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6月20日(火) 本会議(一般質問4日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月20日(火) 本会議(一般質問4日目)
創世下関
阪本 祐季 議員
1.まちづくり協議会
2.TNR活動
【下関市議会 本会議確定版】
○議長(香川昌則君)
20番、阪本祐季議員。(拍手)
〔阪本祐季君登壇〕
○阪本祐季君
皆様こんにちは。創世下関の阪本祐季です。よろしくお願いします。
〔手話を交えながら発言〕
○阪本祐季君
早速ではございますが、通告に従いまして、質問を行わせていただきます。
初めに、まちづくり協議会についてお伺いいたします。平成27年末から平成28年にかけて、各地区にまちづくり協議会が設立され、本年で七、八年が経過しようとしています。これまで、私自身もまちづくり協議会について質問させていただいておりますが、各地域の特色を存分に発揮でき、今後の地域を中心になって支える人材が確保できるという点において、このまちづくり協議会がしっかりと機能すれば、地域にとっても、本市全体にとっても非常に有意義なものになると考えております。その一方で、各まちづくり協議会の状況が異なり、市として各まちづくり協議会に一貫性のある改善策の提示ができず、本来の目的を達成できていない現状があると思います。
これまで質問もさせていただきましたし、各議員の皆様から様々な意見は出ており、見直すべき点は見直していると思いますが、なかなか改善傾向が見られないというのが正直な印象でございます。
今回の質問で、現状の把握や本市の考え方はもちろん、具体的な改善方向についてもお伺いし、まちづくり協議会がより目的達成に近づけるように、質問させていただきたいと思います。
それでは初めに、まちづくり協議会と各団体との関係性についてお伺いいたします。資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
これは、地域にある様々な役職を例として挙げさせていただいております。当然この中には入っていない役職等々もあると思いますが、例として挙げさせていただいております。
現在、このように市民の皆様が地域で様々な活動をされておられますが、まちづくり協議会の位置づけは、こういった皆さんの中でどういった位置づけになるのでしょうか。本市の考えをお聞かせいただければと思います。
○市民部長(渡部英樹君)
まちづくり協議会には様々な団体が参加されています。地域の課題について個々の団体では対応が困難であったものを、団体の連携で解決していこうということがまちづくり協議会設立の趣旨でございまして、全ての団体が対等な立場で連携していく体制づくりに取り組んでいるところでございます。
そのような観点から申し上げれば、地域の中のまちづくり協議会の位置づけと申しますと、団体の連携によりできたネットワークそのものであるということができると考えております。
○阪本祐季君
次の資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
今お答えにありましたとおり、団体同士の連携、そしてネットワークというお話がございましたが、実際、現状をこの資料のように、何となく各地区連合自治会長さんが、上のほうに立たれてはいますけれども、本当にネットワークというよりはひとくくりにしたような形になっていると思います。当然、皆様いろいろな役職を持たれていて、その方々がおのおのの立場でいろいろな発言をされているという状況があって、なかなか取り留めがなかったり、既に1地域で行われていることを、まちづくり協議会の広い地域で行うといったやり方が多く見受けられまして、新しい価値の創造とか地域の特色を生かした事業実施というところまで至っていないように感じます。
各地区によっては、企画や実行の方法が異なるように感じていますが、もともと本市の住民自治によるまちづくりの推進に関する条例においてまちづくり協議会は「地区における住民自治によるまちづくりを推進するために、市民等が構成員となり自主的に形成する組織」と定義されています。
具体的に、まちづくり協議会の立ち位置や権限などまでは明確に定義されてはいません。これらを踏まえて、どこまでがまちづくり協議会の役割なのか、本市の考えをお伺いいたします。
○市民部長(渡部英樹君)
まちづくり協議会は、関係団体が情報を共有しながら協議し、合意に基づいて地域の問題解決の方策を検討することとともに、情報共有のための広報、防災や地域交流などの具体的な活動も期待されております。その上で、具体的な活動は協議会に所属する団体にかかわらず、団体に所属していない地域住民の方の参加も可能ですし、課題の内容や地域の状況によっては、協議会の地域を超えた団体との連携も必要になってくる場合もあると思います。
まちづくり協議会の組織につきましては、決まった形はなく、それぞれの地区で人口、課題等も異なりますので、地域の実情に応じて組織し、運営されることが望ましいと考えております。
また、まちづくり協議会は、活動に当たって各団体の調整を行うことはもちろんですが、各団体の活動を盛り上げ、また地域住民の参加を促すなどして、地域全体が盛り上がっていくことが期待されているところでございます。
○阪本祐季君
お答えの中で、団体に入っていなくてもまちづくり協議会に参画ができるという話がありました。当然、まちづくり協議会はある程度、自主性に任せておりますので、その部分は当然理解できるのですけれども、実際その実態を見たときに、もう連合会長が代わりました、充て職として副会長になりますというようなケースが多く見られています。そのパターンがかなり多くありますし、実際、新しい人というのがなかなか入ってきにくい状況なのではないかと思います。
またネットワークという点でいえば、各地区にこういった、いろいろと様々な役職をされている方がいらっしゃいますので、より樹形図的なイメージのネットワークという形のほうが、連携が取りやすいのではないかと思いますけれども、何となくこの大枠でくくったような、まち協で、そして自主性に任せているという点で、うまくいっていないところがあるのではないかと思いますので、この点も御指摘させていただきたいと思います。
次に、まちづくり協議会の参画者と地域の各団体の役職に就かれている方が重なっているというところを伺っていきたいと思います。
そもそも、まちづくり協議会とそのほかの団体との立ち位置が明確でない上に、地区の役職が異なることによって、まちづくり協議会の活動がおろそかになっている地区もあるように感じます。要は予算とか、何となく各部会に配分をして、ちょっと今年、予算があまり使われていないといったら、ちょっとペンを買って、何とか使ってしまおうというような動きも実際見られますし、そういったところもあると思います。
実際にその負担軽減という意味でも、兼職を制限したりだとか、役割分担を明確にしつつ、よりよいまちづくり協議会の本来の活動に注力できるようにしていく必要があると考えますが、本市のお考えをお伺いできればと思います。
○市民部長(渡部英樹君)
まちづくり協議会の役員の選出方法につきましては特に取決めはなく、それぞれのまちづくり協議会で協議して決定しております。
御指摘のとおり、まちづくり協議会によっては、特定の団体の長の充て職になっているというケースも見受けられます。それを否定するものではございませんが、充て職は男女の比率ですとか、年代構成が偏る要因の一つとなっておりまして、市民協働参画の推進の観点からも、今後は充て職ではなく、各団体からの推薦などにより、多彩な人材を確保する方法につきまして、推奨してまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
今のお答えの中で、各団体からの推薦というお話がありました。ただ各団体に所属されていない方でも、実は祭りの実行委員会であったり参加されている若い方は、まち協に入れてほしいという方も実際いらっしゃいますので、そういった方を拾い上げる仕組みも必要なのではないかと思いますので、この点も御指摘をさせていただきます。
この点、最後になりますが、まちづくり協議会の位置づけやほかの団体の役職等とのバランスについてお伺いしてきました。改めてこの点に関して、本市はもう七、八年たっています。もう新しく、いろいろと形も変えていかなければならないと思いますので、本市の今後の方向性について改めてお伺いをいたします。
○市民部長(渡部英樹君)
まちづくり協議会の役員等の構成などにつきましては、先ほどの御質問で御指摘いただいたとおり、既存の団体との二重構造になっている面がございまして、地域の負担になっているとの声も聞いております。
役職者に限りませんが、地域活動の担い手不足につきましては喫緊の課題でございまして、各団体において担い手不足等により継続が難しくなった事業につきましては、まちづくり協議会の事業に移行するなど、負担の軽減を図るとともに、本市といたしましても、先進事例の紹介、研修などを通じて、負担の少ない効率的な地域活動の在り方について、支援してまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
少しニュアンスがずれているかと思いましたので、お話させていただきますけれども、負担軽減というのは、例えば今、連合会長さんが一番役職で多いかと思います。うちの清末地区の連合会長でいいますと、児童民生委員もされていますし、自治会長では当然ですけれども、民生委員もされていますし、今清末小学校の150周年の実行委員会、夏祭りの実行委員会の委員長、もう本当に数えるだけでもすごく役職があります。その中でもまち協の会長をされているという状況の中で、どうしても、これしなければいけなかった、あれもしなければいけなかったという状況に陥りがちだと思うので、そういった意味で、まち協がスムーズに動く組織というものにならないといけないと思いますので、各人の負担軽減をしつつ、まちづくり協議会が本当に回っていくような形というのを本市で考えていただければと思います。
次に、新しい人材の確保というところに関してお伺いをしてまいります。これまで各まちづくり協議会の皆様が苦心をされて、同時に本市も新しい人材の確保について、まちづくり協議会に対して様々提言をされてこられたと思いますが、各協議会において新しい人材が確保できているのかどうか、お伺いいたします。
また、実際に新しい人材が確保できている協議会において、どのような経緯で確保できてきたのか、お示しください。
○市民部長(渡部英樹君)
御指摘いただきましたとおり、地域活動の担い手の高齢化ですとか人材不足、人口減少が進む中で、地域活動の後継者の育成ですとか、若い世代の参画促進が必要であると認識しております。
本市で新しい人材の確保に成功した事例というものはまだございませんが、その可能性を秘めた取組事例といたしまして、プロジェクト制を推奨しているところでございます。これまでは活動内容に応じた部会によって組織することが主流でございましたが、プロジェクト制は、地域活動の解決のため、部会の枠に捉われず、広く地域住民や市民活動団体に参加を呼びかけ、各個人や団体の持つスキルを生かして課題を解決する手法で、組織に属することへ抵抗を感じる方でも気軽に地域活動へ参加できることから、参加者の裾野を広げていくことができると考えております。
○阪本祐季君
今、実際に若い人材、新しい人材が確保できていないという御説明がありました。その中で、できていないというところで新たにプロジェクト制というところを引いてやっていくというお話でありましたけれども、先ほどの質問とちょっと重なる部分がありますけれども、やはりその体制自体が整っていないのに、プロジェクト制で皆さんに来てくれと言っても、なかなか来ないというのが現状ではないか、実際なのではないかと思います。これまでのやり方では、新しい人材の確保については、各まちづくり協議会に対して一貫性のある対策というのができていないように感じます。
新しい人材の確保は、今後の地域を担ってもらう人材を確保するという点で、非常に重要な課題だと考えますが、新しい人材を確保するために、各まちづくり協議会における定款に新しい人材を確保しなければならない趣旨のルールを設けたり、何かしらのインセンティブを用意して、新しい人材の確保の動きの活性化を図るべきだと考えますが、この点に関して本市の考えをお聞かせください。
○市民部長(渡部英樹君)
新しい人材の確保につきましては、各地区で状況が異なりますので、市全体で一律の対応は難しい面があると考えております。
現在、しものせき市民活動センターでは、市民活動を推進していくため、ボランティアに参加したい人とボランティアを必要とする団体を登録し、両者の交流を図り、活動の機会を創出し、両者をサポートする制度――ボランティアギルドと呼んでおりますが、これの普及を図っております。
今後、まちづくり協議会と市民活動センターの連携を強化し、まちづくり協議会がこの制度を利用して、多様な人材を確保できるよう支援していくとともに、様々な方の参加により、その活動に多様な意見を反映させるよう努めるまちづくり協議会に対するインセンティブなども検討していきたいと考えております。
○阪本祐季君
七、八年変わっていないのです。新しい人材が確保できていないのです。そこで何か劇的にルールを設けたり、今私申し上げましたけれども、インセンティブを設けたりしなければ、なかなか動きができないのではないかと。システム上の何かしらこういう抱き合わせというか、こういう施策があるので一緒にやっていこうという形では、もうなかなか進んでいかないのではないかと思いますので、ぜひ劇的に状況が変わるように、施策といいますか、対策を練っていただくようにお願いいたします。
ここまで、まちづくり協議会の位置づけや、まちづくり協議会を構成する方々の環境、そして新しい人材の確保という流れで質問をしてまいりましたが、各地区のまちづくり協議会が、お答えにもあったように、抱える問題が一律の対策で解決できないもの、また詳細な状況が異なることからも、本市からの改善に向けてのアプローチというのは非常に難しいと思います。
しかしながら、まちづくり協議会の本来の目的達成を目指すのであれば、ここで大きな一歩を本市として進めていく必要があると考えますが、今後、よりよいまちづくり協議会の運営を行っていくには、どのように行っていくつもりなのか、お伺いをいたします。
○市民部長(渡部英樹君)
まちづくり協議会が設立されまして8年が経過し、第2次住民自治によるまちづくり推進計画も4年目となりました。この第2次計画では、まちづくり協議会を「市民と行政が協働し、市民が主体的に様々な活動を展開する場」と位置づけております。
今後、まちづくり協議会が市民協働参画の中で、より重要な役割を担えるよう、市民活動センターとも連携を深めて、市民の積極的な参加を促進するとともに、第3次住民自治によるまちづくり推進計画の策定に当たりましては、本日議員からいただきました大変貴重な御意見とともに、これまでいただきました様々な方の意見を参考にさせていただき、また市民活動促進基本計画と一体的に策定して、市民と行政、市民と市民の協働による、住民が主体となったまちづくりが行えるよう取り組んでまいります。
○阪本祐季君
ぜひ、まちづくり協議会が少しでもいい方向に行っていただくように進めていただければと思います。
ちょっと余談にはなるのですが、私はまちづくり協議会の取組を初めて議員になって知った時に、青年会議所にも私自身所属しておりますし、議員の皆様、前田市長も卒会されている先輩になりますので、その辺り非常に近いものがあるのではないかと感じていました。
というのも、青年会議所自体は、40歳を超えて各地域でこれからのまちづくりを担う人材になっていくというところも目的の一つとしてありますので、そういった方々がまちづくり協議会に参画をしてやっていくというのが非常にまちづくり協議会にとっていいサイクルになってくるのではないかと思ったのですけれども、実際、先輩方に聞いてみると意外と参画されている方が少ないです。
そういったところもあって、まちづくり協議会がある意味、40歳以降の青年会議所のような形を担っていくようなサイクルができてくれば、本当に各地域、本市全体がよりよいものになってくると思いますので、しっかりといい方向に進むように、これまでも考えられてきたと思いますけれども、もう一歩二歩進んだ形で行っていただけるように、御検討いただければと思います。
次の質問に移ります。次の質問は、TNR活動について質問いたします。資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
こちらは聞き取りの際に、保健部にお願いしたデータになります。御覧のように、市民からの猫に対する苦情は、令和2年度に最も多い件数となっておりますが、それから以降減少しておりますが、5年間のデータで見ると改善傾向とは言えない状況です。
一方で、本市の努力や民間の動物愛護団体の皆様の御協力もあり、殺処分数自体は減少傾向にありますが、2の猫の譲渡数の団体譲渡の推移を見ていただくと分かるように、これは3の猫の収容数が減少傾向にあることも団体譲渡の数が減っている要因の一つではあると思いますが、各団体の方々にお伺いをすると、これ以上譲渡を受けたくてもできないというお声を伺っているところであります。
前後しますが、この状況を大きく変える手法としてTNR活動があると思います。次の資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
これは三重県が発行しているTNR活動のチラシになります。ここにあるように、Tはトラップ、Nはニューター、Rはリターンの略で、わなで野良猫を捕獲し、不妊去勢手術をした上で、元の場所に地域猫として戻す活動のことです。猫は1年で二、三回出産し、雄雌のペアから1年で18匹生まれることもあるそうです。
このTNR活動はそういった状況を改善し、一代限りの命を地域で見守ると同時に、盛り声やマーキングなどによるふん尿の臭いが激減し、さらに繁殖を防ぎ、猫問題を根本から解決する方法として注目をされています。
これまで民間の動物愛護の団体や本市が設置している下関市動物愛護推進員を通じて、TNR活動に取り組まれてきたと思いますが、本市のTNRの取組状況についてお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
本市が動物愛護推進員と協力をして取り組んできたTNR活動の主なものといたしましては、特に飼い主のいない猫への餌やりの苦情が頻発している地域において、市と情報共有を行った後、動物愛護推進員が地域の関係者等とも連携しつつ、猫の適正飼養が困難とならないよう、不妊去勢手術助成金交付事業の周知啓発を行うなど、周囲の生活環境に支障を及ぼすことがないよう、TNRを進めているところでございます。
○阪本祐季君
本当に活動自体、非常に目立たない活動ではあると思いますが、実際、今回質問させていただくまで、多くの皆様から声をいただいて、何とかしてほしいという声がありましたので、今回の質問をさせていただいております。
もちろん、その民間団体でも積極的にTNR活動を行っている団体があると思いますけれども、民間団体との連携体制というところは、現状どうなっていますでしょうか、お伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
動物愛護団体とのTNR活動に係る主な連携についてですけれども、公益財団法人どうぶつ基金のさくらねこ無料不妊手術事業というものがございます。これは、無料の不妊去勢手術チケットを本市が行政枠で申し込み、配分されたチケットを動物愛護団体に再配分し、各団体がTNRを実施する事業でございます。
本事業は令和3年度に246頭、令和4年度に181頭の猫のTNRを行ったところでございます。今年度は、どうぶつ基金の事業が近隣の自治体で行われないため、利用が難しい状況ですが、市が実施する不妊去勢手術助成金交付事業について、飼い主のいない猫及び地域猫の対象数を拡充し、必要な所に行き届くよう努めているところでございます。
○阪本祐季君
それでは、TNRのNの部分に当たる不妊去勢手術についてお伺いをいたします。各地域で、先ほど御説明がありましたとおり、猫の苦情等に対応する際、経費が多くかかる不妊去勢手術については、現状どこで受けることができるのでしょうか、お伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
TNRの手術については、市内においては動物病院で受けることができます。
○阪本祐季君
先ほど御説明のあったどうぶつ基金などの補助制度を利用して、動物病院で手術を行うというのが本市の基本的なTNRということが理解できました。
次に、本市の動物愛護管理センターは、全国的にも非常に設備が充実していると理解しています。本市の動物愛護管理センターでは、施設機能として、不妊去勢手術はできないのでしょうか。その点をお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
動物愛護管理センターでは、昨年度新たに手術用の麻酔器を購入し、収容した犬及び猫10頭について、殺処分の対象とならないように初めて不妊去勢手術を実施し、その結果、無事に譲渡することができました。今年度についても、センターに収容された犬及び猫を対象として、不妊去勢手術を実施する予定でございます。
○阪本祐季君
実際に不妊去勢手術もされて、機能としては当然できるということでございますので、本市の動物愛護管理センターでTNR活動のNに当たる不妊去勢手術というのを、今までは先ほどお答えにあったとおり補助をいただいて、その補助を皆さんに配分して、動物病院で受けるという形でしたけれども、本市の動物愛護管理センターで行うことができないのかどうか、お伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
動物愛護管理センターにおけるTNRの不妊去勢手術の実施については、民間の業とのバランスも踏まえ、これまでも下関市開業獣医師会と協議を重ねてまいりましたが、センターで手術を行うことについては「手術料金はセンターでは無料ということは容認できない。官が民の事業を圧迫するような施策は講ずべきではない」との意見をいただいているところです。したがいまして、センターでTNRの不妊去勢手術を行うことは、慎重な検討が必要と考えてございます。
○阪本祐季君
非常に市の開業獣医師会からは厳しい御意見が出ていると思います。後ほど、最後意見を言わせていただこうと思いますが、やはりより公の利益を優先してほしいというのが正直な私の思いであります。
先進事例としてちょっと御紹介をさせていただきます。
〔説明資料を議場ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
資料にありますように、三重県の先進事例になりますが、平成26年から、県の動物愛護推進センター「あすまいる」で、公益財団法人どうぶつ基金と先ほどお話がありましたけれども、協働して飼い主のいない猫に対して不妊去勢手術を行っているということです。令和元年度には1,297匹もの手術をこちらのセンターで行っております。もちろんこれは三重県全体の数字でありまして、一概に本市に当てはめることはできませんが、初年度は多くの手術件数を必要とするものの、取組から年数を経るにつれて状況が改善されていきますので、手術件数も減少し、猫の問題の解決につながってきているようでございます。
本市でも、TNRを推進するために、方法を考えられないでしょうか。この点、お伺いをいたします。
○保健部長(石丸文至君)
先ほど申し上げたとおり、今年度はどうぶつ基金の事業が近隣の自治体で行われないため、TNRの推進が非常に厳しい状況ですが、猫は先ほども議員から御指摘もありましたけれども、非常に繁殖力が強いということもございまして、迅速な対応が必要であると認識をしてございます。
TNRを推進している他市等の状況も参考にしながら、行政、下関市開業獣医師会及び動物愛護団体の役割分担等について早急に検討してまいりたいと考えてございます。
○阪本祐季君
置かれた状況というのは、実際に市としてはTNR活動を行って猫問題を解決していきたいにもかかわらず、なかなか難しいところがあるというのが非常に理解できました。
ちょっと財源の話に行きたいと思うのですけれども、先ほどお話しした三重県では、動物基金からの援助とクラウドファンディングを200万円の目標額で行って、実際300万円近く集まっているのですけれども、これらを財源に活動を行っています。県で200万円ですので、もう少し市でしたら安くできるのではないかと思います。
同じように、この案件に対して、先進地である熊本県では、ふるさと納税によって財源確保を行っております。予算だけでいえば、これらの方法なども活用すれば、できないことはないのではないかと思います。
そもそも、今回の質問をさせていただくに当たって、一般財団法人ネコイコネの橋本代表から私のほうにお話がございまして、前田市長に先日陳情させていただいたところで、その中でお話をさせていただくと、当然全国で活躍されている方なので、いろいろな全市の状況が分かっておられる方だったのですが、やはり「下関は遅れています。山口県自体も遅れています」ということで御指摘がありました。私自身もなかなか注目していたポイントではなかったので、ちょっと衝撃を受けて、しっかり調べさせていただいたら、やはり私自身の住んでいる清末地区等ではあまり聞かない。猫問題自体は聞かないのですけれども、いざ意識していろいろな方に伺ってみると、特に彦島から旧市内にかけて非常に住宅が密集している地域で、特に猫の被害に対する不満を持たれている方が多いという印象でございました。
また、先ほどの獣医師会の方々から、市が無料でするのはあり得ないというところの厳しい御指摘があったと思います。恐らく民業圧迫になるのではないかという御指摘だと思いますけれども、公の利益をやはり優先してほしいというお話もしましたが、もともと野良猫を対象にしていますので、野良猫自体を誰かがお金を払って動物病院に持っていってお金を払わないと、動物病院の皆様、獣医師会の皆様は利益としてならないというのが大前提にあると思います。今その民間の団体の方々が、いろいろな手で資金を集めたりしてそれを行っているというのが現状で、当然今の状態では利益になっていますので、それを市が全部取って無料でするというのをおもしろくないのだろうと思うのですけれども、やはり根本的に野良猫なので誰が連れていくのかという話なのです。この問題を本当に根本的に解決しようと思ったら、市と獣医師会がしっかりと手を取り合って協働して動いていかなければ、この問題自体は解決に向かわないと思います。
このことは、もちろん市に幾ら指摘しても、獣医師会の方々が御協力いただけなければなかなか難しいところではありますが、引き続き、しっかりと交渉していただいて、そのほかの不妊去勢手術以外のところでも、予防接種であったり、当然、利益を生み出すというか、当然仕事としてやらなければならないところは獣医師会の皆様にはあるわけですから、しっかりと御協力していただくことをこの場でお願いして、これからの猫の問題が少しでも前向きに解決していくように、市の皆様も御協議のほうお願いを申し上げまして、今回の私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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