録画放映

第3回定例会
9月13日(金) 本会議(一般質問1日目)
公明党市議団
秋月 美佐子 議員
1.道の駅きくがわリニューアル事業について
2.農地を次世代に引き継ぐための取組について
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。

△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 一般質問を継続いたします。4番、秋月美佐子議員。(拍手)
  〔秋月美佐子君登壇〕
○秋月美佐子君
 公明党の秋月美佐子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  〔手話を交えながら発言]
 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。私の地元であります道の駅きくがわがリニューアルされるということで、その事業について質問させていただきます。
 道の駅が1991年に試験的に導入されてから、30年以上がたちます。時代の流れとともに、道の駅に求められるものが変化してきたように思います。道の駅きくがわリニューアル事業についての質問に入る前に、この30年で推移してきた道の駅の目的と機能についてお答えください。
○観光スポーツ文化部長(田中一博君)
 国土交通省のホームページによりますと、道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供と、地域の振興に寄与することを目的に、道路利用者のための休憩機能、道路利用者や地域の方々のための情報発信機能、そして道の駅をきっかけに、町と町とが手を結び、活力ある地域づくりを共に行うための地域の連携機能の三つの機能を併せ持つ休憩施設として、道の駅が誕生しております。
 道の駅は、制度発足から、通過する道路利用者のサービス提供の場を第1ステージとして全国に広がりましたが、第2ステージでは、旅の目的地としての発展を遂げ、現在の第3ステージでは、地方創生や観光、防災の拠点として、地域全体を活性化するきっかけとなる役割が期待されるといった進化をしているところでございます。
○秋月美佐子君
 自然災害が激甚化、頻発化する中、国土交通省は今お示しがありましたように2021年、防災道の駅ということを全国展開に向けて、広域的な防災拠点機能を有する防災道の駅を全国39か所に選定し、山口県では、周南のソレーネ周南が選定されました。
 防災・減災を推進する公明党としても、強く後押ししている施策であります。選定されると、国からの支援も受けられるということで、私は道の駅きくがわにおいても期待したのですけれども、残念ながら、駐車場の広さなど、いろいろ条件が難しいということが分かりました。
 とはいえ、せっかくリニューアルするのですから、時代のニーズに合った、でき得る限りで最先端の道の駅にしていただきたいと思い、今回質問をさせていただきます。
 それでは、道の駅きくがわについて質問いたします。リニューアルの目的と規模についてでございますが、リニューアルに至った経緯をお示しください。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 議員御承知のとおり、道の駅きくがわは、中国自動車道小月インターチェンジから車で7分と近く、山陰と山陽を結ぶ交通の要所として、周辺道路には多くの車が行き交う好立地にございます。
 しかしながら、平成9年にオープンしてから、時間の経過とともに施設の老朽化が進み、また高機能化への対応も遅れており、現状では、国が期待する地域経済活性化の拠点施設としての役割を十分に果たしているとは言えない状況にございます。
 このため、道の駅に求められている地方創生、観光を加速する拠点につなげていくことを目的に、増築を含むリニューアルを行うに至ったところでございます。
○秋月美佐子君
 老朽化については、私も地元でよく利用させていただいておりますので実感しているところです。また、地域の方々からも「昔は2階が使えていたから、みんなでよく集まって楽しかったけれども、雨漏りで使えなくなって、もう何年、何十年たつかね」という声をよく聞きます。
 それでは、リニューアルのコンセプトと予算規模の説明をお願いいたします。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 リニューアルのコンセプトにつきましては、観光やビジネスで菊川地域を訪れる方々の滞在拠点や周遊を促すことができる場所として、また菊川地域に住む方々が食事や買物に集い、楽しむことができる場所として、道の駅の基本機能である休憩機能、情報発信機能及び地域連携機能の強化に向けた施設整備を図ってまいります。また、道の駅きくがわでしか買えない地元産品や地域の魅力ある資源への誘導を図り、菊川ブランドの発信を行ってまいります。
 次に、リニューアルの規模につきましては、既存建物の改修を基本とし、現在の特産物販売エリアなどが手狭であることから、正面玄関前の農産物販売を行っている建物を解体し、新たに建物を増築する予定としてございます。
 なお、予算の規模につきましては、これから設計を行いますので、現状では未定でございます。
○秋月美佐子君
 道の駅に入りますと、天井にはすごく大きな張りがあるのです。私はそれを見て、木造建てと思っていたのですけれども、説明を聞きましたら鉄骨と聞いて驚いたのですが、シンボルである屋根瓦ですけれども、それが重いので、地震などに耐えられないのではないかという心配もございます。個人的には、あれほど重厚な瓦屋根というのは、メンテナンスも大変なので、残さなくてもいいのではとは考えるのですけれども、今、予算規模、金額的には明言されませんでしたけれども、単なる修復ではなく、本格的なリニューアルと伺っておりますので、この耐震等については、設計される専門家にお任せしたいと思います。
 次に、地域住民の意見や要望をお聞きするため、アンケートをされたと思いますけれども、どのような内容でしたでしょうか。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 リニューアルを進めるに当たりまして、課題の解決を前提として検討を進める必要があることから、昨年、令和5年11月から12月にかけまして、地域住民を対象にしたアンケートを行いました。地域住民の方や地域の女性団体等から、133件の御意見を頂いたところでございます。
 この内容につきましては、特産品販売スペースの拡充、トイレの改修、授乳室やおむつ替えスペースなどの子育てに配慮した施設の設置、休憩エリアの設置など、貴重な御意見、御要望を頂いてございます。これらの御意見、御要望を踏まえ、リニューアル事業を進めているところでございます。
○秋月美佐子君
 まず、今のアンケートの取り方ですけれども、自治会を通して、私も地元ですので回覧版で回ってきたのを確認しております。その回覧版に意見書の用紙がついておりまして、そこに希望を書いてくださいということだったのですが、今女性団体と言われたのですけれども、多分40代を中心とされた若いお母さんたちから私も聞いておりますが「その回覧版自体が回ってこなかった」と言う方もいらして、意見の書きようがなかったと。自治会によってちょっと対応にばらつきがあったのかなとも思います。
 また、回覧版に意見を書くということは、自分が書いた意見をいろいろな方が見るということで「ちょっと戸惑う」と言う方もいらっしゃいました。特に若い方の意見を伺うために、今後は、これは菊川だけではなく、アンケートを取るということで、今QRコードなどを使って、ダイレクトに意見を集計するような方法もございますので、いろいろな部署でこういうアンケートを取るときには、そういうツールも活用していただくのもいいのではないかと思います。また、中には「対面での説明会とかも、意見交換会とかもあってほしい」という声も伺いました。
 つい最近、まちづくり協議会の会合に行ったのですけれども、道の駅のリニューアルのこと自体を全く知らない方が案外おられて、まち協の中にもいらっしゃるのかと思うぐらい、まだ皆さんに知られていないという現実がありました。
 リニューアルされるということを伝えますと、すごくやはり喜ばれて、その反面「地元なのに私たちの要望は聞いてもらえないのですね」というちょっと不満もありました。
 そこで、いろいろなお話を聞きましたので、せっかくですので、私が伺った要望の中から、少し御紹介させていただきたいと思います。
 先ほど、防災道の駅で選定されたというソレーネ周南、私も実際どういうところが工夫されているのかというのを見てきまして、参考になるものがたくさんありました。その写真も含めて、このタブレットのほうを見ていただきたいのですけれども。
  〔説明資料を議場内ディスプレイーに表示〕
○秋月美佐子君
 御要望の中で多かったのが、やはり雨の日でも利用できるように、また「中を移動しやすいような大きな屋根があればいい」という、きくがわではイベントを盛んに道の駅ではされているのですけれども、今雨が降るとテントを張って、すごく苦労された環境でされているので「屋根の下でイベントができたらうれしい」という声が多数ありまして、これは周南に行きましたら、お買物するテイクアウトのコーナーにもしっかりこういうふうに屋根がついておりましたので、私がこれを伺った日がちょうど雨の日だった、雨がばらつく天気の日だったのですけれども、それにもかかわらず、こんなに行列になって、皆さんが買われているということがありました。屋根があれば、雨天のときの集客のアップにもつながるのではないかと思います。
 それと2番目に「座ってゆっくり話せるコーナー、おじいちゃんおばあちゃんたちに優しいコーナーが欲しい」ということで、これも同じくソレーネですけれども、ソレーネの情報発信コーナーに行くと、こういう介護医療のパンフレットを置いてあったり、またこうやって高齢者の相談コーナーというのもしっかりあったのです。こういうものがあれば、休日は道の駅は観光客ですごくにぎわうのですけれども、平日がやはりガランとしているのです。この平日にこそ、地域住民の方の憩いの場になるべきではないかと思いますので、こういう配慮もお願いしたいと思いました。
 それと「子育て世代に配慮して、雨でも親子が遊べると助かる」、やはりここでも雨でもということになるのですが、そもそも菊川町には、親子さんで遊べる公園とか、そういう施設が本当にないように思います。ですから、ぜひこの道の駅にも、ちょっとしたスペースでもいいので、親子が遊べるような空間が欲しいということで、ソレーネ周南ではこういうふうに、もちろん今総合支所長がおっしゃったように、子育てコーナーで授乳室というのもありますし、それは対応していただけるということで、計画の中にあるとお聞きして、ちょっと安心しているところです。
 もう一つは、特産品とか売っているお土産コーナー「本当に通路が狭くて、ほかのお客さんがいるとゆっくり見られない」と。それと「地元生産者のものをしっかり出して売ってほしい」という声もありました。
 こちらは、同じく周南のソレーネですけれども、見ていただいて分かるように車椅子でもゆっくり見て回れるぐらいの広い通路が確保してあります。
 今からは、やはりこういうゆったりしたスペース、なかなか菊川の場合は、狭い空間の中で計画されていくと思いますので、難しいとは思うのですけれども、ちょっと工夫されてコンパクトに、柱とか壁とか工夫して、こういう空間を確保していただけたらと思います。
 それともう一つは、図書館との併用をしてほしいとか、学習できるスペースが欲しいという御意見もございました。ちょうど大丸にエキスタがオープンしましたけれども、ああいうおしゃれな空間が、ゆっくり読書などができるスペースがあるといいと思うのですが……。
 こちらは、私が広島に行ったときに、たまたま寄ったところで、今こういうふうになっているのかとびっくりしたのが、エディオン蔦屋家電というところがありまして、家電と蔦屋という本屋さんが一緒になって、こういう空間スペースをつくっていらっしゃるところに行きました。ここは、周りに家電とかが展示されているスペースがある中に、こうやって本が周りにいっぱいあって、こういうスペースでお客さんたちが読書をしていらっしゃるという、周りは意外とがやがやしているのですけれども、その中でもぽつんとここに休憩スペースがあるという、だからこういうちょっとおしゃれな感じで工夫していただけると、同じ空間の中の陳列を工夫するとかということで、何かスペースが確保できるのではないかと。
 これは一例でございますけれども、参考にしていただけたらと思います。ほかにもたくさん要望を伺っておりますので、切りがないのですけれども、要はそれだけ皆さんの関心が高い、道の駅に期待するものが大きいということを知っていただきたいと思って紹介させていただきました。
 私は、菊川に移り住んで10年になるのですけれども、菊川にはどんどんまだ新築が建っております。議員になって感じていることは、若いお母さんたちのネットワークがすばらしいです。30代、40代の方たちが、何かすぐ声をかけると、集まって御意見を言っていただいたり、今回もそういう方たちがかなり声を届けていると聞いております。
 その方たちは本当に敏感ですので、やはり道の駅に対する、ちょっと何か情報をするとネットワークでぱっと広がるぐらいのすばらしいネットワークを若いお母さんたちがお持ちなので、ぜひその方たちが注目しているこの道の駅のリニューアル、そういう方たちが見ている、注目しているんだということをしっかり受け止めていただいて、期待に応えるものにしていただけたらと思っております。
 それでは、次の質問に移ります。リニューアルの進捗状況と計画の内容についてでございますが、まず、リニューアルの進捗状況と今後のスケジュールをお示しください。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 答弁の前に、議員いろいろありがとうございました。頂いた御意見、御提案は参考にさせていただきたいと思います。
 さて、御質問のありましたリニューアルの進捗状況と今後のスケジュールでございます。まず、リニューアルの進捗状況でございますが、本事業を実施するための基本設計につきましては、今年度、業務委託にて行うこととしておりまして、プロポーザル方式により受託者を選定するための公告を行い、現在手続を進めているところでございます。現在、複数の事業者からプロポーザルの応募を頂いておりまして、10月中旬頃を目途に、受託者を決定する予定としてございます。
 また、今後のスケジュールにつきましては、来年、令和7年度に実施設計、令和8年度にリニューアル工事を行うこととなっております。
○秋月美佐子君
 続きまして、リニューアルで計画されている具体的な内容をお示しください。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 リニューアルで計画しております内容につきましては、観光案内などの情報発信機能の拡充、特産物販売エリアの拡充、レストランエリアの整備、テイアウト商品の販売スペースの整備、休憩場所の整備、バリアフリートイレの設置、防災機能の整備を行ってまいりたいと考えております。基本設計においては、各種機能が十分に発揮できる配置となるよう、関係者と協議を進めつつ、事業を実施してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 今、皆さんからの御要望をかなり受け止めていただいている計画になることを期待しております。工事に着手するのが令和8年になりますので、さらなる今人件費の高騰、資材の高騰等が懸念されますので、できるだけ計画が実行されますように、予算の確保等をお願いしたいと思っております。
 地域住民の御意見の中には、今おっしゃったように、レストランに地域特産を生かしたメニューを増やしてほしいとか、スイーツなどのイートインコーナーが欲しいとかいろいろあったと思うのですが、これは経営に関する要望だと思うのですけれども、リニューアルをきっかけとして、道の駅を魅力的なものにしてアピールするいいチャンスだと思うのですが、管理運営する側の手腕も問われるかと思います。
 先日、経済委員会で、道の駅きくがわの経営状況の報告を受けました。レストラン運営では、電気料金や原材料費の高騰に対して、すごく感心したことがあるのですけれども、早期に電力会社を変更するなどの対応をしていて、レストランの原価率がもともと43%だったものを38.6%にまで抑えて、経営努力をされていると伺って、本当に感心をしたところであります。
 ぜひ駅長さんとか管理者が売上げアップを見込めるようなものにしていただきたいので、管理者の方の意見もしっかり聞いていただいて、使い勝手のよい設計というのもお願いしたいと思います。
 それとトイレについてでございますけれども、さきの経済委員会で、市長さんから「トイレに関しては、下関はこれからのハード面ソフト面をしっかり力を入れていく」という、大変うれしい、また頼もしい発言をいただきました。他市に誇れるモデルとなるようなトイレを期待していきたいと思っておりますが、高齢者また障害のある方への配慮はどのようになっていますでしょうか。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 道の駅きくがわのトイレにつきましては、現在、建物内に2か所、駐車場内に屋外トイレが1か所ございます。この屋外トイレは、山口県の所管であるため、市といたしましては、建物内のトイレを今回リニューアルする計画としてございます。来場された方が気持ちよく道の駅きくがわを利用していただくためには、利用しやすい場所にトイレを設置するとともに、高齢者や障害者が安心して御利用いただくための機能として、多目的シートや温水洗浄便座、オストメイトの機能を持つバリアフリートイレを整備する予定でございます。
○秋月美佐子君
 こちらは、先ほどのソレーネ周南のトイレですけれども。
  〔説明資料を議場内ディスプレイーに表示〕
○秋月美佐子君 
 私は最初、外のトイレも道の駅のほうがするのかと思って、こういうアクセスしやすいような、やはり道の駅を利用する方というのは、トイレ目的に来られる方も多いと思ったので、期待したかったのですけれども、駐車場のトイレが県の管轄になるということで、聞くところによると、二、三年のうちには、県のほうがあそこのトイレの改修もされるのではないかということなので、そちらは県のほうにまた要望していきたいと思うのですけれども、室内のトイレのほうが外のトイレよりも逆に機能性がよくて、すごく気の利いたものであれば、室内にお客さんを呼び込むという、トイレで呼び込むという、そういうこともできるのではないかと期待しているところなのですけれども、今、多目的シートまたオストメイトのお話がございました。ちょっと二つ御要望がございます。一つは、オストメイトの対応のトイレのことについてなのですけれども、国土交通省が進める機能分散化として、バリアフリートイレの利用集中を防ぐため、オストメイト対応設備を一般トイレへ分散させる取組というのが全国では進んでおります。日本オストミー協会からも要望されています。
 と申しますのも、報告では、オストミーの方というのは、トラブルのときにトイレを使われる時間というのが、短い方では5分10分で済む方もいらっしゃるのですけれども、ほとんどの方、6割の方が10分から20分かかると。中には30分以上かかる方も1割以上いらっしゃるのです。そうなると、多目的トイレは大体1か所ぐらいしかないので、そこに自分たちが占領してしまうと、よく、使われた後外に出ると、車椅子で御年配の方とかが待っていらっしゃって、すごく申し訳ない気持ちになることが多いということを、日本オストミー協会の方から聞いております。
 できれば、そういうバリアフリーのトイレは車椅子の方に優先的に使っていただいて、自分たちは、見た目はそういう車椅子とかではないので、一般個室に簡易な洗浄の機材があるそうなので、そういうものを個室に数多く設置していただけるほうがありがたいという声が届いておりますので、ちょっと考えていただけたらと思います。
 これは菊川道の駅だけではなく、今から火の山、それとか深坂の森とかのトイレも改修されると思いますので、ぜひ御配慮いただけたらと思います。
 それと以前、坂本晴美議員からも要望がありましたけれども、多目的シートを設置されるということで、利用者の方で大人用おむつを使われるような方が、それを捨てるボックスがないことが多くて、その汚れたものを持ったまま移動しないといけないというお話がありました。ぜひ、今回多目的シートを設置されるのであれば、大人用おむつの汚物入れの設置もお願いしたいと思います。この二つよろしくお願いいたします。
 トイレの話が長くなって恐縮ですけれども、道の駅に限らず、トイレがきれいなところ、それとおいしいものがあるところ、この二つが人気スポットの決め手になると思いますので、どうぞ、しっかりとトイレには予算をかけていただきたいということを強く要望させていただきます。
 さて、防災道の駅に選定されるには条件が厳しいとはいえ、菊川には断層がございます。また、毎年のように豪雨災害が多発していますが、防災機能について、もう少し詳しくお願いいたします。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
 議員が冒頭で御紹介のありました、道の駅に求められる機能の一つである防災機能につきましては、地域住民や道路利用者が一時的に避難できる場所として整備が必要であると考えてございます。整備内容につきましては、防災トイレや携帯電話等の充電のための設備などを考えてございますが、引き続き、防災機能の整備につきましては、今後、検討・研究してまいりたいと考えてございます。
○秋月美佐子君
 御説明のとおり、菊川は防災の避難場所として、総合支所またアブニールも近いですので、避難所としてはそちらへの誘導案内を行えば済むかとも思うのですけれども、地域外から訪れられた観光客の方また外国の方が、今おっしゃったように一時的に避難される場合を想定すると、やはり水とか食料のある道の駅に防災機能が充実していれば安心ではないかと思います。
 特に、予算の優先順位もあると思うのですけれども、電源の確保というのは大事かと思いますので、前向きに御検討をお願いいたします。
 最後の質問でございます。この道の駅が果たす観光行政についてお示しください。
○観光スポーツ文化部長(田中一博君)
 先ほども申しましたけれども、道の駅は、休憩機能、情報発信機能、そして地域の連携機能、三つの機能を併せ持つ休憩施設として誕生しております。こうしたことから、道の駅に託された最大の役割は、観光をはじめとした本市の魅力を発信し、地域を活性化することと捉えておりますので、道の駅に立ち寄る旅行者に対して、デジタルサイネージ等を活用した「旅ナカ」での観光情報の発信や本市の魅力を感じていただくスポットとして大きな役割を果たすと考えております。
○秋月美佐子君
 昨年、私が市議になって初めて通告・質問させていただいたのが、四町の再生プロジェクトです。市長が施政方針で「いよいよ旧豊浦郡四町の再生を本格始動する」と明言されて、総合支所ごとにプロジェクトを立てられました。1年たって思うのが、総合支所ごとではなく、四町が連携して、例えば菊川のおもてなしプロジェクトのスタンプラリーも、菊川サングリーンに宿泊された方だけではなく、四町に宿泊された方なら誰でも参加できて、また四町の観光スポットを道の駅を経由拠点として周遊できるようなものにすれば、旅行者が下関に滞在する時間を長くできるのではないかと思います。今デジタルサイネージを設置していただける予定ということで、うれしいなと思ったのですが、ぜひそのツールを使っていただいて、旅中情報発信の拠点としての役割をこの立地条件のよい菊川に担っていただいて、来年は下関市が合併してちょうど20周年になりますので、これを機に四町の特色を生かしながらも、瀬戸内海から日本海までコンパクトに観光できる下関の魅力を生かせる観光行政をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次の項目に移らせていただきます。農地を次世代に引き継ぐための取組についてでございます。私、昨年の12月の議会においては、農業の担い手を支援する取組について質問させていただきました。急速に進む高齢化で、下関の農家の後継者が大変危機的な状況にあることを知り、愕然といたしました。
 そこで今回は、農地を次世代に引き継ぐための取組について質問させていただきます。
 市のホームページのほうでは「人・農地プラン」というページがございました。この「人・農地プラン」から、地域計画についてでございますが、この本計画が法定化された背景と目的についてお示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 地域計画が法定化された背景と目的についてお答えいたします。
 本市では、これまで市内の各地域において、アンケートや現況地図を活用した話合いを基に、地域における農地利用の将来の姿を描く「人・農地プラン」を作成してまいりました。
 そうした中、今後、農業者の減少が進み、遊休農地の拡大が懸念されることから、担い手への農地集積、集約化等の取組を加速化させることを目的として、令和5年4月に農業経営基盤強化促進法の改正法が施行されまして、これまでの「人・農地プラン」を、地域農業の10年後の姿を描いた目標地図、こちらを含んだ地域計画として法定化し、令和7年3月までを目途に策定することとなりました。
 本市としても、誰がどのように農地を使って農業を進めていくのかを地域での話合いにより、目指すべき将来の農地利用の姿を明確にして、これまで守り続けてきた農地を次の世代に引き継いでいく計画となるよう、策定を推進してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 地域の農地を守る、農地を適切に利用するということは、耕作できる農地を減らさないということになるかと思うのですけれども、その目的とした計画を今進めていらっしゃるということが分かりました。その地域計画を受けて、本市として具体的な取組をお示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 地域計画は、今まさにつくっているところでございますので、地域計画の策定に向けた本市の今の具体的な取組についてお答えさせていただきます。
 本市では、これまでに「人・農地プラン」を作成した地区を対象として、令和5年度から地域計画の作成に着手し、市内全域の農業者を対象としたアンケート調査を実施いたしました。その中で、令和5年度はモデル的に8地区で新たな要件となりました目標地図の素案を作成いたしました。
 令和6年度、今年度でございますが、先行して実施したモデル地区を参考にして、各地区で協議の場を設置して、関係者が一体となって話合いを行い、協議の結果を踏まえて、地域計画案の作成を進めております。
 今後、地域計画の作成の説明会を実施いたしまして、関係者への意見聴取を行い、今年度末までに32地区の地域計画の策定を見込んでいるところでございます。
○秋月美佐子君
 約10年後を見据えた計画から実行までの流れ、ホームページのほうには7段階あったのですけれども、昨年からということで、今多分1段階、2段階辺りかと解釈しております。協議の場の結果の取りまとめ、公表というところもそのモデルになるものということだと思うのですけれども、本年3月29日に公表されている今の8地区の協議結果を私も読ませていただきましたが、協議の場の結果内容をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 これまで実施してきた協議の場では、担い手への農地集積・集約化の方針、基盤整備事業への取組方針、地域農業を支える経営体の確保などが話し合われており、その内容は、地域農業の将来の在り方に向けた農用地の効率的・総合的な利用を図る見地から議論されたものでございました。各地区において有意義な議論になっていると感じております。
 引き続き、県、JA、土地改良区、農業委員会等関係機関と連携を図りながら、今後、計画の策定が予定されている地区では、協議の場において活発な議論が行われるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 アンケートで現状を地域の皆様から、農業者の皆様から出していただいているということなのですが、ちょっとこちらのグラフなのですが……。
  〔説明資料を議場内ディスプレイーに表示〕
○秋月美佐子君
 これは12月議会でも私お示ししたのですけれども、年齢・階層別農業従事者数で令和2年のデータです。今年は令和6年ですから、このデータからさらに4年経過しているわけです。本当に、これを見ていただいたら分かるように、ほとんど60歳から上、もっと言えば65歳から上の方々がほとんどなのです。しかもこれは4年前ですから、もう今は本当に70歳、75歳から上の方たちが中心で今農業を担われているのだろうと思うのです。この方たちが、10年後を今、話し合っている。75歳の方であれば、85歳になられます。正直、この計画を読ませていただいて、私の感想とすれば、10年後を見据えた計画とはいっても、今のペースで間に合うのかなと、ちょっと不安を感じているところでございます。
 協議の結果の認識では、どこの課題も同じ、高齢化です。担い手がいません。そういうことがたくさん書いてあって、そこで農業者の年齢的な割合みたいなのを記入する欄もあったかと思うのですけれども、そういうのを見ていくと、やはり計画だけに頼っていては、その先の実行に移るまでが、まだまだ時間がかかるのではないか、それまでちょっと年齢的に農業者の方は大丈夫なのかと、不安をとても感じているところでございます。
 そうは言いましても、もちろん行政としても、これまで様々な取組がなされていることは承知いたしておりますので、ここでこれまでの施策について確認させていただきたいのですが、農業の担い手不足や遊休耕作地を増やさない、また解消に向けて取り組んできた施策について、主な事業とその成果をお示しください。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 農業者の高齢化や後継者不足により、遊休農地の増加が懸念されているため、市といたしましては、担い手への農地集積や新たな担い手の確保、新技術の導入による農作業の省力化などの取組を推進してまいりました。
 具体的には、令和4年度から実施しております「遊休農地等再生対策モデル事業」において、2年間で18.8ヘクタールの遊休農地等を解消し、令和5年度の「新たな農業経営者等育成実践モデル」により、3名の新規移住就農者を確保することができました。また、新たな農地集積等要件とした「スマート農業実践加速化事業」では、13の経営体でスマート農機が導入されるなど、着実に成果も出てきているところです。引き続き、国や県の施策も活用しながら、市として、様々な観点から地域農業の課題に対応してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 18ヘクタール以上のものが解消されたというのは大きな成果だと思うのですけれども、新たな担い手を確保するというのはなかなか本当に難しいことなのだろうと思います。御報告いただいたように、様々取り組んでも、残念ながら遊休耕作地は増え続けています。
 私が思いますに、今の農業は国や県のものがすごく多いのですけれども、様々な施策を講じていますが、全て認定農業者や農業法人など、大きな面積を所有する農業者への支援ばかりのように思います。比較的小さい面積の農家には支援の手が届いていません。集約できる地域は、先ほどの地域計画でいいのかもしれないのですけれども、小さい面積の農家の方の離農がそのまま遊休耕作地になって急速に広がっている現状があるのではないかと思います。
 また、後継者の問題ですけれども、私も農業を手伝っていらっしゃる息子さんとか娘さんがいらっしゃる方に、実際にいろいろ何人かの方にも聞いてきました。そうすると、息子さんが手伝っている農家の方の息子さんに「なぜ農家を継がないのか」というのをダイレクトに聞いたのです。そうしたら、皆さんお答えは同じでした。「継がないのではなく、生活ができないから継げない」と言われました。
 ある人は「会社勤めをしながら実家の農業を手伝っているけれども、周辺の農家が離農して、年々ボランティアで草刈りをする土地が増えるばかりだ」と。「放置すると鹿やイノシシが増えて、結果、自分たちの畑のほうに被害が来るので、もう仕方がないから、周りの草刈りをしている」と。「ただ働きばかりで農業を継げませんよね」と、そういう会話がやはり多かったです。
 そんな中、ある認定農業者の方が、「30代の息子が継いでくれることになった」と喜んで私に連絡をいただきました。私は早速「親元就農経営改善支援事業というのがあるから、ぜひ給付申請してください」と御案内したのです。でも、また連絡がありまして「ただ継ぐだけだともらえない」と。「経営改善計画を立てて、また機械とか施設の導入をしないと給付されないから、ちょっと借金してまではということで諦めた」という答えです。私は詳しい経緯は本当に分かりませんけれども、貴重な若い30代の後継者の息子さんがさあ継ごうとなったときに、結局は、この事業の目的というのは、そういう方が、親元就農した青少年の方が営業意欲を喚起するためのものと書いてあるのですけれども、もしそうであれば、もうちょっと給付条件の見直しとかも考えていただいて、貴重な1人、2人だと思うのですけれども、こういう方たちに就農意欲が出るようなものにちょっと改善していただけたらと思います。
 農業では生活できない、家族を養えないとの声に話を戻しますけれども、農家の方を見ると、皆さん人件費というのを考えていらっしゃらないと思うのです。皆さん大地を愛して、耕し、守り、農作物を収穫する喜びに生きがいと使命を感じて働いておられると思います。それでも、昔は家族をそれで養えていたと思うのですけれども、今の時代、農業だけでは本当に厳しいのです。
 そこでお尋ねですけれども、継続かつ安定的な農業経営を目指して、新たな参入者を増やすための一歩踏み込んだ取組を、どのようにお考えでしょうか。
○農林水産振興部長(三木正之君)
 地域計画を策定するに当たりましては、将来の農業を支える担い手の確保・育成、こちらは喫緊の課題であり、新たな参入者を増やす取組は大変重要であると認識しております。
 本市といたしましては、首都圏等における就農相談会への参加、様々な農業体験の場を提供する「農業体験チャレンジ事業」の実施、新規就農者が営農を開始する際に必要となる施設や機械器具等の導入支援を行って、JA、県とも連携しながら、就農相談から研修、定着まで一貫した支援体制の充実を図ってきているところでございます。
 また本年度からは、これまで国の支援制度には全くなかった45歳から65歳の新規就農者を対象とした「中高年移住就農支援事業」、また先ほど議員からも御紹介ありました市内の親元就農者の育成を支援する「親元就農経営改善支援事業」こちらを実施し、本市独自の取組として展開するなど、担い手の確保に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。
 先ほどの親元就農の事業につきましては、御指摘もいただきましたので、また要件等も――やはり我々の目的としては、使いやすい、そういった方々を新規就農者として参入していただきたいという思いがございますので、またちょっと要件等は確認をしていきたいと思っております。
 今後も地域計画に描かれる将来の農地利用の姿が実現できるよう、新たな参入者を増やす取組を推進してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 いろいろしていただいているのですけれども、今のこの危機を打開するためには、私はもっと視点を変えて、思い切った施策も必要ではないかと思っております。
 最後に、私ちょっとすばらしい事例に巡り会えたのがありますので、それを御紹介させていただいて終わりたいと思うのですけれども、皆様も、御存じないかもしれないのですが、兵庫県に養父市、養うに父と書いて養父市というところがございます。こちらは、兵庫県で一番小さい都市ですけれども、内閣府の国家戦略特区として、法人農地取得事業というのを実施されています。大きな成果が上がっているのですけれども、養父市は、広さがちょうど旧豊浦郡四町より少し小さいぐらい、人口は2万2,000人ですから、旧豊浦郡4町は今3万4,000人ぐらいですので、養父市のほうが1万人ぐらい少ないと。かなり過疎地域です。
 この法人農地取得事業は、企業が農業に参入するのですが、本市の楽天農業と違って、養父市の場合の特徴は、まず農地を養父市が買い上げて、企業に転売するということが前提となっています。つまり、養父市が農業者と企業のマッチングを積極的に介入して行っているということなのです。
 2点目が、農地法第3条等で規定されているのが「重要な使用人の1人以上が耕作等の事業に常時従事することが必要」と書いてあるので、この企業の方は、その土地の所有者を社員として雇い入れる場合が多いのです。ということは、農業の場合は、外からぽんと来ただけではすぐできない。要するに、その土地のことをよく知っている人がいないと成功しないということがありますので、農業者を社員として雇うということは、企業としてもメリットがあるわけなのです。それで、給料が頂けるので、一番は収入が安定します。また、農家に機械とか購入するときの借金がある場合が多いのですけれども、そういうものも、企業が肩代わりをするというシステムだそうです。
 ですから、今の農家の方たちが息子さんとかに継ごうというときに、一番ネックになる借金と生活安定の収入という面では、ここはクリアできているのではないかと思いました。
  〔説明資料を議場内ディスプレイーに表示〕
○秋月美佐子君
 この成果としては、今、タブレットにありますように、8法人が営農のために、合計約52.4ヘクタールの農地を所有またはリースしています。これで16ヘクタールの遊休農地が再生されました。それで、営農のために、これがまたすごいと思ったのが、約19人の従業員を新たに雇用している。これらの法人によって、農業経営モデルの確立が進められて第6次産業もすごく充実する。要するに法人ですから、そこで栽培されたものを販売までのシステムができているわけなので、効率がいい。地域経済の活性化にも貢献している。そして、結果、スマート農業の推進もできているという。今ここに報告されている、これは令和5年12月現在ですけれども、いいことばかりが書かれているので、現実、いろいろな問題はあろうかと思うのですけれども、ここの8法人の内容もここに書いてあるように、これだけの企業が入って産業を進めていらっしゃるということがあります。
 今の令和の米騒動、本当にメディアで連日問題になっていますけれども、今回のことで一番感じたのが、農業のありがたさを身に染みて感じている、令和の米騒動ではないかと思うのですけれども、この命の源である食を守るためには、やはり地産地消しかないと思います。
 ならば、私たちはこの下関の農業を守ること、行政として協議の場からの要望を待っているのではなくて、いま一歩踏み込んで、寄り添って一緒に解決策を模索していただきたいと思います。
 今の養父市の例、これをこのまま本市ではできないかもしれません。様々条件が異なるでしょう。でも、こういうやり方もあるということを、下関の農家の方たちに情報を提供したり、行政が踏み込んで、他市でこういうやり方をやっていますけれども、下関ではどうでしょうか。こういうことはできないでしょうかというような提案をしていくということもよいのではないかと思います。
 下関の土地のことをよく御存じの方たちが御健在のうちに、後継者を育てるというのも、1年、2年ではできないのです。農業というのは自然の条件がありますから、5年、10年してやっと1人前になるというような状況ですので、ぜひ10年計画とか悠長な感じを受けますので、早急に、今の農業者の70代、80代の方がしっかり後継者を育てる時間を確保するためにも、こういう画期的な取組に挑戦していただきたいということを切にお願いいたしまして、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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