録画中継

第3回定例会
9月29日(月) 本会議(一般質問5日目)

宮野 直樹 議員
1.安岡小学校の教育環境について
2.放課後児童クラブについて【19分00秒から】
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
 ・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。


○副議長(板谷正君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を継続いたします。25番、宮野直樹議員。(拍手)
   〔宮野直樹君登壇〕
○宮野直樹君
 無所属の宮野直樹です。通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 昨日は、市内各所で中学校の体育祭がありました。本日は振替休日ということで、今日はこの議場の9階のほうに中学生も傍聴に来ています。(拍手)
 そんな子供たちの身近なテーマ、今日は2問ほど質問をさせていただきますので、ぜひ傍聴に来た中学生が未来を感じることができる、希望を感じることができる、そうした御答弁をよろしくお願いいたします。
 1つ目のテーマは、安岡小学校の教育環境についてです。
 昨年6月定例会において、教室不足、校舎の老朽化の課題について取り上げさせていただきました。その後、1年が経過したことを踏まえ、現状と課題、進捗、そして今後の取組など、改めて御見解を伺いたいと思います。
 初めに、教室不足の現状と課題について質問をさせていただきます。
 タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 令和7年5月1日時点の安岡小学校の児童数の状況を記載しています。全校児童数は798人、学級数は30学級です。令和6年度は779人、学級数は29学級でした。この1年間で20人増、1学級増となっており、住民基本台帳に基づく児童数及び学級数の推計予測を上回っています。
 なお、その後また転入があって、もう少し児童は今増えている状況です。
 次の資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 令和7年度、安岡小学校の校舎配置図です。資料を御覧いただければ分かるように、空き教室はありません。児童数が増えているといううれしい状況にありますが、一方で、令和5年度に耐震性のない鉄骨造2階建ての校舎1棟を解体したため、教室不足という課題があります。児童数の増加や学級数の増加により、教育の質やきめ細かなニーズに対応できるための本来あるべき教室が確保できていないのではないかと私は考えています。
 そこで、お尋ねします。
 教室不足の現状と課題をどのように認識しているのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 安岡小学校につきましては、児童数の増加に伴い、児童の学習の習熟度に応じてきめ細やかな学習指導を行うための少人数教室、学年集会等を行うための多目的教室、児童や保護者、教職員の抱える悩みについてスクールカウンセラーが応対するための相談室等が十分に確保できない状況となっております。安岡地区においては、大規模な宅地開発も行われているため、現状の施設規模では、今後さらなる児童数の増加による教室不足が懸念されるところです。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。現状からして、今後課題が出るだろうということが予測されるということです。
 余剰教室がないということは、行政から見ると、効率的に校舎を使っているように見えるかもしれません。しかしながら、きめ細かなニーズに対応する教育の柔軟さや地域連携の機会が十分確保できないことなど、教育の質のみならず地域社会とのつながりまで影響を及ぼす重要な課題です。
 そのような中、第3次下関市総合計画の具体的な事業の計画として取りまとめた実施計画改訂版に安岡小学校校舎増築事業が追加されています。
 そこで、お尋ねします。
 安岡小学校校舎増築事業の目的をどのようにお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 安岡小学校校舎増築事業は、第3次下関市総合計画実施計画における学びの環境充実化推進事業の構成事業として公表したものです。令和8年度以降の事業費については、現時点における見込みであり、今後精査がなされるものです。
 事業の目的につきましては、校舎の増築によって現在の教室不足を解消し、児童のよりよい教育環境の実現を図るとともに、今後の児童数の増加にも対応していこうとするものでございます。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。よりよい環境をつくっていくというところで、現在の不足している教室に対してこの増築事業があるということで理解をしました。
 次に、事業の概要をどのようにお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 事業の概要といたしましては、令和5年度に解体した校舎の跡地に校舎を新築し、少人数教室、多目的教室、放課後児童クラブなどの不足に対応するものです。計画上では、リースを想定しております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。リースで新築するということで、少人数や児童クラブも含めた複合的なこのたびの増築をされるということで理解をしました。
 では、本事業を実施することで得られる効果をどのようにお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 新たに校舎を増築することにより、多様な教育ニーズに対応することが可能となり、児童、教職員にとってよりよい教育環境となるものと考えております。具体的な例を申しますと、少人数教室の確保により、よりきめ細やかな学習指導が可能になること、相談室等の確保により相談体制が充実すること、更衣のためのスペースが確保されることで児童のプライバシー保護を徹底できること等が想定されます。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。多様なニーズにしっかり対応できていくということが事業効果にあるということでお示しをいただきました。
 では、事業のスケジュールをどのようにお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 実施計画でお示ししております事業のスケジュールといたしましては、令和8年度に設計及び校舎の建設を行い、令和9年4月に運用を開始する内容となっております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。
 この増築事業について今様々お尋ねをしましたが、この後触れる校舎の老朽化というところとはまた別で分けて考えていただきたいというふうに思っております。先ほどリースということもありましたが、今、校舎が老朽化して、児童も増えて教室が足りない、きめ細かな教育ができていないと、それに対してこの増築事業は大変ありがたいと思うんですけれども、これをもってこの安岡小学校の教育環境については整備したということがないように、そこはしっかり分けて考えていただきたいというふうに思っています。
 タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 現在の教職員の駐車場の状況です。現在は空きスペースを有効活用していますが、仮にこの場所に校舎が増築された際には、駐車スペースの不足が予想されます。安全な環境への配慮も含め、駐車場の確保についても御検討いただくことを要望しておきます。
 では次に、安岡小学校校舎耐力度調査業務の進捗と取組について質問をさせていただきます。
 タブレットの資料を御覧ください。1つ戻ります。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 資料にある1、2年生の学級が配置されている2舎は昭和29年に建築されており、築71年が経過していることから、著しく老朽化をしています。また、2舎は、長寿命化調査における構造躯体の健全性の項目では要調査に該当しています。詳細な調査が必要とされていますが、昨年6月議会の段階では、2舎の詳細な調査は未実施でした。
 そのような中、今年度7月に、安岡小学校校舎耐力度調査業務に係る条件付一般競争入札を実施されています。この耐力度調査は、公立学校施設における建物の構造耐力、健全度、立地条件の3点の項目を総合的に調査し、建物の老朽化を総合的に評価するものだと認識しています。
 そこで、お尋ねします。
 安岡小学校校舎耐力度調査業務の進捗状況についてお示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 御案内のとおり、耐力度調査は、文部科学省の基準に従って、建物の構造上危険な状態の度合いを総合的に測定するものです。安岡小学校の北側から2番目の普通教室棟、いわゆる2舎に係る耐力度調査につきましては、現在、委託業者による調査が行われているところです。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。調査は今現在進行中ということで、今後結果が出るというふうには思いますが、その調査結果を踏まえ、原則として、基準の点数を下回った場合は構造上危険な状態にある建物となり、国の負担金事業や交付金事業の対象になると認識しています。
 そこで、お尋ねします。
 今後の調査結果を踏まえて、どのような取組をお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 耐力度調査の結果、所要の耐力度点数に達しないものについては、建て替えが必要な建物とみなされます。調査の結果に基づき、大規模な改修を行い長期に使用していく校舎の長寿命化を行うのか、もしくは建て替えを行うのか、またその手法やスケジュール等について検討を行っていく予定としております。
○宮野直樹君
 あくまで調査の結果を踏まえて、大規模改修、長寿命化なのか建て替えなのかということでありましたが、次の資料を御覧いただきたいと思います。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 8月の大雨の後の2舎1階のげた箱前、2舎2階の廊下の写真です。雨漏りにより、床が大量の水を吸って浮き上がっています。
 次の資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 1年4組の教室の写真です。雨漏りの影響で天井に雨水がしみ込み、広範囲に染みが広がっています。また、黒ずみや黄ばみを帯びており、漏水が長期化していることを示唆しています。この雨水が教科書やファイルなど学習用品まで及び、児童が日常的に使う教材が使用不能になった事例を確認しています。学習環境に直接的な被害が発生したことは重大です。また、先ほどのげた箱前や廊下と同じく、教室内の床が浮き上がっています。
 次の資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 げた箱前は、校務技師さんが修繕してくれました。また、2階の廊下は業者が修繕を実施し、何とか2学期を迎えることができました。雨漏りについても、教育委員会の方が現地確認を実施の上、可能な対策をしていただいたことを確認しています。お盆から2学期の始業までという限られた時間の中、迅速な対応をいただいたこと、これについては感謝申し上げます。
 しかしながら、抜本的な修繕は実施されていないと認識しています。これから台風など大雨があれば、同じことが起こりかねません。
 安全面はもちろんですが、子供たちにとって教科書やファイルは毎日の学びの記録であり、自分の努力や成長が詰まった大切な宝物です。せっかく書いた漢字の練習が見れなくなった、大事にしていたプリントが破れてしまった。ぜひ1年生の子供たちの気持ちに立って考えていただきたいと思います。
 また、1年4組の保護者の方とお話をする機会もありました。子供の頑張りのあかしが失われてかわいそう、安心して学べる環境が整っていないことに不安を感じるといった声も伺っています。こうした声にもしっかりと耳を傾けていただきたいと思います。
 そこで、お尋ねします。
 再発防止に向けた早急な整備が必要と考えますが、御見解をお示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 2舎につきましては、校舎の老朽化によって雨漏りがあることは了知しております。校舎の建て替えや大規模な防水工事には時間を要しますが、児童の安全・安心な学習環境を確保することは重要ですので、雨漏り箇所の点検や応急修繕等に努めてまいります。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。建て替え等には時間を要するというお話もありましたが、もちろん時間はかかるんですけれども、それに着手するまでのスピードをぜひ速めていただきたいというふうに思います。
 最後に、今後の取組について質問をさせていただきます。
 現在本市が進めている学校施設長寿命化計画は、一般論として財政効率を重視した管理手法であり、その考えは理解できます。しかし、安岡小学校のように既に築71年を経過し、予防保全の段階を超え、老朽化が顕在している校舎に対して、この計画は非合理的なものであり、建て替えの対象にするべきだと私は考えています。
 タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 この写真は、事務室や職員室などが配置されている、築43年の4舎と言われる校舎です。安岡小学校では最も新しい4舎でさえ、先日、屋上の外壁の一部が剥離し落下しました。その後すぐに点検を実施し、落下の危険性があった外壁部分の除去をしましたが、2舎以外にも老朽化が進行している状況です。
 そこで、お尋ねします。
 2舎の建て替えを含む全体的な施設整備計画を早期に策定する必要があると考えますが、今後の取組をどのようにお考えなのか、お示しください。
○教育部長(門田重雄君)
 学校施設の整備につきましては、令和3年3月に策定した下関市立学校施設長寿命化計画により実施しているところでございます。この計画は、老朽化した建物の耐久性や機能向上を図るため大規模な改修工事を行うもので、時間を要します。屋上防水や外壁など不具合箇所が生じた学校につきましては、大規模改修に先行して改修を行い、児童の安全・安心、快適な学習環境の整備に努めてまいります。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。
 あくまで長寿命化計画に基づいているというようなところで、それにのらない危険なこととかそういうことがあったらその計画よりも先行してやるという、それはもう大事なことであり当たり前のことだと思いますけれども、この安岡小学校を含めて市内学校のほうが大変老朽化しているということで、私もPTA連合会の皆さんとも日頃からコミュニケーションを取っていますので、そうした声はたくさん伺っており、それはもう皆さんのほうももちろん熟知をしているというふうに思います。この長寿命化計画についても、今後これが本当にこれで行けるのかということはしっかりと見定めていただきたいということを申し添えておきたいと思います。
 安岡小学校の校舎建て替えは、単に古くなった建物を新しくするだけでなく、未来を担う子供たちが安全で質の高い教育を受けられる環境を保障するものであり、本市の活力ある未来を築き、次世代に責任を果たすための、価値ある未来への投資です。下関市教育振興基本計画に掲げたチャンス、チャレンジ、クリエートの理念に対応し、ふるさと下関に誇りと愛情を持ち、未来を開き、一人一人の学びが実現できる、校舎の建て替えも含めた新しい学校づくりを推進していただきたいと考えています。
 2舎の建て替えはもちろんですが、現場の先生方の声を聞いて、全体的な施設整備計画を早急に策定すること、そして公立学校施設整備費負担金、学校施設環境改善交付金など国庫補助制度の最大限の活用を含めた具体的な財源・事業計画の策定に早期に着手することを強く要望し、この質問を終わります。
 2つ目のテーマは、放課後児童クラブについてです。
 初めに、待機児童の状況について質問をさせていただきます。
 全国的に、共働き世帯の増加に伴い、放課後児童クラブの需要は急増しています。こども家庭庁が発表した令和7年度放課後児童クラブの実施状況では、登録児童数156万8,588人、待機児童数は1万7,013人です。前年度と比較すると、登録児童数は4万8,636人増、待機児童数は673人減です。山口県内では、登録児童数1万7,289人、待機児童数は294人、前年度と比較すると登録児童数は435人増、待機児童数は356人減となっています。
 そこで、お尋ねします。
 本市における令和6年度、令和7年度の登録児童数、待機児童数の状況についてお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 放課後児童クラブの入会児童数と待機児童数についてお答えします。
 いずれの年度も5月1日現在の人数となりますが、令和6年度の入会児童数は2,476人で、待機児童数は217人、令和7年度の入会児童数は2,511人で、待機児童数は86人となっております。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。国や県と同様に、登録が増えていて、待機児童は減っているというようなところがあったと思います。
 では次に、本市の待機児童の偏在状況についてお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 待機児童が生じている地域についてお答えします。
 令和6年度においては、長府、山陽、川中・勝山、山陰地域を中心に、17のクラブで待機児童が発生しました。令和7年度につきましては、令和6年度に引き続き、川中・勝山、山陰地域を中心に、7つのクラブで待機児童が生じている状況でございます。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。17クラブ待機児童があったのが7クラブということで、そうした地域によって待機児童がいるという状況を御説明いただきました。
 本市においては、待機児童の課題を最重要施策の一つとして位置づけ、支援員の処遇改善や確保策など様々な努力と対策を重ねた結果、待機児童の数は前年比で減っていますが、5月1日時点では依然として86人が待機となっています。また、一定の地域で受皿が不足していることも分かりました。いずれにしても、保護者の就労など様々な影響が出ている状況です。
 そこで、お尋ねします。
 待機児童が発生している課題をどのように認識されているのか、お示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 本市といたしましても、待機児童対策については最重要の政策課題の一つとして位置づけ、取り組んでいるところでございます。
 待機児童の解消に当たりましては、支援員等の確保及び場所の確保、この2つの量的拡充が必要であり、支援員等の確保につきましては、民間委託の拡充によりクラブ運営の安定化を図ろうと、現在準備を進めているところでございます。
 また、場所の確保につきましては、今年度、小学校の協力の下、小月児童クラブと川中西児童クラブで、それぞれ広い教室への振替、タイムシェアの拡充を行うことで待機児童を解消することができました。しかしながら、依然として面積不足により待機児童が生じているクラブがございますので、引き続きこの解消に向けて取り組んでいく必要がございます。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。最重要施策ということで、人と場所ということで、人については今後民間の委託のほうも進めていくと、場所についても今後しっかり努力をしていくということで、その姿勢については理解をしました。
 そうした中で、民間委託の進捗状況について質問をさせていただきます。
 本市では、令和8年度より、特に待機児童が多く存在する長府、山陽、川中・勝山、山陰地区の児童クラブを対象に、民間委託の拡充が進められます。令和7年度は準備期間として、委託事業者の選定、現場職員への説明、学校等の関係機関との調整など、円滑に運営を引き継ぐための手続が進められています。
 そこで、お尋ねします。
 民間委託に向けた進捗状況についてお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 令和8年度からの民間委託の拡充に向けては、公募型プロポーザル方式により事業者を選定することとし、6月末に公告を行い、参加事業者を募ったところ、3者からの申込みがあり、最終的に本業務の受託候補者としてシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社を選定したところでございます。以降、業務の仕様など契約内容の詳細について協議を重ねてきており、近日中には同社と委託契約を締結する予定としております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。プロポーザル3者から1者を、シダックスになったということで、細かいところを今詰めているというところで御説明をいただきました。
 夏休みに児童クラブへ伺い、支援員さんとお話をする機会がありました。民間委託をするのは聞いているが、処遇を含めて今後どのようになるのか、また働くことを継続できるのかなど、今後の見通しが分からないことに不安を抱えていました。
 今現在、進捗の中で細かいところを詰めていくという段階というところは理解はしましたが、お尋ねをします。
 支援員に対する説明を今後どのようにされるのか、お示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 子供たちや保護者にとって安心できる保育環境を整えるに当たっては、職員の継続勤務に配慮することが必要でございます。
 現在本市で任用している支援員や補助員に対しましては、受託者の会社概要や雇用条件などに関する説明会を来月10月に開催する予定としております。また、説明会の開催後も、個人面談や本人の意識確認などを丁寧に進め、事業者へのクラブ運営の引継ぎを円滑に行ってまいります。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。最終的にどうするかは支援員さん個々の判断になるとは思いますが、貴重な人材であり、子供たちや保護者にとっては、なれ親しんでいる支援員が継続して関わることが安心へつながると思います。先日の坂本晴美議員の御答弁で、直営と委託で処遇の大きな差はないということでしたが、そのことも含めて丁寧な説明を10月からお願いしたいと思います。
 では次に、育児休業中の利用について質問をさせていただきます。
 先日、お子さんが待機児童になっている保護者の方とお話をする機会がありました。出産後、体調が優れず、当時1年生だったお子さんに関わる余裕がなかったそうです。育児休業に入るタイミングで児童クラブを退所されたそうですが、放課後に少しでも預かってもらえれば心身ともに助かっていたと言われています。
 そこで、お尋ねします。
 育児休業中は児童クラブを利用することはできないのでしょうか。できないのであれば、その理由も含めてお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 育児休業中の児童クラブの利用についてお答えします。
 児童クラブの入会要件の一つといたしまして、下関市放課後児童クラブの運営に関する条例には、妊娠し、または出産したことと定めております。また、利用期間につきましては、条例施行規則により、出産予定月の前月の初日から起算して五月間としており、この間にあっては育児休業に入られてからも児童クラブの継続利用が可能です。ただし、この期間を経過した後については、入会児童は退会いただくこととなります。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。条例に定められた5か月の間であれば利用は可能ということで理解をしました。
 先ほどの保護者の方のお話の続きですが、何とか育児休業中の育児を乗り越え、職場復帰をすることになりました。しかし、そのタイミングで2年生になったお子さんの児童クラブ入会の申込みをしましたが、定員がいっぱいのため待機児童になったそうです。まだ2年生ですから、一人で自宅で過ごすことは難しく、職場の理解を得て勤務時間の短縮などやりくりをして対応をされています。特に夏休みは日中の預け先がなく、職場の理解はあるとはいえ仕事を休むことも多く、迷惑をかけて申し訳ないという気持ちが強かった、育児休業中は自分が頑張ればまだ何とかなるが、せめて職場復帰した後に利用ができるように柔軟な運用をしてもらえないでしょうかという切実な思いを伺いました。
 そこで、お尋ねします。
 育児休業後に児童クラブへ入所できないケースがあるという課題をどのように認識されているのか、お示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 育児休業の終了に伴う就労復帰につきましては、児童クラブの入会要件を満たすこととなりますが、クラブによっては、定員に空きがないために、入会決定を保留し、待機をお願いせざるを得ない場合がございます。また、入会希望日に応じて申込時期も異なってくることから、年度当初の時期において入会を希望される方が多い傾向にある児童クラブの事情からすれば、育児休業の終了時期によって、より入会が難しくなってしまうこともあります。
 保護者の就職、御家族の介護、そして育児休業からの復帰と、御家庭における様々な事情がある中で、児童クラブを利用されたいというニーズに対応していくためには、まずは先ほど申し上げました待機児童対策の根本的な問題であります2つの量的拡充等について解決できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。受入れ体制、受皿をしっかりとしたものにすればこうした課題も一定程度解決できていくということで、そこに力を入れていくと、そこについては理解はしました。
 例えば秋田県大仙市では、令和7年7月1日より、育児休業期間中は短時間の利用を可能としています。また、兵庫県神戸市では、育児休業中の利用について、家庭での保育が難しい事情がある場合は、相談の上、継続利用も可能としています。自治体ごとに待機児童数や運営体制などが異なるため、一概に比較はできませんが、一定の条件下で利用を認めている自治体があるのは、本市にとっても参考になると考えています。
 そこで、お尋ねします。
 育児休業中など、利用要件の緩和について検討が必要と考えますが、御見解をお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 保護者が育児休業中にある場合の入会要件につきましては、保護者の産後ケアを推進する趣旨からも、定員の空き状況によってではございますが、出産予定月の前月から5か月までという期間を見直すことも一つの方法になり得ると考えております。また、育児休業復帰後におきます児童の入会につきましては、育児休業取得前にクラブを利用され、育児休業終了後に利用を再度希望される場合での入会を優先対象とする他市の例もございます。
 育児休業に係る入会要件の見直しにつきましては、このたびの議員からの御質問も踏まえて、先進市の例なども参考にしながら、積極的に検討してまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。
 これも先日、坂本晴美議員が、入会要件について時代に合わせていくべきじゃないかということで、前向きに考えていくという御答弁があったかと思います。私は育休のところに焦点を当てましたが、今部長から御答弁いただいたことも含めて、例えば、育休前から在籍していた児童に限り継続利用を認める、また特別な事情がある家庭は例外を設けるなど、利用要件の緩和について御検討をいただきたいというふうに思います。
 では次に、民設民営の児童クラブについて質問をさせていただきます。
 待機児童の課題や様々なニーズに対応するため、近年では放課後児童クラブの運営に民間活力を導入する事例が増えています。近隣では岩国市が取り組まれていることから、子育て政策課及び文教厚生委員会の吉村委員長、秋月副委員長へ相談し、8月に岩国市へ視察に行きました。先日質問で取り上げていただいた坂本晴美議員も含めて、視察に御同行いただいた皆様へ感謝申し上げます。
 タブレットの資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 岩国市は、待機児童解消を図ることを目的に、令和7年度の新規事業として、放課後児童クラブを開所運営する民間事業者に対して、施設整備、備品購入などの開所準備経費、人件費、維持管理費、児童の送迎など運営費を補助する事業を創設しています。事業者には、国の運営指針や岩国市の条例など各種法令等を遵守した運営を行うよう求めており、市は事業者に対して必要な助言、管理等を行うことになっています。
 そこで、お尋ねします。
 本市には民間事業者による開所を支援する補助事業や仕組みはあるのか、ないのであればその必要性について、御見解をお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 本市における民間事業者による開所を支援する補助事業や仕組みにつきましては、菊川町地区において社会福祉協議会が運営されていた「中村さん家」という民設民営の児童クラブの実績がございます。子ども・子育て支援事業交付金による補助制度の下、運営をされてきた「中村さん家」ですが、令和5年度からは市にて設置した豊東児童クラブがこれを引き継ぎ、現在、市内の児童クラブは全て公設となっております。
○宮野直樹君
 ありがとうございます。令和5年よりも前、昔はあったということ、現在は今ないということで御説明がありました。
 次の資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 こちらも先日、坂本晴美議員から紹介がありましたが、先ほどの事業を活用して7月1日より開設されたレノファ学童クラブを視察したため、私からもポイントを紹介したいと思います。
 施設については、コンビニだった空き店舗を改修して整備をされています。人員については、常勤3名、非常勤4名、計7名の人員を事業者のほうで確保しています。
 なお、7名の資格保有の内訳は、保育士5名、教員免許所有者は2名です。
 視察に行った8月時点では、岩国市内9校から24名の児童が利用をされていました。岩国市が定める基準に沿った運営●規則●等を作成し、それに基づいて事業者が独自に利用基準や開所時間等の設定を行うことができるため、民間ならではの特徴があります。
 まず、利用時間についてです。通常日は放課後から午後7時まで、学校休業日は午前7時半から午後7時までとなっています。
 なお、月額基本料は、午後6時半までが5,000円、午後7時までが6,000円となっています。
 次に、送迎です。ニーズが高い場所に設置をすることで、複数の小学校を巡回し児童を迎えに行く機動的なサービスを提供し、利便性の向上及び待機児童の解消に寄与しています。
 なお、現時点では5校に対してこの送迎、迎えを実施しています。
 次に、内容です。希望がある場合は、平日、2回ほどサッカー教室に参加ができます。そのほかも、英語教室や運動体育教室など、特色ある内容を準備されています。また、定員の状況にもよりますが、育児休業中の受入れも可能ということです。職員さんは、民間ならではの特色を生かし、子供たちが喜びや自信を得て、将来の夢を抱くきっかけとなる運営を目指したいと語られていました。
 次の資料を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
 岩国市は多様な運営形態を取り入れており、来年度は委託の拡充により、8割が公設民営になる予定です。待機児童についても減少傾向であり、令和7年8月1日現在は8人となっており、成果も出ています。
 また、岩国市の担当者は、民設民営児童クラブのメリットとして、定員超過により利用できなかった児童、公設の利用基準を満たせなかった児童に対する受入れが可能になったこと、それに加えて開設時間の拡大や長期休業中の昼食の提供あっせんがあること、そして何より保護者にとって放課後の選択肢ができたことがよかったのではないかと述べられていました。
 本市に置き換えてみても、待機児童が偏在する地域において、人員、面積を含む場所の課題などに対し、送迎など、民間事業者の柔軟な運営により、課題の解決に期待ができます。
 このたびは視察の一例として紹介させていただきましたが、待機児童の課題解決はもとより、選択肢を増やすことが子育て施策のさらなる充実へつながるのではないかと私は考えています。
 そこで、お尋ねします。
 民設民営の児童クラブを導入することで、待機児童の解決やさらなる子育て施策の充実が図れると考えますが、視察を踏まえた本市の御見解をお示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 先般、子育て政策課の職員が議員と御一緒に岩国市を訪問し、レノファ学童クラブを視察させていただいたことは、今後の施策を検討していく上で大いに参考となるものであったと認識しております。
 こういった民設民営の児童クラブにつきましては、施設の拡充による待機児童解消が期待できるとともに、民間事業者の特色あるサービスの提供や柔軟な運営体制により、保護者や児童の多様なニーズへの対応も期待できると考えます。一方で、運営に関する質の確保や行政との連携、利用者負担の違いなど、民設民営の導入に当たっては整理すべき課題もございます。
 本市といたしましては、待機児童の早期解消、子育て支援策のさらなる充実のため、民設民営の児童クラブの導入可能性について、他市の事例も参考にしながら検討を重ねてまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。期待やニーズに応えれるんじゃないかという一方で、質のこととか課題もあるということでお話しいただきましたが、しっかりやりながら事業者を育てるということもありましたが、そうした形で前向きに御検討いただければというふうに思っております。
 では最後に、今後の取組について質問をさせていただきます。
 ここまで様々な議論を重ねてきましたが、いずれにしても、待機児童の解決に向けてあらゆる手を尽くすことが、下関市第3次総合計画の中のゴール目標の一つである、下関市は子育てがしやすい町だと思う保護者の割合を高めることへつながるのではないでしょうか。
 そこで、お尋ねします。
 待機児童の解決に向けて、放課後児童クラブのさらなる整備に今後どのように取り組まれるのか、お示しください。
○こども未来部長(栗原紹子君)
 待機児童の解決に向けましては、具体的な一例として、待機児童が多く発生している安岡小学校の児童クラブにつきまして、教育委員会が進める安岡小学校の校舎増築を計画する中で、児童クラブの教室につきましても確保する予定としております。また、児童クラブの運営体制に関しましては、来年度より、本市の全児童クラブの約半数が公設公営、約半数が民間委託となり、多様な運営形態を取り得ることで、専門性の確保や資質の向上、さらには組織体制の充実が図られると考えております。
 今後の方向性ですが、民間委託につきましては、委託先の運営状況の把握、学校関係者の意見を聞く等により、委託の導入に関する検証を行い、待機児童の解消に向けては、民設民営の導入も選択肢の一つとして、地域の実情に即した持続可能な運営体制の構築ができるよう検討してまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
 ありがとうございました。今しっかり進めてる施策の検証も含めて、民設民営も含めて様々御検討いただけるということで認識をしました。
 私ごとですが、私もこの春、娘が待機児童になった当事者の一人です。私でいえば、まだ私自身の両親がいたりとかするので、そこでうまく仕事の調整あるいは家族へ頼るとかそういうことができましたが、改めて子供に聞くと、やはり不安を抱えて、そうすると親が何とかその不安をどうにかしてあげないといけない、だから誰かが迎えに行くとか家に早く帰るとか、そういうことを例えば夫婦だけとかあるいはシングルでやっていくって、これは非常に難しいなということを実感しました。家族形態やそのときのお子さんの状況、年齢、様々あるとは思いますが、やはり放課後に子供も安心して親も安心して預かってくれる児童クラブのありがたさというものを改めて痛感したところです。
 そうしたことも含めて、子育て世代が安心して働き、子供が心身ともに健やかに育つ環境を整えることは、下関市の魅力を高め、人口減少社会においても選ばれる町になります。仕事と育児を両立しやすい社会ならば、第2子以降も前向きに考えられ、それは人口減少対策にもつながります。
 あらゆる施策を通じて待機児童の解決を図るとともに、子供や保護者のニーズに応じた施策の導入を強く要望し、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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