録画放映

第4回定例会
12月10日(火) 本会議(一般質問1日目)
みらい下関
板谷 正 議員
1.年収103万円の壁の見直し
2.人口減少対策
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。

○議長(香川昌則君)
 3番、板谷正議員。(拍手)
  〔板谷正君登壇〕
○板谷 正君
 みらい下関の板谷です。それでは、通告に従って質問させていただきます。
 このたびの12月定例会は、さきに行われた第50回衆議院選挙が行われて以降、初の定例会となります。今回の衆議院選では、政治とカネや物価高対策が争点となり、私ども自民党におきましては、大変厳しい選挙でしたが、山口県選出の先生方は見事全員当選されました。国全体では、自公連立政権として臨んだものの、過半数割れする大敗となりました。
 一方で、国民は自民党に対する批判と併せ、政治改革に対する期待から、野党の得票も増え、中でも国民民主党さんは改選前に比べ、大きく議席を伸ばされております。その国民民主党さんは「扶養者が所得控除を受けられる所得103万円の壁を178万円に引き上げ、国民の所得を増やす」と公約を掲げられておりました。
 選挙後直ちに行われた国会で、石破前総理が首班指名選挙において再び総理となられましたが、その後の政権運営に向け、自民党、公明党に国民民主党を加えた形で、基礎控除額引上げの議論が開始され、控除額についてはまだ確定しておりませんが、この議論を始めた頃、各自治体の首長さんたちが一斉に基礎控除額の見直しにより、住民税の大幅減少が見込まれるので反対といいますか、地方への影響をしっかり議論していただきたいと国に対して意見を出し始めました。
 確かに、単に基礎控除額を引き上げれば、所得税と合わせて住民税も減税となるので、地方にとっては大きな税収減となるわけです。政府は、基礎控除などの金額を103万円から178万円に引き上げた場合、国と地方の税収が合わせて7兆円から8兆円減ると試算しています。
 最近になり、基礎控除引上げで地方への住民税の減税・減収を考慮したのか、所得税と住民税の分離する引上げ案も協議されているようですが、基礎控除額それぞれ大きく差をつけた場合では、大きな所得増とはならないようで、果たしてこの件がどのように落ち着くのか注視していく必要があります。
 それでは、ここでお聞きしますが、このまま国民民主党さんが主張する基礎控除額103万円の壁を一律178万円に引き上げる際には、山口県や本市はどれだけ税収減になるのか、私たちはしっかり認識しておかないといけないと思いますので、現時点で分かる範囲で構いませんので御説明ください。
○総合政策部長(前田一城君)
 いわゆる「103万円の壁」の見直しにつきましては、先月11月22日に閣議決定されました「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」におきまして「令和7年度税制改正の中で議論し引き上げる」とされておりまして、具体的な内容はまだ決まっていない状況であります。
 そうした中で、先月、県知事より「県と市町合わせて年間400億円の減収になる」というような発言もあったところでございますが、本市においては、仮に基礎控除額を現在より75万円引き上げるとした場合には、個人市民税の税収減は41億円程度になると見込んでおります。
○板谷 正君
 41億円と言えば、本市にとって大変大きな額ですし、予算編成において不足分の市債発行や基金を簡単に充当するのも難しいことですし、国も7兆円から8兆円税収が減ると見込まれる中、交付税等での補塡も難しい状況だと思います。
 引き続き、財政部長にお聞きしたいのですが、このたびの基礎控除額見直しにおいて、国は地方に対し何らか補塡を検討されるというか、できると思われますでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
 先ほど申しましたように、令和7年度税制改正の中で議論されるということで、引上げの幅ですとか、その減収の補塡方法というのも一緒に国のほうで議論されると思います。自治体側から言えば、その減収の補塡がないと、現在の行政サービスの水準が維持できませんので、国のほうで減収が補塡できる範囲の引上げ幅を検討されるのではないかと考えております。
○板谷 正君
 なかなか先を見通すこと自体も難しい状況で、今議論が進んでいるのではないかと思いますが、手取り収入が増えることで消費の活性化につながれば、税収を増やす効果もあるという見方もありますが、これはあくまで見込みであり、どこまで肯定的に考えられるのかは未知の部分です。
 基礎控除となる103万円は1995年に設定され、今日まで据え置かれたもので、物価や労働賃金も当時とは大きく上昇している現在、当然見直しも必要だと思いますが、国民に過度な期待を持たせるのも無責任な発言であると思います。私の所属する自由民主党は責任政党として、これからの皆様の生活をしっかり前に進めていくことをお約束し、この質問を終了いたします。
 引き続き、次の質問は人口減少対策についてですが、その中でも、本市で婚姻届を出されている方について、限定して行いたいと思います。
 本市も人口減少対策として、現在、2020年に策定された「第2期下関市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において様々な施策を展開しており、また、現在作成中の「第3次下関市総合計画」では、下関市の現状を把握し、未来につながる施策を示し、こちらも現在作成中の「“ForKids”プラン2025」では、少子化対策や子育て支援のほか、若者の結婚に関する支援については、言葉では幾つか現れておりますが、どことなく結婚支援に関しては、少し本気度を感じることができません。
 少子化対策として、子供を産み育てやすい施策も重要でありますが、今の若者で問題になるのが、未婚者の増加や、また初婚年齢がどんどん上昇しているという点です。
 子供を産む環境は様々であり、多様性を認める現代社会では、一概に結婚しなければ子供を産むことができない訳ではありません。とは言いましても、やはり結婚することが子供を生み育てるベースとなる確かなことであると思います。
 まず確認したいのですが、本市の婚姻者の推移です。毎年の出生数や特殊出生率は数字で報告も受け、確認しておりますが、本市の婚姻届出数はどのように推移しているのかは目にしたことがないように思います。
 少子化対策をする前に、本市の家庭数、特に出産適齢期の御夫婦がどれだけおられ、その数がどのように推移しているのかを理解することは、今後の施策を行うにも重要なことだと思います。
 それでは、お聞きします。どこまで遡れるかとは思いますが、本市で婚姻届を出された数を節目の年度で構いませんので、教えてください。
○市民部長(山田之彦君)
 本市の婚姻届の届出件数の推移について、平成20年度から5年ごとの件数を申し上げます。平成20年度は3,696件、平成25年度は3,318件、平成30年度は2,773件、令和5年度は2,245件でございます。
 婚姻届の届出件数は年々減少しており、平成20年度から令和5年度までの15年間で約40%の減少となっております。
○板谷 正君
 ただいま説明を聞いて明らかになったように、たった15年間で本市の婚姻届出数が40%も減少しているということは、幾ら少子化対策や子育て支援を講じても、効果は限定的となります。
 ここに、こども家庭庁が作成した「結婚に関する現状と課題について」という資料があります。
  〔冊子を掲げて説明〕
○板谷 正君
 ここには我が国が抱える少子化の根幹があるように思います。
 本市の特殊出生率は2022年、1.36であり、全国平均より高い数値でありますが、日本全体で見れば、2023年度の合計特殊出生率は1.2、前年度比0.06ポイントの減少、過去最低となったようです。
 次は、この同じ資料の中にあるのですけれども、50歳時の未婚率についてですが、昭和50年に男性が2.6%、女性が4.45%であったのに対し、令和2年度には男性が28.25%、女性が17.81%とかなり上昇しており、この傾向が続けば、男性で3割、女性で2割近くが結婚しないと推計されているようです。
 また、次が興味ある統計ですが、夫婦の完結出生児数――結婚してから子供が生まれた数ですね、1970年から2002年までは2.2人で、安定的に推移しておりましたが、2005年から減少傾向となり、2021年には過去最低の1.9人となったようです。それでも2人に近い数値ですので、やはり結婚をしていれば、子供を産んでいただけるので、今後婚姻率を上げていく取組の重要性が確認できます。
 まだまだ興味のあるデータとして、現在の平均初婚年齢が、妻が約30歳、夫が31歳とあり、第1子出生児の母の平均年齢は、1985年には26.7歳であったのが、2011年には30歳を超え、2022年には30.9歳となっております。
 また、見合い婚と恋愛婚との割合は、統計が示され始めである1935年の見合い婚が69%、恋愛婚が13.4%で、1965年には見合い婚が44.9%、恋愛婚が48%とほぼ同数でありましたが、その後、見合い婚と恋愛婚が逆転し、恋愛婚は急上昇し、1985年から2010年までは恋愛婚が80%以上と安定的な推移であったものの、2015年からは減少に転じ、2020年には74.6%となっております。
 一方で、見合い婚は1940年以降急激な減少傾向となり、1995年以降は10%を切っておりましたが、ここで大きな変化が出始めたのが2015年以降、インターネットを通じての結婚が始まったことです。インターネット婚とは、SNSやウェブサイト、アプリ等を示しているようですが、2017年には6%であったのが、2022年には15.2%と10%近く伸びております。
 次は18歳~34歳の方に「いずれ結婚するつもりか」の質問で、1992年から2015年まで、9割程度は「結婚するつもり」と安定しておりましたが、2021年の調査で未婚男性は81.4%、未婚女性では84.3%と10%減少しております。
 次からが、婚姻率を上げていくにおいて重要となる調査の結果ですが、若者が結婚しない理由の圧倒的1位が、男女とも50%近くが「適当な相手に巡り会えない」となっており、それでは「相手を探すために行動を起こしたか」との質問には、20歳~29歳の男性で72.5%、女性で54.8%が「特に何も行動していない」と回答、30歳~39歳までの男性で64.7%、女性では45.7%が同じく「何も行動していない」と回答しています。
 長々と、こども家庭庁の資料を基に人口減少対策として結婚することの重要性を説明させていただきましたが、さきほどもお話ししましたが、本市は子育てについてかなり手厚く支援をしていますが、これが結婚となると、これまで幾つかの事業は行われておりましたが、さほど手厚い支援を行っているとは感じません。
 そこで質問いたします。本市が婚姻率の上昇につき、これまでどのような取組をされていたのか、また今後どのような取組を予定、計画しているのか、お聞かせください。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 婚活支援につきましてお答えをいたします。
 これまでの取組といたしまして、平成30年度から令和5年度まで、婚活事業を実施した民間事業者に対しまして「出会いの場婚活サポート事業補助金」によりまして支援を行ってまいりました。
 民間事業者の取組内容及び実績につきましては、婚活イベントの開催による出会いですとか、交流機会の創出、異性間のコミュニケーションの向上を図るセミナーの開催などに取り組みまして、12組のカップルが婚姻に至るなど、一定の成果を上げたと考えております。
 しかしながら、課題としまして、大勢が集まる交流型のイベント、これを苦手とする若者の声も多数お聞きしております。
 そのようなことから、取組を見直しまして、今年度につきましては、昨年度まで民間事業者が取り組んでいた婚活サポート機能に加えまして、先ほど議員のほうからも御説明ございました、見合い婚の率が上がっているというようなことからも、個人によるお見合い形式での出会いの場を提供するなど、誰もが参加しやすく、多様な婚活サポートを展開している山口県の「やまぐち結婚応縁センター」と連携をいたしまして、本市での交流イベントを開催するとともに、新たな支援としまして、当該センターにおける各種サービスを利用するための参加者の登録料を支援する制度の創設を準備しております。
 なお、同センターの登録料0円キャンペーンと重なりましたので、実施時期につきましては現在調整を図っているところでございます。
 現在の取組としましては、10月に当該センター主催の大規模婚活イベント「やまコンin海響館」これを本市と連携して開催しまして、定員200名に対しまして1,000人以上の申込みがあるなど大盛況でございました。
 さらには、今年度から結婚新生活支援事業を実施しておりまして、新婚世帯を経済的に支援することにも取り組んでいくこととしてございます。
 今後につきましても、若者のニーズに沿った取組を展開してまいりたいと考えております。
○市民部長(山田之彦君)
 本市では、地域の人口増加につなげるため、結婚を望む人たちへの多様な出会いの機会の創出に取り組もうとするまちづくり協議会に対し、令和5年度から婚活イベント開催事業として、まちづくり交付金を加算しております。
 昨年度は5つのまちづくり協議会が、秋から春にかけて、それぞれの地域の魅力や特徴を生かした婚活イベントを開催し、市内在住者を中心に延べ110人の参加があり、多くの参加者から好評を得たと伺っております。
 令和6年度においても、5つのまちづくり協議会が婚活イベント開催事業に取り組んでおり、出会いや交流の機会を提供する事業に取り組む、まちづくり協議会を引き続き支援していきたいと考えております。
○板谷 正君
 今説明の中にありますように「やまコンin海響館」海響館で行われたものに対して200人の定員に1,000人応募があったというように、いろいろな出会いの場というのは若者も求めていると思います。アプリで会ったりというのもあるけれども、何か最近ではアプリで犯罪等も増えているようですし、やはり自治体だとか行政が主体となってやる事業に関しては、親も安心だからどんどん行きなさいというような結果が、こういうことになって1,000名も来るのではないかと思います。
 ぜひ、行政主体でいろいろなこういった結婚される方を増やしていくというのは、本当に、子供・子育てを支援するその前の事業として取り組んでいかないといけないことだなと思います。
 今回、今作成中の総合計画や「“ForKids”プラン2025」のほうでも、今、いわゆる婚活に対する支援というのは言葉では出てくるものの、何となく弱々しい、本当に主体性を感じないものが多いので、やはり自治体が主体となって、下関の家庭数を1件でも増やすということに取り組んでもらうことをお願いし、このたびの質問は終了いたします。(拍手)
○議長(香川昌則君)
 この際、暫時休憩いたします。再開は13時といたします。
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