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6月19日(水) 本会議(一般質問1日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月19日(水) 本会議(一般質問1日目)
日本共産党 下関市議団
桧垣 徳雄 議員
1.都市計画の取組方針について
2.公共施設等総合管理計画について
3.教科書採択について
【下関市議会 本会議確定版】
○議長(香川昌則君)
3番、桧垣徳雄議員。(拍手)
〔桧垣徳雄君登壇〕
○桧垣徳雄君
日本共産党下関市議団の桧垣徳雄でございます。発言通告に掲げた3つのテーマについて順次質問をさせていただきます。
最初は、都市計画の取組方針についてでございます。モニターにも掲げております。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桧垣徳雄君
下関市都市計画マスタープラン、これは、2022年3月に策定をされました。2年ちょっと前につくられた計画でございます。東京23区よりも広くなったこの下関市において、一番の中心となる都市拠点というのは、赤い丸で示されております。下関市街地、それと新下関駅周辺でございますが、まずこの都市拠点とはどういう役割を果たすのか、その役割に向けて、位置づけにふさわしい取組がなされているのかお尋ねいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
都市計画に関する基本方針である下関市都市計画マスタープランでは、下関駅から唐戸にかけての市街地と、新下関駅周辺を都市拠点に位置づけております。
下関駅から唐戸にかけての市街地は、本市の中心的な役割を担う都市拠点であり、下関が住む人、訪れる人に選ばれるまちであるために、唯一無二の関門海峡を生かしたまちづくりが進められているところです。
一方で、古くに整備された既存の都市施設は老朽化や陳腐化が進み、空き家、空き地等の低未利用地が増加するなど、まち全体が更新時期を迎えており、それらの課題解決のための事業が各部局で進められているものと認識しております。
議員御質問の新下関駅周辺、こちらは、山陽新幹線の開通以来、交通の利便性が格段に向上し、分譲マンションや住宅の誘致が進み、沿道を中心に商業施設が建ち並ぶ本市の都市拠点の一つでございます。
市としても、新下関や、勝山支所周辺で土地区画整理事業をこれまで行っておりまして、近年はゆめシティ周辺の新下関西土地区画整理事業、旧川中中学校周辺の川中土地区画整理事業を県、民間と協力して行っております。
また、それらの地域を東西に横断して下関北バイパスから新下関駅前を通りまして、長府地区をつなぐ都市計画道路、幡生綾羅木線や長府綾羅木線の整備を県と協力して進めております。
これらの整備により、新下関駅周辺の幹線道路沿道では商業施設や飲食店、教育施設などが建ち並ぶ市街地を形成しておりまして、現在も民間宅地開発やホテル建設が進んでいる状況にあり、長年の都市基盤の整備が実を結び、民間投資が進んだものと認識しております。
これら2つの都市拠点では、緊急性や重要性を鑑み、事業を進めているところです。
新下関駅周辺につきましては、まずは都市計画道路幡生綾羅木線、それから長府綾羅木線の整備を進めつつ、広域交通の玄関口としてふさわしいまちづくりについて、検討が必要と考えております。
○桧垣徳雄君
これまでの経緯、現状はそういうことになると思います。
それでは、今年度の下関市の予算について見てみますと、2つしかない都市拠点のうち、下関市街地については、まだこれ全部掲げたわけではございません。まだこれ以上に、海響館や日和山や入江町や、イルミネーションについては旧英国領事館や亀山八幡宮など、まだあるのですが、この差を見たら、明らかに片方に取組が集中をしている。
新下関駅周辺を見ますと、インクルーシブ公園、これは川中中央公園に整備をしている。下関球場、これは新下関駅周辺に入るのかなと、安岡ではないのかなと思ったりしますけれども、この差を見れば、ちょっとバランスを欠いているのではないかと思います。
新下関駅周辺はもう自然成長で、もっといいまちにしてくださいねというふうに私には読み取れるのですけれども、このような取組状況でいいと考えているのかお尋ねいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
一部繰り返しになりますけれども、下関駅から唐戸にかけての市街地、こちらは、今関門海峡を生かしたまちづくりが進められていて、一方で古くに整備された都市施設が老朽化や陳腐化が進んでいるというような現状もございます。それらの課題解決のために各部局で事業が進められていると認識しております。
新下関駅のほうにつきましては、現在、都市計画道路の整備を県と協力して進めているところでございまして、民間宅地開発やホテル建設なども進んでいる状況にありまして、これらの2つの都市拠点では、緊急性・重要性を鑑みて、事業を今後進めていくというふうに考えております。
新下関駅周辺につきましては、広域交通の玄関口ですから、それにふさわしいまちづくりについて、今後検討が必要と考えております。
○桧垣徳雄君
本市の新幹線の駅がある、玄関口の駅を降りたら、すぐ目の前に、葬儀場があるよと。新幹線の停車する駅の緑の窓口も、もうなくなったよということでございます。国か県か、今長府トンネルは渋滞しているということで、既存の長府トンネルのすぐそばにもう一本トンネルを掘って、もっと車の流れをよくしようという計画も今進められつつあります。現状の長府トンネルの勝山側の出口のところに大きなショッピングセンターができて、多くの人が今、買物に来ているという状況もございます。いろいろ説明をされましたが、私は、このバランスはどうなのかなと思っております。
(2)でございます。広域連携軸についてでございます。地図を見ますと、まず門司から小月を通って、お隣の自治体に行っているのは、既存の中国自動車道だと思います。長門市から小月に向かって延びている線は、これは山陰自動車道だと思います。そして小倉北区から、響灘沿いを通って、安岡を通って中国自動車道に向かうというのが、新たな道路計画につながるところだと思います。
この広域連携軸について、これまでの市の取組がそのまま進められているのか。このたびの下関北九州道路については、旧彦島有料道路につなぐというところまでで話が終わっております。中国道につなげる都市計画上の考えは、いまだにあるのか変わったのかお尋ねをいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
下関市都市計画マスタープランでは、下関と九州方面、山陽・山陰方面を結ぶ広域連携軸として、山陰道、下関北九州道路、下関西道路などを位置づけております。
これらは、広域交流を支え、市内に混入する通過交通を排除するとともに、災害発生時でも安定的な幹線道路ネットワークを維持するものとして、整備を促進する必要があると考えております。
このうち、下関西道路は、一部区間を下関北バイパスが担っておりまして、下関北九州道路から中国縦貫自動車道に接続する構想路線です。これまでも、下関西道路などのネットワーク強化については、国に要望しておりまして、今後も引き続き要望をしてまいります。
○桧垣徳雄君
これまでの計画はあるよということでございました。それでは、このたび、下関北九州道路のルートの素案が発表されましたが、いろいろな問題があるのではないかなと思っております。
まず、高速道路につなぐ計画はあっても、その具体的な取組はなされていない段階で、旧彦島有料道路に大きな道がつながるとなった場合、皆さん方がよく言っておられる関門橋の代替路にはならないのではないか。私はそう思っております。市のお考えはどうでしょうか。
○都市整備部長(山上直人君)
関門海峡は関門トンネルと関門橋の2つの道路が、本州と九州の広域的な人流・物流を支える大動脈として役割を果たしておりますが、それぞれが開通から66年と50年が経過しておりまして老朽化が進んでおります。
また、令和2年7月豪雨の災害の際には、関門橋の前後区間が約16時間、令和4年9月の台風14号の際にも約34時間通行止めになったことで、本州と九州の間の交通に支障が生じました。
このような状況も踏まえ下関北九州道路は、関門橋や関門トンネルと一体となって、本州と九州の人の流れ、物の流れ及び経済活動の活性化を支える大動脈としての機能を強化するだけでなく、関門橋や関門トンネルの老朽化に伴う補修工事などの通行止め時や災害時の代替路としての役割が期待されております。
また、道路ネットワークが多重化されることにより、災害の被災状況に応じた対応が可能となり、早期復旧につながるなどの効果もあると認識しております。
○桧垣徳雄君
関門橋や関門トンネルは開通してから相当の年月が経過しているのは私も承知をしております。しかし、管理をしているNEXCO西日本に聞きましたし、実際に見たりしたのですけれども、適切に管理がなされている、もうどちらもあと100年は十分に使えるよということでございます。
この下北道路が、旧彦島有料道路につながると、海峡部分を渡る橋については、上り下りそれぞれ2車線、合計4車線、しかし、御存じのとおり、旧彦島有料道路は片側1車線ずつの2車線でございます。
今でも時間帯や曜日によっては、金比羅交差点まで長い渋滞があるわけでございます。その道路の渋滞に拍車をかける、混雑に拍車をかけるそのような危険があると思いますけれども、市はどのようにお考えでしょうか。
○都市整備部長(山上直人君)
下関北九州道路から下関駅方面へのアクセス道路となる県道南風泊港線については、彦島のインターチェンジから関彦橋の区間において、4車線化の都市計画手続が進められております。
また、下関北九州道路が接続する旧彦島有料道路から先については、金比羅交差点の改良、それから、旧彦島有料道路と下関北バイパスを接続する筋川武久線の整備により、交通が分散されるものと考えております。
併せて本市としても、新たに交通量が増えることによる様々な課題を整理しまして、下関北九州道路が本市の道路ネットワークに与える影響と対策について検討してまいります。
○桧垣徳雄君
道路整備に当たって、なるべく市民に迷惑かけないようにするよというふうに私は受け取りました。しかし、金比羅交差点の手前のトンネルは片側1車線ずつ、これは変わりません。以前言われた通過交通車両、これが一般道を通ることには変わりません。現在、関門トンネルというのは危険物を積んだ車は通行できません。関門橋を通っているのですけれども、もし関門橋が通れなければ下関北九州道路に向かって来るよということでございます。
関門橋が通れない、通行止めになったことについても触れられましたけれども、関門橋と下関北九州道路は、僅か距離にしたら数キロしか離れていません。大きな台風が来て、関門橋が通れないときに、なぜ下関北九州道路は順調に通れるのかと私は思うわけでございます。
それは置いといて、危険物である通過車両が市内の一般道を通る、市街地道路を通るということで、大変これはちょっと危険ではないかと思う市民もいますし、私もそれを懸念しているところでございます。その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○都市整備部長(山上直人君)
危険物を積載する車両は、関門トンネルの通行が禁止または制限をされておりまして、現在は原則関門橋を通行しているものと認識しております。
下関北九州道路は、関門橋や関門トンネルの老朽化に伴う補修工事等の通行止め時や災害時の代替路としての役割が期待される道路です。
代替機能の確保という観点から申し上げると、危険物の積載車両が橋梁形式である下関北九州道路を通行できることは、メリットの一つであると考えられます。
一方で、本市としては、市内に混入する通過交通、これを排除する観点から引き続き中国縦貫自動車道へ接続する下関西道路をはじめ、市内幹線道路の整備などについても、国や県に要望してまいります。
○桧垣徳雄君
下関西道路については、国や県に要望をこれからも続けるということでございますが、今は姿も形も、具体的に計画すらないということをちょっと確認しておきたいのですが、どうでしょう。
○都市整備部長(山上直人君)
下関西道路は、一部区間を下関北バイパスが担っておりまして、下関北九州道路から中国縦貫自動車道に接続する構想路線です。
議員が今御指摘のとおり構想はございますが、実際の計画にはなっていないというのが現状でございます。
○桧垣徳雄君
構想が次の段階にいつ行くのかもまだ見通しが立たないうちに、関門海峡にもう1本大きな道路を造ると。それによって市民の生活がどうなるのかなという懸念をますます私は深めているところでございますが、こればかりやっていては時間がありませんので、次のテーマに移ります。
公共施設等総合管理計画についてでございます。まずこの公共施設等総合管理計画については、一番最初の計画がつくられたのは、2016年、平成28年でございました。その後、2021年、令和3年に一部改定があり、そして、昨年、9月に中期の計画として、さらに進化をしたというところでございます。計画の進捗状況については今のところどうなっているのか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
公共施設等総合管理計画、こちらの進捗状況についてのお尋ねでございます。下関市公共施設等総合管理計画、こちらにつきましては、議員御承知のとおり、平成27年度から、令和16年度までの20年間で、公共施設の延べ床面積を最低30%以上縮減するということを基本目標としておりますが、計画が長期にわたりますことから、全体を3期に分けて推進することとしております。
このうち、前期計画期間は平成27年度から令和4年度までの8年間でございまして、計画といたしましては7%の縮減を目標として取り組んでまいりました。
実績といたしましては、2.45%の縮減を行っております。面積の縮減が進んでいないと思われるかもしれませんけれど、その主な要因といたしましては、並行いたしました学校施設の大規模な施設の処分が進んでいないということなどが挙げられます。
令和5年度から、中期の計画期間となっておりまして、令和10年度までになりますけれども、市の考え方を示すため公共施設の適正配置に関する方向性、こちらの中期、これを昨年度策定をしたところでございます。中期計画案におきましても該当施設の進捗状況を把握し、計画の推進に努めているところでございます。また、各所管部局におきましては、利用者や地域の方々との対話を図りながら取り組むこととしております。
○桧垣徳雄君
今は中期に移ったよというところでございます。それではこの機能の方向性、これが示されている、例えば、複合化ということが示されている施設であっても、同じ地域に複合化の対象が示されていないというところがありますけれども、そういう場合はどのように対応されるのか。そういうことも見込んで計画をつくられたのだと思いますが、教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
機能の方向性が複合化であっても同一地区に複合先がない場合の対応についてというお尋ねでございます。先ほどお伝えしました公共施設の適正配置に関する方向性、こちらの中期の策定に当たりまして、集約化であったり、複合化の対象施設が複数ある場合など、こういった場合につきましては、複合先の対象施設を明示していないという場合がございます。
議員御質問のような機能の方向性が複合化でありましても、同一地区に複合先がない場合の対応につきましては、中期の計画期間におきまして、地域の皆様との協議、対話を重ねながら、複合化等の対象施設を検討してまいりたいと考えております。
○桧垣徳雄君
複合化の対象がない、具体的な例の一つとして、長府図書館を取り上げてみたいと思います。長府図書館もすごく古くなっております。下関市は、1市4町が合併する前に、下関市図書館改築基本構想というのを平成11年につくったところでございます。
そのときに対象となったのは、旧下関図書館――上田中庁舎として後に活用したあの図書館と長府図書館であります。長府図書館も、当時でも老朽化が進んでいる。それから、現状に不安を持っているという市民の声も伺っているということでございました。
合併があった後、下関図書館――旧図書館が、細江町三丁目の複合施設に移るよということもありまして、この次は、私は長府図書館がどうにかなるのではないかなと思っておりましたが、下関市図書館改築基本構想から現在25年を経過していますが、いまだに当時のままでございます。
この中期の総合管理計画によりますと、学校や公民館等の公共施設と複合化し、現在の建物は解体して借地を返還する方向で検討しますとあります。そのことも踏まえて、私は本年の第1回定例会において質問したところ、駐車場もないし、バリアフリーにも対応してないよということで質問したのですけれども、教育委員会は、近くの市立の保育園の移転した土地があるからあそこを駐車場にという話もされました。今借地なのです。神社の借地です。借地料もかなりの負担になっているというのに、さらにまた借地を増やすのかなという思いもしたところでございます。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桧垣徳雄君
市民が本当に利用しづらい図書館になっています。写真を見ますと、短時間の駐車に御協力ください。それから、車の接触事故がありましたよということで、満足な駐車スペースも提供できなくて申し訳ないなという気持ちがここからはちょっと酌み取れないのですけれども。
それから、長府図書館の図書館だよりを見ても、いつも図書館前の市道は駐車禁止区域ですというふうにあるところでございます。長府図書館の今後についてはどのようにされていくのかお尋ねをいたします。
○教育部長(藤田信夫君)
長府図書館につきましては昭和42年に建築された50年以上経過した施設となっております。
今議員御案内のとおり私有地に建てられた図書館でございまして、バリアフリーの対応等はできてございませんが、来館者の利便性の向上、こういったものを考えまして駐車スペースの確保については現在対応を検討しているところでございます。
また長府図書館につきましては老朽化が進んでいることから、公共施設の適正配置に関する方向性(中期)の計画も踏まえまして、移転、整備の内容を検討しているところでございます。
○桧垣徳雄君
公共施設等総合管理計画の前期の期間内に本来はこの長府図書館の複合化が終わるという計画を皆さん方持っておられました。しかしその期間内には実現できずに、今度は中期の期間の中でやるということでございます。
公民館や学校等の公共施設と複合化するというお考えですけれども、学校といえば、必要ない方はなるべく敷地内に入れさせないようにするというのが基本的な考えだと思います。図書館は誰が来てもいいよ。市民でも、市外の方でも、子供からお年寄りまで誰でも来てくださいという施設でありまして、それが一緒になったらどうなのかなあと、ちょっとおかしなことになるのではないのかなと思います。
それから、長府図書館というのは、市内4つのエリアに分けたときに、長府、王司、清末、小月、吉田、王喜この6つの地区の地域館でございます。なかなか移転が進まないとなれば、私はあえて言えば、長府地区に置かなくても、この6つのエリアのどこかにバリアフリーがある、それから駐車スペースもある、そういうのを早く造っていただきたいなと思うわけでございます。
それは今言ってすぐどうにかなるわけでもありませんが、まず写真の下関文書館、このれんが造りの建物があります。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桧垣徳雄君
この中に、かつては貴重な資料がたくさんあったのですけれども、現在の下関図書館や歴史博物館等にその貴重な資料は移転をされ、今は物置のような扱いをしているのではないかと思います。建築後111年たっております。耐震性もありませんし、耐震診断もしていないということで、このスペースも借地料のエリアの中に入っておりますから、もうこれは、新しい長府図書館、長府地区のあっちの方面の図書館がどうにかなるまでには、これを取りあえずのけて、駐車スペースを確保するというのも一つの案だと思います。
菊川断層が走っているこの下関でございます。いざというとき、この下関文書館が崩れて、近くを歩いている人、近くにとめている車に大きな被害があってはならないなと思います。喫緊の対応として、そのようなことも私は考えていますがいかがでしょうか。
○教育部長(藤田信夫君)
文書館につきましては、先ほど申し上げましたように長府図書館の移転整備の際に、その対応は検討してまいりたいと考えておりますし、大変狭い道路の横にありますので、これを解体するにいたしましても、整備費であるとか、時間、また運搬の関係等大変労力を要するものでございますので、これをすぐ解体するということは考えておりませんで、先ほど申し上げましたように長府図書館の移転整備の中で、検討してまいりたいと考えております。
○桧垣徳雄君
6年前に大阪北部地震が起こって、そのときに小学校の塀が倒れて、小学校4年生の女子児童が亡くなるという痛ましい事故がありました。それを受けて市内の小学校・中学校等、点検をした結果、文関小学校のプールのそばの壁が倒れたらいけないということで、比較的重さの軽いフェンスに変えたということでございます。
そういう対応をしたのに、耐震性もないであろう昔の、111年も経過したブロック積みのものをそのまま残すよと。私はすぐにでも何とかすべきではないのかなという思いをお伝えして、次のテーマに移りたいと思います。
3番目は、教科書採択についてでございます。ちょっとその前に言っておきます。現在、市内の小学生が使っている国語の教科書は、光村図書出版の教科書でございます。1年生から6年生のその教科書に目を通しました。そしたら、本は友達ということで、それぞれの学年に学校図書館や公共図書館を活用しよう、本はこういうふうな順番で並んでいるよとか、いろいろな機能があるよというふうなことが言われています。
今、モニターに映したのは、6年生が使っている教科書でございます。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桧垣徳雄君
多くの人が利用しやすい図書や機能があるよということでございますが、なかなかそうはなっていないのが下関の現状ではなかろうかということで、小学生の期待を裏切らないような整備を急いでやっていただきたいということを言いたいがために、この写真を載せたところでございます。
それでは、教科書採択についてでございます。4年に1度、公立学校の使う教科書の採択がやってきます。今年がまさにその年でございます。中学校の教科書についてに絞ってお尋ねをいたしますが、現在、市内の中学校が使っている教科書、この教科書は使いづらいなと。学校の時間数と比べてちょっと多いなとか、いろいろな御意見を現場の先生方が持っておられると思いますけれども、そういうふうないろいろな意見、評価について、特別、ちょっと多い意見などありましたら、御披露していただきたいと思います。
○教育長(磯部芳規君)
教科書につきまして市内の中学校が使っている教科書の評価についてお答えをいたします。現在使用している教科書につきましては、全て文部科学省の検定に合格したものでございます。いずれの教科書を使用しても、学習指導要領の目標を達成できるものと認識をしております。また、学校では、教科書に丁寧に向き合い授業に取り組んでいると考えております。
○桧垣徳雄君
具体的な、こういう面が多いねとか、使いづらいねとかということは言われませんでした。もちろん、公立学校で使われている教科書は文部科学省の検定を通ったものでございます。検定を通った教科書もいろいろなものがありまして、それぞれ特徴があります。そういう個性あふれる中から、下関市の子供にとって最適なものを選ばないといけないということでございます。
具体的に申し上げますと、毎年、公立高校の入学試験は3月に行われます。今年もありました。使っている教科書によっては、ずばり高校入試の問題の答えが教科書の本文に載っているものもあれば、ほとんどは載っているのですけれども、載っていない問題も出たりすると専門家から聞いたところでございます。
現在の下関市内の中学生が使用している教科書によって、ほかの地域の子供たちが使っている教科書を使って学んだ子供たちと比べて不利になる、ハンディキャップがあるということはないのかどうか教えてください。
○教育長(磯部芳規君)
公立高等学校の入学試験におきましては、全ての問題において、有利不利が生じないよう全ての教科書を確認した上で、山口県教育委員会が作成しているものでございます。
○桧垣徳雄君
私もその点を山口県教育委員会に確認をいたしました。そうすると、まず、公立高校の入学試験問題を作成している人たちは、県内の公立中学校がどんな教科書を使っているのか認識しているのかと聞いたら、認識しているということでございました。
使っている教科書によって不利益にならない問題を作成しているのかというふうに尋ねましたところ、それは不利益にならないよという回答でございました。
ではちょっと具体的に、今年の3月に行われた入学試験の問題についてお尋ねをいたします。まず、写真、モニターですね。(3)の問題でございます。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桧垣徳雄君
その前提として、高校入試は5教科、それぞれ50点満点、合わせて250点満点でございます。社会は、地理、歴史、公民の3分野でほぼ3等分の配点がされるということで、歴史分野については17点前後、毎年配点をされます。
この(3)の問題です。人々を戸籍に登録して税を課すことが困難となった理由について、現在下関市内の中学生が使っている社会の歴史の教科書では記載がありませんと私は思っております。記載がある教科書を使っている子供たちと比べたら、ちょっとハンディがあるのではないかなと思いますが、その点いかがでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
現在使用している、教科書では、戸籍の偽りに関する表記はございません。しかしながら、古代の人々の負担に関する資料や性別による負担の差を示す記述があり、当時の税の仕組みや人々の状況について学ぶことができるものとなっておりますので、入学試験において不利益を被るものではないと認識しております。
○桧垣徳雄君
県の教育委員会もそのように説明をされました。教科書に載っている内容を聞くのではなく、与えられた資料を基に答えを導き出す、そういうのが入試問題だと。この(3)について言えば、資料3、資料4を見て、そして答えを導き出すと。確かにそうなのです。
しかしながら、限られた時間の中で、50点満点の問題をやらないといけない。片や、下関と岩国が、そのほかの地域の子供たちが使っている教科書と違う教科書を使っていますけれども、多くの地域では、教科書本文に、戸籍の偽りについての表現があるのに、あえてこの表現がない教科書を使っている子供たち。1秒、10秒、もう本当に限られた時間の中で答えを導き出すのに、やはりハンディはあろうかなと思うわけでございます。
次の問題でございます。4の(1)、国民に対する増税の4択でございますが、正解のところの、国民の負担は増大していたということについても、市内の子供たちが使っている教科書には記載がない。やはり、不利になるのではないかなと思いますが、この点はどうでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
国民の負担についての問題についてのお尋ねでございますが、教科書には国民の負担の増大に関する記述はございませんが、戦争によって多くの犠牲を払ったことや、国民の不安が、沸き起こったことを示す記述はあります。
戦時下において、国民の負担が増大したことを読み取ることができるものとなっていると認識していることから、入学試験において不利益を被ることはないと認識をしております。
○桧垣徳雄君
教科書に載っていないことも読み取らないといけない。片や、教科書に沿って学んだ子供たちは、教科書本文に載っている、そういう子供たちと争わなければならないのが下関の子供たちでございます。
3つ目、ドイツ帝国誕生のことでございますが、この同時期のことについてお尋ねになる問題でございましたが、教科書本文にはない、本文じゃないコラム的なところには載っている。やはり本文ほど重視していないのかなと思います。この点もやはり、不利になるのではないのかなと思います。いかがですか。
○教育長(磯部芳規君)
岩倉使節団の派遣箇所ではないかと考えております。教科書の本文には記述はございませんが、日本と世界の出来事を併記した年表が資料として掲載しており、明治時代の日本と世界の出来事について比較して学ぶことができるようになっており、入学試験において不利益を被ることはないと認識をしているところでございます。
○桧垣徳雄君
どういう角度から聞いても不利益を被ることがないというお答えでございました。実際に教育現場で、歴史を教える先生方については、いろいろな経験もされてきておりますし、自分たちが使った教科書との対比もあります。そうしたら、この点が抜けているねということについては、プリントや言葉で教えるということをされてきております。それはそれで大切なことだと思います。ただ、教員は、授業もですけれども、超多忙化しております。今、クラブ活動をどうしようかというふうな議論も進んでいるところでございます。教科書本文にきちんと載っているなら、授業で、その点に触れて強調すればいいのですけれども、新たにプリントをつくり、授業のときに、しっかりここは大切だよと言いながら教えるのとでは、先生の多忙化を避ける意味からも、やはりまずいのではないのかなと思います。
教員の多忙化に拍車をかける教科書の採択、これはやめて、きちんと載っている教科書がいいのではないかと私は確信をいたしますが、いかがでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
教員の多忙化に拍車をかけるのではないかという御質問でございます。教科書については、発行者ごとに特色に違いがございますので、特定の教科書を使用することで教員が多忙になることはないと考えております。教員は、教科書を教えるのでなく、教科書で学習指導要領の内容について、狙いについて教えている、授業に取り組んでいると考えております。
○桧垣徳雄君
全て、教科書採択の対象となる教科書は文科省の認定を受けておりますし、教育指導要領に沿っている教科書であります。それは疑いのないところでございますが、今はまだ、現場の先生方が、ここが足りないねというのを気づいて、それを補うようなやり方も取られる先生が多いと思います。
しかし、下関で今使われているような歴史教科書だけを使って、育ってきた方々が今度は教育現場に立ち、子供たちに教えるとなった場合、自分たちの教科書に載っていたこと、これで満足して、足りないところを補うようなことが少なくなるのではないかなという危惧を私はしているところでございます。
教科書採択に当たっては、静ひつな環境の下で、専門の先生が会議を重ね、最終的には5人の教育委員で決めるということでございますが、適切な判断がなされることを期待して、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(香川昌則君)
この際、暫時休憩いたします。再開は13時といたします。
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