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12月19日(火) 本会議(一般質問5日目)
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内容
会議録
第4回定例会
12月19日(火) 本会議(一般質問5日目)
公明党市議団
河野 淳一 議員
1.指定管理者制度について
2.新たな感染症に対応するための「下水サーベイランス(疫学調査)」の導入について
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
27番、河野淳一議員。(拍手)
〔河野淳一君登壇〕
○河野淳一君
皆さん、こんにちは。公明党市議団の河野です。どうぞよろしくお願いいたします。
〔手話を交えて発言〕
○河野淳一君
それでは通告に従いまして、一般質問をさせていただきたいと思います。
最初に、指定管理者制度についてお伺いしたいと思っております。指定管理者制度につきましては、平成15年6月13日に、地方自治法の一部を改正する法律が公布され、公の施設の管理運営方法については、従来の管理委託制度が廃止、新たに指定管理者制度が創設されております。
創設後、約20年が経過したわけですが、全国的にも、指定管理者制度の課題が散見されるようになり、また、市内の指定管理者からの制度の見直し等の声も、私自身、多くいただくようになったことを踏まえ、今回質問をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
それでは、最初の質問ですが、この指定管理者制度の概要、導入経緯、目的、また、2010年に策定された、下関市の指定管理者制度ガイドラインを策定されておりますが、この目的についてお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
指定管理者制度の概要と、ガイドライン策定の目的ということで御質問いただきました。まず概要でございますけども、指定管理者制度は、地方公共団体が設置する公の施設、こちらの管理運営について、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため、法人その他の団体に委ねることを可能とする地方自治法上の制度でございます。今、議員御案内のとおりでございます。
公の施設の管理を通じまして、政策目的を達成するための手法の一つと位置づけられております。その目的は「多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の節減等を図ること」でございます。本市におきましても、公の施設の設置目的であります、住民福祉の増進の一層の向上を実現するため、平成18年度から本格的に指定管理者制度を導入いたしております。
次に、下関市指定管理者制度ガイドライン、こちらにつきましては、指定管理者制度の円滑な導入、運用に資するとともに、指定管理者制度の継続的な改善を通じまして、住民福祉及び市民サービスの一層の向上、各施設の設置目的等、より効果的かつ効率的に達成し、施設の有効活用を進めていくための指針ということで、こちらは平成22年に策定をしておりまして、以降、改定を重ねております。
○河野淳一君
今御答弁がありましたように、平成18年度から本格的に、本市については指定管理者制度を導入して、大体17年ですか、おおむね17年。また、御答弁がありましたように、指定管理者制度ガイドラインが制定されて、約13年が経過していると思います。既に10年以上が経過しているわけでございます。
ちょっと質問が変わりますけれど、昨年の、令和4年10月でございます。総務省より「原材料価格、エネルギーコスト等の上昇に係る指定管理者制度の運用の留意点について」ということで発出がございます。
内容を読みますと、日本銀行が毎月発表する企業物価指数においては41年ぶりの上昇水準となっている等、今般の原材料価格、エネルギーコスト等の上昇により指定管理者が負担する経費が増加するものと考えられますが、当該経費の増加については、各地方公共団体と指定管理者との間で締結した協定等において、協議をするようにということで、通達があったと思います。
物価高騰、また様々な人件費の高騰も、この2年間で進んだものと思います。
それでは、まず実情だけ確認をさせていただきます。本通達を受けて、令和3年度、また、令和4年度に指定管理者を指定した本市の全施設の指定管理料、それと指定前の指定管理料、両方とも単年度で結構でございます、指定料の増減理由、及び年度途中の補正額についてお答えください。
○観光スポーツ文化部長(古川 力君)
まず、観光スポーツ文化部において所管している施設についてお答えをさせていただきます。
下関市立近代先人顕彰館でございますけれども、令和3年度に指定管理者を指定しておりまして、3年度の指定管理料は3,091万3,000円で、年度途中の補正は行ってございません。
次に、指定後の令和4年度の指定管理料は2,752万6,000円でございまして、年度途中の補正、こちらも行ってございません。
指定管理料は、令和4年度338万7,000円の減となっておりますけれども、減の主な理由としましては、施設の2階にございます田中絹代記念館の観覧料の無料化と休館日の増加に伴いまして、人件費を減額したことによるものでございます。
○市民部長(渡部英樹君)
続きまして、市民部において所管している施設についてお答えいたします。
しものせき市民活動センターにおきましては、令和3年度に指定管理者を指定しておりますが、令和3年度の指定管理料は2,290万7,000円で、年度途中の補正は行っておりません。
次に、指定後の令和4年度の指定管理料は2,158万6,000円で、年度途中の補正は行っておりません。
指定管理料は132万1,000円の減となっておりますが、減の主な理由としましては、令和4年度から利用料金制を導入したことに伴いまして、施設の使用料収入相当分を減額したことによるものでございます。
○こども未来部長(山田之彦君)
こども未来部において所管している施設である、ふくふくこども館についてお答えします。ふくふくこども館は、令和3年度に指定管理者を指定しております。その際の指定管理料は6,244万1,000円で、年度途中の補正は行っておりません。
また、指定後の令和4年度の指定管理料は5,513万4,000円で、同じく年度途中の補正は行っておりません。
指定管理料は730万7,000円の減額となっております。減額の主な理由は、入館者数が減少したため、人件費及び物件費の積算を見直したことによるものでございます。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
菊川総合支所において所管しております施設についてお答えいたします。菊川管内には5施設ございますので、順を追って説明いたします。
最初に、サングリーン菊川は、令和4年度に指定管理者を指定しております。令和4年度の指定管理料は750万円で年度途中の補正額400万円を含んでおります。
次に、指定後の令和5年度の指定管理料は1,500万円で、年度途中の補正は行っておりません。
指定管理料は750万円の増となっておりますが、増の主な理由としましては、原油価格高騰による電気料金及び燃料費などへの対応、及び複数年にわたります通期赤字の補塡を行うため増額いたしました。
続きまして、菊川体育施設として下関市菊川運動公園、そして下関市菊川体育館の2施設でございます。これは令和4年度に指定管理者を指定しております。
4年度の指定管理料は2,092万3,000円で、年度途中の補正額272万3,000円を含んでおります。
次に、指定後の令和5年度の指定管理料は2,110万円で、年度途中の補正は行っておりません。
指定管理料は17万7,000円の増となっておりますが、増の主な理由としましては、原油価格高騰による電気料金及び燃料費などへの対応のため増額いたしました。
続きまして、下関市菊川温泉プールは、令和4年度に指定管理者を指定しております。4年度の指定管理料は2,057万7,000円で、年度途中の補正額327万7,000円を含んでございます。
次に、指定後の令和5年度の指定管理料は2,097万7,000円で、年度途中の補正は行ってございません。
指定管理料は、40万円の増となっておりますが、増の主な理由としましては、原油価格高騰による電気料金及び燃料費などへの対応のため、増額いたしました。
最後に、下関市きくがわ温泉華陽は、令和4年度に指定管理者の指定をしておりますが、令和4年度の指定管理料は1,120万1,000円で、年度途中の補正額203万5,000円を含んでおります。
次に、指定後の令和5年度の指定管理料は1,000万円で、年度途中の補正は行ってございません。
なお、指定管理料は120万1,000円の減となっております。この減の主な理由としましては、指定管理運営に係る燃料費等の高騰により、全体の運営経費は前年度より増加しておりますけれども、利用料収入を前年度より約320万円多く見込んでおりますので、指定管理料については、前年度に比べ減となってございます。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
福祉部において所管している施設についてお答えいたします。下関市こども発達センター、下関市こども発達センターどーなつ、下関市こども発達センター豊浦は、3施設を合わせて、令和4年度に指定管理者の指定を行っておりますが、令和4年度の指定管理料は2,553万6,380円で、年度途中の補正は行っておりません。
次に、令和5年度の指定管理料は4,460万円で、年度途中の補正は行っておりません。指定管理料は1,906万3,620円の増加となっておりますが、その主な理由は、令和4年度までは下関市こども発達センターどーなつにおいて、指定管理とは別の委託業務として実施しておりました発達支援事業を、令和5年度から指定管理業務としたためでございます。
○河野淳一君
各部局、御答弁ありがとうございました。令和3年度の指定管理者制度の再指定については、令和4年度、4月1日からスタートということで、まだこれは物価高騰とか、まだ始まったばかりで、そういうことはあまり加味されていなかったのだと思います。減が多いですけど、それも理由があっての減になっていると見受けられました。
また、令和4年度に指定管理をされたそれぞれですが、令和5年4月1日から、今年の4月1日からスタートということで、これについては、それぞれ物価高騰が反映されているということで確認ができました。ありがとうございました。
市の取組としては適正というか、ある程度適正に反映されているということを確認できました。
それでは、次の質問に移りまして、それぞれ各指定管理者からお聞きした改善要望等、また質問等がございます。その声についてお聞きさせていただきたいと思います。
最初に、募集時、再指定と指定です。募集時に指定管理料の積算根拠等が、明確に提示されていないというお声も聞いております。そこで積算根拠は、指定管理者に開示されないのか、また、この中で修繕費はどのように設定されているか、お答えください。
○総務部長(笹野修一君)
今御質問いただきました積算根拠、こちらにつきましては公募、非公募に限らず、あらかじめ積算に必要な施設規模、それから管理等の条件を示すほか、市から支出することができる指定管理料の上限額を示しているところでございますが、その積算の根拠までは示しておりません。
また、修繕費につきましても、過去の修繕の実績等を示しておりまして、これらを基に各応募団体が積算をした上で、事業計画書を作っていただいているところでございます。
○河野淳一君
過去の増減等を示されているということで、確認させていただきました。
それでは、先ほど確認しましたとおり、この物価変動のリスク分担において、人件費上昇が指定管理者負担とされていないということでありました。足元の物価や人件費の高騰が、この指定管理料、修繕費を含むことになりますが、どのように加味されているかお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
指定管理者制度の導入により、公の施設の管理運営経費の縮減が図られる点が大きく着目される傾向にございますけれども、そもそも指定管理者制度の目的は、先ほど申し上げましたとおり「多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の節減等を図る」ということでございます。
このことから、各施設の置かれた状況や、取り巻く環境などの実情に応じまして、個々に適切な額の指定管理料を設定することが必要でございまして、物価高騰や人件費高騰につきましても、特段の配慮が必要であると認識をしております。
○河野淳一君
それでは、光熱費の上昇に伴う赤字分を、先ほどそれぞれの各部長の御答弁で、補正予算で補塡されていると思いますが、これを協定書等に、もう少し明文化してほしいという声もあるのですが。協定書等に明文化することも必要ではないかと思いますが、お答えいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
光熱水費等の上昇分に伴うリスクを、市と指定管理者、どちらが分担するかということでございますけれども、各施設の特性を踏まえて、基本協定の一部であります仕様書、こちらにリスク分担表を記載しております。
○河野淳一君
仕様書にリスク分担、これが明示されているということでございますが、補正を組まれるのが大体年度末になると思います。指定管理者それぞれのお声を聞くと、どうしても、年度末に補正が組まれて、どの時点で光熱費の手当てをしますというお話があるのかは不明ですけど、やはりどうしても途中、早めに光熱費等の補塡がある、その辺のやり取りをさせていただきたい。要は不安、年度末までちょっと、確実に光熱費の負担が、市のほうで補塡いただけるという、この言質が取れないと、ちょっと不安であるというお声も聞いております。
制度上、年度でどのぐらい光熱費の負担が出るかというと、年度末まで、ある程度たたなければ分からない部分もあるのですが、その費用云々より、もうしっかり、このぐらい光熱費は、年度、期中でも光熱費が上がるということが見込まれれば早めに、また、毎月モニタリングもされていらっしゃると思います。指定管理者と市の担当者が話し合う場面もあると思いますので、その場面でしっかりやり取りをしていただいて、早めに補正予算が出る、補塡ができるという回答をしていただくように、これは要望させていただきます。
それでは、指定管理者の方からもう一つですけど、なかなか物価高騰があると長期の指定管理の契約が、なかなか踏み込めないというお声も聞いております。
原則、大体5年間で指定管理契約をされることと思いますが、この指定期間はどのように設定されるのか、お答えいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
指定管理期間についてのお尋ねでございます。指定管理期間につきましては、次の3点の理由から5年を標準としております。
まず1点目でございます。指定管理者が施設の管理運営に習熟し、成果を発揮するためには、PDCAサイクル、こちらの過程も含めまして、一定の期間を要するということから5年としております。
それから次に、2点目でございます。一方で、あまりに長い期間とすることは、市が指定管理者による管理運営の状況を見直す機会を減少させるとともに、競争の導入によります指定管理者に対する規律の付与が困難になることでございます。
3点目といたしましては、全国的にも指定管理の期間の標準を5年としているケースが多いことでございます。
ただし、新たに公の施設を設置しまして、指定管理者制度を導入する施設で、経過観察が必要な場合、こういったような場合には指定管理期間3年というのを標準としております。
そのほかにも、御存じのとおり、PFI方式で管理運営する施設につきましては、PFI事業により管理運営する期間を指定期間とするなど、それぞれの施設の特性や社会情勢等を考慮し、個別に指定期間を決定することとしております。
○河野淳一君
今、物価高騰の時期でございます。なかなか長期の、先ほど言った5年の指定管理期間を、ちょっと踏み込むというのが指定管理者側から言うと、かなりリスクが大きいというお声も聞いております。
先ほど御答弁がありましたように、3年でもフレキシブルに対応いただくということでございますので、こちらのほうも指定管理者とよく協議していただいて、指定期間、また、フレキシブルに対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、次の質問でございます。公募と非公募の考え方についてです。この公募、非公募、指定管理者を求めるときに、この違いや考え方についてお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
公募、非公募の考え方ということでございます。下関市公の施設における指定管理者の指定手続等に関する条例、ちょっと長い名前ですけど、こちらの手続条例の第2条におきまして、公の施設の指定管理者の指定を受けようとする団体については公募するものとされておりますけれども、指定管理者施設の設置目的、それから規模、機能、利用状況、それから管理運営の状況等により公募に適さないと認めるときなど、手続条例の第6条の第1項各号ということで、5号ほどありますけれども、各号に該当するときは、公募によらず、特定の団体を指定管理候補者として選定することができるとされております。
なお、下関市指定管理者制度ガイドライン、こちらにおきまして、非公募とすることができる具体例といたしまして、2点ほど御紹介しますけれども、地域性の非常に強い小規模施設であって、利用者も限定されるため、地域の住民グループによる管理が効果的であると考えられる施設、それから、過疎地域等で、医師及び看護師の確保が困難な診療施設、こういったものを示しております。
○河野淳一君
それでは、この指定管理者の選定は原則、先ほどガイドラインも御説明ありました、原則公募ということになっておりますが、現在、本市の公募、非公募の施設数をお答えいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
令和5年4月1日時点で申し上げます。公募によりますものが192施設、それから、非公募によるものが56施設でございます。
○河野淳一君
結構非公募も多いと認識させていただきました。それでは、ガイドラインに非公募とする判断基準、先ほど御答弁にもあったのですが、その中に特殊なノウハウや専門性に該当するものというのがございます。
こちらについて、この特殊なノウハウや専門性に該当すると指定している本市の非公募の施設、この施設はどのような施設があるか、お答えいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
下関市指定管理者制度ガイドライン、こちらにおきまして、指定管理者を非公募とする判断基準の一つといたしまして、業務遂行に当たり、特殊なノウハウや専門性が必要とされているか、ということを掲げております。
この特殊なノウハウ、専門性につきましては、本当に特定の団体に限定されるのか、十分に検証する必要がありまして、同ガイドラインの具体例といたしまして、指定管理施設の中核的な設備を管理運営するためには、ごく少数の者しか有しない特殊な資格、それから技能、もしくはノウハウ、または指定管理者の業務に必須の権利もしくは関係者との利害調整能力が必須であり、将来――指定管理期間内でございますが、将来にわたり、ほかに担い手が存在しないことが見込まれる施設と示しております。
当該例示に該当する施設といたしまして、代表的なものを申し上げますと、下関市夜間急病診療所、それから下関市豊浦地域ケアセンター、下関市立しものせき水族館、それから下関市立近代先人顕彰館、そういったものがございます。
○河野淳一君
特殊なノウハウや専門性については、今御答弁いただいた4施設ということで、御答弁いただきました。ここでこれを確認したいのですけど、今現在も、なかなか人材確保というところが今も困難になっていると思います。これからもさらに困難になってくると思います。
特殊なノウハウや専門性が必要な施設の指定管理料の中に、そういう特殊な資格等が必要な教育費――教育等人材を育成する費用ですが、これを加味する必要があるのではないか。指定管理者が持続可能な指定管理者として選ばれるためにも、今後、このような教育費を加味する必要があるのではないかと考えますが、お考えをお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
下関市指定管理者制度ガイドライン、こちらに基づき特殊なノウハウや専門性を要していることを条件として、条件に合致する団体を非公募により選定をしております。
この団体の指定管理料に教育費を加味することにつきましては、他の団体や応募されようとする団体との公平性、また、公募、非公募にかかわらず、本来、人材育成は各団体が行うべきものということも考慮しておりますので、その妥当性について、今議員からお話がございましたけども、検討が必要と考えております。
○河野淳一君
これは本当に人材の確保なのです。この教育費を、私は加味していただきたいと思います。後ほど御質問しますけれど、非公募で指定管理者の資格等がなくなって、人事、また定年等で資格を持った方が退職されると、指定管理者として契約できないということがあってはならないと思うのです。なかなか、その代わりをまた指定管理者として探すことも、困難な時代が来ると思います。そういう意味では、ある程度先行投資というか、指定管理者が本当に持続可能な体制というのを、本市としても取り組んでいただきたいと、要望としてお話しさせていただきます。
全国的に今、指定管理者制度でございますが、バスとかタクシーの二種免許を持っておられる方も人材不足ということで、どこも困難になっておりますが、本市においても議論がありました放課後児童クラブの支援員の人材不足とか、こういうものが危惧されております。こういう、どちらも資格が必要な職種でありますけれど、問題解決のためには処遇改善、また、待遇改善等も大きな要因であると思いますが、私はやはりバスとかタクシーも、バス会社がやっていたのですけど、今、バスの運転手、希望する意欲のある方を募って、要は、資格は必要ないと。資格は入ってから、仕事をしながら資格を会社が取らせると。それを教育費というか、人材育成に使っていると。
慢性的に人材不足となると、今はもう資格を持っている人を集めるのではなくて、いろいろな形で、働きながら意欲のある人に来ていただいて、その意欲のある方を、諸仕事をしながら育てていくと。こういう考え方が、今から必要になってくる時代ではないかなと思います。
そういう意味で、業務に従事しながら、資格や免許を取得させることも、今後必要になってくると思います。この点までしっかり加味していただいて、この指定管理者制度も様々見直しも図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
それでは次の質問ですけど、この指定管理者が、例えば応募が、先ほどのように再指定をしないとか、応募がゼロの場合、どのように対応されるのか。また、最終的に、要は指定料を上げたり、いろいろ協議しながら最終の再指定というか、また契約するような形まで市が持っていくのだと思うのですが、最終的に公募がない事例が、これまで本市であったか、お答えいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
応募者がいない場合、その対応策といたしましては、仕様書に記載の条件、こういったものを見直しまして再度公募することが考えられます。なお、本市におきましては、最終的に応募がなかったという事例は今のところございません。
○河野淳一君
最終的に、本市では公募がなかった事例はないと確認させていただきました。
冒頭、指定管理者制度の目的ということで御答弁がありましたように、多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の削減等を図ることが目的、大前提で市民サービスの向上があって、それを維持しつつ、向上しつつ、経費の削減ということに取り組んでいくのが目的ということでございます。
なかなか厳しい時代、予算的に厳しい時代になっているのですが、単なるコスト削減のための指定管理者制度がアウトソーシングではなく、今後、適正な指定管理料を算定するためにも、この指定管理者制度について、様々に質問させていただきました。
持続可能な取組になるように、このガイドラインも見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
繰り返しにはなりますけれども、指定管理者制度の導入目的、こちらは「多様化する市民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の節減等を図る」となっております。議員がおっしゃられるとおり、コスト削減のみを目的としているものではございませんし、これは官民連携の一類型と理解をしております。
なお、下関市指定管理者制度ガイドライン、こちらにおきまして、指定管理料の額の設定について、基準を示すことはしてはおりませんけれども、公の施設の置かれた状況や、取り巻く環境などの実情に応じまして、個々に適切な額を設定することが必要であることを述べております。このことにつきまして、各所管課において適切に対応するよう、引き続き徹底してまいりたいと考えております。
○河野淳一君
ぜひ、よろしくお願いいたします。
最後に要望でございますが、まずガイドラインに市と指定管理者との関係性ということで、法的には「委任者」と「受任者」の関係と捉えられるが、本市ではより積極的に、お互いの持つ強みに基づき適切に分担された役割を果たすことによって、市民のニーズに沿った管理運営を行い、新たな価値の創出という共通の目的の達成を目指す「パートナーシップ」と位置づけますと、ガイドラインのほうに記載をされております。
このような視点で、年1回作成されていますモニタリングレポートに目を私も通させていただきました。中を見ると、市による指定管理者の運営状況の把握、評価、指示、指導及び利用者アンケートによる満足度の把握などは記載されているものの、指定管理者が円滑な管理運営を行うため、市から、行政側から指定管理者に対し、どのように働きかけを行ったかについての記載はほとんど見受けられませんでした。
モニタリングレポートは、円滑な管理運営が行われているかの評価が、市側の評価が主な視点で実施されていることは理解できるのですが、今後、第三者評価の導入も視野に入れるなど、ガイドラインの見直しも御検討いただくよう要望いたしまして、この指定管理者制度の質問を終わります。
それでは、次の質問に移ります。新たな感染症に対応するための下水サーベイランスの導入について、お伺いしたいと思います。
下水サーベイランスとは、下水中のウイルスを検査、監視することにより、地域の新型コロナウイルス感染症の蔓延状況の把握や、特定の施設における感染有無の探知等を行い、効果的、効率的な対策につなげられる可能性があり、国内外で下水サーベイランスに関する研究、取組が行われているところでございます。
国内では二十の自治体が実証試験を実施しています。近隣自治体では宇部市が実施しているところでございます。諸外国、またEUにおいては、イギリス、オランダ等では、感染症対策の策定の際に、ほかのデータと併せて活用すること等を目的として、中央、地方、政府機関や研究機関等によって、定期的に下水処理場の下水を採取して、検査分析結果を公表する等の下水サーベイランスの実証的な取組が行われております。
本市においても、下水サーベイランスの導入を検討できないかとの観点から質問をさせていただきたいと思います。
現在、国内20自治体の現時点での実証結果も出ているところですが、下水サーベイランスを活用することによって期待できる効果について、これはプロに聞いたほうがいいと思いますので、保健部さんに御回答いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○保健部長(八角 誠君)
御案内のサーベイランスですけれども、新型コロナウイルスやインフルエンザのウイルス、この感染者については、症状の有無にかかわらず、ふん便や唾液中にウイルスRNAを排出することが知られております。
下水の中のウイルスRNAを調査することで、受診や検査といった人の行動にかかわらず、無症状感染者を含めた対象地域の感染状況の把握、変異株の検出、感染者数の予測ができる可能性があるものと捉えております。
○河野淳一君
可能性があると、的確に御回答いただいたのではないかと思っております。
それでは、今タブレットを御覧いただきたいと思います。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○河野淳一君
これは、今実証試験が行われている札幌市の下水サーベイランスの実証試験の結果をグラフ化したものでございます。この青い折れ線グラフが、下水中の新型コロナの、これは感染が蔓延していた時期のデータですけれど、青い折れ線グラフが下水中の新型コロナウイルスの濃度の推移でございます。
棒グラフになっておりますグレーの棒グラフが、新規陽性数です、コロナ陽性数でございます。このグラフを見ていただければ大体分かると思うのですが、おおむね正確、ぴったり一致ということはございませんが、おおむね下水を調査して、このウイルスの濃度と新規感染者が、おおむね相関関係があることが認められるのではないかと思っております。
この下水サーベイランスですが、この新型コロナウイルスだけでなく、札幌市ではインフルエンザウイルスも、次のタブレットですけれど、こちらのほうにもデータが出ております。こちらのほうも、ちょっとデータが少なくて顕著な相関関係は見られませんが、こちらもおおむね、ある程度相関関係が見られるのではないかと思っております。
このようなデータを外部へ公表することによって、最終データ、コロナウイルス、コロナではなくても、ウイルス等の数値が上昇する状況、この感染増加傾向が予測されるときにおいては、こういうようなものが住民への注意喚起や行動抑制に有益に活用できるのではないかと考えるのですが、お考えをお示しください。
○保健部長(八角 誠君)
国の実証実験をはじめ、全国的な下水サーベイランスの取組は、まだ始まったばかりと認識しております。
今後、サンプルの採取方法、その標準化や検査精度の向上が必要でありますが、データが蓄積、分析され、検出結果が科学的に信頼に値するものとなりましたら、市民に対する注意喚起等にも利用できるものと考えております。
○河野淳一君
感染症対策の基本は、適切な検査を正確に行うことが肝要でありますが、PCR検査などでは感染者が自主的に検査を受けなければ陽性者が特定できない。また、PCR検査薬が、これだけ感染者が爆発的に増えればPCR検査薬が足りないと、これはコロナ禍でもあった事象でございます。
的確な陽性者を特定できずに、各地域の感染の広がりの傾向をつかむことができないのではないかと思っております。しかし、この下水サーベイランスを活用すれば、その地域の見えない感染を見える化でき、感染の初期段階から医療機関の検査報告よりも早く、感染の兆候が分かる可能性があり、その後の感染の規模、また増減の傾向も把握できるのではないかと思っております。
それで、今保健部さんのほうに聞きましたけれど、下水の採取ということで、今年最後の質問になると思いますので、林上下水道局長、この導入のための上下水道局としての課題とかありましたら、お答えいただきたいと思います。
○上下水道局長(林 義之君)
下水道サーベイランスに参加した共同体から、実証実験後に意見がいろいろ寄せられております。その課題としては、各処理場の特性に応じた採水時間、分析、解析手法を確立する方法があること、これは処理場ごとに全国いろいろ条件が違いますので、そこをしっかり見ないといけないというところでございます。
あと、費用低減をするための採水の頻度、採水地点、水を取るためには全てマンパワーがかかりますので、マンパワーの効率化とノウハウの蓄積が必要であるというような様々な意見が上がってきております。
ただ、このような課題があると申しましても、今後につきましては、感染症は恐ろしゅうございますので、国や他都市の動向に注視しながら、引き続き、情報収集なり、国等の研究会に参加するなり、講演会に参加していこうと思っております。
○河野淳一君
内閣官房のほうで、令和4年度に実施した下水サーベイランスの活用に関する実証事業の結果報告においても、将来の感染状況の予測によって、市民への注意喚起や地方公共団体の体制整備、要は市民への行動抑制とか、そういうものにも一つのデータとして活用できる可能性があると明記されているところでございます。
最後に、下水サーベイランスのコスト面のことでございますが、要は、PCR検査は年間大体、国全体として3,000億円程度かかっております。
この下水道サーベイランスの費用は単純計算でいうと、30億円ぐらいで済むということでございます。PCR検査が疫学調査だけではなくて、本人が発症したかどうかの確認もありますので、この3,000億円と単純に、この30億円が比較できるかというのは、ちょっと異なるものだと思いますが、費用的にも、全国で考えても安く上がる施策でございます。このぐらい全国的には費用が少なくてカバー率が多いという下水道サーベイランスの導入検討も、今後、様々な感染症対策の予防策として、今後検討いただきたいと要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
著作権について
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