛成多数で関連法が可決をされ、成立をしました。政府は、次期学習指導要領が小学校で全面実施される2030年度の導入を目指し、紙・完全デジタル・紙とデジタルを組み合わせたハイブリッドの3種類の中から教育委員会に選んでいただくとしています。現時点で本市教育委員会はデジタル教科書の導入について、どのような見解をお持ちなのかお伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 デジタル教科書を正式な教科用図書として位置づけるための改正学校教育法が、本年6月10日の参議院本会議において可決、成立いたしました。これにより2030年度から小・中・高等学校においておいてデジタル教科書が使用可能となっております。国においては、紙の教科書・デジタル教科書・紙とデジタルを組み合わせたハイブリッド型の形態が想定されており、それぞれの内容や運用方法についてのイメージが示されているところでございます。しかしながら、各教科における具体的な資料は示されておりません。また、どの形態を導入するかについては、導入する前年度の教科書採択により選定することとなるため、見解を述べることは難しいと捉えております。
 しかしながら、教育委員会では、教科書採択に向け、デジタル教科書に係る情報をもとに研究を深めていくことが必要であると捉えており、今後も、国が示す通知や教科書発行者から示される資料等の内容を注視してまいりたいと考えております。
○山下隆夫君
 脳科学者の川島隆太東北大学教授は、公益財団法人文字・活字文化推進機構が発行した「「デジタル教科書」を問い直す」という資料の中で、デジタル教科書活用を含めたICT化が学力にどのような影響を及ぼすかに関しては、既に一定のエビデンスがあり、学力を低下させる力があるとの結論が出ている。例えば、OECDがPISAの成績の変化の解析から、2015年の段階で既に教育の過剰なICT化に関して警鐘を発していると指摘をしています。
 教育委員会は、先ほどもありましたけれども、これまでデジタルに特化をするのではなく、アナログとの融合を図る教育を実践する旨の見解を示されています。私は、それを具現化する方法として、紙とデジタルのそれぞれのよさを生かし、バランスのとれた学校教育を実現するために、紙の教科書を主たる教材として、デジタルを補助的な教材として活用すべきと考えますけれども、改めて教育委員会の見解をお伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 先ほども答弁いたしましたが、どの形態を導入するかについては現時点では形態のイメージしか示されていないこと、また教科書採択により選定することになるため、見解を示すことは難しいと捉えております。
 今後も国や教科書発行者が示す情報を基に、紙の教科書・デジタル教科書・ハイブリッド型の効果と課題について研究してまいりたいと考えております。
○山下隆夫君
 デジタル教科書について文部科学省は、完全デジタルの教科書は小学校4年生以下と国語・社会・道徳では認めないという方針を示しています。ICT機器に頼る過度な教育は子供たちの健康・学力に負をもたらす可能性があるという一定のエビデンスを意識した決定ではないでしょうか。現時点で見解を述べることはできないということでしたけれども、小学校5年生以上におきましても、紙の教科書を主たる教材として、デジタルを補助的な教材として活用することを改めて求めておきます。
 また、家庭への持ち帰りについては、冬休みや春休みなどの長期の休み期間等において、子供の主体的な学びにつながる活用ができるというメリットがある一方で、先ほども申しましたけれども、タブレット端末を使ってゲームに興じているという声も聞きます。家庭での活用の意義やその方法、留意点等について、保護者や地域に丁寧な情報提供を進めることで、十分な理解を得られるような対策を講じていただきたいと、これは要望としてお伝えしておきます。
 次に、個別最適な学びの実現に向けた学校図書館の充実について伺います。下関市GIGAスクール構想推進計画において、児童生徒が自発的に学び、創造性を発揮できるような教育環境を整え、特に探究活動や共同活動の推進、個別最適化された学びの実現を目指すことが、計画策定の背景と目的の項で示されています。
 これに関して、本年3月に、図書館・学校図書館運営の充実に関する有識者会議による「図書館が拓く未来の学びと地域社会」という報告書が公表されています。その中で、「学校教育における個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実への効果的な対応を一層進めていくためには、学校図書館は図書センターとしての機能のほか、学習センターと情報センターとしての機能を強化する必要がある。個別最適な学びの実現には、豊富で多様な資料と機器、学習スペースを有する学校図書館の果たす役割は大きい」と指摘をしています。
 GIGAスクール構想を推進する上で、教育委員会は学校図書館の役割をどのように認識されているのか、お伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 GIGAスクール構想により1人1台端末が配備され、各校においてICT環境を活用した新しい学びが進められるようになりましたが、一方で、児童生徒の実情を踏まえながら、教科書、資料集等の教材、書籍、新聞、雑誌等とインターネットを効果的に組み合わせて学習することも大切であるとされています。
 このような学習を充実させるためには、授業内容を豊かにして、その理解を深めたりする学習センターや、児童生徒の情報活用能力等を育成したりする情報センターとしての機能を有する学校図書館の利活用は大変有効であり、GIGAスクール構想を推進する上で、学校図書館の環境整備を計画的に進めていく必要があると認識しております。
○山下隆夫君
 学校図書館の運営上の重要な事柄について、その望ましい在り方を示す学校図書館ガイドラインや、GIGAスクール構想を推進する上で求められている学校図書館の在り方に対する本市の学校図書館の現状と、あるべき姿にするためには現在何が不足していると考えているのか、お伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 学校図書館ガイドラインに示されている望ましい学校図書館の実現や、GIGAスクールの機能充実に向けて、まず学校司書が各校において力を発揮することが必要であると捉えております。
 下関市では、司書または司書教諭の資格がある人を21名採用し、週5日、1日当たり7時間の勤務の体制を取っております。また、学校図書館運営を質的に高めるための研修会を開催し、学校司書の質的向上を図ることで、複数校兼務でも力を発揮することができていると考えております。また、学習センター・情報センターの機能充実に向け、蔵書冊数の学校図書館図書標準の達成に向けて計画的な図書整備を進めているところでございます。標準冊数の100%達成には至っていない学校もありますが、確実に図書整備の充実が図られていると考えております。
 学校司書の配置につきましては、増員を含めて勤務体制や効果的な配置について、今後も検討していく必要があると考えております。また、標準冊数や児童生徒及び教職員のニーズに応じた偏りのない調和の取れた蔵書構成を意識しながら図書整備を進め、さらなる学校図書館の充実を図ってまいりたいと考えます。
○山下隆夫君
 「図書館が拓く未来の学びと地域社会(報告書)」では、学校図書館は児童生徒の登校時から下校時まで常時開館し、児童生徒が最大限読書や学びで自由に利用できるようにすることが必要であると指摘をしています。そのためには、これまで何度も何度も、何度も何度も繰り返し質問し、要望していますが、全ての学校において学校図書館図書標準100%を達成するとともに、学校司書を1校1名の専任配置とする必要があります。
 先般、子供の読書活動優秀実践校として、川中西小学校が文部科学省表彰を受賞されました。この受賞には学校司書はもとより、図書ボランティアの活躍も受賞の一因であったことが報じられています。以前、提案したことがございますが、図書ボランティアの中から希望する方を学校司書補として採用し、学校司書の負担を軽減すれば、学校司書が求められている役割を今以上に果たせる環境を整えることができますし、結果として準1校1名配置とすることが可能になります。
 加えて、全ての学校司書及び学校司書補が求められている役割を、差異なく発揮できるよう各校を巡回指導することができる人材を確保することを提案いたします。たしか今後の研究課題という答弁だったと思いますけれども、このことについて、改めて教育委員会の見解をお伺いします。
○教育長(磯部芳規君)
 まず、学校ボランティアが力を発揮し、読み聞かせや本の整理、イベントの開催等、各学校の学校図書館の充実や本を通した児童生徒の豊かな心の育成に寄与しておられることについては認識しております。教育委員会といたしましても大変感謝しているところでございます。
 先ほども述べさせていただきましたが、本市では司書または司書教諭の資格がある人を採用するとともに、学校図書館の運営を質的に高めるための研修会を開催し、学校司書の資質向上を図ることで、市内全ての学校図書館を充実させることとしております。したがいまして、資格のない人材や雇用形態の違う学校司書補等を雇用する予定は現在はありません。また、経験が豊富な学校司書5名をブロックリーダーとして、各ブロックごとに学校を巡回して研修を行う体制を整え、学校図書館の充実を図っているところでございます。
 今後も、複数校兼務でも力を発揮できる学校司書を育成し効果的に配置するとともに、増員についても引き続き検討してまいります。
○山下隆夫君
 現状を否定することはできないですから、そういう答弁になるのは仕方ないかも分かりませんけれども、やはり複数校兼務というのが問題があると思っています。それから、学校ボランティアの皆さん、本当に頑張っていただいていますけれども、あくまでもボランティアという立ち位置であって、学校司書の方とちょっとうまくいっていない部分もあるやに聞いています。そういった意味では、学校司書補として、有償ボランティアとして勤めていただくことによって、そういった学校司書との関係も改善できるし、学校司書の複数校兼務を大幅に改善できると思いますので、そうは言わず、前向きに検討していただきたいと思います。
 これも前回申しましたけれども、文部科学省が学校図書館の充実について力を入れている背景には、2000年に始まった国際学習到達調査において、日本の子供たちの読解力が低かったことからです。読解力が低下したのは、日本の子供たちの読書量が減っている傾向にあることが原因である。その原因を解決する手段として、当時、読解力が1位だったフィンランドの公共図書館を活用した教育に着目をし、学校図書館の整備により力を注ぐようになったからであります。その結果として、2022年の調査では、日本の子供たちの読解力は世界3位までに上昇しています。
 一方、この間デジタル教育にシフトをしたフィンランドでは、読解力が14位まで低下をしています。また、数学的応用力、科学的応用力においても世界トップクラスの成績であったものが20位と9位に低下をしています。その原因ははっきり分かっていませんけれども、デジタル教育を推し進めてきた時期と重なっていることから、教育現場や保護者の希望で、紙の教科書へシフトをしているということだそうです。
 過度なICT教育に傾斜をするのではなく、紙の教科書を主たる教材としてデジタルを補助的な教材として活用することを改めて求めるとともに、ICT教育を効果的に推進するために、学校図書館の充実は不可欠な条件でありますので、1日も早い学校図書館図書標準100%達成、1校に1名の学校司書配置を実現していただきたいと思います。そのために必要な予算の確保に、教育委員会として全力を注いでいただくことを改めて求めまして、このテーマについての質問を終わります。
 次に、中東情勢に伴う地域経済や市民生活への影響についてお伺いいたします。これまでの一般質問と重なる部分がございますけれども、確認の意味を含め、質問させていただきます。今年2月28日にアメリカとイスラエルによって開始されたイラン攻撃に端を発したホルムズ海峡の封鎖に伴い、エネルギー資源の多くを中東に依存する我が国にとって、海上輸送の遅延状態は、原油価格高騰や供給体制に深刻な影響を与え、資材価格急騰、調達困難、納期未定となり、国民生活と経済活動への深刻な影響をもたらしています。
 中東情勢の緊迫が企業経営に及ぼす影響について、防府商工会議所が防府市内の事業者に行った緊急アンケート結果によれば、回答のあった事業者のうち48.4%が影響を受けていると回答、今後受ける可能性があると答えた事業所を合わせると82.4%が実際に影響を受けている、もしくは影響を懸念していると答えていますけれども、本市の地域産業への影響については、どのように把握されているのか、お伺いします。
○産業振興部長(水野 直君)
 中東情勢の緊迫化に伴う事業者の動向につきましては、経済情報紙のほか、市内金融機関、商工会議所や商工会などを通じ、随時情報把握に努めております。日銀下関支店から6月に発表されました山口県金融経済情勢によりますと、地域の景気全体としては緩やかな回復傾向にあるとされており、中東情勢の県内経済全体への影響は現時点では限定的とされております。
 一方で、現場からは、原材料調達の先行きに対する強い不安や物価の上昇に伴う影響を懸念する声が上がっていることも聞き及んでおります。このような状況を踏まえまして、本市としては影響は少なからずあると認識してございます。
○山下隆夫君
 帝国データバンクの調査によれば、中東情勢の緊迫による原油価格の高騰や供給不足が経営にマイナスの影響があると回答した企業の割合は96.9%と、ほぼ全ての経営者がマイナスの影響があると答えています。また、建設産業で働く方たちのための建設労働組合である全建総連は、特に地域の中小零細建設事業者は、急騰するコストを価格転嫁しにくく、採算悪化が経営基盤を圧迫しているとの書記長談話を発表しています。
 このように、中東情勢の緊迫化は、中小零細事業者の経営に大きな影響を及ぼしているのが現状だと思います。中東情勢に伴う本市の中小企業小規模事業者に対し、実施をしている対策及び今後の見通し、今後の事業展開の考え方をお伺いします。
○産業振興部長(水野 直君)
 市内中小企業や零細企業に対する支援策といたしましては、本年7月より市内金融機関と協調して実施しております中小企業制度融資におきまして、対象要件を追加いたします。今後の見通しといたしましては、中東情勢は依然として流動的な状況であるため、引き続き、商工団体や金融機関、事業者と日常的に接している関係機関と連携し、現状把握に努めてまいります。
○山下隆夫君
 中東情勢等の影響により資金繰りやコスト上昇等で困っている中小企業小規模事業者に対して、中小企業体質強化特別融資などの支援を行っているということでございますけれども、そこでちょっと気になるのは、コロナ時のゼロゼロ融資の返済を行う中で、新たな借入れを行うことが実質的に不可能な状況にあるのではないかとちょっと推察をしますけれども、これは大丈夫でしょうか。
○産業振興部長(水野 直君)
 新たな借入れに対する懸念につきましては、各事業者の経営状況によるところが大きく、一概に申し上げることはできませんが、経営の安定化を図るための、先ほどの中小企業制度融資を有効に活用いただくことで、事業者の資金面における不安を最小限に抑え、経営の安定化を図ることにより、事業者が事業を継続してできるよう、しっかり支援してまいります。
○山下隆夫君
 こういう状況に陥らないように、しっかりと調査をしていっていただきたいと思います。
 次に公共事業への影響について伺う予定でしたけれども、昨日の桧垣議員の一般質問で状況が分かりましたので、これについては省略をし、次に運輸業への影響について伺います。人手不足に加え、燃料費の高騰は運輸業界にとって大きな負担となっています。エンジンオイルの不足により、一部販売店で交換が停止されているとの報道もされています。中東情勢に伴う本市の運輸業への影響について把握をされているでしょうか、お伺いします。
○産業振興部長(水野 直君)
 運輸業への影響につきましては、国によるガソリンなどの燃料費に対する支援が図られているところでございます。また、先ほど申し上げました中小企業制度融資は、運転資金や設備投資など幅広い用途においてプロパー融資よりも低い利率で融資を受けることができますので、運輸業を営んでおられる事業者の方にも、御利用しやすいものとなってございます。
 引き続き、先行きの見通しが立たず、不安の中で事業を継続されておられる事業者に対する支援策を重層化することで、国や県、金融機関をはじめとする金融機関と連携し、事業所にとって心強いサポートを行ってまいります。
 なお、製品や原材料に供給の目詰まりが起きているというお問合せをいただいた場合には、経済産業省による調査が行われておりますので、速やかにその相談窓口につなげる体制を取ってまいります。
○山下隆夫君
 本日の答弁もそうですけれども、昨日までの答弁を聞いていて、少し危機感に欠けているのではないかという感覚を受けています。一昨日の山口新聞の朝刊に、「政府がガソリンスタンドの減少が深刻な過疎地のうち、燃料供給網の維持で特に重要な約50店舗のガソリンスタンドを選定し、事業継続に向け重点支援する」という記事が載っています。重点支援する理由は、自治体による支援の遅れが目立つことから、国がガソリンスタンドを明示して、自治体の危機意識を高め、対策を加速させるのが重点支援の狙いと掲載されていました。
 私は、国のほうこそ危機意識が薄くて、十分な対策が取れていないと思っていますけれども、しかし国はこのように自治体の姿勢を捉えております。市は現場の声を早急に把握をし、現場の実情を国や県にしっかり伝え、中小企業の事業継続支援や事業継承支援など、現実を見据えた対策の強化を国に働きかけるとともに、本市独自の支援対策も併せて講じていただくよう求めておきます。
 次に、農林水産業への影響と対策について伺います。日本農業新聞によると、中東情勢の悪化の影響が農業現場で一気に顕在化しており、ハウス用ビニールやマルチといった被覆資材、米袋、包装用フィルムなどあらゆる製品で値上げや出荷制限が相次いでいる。加えて、秋肥も大幅値上げが農業現場を直撃する。世界全体で見ると尿素は中東への依存度が高く、国際相場の高騰と円安で日本の調達価格を押し上げていると、このように報じています。
 また、漁業用の燃料も高騰しており、漁業関係者にも、中東情勢の緊迫化は大きな影響を与えています。中東情勢に伴う本市農林水産業への影響をどのように捉えているのか、お伺いします。
○農林水産振興部長(原田達也君)
 農林水産業への影響についてお答えします。中東情勢の緊迫化に伴う影響については、国や県も調査を実施しておりますが、本市においても、市内の関係団体等に聞き取りを行っており、議員お示しのように、燃油価格の高止まりのほか、生産出荷に係る資材やオイルなどの石油関連製品等において、価格の高騰や調達への不安が生じていると伺っています。
○山下隆夫君
 日本農業新聞は、「中東危機が農業直撃 資材値上げ、出荷制限も 生産持続へ対策急げ」という見出しで、国を上げた実態調査と高騰対策の拡充を求めたいと訴えています。また水産業についても、漁や養殖、加工、流通と、どの場面においても石油関連製品なしでは成り立たないことから、食卓への影響も避けられそうにない状況となっているのが現状だと思います。
 現状においては、本市の農林水産業に大きな影響は出ていないというような御認識だと思いますけれども、イラン戦争が完全終結したとしても、戦前の状況に戻るまでは数年を要することが見込まれています。中東情勢に伴う今後の見通し及び今後の施策展開についてのお考えをお伺いします。
○農林水産振興部長(原田達也君)
 農林水産業に関する影響への今後の対応についてです。農林水産業における燃油や資材価格高騰への対策としては、国において、漁業者や施設園芸の農業者を支援するため、制度に加入して積立金を払うことなどを条件に、燃料価格が一定基準を上回った場合に補填が行われるセーフティーネットを構築する事業や農林漁業者を対象とした低利の融資などが行われています。また、本市及び県においては、令和7年度の補正予算や令和8年度当初予算により、肥料や漁業の生産資材等の価格高騰に対する支援を実施しているところです。さらに国においては、生産資材等の目詰まりを解消するため、資材の安定供給に向けた要請を各種製造流通事業者に対して行っています。
 こうした取組とともに、今月開催された全国市長会において、原油価格高騰等を踏まえた地域経済対策の充実強化に関する決議を行い、農業・漁業を含めた対策の充実を国に要請しておりますが、本市といたしましても、引き続き、現場の状況や国の動向の把握等に努め、県とも情報共有しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○山下隆夫君
 農業者からは資材不足や価格の高騰により経営が厳しいという声を聞いています。影響が表面化してからでは手遅れとなります。繰り返しになりますけれども、国から危機意識を高めるようにと責任転嫁されないよう、しっかり現場の声を的確に集め、逆に国に対して対策の強化を求めていただきたいと思います。あわせて、本市独自の対策も講じるよう検討していただきたいと思います。
 次に、地域医療への影響と対策についてお伺いする予定でしたけれども、ちょっと時間が足りそうにないので、もし時間が余れば後ほどということで、先に4番の市民生活への影響と対策についてお伺いをします。
 帝国データバンクの調査によれば、主要な食品メーカー195社における家庭用を中心とした6月の食糧品値上げは1,078品目、値上げ1回当たりの平均値上げ率は月平均14%となっている。また、中東情勢の悪化によるコスト高などを理由とした値上げは、年内約9,000品目のうち、5月末時点で2割を超えており、飲食料品では、今夏以降に広範な値上げラッシュが続くと見られると、食品主要195社の価格改定動向調査結果で明らかにしています。中東情勢に伴う市民生活への影響に対する本市の認識をお伺いします。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 市民生活への影響についてですが、まず消費者物価指数の推移につきましては、令和2年平均を100として年間平均を見ますと、令和5年が105.6、令和6年が108.5、令和7年が111.9と年々上昇しております。一方、収入面で見ますと、実質賃金では対前年比で令和5年がマイナス2.5%、令和6年がマイナス0.3%、令和7年がマイナス1.3%と減少しております。
 また、エンゲル係数は、単身を含む1世帯当たり年間平均で、令和5年が27.1%、令和6年が27.7%、令和7年が27.9%と年々上昇しており、このように継続的な物価高の状況の中で、中東情勢の悪化以降の消費者物価指数は、直近令和8年5月におきまして、113.5にまで上昇しており、継続的な物価高にさらに先行き不透明な中東情勢が加わり、市民の日常生活への負担や不安は高まっているものと認識しております。
○山下隆夫君
 そのとおりだと思います。政府は、中東情勢の混乱、長期化に伴うエネルギー価格の高騰に対応するため、補正予算において、夏場の電気、都市ガス料金を抑え、家計負担軽減を図るため、7月から9月の電気・ガス料金を標準的な家庭で5,000円程度支援することを決定をしています。けれども、今後、市民生活への経済的影響はさらに大きくなっていくことが想定をされます。
 現状におきまして、補正予算で計上されている対策以外の本市独自の対策を別途検討されているのか、お伺いします。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 本市の対策につきましては、企画政策部と財政部が中心となって、国の補正予算等の動向を注視し、全庁体制で取り組んでおります。その中で、国におきましては、令和8年度補正予算が成立し、重点支援地方交付金1,000億円が予算措置され、また今後への万全の備えとして、予備費を3兆円積み増ししております。
 現状といたしましては、国より重点支援地方交付金が約1億円配分されたことから、本市におきましても財源を持ち出し、水道料金及び指定ごみ袋製作費用への支援について、議会の御理解と協力の下、追加予算議案を提出させていただきました。
 今後につきましては、国の予備費3兆円の動向を注視し、特に地域の実情に応じて活用できる重点支援地方交付金の追加配分も想定されることから、引き続き、物価高騰により経済活動や市民の暮らしにできる限り支障が生じないよう、全庁体制で必要な支援策を講じ、市民の皆様に速やかに支援が行き届くよう取り組んでまいります。
○山下隆夫君
 よろしくお願いいたします。三井化学の市村社長は15日の会見で、ナフサなどの石油関連施設も攻撃を受けており、ホルムズ海峡が通れるようになっても、元のように供給されるのは難しいと述べておられます。攻撃を受けた石油関連施設の復旧には数か月から最大2年間を要するという見方がされています。
 建設関係や中小零細経営はもとより、戦後最も大きい連鎖倒産や自己破産に至るケースが懸念をされています。企業を専門にした国内の各種信用調査会社の調査でも、ナフサ倒産の連鎖が現実味を帯びていることが懸念されています。
 中小企業や個人商店が減少すれば、雇用の場が失われ、若者の大都市への流出が加速をする、そういった恐れがございます。影響が表面化してから動くのではなく、適宜適切な中小企業支援対策を講じていただきたいと思います。
 市民生活への影響につきましては、追加提案の補正予算により、物価高騰に直面する市民生活の負担軽減対策に要する予算が組まれていますけれども、企業は既に上昇したコストを十分価格に転嫁できておらず、流通の末端に行くほど、これからしばらく値上げは継続し、少なくとも今年度中は物価上昇が継続するだろうと見込まれています。市民生活への影響は今後ますます深刻化するのは必須の状況であります。
 特に物価高騰により影響を受ける低所得世帯、子育て世帯等に対する実効性の高い新たな支援策を講じることを求めて、私の質問を終わります。保健部の皆さんには御準備した答弁が活用できず申し訳ありませんでした。以上で終わります。(拍手)
○副議長(江村卓三君)
 以上で、本日予定された一般質問は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
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