録画放映

第3回定例会
9月18日(水) 本会議(一般質問3日目)
みらい下関
東城 しのぶ 議員
1.学校で起こる子供同士のトラブルについて
2.学びの多様化学校について
3.保育について

※3については質問を行っていません
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。

○副議長(安岡克昌君)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。一般質問を継続いたします。
 16番、東城しのぶ議員。(拍手)
  〔東城しのぶ君登壇〕
○東城しのぶ君
 みらい下関の東城しのぶです。このたびの質問は、子供たちを取り巻く環境について、親御さんたちからいろいろと相談を受けておりますので、三つの項目に分けて質問をさせていただきます。
 まず一つ目に、学校で起こる子供同士のトラブルについてですが、この質問の第1投目は、命や子供の人生にも影響する深い質問となりますので、市長、教育長、心ある御答弁をお願いして、質問に入らせていただきます。
 本市では、いじめが原因で自ら命を絶った中学生の命日に当たる4月13日は「下関市いのちの日」として、12年前から、学校で命の尊厳について授業が行われています。あの出来事が起きて、もう20年たちます。私も、当時息子が同じ年代だったので、1人の母として、お母さんの気持ちを考えると、やり場のない思いに、どれだけ苦しかったか。今生きていたらとお母さんの気持ちを思うと、20年たった今でも心が苦しみます。
 私事ですが、前職のときから性教育の一環で、命の講座を県内外の高校生対象で、依頼があれば、今でもお話をさせてもらっています。先日も、市内のとある高校で話をしてきました。その講座を聞いた学生さんから、昨日たくさんの感想文が届いていて、昨夜全てに目を通しましたが、こんなにも生きづらさを感じていると思う感想やいろいろな思いが書かれていて、それでも「ちゃんと前向きに生きていきます」と最後に述べてある言葉に、心に届いていたようで、そしてその中の一つに「今日帰ったらお母さんにありがとうを伝えます」と書いてありました。講演中も涙をこらえる子供たちが多く、子供とこうして命と向き合う時間を取ることは、本当に大切だと感じました。ですから「下関市いのちの日」この授業は、この先も永遠に、そして幼少期のときから、しっかりと継続していただけることをお願いして、質問に入らせていただきます。
 子供同士のトラブルといっても、ふざけ合いからけんかになる場合や、ささいな言い合いから無視や仲間外れにエスカレートするなど様々ですが、今日は、いじめや暴力行為に絞ってお考えをお聞きしていきます。まず、いじめの行為に対しての捉え方を御説明ください。
○教育長(磯部芳規君)
 まず、いじめの行為に対しての捉え方ということでお答えいたします。
 いじめにつきましては、いじめ防止対策推進法が示している「いじめとは、当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」との定義に基づき、いじめに当たる行為であるかの判断をしております。また、いじめを見逃すことがないよう「どの学校でもいじめは必ず起こりうるもの」との認識を持ち、積極的な認知に努めているところでございます。
○東城しのぶ君
 私も本市のいじめ防止基本方針の内容を拝見しましたが、集団による無視、金品を隠されたり、恥ずかしいことや危険な行為にさらされたりするなど、具体的に示されてあったのを確認しました。それでは、本市のいじめ防止基本方針に示されている重大事態ですが、その判断基準をお聞かせください。
○教育長(磯部芳規君)
 いじめ重大事態の判断についてお答えいたします。学校は、いじめ防止対策推進法に示されている「いじめにより児童生徒等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」または「いじめにより、児童生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」との基準に基づき、重大事態の発生を認知した場合でございますが、直ちに教育委員会に報告を行います。
 教育委員会では、報告を受け、事案の背景にある事情や被害児童生徒の状況などを丁寧に把握、分析し、重大事態として対応すべき事案かどうかを判断しております。
○東城しのぶ君
 今、教育長が答えられた答弁ですが、私もその中身を見たときに「生命や身体、財産に重大な被害が生じた疑いがあるとき」この疑いがあるときの状態でも判断し対応されるということで間違いないですね。そういった、早期にそういう疑いがある時点でも、そういう対応をするということでしたが、そういった行為が行われた場合の対応についてお聞きしていきます。
 まず、本市のいじめの状況について、質だったり、今の把握されている数を聞かせください。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、令和5年度のいじめや暴力行為につきまして、状況をお答えいたします。いじめの認知件数でございますが、小学校が645件、中学校が257件、市全体で902件でございました。
 いじめの内容につきましては、小中学校とも冷やかしやからかい、悪口など、言葉によるものが半数以上を占めております。次いで、遊ぶふりをしてたたかれたりとか蹴られたりするなどが小中学校とも全体の1割となっております。
 このほか、小学校では嫌なことなどをされるが約2割、中学校では、SNS上での誹謗中傷が約1割となっております。あわせて、暴力行為等につきましては、小学校が34件、中学校が31件、全体が65件となっております。増加傾向となっております。
○東城しのぶ君
 暴力行為が結構あるのにちょっと今驚いたのですけれども、それを重大と捉えてしっかり対応されていると信じてはおりますが、暴力によって、とても傷ついている子がいる中で、先ほど御答弁された重大事態と捉える生命や身体に被害が生じるような、そういう行為、そしてSNS上で見えにくいトラブルがあった場合に、具体的にどのように対応されているか、お示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 暴力行為も含めまして、SNS上のトラブル等のいろいろな対応についてお答えいたします。
 暴力行為やSNS上でのトラブルについては、被害の程度や事案の重大性を踏まえて、必要に応じて、警察や児童相談所等の関係機関と連携した対応を行うこととしております。例えば、暴力行為では、人にけがをさせれば傷害、けががない場合でも暴行、物を壊せば器物損壊に当たります。また、SNS上でのトラブルにつきましては、名誉毀損などの人権侵害につながる場合もございます。
 これら社会で許されない行為は、学校内でも許されないことを理解させることが必要であると捉えております。学校では、具体的な事例を挙げ、児童生徒に暴力は絶対いけないこと、SNS上でのトラブルは罪に問われる可能性があることなどを繰り返し指導するとともに、保護者への意識啓発に取り組んでいるところでございます。
○東城しのぶ君
 それで言うと、処罰的なことは学校ではされていないということですか。
○教育長(磯部芳規君)
 学校におきましては、まずは被害に遭った生徒のことを第一に考えて支援を行ってまいります。暴力行為等に及んだ生徒につきましては、先ほども言いましたけれども、繰り返し指導を行っております。懲戒等の法律等もありますが、これはあくまで生徒の教育を妨げることがないということを守るためにやっておりますので、懲戒としては行っておりません。
○東城しのぶ君
 小さな話というか、深い話を放り込んでいったら、なかなか難しいところもあるので。私もいろいろ相談を受ける中で、刑法のことだったりを知ると重い話にはなりますが、13歳以下が傷害や暴行罪、性犯罪などの罪を犯しても、刑法では処罰を受けることがないということ。そして、これは14歳に満たない者の行為は罰しないと定められているからということを知りました。
 もちろん子育てをしていたら、ささいなけんかやトラブルはつきもので、いつ加害者にも被害者にもなりかねませんから、相手を責めるだけではなく、許し合うことも、そして更生へつなげることも大切だとは思います。
 それでも、いつも泣き寝入りするのは、被害者側です。重大事態と判断するに当たり、調査や協議はもちろんのことですが、何よりも被害者のケア、そして加害者の指導と対処をしなければ、学校に対して不信感を感じます。
 私のところには、いじめや暴行だけでなく、性に関してもいろいろな相談が来ています。そんな子供たちが、心や命を失ってからでは遅いのです。
 先ほども言いましたが、13歳以下の罪は法で守られています。この法で守られるということは、カバーすることではなく、ちゃんと導いてあげることだと私は思っています。
 また、いじめや暴力行為が行われた際、周囲の子供たちにも大きな影響を与え、中には、次は自分がターゲットになるのではないかと恐怖を感じて学校に行けないという相談も私のところに来ております。そういったことを踏まえ、対策と取組をお聞かせください。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、被害者側の心のケア対策と取組ということでお答えをいたします。まず、トラブルの対応に当たっては、何よりも被害を受けた児童生徒を守ることを最優先します。被害を受けた児童生徒の心情を理解して、不安感の払拭に努め、安心して学校生活を送ることができるように支援をしていきます。さらに、状況に応じてスクールカウンセラーによるサポートなど、専門的な知見に基づく心のケアに努めているところでございます。
 なお、被害を受けた児童生徒が、教室で安心して過ごすことができない場合においては、本人の希望を踏まえ、別室での学習支援や家庭訪問による自宅での学習支援、タブレットを活用したオンライン学習など、学びが途切れることがないよう取り組んでいるところでございます。
 また、直接被害を受けていなくても、不安に感じる児童生徒については、被害を受けた児童生徒と同じように不安感の払拭に努めるようにしております。教育委員会といたしましても、いじめや暴力行為の未然防止に向けて、思いやりの心や規範意識等が醸成されるよう、道徳教育や人権教育の充実になお一層取り組んでまいりたいと考えているところでございます
○東城しのぶ君
 これはちょっと質問には出していないけれども、このやり取りで感じたのですけれども、自宅学習やオンライン学習、そういうことをされている子というのは、今、かなりというか、数はどのくらい把握されていますか。
○教育長(磯部芳規君)
 数においては、各学校の取組でございますので、詳しい件数は手元にございませんが、私も以前、校長として勤務しておりましたけれども、その学校においても、このようなケースを受けた場合には、自宅での学習、またオンラインを使う、こういったものの取組を進めてまいっております。
○東城しのぶ君
 把握されていないということですが、やはりそういうことはすごく大事なので、教育長、把握されておいてほしいと思います。
○教育長(磯部芳規君)
 大変申し訳ございません。オンラインの学習実施校については資料がございますので、お伝えいたします。
 オンラインの学習の実施数につきましてですが、小学校では11校12人、このうち、出席の扱いは4人となっております。中学校では9校15人、出席扱いは2人という形になっております。一応オンラインだけでございますが、御報告させていただきます。
○東城しのぶ君
 分かりました。別室を用意されたり、そういう自宅学習、オンラインという環境を整えられて、学習の遅れがないようにされていることは理解しましたが、でも、なぜ加害者側でなく、被害者が別室登校なのでしょうか。そういう被害者側のお母さんだったり、子供たちは、学校に対してすごく不満というか不信感を抱かれています。
 私もそれを聞いたときに、本当にそうだと思って。処罰を与えるとかそういうことではなくて、何で、いつも被害者側が泣き寝入りしなければいけないのだろうと、本当に話を聞いていたらすごく思いました。これだったら、ケアどころか感情を逆なでしている、そう私は感じました。そこもしっかりと考えていただき、これからどうしたらいいかという協議をしていただけたらと思います。
 では、被害者と加害者の関係についての対策は、どのようにお考えでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、加害者と被害者の関係についての対策についてお答えいたします。
 いじめや暴力行為に及んだ児童生徒には、自分の行動とその結果に真摯に向き合い、反省できるよう指導することが重要だと考えております。そのため、学校では保護者と連携しつつ、その児童生徒が内面に抱える不安やストレスなどを受け止め、暴力行為は許されない行為ですが、学校や社会から排除され、孤立や孤独に陥って、立ち直りのきっかけを失うことがないよう、行為に向き合わせながら指導していきます。
 改善すべき自己の言動について気づけるよう、振り返りを十分に行わせ、再発防止につなげるとともに「被害者との関係修復に向けて自分ができること」を考えるようになることを目指した指導を行っているところでございます。
 一方、被害を受けた児童生徒には、本人の心情を理解しつつ、心のケアを最優先として、支援していきます。きめ細やかな見守りと教育相談を継続して行い、いつでも相談できる関係機関と連携し、平穏な生活が送れるよう支援体制に取り組むことで、不安感を払拭し、安心して学校生活が送ることができるようにしているところでございます。
 双方の児童生徒に対して、事案への対応で終わらず、長期的な視点を持ち、成長につながる指導や支援を継続して行うことが大切であると考えているところでございます。
○東城しのぶ君
 先ほども言いましたが、守るということはカバーすることではないです。決してカバーしないでください。カバーするのではなくて指導してください。でないと、本当に被害者側は、自分たちが守られないで加害者が守られていると勘違いしています。勘違いというか、そういう感情に潰されそうになっています。そういう思いをしっかりと受け止めていただきたいし、理解していただきたいと思っています。
 そして、そういう嫌な思い、つらい思いをした子は、加害者を見るだけでも、その姿を見るだけでも怖いのです。教室に入るとかそういう問題ではなくて、学校に一緒に行かなくてはいけない。その空間に一緒にいなければいけないというだけでも、恐怖を感じている子がいるのです。その子たちをどうしたらいいかというのは、やはり学校がしっかりとケアしてあげて、自分たちは守ってもらえているという思いがないと、学校にもまず行けないので、そこからしっかりと取り組んでいただけたらと思います。
 何度も申しますが、これまでいじめの相談を受けるたびに、弱い立場、被害者側がいつも泣き寝入りしていると感じます。被害者側の大半が転校や引っ越しをされるか、別室登校になるか、状況が悪化すれば、学校に行けず、不登校になってしまいます。なぜ、被害を受けた側が泣き寝入りしなければいけないのでしょうか。
 ですが、相談に来た子供たちや親御さんたちには、私なりに思いを伝えています。「悔しいけどね」と。「人間は感情があるから、10年後も30年後も、もしかしたら100年後も悪い人もずるい人もいなくならんと思う」と。「でもこの経験したことで、いろんな感じを知ったやろ」と。絶対あんな人間にならないと思えたことが――その子に対してですけれども「あんたの心が豊かになった財産なんよ」と。「この悔しい思いを生かして、自分から変わっていこう」とそういった後押しをしています。
 それでも、やはり弱い立場が泣き寝入りする世の中では希望は持てません。子供たちはたくましく生きていくために、ふだんの生活の中で、挫折も失敗もつらさも経験していくべきですが、命に関わる重大事態に関しては、厳しい姿勢で、指導、対応していただけるよう強くお願いして、次の質問に入ります。
 二つ目は、学びの多様化学校ですが、様々な要因があって、学校に行けない、行かない。ここの場では不登校として、学びの多様化学校が検討されていますが、本市が目指す学びの多様化学校の目的とコンセプトをお示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 教育委員会といたしましては、不登校児童生徒が安心して集い、学べる場、社会的自立を支援する場となるよう、現在、設置に向け検討準備を進めているところでございます。
 具体的には、卒業時に生徒一人一人が「進路を自分で決めることができる」「基礎学力を身につけている」「コミュニケーション能力を身につけている」「経験に基づく自信を持っている」といった目指すべき姿を明らかにしつつ、引き続き、不登校児童生徒に求められる新たな学びの場となるよう準備を進めてまいります。
○東城しのぶ君
 生きていくのに一番大事なのはコミュニケーション能力だと、私自身すごく思っています。勉強は、それこそ今の時代、スマホ一つでもパソコンがあれば幾らでもできますし、しっかりAIがいる中で、学びはどちらかというと私の中では重視ではないとは思っていますが、でも実際社会に出たときに、やはり言葉で物事を伝えるだったり、本当に領収書一つ書くにしても、漢字が書けなかったら恥をかくし、そういう面では、学習というのは、基礎学習というか、それは本当に大事だと思いますので、しっかりとそこを身につけるためのコンセプトというのは理解しました。
 それでは、今の現状、進捗状況について、準備されていると先ほど言われましたが、今回の質問は、全体的な進捗状況で構いませんので、お示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、進捗状況についてお答えをいたします。
 今年度に入り、教育委員会の担当者が、設置までに必要な準備や学校運営、学習環境づくりなどを具体的に研究するために、先進校の視察を行いました。また、ここで得られた情報を踏まえ、学校関係者、市教委関係者で構成するワーキンググループをこれまで4回開催しているところでございます。今後も、引き続き検討を行い、学校経営方針や生徒への支援の在り方等について具体化を図ることとしております。
 また、本年度でございますが、文洋中学校分教室において、設置に向けた実証事業を行っております。具体的には、オンライン授業の配信を取り入れた学習支援の適切な実施方法やボードゲーム等を活用した人間関係づくりの心理面に与える効果などについて検証を進めているところでございます。
 生活環境の整備も順次進めております。教室でメダカを飼ったりとか、廊下にベンチを置いたり、温かい雰囲気づくりを行うことに加え、今後、教室内にパーテーションを配置することで、他人の視線を気にせず過ごせる居場所づくりを行うこととしているところでございます。
○東城しのぶ君
 それでは子供たちの様子、逆にどんなふうに受け止められているか。子供たちのそこに行って、計画の中で今取り組まれている状況の、子供たちの様子はどう受け止められているか、いいですか。
○教育長(磯部芳規君)
 私は実は、分教室を運用しています文洋中学校の校長をしておりました。そこで子供たちの様子を見たときに、まず一番大事なのは、一人一人自分に合った生活学習ができているかどうかということを初めに見ます。その中で、先生方との人間関係を構築しているか。また、うまくいけば、友達同士との輪も広げることもできるのではないかということも見ております。
 そういうことで、まずは大事なのは、一人一人に合った環境であるか。これを一番に考えてみておりますと、今、分教室の子供たちは、自分のことをまず第一に考えて、自分の生活環境を整えていっていると考えております。
○東城しのぶ君
 楽しく行っていると答えてもらえたらうれしかったなと思っていますが。そこがすごく私は大事だと思っています。多様化学校をつくったとしても、結局、不登校というか学校に行けなかったら意味がないので、今やっていることが本当に楽しい、子供たちが行って感じていることを、先生たちが本当にデータというか、感触というか、感覚で子供たちは楽しんでいる、不登校だったけれども、こっちに来て、楽しんでいるという感覚を先生たちがどう取っているかというのをちょっと聞きたかったのですが。お答えされますか。
○教育長(磯部芳規君)
 私は、分教室等を経営しているときも、一貫して、市教委が進めています、わくわくする学校づくりを第一に挙げております。当然、そこでは子供たちが自分の将来に向けて、また今の自分の中で、わくわく楽しく、そしてどきどきするような経験をしてくれているのではないかと期待しておりますし、そのような学校づくりを今展開していると考えております。
○東城しのぶ君
 しっかりと、そこの感覚というか感触を先生たちでデータ分析をされて、多様化学校を進めていただけたらと思っております。
 それでは、改めて学校へ行けない子供たち、不登校の状況についてお聞きします。先日、井川議員から不登校の対策と支援について質問されたので、同様のものは割愛させていただきますが、教育長が御答弁された小中学校の不登校児生徒の合計を私のほうで計算すると、令和4年の合計は678人、そして令和5年は796人でした。これは間違いないでしょうか。(「はい」の声あり)
 ということは、1年で118人増えているという状況です。正直、私は驚きました。1年でこんなに増えていると。本当にどうにかしなくてはいけないと思った数字です。やはり不登校のケースは様々なので、この数字が全て、長期にわたって行っていない子供たちの数字ではないかもしれないですけれども、この数字は、重く受け止めないと、この先本当に心配だと思っております。
 ということで、今ある教育支援教室「あきね」や「かんせい」の学びの場の状況をお示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 まずは「あきね」や「かんせい」等の学び場の利用状況についてお答えいたします。登校が難しい児童生徒の学びの場として、学校外に教育支援教室「かんせい」「あきね」や分教室を設置しているところでございます。また、不登校児童生徒の中には、登校はできるけれども、教室に入れないという児童生徒も多くいるため、教育委員会では、児童生徒が教室以外の場所で学びが継続できるように、各学校に「校内教育支援教室」の設置を進めているところでございます。
 令和5年度でございますが、不登校児童生徒は、先ほども、議員の御指摘のとおり、796人でございましたが、本年度1学期、不登校またはその傾向が見られた児童生徒数は670人であります。これから児童生徒数の変動はあると考えますが、減少傾向に入っていると考えております。
 令和5年度不登校だった児童生徒のうち、教室以外の先ほどの学びの場を利用した児童生徒の割合は小学校で25%、中学校で45%でございます。
○東城しのぶ君
 私は聞き取りのときに35%という数字をもらっていたので、令和5年の796人で計算すると、利用が300人ということになるのですけれども、これは人の数、登校率ではなくて利用率ということですね、いいですか。(「はい」の声あり)
 私はこのデータについてですが、利用のカウント数ではあまり意味がないと思っています。どちらかというか、そのデータをしっかり取っていくのであれば、利用する子供たちの一人一人の登校率、そちらのほうをしっかりと見ていただかないと、先ほど言うように、この多様化学校を進めるに当たって、来た回数のカウントを取ったとて、いい数字は必ず出ます。でも大事なのは、不登校の子供たちがそこに通っている、ちゃんと登校しているという数字が私はやはり必要ではないかと思います。その部分においては、利用率ではなくて登校率、そちらのほうをしっかりデータを取っていただけたらと思いますので、お願いいたします。
 ここ最近「私の子供は実は不登校で」と話してくれるお母さんたち、お父さんたちと出会う機会が多く、ふだんそういう子が学校に行っていない様子の過ごし方をいろいろ聞いています。そのような中で意外だったのですが、こういう学びの場や学校に行けなくても、塾やスポーツクラブ、そういうところに通い、学校以外で友人との付き合いができる子供たちが多く存在していることを知りました。それを思うと、学校に行けない子供たちに対しての社会の受入れや環境が変わりつつあると個人的には安堵しております。反面、家から出ることができない、部屋からも出ることができない子供たちもいます。そんな子供たちがどのくらいいるのか、分析もぜひしていただきたいですし、まず、そういう子に学びの支援をどうされているのか、お示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 自宅または部屋から出ることができない児童生徒に対しましては、教員による家庭訪問、それから、オンラインによる面談や授業配信、教育支援教室の教育相談員による訪問支援を行っているところでございます。
支援に当たっては、学校が児童生徒の状況を把握し、支援内容や方法について保護者と共通理解を図った上で、より丁寧に行うよう努めているところでございます。教育委員会では、学校には行けるのですが、教室に入れない。学校以外の学び場を希望する。また、家から出ることが難しいといった児童生徒がそれぞれの状況やニーズに応じた学びにつながるよう、今後も取り組んでまいりたいと考えております。
○東城しのぶ君
 今言われたとおり、できることを少しずつやっていただけたらと思っております。
 ですが、増加している不登校児童生徒の個別訪問、オンラインの面談も私はどう考えても難しいと思っております。先日も教育長がサポートする人員の不足をすごく、一番の課題と捉えていると言われていましたけれども、私はその解決方法で地域の協力ももちろんですが、私は企業の力が一番大事だと思っています。心のケアにはカウンセラーがいるように、学びにおいては、塾の先生だったり、専門職といった企業の連携が本当に必要だと思いますので、そこにしっかり予算をつけていただいて、人員の不足の解消と、何よりも子供たちが10年後、少しでも自信を持って社会へ出ていけるよう検討していただきたいと思いますので、お願いします。
 それでは次に、多様化学校が検討されるに当たり、私は不登校児童生徒だけでなく、全ての子供たちに対して、学校の在り方がどうあるべきか考える時期が来ていると思います。広い視点で、学校教育の在り方について、教育長のお考えをお示しください。
○教育長(磯部芳規君)
 それでは、私が考える学校の在り方についてお答えいたします。先日でございますが、8月22日、23日に本市を会場として、全国各地で文化芸術活動に取り組む中学生が集う全国中学校総合文化祭が開催されたところでございます。下関市からもたくさんの中学生が舞台発表とともに、ボランティアで参加してくれました。その中で、ひときわ目を引いたのがオープニングで披露した下関市の中学生によるミュージカルでございます。まさに、下関市の時代絵巻と言える圧巻のステージで、全国に下関市の子供の元気、中学生の元気と、下関の伝統文化を創造する輝く下関市の未来も合わせて、すばらしさを発信してくれたように考えております。私も一人一人の子供たちの自信あふれる演技と表情に感動するとともに、下関市の子供たちの可能性を感じました。
 私が教員になってから40年余りたちました。この間、社会の急激な変化に伴い、教育改革の下、学校の在り方も大きく変わってまいりました。近年では、コミュニティ・スクールの導入により、地域連携教育が推進されるとともに、小中連携教育から小中一貫教育の流れを受け、小中一貫教育校だけでなく、義務教育学校も設置されるようになりました。
 さらには、多様な年代の方が学ぶことができる夜間中学校とともに、現在、本市でも設置の検討を行っていますが、不登校の児童生徒を対象とした学びの多様化学校の設置も進められるなど、それぞれの自治体が自分の町に合った学校づくりを行うことが求められる時代になってまいりました。
 そこで、私は学校には春夏秋冬といった季節が訪れますが、特にこの2学期では多くの小中学校で運動会の行事が開催されます。以前は、多くの学校で早朝から煙火を打ち上げておりましたので、議員の皆様も、聞かれたことがあるのではないかと思います。その音を学校に来ていない生徒と保護者はどんな思いで聞くのだろうか。私は、校長として学校経営の責任者として、約10年間過ごしたことがあって、この音を聞いたことはとても悔しく感じるときでございました。
 いかに社会が変わろうと、私は、学校は子供たち一人一人の育ちに寄り添うことができる場所、どの子供も自分の可能性を信じ、力を伸ばすことができる場所でなければならないと考えております。そのためには、学校は魅力ある、わくわくどきどきする場所でなければなりません。
 今後も引き続き、下関の子供が下関ですてきな大人に成長する拠点となるよう、魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
○東城しのぶ君
 魅力ある学校、本当にそこだと思います、それが全ての学校になってくれたらと本当に心から思います。
 私も先日、大分の玖珠町が開校した小中一貫の学びの多様化学校に行ってきました。とても小さな規模ですけれども、開校して半年ではありますが、不登校だった子供たちの登校が8割を超えて、皆勤の子もいるとお聞きしました。
 学校に行けない子供たちが年々増加する中で、これから進められる多様化学校は不登校児童生徒が対象となっていますが、多様化学校が開校した場合、ふだん学校に行っている子供やお子さんが魅力ある学校ができたのなら、その学校に行きたい、行かせたいと思った場合どうするのという話です。そう考えると、今ある全ての学校が魅力ある学校になれば、おのずと子供たちは足を運ぶのではないでしょうかと、本当に心からそう思っております。逆に不登校が増えて本末転倒にならないよう、しっかりと検証していただけるようお願いいたします。
 ここで、市長に質問ですが、子供たちの命と人生につながっていく責任について、今日質問させてもらっていますが、下関の一家の大黒柱でもある市長のお考えと、社会に出るまでにいろいろな経験をする子供たちに、ぜひ希望が持てるメッセージをお願いします。
 実は、保育のことについて質問があるのですけれども、用意してもらってすみません。でも、ちょっと私はこっちのほうを重視して、しっかりと市長のメッセージを頂きたいので。一応通告していますので、お願いします。
○下関市長(前田晋太郎君)
 今日はそういう流れということで、しっかりと受け止めたいと思います。
 このいじめの問題については、市長報告というのは当然存在するのです。ただ、この何百件という項目について、1件1件はありません。かなり重大事案になったときに、市長、副市長に上がってくるわけですけれども。今回どの件について、東城議員が言われたかというのは、今回詮索とか、そういうやり取りはしておりませんけれども、総じて、いじめは絶対あってはならないと。
 私も、皆さんもそうではないですか。自分が幼少期の頃、そういう現場に出くわしたり、同じ教室でそういう事態が起きている経験とか、もしかしたら当事者になった経験も皆さんもあるかもしれません。私も当事者になった経験があります。3か月ぐらい、無視をされ続けて、学校に行きたくなくて、しようがなかった時期も小学校3年、4年の頃ありまして、その頃のことをちょっと思い出しながら、今、東城議員のお話を聞いていたのですけれども。
 子供のときは、社会性も当然ありませんし、痛みは分かるけれども、相手に与えている痛みが分からなかったり、ちょっと軽い冗談のつもりでやっているだけのパターンもきっとあるのだろうと。ちょっと言葉を選びながら、かなり慎重に話しますので、誤解がないようにお願いしたいのですけれども。
 ただ、どんな理由があっても、やはり傷ついている子供たちがいるということは絶対あってはならない。これは行政として教育機関として、当たり前のことですので、どうか、こういう議会のやり取りを当事者の方々には見てほしいなと。一生懸命、みんなの苦しんでいる子たち、人たちの声を、ここで、一番最重要機関で伝えてくれている議員さんがいるということを、1人でも多くの親御さんには知ってほしいと思いますし、それに真摯に答えている執行部の姿も見ていただきたいと。
 ちょっと突然なのでごめんなさい。きちんとゆっくり、腰を据えて答えられていないかもしれませんけれども、市長として、私の仕事というのは、全ての市民を安心安全にこの町でずっと暮らし続けたいと思っていただくために、私は存在していると思っていますので、この問題については、自分が先頭に立ってやっていかなくてはいけないと思っておりますし、1件たりとも起きてほしくない。全ての子供たちに――教育長も言っていますが、わくわくした気持ちになって、朝起きて、寝る前もそうだけれども、学校に行きたい、友達がいるという気持ちになって生きてほしいと思うし、全ての子供たちが、明るく元気で、立派に成長してもらえるように、我々大人がしっかり頑張っていくということだろうと思っております。頑張っていきましょう。よろしくお願いします。
○東城しのぶ君
 市長、ありがとうございます。今日多分来てくれています。今回のやり取りをどう受け止めたかは分かりませんけれども……。
 私はずっとその子とその親といろいろ話す中で、苦しんでいる姿も見ているので、こうして今日立たせてもらって、教育長と向き合わせてもらいましたけれども、乗り越えてほしいと思っていますし、市長が言ったように、1日でも楽しく学校に通って、いろいろな経験をして社会に出てほしいと。体で覚えたことだったり、心で覚えたことは、私は消えないと思っていますし、その人の財産になると信じているので、頑張ってもらいたいと思っています。
 すみません。泣いてしまって。でも、多分ここにいる皆が子供たちの幸せ、一人一人の幸せを願っていると思っていますので。
 教育長も大変だと思います。本当にいろいろな案件が来る中で、たった一つのことに向き合うのも大変だと思いますけれども、でも、先ほど言ったように、下関には「いのちの日」があります。二度とそれが起こらないようにしていただきたいと思いますし、苦しんでいる子が1人でも笑って学校に行けるように、多様化学校をしっかりと煮詰めてほしいです。正直、早く、早ければ早いほうがいいと心の中で思っています。だって、1年ごと1年ごとその子たちが社会に出ていかないといけない選択をしてくるから。でも、じっくり煮詰めて、あの数、毎年増える、先ほど減っているとは言われましたけれども、私は分からないです。これが増えるか減るかとかいう問題ではなくて、本当にその子たちが社会に出たときに困らないように、多様化学校については、どういう目的でさっき社会に自立するためと言われましたけれども、その自立が何なのか、しっかりと検証していただいて、開校に向けて、取り組んでいただきたいとお願いしておきます。
 こども未来部の部長、すみません、いろいろ用意していたのですけれども、今日はこちらのほうが深くなったので、改めて聞き取りもしたので、その件に関しては、今要望頂いた方にちゃんと御返事しますけれども、また改めて、保育のことはすごく私も一番大事だと思っています。人間ができる一番の根幹だと思っているので、また改めて質問させていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
 時間も少なくなりましたので、今日は質問を終わらせてもらいます。ありがとうございました。(拍手)
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