録画中継

第3回定例会
9月19日(火) 本会議(一般質問1日目)

早川 幸汰 議員
1.選挙について
2.職員の勤務について
3.職員の採用について

※3については質問を行っていません
【下関市議会 本会議確定版】

○副議長(安岡克昌君)
 6番、早川幸汰議員。(拍手)
  〔早川幸汰君登壇〕
○早川幸汰君
 それでは通告に従いまして、質問をさせていただきます。
まず下関の選挙についてです。平成17年に下関が合併してから18年が経過しております。自分は当時10歳だったようで、そのときの空気感等は当然記憶にございません。ただ、今でこそ政治に無関心な若者が増えたり、それに付随して投票率の低下などが言われておりますが、ここ最近の選挙についてお伺いします。
合併後から市長選、市議選の投票率の推移を教えてください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 平成17年の合併以降の投票率の推移についてお答えいたします。
まず、下関市長選挙の投票率につきましては、平成17年3月27日執行時が49.30%、平成21年3月15日執行時が53.47%、平成25年3月10日執行時が42.04%、平成29年3月12日執行時が47.09%、令和3年3月14日執行時が37.52%となっており、この間、投票率が最も高いのは、平成21年の53.47%で、逆に投票率が最も低いのは、令和3年の37.52%で、15.95ポイント落ちております。
次に、下関市議会議員選挙の投票率につきましては、平成19年2月4日の執行時が61.09%、平成23年1月30日執行時が51.70%、平成27年1月25日執行時が45.47%、平成31年2月3日執行時が43.63%、令和5年2月5日執行時が42.33%でございます。この間、投票率が最も高いのは、平成19年の61.09%で、逆に投票率が最も低いのは、令和5年の42.33%で、18.76ポイント落ちております。
○早川幸汰君
 今あったように、この期間の中のピークにおいても、かなり投票率が下がっていることが分かります。
次に、今答弁があった選挙における世代別の投票率の傾向について、どう分析しているかお答えください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 各世代の有権者数に対する投票者数の投票率の傾向につきましては、最も投票率が高いのは60歳代、次いで2番目に高いのは70歳以上となっております。3番目からは、投票率の高い順に50歳代、40歳代、30歳代、20歳代と10歳代を合わせた世代となっており、世代年齢が下がるほど投票率が低くなっており、これは平成17年以降の市長選挙、市議会議員選挙全てで同様の傾向となっております。
また、今年2月5日執行の市議会議員選挙の場合、最も投票率の高い60歳代の投票率が52.98%で、最も低い20歳代と10歳代を合わせた世代の投票率が21.41%となっており、31.57ポイントの差となっております。以上でございます。
○早川幸汰君
 今あったように、60歳で投票率は頭打ちになって、70歳代は依然として、維持したまま投票率があるということですが、年齢が若くなるにつれて投票率が下がっているということでした。
それでは次に、近年の選挙の全体の傾向はどう分析しますか。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
平成17年以降の市長選挙、市議会議員選挙の投票率の推移を見ますと、投票率は減少傾向でございます。また、世代別で比較した場合、どの選挙においても、60歳代及び70歳以上の投票率が高く、年齢の低い世代の投票率が低いことが傾向として現れております。
○早川幸汰君
 全体の傾向としても、投票率が下がっているということでした。
それでは次に、下関市において全体の投票率が低いことは悪いことなのでしょうか。市としての考えをお示しください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 投票率が低いということは、多くの市民が政治参加を行っていないということになり、民主主義が十分に機能していないという観点から悪いと思います。投票は、一人一人の意見を表明し、自分たちの生活に影響を与える政策や政治家を選ぶ重要な手段ですので、その投票率が低いということは、市民の意思が正確に反映されていない可能性があることが考えられます。
また、投票率が低い背景には、政治への興味のなさや不信、選挙制度への不満など、様々な意見や状況が存在することも考えられるため、それらを踏まえると、投票率が低いことは市民からのメッセージでもあり、その背景や理由を考慮し、判断しなければならないと思われます。
○早川幸汰君
 今全体の話で言われましたけれども、投票率は高い状態で維持されているほうが、民意が反映できているという状態ということでした。
似た質問にはなるのですが、次に、世代別の投票率に差があることは悪いことですか。同様に市としての考えをお示しください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 投票率に差があること自体は、世代によって抱える問題や関心事が異なり、それが投票行動に反映されることから、一概に判断することは難しいと思われます。
しかし、民主主義の観点から見れば、全ての世代が等しく参加することが理想であり、特定の世代の投票率が他の世代に比べて低いと、その世代の意見や要望が、十分に政策に反映されない可能性が懸念されます。
またあわせて、特定の世代の政治離れにつながってしまうことになれば、問題と思われます。
○早川幸汰君
 先ほどあった令和5年の市議会議員選挙での投票率の比較がありましたが、この選挙で有権者数を比較しますと、10代と20代の人数の合計は約2万3,000人、60代の人数は約3万2,000人で、大体9,000人の差があります。有権者数の差は1.4倍です。これが人口ベースにしたときの現状です。
次に、投票に行った方をベースにしたときの比較です。10代と20代の投票者数は約5,000人、60代の投票者数は約1万7,000人で、大体1万2,000人の差があります。投票数の差は約3.4倍です。
このように、若年層と高齢層で政治に対する影響力が違います。相対的に有権者が多く、投票率の高い高齢者層の意見が政治に取り入れられやすく、有権者が少なく、投票率の低い若年層の意見が政治に取り入れられにくい構造になっている現状があります。若年層と高齢層の1票の価値が異なり、世代における1票の格差が存在するとの意見もあります。
また、内閣府の経済社会総合研究所の経済分析において、2022年の11月に掲載された「地方自治体の歳出配分における「シルバー民主主義」の検証」という論文があり、その中で人口構造の変化が自治体の支出決定に与える影響について分析を行っています。
その中では、有権者の中位年齢が上昇すれば、老人福祉費が増加する一方で、児童福祉費及び教育費が減少することになるといったシルバー民主主義の問題が指摘されています。若い世代にとって非常に問題で、若年層の政治への諦めや投票制度への懐疑が広がる可能性も同時に指摘されております。この傾向は将来的にまだまだ伸びていくようです。
それでは、次に投票率を改善させるために、市が実施している施策をお示しください。選挙期間やそれ以外のものをお願いします。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 選挙時における啓発活動といたしましては、選挙の周知のためのSNSでのカウントダウン投稿、市内商業施設における街頭啓発、市広報紙での選挙に関する特集記事掲載のほか、市政広報ラジオ番組により、投票の呼びかけを行っております。また、市長選挙及び市議会議員選挙におきましては、業務委託により啓発事業を実施しております。
直近で執行された市議会議員選挙における啓発事業の内容としましては、市役所本庁舎や各総合支所、市内商業施設における懸垂幕、横断幕の設置、ポスター、のぼり、啓発用配布物品の作製、特設ウェブサイトの運営、啓発CM動画の放映などを実施しております。
また、投票率を改善させるための施策として「親子で投票!キャンペーン」を実施いたしました。学校を通じて小学生に「親子で投票!キャンペーン」のチラシを配布し、保護者に投票に行ってもらう仕掛けとともに、将来の有権者である小学生に、保護者の投票行動を見てもらうことにより、選挙に興味や親しみを持っていただき、将来の投票行動につなげていくことを目的としたものでございます。
次に、選挙時以外の啓発活動については、若い方々の視点で、実際に選挙の啓発活動等を体験しながら、どうすれば政治や選挙について、より関心を持ってもらえるかを考えていただくことを目的に、令和3年に「下関市選挙啓発サポーター」を設置し、3期目となります現メンバーは全員大学生で、10名で活動しております。
このサポーターの活動といたしましては、毎月1回の定例会を開催し、若年世代に対する選挙啓発の企画に関する協議、選挙制度の勉強会などを行っております。また、市内の高校における出前授業においては、事前アンケートなどに基づく授業内容の企画・構成を行い、実際に講師や模擬投票の候補者役を務め、事後アンケートを実施し、以降の出前授業や啓発活動の参考としており、実績といたしましては、令和3年度に2校194人、令和4年度は2校354人の生徒に対し、出前授業を行いました。
その他の取組として、小中学校及び高等学校の児童・生徒を対象とした明るい選挙啓発作品の募集を行っております。これは明るい選挙を呼びかけるためのポスター、標語、習字の募集を行い、優秀作品の表彰を行うものです。昨年度は、ポスターが9校から21点、標語は12校から103点、習字は53校から1,639点の応募がございました。
また、中学校、高校を対象として、投票箱、投票用紙記載台の貸出しを行っております。これは、生徒会選挙等を行う際、実際の選挙で使用する投票箱や記載台を用いることで、選挙に親しみを持っていただくとともに、選挙に対する堅苦しいイメージを軽減するなどの効果を期待しているところでございます。
○早川幸汰君
かなりやっているようで、選挙期間中においては、目に見えるポスターなど、SNS、特設サイトなどでたくさん取り組まれているようでした。それに加え、選挙期間中は、候補者の選挙カーや選挙ポスターの掲示板などが設置されることなどもあり、選挙期間中に選挙があることに対して、気づかない人は全くいないのではないかというレベルではないかと思います。
以上のことから、選挙があることに関しての周知に関しては十分、もしくはそれ以上のように感じます。しかしその反面、今の施策を聞いて思うところは、主権者教育という観点からの啓発に関しては、範囲の広さや伝える速度、伝える強度に物足りなさを感じる内容でした。
先ほどの答弁で実施したことに対して、施策の効果についてはどのように分析されていますか。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 選挙啓発における啓発事業の目的は、公明かつ適正な選挙の実現と選挙の周知でございますが、投票率向上もそれに含まれると考えております。選挙の周知につきましては効果があったものと考えておりますが、投票率につきましては、天候やそのときの社会情勢、選挙の争点や候補者数、候補者の得票が拮抗すると見込まれるかどうかなど、多くの要因により左右されるものだと言われておりますので、啓発事業の効果がどのように投票率につながっているのか一概にお答えするのは難しいと考えております。
○早川幸汰君
 多くの要因によって左右されるというのは、ごもっともなことで、そもそもの問題が多く、例えば議会や行政が担う市政への興味のなさや不信感等も一因として挙げられるかとは思います。
しかし、分析が不十分であるために、効果の乏しい施策になっている可能性が非常に高いことを指摘します。
下関では、2年おきに作成している選挙の記録というものがあります。これは下関のホームページで誰でも見れるようになっているものですけれども、選挙における様々なデータがあり、そのデータは選挙の回数を追うごとに年々蓄積していきます。取り組んだ施策に対するアンケート等も合わせると、非常に有益な情報が集まっていることかと思います。
そこで質問ですが、先ほどあった答弁で、施策は何を基準や根拠にして実施されていますか。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 選挙管理委員会として、特に危機感を感じているのは、先ほどの答弁でも御説明させていただきましたが、20代の投票率の低迷についてで、この世代がこの投票率の年齢を重ねていくことになれば、当然、全体の投票率が低下することになります。2月に執行いたしました市議会議員選挙におきましては、ポスターや懸垂幕、のぼり等のデザインのほか、SNSのカウントダウン投稿にも高校生や大学生を起用し、若年層に訴えたところでございます。
○早川幸汰君
 今、お答えいただいたように、若年層に向けた取組をかなり意識してやられているということでした。私自身も、選挙期間外の取組として活動されている下関市選挙啓発サポーターをメインにしたものをSNSでチェックしておりました。メインのイメージや特設サイトを見ると、かなり若者向けに意識して作成されていたことが伝わりました。
その反面、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムにおいて、ターゲットである若い世代はもとより、ほとんどの市民からの反応は、厳しい言い方をすると、ほとんどなかったように私は記憶しております。また、今の答弁に具体的な数値がないことから、これらの政策に期待される効果や事業指数は、実施前それと実施後、共に検討されるような状態ではないのかと思います。
それでは、先ほどの答弁の施策の費用についてそれぞれお示しください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 令和4年度の常時啓発に要した費用及び2月に執行いたしました市議会議員選挙の啓発に要した主な費用について申し上げます。
まず、常時啓発に要した費用は、選挙啓発サポーター事業として約12万円、明るい選挙啓発作品の募集等に約18万円、その他の費用として約2万円の合計約32万円となっております。
次に、市議会議員選挙の啓発に要した費用は、横断幕・懸垂幕の作成等に約33万円、ポスター・のぼりの作製で約27万円、街頭啓発用配布物品に約18万円、特設ウェブサイト等の運営に約32万円、啓発用CM放映等の広告に58万円、期日前投票キャンペーンに約17万円、その他諸経費と消費税が約25万円で、合計約210万円となっております。
○早川幸汰君
 金額で測れるものではないですが、私としては、明確に数値で下がっているところに対しての施策という点では不足しているように思います。これらの施策にかかっている費用は、十分か不足しているか、どうお考えでしょうか。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 常時啓発、市議会議員選挙に係る啓発事業に係る委託料のいずれにつきましても、事業内容等を精査して予算措置を行ったものでございますので、適正であったものと考えております。
○早川幸汰君
適性つまり十分ということでした。
 これは委託料に対する予算措置でありますので、当然適正であると思います。ただ、やはり見えている問題に対して、全体的に論じる必要があると思います。今までの答弁の内容から、施策や予算が適正だと思う人が一体どの程度おられるか、甚だ疑問ではございます。
次に、今後の取組についてです。このような現状があり、かつ改善しにくい問題が山積みの中、これからどう取り組み、改善していくか、ビジョンをお示しください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 本年度、下関市選挙管理委員会から下関市立大学に対し、より効果的な啓発活動を実施するため、若者世代の投票率向上をテーマとして、資料を作成していただくことを依頼しております。
その一環として、下関市議会の御協力をいただき、去る8月21日に市立大学において、「高校生と議員のつどい」を開催させていただきました。早川議員にも御参加いただきましたので御存じのことかと思いますが、近い将来、有権者・社会人となる高校生と議員の交流の場を設け、高校生の選挙への関心と政治への参加意識の向上が図られたものと考えております。
なお、この「高校生と議員のつどい」の際に、高校生に対して実施したアンケートの分析結果等を踏まえた報告書が本年度中に提出される予定ですので、これを参考に、さらに有効な啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。
もう一点「選挙に行くことが当然」という風土の醸成でございます。9月2日に鳥取市で開催された「若者リーダーフォーラム」において、総務省の主権者教育アドバイザーで、福知山公立大学の杉岡秀紀准教授の講演が行われ、そのお話では、多くの若者にとって政治に無関心でいることが、同調圧力として働いているのではないかということでした。
例えば、投票に行ったことが知られてしまうと「あの子は政治に関心がある」と言われてしまい、それを嫌がる若者が多いということで、若年世代の投票率は多くても30%ですので、投票に行かないほうが多数派であると言わざるを得ません。この割合が逆になれば、つまり投票に行く若者が多数派になれば、選挙に関心を持つことが同調圧力となり、自然と投票率は上がるということでございました。
以上のことから、若年世代だけではなく、全世代の皆さんが選挙に行くことが当然という風土を醸成するための取組が必要であると考えております。
現時点で、具体的あるいは効果的な施策のアイデアを持ち合わせているわけではございませんが、今後とも、様々な方の御意見をいただきながら、地道ではございますが取組を進めてまいりたいと考えております。
○早川幸汰君
 今、説明にありましたが、一つ目の高校生と議員のつどいというものに参加してきました。会としてはすごくよくて、取組も今後続けていってほしいと思います。参加されている高校生も、高校生とは思えないぐらい非常にレベルの高い意見が出てきました。
というのは、有志の集まりなので、それなりに意見がある子たちが集まってきたという側面が一つあります。ここをもっと幅広くしないと、先ほど言ったように、最終的に何か成果物を出すというときに、意見の偏りが出るので、根本的な解決には、僕はつながらないと思っていて、これが行政あるあるという感じだと思っています。
後は、議員一人に対して、生徒さんが2人か3人という感じだったので、かなり発言しにくいような空気感がございましたので、もし次回あるのであれば、興味の薄い参加者や人数などを考慮すると、もっといいものになるのではないかとは思っています。
二つ目に関しては全くその通りで、同調圧力ということで、結局何が問題かというと、不信感やダサいと思わせてしまっているようなものがあるというところで、議会や市政の運営に改革が必要になってくるところもあると思います。しかし、今改革を必要とされている部分を担う議員たちや職員においては、循環はほとんどないので、教育や自らの学び等による変化が求められているかと思います。
今の答弁であった取組も重要ですが、啓発活動については、根本的に僕は見直さないといけないと思っています。しっかりとした分析を基に、どんな層にどんなことを伝えていかなければいけないかというマーケティングをした上で、初めて啓発の意味をなしていくと思います。前回の予算に捉われない目的に対する質の高い施策の実施を要望します。
次に、予算や条例など障壁がなければ、できたらよいと思っていることがあればお答えください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 予算の制限やほかの障壁がなければ、多くの来場者が見込まれる商業施設などに共通投票所を設置したいと考えております。共通投票所とは、期日前投票所と同様に、投票日当日も、全ての有権者が投票区に関係なく投票できる投票所のことで、設置できれば有権者にとって利便性が向上いたしますが、実現のためには、二重投票防止のため、選挙の都度、119か所の全投票所で選挙人名簿をリアルタイムで情報共有する仕組みが必要となり、全投票所にネットワークでつないだパソコンの設置が必要となります。
予算的な制限に加えて、有線回線を使用する場合、民間施設を含めた全投票所へのネットワーク回線敷設が支障となり、無線回線を使用したとしても、情報漏えいや通信障害のリスクが支障となります。また、有線・無線に限らず、サーバー機器の故障が発生した場合、その間、投票ができなくなることから、選挙そのものが無効となり、有権者に多大な御迷惑をおかけするだけでなく、選挙の信頼性を損なうおそれがあることから、現時点での共通投票所の設置は難しいとは考えております。
○早川幸汰君
 もし実現したら、非常に有効な手段かとは思います。でも、それよりスマホで投票できたほうがよくないかと僕は思うのですけれども、現在、スーパーシティとか、デジタル田園健康特区というところがあって、つくば市や加賀市においては、導入・実施を目指して、ほぼ孤軍奮闘で実施を目指してやられているところでありますが、市としてのネット選挙に関する見解やネットのメリットやデメリット、障壁等の観点でどうお考えですか。お答えください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 インターネット投票につきましては、令和3年度に衆議院に「インターネット投票の導入の推進に関する法律案」が提出されましたが、その後、衆議院の解散に伴い廃案となり、現在に至っているところでございます。
インターネット投票の実現には、選挙の公正及びこれに対する信頼の確保、具体的には選挙人が一つの選挙において、二以上の投票を行うことの防止、本人以外の者が投票を行うことの防止、投票立会人による投票の立会いに相当する措置の整備、投票の記録の保全並びにインターネット投票に係る情報システムの安全性及び信頼性の確保など、解決すべき課題が山積みしている状況にあると考えております。
メリットといたしましては、選挙人が自身の都合のいい場所、時間に自由に投票することができるという利便性向上があると考えております。デメリットといたしましては、立会人や投票事務従事者、他の選挙人の目がある投票所ではなく、誰も見ていない場所での投票が可能となるため、買収や強要、本人以外の投票が行われる可能性が高くなることだと考えております。
将来的にはこれらの課題も解決され、インターネット投票は実現する可能性も大いにあると思いますので、選挙管理委員会としましては、国の動向等を注視し、適宜適切な対応を行いたいと考えております。
ただ、インターネット投票の実現は制度改正の一つですので、導入により、一時的には投票率の向上が見られても、時間が経過するとともに、その利便性は風化してしまうことも考えられますので、先ほど申し上げましたとおり、全世代の皆さんが「選挙に行くことが当然」という風土の醸成に向け、地道な啓発活動を続けてまいりたいと考えております。
○早川幸汰君
 最後に可能性の話で、導入後は増えるかもしれないけれども、そのまま下がっていく可能性も考えられるとおっしゃられましたけれども、可能性としてはそれを導入したことによって上がる可能性もあるわけで、全く関係ないことだと思います。
最初に、インターネット投票の導入の推進に関する法案に関しておっしゃられましたが、第204回の国会に提出され、その後、衆議院解散によって廃案になっているとのことでしたが、その後、第208回国会にもほぼ同じ内容で法案を提出されており、また第211回国会でも同様に法案は提出されております。閉会中審査となっているわけですけれども、継続して検討が続けられているようです。
メリット・デメリットを挙げてもらいましたが、両方とも言えることだとは思います。ただ姿勢としてどうかという問題であって、大阪府では、オンライン投票の環境整備を求める意見書が、令和2年12月21日に衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、内閣官房長官、デジタル改革担当大臣に向けて提出されております。議会内の話でありますが、私も取り組んでいきたいと思っています。
本市においては、先陣を切って何かを変えていくことは非常に苦手であると勝手に分析しておりますが、多くの人が選挙に参加できる仕組みのために、ぜひ地方から国の制度が変わるように声を上げてほしいと思っています。
また、別の話になるのですが、先ほど話した議員と高校生のつどいの中で、たくさんの人が投票できるようになると、何も考えないで投票する人や外圧によって投票を左右されるケースがあるのではないかという問いがあり、参加されていた議員の方からも、そのとおりとおっしゃられている意見も出ました。私はその班を持っていたので、意見することができなかったのですけれども、こういう点が、若者に対する、分からないと、何も考えていないと投票してはいけないという圧を与えているようにも感じます。どちらがいいとは一概に言えないところもありますし、以前の選挙のシステムで、そういう外圧とか何も考えていない人が投票していないかと言われるとそうでもないと思います。このように、話題に出しやすい風土づくりにも取り組んでいかなければなりません。となると、取り組むべき事項の中でも、教育においては、優先的にかつ強力に実施していかなければならないと考えます。
教育についてですが、教育との関わりについてお示しください。
○選挙管理委員会事務局長(小田和則君)
 教育との関わりにつきましては、高校を対象として、出前授業の開催案内を行っており、中学校及び高校を対象として、投票箱・記載台の貸出しの案内も行っております。高校での出前授業につきましては、コロナ禍より件数が少なくなっておりますので、今後とも各高校に働きかけを行うとともに、山口県選挙管理委員会とも連携し、山口県教育委員会に対しても働きかけを行ってまいりたいと考えております。あわせて、本市教育委員会とも連携を図り、中学校における出前授業の実施につきましても推進してまいりたいと考えております。
これらの取組は、投票率の向上に即効性があるものではございませんが、将来への種をまくという意味で非常に重要でございますので、着実に進めてまいりたいと考えております。
○早川幸汰君
 今の内容からすると、行政としてはそういうものを準備して、学校側から裁量により実施されるようであれば、お手伝いできるということでした。
学校は教えることが山ほどあるため、主権者教育にそれほど時間を割けていないというのは十分理解できます。しかし、ではほかに誰が教えるかとなったときに、親という声がありましたけれども、その親はどこで教育を受けたのかという話で、改善の余地がないというところからすると、僕は教育にかなり力を入れてやってほしいとは思っています。
市内の小中高、大学への特に投票権を得る年齢に近い高校・大学への取組は非常に重要であり、強化しなければならないと思います。国政選挙における年代別投票率という観点について、総務省のホームページより、いずれの選挙でもほかの年代に比べ、若年層の投票率は低い水準にとどまっていることから、総務省では、特に若者への選挙啓発や主権者教育に取り組むとともに、関係機関との緊密な連携を図り、投票率の向上に努めることとしています。下関の管轄ではない教育機関も多数ございますが、ほとんどが下関で育つ若者だと思います。できる・できないの枠組みを外し、下関全体で進めていけるように強く要望して、次の質問に移ります。
次に、職員の勤務時間についてお尋ねします。職員の勤務時間について教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
 職員の勤務時間ということで御質問をいただきました。常勤の職員の勤務時間は、休憩時間を除いて、1日につき7時間45分、始業時刻・終業時刻は、それぞれ8時30分から17時15分までとなっております。なお、公務の運営上の事情によりまして、特別の形態によって勤務する必要のある職員につきましては、規則により別の勤務時間を定めております。
○早川幸汰君
 それでは次に、勤務中の休憩について教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
 1日の勤務時間が6時間を超える場合につきましては、一般的には12時から13時までの1時間について、休憩時間を置くこととしております。なお、職務の特殊性または当該公署の特殊な必要がある場合におきましては、規則により別の時間帯を定めております。○早川幸汰君
 次に、職員の出退勤の管理について、時間の把握の方法を教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
 職員の出退勤の管理方法についてということでございます。出退勤時刻の管理につきましては、各課所室におきまして、職場のパソコンの立ち上げ時刻及び終了時刻をシステムにより抽出した上で、時間外勤務の時間と突き合わせまして、その時間に乖離、間があるような場合につきましては、指導等により適正化を図っていくこととしております。
また今後は、全庁的な出退勤管理システムを導入することで、客観的な勤務時間を一元的に把握・管理していくことも、関係部局と調整を進めているところでございます。
○早川幸汰君
 現在は、パソコンの立ち上げ、そして消すというところの管理で把握されているということでした。
それでは次に、時間外勤務についてお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
 まず、業務にあたりましては、限られた予算の中で、多様化する社会情勢の変化に対応しつつ、質の高い市民サービスを持続的かつ効果的に提供していくためには、業務の効率化、それから事務事業の見直しを行っていく必要があるというのが大前提でございます。それでもなお、勤務時間外に勤務する必要がある場合につきましては、所属長からの時間外勤務命令に基づいて業務を行っているというところでございます。
○早川幸汰君
 それでは、今言われたことに関しての本市の実情をお答えください。何時間平均で取っているとかがあれば。
○総務部長(笹野修一君)
 今ちょっと手元に持っている資料は、令和元年度に策定をしました「ワークライフバランス推進のための行動計画」というものがございまして、令和2年の3月31日付で公表しております。これによりますと、基準値が、1人1月当たり11.4時間ということになります。
○早川幸汰君
 決まりによって定められた範囲でやられているということですね。それでは、残業と時間外勤務の違いについて、何かあればお教えください。
○総務部長(笹野修一君)
 繰り返しになりますけれども、所属長からの事前の命令という形で、時間外勤務をやっているということでございます。
○早川幸汰君
 それでは、所属長からの命令以外で残って仕事をしているものに関しては、残業ですという感じだと思います。今言われた、所属長が命令して行っている業務以外の残業について、市はどうやって把握をされているか、お答えください。
○総務部長(笹野修一君)
繰り返しになりますけれども、所属長から、事前に命令を受けるというのが大前提でございますので、その部分については当然、時間外勤務命令として従事するということになろうかと思います。
一方で、先ほどの17時15分過ぎてまだ残っている職員がいるということであれば、それは、例えば御自身でその日の業務の簡単な整理をしたり、そういうことで残っているのではないかと思います。特に今働き方改革ということが言われておりますので、各職場においては終礼を徹底したりとか、事前命令を徹底したり、あるいは先ほどの繰り返しにもなりますけれども、業務の効率化ということで、再分担というようなところも取り組まないといけませんので、特に簡素化、業務の改善ということでなるべく時間外を減らそうと取り組んでいるところでございます。
○早川幸汰君
 今説明していただきましたけれども、具体的にはどれだけの職員が残業で残っているかというお答えにはなっていないとは思います。
次に、休暇についてお伺いします。年次有給休暇の概要について教えてください。
○総務部長(笹野修一君)
 一般的な常勤職員の年次有給休暇についてお答えをいたします。
付与日数、こちらは年間20日ございまして、付与された年内に取得できなかった休暇の日数につきましては、前年に付与された20日を限度といたしまして、翌年度に繰越しされることとなります。よって繰越分を含めますと、年間で最大40日の年次有給休暇が付与されるということになります。
○早川幸汰君
 それでは、1人当たりの年間の平均取得日数があれば、お答えください。
○総務部長(笹野修一君)
 今手元に、先ほどの「ワークライフバランスの推進のための行動計画」というものがございまして、こちらによりますけれども、年次有給休暇の職員1人当たりの年間の平均取得日数でございますけれども、令和4年、昨年の常勤職員の実績は、年間で11.6日ということになっております。
○早川幸汰君
 今お答えいただいたとおりで、ただ、取得の目標を同じ項目、計画において定めておられて、これが10日というところで定められているところです。なのでかなり近い値ではあると思います。
ただ、これを策定する際に全職員に対してアンケートを実施しておりますが、これの回答率は28.6%と、職員のことに関するものでありながら、かなりの関心の低さがうかがえます。この当時の所属長や上司は一体なぜこれを答えることを促さなかったのかと僕は疑問に思います。
次に、取得された年次有給休暇の月別の増減の傾向についてあれば、お教えください。
○総務部長(笹野修一君)
 昨年、令和4年の常勤職員の月別の取得実績で申し上げます。10月から12月にかけて取得が多く、ほかに多いのが3月でございます。一方で、夏季休暇の取得期間であります6月から9月までは、取得実績の少ない期間ということになっております。
年次有給休暇は、理由を問わず自由に取得できる休暇でございますので、取得事由の詳細まで把握はしておりませんけれども、取得実績の多い月の要因といたしましては、10月から12月につきましては、休暇の付与単位が暦年ということでございますことから、1年の後半の月に休暇をなるべく取得しようとするものと考えられます。3月につきましては、新年度を迎える直前ということもございますので、卒業式や転居等、御家庭の事情によりまして休暇を取得するということが考えられます。
一方で、取得実績の少ない月の要因ということで申し上げますと、5日間の夏季休暇のほうを優先して取得しているということが考えられます。
こうした状況を踏まえまして、ワークライフバランスの推進という観点からも、年次有給休暇の取得に当たりましては、なるべく計画的な取得となるよう周知をしておりますけども、引き続き周知をしていきたいと考えております。
○早川幸汰君
 10月から12月に多いということで、年次有給休暇が、2年が時効という性質上、年度末に取るということになっているかと僕は思っています。後は、職員全体で繰り越されなかった有休日数の合計はどの程度あるか、お伺いします。
○総務部長(笹野修一君)
 先ほどお答えしました、令和4年における常勤職員の年次有給休暇の職員1人当たりの年間の平均取得日数からの推計値ということにはなりますけれども、職員全体で繰り越されなかった年次有給休暇の合計日数、こちらは、およそ1万9,600日ということになります。
○早川幸汰君
 今言われた日数分、職員は自由に取れる権利があるにもかかわらず、働いてくれているということでした。
下関市の給与・定員管理等についてという資料がありますが、その令和4年度版で、一般行政職員の平均給与は33万1,800円だそうです。時給に換算すると2,100円、日給に換算すると1万6,400円。それを掛けることをすると、職員全体で約3億2,000万円分働いてもらっているという感じになります。ちなみにこの有休は、全員付与されている日数全部取得できるものなのでしょうか。お答えください。
○総務部長(笹野修一君)
 先ほど申し上げましたが、一般的に、年間で20日付与されます。特に4月に新規採用となった職員などにおきましては、日数の割り落としがありますので、基本的なところで言えば、年20日付与されているということでございます。
○早川幸汰君
 今の回答からすると、基本的には20日取れる状況にあるということ。先ほどあった、今取られていない状況からすると、1万9,600日分の職員が働いている時間があり、それも業務量的にはこなせるということで、20日休めるということだと思いますので、皆さんしっかり休まれてください。20日休めるということでしたので、職場からは何も言われないと思いますので、しっかり休みましょう。
質問が結構ボリュームがあって、今回測り違えたので、ちょっと締めようとは思うのですけれども、今のように僕は質問を通して、市にある問題点を洗い出して、僕なりに提案とか要求をして変えていただきたいというところがあります。
ただ、ここが今絡んでくるところに関しても、デジタルという観点で、業務の整理がうまくされていないというのが僕の中であって、例えば市民部で書かない窓口をされますけれども、そのレクチャーを受けたときに、業務の中で一番重たいところはどこなのかを聞いたら、全然そこではないところを挙げていたので、その業務を減らしたときに、どこが急所となって、人員が削減したときに、職員が効率的に働けるのかというのを先ほど市長もおっしゃられていましたので、あまり問題はないのかと思いながらも進んでいないところがありますので、そこは進めていただきたいというのが一つ。
後は、それを職員間でやるときに、デザインとかデジタルとかに疎い人が多い中で、採用するとなったときに、もう採用幅は少ないわけで、その中でどうしていくかというと、やはり職員の教育になると思います。
今も十分、職員の人事研修はされているという答えはもらえるのですけれども、それが果たして職員にとって、今、求められている能力を上げるものなのかと言われると、そうではないと思っていますので、採用はできないにしても、外部でデザイン、デジタルをメインでやれる方が入って、そこに職員が集って教えてもらう、業務レベルで遂行する、その人を研修に使うなどやってもらいたいとは思います。以上で質問を終わります。(拍手)
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