録画中継

第2回定例会
6月20日(金) 本会議(一般質問2日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.周辺地域を含めた市全体のまちづくりの方向性
2.地域おこし協力隊
3.会計年度任用職員
【下関市議会 本会議確定版】


○議長(林 真一郎君)
8番、桂誠議員。(拍手)
〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
日本共産党下関市議団の桂でございます。初めに、周辺地域を含めた市全体のまちづくりの方向性について質問します。最近、私が聞いた阿川での話を紹介します。「近頃、子供を見らんごとになったのう。寂しいのう」「そりゃあ、阿川の学校がのうなって、滝部1つになったほじゃから子供は見りゃせいんな」というのを聞きました。小学校、中学校が統合され、それぞれ豊北中学校、豊北小学校となり、さらにスクールバスで通学するので登校、下校の子供の姿を全く見なくなりました。
また「そねえいや、近頃、とんと赤ちゃん見らんようになったのう。見るそは、じいさん、ばあさんばっかりであ」「阿川には今、赤ちゃん2人しかおりゃせん。あそこの兄弟2人だけじゃ」まさに少子高齢化の見本のような状況です。
また、学校など人が集まる施設もどんどん使われなくなり、空いている公共施設は約28あります。どの過疎地域も同じ状況と思います。
しかし、自分たちで地域を盛り上げていこうという流れもあります。私が住んでる阿川では、いろいろな楽しい行事が行われているので紹介します。阿川振興協議会と阿川自治会長会が協力、その他の団体が協力して、秋には「阿川ふるさとまつり」が行われます。阿川だけでなく、いろいろな地域の方が集まり交流があります。餅まきもありますが、この餅は自分たちでついて、丸めて、袋に入れたものです。準備に大変時間がかかりますが、みんなでワイワイやるのがとても楽しい。阿川文化クラブのグラウンドゴルフ大会はお隣、長門市からも参加があります。
阿川地区社協も頑張っています。年2回のグラウンドゴルフ大会、多世代交流会などを開催しております。3月の多世代交流会では、阿川の子供たちからお年寄りまでが参加してゲームなどをしました。実に126人の参加があり大盛況でした。阿川の中で126人が集まってイベントをしたわけです。私も綿菓子の体験コーナーをしました。楽しかったです。
このように人は少なくなってきていますが、住民は地域を盛り上げていこうと頑張っています。その一方「今更この豊北町で何やっても、もう手遅れや」という声があるのも事実です。
そのようなときに第3次下関市総合計画が発表されました。まちづくりの基本理念として、「可能性を築くまち」が挙げられています。そして、「誰もが安心して未来を描いていける環境を整え、各々が個性を活かし、輝けるまちを、下関で暮らす市民、活動する人たちと一緒に築いていく」とあります。
確かに、すばらしい理念が挙げられています。高い理念を掲げ、それに向かって行く活動こそ、下関市をよくすることになると確信します。そして、地域別まちづくりの方向性としてゾーンを形成し、それぞれに目標を持たせています。
地域で見ると、都市拠点ゾーン、海岸環境共生ゾーン、田園環境共生ゾーンです。これは、ゾーンの考えを基盤にして、下関市全体で下関市のことを考えていこうとするものだと私は理解しました。また、合併後20年がたち、広くなった地域を市全体として有効活用していこうということだと思います。そして、市の抱えている問題である人口減少、空き家対策、人口集中のアンバランスを、市全体で考えて解決していこうということだと思います。
市長自ら、二拠点生活を実現されたと聞きました。人のシェア――人を分散させることを考えてのことだと思います。
そこでお尋ねします。多くの課題がある中で、全市的に取り組んできたまちづくりについて、全体を総括してどう評価するのか、お示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
本市がこれまで取り組んできたまちづくりの評価につきまして、令和6年度に終了いたしました第2次下関市総合計画後期基本計画の結果に基づき、お答えします。
各種施策における目標指標として87項目を掲げ、まちづくりに取り組んでまいりました。実績で申し上げますと、コロナ禍の影響もありましたが、全87項目のうち目標を達成した項目、及び目標達成には至らなかったものの現状値に対して効果が見えた項目を合わせると46項目、半分以上の項目で成果を挙げており、まちづくりは着実に進んでいるものと認識しております。
ただ一方で、成果を見いだせなかった諸施策については要因などを検証し、第3次下関市総合計画において取組の方向性に反映しております。
○桂 誠君
半分以上の効果があったということは、かなりの進歩じゃないかと僕自身は思います。でも、まだ課題もあるわけですので、それに取り組んでいただきたいと思います。
少子高齢化が進み、産業が衰退し、荒れた農地が増える現状を見たとき、住民の心もすさんでしまいます。さきに紹介した「今更何をやっても駄目や」もそうですが「働くところがなあけえ、若者が帰ってくるわけなかろうが」「こねえ年取って何をせいちゅう言うほかや」「合併のとき下関じゃなあで、長門市と一緒になっちょきゃよかったほに」などなど、マイナス思考のスパイラルに入ってしまうのです。こうなると地域が持っている財産、魅力、力が見えなくなってしまいます。
美しい自然があります。魅力的な伝統や文化があります。自然を生かした農業、漁業、林業もまだまだ続いています。これらに目が行かなくなり、地域に住み、生活している自信と誇りをなくしてしまうのが一番恐ろしいことです。
第2次下関市総合計画の後期にもいろいろな事業が実施され、それぞれの成果が挙がっています。市中心部や総合支所での地域再生計画は、地域の持っている力に気づかせてくれた事業だと思います。また、周辺部では行政に捨てられていないことを確信した事業でもありました。自分の住んでいるところの魅力を再確認し、まだまだ捨てたものではないな、そんな思いにさせてくれました。
私の住んでいる豊北町では、リノベーションのまちづくりが3年目に入りました。いろいろな事業が行われ、成果が現れています。空き家紹介の会社を立ち上げた方もおります。自分たちでやってみようという機運が生まれています。何をやっても駄目という考えから、何かやってみようという気持ちが芽生えてきています。住民の意識改革にもつながっているのではないでしょうか。
そこでお尋ねします。地域再生計画の果たした地域住民の意識の変化や、心情面の効果についてどのように考えているのか、お示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
地域再生計画事業におきましては、地域の資源や人材など既にあるものを生かし、おのおのが持つポテンシャルを発揮させ、新たな価値を生み出すことは、地域住民に様々な意識と心情の変化をもたらすものと考えております。
具体的には、自分たちの地域は自分たちでつくるという当事者意識の向上、地域資源の再発見や新たな価値の創造など、ふるさとの魅力の再認識による地域への愛着や誇りの高まり、そして、事業推進の中で、住民間の連携や交流は地域の一体感の醸成につながるなど、地域住民に大きな影響を与えております。
これらは、地域住民が前向きにまちづくりに取り組むきっかけになったと思います。
○桂 誠君
いろいろな心情面の効果があったと思うのですが、私は当事者意識――自分たちの町は自分たちでどうにかしようという意識が生まれてきた。これが一番大事なことじゃないかと思うのです。
このように私は、この地域再生計画は地域再生の助走役だと考えています。この後、自分で走り出すのはそこで生活している住民です。住民が自覚し、住民が行動しなくては、本当の再生にはなりません。
そうは言っても3年間の事業が終わりました。「はい、あとは住民ですよ」というのも違うと思います。官民連携という基本的な考えの下、これからは表に出ない行政の役割が必要です。裏方とでも言いましょうか。これからは、これからを見守る役です。第3次下関市総合計画期間中においても、今進めているそれぞれのまちづくりをステップアップさせることが大切であり必要です。
そこでお尋ねします。第3次下関市総合計画の中で、民間主導、住民主体のまちづくりの取組や事業をどう進めていくのか。また、それを進めていくときの方向性と、行政の役割と施策はどのようなものと考えているのかお示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
第3次下関市総合計画に掲げる可能性を築くまちの実現に向けては、主役である市民をはじめ地域や企業、団体、行政が一体となって取り組むことが重要であります。その中で、各地域の再生につきましては、地域住民をはじめ、地域団体や企業等が主体的に取り組むことが必要不可欠でございます。
行政の役割としては、地域によるまちづくりに向けて機運を高めるとともに、地域が自立的に活動することができる環境を整え、また自立後においても、継続して活動できる仕組みや体制づくりに対して支援を行うなど、伴走的なサポートを担うものと考えております。
今後も引き続き、住民の皆様が地域への誇りと愛着を持ち、前向きにまちづくりに取り組むことができるようサポートしてまいります。
○桂 誠君
今の言葉の中で、伴走的な役割を果たすという言葉が大変すばらしいことと思います。一緒になって一緒に考えていく。そして、あくまでも住民が主体であるという、そういう考えの下でなければ地域の再生はできないだろうと考えております。
地域再生計画で成果を挙げていますが、この成果を持続させることが大切です。それを担っているのは第3次下関市総合計画です。行政と住民が一緒になり、住民主体の地域再生計画を目指す必要があります。根気強く、息長く頑張りましょう。
次の質問に移ります。地域おこし協力隊についてです。以前、豊北町に来られた地域おこし協力隊の方は、イノシシや鹿の狩猟を目的に来られました。狩猟免許を取られ、豊北町の猟友会に入られ活動されました。活動のまとめとして、狩猟体験を計画されましたが、応募者が予定人員の10倍だったそうです。3年間の活動を通じて、イノシシ、鹿の被害が多い農家の方から感謝されました。
総務省のホームページによると、地域おこし協力隊は都市地域から過疎地域などの条件不利地域に住民票を移し、農林水産業への従事、地域のブランドや地場産品の開発、販売、PR等の地域おこし支援や、住民支援などの地域協力活動を行いながら、その地域への定住、定着を図る取組です。
隊員は、各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年から3年ですとあります。大変よい制度で、ここ下関市でも生き生きと活動されている隊員を見ると、地域のために頑張ってくれてありがとうと、思わず言いたくなります。
私は地域おこし協力隊の効果として、一つは外から来た人の目を通じて地域のよさの再発見だと思っています。今までそこに住んでいるが故に、地域のよさを見過ごしている面もあると思います。それを再発見させてくれる存在だと思っています。
もう一つは、地域おこし協力隊の活動を通じて、地域の方が触発され、私たちも頑張ろうという気持ちになることだと思います。地域おこし協力隊の活動は、少子高齢化する過疎地域にとって一つの希望ではないでしょうか。ぜひとも、よりよい活動をしてもらいたいと思っています。
ここ下関市も、現在、8人の隊員がいるとのことです。この隊員がよりよく活動できるようにと考え、お尋ねします。募集にあたっては、分野別の募集をされているのでしょうかお示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
本市の地域おこし協力隊員の募集につきましては、中山間地域の地域力の維持強化を図るため、地域の資源や特性を生かした地域協力活動に重視してもらう分野と、本市のスマートシティ推進を図るため、デジタル人材の育成などの活動に従事していただく分野において募集を行っております。
○桂 誠君
どちらの分野も下関市にとっては大切な活動だと思っています。地域の再生もいるでしょうし、デジタルの向上もいると思います。様々な分野で活動されていると分かりました。
次の質問ですが、下関市で活動している地域おこし協力隊の活動内容はどのようなものでしょうか、お示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
現在、着任しております8名の隊員の主な活動内容といたしましては、まず、デジタル分野として、農作業ロボットの開発などスマート農業の推進や、プログラミング教育を通じたデジタル人材の育成に取り組んでおります。また、中産間地域におきましては、スポーツを通じた健康づくりや地域の活性化をはじめ、地場産品を活用した特産品の開発や市内産木材を使用したワークショップの実施、そして空き家をリノベーションしたシェアキッチンや民泊施設の開設、運営に向けた取組を行うなど、それぞれの地域の特性や課題に応じた幅広い地域協力活動を展開しております。
○桂 誠君
実に多くの分野で活躍されているのが分かりました。中でもプログラム教育に関わって楽しそうです。小学校、中学校でプログラム教育するわけですが、それに関わってくれると楽しいだろうと思いました。
フリーミッションでの募集もあると聞いていますが、どのような内容で、どのようなメリットがあるのでしょうか、お示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
本市における地域おこし協力隊の募集の中で、市が応募者に対し地域課題の解決に向けた具体的な活動内容を提示するミッション型と、応募者が市に対して、自由な提案やアイデアに基づく活動内容を提示する自由提案型の2種類がございます。
議員が言われているフリーミッションでの募集に当たる自由提案型のメリットといたしましては、応募者自身がこの地でかなえたい夢や希望に沿った事業計画に基づく活動となるため、隊員として着任した際、モチベーションを高め、積極的に挑戦ができることであります。
○桂 誠君
フリーミッションも、自分のやりたいことが初めから決まっているのですぐ走り出せると、そういうメリットもあるというのが分かりました。課題もありますけれども、そういうやる気を大切にしていくことも必要だと思いますので、ぜひともフリーミッションの募集もしていただきたいと思います。
地域おこし協力隊が活動するに当たり受入団体が必要です。この受入団体ですが、話を聞いてくれなかったり、隊員を従業員として使ったり、全くサポートしなかったりということも漏れ聞いています。その地域を知らない隊員にとって、受入団体は、活動を支えてくれる大きな力となります。しかし、受入団体の意識が低いと隊員が思うように活動できないことになります。
受入団体は市と隊員と協力して、隊員着任後のスムーズな活動開始や、そして任期終了後の定住、定着を見越した活動の実施をサポートしなければならないと考えます。
そこでお尋ねですが、受入団体の募集に当たりどのような要件を設定しているのか。下関市では、どのような団体が受入団体になっているのか、また、受入れに当たり受入団体向けの研修などを実施しているのかお示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
受入団体の要件及びどのような団体が受入団体になっているか、また研修はどうかというお尋ねでございますが、受入団体の募集に当たりましては、隊員が希望する活動内容が多様化していることから、できる限り、これに沿った受入れができるよう、特段要件は設定しておりません。
本市における受入団体といたしましては、地域資源を活用した産品の開発、販売を手がける事業者や、空き家問題やにぎわい創出など、地域課題の解決を目指す団体など多岐にわたっており、かつ地域との幅広いネットワークを持つ団体の皆様にお引き受けいただいております。
なお、その中には、地域おこし協力隊卒業者で、本市において起業された方もおられます。また、受入団体の研修につきましては、受入団体が実際に隊員を受け入れられる際に、地域おこし協力隊制度の目的や隊員の活動内容、活動経費の取扱い、そして最も重要である隊員が孤立しないようコミュニケーションを図ることなど、詳細な説明を行っております。
○桂 誠君
受入団体の重要性は、十分に認識されていると思いますが、やはり、今言われました孤立ということが一番恐ろしいことだと思います。ここに来て、活動しようというときに、孤立というのはその人を本当に駄目にしてしまうことだと思いますので、受入れ団体の選定に当たりましては十分御注意願いたいと思いますし、こちらの意義をしっかりと伝えていただきたいと思います。
隊員の悩みの一つとして課題の設定があります。地域おこし協力隊に入り、その地域に行ったはいいが、どのような活動をしたら地域協力活動となるのかさっぱり分からず、時間だけがたってしまったというケースも聞きます。課題設定に2年かかったという話も聞きます。地域おこし協力隊として活動したいという気持ちが、志が空回りしてしまうのです。受入団体の協力も必要でしょうが、その地域の課題を知っている行政のバックアップも必要と思います。
そこでお尋ねします。行政は、地域おこし協力隊員の課題設定や活動方針の決定にどのようなサポートが必要で、どのように援助しているのかお示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
地域協力活動のための課題設定や、それに向けた活動には、地域の実情を把握することが重要であります。そのような中で、まずは地域との関係構築が必要であることから、受入団体を通じて、地域の実情に精通した住民やキーパーソン、関係団体の紹介を行うとともに地域住民との交流を図るなど、支援を行っております。
また、活動方針の決定に当たりましては、着任半年を経過した際に、3年間の活動計画書の提出を隊員に求めているところですが、これに当たり、担当職員が隊員と面談の上、半年間の活動状況を踏まえ、改めて隊員がこの地でかなえたい夢や、希望に沿った実効性の高い活動計画となるよう支援を行っております。
○桂 誠君
隊員に対しては綿密な伴走、そして悩みを聞くとか、そういう温かい心を持って、そして細かく接していく必要があると思います。受入団体に丸投げするのではなく、行政も一つ一つ隊員と接して、考えて、一緒に活動していただきたいと思っています。
地域おこし協力隊の大きな目的として、その地域の定着、定住を図ることがあります。活動が終わった3年後を見据えた活動をしなくてはなりません。活動中は活動援助があり、生活に困りませんが、終わった時点から自分で生活していかなくてはならないわけです。できれば3年間の活動の延長で生活できるのが理想でしょう。しかし、現実は活動とは違う職業に就いたり、活動していた地域から離れたりした方もいると聞きます。そうならないためにも、地域おこし協力隊として活動を始めたときから3年後を見据えて活動する必要があります。これはかなり難しいことだと思います。
地域のことをよく知っている受入団体や行政の協力がなくては、3年後の計画を立てられません。そこでお尋ねします。下関市で活動した地域おこし協力隊の3年後の様子をお示しください。また、活動後の定着、就職に向けてのサポートをどのようにしているのか、お示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
隊員の卒業後の様子、また卒業後の定着に向けてのサポートについてのお尋ねですが、地域おこし協力隊として3年間の任期を終了された方は、平成29年度の受入れ開始以降7名で、いずれも市内で起業、就業されております。
また、活動終了後の定着に向けた支援といたしましては、隊員が市内で起業する際に要する費用の一部を補助するとともに、就業など本市に定住する隊員についても、今年度より新たな生活に向けた応援として奨励金を交付するなど、卒業後の定住を促進しております。
○桂 誠君
援助や奨励金等、結構、思っていた以上に手厚い支援があるのを聞いて安心しました。ぜひとも自分の思いが実現するように支援していただきたいと思います。
地域おこし協力隊は、過疎化が進む地域にとって頼もしい存在です。しかし、隊員の活動中も、活動後も、多くの問題を抱えているのが現状です。その原因の一つとして、今さっきから出ております隊員の孤立があるのではないでしょうか。知らない地域に飛び込んで活動するのですから、人も分からない、土地も分からない、風習も分からない。自分一人で悩んでしまい、私の活動はこれでいいのだろうか。これから先どうなるだろうか。寂しいなどなどの不安に押しつぶされてしまいます。
それを解決する一つの方法として、活動が見えるようにする必要があると思います。具体的には、隊員自身の活動の発表の場を作るということです。隊員同士の発表もあるでしょうし、住民への発表があります。そうすれば、隊員同士の活動が分かり、自分の活動のプラスになるでしょう。また、隊員同士の連帯感も生まれるでしょう。さらに、地域の住民に活動を知ってもらうなら多くの意見ももらえるでしょう。そうすれば、孤立し、独りよがりな活動に陥ることも少なくなると考えられます。
住民への活動の発表の場としては、会場をつくっての発表もあるでしょうし、関係地域の活動報告の回覧も考えられます。いろいろな方法があると思います。ぜひとも発表の場を作る必要があると思います。
そこでお尋ねします。地域おこし協力隊の質の向上のために、活動発表の場の設定は考えられないでしょうかお示しください。
○総合政策部長(佐藤 武君)
隊員の活動発表につきましては、隊員全員が集まって、活動報告や意見交換をする場を毎月設けておりまして、隊員相互の連帯感の醸成に努めております。
また、議員御指摘の隊員の活動を地域住民などに広く周知することにつきましては、地域おこし協力隊コミュニケーション創出業務を昨年度より実施しており、地域おこし協力隊員を実行委員長とした、にぎわい創出イベントを開催したところでございます。
なお、今年度につきましても隊員が一体となって、各隊員が活動している取組を反映したイベント等を各地域で開催する予定としており、この開催を通じて、隊員の活動内容を地域住民や市内外の皆様へ周知していきたいと考えております。
○桂 誠君
こちらの思っている意図を、十分理解していただきましてありがとうございます。ぜひとも、今言われた活動を積極的に行っていただきたいと思います。せっかく下関という地を選んで来られた地域おこし協力隊です。確実に活動してもらい、本人のためにも、地域のためにも充実したものになるように、関係者が力を合わせる必要があります。一緒に頑張っていきましょう。
次の質問に移ります。会計年度任用職員の勤務条件について質問します。下関市の会計年度任用職員の方から相談があったので紹介します。窓口業務をされている方です。お客さんから対応が悪いと言われた。カスタマーハラスメントを受けました。その結果、病気になったのだが、公務災害の申請をしたいが、どうしたらよいかという相談を受けたわけです。この相談をきっかけに、会計年度任用職員の勤務条件はどうなっているのだろうかといろいろと調べてみました。
下関市の会計年度任用職員は2,000人おります。市職員の半分近くを占めており、下関市政の大切な部分を担っています。しかし、令和4年度の給料改定では、議会の附帯決議をつけたにもかかわらず、4月に遡らず改定されたという実態があります。
このようにいろいろな面で、勤務条件の改善が必要であると感じています。また、2020年の地方公務員法の改正により、会計年度任用職員の身分は公務員となりました。
さて、会計年度任用職員に実際になりますと、勤務条件等通知書が配られます。しかし、これは1枚の書類です。この1枚の中に勤務条件が全て書かれているということです。初めて会計年度任用職員になったものが、この書類をもらって何のこっちゃと思うのが現実ではないでしょうか。
例えば、休暇の欄ですが、有給休暇の紹介では、特別休暇(無給となるものを除く)と書いてあるだけです。種類が書いてあるわけではありません。なんじゃこりゃと驚きます。全く意味が分かりません。職員課に聞いたところ、内容については会計年度任用職員が見られるサイトがあるので、そちらを見てくださいということでした。
服務の欄は、下関市職員服務規程によるとしか書いてありません。これもびっくりです。ひょっとして、高卒で初めて働いた人にしてみれば、服務規程という言葉の意味さえ分からないかもしれません。これもサイトを見てくださいとのことでした。しかし、言葉の意味が分からないと、サイトの探しようもないと思いました。70歳の方も会計年度で働いています。若い人のようにサイトを見るのに慣れていない人もいるわけです。どうも、勤務条件を知らせたくないようにするためにペーパー1枚にしているのかと勘ぐりたくもなります。40代の女性の方が、サイトを探していったのですが見つからなかったと、私に報告されました。ペーパーレスも大切ですが、お尋ねします。会計年度任用職員として働くに当たり、もう少し詳しく説明した文書を配る必要があると思いますが、その点についてはどうでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
会計年度任用職員に対し、勤務条件の丁寧な説明をということで御質問いただきました。確かに、新たに会計年度任用職員となる方にとりまして、立場や権利義務を正しく理解いただくことは、安心して勤務を始める上で重要と考えております。任用される方の不安を軽減し、安心して仕事に取り組める環境を整えることができるよう、今後、より分かりやすい説明をするよう心がけてまいります。
○桂 誠君
説明だけでなくペーパーもあるといいと思います。安心して働けるためには、自分の身分がどういうものであるかということを、しっかり認識しなければならないと思います。
職員課が示した休暇制度一覧表を見てみますと、常勤職員との差がかなり少ないと感じるのですが、おやっと思うところもあります。療養休暇について、会計年度任用職員は無給ですが常勤職員は有給です。療養休暇は、病気をしっかり治して元気で働いてという趣旨と理解しています。無給では安心して休めません。無理をして働いてしまいそうです。安心して休むためには有給にするべきですが。お尋ねします。期間を短くしてでも療養休暇を有給にすることはできないでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
ただいまの御質問は療養休暇を有給にすることはできないかということでございました。国におきましては、非常勤職員の病気休暇というのがございますが、こちらがこの4月から有給化されたということからの御質問と解します。
まず、国との制度の違いについて説明をさせていただきます。国の非常勤職員の休暇制度、こちらは6月以上の任期が定められている職員、または6月以上継続して勤務している職員が、負傷または疾病のため勤務することができない場合、病気休暇といたしまして最大10日間の無給の休暇が設けられておりましたが、令和7年度より、期間はそのまま、10日のままで有給化が図られており、我々のほうもそのことは承知をしております。
次に、本市の取扱いでございます。本市におきましては、制度が異なります療養休暇といたしまして、心身の故障のため、連続して5日以上の療養が必要な会計年度任用職員に対しまして、任期等の条件もなく最大30日間の無給の休暇を設けているところであります。また、抗がん剤治療などで断続的な療養する場合は、30日を超える休暇の取得が可能となっております。
なお、無給と言いましても、連続して4日以上休んだ場合には、4日目以降休んだ日に対しまして山口県市町村職員共済組合、こちらから傷病手当金の支給を受けることが可能であります。
これら疾病のための休暇につきまして、国と本市では制度が異なりますため、直ちに同じ取扱いにするかどうか、慎重な判断が必要と考えております。このたびの国の改正内容を重視しながら、今後、調査研究していきたいと考えております。
○桂 誠君
違いはよく分かりました。それから今、共済組合から出るということも会計年度任用職員の方は知りませんでした。私はこういうふうになっていますということで、初めて知ったという状況です。その辺のことも丁寧に説明していただいたらと思います。
次に、常勤職員と違うのが妊婦障害休暇です。つわりなどで休むという休暇があるのですが、会計年度任用職員は無給です。少子高齢化が言われて国力が落ちていますし、子育て支援を重要な課題と言われている現状にあって、妊婦障害休暇で休んでも無給なんて驚きです。
常勤職員は、有給で安心して休めて、会計年度任用職員は休んでも無給、これは無理して働きます。それでなくても常勤職員ほど給料はもらってないのですから。さらにびっくりしたのは、生理休暇で差があるのです。常勤職員は有給ですが、会計年度任用職員は無給です。
男女格差をなくせという時代に、女性の中に格差をつくってどうするのかという感じです。確かに法律上、有給にする必要はありません。でも、同じ女性で差があることには大きな違和感を感じます。
さらに、授乳などの育児休暇時間も同じく会計年度任用職員は無給で、常勤職員は有給です。会計年度任用職員の休暇などの制度は国に倣っているとのことですが、ドナー休暇、子の看護休暇、短期介護休暇は国が無給などに対し、下関は有給です。すばらしい。下関市の方がすぐれているわけです。それを考えますと、以下のこともできると思いますがどうですか。
お尋ねします。女性の体を大切にする考えと、子供を産み育てやすくする観点から、妊婦障害休暇、生理休暇、育児時間休暇は有給にすべきと考えますがいかがでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
会計年度任用職員の妊娠障害休暇、それから生理休暇、育児休暇時間を有給にすべきとの御質問にお答えをいたします。まず、会計年度任用職員制度の運用につきましては、国から基本的な考え方が示されておりまして、その中で休暇制度については、地方公務員法に基づき国との均衡が求められており、そうした中で制度化したところでございます。
これを踏まえまして、本市の会計年度職員の休暇制度につきましても、原則、国の非常勤職員に適用されるものに準じて整備をしてきたところであり、御質問の妊娠障害休暇、生理休暇、育児時間休暇につきましては、国の制度に準じているものでございます。
いずれも無給ではありますが、妊娠障害休暇につきましては14日の範囲内で必要と認められる期間、生理休暇につきましては、1周期ごとに3日の範囲内の期間、育児時間休暇につきましては、1日2回、それぞれ30分以内の時間の休暇が取得できるものとなっております。
会計年度任用職員の休暇につきましては、地方公務員法等に定められた基本的な考え方を維持しつつ、今後も引き続き国や他の団体の動向を注視してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも早急に、今言った休暇については有給にしていただきたいと、そういうふうに思っていますので頑張ってください。
もう一つ、会計年度任用職員と常勤職員の差があります。公務災害の休暇です。会計年度任用職員の多くは窓口業務を担っており、窓口業務はカスタマーハラスメントを一番受けやすい部署でもあるわけです。暴力だけでなく言葉の暴力もありますし、今の時代ですのでメンタルの障害も来るんじゃないでしょうか。そのことを考えますと、公務災害の休暇は会計年度任用職員も有給にすべきだと思いますがどうでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
会計年度任用職員の公務災害休暇を有給にすべきという御質問をいただきました。当該休暇につきましても、先ほどと同じ答弁とはなりますが、国の制度に準じているものでございます。公務災害休暇は無給ではありますが、職員が公務に起因して負傷、または疾病のため勤務することができない場合、その療養に必要と認められる期間で、休暇を取得することができるものとなっております。
繰り返しにはなりますけれども、会計年度任用職員の休暇につきましては、地方公務員法等に定められた基本的な考え方を維持しつつ、今後も引き続き国や他団体の動向を注視してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
下関市が進んでいる休暇制度もあるわけですから、今私が指摘したところについても早急に改善していただきたいと思っています。
会計年度任用職員の方が下関市を支えています。このことを考えるならば、働きやすいように制度を変えていくべきだと私は考えております。以上で質問を終わります。(拍手)
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