録画中継

第2回定例会
6月23日(月) 本会議(一般質問3日目)
日本共産党 下関市議団
片山 房一 議員
1.小中学校の統廃合について
2.旧統一教会の公共施設使用について
3.放課後児童クラブの民間委託について
【下関市議会 本会議確定版】


○議長(林 真一郎君)
13番、片山房一議員。(拍手)
〔片山房一君登壇〕
○片山房一君
日本共産党下関市議団の片山房一です。今日は、三つの項目で質問いたします。まず最初は、小中学校の統廃合についての質問です。今定例市議会文教厚生委員会に、第4期の下関市立学校適正規模・適正配置基本計画案が報告されました。今後は、7月にパブリックコメントや地元説明会が行われ、8月に教育委員会で審議、9月定例市議会で報告し公表され、この計画に基づいて学校統合が進められます。豊浦町では、今の小学校5校が2校に統合される計画です。
この計画に、地域づくりとの連携や、地域存続の視点からの見直しを求める質問をします。豊浦町では、地域ごとの小学校が必要不可欠な存在であるとしていました。そのため、児童数が減少していくことは予測されていましたが、学校を整備した経緯があります。
豊浦町の一番北に位置する宇賀小学校は、1999年、平成11年、26年前に建て替えられました。26年前の建設ですが、全教室エアコン設置、トイレは洗浄便座、小便器も自動水栓、宇賀出身の東大教授が寄贈する天体望遠鏡受入れのための天体観測の教室など、今でも他校に引けを取らない小学校です。
南に位置する室津小学校は、1996年、平成8年、29年前に移転・新築した小学校です。豊浦町内の小学校の運動場で、直線で100メートルトラックを取れる運動場がなかったことから、室津小学校はそれが取れる運動場を整備しました。校舎もゆったりとしたすばらしい校舎になっています。
それぞれの学校に、地域の歴史と子育ての願いが籠もっています。小学校がなくなることは、遠からず地域がなくなることにつながります。
今下関市は、移住定住を市の重点課題として取り組んでいます。学校とともに地域が存続していくことを探求するのが、行政の仕事ではないかと考えます。児童数を維持する市としての総合的で積極的な手だてを執らず、子供の人数が減ったからと教育委員会が統合を提案し、地域がやむなく同意しているのが現状です。
実際に豊浦町に転入してきたが、学校が統合されるとは知らなかったという転入者がいることも事実です。子供たちのためにと言いながら、少人数のきめ細かい指導のできる学校をなくし、長い通学距離の通学を押しつけ、子供たちのふるさとをなくしていくことを教育行政がしている。私はこのように思います。
この私の見解についてどのように考えるのか、教育委員会の見解をお聞かせください。
○教育長(磯部芳規君)
学校と地域が存続することを探求するのが行政の仕事ではないかという御質問に対して、お答えいたします。地域住民から見た学校は、地域社会の将来を担う人材を育てる中核的な場所であるとともに、防災や地域の交流の場など、様々な機能を有している側面もあり、学校とまちづくりが関わっていることは承知しているところでございます。
しかしながら、学校は児童生徒の教育のために設置されている教育機関でございます。少子化に伴い、学校の小規模化が進行する中、将来にわたって義務教育の教育水準の維持向上を図り、子供たち一人一人の生き抜く力を育てることができる、よりよい教育環境を実現することは、教育委員会の責務だと考えております。
○片山房一君
それでは、豊浦町で統合の対象になっている宇賀小学校、小串小学校、室津小学校の児童で、指定校変更を認められ、住所地の校区外に通学している児童の人数を学校別にお聞きします。
○教育長(磯部芳規君)
市立小中学校における指定校変更につきましては、学校教育法施行令第8条及び下関市立小学校及び中学校の通学区域に関する規則第4条において、特別な理由がある場合は、保護者の申立てにより他の通学区域の学校に通学することができるとしております。なお、特別な理由には、学年途中の転居はもとより、家庭の事情や教育的配慮といった個々の事情が含まれております。
指定校変更した児童生徒のみならず、保護者にとって、他者に触れられたくないといった願いを持った方がいらっしゃいます。人数を公表することにより、対象児童生徒及び保護者が特定される可能性がありますので、児童の学校別人数については、回答を差し控えさせていただきます。なお、豊浦町全体では、511人中32人が対象になっております。
○片山房一君
私は別に個人の名前を言ってほしいと言っているわけではないのですよ。学校統合するときに、当然そこに子供たちが何人住んでいて、そこの学校に通っているか、それは基本的なデータとしてもちろん当然持っていらっしゃる。
そのことを共有しなければ、今から地域で説明会をしても、共有できる材料がないではないですか。そのことがなぜ学校別に公表できないのかということは、私にはちょっと理解できない。本当にその地域をどうやっていこうかということを考えるとき当然必要な数字です。別に個人名を挙げてその人がどうこうということを言っているわけではないということは言っておきます。
それにしても豊浦の中で32人が、いわゆる校区ではないところに指定校変更を認められて通っているということ。そこに住んでいる実感としては、宇賀とか小串の子供たちが多く川棚小学校に通っているという実態は、地域の人もみんな感じております。
指定校変更が保護者の意思だけでできるものではないということなのですけれど、32人が、豊浦の規模で32人がほかの学校に通っている実態。これは、教育委員会が小規模校があたかも子供にとって不利益があるかの印象を与え、統廃合の計画を発表し、やがてその統廃合の計画どおりに統合されるのであれば、統合先の学校に通学させたい。そういう思い込みをさせた結果だと私は考えます。改めて小規模校のメリット、デメリット、これをお聞かせください。
○教育長(磯部芳規君)
では、小規模校のデメリット、メリットについてお答えいたします。教育委員会といたしましては、全ての学校において、子供たちに生き抜く力を育てることができる教育環境の実現を目指しております。
小規模校には、きめ細かな学習指導が行いやすく、子供たち一人一人に、学習や学校行事で活躍できる場が多くあるという特徴があると考えております。
一方で、学校や学級の児童生徒数が少ないために、多様な考えに触れる機会が少なかったり、体育の授業において、集団スポーツの活動内容が制限されたりする等の課題があると考えております。
教育委員会では、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて思考力や表現力、判断力、問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身につけさせることが重要であると考えており、そのために一定の学校規模を確保することが必要であるとの考えの下、計画を策定しているとしております。
○片山房一君
複式学級の先生だった方に聞くと、35人のクラスよりも、複式学級のほうが子供たち一人一人に合った豊かな教育ができると言われました。
教育長は、教師経験者として複式学級にどのような認識を持っていらっしゃるのですか。お答えください。
○教育長(磯部芳規君)
現在、下関市では、少子化における小規模化が進み、複式学級を有する小中学校は、小学校で10校、中学校で2校の12校となっております。
そこで複式学級でございますが、一人の教員が二つの学年を担任いたします。異なる学年が同じ教室で学習や生活をする中で、子供たち一人一人にリーダーとしての自覚を持たせたり、主体的に学習する力を育んだりすることができる。
そういった反面、担任が複数の学年を同時に指導する際に、自分たちで行う学習活動の時間が多くなるなどの課題もあると感じております。教育委員会といたしましては、複式学級や小規模校で行われてきた特色ある教育活動のよさを生かし、多くの人の中で学び、多様な考えに触れることで、自分の可能性を広げることができる、よりよい学びの環境の提供を目指して、適正規模・適正配置計画を推進していきたいと考えております。
○片山房一君
私は今まで、何度かこの議場で、小規模特認校制度を下関市でできないかと質問をしてきました。大規模校になじめない、あるいは、小規模校で子供の個性を尊重する教育を希望する、自然豊かな環境で教育を受けたい、そんな子供たちを市内全域から受け入れる制度です。
小規模校存続にも役立つ制度として各市で取り組まれてきましたし、今も取り組まれています。しかし、私がこれまでこの議会でその提案をするたびに教育委員会は否定されました。しかし今、うつい小中学校でその制度が導入されています。どのような目的で内日で導入したのか、それを市内の存続を願う小規模校に拡大できないかを質問します。
○教育長(磯部芳規君)
小規模特認校制度を持つうつい小中学校に導入した理由といたしましては、市内のほぼ中央に位置していること。自然環境にも恵まれた小規模校の特性を生かすことができる環境にあること。また、義務教育の水準を維持していくためには、一定の児童生徒数及び適正な職員数を確保する必要があることから、小中一貫教育校となる時期に合わせて特認校としたものでございます。
小規模特認校制度の評価といたしましては、転入学した子供や保護者、教職員や地域住民へのアンケートや聞き取りから、少人数で、内日の豊かな自然や特色ある教育活動の中で学び育ちたいという願いをかなえることができるなど、一人一人の状況に寄り添った学びが提供できていると評価しております。
また、制度導入後、小学校におきましては10人、中学校においては6人の児童生徒が本制度を活用して転入学しております。本年度は、小学校1年生、2年生の複式学級が解消されるなど、小規模校の課題の一つである児童生徒の減少についても成果が見られています。
特認校制度でございますが、通学区域制度の弾力的運用に係る学校選択制の一つでありますので、様々な要因を検討した上で指定するものでありますので、現在のところでございますが、現在のところ新たに指定する予定はございません。
○片山房一君
今やり始めたばかりで、なかなか評価としては確立したものがないかもしれませんけれど、今教育長がおっしゃったように、一定の様々な好評を得ているという、評価が出ているということがあると思います。ぜひ、市内のほかの場所、むしろ交通の便利のいいJRの沿線、豊浦はまさにそういう地域なのです。そういうところでも、この小規模特認校制度が活用できないかどうかを検討していただきたい、このように思います。
次に、いわゆる子供自身とか、地域の住民の参加、これがどう図られるかというところです。学校統合の計画であっても、地域づくりや、移住定住などの地域に関する様々な市役所の中の関係部局と、地域住民が膝を突き合わせて協議を重ね、計画をつくっていく必要があると思います。教育委員会がつくった計画の是非を問うことが、本当の意味での住民参加や住民合意ではないと考えます。地域の現状を語り合うことから協議する仕組みが必要と考えます。
このことについて、教育委員会ではどうお考えでしょうか。そして、市民参画を担当する市民部の見解、これも伺います。
○市民部長(山田之彦君)
先に、地域住民の参加という条例を所管しております市民部から回答させていただきます。下関市では、平成17年2月に下関市市民協働参画条例を施行し、市政の主人公は市民であるという基本理念の下、各種審議会等の設置や直接市民と話合いの場を持つなど、広く市民の意見を求める努力を続けております。
また、この条例の第9条において、市民参画の方法を示しており、主な方法には説明会の開催、アンケートの実施、ワークショップの開催、審議会の設置、そしてパブリックコメントの実施などがございます。
特に、地域性を有する施策においては、対象となる地域住民の皆様の参加が得られるように留意しながら、担当部署において、実施時期、対象者も含め、できる限り市民の皆様に広く効果的に参加していただける手法を用いて実施すべきものと考えております。
○教育部長(門田重雄君)
下関市立学校適正規模・適正配置基本計画につきましては、このたび、審議会から答申を受けて計画案を取りまとめたところでございます。今後、パブリックコメントとともに、地元説明会の開催を予定しており、保護者や地域の住民の皆様からは、子供たちの教育環境という観点のほか、まちづくりなど様々な観点から、学校統合等に関する御意見があるものと考えております。
教育委員会といたしましては、まずは本来の目的である教育環境の観点による議論を経て、計画案をお示しすることが適切な進め方であると考えております。
○片山房一君
今おっしゃったような形で、本当にそこに住んでいる人たちの意見を聞いていく。その中で、本当に今の案のものを練り直していく、そのことをしていただきたいと思います。地域の意見、大人の意見を聞くとともに、子供の意見を聞くことは必須です。令和5年に制定されたこども基本法に子供の意見を聞くことが明記されています。基本法第3条基本理念の項で「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会活動に参画する機会が保障されること」となっています。
子供の意見の一つの例を紹介いたします。このパンフレット、豊浦町青少年育成町民会議が主催して、私の主張発表大会というのを毎年しています。その記録集です。この中にちょうど、宇賀小学校の6年生が宇賀の児童数を増やすためにということで、作文をしております。
この中で――これ全部紹介するわけにいきませんので、はしょって紹介させていただきますが、僕が通っている小学校は児童が少なく、宇賀小学校がなくなってしまうかもしれません。そうならないために、宇賀の児童数を増やすために何ができるかをまとめてみましたということで、一つ目には、宇賀の魅力を伝えるホームページを作ること、そして二つ目には、使われていない土地や自然を活用すること、そして三つ目は、空き家を活用すること。
そういうことを通じて、住んでくれる人を増やしていって、子供たちの数を増やしたらいいという提言です。そして、最後のところにこういうふうに書いてあります。僕は、3年生のときに宇賀小に転校してきましたが、本当ににぎやかで楽しく面白い学校生活を送ることができました。僕はもうすぐ卒業しますが、そんな宇賀小がなくならないために、今回考えたことが実現できるよう、自分にできることを頑張っていきたいと思います。こんな作文です。
よく子供の意見を聞いてもなかなか、ないんじゃないかとか、今までも教育委員会の方が、子供の意見は保護者を通じて聞いているから、直接に子供の意見を聞く機会は必要ないというようなことをおっしゃっていたこともあります。しかし、今のことを紹介すれば、子供たち自身が本当に自分の生まれ育ったこの地域をどうしていきたいのか、学校もなくしてほしくない、そんな思いをきちんと語れるわけです。
ぜひ、学校適正規模・適正配置基本計画案、この案をつくる過程でも、今後の案から正式な計画にする過程でも、今のところ子供の意見表明の機会は全く保障されていません。このまま計画として成立されるならば、こども基本法の基本理念を無視した計画になると考えますが、いかがでしょうか。教育委員会の考え方、そして、このこども基本法を担当するこども未来部の見解を問います。
○こども未来部長(栗原紹子君)
それでは、まずはこども未来部からお答えしたいと思います。こども基本法におきましては、子供の健やかな成長への支援や結婚、妊娠、出産、子育てに対する支援を主な目的とする施策に加え、教育を含む幅広い施策においても、対象となる子供等の意見を施策に反映するために必要な措置を講ずることが求められております。
また、こども家庭庁におきましては、子供、若者の意見の政策反映に向けたガイドラインを作成しておりますが、子供の意見を聴取する手法が様々ある中で、教育委員会におかれましても、こども基本法の趣旨を踏まえまして、今後計画を策定されるものと考えております。
○教育部長(門田重雄君)
先ほど答弁いたしました地元説明会につきましては、参加者から御意見を伺うため、アンケートを実施したいと考えております。パブリックコメント、地元説明会の機会において、保護者などを通じて子供たちの意見を把握することもできます。また、教育環境に関する子供たちの意見を聞くためのアンケート調査も実施を検討しております。
教育委員会といたしましては、こういった手法を経て、こども基本法の趣旨に沿った計画策定に努めてまいります。
○片山房一君
今までの、子供の意見を聞く事がほとんどないことに比べれば、多少前進するような考え方かとは思いますけれど、本当に子供たち自身がこんなふうにきちんと自分のこと、地域のことを考えているのです。本当に聞く姿勢でもって取り組んでいただきたいと思います。子供の意見表明の機会をつくらないで、基本計画の制定はあり得ません。本当に直接子供からの意見を聞くことを実施することを強く求めたいと思います。
同時に、今後この案の地域説明会やパブリックコメントが予定されていますが、これらが、住民の意見を聞いたとするアリバイづくりではなく、出された意見に真摯に向き合い、小手先の字句訂正にとどまらない、計画の練り直しを含めた検討をされるよう要望しまして、次の質問、旧統一教会の公共施設の使用についてに移りたいと思います。
4月30日に下関市生涯学習プラザ指定管理者が、旧統一協会に対し生涯学習プラザ使用不許可通知をしました。旧統一教会、今回の使用申請者は、世界平和統一家庭連合下関家庭教会となっていますが、旧統一教会が名前を変えた団体です。
旧統一教会は、反社会的な活動をしてきた団体であり、公共施設の使用許可をしないことを市として決定したことを歓迎します。私は昨年6月、やはりこの場この定例市議会で、旧統一教会に何年にもわたって施設を貸し続けていることは間違っていると指摘しました。福岡市や水戸市など、市の施設を貸さない自治体の例も示し、貸さないよう要望しました。
しかし昨年は、貸し出すことの正当化をする答弁を繰り返しました。今回なぜ貸し出さないとの判断をしたのか、その理由を確かめ、今後も貸し出さないとの姿勢を貫いていくことを確認したいと考え、質問をいたします。最初に、今まで使用許可をしていた理由を聞きます。
○教育部長(門田重雄君)
使用を許可していた理由につきましては、その時点では、法令等に照らして公の施設を利用することを拒む正当な理由がなかったため、使用を許可したものでございます。
○片山房一君
今回使用許可をしないとした理由を教えてください。
○教育部長(門田重雄君)
東京地方裁判所から団体に対して、解散命令が出されたことにより、当該団体が使用することで施設の管理運営上支障があるとの判断に至ったため、使用を許可しないこととしたものです。
○片山房一君
旧統一教会が、使用不許可を不服として、下関市長に審査請求を出しています。旧統一教会が、使用不許可が不当だと主張する理由、根拠を教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
今回審査請求人になりますけれども、こちらは憲法第21条の趣旨に反しているため、当該処分を無効であると主張をしております。
○片山房一君
今後、審査請求はどのように取り扱われるのでしょうか、伺います。
○総務部長(笹野修一君)
当該審査請求につきましては、行政不服審査法の規定に基づきまして、現在審理員を指名し、審理手続を開始したというところでございます。
○片山房一君
今から市の審査が進められるということですけれど、先ほども言いましたけれど、今後も旧統一教会には下関市の公共施設を貸し出さない、この姿勢を変更することなく毅然とした対応をすることを再度求めまして、次の質問に移ります。
放課後児童クラブの民間委託です。6月18日、北九州市若松区で、放課後児童クラブの運営の委託を受けていた団体の元事務局長が、1,000万円を着服していたとの報道がありました。民間委託には、このようなリスクもあることを改めて認識しました。
さて、通告をしている質問です。下関市は、来年4月から2,500人を超す子供たちが利用している放課後児童クラブの約半分の運営を民間委託する計画で作業を進めています。現在の進捗状況を質問します。
○こども未来部長(栗原紹子君)
放課後児童クラブの民間委託の拡充に向けまして、進捗状況といたしましては、現在、公募型プロポーザル方式による事業者選定の準備を進めているところであり、近日中に公告を行う予定でございます。
今後、事業者の選定のほか、職員をはじめ、利用者である子供や保護者への周知など、令和8年度からの運営に向けた準備をしっかりと行ってまいります。
○片山房一君
児童クラブで働く支援員や補助員に対しての説明会資料で、民間委託の目的を支援員や補助員の処遇改善、責任の所在が不明瞭な組織体制、あるいは専門性の確立、資質向上の困難性といった運営上の課題、待機児童問題を総合的かつ迅速に取り組む必要があるためとしています。
まるで他人事のような説明です。いずれも市が責任を持って取り組むべき事柄です。責任の所在が不明瞭な組織体制と指摘していますが、組織体制のトップは、こども未来部であることを忘れているかのような記述になっています。市が責任を持って解決すべき課題です。
今までの、市が責任を持つ運営では、児童クラブの運営ができないとの判断をしているのでしょうか。お答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
放課後児童クラブにおきましては、組織体制、職員の処遇、専門性や資質の向上といった諸課題に加えて、待機児童の問題を抱えております。これらは、本市が直面し続けてきた課題でございまして、本市議会においても多くの御意見をいただいてまいりました。
民間委託によるクラブ運営の拡充は、民間事業者の有する専門性を生かし、放課後児童クラブにおける諸課題に、迅速かつ総合的に対応することを目的としているものでございます。
○片山房一君
では、民間委託された場合、児童クラブを利用する子供たちにとって、どのような変化があるのかお答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
放課後児童クラブの運営におきましては、直営、委託にかかわらず、子供への適切な遊び及び生活の場を与え、子供の状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図っていくことが必要とされております。
そのため、そのどちらにおいても、児童クラブを利用する子供たちにとって違いが生じないことが重要でございますが、民間委託することによって、事業者の実績やノウハウといった専門性が生かされることで、支援員、補助員の資質向上、あるいは子供たちや保護者にとって、より質が高く均質なサービスを提供される可能性が期待されるものと思っております。これにより、子供たちにとって、より充実した放課後の活動、居場所の確保につながるものと考えております。
○片山房一君
基本的には、民間委託したところだろうが、直営のところだろうが、サービスの中身が変わってはおかしいわけですし、変わらないということが基本にありながら、より高いレベルのサービスができていくのではないかという希望も持っているということだと思いますけれど、先ほど言われた待機児童の解消が今回の民間委託の主な大きい狙いだということをおっしゃいました。
では、民間委託が既にされている垢田児童クラブ、この垢田児童クラブで今年の5月1日現在、待機児童数4人となっているということは事実ですね。
○こども未来部長(栗原紹子君)
今手元に資料がございませんが、そのように発表しているかと思います。
○片山房一君
そのような発表がされています。実際に待機児童の解消のためにと言いながら、垢田児童クラブでは待機児童がいる。委託を受けた業者が、数人の待機児童解消のために、新たな職員を雇用するとは思えません。基準をクリアするぎりぎりの職員数で運営しようとするのが当然だと思います。
むしろ、経済性を優先しない市直営の施設のほうが、本来待機児童を解決しやすいはずだと私は思います。今進行中ではありますけれど、民間委託の再考を求めたいと思います。民間委託をすることで、年間1億6,000万円の事業費の増額になります。市の支出が年間1億6,000万円増える、その主な要因は何ですか。
○こども未来部長(栗原紹子君)
放課後児童クラブの民間委託の拡充に伴う事業費につきましては、支援員等の指導、助言等を専任で行うエリアマネジャーといった責任者の配置など、専門性の確保や資質の向上、さらには組織体制を充実させるための人件費が主な増額要因となっております。
○片山房一君
今までにないエリアマネジャーだとか、常勤の統括責任者など、新たな体制をきちんと確立していくんだ、そのために経費が増えていくんだということだと思います。今の答弁にあったそういう改善、これは今までどおりの市直営の児童クラブでも必要な改善だと思います。必要だからそういうふうに委託業者に指示をしていくということだと思います。直営の児童クラブでも、民間委託と同等な施策が実施されるのでしょうか。
○こども未来部長(栗原紹子君)
民間事業者に対して、エリアマネジャーといった責任者の配置を求める一方で、現在、放課後児童クラブでは、教職経験を有する相談員を子育て政策課内に配置し、支援員等の指導、支援を行っているところでございます。
放課後児童健全育成事業の実施主体者である市といたしましては、責任を持って直営と民営を両立させていかなければなりません。直営の放課後児童クラブにつきましても、引き続き組織体制の強化とクラブの安定運営に向けて取り組んでまいります。
○片山房一君
今の説明、分かったような、分からないようなところがあります。民間に求める組織体制と同じものを市でも必要だと思いますから、市でもそういう体制をきちんと確立するのかどうかについて明確にお答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
先ほど申し上げたとおり、児童クラブにつきましては、教職経験を有する相談員を課の中に配置しております。この相談員が、民間も情報共有をしながらも、直営に対しても指導とか支援とかをしていくということをお答えしました。
○片山房一君
今その方は実際にいて、そういう仕事をしていらっしゃるのですね。
○こども未来部長(栗原紹子君)
今、課内の中には2名おりまして、その2名が下関市内の児童クラブを訪問して、支援とか、相談に対応しております。
○片山房一君
今そういう体制があるその中で、いろいろな課題が出てきている。それを解消するために、民間委託をするという計画ですよね。今では不十分なのでしょう。だから、民間委託をして体制をきちんとしたものを民間委託業者にしてもらう。それと同じことをなぜ市直営でもやらないのですか。ぜひそのことを、きちんとやっていただきたいということを要望いたします。
現在、児童クラブで働いている支援員、補助員への説明資料でも、民間委託の目的の一つに、支援員や補助員の処遇改善を挙げています。今年2月、この前の定例市議会で私の個人質問に対しても支援員・補助員といった職員も、受託者に引き継ぐことを想定しております。職員の引継ぎに際しては、給与水準や休暇をはじめとする処遇面なども低下することがないよう、最大限配慮してまいりたいと考えておりますと答弁をいただきました。
これから行うプロポーザル方式での業者選定で、委託内容を示す仕様書に給与水準や休暇等、処遇面を維持することがきちんと書き込まれていると思いますが、確かでしょうか。
○こども未来部長(栗原紹子君)
民間事業者がクラブ運営を円滑に行えるようにするとともに、また、子供たちが安心して放課後を過ごせるようにするためには、支援員や補助員の継続雇用に配慮することが必要であると考えております。
事業者の選定に向けたプロポーザルの公告前であることから、具体的な内容の答弁は差し控えさせていただきますが、事業者における支援員等の給与、勤務時間などの勤務条件につきましては、直営により市で任用する職員の勤務条件と均衡を欠くことがないよう最大限配慮してまいりたいと考えております。
○片山房一君
最大限配慮、その中身は、やはりそういう均衡を欠くようなことがあれば、きちんと指導していくということを含めていただきたいと思います。民間委託予定の児童クラブは、長府、山陽地区のCブロックと、川中、勝山、山陰地区のEブロックです。
これらの民間委託対象ブロックの児童クラブで働いている方が、民間委託対象ではない、直営ブロック内での児童クラブでの勤務を希望する場合の雇用の継続について伺います。
○こども未来部長(栗原紹子君)
民間事業者によるクラブ運営を円滑にスタートさせるためには、委託対象となるクラブで勤務している支援員や補助員を引き継ぐことが望ましいことと考えておりますが、職員本人の勤務の意向を尊重する必要もございます。
事業者を決定した後とはなりますが、現在市で任用する放課後児童クラブの全職員に対しまして、具体的な勤務条件等をしっかりと説明しまして、それぞれの意向や事情を聴取した上で、直営、民営ともに、その運営体制を整えてまいりたいと考えております。
○片山房一君
分かりました。市内の児童クラブが直営と民間委託の二つの方式が並行することになります。保育料、開場の日、時間は同じ、入会の決定や保育料の徴収や問合せ先も市の子育て政策課が担当します。児童クラブで働く人が市の会計年度任用職員なのか、民間企業の職員かの違いです。子供たちにとっての保育の内容や水準は違ってはならない。公平な保育内容は維持されるとおっしゃいました。そのためにどのような取組を予定されているのかお答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
先ほども申し上げましたが、放課後児童健全育成事業の実施主体者は市であり、責任を持って直営と民営を両立させていかなければならないと思っております。そのため、民間事業者との情報交換や連携を密にすることで、放課後児童クラブを利用する市内全ての子供たちがよりよいサービスを受けられるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
○片山房一君
この定例の市議会の中でも何度も、そして先ほども保護者に対して民間委託についてなるべく早い時期に説明会をするとおっしゃっています。事業者公募前にすべきだと思いますが、せめて民間委託業者決定前など、なるべく早い時期に実施すべきだと思いますが、いつ実施する予定かお答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
放課後児童クラブの民間委託の拡充に向けまして、利用者である子供、保護者への周知などにつきましては、事業者を決定次第速やかに実施してまいりたいと考えております。具体的には、8月または9月頃に実施を予定しております。
○片山房一君
8月か9月頃の予定、当初は年明けにというようなことも、されていたことに比べれば、早くはなったということですけれど、なるべく早い時期に本当にきちんと説明をしていただきたいと思います。
先ほども言いましたけれど、このことについて、本当に子供たち自身のことについて、子供の意見を聞くことは必須です。こども基本法に子供の意見を聞くことが明記されているという例、先ほども言いましたけれど、やはりまだまだこの市の中で徹底していないと思います。
もう一回読ませていただきます。全ての子供について、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が保障されること、となっています。児童クラブの民間委託について、この機会が保障されていると言えるでしょうか。こども基本法の理念を市政の様々な分野に生かす担当の部は、こども未来部です。こども基本法の理念を伝えるべきこども未来部が、今回の児童クラブの民間委託計画で、子供が意見表明をする機会をどのように確保する計画かお答えください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
子供の意見の聴取につきましては、こども基本法の趣旨を踏まえ、放課後児童クラブの運営や保育サービスをより充実させていくために、今後アンケートを実施してまいりたいと考えております。
子供の答えやすいように、例えば、放課後の活動でやってみたいことは何かなど、例えば、放課後の居場所として児童クラブがどうあってほしいか、などなど。意見の聞き方を工夫することで、子供たちの声にしっかりと耳を傾けてまいりたいと考えております。
○片山房一君
今後、民間委託業者をプロポーザル方式で募集し、審査し決定されます。応募業者の提案が下関市の子供たちにとって、現在の市が責任を持つ直営方式と同等、もしくはより高い水準で子供たちの成長を保障するものとなっているか。
そして、そこで働く人の処遇が低下することがないか。また、医療的ケアや発達障害など、特別な支援を必要とする子供を受け入れる専門的支援体制の確保について、配慮がされているかなど、これらを厳正に審査し、適正な事業者の該当がない場合は、来年4月からの民間委託を見送ることも含めて、慎重に対応することを求めまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
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