録画中継

第2回定例会
6月20日(木) 本会議(一般質問2日目)

宮野 直樹 議員
1.安岡小学校の教育環境について
2.親亡き後の障害者の支援について
【下関市議会 本会議確定版】

○議長(香川昌則君)
 9番、宮野直樹議員。(拍手)
〔宮野直樹君登壇〕
○宮野直樹君
 無所属の宮野直樹です。通告に従い、一般質問をさせていただきます。初めに、安岡小学校の教育環境についてです。
安岡地区は西の響灘、東の鋤先山、蛍のきれいな友田川など、豊かな自然を有しています。北バイパスの開通により、中心市街地へのアクセスもよく、JRやバスなど公共交通の利便性も高い地域です。加えて商業施設、医療機関、公園、スポーツ施設、キャンプ場など多くの施設が整備されており、来年1月には安岡地区複合施設「やすらガーデン」が供用開始となります。また、様々な地域活動が盛んで、地域の方々より学校教育にも多大な支援があります。
タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
この資料は、令和6年5月1日時点における安岡小学校の児童数、学級数です。全校児童数779名、学級数は1年生5学級、2年生から6年生はそれぞれ4学級、特別支援学級は4学級、合計29学級の大規模校です。
安岡地区は、近年、ベッドタウンとして脚光を浴びていることから、世帯数が増加しており、安岡小学校の児童数は増加傾向にあります。
そこでお尋ねします。令和6年度を除いた過去5年間の安岡小学校の児童数と学級数の推移についてお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
まず児童数から申し上げます。令和元年度が753人、令和2年度は742人、令和3年度は755人、令和4年度は760人、令和5年度は779人となっております。次に学級数でございますが、令和元年度が27学級、令和2年度が同じく27学級、令和3年度が29学級、令和4年度が28学級、令和5年度が29学級でございます。
○宮野直樹君
 児童数、学級数ともに増加しているということが分かりました。
次のお尋ねです。令和7年度入学予定の児童数について、現時点の見込み数をお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 令和6年5月時点で、安岡小学校区に在住している来年度小学校入学予定者は129人となっております。
○宮野直樹君
 令和7年度は129名の児童が入学予定ということが分かりました。もう一度タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 安岡小学校の6年生の児童数は現在114名です。令和7年度の入学予定児童が129名だとすれば、全校児童は794名となります。ちなみに、平成25年の教育要覧を見てみると、児童数は691名となっており、約10年間で100名以上増えることになります。
また、昨年3月、安岡小学校校舎解体事業について個人質問をさせていただいた際、当時の教育部長より、安岡小学校では、近年児童数が増加傾向にあり、また周辺の大規模宅地開発により、さらに児童数の増加が予測され、近い将来、普通教室数が不足する懸念があるといった御答弁がありました。
そこでお尋ねします。安岡小学校の児童数及び特別支援学級を含めた学級数の将来推計はどのようになっているのかお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 住民基本台帳に基づく児童数及び学級数の推計についてお答えをいたします。児童数につきましては、令和7年度が794人、令和8年度が798人、令和9年度が763人、令和10年度が741人という推計でございます。
次に学級数についてでございますが、令和7年度は29学級、令和8年度が同じく29学級、令和9年度が28学級、令和10年度は28学級という見込みでございます。
○宮野直樹君
 児童数及び学級数の将来推計について御説明をいただきました。
ただいまの御答弁では、令和9年度以降は児童数が減少傾向にあるようでしたが、安岡ヒルズややすらガーデンの状況が加味されていないということを事前の聞き取りで伺っています。加えて、令和2年11月に策定された下関市立学校適正規模・適正配置基本計画では、令和7年度の安岡小学校児童数の推計結果として739名と予測がされていました。
先ほどの御答弁から予測される令和7年度の児童数は794名であり、その誤差は55名です。正確な予測が難しいことは理解していますが、宅地開発が現在も進んでおり、将来の児童数について、高い水準での維持またはさらなる増加も見込まれるのではないかと私は考えています。
そのような中、児童の学校生活、教育関係に大きな課題を抱えています。それは教室不足、校舎の老朽化です。タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディプレイに表示〕
○宮野直樹君
この資料は令和6年度の学校要覧に記載されている校舎配置図です。昨年度、構造上の問題から耐震改修ができていなかった一つの校舎が解体され、現在二つの校舎に各学級が配置されています。資料を見ていただければ分かるとおり、空き教室はなく、1年生は別々の校舎に学級が配置されています。また、教室が不足しているため、特別教室を普通教室として転用することで何とかしのいでいる状況です。
仮の話にはなりますが、4年生は児童があと1名増えれば5学級となり、さらに教室不足が深刻化します。加えて、少人数学級と児童会室を併用しており、特別支援学級2学級を一つの教室に配置しています。
昨晩、安岡小中学校運営協議会が開催され、児童生徒の学力向上や先生方が児童生徒に向き合う時間を確保するために、地域の皆さんより様々な御提案をいただきましたが、地域連携教育を推進するための教室、PTAが活動する教室もありません。タブレットの資料を御覧ください。
机や授業で使用する教材をやむを得ず、校舎の廊下スペースに置かれています。そのほか、職員室の廊下スペースや体育館2階も同じような状況があります。
さらには体育やプールで児童が着替える教室も不足しています。その対策として、音楽室、理科室、家庭科室など、特別教室を学年ごとに割り当てていますが、授業を行っている場合は使用できず、様々な支障が出ています。高学年男子は屋上へつながる階段で着替えているそうです。
そのほかですが、一、二年生が使用している2階建ての校舎は1階にしかトイレがないことから、休憩中列ができている状況です。
私は、教室不足は児童の安全面、心理的負担、学校教育における施設機能の低下など、様々な影響をもたらしていると考えています。加えて、校舎の老朽化も大きな課題です。
本市においては、令和3年3月に下関市学校施設長寿命化計画を策定されており、令和3年度から令和12年度までの10年間を計画期間として、校舎の大規模改修等に取り組まれています。
そこでお尋ねします。下関市学校施設長寿命化計画の概要と現在の取組状況についてお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 下関市立学校施設長寿命化計画は、中長期的な維持管理等に係るコストの縮減及び平準化を図るとともに、学校施設に求められる機能、性能を確保することを目的に、令和3年3月に策定をいたしました。
また、具体的な施設の老朽化対策といたしましては、長期的な視点に立ち、長寿命化改良工事や予防保全工事を計画的に実施しております。
現在の取組状況といたしましては、長寿命化改良工事として、勝山中学校において実施しております大規模な改修工事から、その他の学校において実施しております校舎屋上及び外壁改修工事や配管等附帯設備改修工事等の予防保全を目的とした工事を計画的に実施しております。
○宮野直樹君
事業の概要として勝山中学校の大規模改修や予防保全に取り組んでいるということが分かりました。
長寿命化計画には、構造躯体の健全度の評価フローが示されています。対象施設のうち、評価結果が長寿命化となった建物は97%あります。これらの建物は今後30年以上の使用を見据えて、長寿命化の対象とすることは可能とされています。
一方で、鉄筋コンクリート造のうち、コンクリート圧縮強度の不足により要調査となった建物が4棟あります。そのうちの1棟は安岡小学校、一、二年生が使用している築70年の校舎です。
そこでお尋ねします。安岡小学校の長寿命化計画の状況また要調査となっている校舎は長寿命化の対象とすることは可能なのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 下関市立学校施設長寿命化計画では、建物1棟ごとの老朽化を判断するために、構造躯体の健全度の調査を実施しております。構造躯体の健全度調査の結果が要調査となる建物の条件といたしましては、コンクリート圧縮強度が一定基準以下のもの、または耐震補強未実施の建物が要調査に該当いたします。令和3年3月時点で4棟ございまして、そのうちの1棟が安岡小学校の、先ほどタブレットでも表示がございましたが、②舎というところでございます。建物台帳にというところの②の校舎でございます。要調査の建物につきましては、長寿命化改良工事を実施する場合には、詳細な調査を実施するということにしておりますが、安岡小学校の②舎につきましては、詳細な調査が未実施であることから、本計画の対象建物ではございますが、長寿命化改良工事を実施するか否かにつきましては、現在のところ未定でございます。
○宮野直樹君
 要調査の校舎、②舎と言っていますけれども、まだ詳細な調査をしていないということで、長寿命化が可能かどうかもまだ分からないということでした。タブレットの資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
この空き地の奥にあるのが、この要調査となっている②舎と言われる校舎です。現在一、二年生が使用しています。右の写真を見ていただければ分かりますが、外壁が剥がれ落ちています。中の鉄筋がむき出しになっている状態、いわゆる爆裂が起きています。鉄筋がさびており、爆裂している状態では、周囲のコンクリートももろく、水が染みわたり劣化がさらに進むため、その危険は高まります。次の資料を御覧ください。
 資料左は、この内壁がひび割れて、穴が空いているような状態です。資料右は床が剥がれています。この内壁、床ともにテープによって、補修をしています。次の資料を御覧ください。
これは要調査の②舎の校舎の屋上へ向かう階段です。天井が剥がれて階段や床に落ちています。また天井には雨漏りの跡も見受けられます。次の資料を御覧ください。
屋上の写真です。フェンスの柵が朽ちて、落下の危険があったため、一部フェンスを取り除いています。写真を見ていただければ分かるように、相当な老朽化が進んでいます。
そこでお尋ねします。老朽化している校舎の現状に対して、どのような対応をされているのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 議員お示しの校舎の劣化状況につきましては、学校からの報告により把握をしております。児童の安全を第一に、かつ学校運営に支障がないよう、おのおのの状況により、既に対応済み、またはすぐに修繕等対応が困難な箇所につきましては、立入禁止等の対応を行っているところでございます。
学校施設におきましては、劣化等により問題が生じた場合、または生じるおそれが予測できる場合には、対象学校から教育委員会へ報告がございます。その際、担当職員が現場に出向き、現地の状況を確認し、安全性、緊急性を判断した後、必要な対策を実施しております。ただし、安全上速やかな対応が必要な場合には、学校の判断により、安全対策等を実施するよう対応しているところでございます。
○宮野直樹君
 御答弁にあったように、とにかく児童の安全、これが第一です。校務技士さんや先生方また教育委員会の皆さんが、今できることの中で危険の除去など、一生懸命取り組まれていることは、これは理解をしています。一方で、もうそのレベルでは限界が来ているのではないでしょうか。問題が生じて対応するのではなく、常時、問題を抱えているという認識の下、これまでの安全状況、これはもちろんですけれども、専門家による詳細な調査など、御対応をお願いしたいと思っています。
それでは、最後に今後の取組について質問をさせていただきます。仮に要調査のこの②舎が長寿命化の対象となったとしても、今後30年以上の使用を見据えることができるのか、正直不安があります。児童数の状況、教室不足、校舎の老朽化の現状、将来にわたり必要不可欠な公共施設であることを考えると、私は要調査の校舎を解体し、新たな校舎を新設することが必要だと考えています。
一方で、安岡小中学校ともに校舎の老朽化が著しいこと、安岡小学校の土地の一部が借地であること、先日の文教厚生委員会で示された下関学校給食施設の再編に関する基礎調査報告において、安岡小中学校ともに建て替えが望ましいというD評価であったこと。また安岡校区は、1小1中といった特色があること等に加えて、公共施設マネジメントの観点からも、本市の新しいモデルとして、小中一体型として新設することも一つの選択肢ではないかと私は考えています。
そこでお尋ねします。校舎の建て替えを含め、将来を見据えた計画を早期に検討するべきと考えますが、そのお考えをお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 今後も引き続きになりますが、先ほど御紹介差し上げました下関市立学校施設長寿命化計画に基づきまして、学校施設の適切な維持管理を計画的に実施するとともに、劣化の進行状況によっては、改修時期の見直しのほか、本計画の上位計画でございます下関市立学校適正規模・適正配置基本計画との整合性、また地域地区の人口推移、土地の利用状況等、学校を取り巻く情勢の変化があった場合には、本計画を見直すなど、実情に即した対応を行ってまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 本当に長期的な視点は当然大事と思いますが、そうした状況によって、適宜見直しを行って、その際には保護者や地域の方々の理解、協力そしてお知恵もいただきながら、課題の解決に向けて、早期の御検討をお願いしたいと思います。
このたびは安岡小学校に焦点を当てて質問をさせていただきましたが、学校施設の老朽化は、市内全ての小中学校が抱える課題であると認識しています。市内全校を完全に改修、改善するには相当な年月や予算を要します。しかし、この問題は避けて通れない課題であり、未来の宝である子供たちの学校施設をはじめとした教育環境の整備は、私たち大人の責任です。市内の公立学校全ての教育環境の整備を切れ目なく実施するために、予算措置など、善処いただくことを強く要望して、この質問を終わります。
二つ目のテーマは親亡き後の障害者の支援についてです。本市においては、これまでも積極的に障害者施策に取り組まれていますが、人口減少や高齢化により、今後、親亡き後の障害者の支援は喫緊の課題だと考えています。
令和6年3月、障害のあるなしにかかわらず、誰もが地域から必要な支援を受けながら、地域との関わりの中で自分らしく暮らすことのできるまちを目指して、下関市障害者計画、下関市障害福祉計画第7期、下関市障害児福祉計画第3期が策定されました。
計画の中にある障害者アンケート調査結果では、主な介助者が、親族の方の年齢について60代が27.1%、70代が28.1%、80代以上が14.8%、60代から80代以上の合計が70%となっています。また、障害児保護者アンケート調査結果では、困り事や不安に感じることについて「将来の見通しに不安がある」が84.4%、「親亡き後、子供を誰が見てくれるのか不安」が58.3%となっています。私自身も障害のある方の御家族から、親亡き後の不安について相談をいただくことが増えています。
先日も、精神障害のある息子さんと同居している高齢のお父さんから相談がありました。お話を伺うと、息子さんが発病して以降、約20年にわたり、社会とのつながりはなく、外部との関わりは病院受診のみという状況でした。高齢の奥さんが病気をされ、親亡き後に息子は暮らしていけるのかといった不安から連絡をいただいたところです。
また同時期に、精神障害と知的障害のある息子さんがいる高齢のお母さんからも、親亡き後の不安について相談がありました。息子さんは入退院を繰り返しており、私が生きている間に何とかしてあげたいといった切実な思いを伺っています。
さらに、今週の火曜日にも重度の知的障害のある2人のお子さんと暮らしているお母さんから、親亡き後の相談をいただき、同じように悩んでいる方はたくさんいるといったお声を伺いました。
そこでお尋ねします。障害のある方の親の高齢化が進み、親亡き後の不安を抱えている方が多くいる現状をどのようにお考えなのか、お示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 本市におきましては、高齢化のスピードが全国平均を大きく上回り、高齢化率が令和6年4月30日現在で36.6%となり、3年前の同時期に比べまして0.8ポイント上昇しております。
そういったことから、障害のある方の親の高齢化が進み、在宅で障害者を介護されている家庭におきまして、親亡き後の生活について不安を持たれている方が多くいらっしゃるということにつきましては、これからの高齢化社会における喫緊の大きな課題として考えております。
○宮野直樹君
 大きな課題であるという認識ということが分かりました。このような現状から、支援を検討するにあたり、障害のある方、家族等が日常生活や親亡き後、抱いている具体的な不安や課題を把握することが重要です。
そこでお尋ねします。親亡き後の支援が必要とされている障害者の現状や課題をどのように把握されているのか、またその内容について分かる範囲でお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 親亡き後の支援が必要とされている障害者の現状や課題につきましては、先ほど議員も御紹介いただきました下関市障害者計画等の策定に当たって調査いたしましたアンケート結果が一番現状を表しているものと認識しております。
そのアンケート結果から見えてきた現状や課題でございますが、先ほど議員からお話いただきましたように、主な介護者・介助者の年齢におきまして、60歳以上の割合が6年前のアンケートでは67.5%だったものが、今回70%となっており、2.5ポイント上昇していることから、介護者・介助者の高齢化が進んでいることが分かりました。また、障害児の保護者が感じている困り事や不安につきましては「経済的な負担が大きい」といった現状の生活における困り事よりも「将来の見通しに不安がある」や「親亡き後、子供を誰が見てくれるか不安」という回答が圧倒的に多く、将来に対する不安や親亡き後の不安を抱えていらっしゃることが大変分かりました。
このことから、行政といたしましても、高齢化社会における親亡き後の支援の必要性を痛感しているところでございます。
○宮野直樹君
アンケートの調査がまず一番だというところで、今よりも先に不安があるという方が多いという状況について、しっかり認識されているというところを御説明いただきました。
その中で、次に地域生活支援拠点等の整備状況について質問をさせていただきます。この地域生活支援拠点等とは、障害の重度化、高齢化や親亡き後を見据え、障害者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制の構築を図るため、市町村が中心となって地域の実情に応じて必要な機能を整備するものです。障害者総合支援法の改正により、令和6年4月1日からは市町村の努力義務とされています。
そこでお尋ねします。地域生活支援拠点等の概要と本市の整備状況についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 地域生活支援拠点等の概要につきましては、障害のある方が地域において生活することや、地域における生活に移行することを希望し、地域において安心して自立した日常生活を送ることができるように、地域の障害福祉サービス事業所、医療機関、基幹相談支援センターやその他の関係機関が相互に連携して支援を実施することを目的とする体制でございます。その担う機能といたしまして、一つ目が相談、二つ目が緊急時の受入れ・対応、三つ目が体験の機会・場、四つ目が専門的人材の確保、養成、そして五つ目が地域の体制づくりの五つの機能を備えることとされております。
この地域生活支援拠点等の整備は、平成26年に告示された障害福祉計画に係る国の基本計画に示され、令和2年度末までに各市町村で整備することとされておりましたが、障害者総合支援法が改正され、令和6年4月からは、障害者総合支援法の中に位置づけられましたので、先ほど議員がおっしゃられましたように市町村の努力義務とされました。
本市におきましては、令和2年に自立支援協議会の中に地域生活支援拠点等整備検討部会を設置し、5つの機能につきまして、緊急性の高い機能から、順に整備を進めているところでございます。
○宮野直樹君
 本市においては、部会を設置して、緊急性の高い優先順位をつけて、五つの機能を整備しているという御説明をいただきました。
ここからは、地域生活支援拠点等に係る五つの機能の整備状況等について質問をさせていただきます。初めに、相談機能について質問をさせていただきます。この地域生活支援拠点等における相談機能は、基幹相談支援センターや相談支援事業所等に拠点コーディネーターを配置し、緊急時の支援が見込めない世帯を事前に把握、登録するなどした上で、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急の事態等に必要なサービスのコーディネート、相談、その他必要な支援を行う機能とされています。
そこでお尋ねします。相談機能の整備状況と現状の課題についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 相談機能につきましては、平成18年度より、障害者やその家族からの相談に応じ、必要な情報の提供や助言などを行う相談支援事業を実施しております。現在は、九つの相談支援事業所に委託しております。
また、平成25年度から、九つの相談支援事業所への指導や助言を行い、本市の相談支援の中核機関としての役割を担う基幹相談支援センターを下関市社会福祉協議会に委託して運営しております。また令和3年度に、基幹相談支援センターの相談支援専門員を1名増員し、緊急時等に関係機関の調整など対応を行うコーディネーターとして配置しております。
現状の課題といたしましては、相談件数が増加して、対応が難しくなっているという相談支援事業所もあると聞いておりますので、今後の事業運営に必要な人員体制をどう確保していくかということが挙げられております。
○宮野直樹君
 平成18年から、相談のいろいろ取組をやって、現在は9つの事業所に委託している。それプラス基幹相談支援センターというところで、そういう相談体制をつくっていると。加えて令和3年度からは、基幹相談支援センターのスタッフを増員して、その拠点の相談機能のコーディネーターを配置しているという御説明があったと思います。
この下関市障害福祉計画第7期の障害者アンケート調査結果では、何でも相談できる窓口をつくるなどの相談体制の充実を必要と考える方が約6割となっています。また、事業者アンケート調査結果では、不足している地域生活支援事業として、相談支援事業が約7割と回答されています。先ほど課題として、相談件数の増加あるいは人員体制の配置ということもありましたが、このアンケート結果にも表れているというようなことが示されていると思います。
相談支援に対するこうした期待や要望は多く、親亡き後の支援はもとより、様々なニーズや需要増に対応するため、相談支援体制の充実やさらなる強化が必要です。包括的な相談支援体制の構築に向けて、人材確保や人員配置に対する予算措置など、引き続き御検討をお願いしたいと思います。
次に、緊急時の受入れ・対応について質問をさせていただきます。本市では、令和4年8月1日より、在宅の障害者が介護者の急病等の事由により、在宅での生活が困難になった場合に、緊急で宿泊または日帰りの支援を行う「障害者(児)緊急一時支援事業」を実施されています。
そこでお尋ねします。本事業の登録者数、受入事業所数、利用実績及び現状の課題についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 障害者(児)緊急一時支援事業は、令和6年6月1日現在で登録者数が86人、受入事業所数が9事業所となっております。また利用実績は、令和5年度の利用者数が9人で、延べ宿泊が17日、日帰りの利用が6日となっております。
現状の課題といたしましては、受入れが難しい強度行動障害者や医療的ケア児をどう受け入れていくかということや、福祉サービスにつながっておらず、地域で孤立している方をどう把握して、当該事業に結びつけていくかということが挙げられます。
○宮野直樹君
 事業の状況について、また課題について御説明をいただきました。緊急時に受け入れていただけるということは、障害のある方や御家族の安心感へつながるため、本事業の効果は非常に大きいと思っています。
一方、御答弁にもありましたが、強度行動障害を有する方は医療的ケア、あるいは高次脳機能障害を有する方、またサービス等につながっていない方、そうした方々の受入れなど、まだまだ課題はあると思います。そのような方々の事前把握、また受入事業所の拡充などを引き続き、関係機関とともに御検討いただきたいと思います。
次に、体験の機会の確保について質問をさせていただきます。地域生活支援拠点等における体験の機会や確保については、病院施設からの地域移行や親元からの自立等にあたり、グループホームや日中活動系サービス事業所の体験等の障害福祉サービスの利用や一人暮らしの体験の機会、場を提供する機能とされています。
障害のある方の多くは、家族からの支援を受けて生活されており、家族の支援が困難になったとき、大きな課題に直面します。特に、高齢の親世代は責任感が強いことで、外部サービスの受入れが進みにくいことも多く、相談時には既に介護などの課題が切迫しているということがあります。
このような状況において、親が元気なうちにグループホームや一人暮らしなど、将来の生活に備えた体験をすることが重要です。
そこでお尋ねします。体験の機会、場の確保の整備状況と現状の課題についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 体験の機会、場の確保を行うものとして、既存の障害福祉サービスの制度によるグループホームや就労継続支援の体験利用がございます。
整備状況につきましては、令和6年6月1日現在で、グループホームが19事業所、就労継続支援事業所が45事業所となっております。グループホームにつきましては、市としてその必要性を鑑み、国の施設整備補助金を活用いたしまして、19事業所のうち8事業所を平成26年度から令和5年度までの10年間で整備いたしました。
現状の課題といたしましては、グループホームのような共同生活になじめない方、一人暮らしを希望される方の体験の機会の場が少ないとお聞きしておりますので、一人暮らしの体験の機会をどのようにして確保していくかということが挙げられます。
○宮野直樹君
 既存の福祉サービスと、そうしたものを今活用しているということで、本市においてもグループホームの整備には尽力してきて、8事業所ほど様々な支援を行って、現在19施設あるというような御説明がありました。
親亡き後の課題がさらに進行すれば、グループホームに対する需要は高まると考えます。一方、先ほど御答弁があったように障害特性やこれまでの生活歴から、グループホームなど共同生活になじまない方がいるのも事実です。
令和6年度の障害福祉サービス報酬改定においても、グループホームから一人暮らしを希望する障害者に対して、新たな支援の仕組みが設けられています。
また、下関市障害福祉計画第7期の障害者アンケート調査結果では、将来暮らしたい場所として80%の方が一般住宅と回答しています。このような状況から、体験の機会、場の確保については、アパートまた昨日も目的外利用がありましたけれども、市営住宅、空き家などの利活用など、地域の社会資源を開拓するといった視点も重要だと考えています。居住支援法人や関係部局とも連携を図り、一人暮らし等体験できる機会や場の確保についても御検討をお願いしたいと思っています。
次に、専門的人材の確保、養成について質問をさせていただきます。地域生活支援拠点等における専門的人材の確保、養成については、医療的ケアが必要な方や行動障害を有する方、高齢化に伴い、障害が重度化した方などに対して、専門的な対応を行うことができる体制の確保及び人材の養成を行う機能とされています。
そこでお尋ねします。専門的人材の確保、養成の機能について、整備状況及び現状の課題についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 専門的人材の確保、養成の機能につきましては、専門的な対応をすることができる人材を養成するとともに、現在就労している人材の離職を防いで支援体制を確保するということが必要であると認識しております。介護等に係る専門的な研修は県が実施しておりますので、本市におきましては、人材の離職を防ぎ、定着を図るために、新任職員研修や事業所職員の交流会といった基礎的な研修を実施しております。そのほかにも、自立支援協議会に設置しております各部会の中で、それぞれの部会に関連した研修を企画して実施しているところでございます。
現状の課題といたしましては、各部会が独自に研修を企画しておりますので、今後は、各部会が連携して研修を企画することにより、それぞれの研修を関連づけたり発展させたりするなどして、より効果的な研修体系をつくっていくことでございます。
○宮野直樹君
 既にいろいろな研修の企画があって、それを有機的に結びつけるというお話と県等の研修も活用してというお話がありました。その中で、本市においては定着に力を入れているということで、そうした有機的な結びつきとともに、やはり人材不足、人員の確保、これは大きな課題だと思いますので、また関係機関の皆さんの意見を聞きながら、地域の実情に応じた専門的な人材の育成や確保について、引き続き御尽力いただければと思います。
次に、地域の体制づくりについて質問をさせていただきます。この地域生活支援拠点等における地域の体制づくりは、地域の様々なニーズに対応できるサービス提供体制の確保、地域の社会資源の連携体制の構築等を行う機能とされています。
そこでお尋ねします。地域の体制づくりの機能について、整備状況及び現状の課題についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 地域の体制づくりの機能につきましては、平成22年に自立支援協議会を設置いたしまして、関係機関が顔の見える関係を構築するとともに、本市の障害福祉について、様々な御意見をいただきながら施策に反映しております。また、自立支援協議会の中に相談支援部会やこども部会など八つの部会を設置し、関連する事業所が参加して連携を図るとともに、様々な課題について認識して、施策に反映させるための御意見をいただいているところでございます。
現状の課題といたしましては、地域生活支援拠点等に対する各事業所の理解がまだ十分ではないと考えております。そのため、地域の連携を強化して、地域生活支援拠点等がさらに有効に機能していくためにも、各事業所に対しまして、この体制を理解していただく周知や啓発を進めていきたいと考えております。
○宮野直樹君
 この拠点というのは、本市は面的な整備ということで、非常に連携を重視した整備をしていると私は認識をしています。その中で、この理解等に対するばらつきがあるというのは、やはり機能をしっかり充実させる上で、ばらつきを統一させるということは非常に重要になると思っておりますので、そうしたこの拠点等の理解の促進や普及啓発を進めるとともに、さらなる自立支援協議会等を活用した連携を強化していただきたいと思います。
加えて、体制づくりということで、そうした福祉サービスのみならず、地域の社会資源とかあらゆる団体、そうした皆さんとの結びつきや活用、これも視野に入れた連携体制の構築をぜひお願いしたいと思います。
最後に、今後の取組について質問をさせていただきます。依然として、障害のある方の御家族は、お子さんが親亡き後も、地域で生活するイメージが持てず、入所施設に期待せざるを得ない状況が続いています。その不安に寄り添い、課題を解決していくことは当然必要です。
一方で、親亡き後の不安は、障害のある方の親の視点から語られることがほとんどです。しかし、本市の障害福祉計画にもあるように、障害のある方御本人の自己決定を尊重するためには、意思決定支援の観点からも、親亡き後の支援を進めていかなければなりません。
そこでお尋ねします。障害者の親亡き後の支援について、今後どのように取り組まれるのかお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 親亡き後の障害者の支援におきましては、障害のある方の親の視点からだけではなく、障害者御本人の意思を尊重することが大切であると考えております。
令和6年4月から、障害福祉サービス事業所におけるサービスの提供に当たって、障害者御本人の意思や希望が反映された日常生活が送れることができるように、可能な限り、障害者御本人から自ら意思決定できるように支援し、意思の確認を行う意思決定支援が事業所の努力義務となりましたので、自立支援協議会の中で意思決定支援の理解を深める取組を実施してまいりたいと考えております。
今回取り上げていただきました親亡き後の障害者の支援につきましては、高齢化社会における障害者福祉の喫緊の課題と認識しておりますので、引き続き、自立支援協議会や地域生活支援拠点等、整備検討部会の中で協議しまして、御意見をいただきながら体制の充実を図っていきたいと考えております。
○宮野直樹君
 今週の火曜日に、また相談をいただいたということでしたけれども、その御家族は「日々重度の障害があるお子さんのケアとかに追われていて、なかなか声を上げるというのは難しい。だからまだまだいっぱいそういう不安を抱えている方はいらっしゃる」と言われていました。ですので、相談しやすい体制、あるいはいただいたことを自立支援協議会というところでしっかり議論をして、施策に反映するということが一つ一つの積み重ねが重要だと思います。
その上で、御答弁あったように、やはり、御本人たちの意思、これをしっかり確認しながら、どういう暮らしを望むのか、それに対して何が必要なのかと、そうした重度障害者の方々を含めて、親亡き後の不安を抱えている方が、まだまだ安心して暮らすことができないこの社会の環境というものを課題として捉えて、今後も障害のある方やその御家族が親亡き後も安心して生活できる、そして望む暮らしを実現できる、この下関の実現に向けて、さらなる支援体制等の整備に取り組んでいただくことを要望して、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(香川昌則君)
 この際、暫時休憩いたします。再開は13時30分といたします。
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