録画中継

第3回定例会
9月22日(金) 本会議(一般質問4日目)

宮野 直樹 議員
1.学校遊具について
2.要配慮者の防災について
【下関市議会 本会議確定版】

△一般質問
○議長(香川昌則君)
 日程第2 これより「一般質問」を行います。本日は、御手元に配付の通告一覧表により、19番から24番までの通告者について行いたいと思います。
 それでは、順次質問を許します。19番、宮野直樹議員。(拍手)
  〔宮野直樹君登壇〕
○宮野直樹君
 おはようございます。無所属の宮野直樹です。通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 一つ目は学校遊具についてです。先日、恵良議員からも質問がありましたが、私なりの視点で、子供たちの笑顔のために、さらなる後押しができるよう質問をさせていただきます。重複する部分もあるかと思いますが、よろしくお願いします。
 本市の教育理念は、「夢への挑戦 生き抜く力 胸に誇りと志~学びが好きな子ども 学びの街・下関~」が掲げられており、生き抜く力の一つとして、たくましく生きるための健康や体力が挙げられています。
昨年12月、スポーツ庁より、令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果が発表され、全国的に子供たちの体力が低下したという結果がありました。先日、磯部教育長の答弁にもありましたが、確認のためお尋ねします。本市の調査結果についてお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 今、議員御案内の調査の結果でございます。体力・運動能力を示す数値は、全国と同様に本市の小中学校においても低下の傾向が見られます。特に、柔軟性と筋力が全国平均を下回る結果という状況になっております。
○宮野直樹君
 本市においても全国と同様の傾向であり、柔軟性と筋力が全国平均を下回っていることが分かりました。また、体力低下の理由として、コロナ禍における自粛や制限、運動時間の減少、スマホやゲーム等、スクリーンタイムの増加が挙げられていました。
 この調査結果を参考に、子供たちの体力向上に取り組んでいただきたいと思いますが、私は体力を向上させる一つとして、体育の授業以外の休み時間の遊びを通じた運動が重要であり、特に学校における遊具は、体を動かす体力づくりのきっかけになると考えています。
都市公園における遊具の安全確保に関する指針では、遊びの重要性として、「子どもは遊びを通じて自らの限界に挑戦し、身体的、精神的、社会的な面などが成長するものであり、また、集団の遊びの中での自分の役割を確認するなどのほか、遊びを通じて、自らの創造性や主体性を向上させてゆくもの」とされています。遊びが果たす役割は、子供に対して楽しさを与えるだけでなく、運動能力を高め、知覚の発達や概念形成、言語の獲得を助け、社会性や創造力などを養います。また、遊びを通じて、危険に関する予知能力や事故の回避能力など安全に関する身体能力等を高めることもできるため、子供の成長において、遊びは大変重要です。
子供たちが友達と集まって、何をして遊ぶのか考え、アイデアを発散し、意見を集約して、合意形成をする。ルールを決めて、そのルールを守り、仲間と協力しながら、走り回り、競い合う。笑って、けんかして、問題を解決して、よりよい人間関係を構築する。このように、遊びには生き抜く力を養う要素がたくさん詰まっています。
加えて、遊具は、多様な遊びの機会を提供し、子供の遊びを促進させるとともに、子供にとって魅力的で創造性を豊かにするのみならず、心身の成長に役立つものです。昔のように、道端や空き地で仲間と戯れ、自由に遊ぶことが困難となっている現在において、学校等で安全かつ生き生きと遊べる環境づくりは極めて重要です。
 そのような中、先日、下関市PTA連合会及び幼稚園・小学校・中学校各PTA連合会より、「市立幼稚園・小学校・中学校の危険遊具・運動設備等の修繕・撤去・新設に関する陳情」が提出されました。
 前田市長におかれましては、子供たちのことを考え、保護者の思いに寄り添い、希望の見える答えをいただき、ありがとうございました。市P連の皆さんより、幼稚園や学校に設置されている遊具、運動設備等は、老朽化等で使用禁止の制限を受けているものが多数あり、子供たちが生き生きと遊ぶことのできない環境に心を痛めているといった切実な思いをお聞きしたところです。
 そこでお尋ねします。まず、市立幼稚園に設置されている遊具の数と、使用禁止の遊具の数、その状況をお示しください。
○こども未来部長(山田之彦君)
 市内の公立幼稚園に設置している遊具は56基あり、安全点検の結果を踏まえ、使用禁止としているものは3基でございます。使用禁止としている3基につきましては、今後、適宜更新してまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 市立幼稚園の遊具は56基設置されており、そのうち、使用禁止の遊具は3基ですが、改善の予定が立てられているということが分かりました。
 次に、小学校、中学校に設置されている遊具の数と、使用禁止の遊具の数をお示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 小学校の遊具の数は516台あり、中学校の遊具の数は25台でございます。そのうち、使用禁止としている数は、部分的な使用禁止も含め、小学校で66台、中学校で2台となっております。
○宮野直樹君
小学校の遊具は516台、中学校は25台、そのうち使用禁止の遊具は、小学校で66台、中学校で2台あることが分かりました。ただいまの答弁から、課題の多くは小学校にあるため、ここから小学校の遊具を中心に質問をさせていただきます。タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○宮野直樹君
これは安岡小学校の遊具の写真です。まず、バスケットボールです。ネットが破損し、支柱がぐらついて危ない状態です。次に、滑り台付ジャングルジムです。支柱が朽ちて一部浮いている状態です。接続されている滑り台は、今から5年前、劣化により危険があるため撤去の予定になっていました。子供たちが大変残念がっていたため、学校に修理ができないか尋ねたところ、予算がなく難しいという回答でした。
そこで、おやじの会有志で現地確認を行い、自分たちで修繕ができないか協議をしましたが、安全性の確保が難しいことから、PTAで予算を捻出し、業者に修理を依頼しました。その結果、使用できるようになり、子供たちが大変喜んだことを覚えています。安岡小学校は児童数、家庭数が多いことから、このような対応ができましたが、小規模校では難しいことが予想されます。
 次に、ジャンプツリーです。数年前に保護者の方より連絡をいただき、教頭先生とともに現地確認をしたところ、支柱が腐食して折れていることに加え、パネルが落下するおそれがあるため、使用禁止となっています。
 最後に、アーチ式の雲梯です。接続部は朽ちて穴が空いているため、使用禁止になっています。
 こうした遊具で遊ぶことの重要性は、先ほど触れましたが、今紹介した遊具にはバランス感覚、平衡感覚、全身運動、身体動作の調整力、対応力、また考える力など、様々な力を養うことができます。しかし、市内の多くの学校等で、使用禁止の遊具が多数あることが現状であり、早期の改善が必要です。
 そこでお尋ねします。使用禁止の遊具が多数ある現状、及び改善の必要性について、どのような見解を持たれているのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 遊具につきましては、先ほど議員から御案内もございましたように、子供たちに冒険や挑戦といった楽しい遊びの場を提供し、さらに社会性や道徳心を育むものであると。また、体力を向上させるものであるものと考えております。こうしたことからも、遊具の改善の必要性につきましては十分認識しているところでございます。
○宮野直樹君
 大変重要であり、改善の必要性を認識しているということが分かりました。
 それでは次に、遊具の管理について質問をいたします。文部科学省の小学校施設整備指針では、固定施設等については、定期的に安全点検を行い、破損箇所の補修を行う等日常的な維持管理を行うことが重要であるとされています。
 そこでお尋ねします。本市において、遊具の点検はどのように実施されているのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 学校の遊具につきましては、毎月、教職員が安全点検を行っており、また、年に1回、専門業者による点検を行っております。
○宮野直樹君
 毎月の先生方による安全点検と、専門業者による年1回の点検を行っているということが分かりました。では、破損箇所の補修を行うなど、日常的な維持管理はどのようにされているのでしょうか。
○教育部長(藤田信夫君)
 日常的な管理につきましては、補修が必要な箇所について、学校から教育委員会へ連絡があったものについて、可能な限り修繕を行っているところでございます。
○宮野直樹君
 修繕ということがありましたが、長期間の遊具利用を可能とするためにもメンテナンスに力を入れ、劣化や損傷を未然に防止するなど、予防保全型管理にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、点検によって、危険な遊具を発見した後の対応はどのようにされているのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 危険な遊具を発見した場合は、すぐにロープを張るなど使用禁止の応急措置を取っているところでございます。
○宮野直樹君
 使用禁止の措置を取っているということですが、劣化に対する修繕等が遅れることによる事故やけががないよう、スピード感をもった対応をお願いいたします。
 次に、遊具の設置基準について質問いたします。文部科学省の小学校施設整備指針では、固定施設等は児童の発達段階、利用状況等に応じ必要な種類、数等を検討して、児童のみで利用しても十分な安全性及び耐久性を備えた仕様のものを選定することが重要であるとされており、具体的な遊具の種類や設置数までは規定されていないように思います。
 そこでお尋ねします。本市において、遊具の種類や設置数など整備基準はあるのでしょうか。
○教育部長(藤田信夫君)
 議員御指摘のとおり、小学校施設整備指針には、小学校に設置すべき遊具の種類や数などの具体的な規定がございません。本市におきましても、遊具の設置基準を独自に設けておりませんが、今後、計画的な整備を行う上では必要になると認識しております。
○宮野直樹君
 基準はないけれども、計画的に行うことは必要だということが分かりました。遊具の整備に関する具体的な基準までは、先ほど御答弁があったように、文部科学省は定めていないことから、自治体ごとに財源や優先順位を考慮しながら、適切に判断しなければなりません。今後、遊具を整備する際には、学校、保護者、子供たちの意見をしっかり聞きながら進めるとともに、学校間に大きな格差が生じないよう対応をお願いいたします。
 それでは、ここまでの議論を踏まえ、遊具に関わる今後の取組について質問をいたします。先日、磯部教育長より遊具については撤去することを含め、計画的に整備できるよう予算確保に努めてまいりたいといった答弁がありましたが、撤去や整備について、今後のスケジュールや財源をどのように考えているのか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
 小学校の遊具につきましては、先ほど答弁いたしましたように、使用禁止としている遊具が66台あるほか、使用禁止まではしておりませんが、毎年の点検で状態がよくないものが多数ございます。
現在、改めて計画的な整備のために、学校の実情に応じて撤去のみを行うもの、修理、補修を行うもの、撤去後、更新を行うものといった選別作業を行うとともに、所要経費についても整理をしているところでございます。
授業で利用する鉄棒等の整備を優先的に検討しながら、その他の遊具の設置台数が多いことから、複数年度で整備をしていきたいと考えております。予算編成の過程で、スケジュール等も検討してまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 現状をしっかり把握して、整理を行って、優先順位をつけながら計画的に実施していくことが分かりました。本市では、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、「For Kids For Future」を掲げ、子育て世代や子供たちに対して大変ありがたい、様々な施策に取り組まれています。
限られた財源だということは重々承知していますが、義務教育の場である学校遊具の充実は、子供たちの体力向上、また成長にとって欠かすことのできないものだと考えています。今回取り上げた学校遊具に加え、保育園、こども園の遊具についてもぜひ力を入れていただき、危険遊具の撤去、新設、更新等の実現に対して善処いただきますことを要望して、この質問を終わります。
それでは、次の質問にまいります。二つ目は、要配慮者の防災についてです。近年、地球温暖化により気象状況が大きく変化している中で、我が国ではこれまでに経験したことがない規模の自然災害が発生しており、本市においても6月末からの豪雨により大きな被害が出ています。
本市は海と山に囲まれ、自然豊かなすばらしい環境に恵まれています。一方で、河川の氾濫や土砂災害など、自然災害とは背中合わせの状態であり、加えて高齢化率については、令和5年7月31日現在で36.4%と高い状況です。災害対策について、様々な事態を想定し、対策を講じていかなければなりません。特に、高齢者や障害者など自主避難が困難な要支援者の方々は被害に遭われる可能性が高く、東日本大震災では犠牲者の6割が高齢者とされており、また、障害者の死亡率は健常者の約2倍になっています。そのような中、平成25年に災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられました。
 そこでお尋ねします。本市の避難行動要支援者名簿の作成状況についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 今、避難行動要支援者名簿の作成状況についてお尋ねがございました。こちらの避難行動要支援者名簿につきましては、地域防災計画、こちらに避難行動要支援者の範囲を定めておりまして、実際の作業としましては、福祉部と保健部から総務部のほうに避難行動要支援者の情報をいただきまして、実際には平成26年度から作成をしております。
 また、毎年4月には最新の情報に更新をしておりまして、今年、令和5年4月1日現在では6,283人の方々を名簿に登載しております。
○宮野直樹君
 本市の避難行動要支援者名簿の作成状況については、福祉部、保健部から情報提供してもらい、その範囲、対象になる方を平成26年から名簿作成をして、更新を行っているということが分かりました。
内閣府においては平常時での名簿の活用を推進しており、平常時から名簿を提供し、避難支援体制の構築に努めることが、円滑な避難支援、ひいては避難行動要支援者の安全確保に効果的であるとされています。岡山県総社市下原地区では、自主防災組織が提供された名簿情報を基に、独自に作成した名簿を用いて地域内で要支援者の情報を把握し、避難訓練を実施しています。また、愛媛県大洲市三善地区では、提供された名簿情報を活用し、避難場所、避難の合図、気にかける人等を記した災害避難カードを、避難訓練を通じて作成をしています。こうした取組の結果、平成30年7月豪雨において、それぞれ名簿や災害避難カードを活用して、迅速な避難支援を行い、1人の犠牲者も出さなかったそうです。
このようなことから避難行動要支援者名簿を適切に活用することにより、地域住民の防災意識が高まり、主体的な行動が促され、災害における被害を最小に抑えるとともに、大切な命を守ることにつながることが分かります。
 そこでお尋ねします。本市において、避難行動要支援者名簿の活用はどのようにされているのか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 今、避難行動要支援者名簿の活用の方法ということで御質問をいただきました。作成をしております避難行動要支援者名簿、こちらにつきましては平常時から各支所、各総合支所、消防局に提供して保管をしております。大規模災害時には、避難支援等関係者であります消防団、あるいは所轄の警察署、それから民生委員さんなどへの提供を想定しておりますけれども、過去、実際に避難行動要支援者名簿を提供した実績はございません。
○宮野直樹君
 本市においての名簿の活用は、まずは行政の関係部局で共有し、大規模な災害があった場合は各関係団体に提供するよう備えていることが分かりました。
下関市障害福祉計画(第6期)のアンケートでは「あなたは火事や地震等の災害時に一人で避難できますか」という問いに対して、できない38.9%、分からないが18.9%、合わせて57.8%の方が災害時に1人での避難が困難だと回答しています。高齢者や障害のある方は、健常者より発災時の避難への意識が高く、逃げ遅れ等への不安を抱えられています。
 そこで、名簿を活用し、災害時の避難支援等、実効性のあるものとするため、個別避難計画の作成を進めるべきだと考えています。個別避難計画とは、高齢者や障害者など支援を必要とする人たちの避難計画を、一人一人の状況に合わせて事前に作成しておき、災害時に備えるものです。
令和3年度、災害対策基本法の一部が改正され、個別避難計画の作成について努力義務とされました。本市においては、下関市地域防災計画に、市は、避難行動要支援者名簿の避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための計画、いわゆる個別避難計画を作成するよう努めるものとすると記述されています。先ほど申し上げました個別避難計画作成の努力義務は、優先度の高い避難行動要支援者について、令和3年度から令和7年度のおおむね5年間で作成することになっています。
 そこでお尋ねします。本市における個別避難計画作成の対象者数と現時点での作成数についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 個別避難計画作成の対象者数と、現時点での作成数ということで御質問いただきました。まず、個別避難計画作成の対象者数でございますが、避難行動要支援者名簿に登録をしております6,283名の方々が対象となります。現在、災害時要援護者登録制度、こちらは福祉部のほうで制度を持っておりますが、こちらに自主的に登録をされた28名の方につきましては、個別避難計画が作成済みとなっております。
○宮野直樹君
 本市においては、個別の計画作成の対象者数は6,283名、作成数は28ということが分かりました。やはり進めていく上で課題があるのではないかと思います。個別避難計画作成について、簡単ではないことは理解していますが、課題を乗り越え進めていかなければなりません。
令和3年9月定例会において、平田陽道議員から、個別避難計画作成の進捗状況等について質問がありました。その中で、個別避難計画の作成に当たり、まず関係課による連絡会議を開催し、取組方針や役割分担等を明確にした上で、社会福祉協議会や民生委員の方々の協力を仰ぎながら、個別避難計画の作成を進めていきたいと考えていると答弁がありました。
 そこでお尋ねします。本市における個別避難計画作成の取組方針、関係課の役割分担についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
個別避難計画の作成の取組方針、関係課の役割分担ということで御質問いただきました。個別避難計画の作成に当たりましては、今から2年ぐらい前になりますが、令和3年の11月、12月に関係課――全部で17課ございますけど、こちらが集まりまして庁内連絡会議を開催して、今後の取組方針や役割分担について協議を行いまして、あわせて外部関係団体等の確認を行いました。
そこでは、庁内だけでなく外部関係団体等も交えました連絡・連携体制を整備することが課題ということで見えてまいりました。
今後も庁内連絡会議を開催し、併せて先進他市の取組事例、こういったものなどを踏まえまして、個別避難計画の作成に向けた取組方針や、庁内関係課の役割分担等について検討の上、個別避難計画の作成を進めていきたいと考えております。
○宮野直樹君
 本市においては、約2年前に関係課で庁内会議を行って、外部団体としっかり連携をしていくという方向性はあったのですけれども、明確な方針はまだできていないのではないかということが分かりました。対象者数も多く、各部局をまたぐことから、しっかりと方針を定め、防災、福祉など関係部局と情報共有を行い、さらなる連携の促進をお願いします。
 次に、庁外の各種団体との連携をどのようにされているのか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 庁外の各種団体との連携ということで御質問いただきました。個別避難計画の作成に当たりましては、今まさに議員御案内のとおり、庁外の各種団体との連携が必須となってまいります。そうしたことから、引き続き下関市社会福祉協議会、それから下関市介護支援専門員協会、こういった団体などをはじめとしまして、各種団体との連携強化を図ってまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 外部との連携は必須というところで、これから外部としっかり取り組んでいくというような御答弁だったと思います。身近な地域の中で、避難を支援する人材の確保など課題はありますが、個別避難計画の作成を通じて地域のつながりの再構築や、平素から困っているときに助け合える地域共生社会づくりにつながります。また、自治会や民生委員、自主防災組織など、地域の力を借りなければ、個別避難計画の作成は進まないことが予想されます。こうしたことから、例えば、出前講座を実施するなど、協力をいただけるよう周知、啓発にも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先ほどもありましたが、介護支援専門員や相談支援専門員など福祉専門職の参画について質問をします。内閣府の避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組方針では、個別避難計画の作成には、福祉専門職の参画が極めて重要とされています。福祉専門職は、本人の心身の状況や社会的孤立の状況などを把握していることから、避難行動要支援者本人の信頼や安心を得られることにつながります。加えて、一人一人の避難行動要支援者に合わせた個別避難計画をつくることが期待できます。
 そこでお尋ねします。個別避難計画の作成において、福祉専門職が参画する必要性についてどのように考えているのか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 個別避難計画の作成に当たっての福祉専門職の参画の必要性ということで御質問いただきました。今まさに議員御案内のとおり、国の取組方針の中でもあります福祉専門職の参画が極めて重要と述べられております。まさにそうだと思います。
本市としましても、個別避難計画の作成に当たりましては、避難行動要支援者の方々の生活スタイル等を把握する必要がございまして、そのためには民生委員やケアマネジャー、こういった方々の、福祉専門職の方々からの御協力は必要不可欠、重要なものと認識をしております。
○宮野直樹君
 福祉専門職が個別の計画作成に参画することに対して、その必要性を認識していることが分かりました。個別避難計画の作成、実行のためには、本人や家族はもちろん地域住民や行政の連携、協働が不可欠となり、特に平時から避難行動要支援者本人の心身の状況や生活実態を把握している介護支援専門員や相談支援専門員などの福祉専門職の参画が重要となります。一方で、業務量の増加など課題があるため、参画を進めていくには、個別避難計画作成の必要性について、共通理解を図ることや業務に対する評価が必要と考えています。例えば、同じ中核市の岡山県倉敷市では、個別避難計画作成1件につき7,000円、また更新3,500円の作成業務委託料を設定しています。
 そこでお尋ねします。福祉専門職等への働きかけに加えて、個別避難計画を作成した場合の業務委託料の必要性について見解をお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 今、個別避難計画の作成に当たっての、業務委託料の必要性ということで御質問いただきました。まずは庁内での個別避難計画の作成に向けました方向性、そういったものを明確に定めまして、福祉専門職の方々と連携を図っていきたいと考えております。
また、福祉専門職の方が個別避難計画を作成した場合の業務委託料の必要性、こちらにつきましては先進他市の取組事例、こういったものを、今御紹介ありました岡山県とか、いろいろありましたけども、こういった例を頂きながら、個別避難計画の作成手法を踏まえつつ、方向性のほうは検討していきたいと考えております。
○宮野直樹君
方向性を定めて、そして外部の専門職や地域の皆さんと連携を図ると。その上で、他市の取組を参考に検討していくということでしたが、前向きに御検討いただければと思っています。
高齢者や障害のある方々など、いわゆる災害弱者の方々の避難支援を実効性のあるものとするためには、個別避難計画の作成が有効です。例えば、モデル地区を選定し、実際に個別避難計画作成を試行することに加え、そして実践の中から、作成過程に関わる課題を整理するなど、個別避難計画作成の促進に向けた取組をお願いいたします。
 次に、福祉避難所について質問をいたします。本市においては福祉施設等々、福祉避難所の協定を結んでいると認識していますが、その現状について質問をさせていただきます。まず、本市の福祉避難所の協定数についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
 福祉避難所として協定を締結した数についてお答えいたします。福祉避難所としての協定は16の社会福祉法人と交わしておりまして、対象の施設数は18施設でございます。
○宮野直樹君
 本市において福祉避難所は16法人、18施設と協定を結んでいることが分かりました。7月の豪雨の後に、障害のある方や御家族にお話を伺いましたが、福祉避難所について、その存在を知らないということをお聞きしました。
 そこでお尋ねします。福祉避難所について周知はされているのでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
 福祉避難所の周知の状況についてお答えいたします。現在、ホームページなどにおきまして公表はしておりません。協定を交わしている各施設では入所者の方が生活されており、通常の業務が行われております。避難所としては、3日目以降を想定した一定の期間を超えた対応が必要な場合の二次避難所でございますので、万が一災害が発生した際に、あらかじめや勘違いされての避難も含め、各施設に直接避難に行かれた場合に、現場が混乱するため公表しておりません。
○宮野直樹君
 協定を結んだ施設の通常業務や、3日目以降ということで、周知することによって、いろんな方が避難されての混乱を招くということがあるため、広く周知はしていないという状況については理解をしました。一方で、必要な方々が知らないと、福祉専門職も知らないという現状があるので、この福祉避難所の受入れ対象者を決めて、その目的や対象者をあらかじめ市民の皆さんに知らせることについて御検討いただきたいと思います。
 では、どのような状況で、福祉避難所の開設、利用ができるのでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
 福祉避難所をどのような状況で開設し、利用していただくかについてお答えいたします。災害が発生した際に、指定避難所に避難された方の中で、高齢者の方や障害のある方など指定避難所に長く滞在することが困難な方がおられた場合に、福祉避難所を開設しまして利用していただくようにしております。
○宮野直樹君
 まずは指定避難所に避難してから、長期間の滞在が難しいということについて、市の判断で、対象者の方が福祉避難所に移動していくというような流れということについて分かりました。
令和3年5月、災害対策基本法の改定と同時に、福祉避難所の確保・運営ガイドラインが改定されました。その背景として、障害のある人等については、福祉避難所ではない避難所で過ごすことに困難を伴うことがあるため、一般避難所への避難が難しい場合があり、平素から利用している施設へ直接に避難したいとの声があるとされています。
私も実際に、障害のある方やその御家族からお話を伺いましたが、一般の避難所では、トイレの利用をはじめ物理的に避難が難しい、体温調整ができないため、エアコンのない学校の体育館には避難できない。また、強度行動障害のため慣れない環境ではパニックになってしまう。集団の中では落ち着くことができず、行動や声で周囲の人に迷惑をかけてしまうなど不安な思いを聞いています。
本来、避難が必要な方々が、避難できていないという現状があるのではないかと思っています。こうした状況において、福祉避難所など配慮のある環境や、日頃利用している福祉施設、通い慣れた総合支援学校等に避難ができれば、安心できるといった声を伺っています。避難をちゅうちょすることにより、逃げ遅れがあってはなりません。
 そこでお尋ねします。福祉避難所へ直接避難することは、できるのでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
 福祉避難所へ直接避難できるかについてお答えいたします。福祉避難所では、現在、直接の避難は受け入れておりません。指定避難所に長く滞在することが困難な方がおられた場合に、福祉避難所となっている施設への移動を検討する流れになっております。
○宮野直樹君
 先ほども申し上げましたが、本来、避難を必要としているけれどもちゅうちょしてしまうという方がいる、これが現状です。現時点では福祉避難所への直接避難について、できないということについては分かりましたが、これまで答弁いただく中で、対象の方々が避難するには、受入れ側の体制も含めて様々な課題があると思います。下関市障害福祉計画(第6期)のアンケートでは、「火事や地震等の災害時に困ることは何ですか」という問いに対して、避難場所の設備や生活環境が不安と答えた方が43.8%いらっしゃいます。指定避難所そのもののユニバーサルデザイン化、これを進めていかなければなりませんが、今ある環境をしっかりと生かしていく、そうした取組が重要です。例えば、今後、個別避難計画の作成において、福祉避難所への直接避難が必要と判断した場合、事前に登録をして、直接避難ができる体制をつくること、加えて指定福祉避難所の指定を含めた福祉避難所の拡充など様々な方の意見を聞きながら、福祉避難所の在り方について再度御検討いただきたいと思います。
 最後になりますが、ここまでのお話を含め、要配慮者の防災に対する今後の取組についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 要配慮者の防災に対する今後の取組についてということで御質問いただきました。まずは今年度内を目標に、先進他市の事例なども参考にしながら、個別避難計画の作成に向けた庁内の方向性、取組方針とでも言うのでしょうか、こちらを明確にしたいと考えております。
 その上で、避難行動要支援者名簿に掲載された方々のうち、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域などの危険区域にお住まいの方々から順次、個別避難計画の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
 福祉部の今後の取組についてお答えいたします。福祉部では、現場の方々からの御提案を受けまして、医療的ケアが必要な方とその御家族に御協力いただき、モデルケースとして、今年11月頃までに避難訓練を実施する予定にしております。
本来は、個別避難計画を作成して、その計画に基づき地域住民の方が中心となって訓練を実施するところではございますが、今回は、まずは実際に障害福祉サービス事業所などの関係機関と消防局が協力して行い、ここで見つかった課題などを検証しまして、今後、ほかの方々も含めた個別避難計画の作成につなげていきたいと考えております。
○宮野直樹君
 まず、大きな枠組みでいくと、年度内に庁内の方針を明確にしていくということで、同時に対象者、ハザードの状況によって絞り込んでやっていくというお話と、個別については福祉部のほうで医療的ケアの必要な方を対象にして、実際に模擬的な避難訓練をやっていくということで、この支援から、しっかり地域の課題に対して取り組めるようなことを検証しながら、個別避難計画の作成を含めて進めていただきたいと考えています。
 災害は、いつ、どこで発生するか分かりません。必ず起きます。災害が少なくても、災害に弱い町であってはなりません。誰一人取り残すことのない、災害に強い街下関をつくるため、個別避難計画の作成など様々な対策に取り組んでいただきますことを要望して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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