録画放映

第2回定例会
6月24日(月) 本会議(一般質問4日目)
みらい下関
山野 陽生 議員
1.彦島の観光開発と整備について
2.海上交通について
3.交通弱者である高齢者の活力維持について
【下関市議会 本会議確定版】

△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
 休憩前に引き続き会議を開きます。一般質問を継続いたします。
 20番、山野陽生議員。(拍手)
  〔山野陽生君登壇〕
○山野陽生君
 皆さんこんにちは、みらい下関の山野陽生です。昨年、6月定例議会で、初めて一般質問をさせていただき、今回で4回目の登壇になります。その間、諸先輩議員さんの様々な質問の仕方、やり取りも大いに学ばせていただきました。私は、本市の現在の課題と、これからの方向性について、こうすればもっとよくなるのではという、前向きな政策提案をしていきたいと思います。
 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。私の議員活動のテーマである本市の重要課題、人口減少問題、若者の市外流出に歯止めをかけるため、このたびは、主に観光と福祉の面で、政策提案させていただきます。
 「彦島の発展なくして下関の発展なし」、この意味は、決して彦島だけがよくなればいいというのではなく、彦島の魅力を発信し、下関の発展につなげていくという大きな方針です。その意味では、今回の質問は、議員さんや部局の皆さんをはじめ、多くの市民の方への提案事項が含まれることを、御了承いただければと思います。
 御承知のとおり、下関市と北九州市を結ぶ第2関門橋、下関北九州道路の都市計画が進行しています。下関にとって、数十年に一度、あるかないかの経済、観光において、大転換期を迎えようとしています。北九州から下関に、多くの観光客や産業、人口が流入し、発展する可能性が期待されます。しかし、何もしなければ、下関から北九州に、人や物が逆に流出し、本市は衰退すると危惧しております。
 政令指定都市である北九州市は、人口はもちろん、産業、経済、商業、福祉、教育と多岐にわたり、本市を上回る魅力を持つ大都市であります。しかし、近年は、近隣の福岡市との都市間競争に敗れ、衰退してきています。関門連携は唱えているものの、下北道路を契機に、都市再生を目指す北九州市に、下関が一方的に吸収されては本末転倒であります。そのためにも北九州市になく、下関にあるものを強みとして持ち、発信し、共存・共栄していくことが重要だと思われます。
 現在、小倉日明地区から旧彦島有料道路につながるルートが決まり、彦島側は荒田口と迫町の2か所にハーフインターが設置されます。地元にとって重要なことは、通過地にしないことです。そのためには、彦島のインターチェンジから降りたくなるような動機が必要です。
 最初の質問ですが、彦島の観光開発と整備についてお伺いします。タブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 彦島のエリアマップです。緑色の線が下北道路のルートになります。先日の林昂史議員からも質問がありましたが、下関北九州道路の都市計画について、先月から3日間で、一部地権者、関係者360名を対象に、地元説明会が開催されました。
 下関北九州道路の都市計画決定に向けた、今年度の取組についてお示しください。
○都市整備部長(山上直人君)
 下関北九州道路につきましては、令和6年5月に、都市計画手続に関するルートの素案がまとまり、都市計画決定権者である山口県と北九州市にルート素案を送付し、都市計画手続に着手したところです。
 また、ルート素案について、5月30日から6月2日までの3日間で計6回、主に地権者に対し説明会を開催し、約360名の参加がありました。内容としては、下関側の2か所のハーフインターチェンジの設置案や、交通量の増加が予想される県道南風泊港線の一部を、2車線から4車線に変更する案について説明されております。
 また、6月21日――先週の金曜日ですけれども、記者発表をしておりまして、都市計画原案の縦覧、及び説明会などの開催について公表しております。計画図などを閲覧できる縦覧期間を、7月19日から8月20日までとしております。
 さらに、7月31日及び8月1日に、誰でも参加できる説明会を開催いたします。
 加えて、8月20日には、都市計画の原案について意見を述べることができる、公聴会が予定されております。
 その後、都市計画の案について縦覧、それから都市計画審議会での審議を経て、国土交通大臣同意、都市計画決定と進むこととなります。
 都市計画の手続が円滑に進んだ場合、都市計画決定までに、おおむね2年を要すると想定しております。
○山野陽生君
 橋や道路の位置、二つのハーフインターの位置、役割などが分かってきました。説明会、公聴会を重ね、都市計画案の確定、都市計画審議会を経て、国土交通省の都市計画決定告示まで、おおむね2年が想定されるとのことです。
 次に、下関北九州道路の都市計画決定後の、今後の取組と方針についてお示しください。
○都市整備部長(山上直人君)
 本件につきましては、これまでに地元住民の皆様や企業から成る期成同盟会から、彦島へのインターチェンジの設置、産業の発展、観光地の活性化に資する周辺道路の整備、自転車道・歩道の設置などの提言をいただいていたところです。
 このたび、公表されましたルートの素案では、彦島へのインターチェンジの設置が計画されていることが示されました。都市計画決定後の市の取組としては、このインターチェンジを最大限生かすべく、彦島地区の良好な住環境の形成を図るため、土地利用の見直しや、渋滞対策や地域活性化に資するインターチェンジが接続する道路の充実、周辺道路網の見直しなどを進めてまいりたいと考えております。
 また、下関北九州道路は関門橋より、さらに大きなつり橋となる計画です。橋自体が観光資源になることも考えられますので、引き続き自転車道など、地域活性化につながる整備を要望してまいります。
 市としては、下関北九州道路の開通に向け、彦島に暮らす住民の皆様、彦島で産業を営む企業の皆様、彦島を訪れる観光客にとって、魅力あるまちづくりを進めてまいります。
 そして、それが市の交流人口、定住人口の拡大につながるよう、地域の皆様の御意見を伺いながら取り組んでまいります。
○山野陽生君
 前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。また先日、前田市長からも彦島を通過地にしないと、観光資源としても橋を有効に生かして、特に、この彦島はもちろんなのですけれど、下関の発展につなげていくというような構想を発表いただきました。
 これは、私からの提案ですが、議会においても早いうちに特別委員会を設置し、下北道路が彦島のことだけでなく、いかに下関の発展につなげられるか、意見を出し合う場をつくっていただきたいと要望いたします。
 それでは、ここで北九州都心部にないものとして考えられるのが、マリンビーチと眺望のよい公園と、道の駅の新鮮な食と癒やしの空間である温浴施設等が一体となったパークの提案です。ちなみに、北九州にある温浴施設付道の駅は田川郡の「おおとう桜街道」がありますが、小倉駅から車で、都市高速を使って、約1時間かかります。また、八幡の皿倉山まで車で約40分、若松の脇田海水浴場まで約30分かかるようです。タブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 これは、昨年6月議会で、私が提案した響灘ひこっとらんどパークです。今、彦島の響灘沿いに、老の山公園、ナイスビューパーク、ひこっとらんどマリンビーチが点在しています。そして、下関三井化学様の正門前にあった社宅等が解体され、約3万平米の広大な借地が、1年後に22名の地権者に返還されます。
 この敷地に、温浴施設付道の駅をつくる構想です。ただ、この敷地は、私有地でもあり、地権者さんの同意はあるものの、民間での投資が必要で、現在、特定の業者は手を挙げておりません。今後は、山口県が所有する、ひこっとらんどマリンビーチに隣接する多目的広場も候補地になる可能性があり、私も、県や国の関係者にも、積極的に提案していこうと思います。
 海と山と食と湯を楽しめるエリアとして、見る・遊ぶ・買う・食べる・休むの五つを楽しめる魅力あるランドパークとなります。また重要なのは、この四つのエリアを、点で捉えては駄目だということです。点を線で結び、さらに面で捉えたエリアにしなければなりません。つまり、海と山と食と湯を楽しめるエリアとして、車で移動するのではなく、適度にウオーキングできる距離であり、歩いて回遊できなければなりません。
 次に、響灘ひこっとらんどパークの実現に向けた開発と、整備についてお尋ねします。道の駅は、令和6年2月16日現在、全国に1,213駅が登録されているそうです。そのうち156か所が温浴施設付で、山口県には、下関市豊田の蛍街道西ノ市や美祢市の道の駅おふく等4か所、福岡県には、さきに御紹介した田川郡のおおとう桜街道1か所で、大浴場をはじめ露店や足湯、サウナなど、工夫を凝らし、多くの集客につなげているようです。相対的に、道の駅に温浴施設があると、道の駅単体よりもリピーターが多く、利用者も広域に広がるようです。
 それでは、下関市にある唯一の温浴施設付道の駅蛍街道西ノ市の設置の経緯や、事業費と利用者数の推移、収支についてお示しください。
○豊田総合支所長(岡山 学君)
 蛍街道西ノ市の概要についてお答えいたします。初めに、道の駅蛍街道西ノ市の設置の経緯でございますが、旧豊田町において、地域の活性化を図ることを目的に、温泉入浴施設を併設した道の駅として、平成16年12月14日に開業いたしました。
 事業費につきましてですが、駐車場、屋外トイレ部分につきましては、山口県が事業主体となり、緊急地方道路整備事業により、事業費は4億5,600万円、駅舎部分につきましては、旧豊田町が新山村振興等農林漁業特別対策事業や過疎債などを活用し、事業費は10億2,400万円で整備し、総事業費は14億8,000万円でございます。
 次に、利用者数の推移につきましては、開業当時の平成17年度は76万人、その後、順調に利用者数を伸ばし、ピーク時の平成26年度には約86万人のお客様に御利用いただきましたが、県内道の駅の増加などによる環境の変化に伴い、年々利用者数は減少し、現在は年間約60万人の利用となっております。
 収支状況につきましても、生産者の高齢化や担い手不足、近年の人件費や資材の高騰など、社会環境の変化も相まって、大変厳しい状況が続いております。
 このような厳しい状況の中ではありますが、温泉施設の利用者数につきましては、開業当初から年間平均14万人前後で推移しておりましたが、令和2年度に温泉施設をリニューアルしたことから、令和5年度には、入浴者数が16万3,000人と、過去最高になっております。
○山野陽生君
 ちなみに下関駅まで、車で45分かかるようです。ここは、温泉、食事、買物、イベント鑑賞、レストラン、再入浴など1日中、道の駅を楽しめる工夫がされ、滞在型の施設になっています。地元の方だけでなく、温泉や食事目的の観光客や家族連れも多いようです。
 彦島の道の駅も、今回提案している道の駅も、彦島の歴史を学ぶ歴史博物館や、今、全米で大人気の、子供から高齢者まで気軽に楽しめるピックルボールを、全国に先駆けて、全天候型に楽しめる施設を併設すると、話題性も広がり、集客につながると思われます。
 また、後ほど南風泊水産加工団地の観光のところでも触れますが、林昂史議員も言われた、下北道路の荒田口インターから迫、西山、南風泊方面の県道も、今後の観光開発に向けて、片側2車線に拡幅を提案します。
 また、下北道路の開通を見据え、現在ある観光施設の整備が重要な案件となっております。それでは、タブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 ひこっとらんどマリンビーチの活用と整備についてですが、現在、冬場以外にマリンスポーツやビーチスポーツ、ジョギング、ウオーキングや地元のミニ駅伝など、広く活用されています。しかし、残念ながら市外から来られた方は、老朽化、荒廃し放置された施設や、使用できないトイレなど、非常に悪い印象を持たれます。所管は県になりますが、下北道路の完成を待たず、少しでも早く、計画的に整備していただくことを要望します。
 次に、ひこっとらんどマリンビーチとナイスビューパーク、老の山公園を海岸でつなぐ遊歩道の必要性についての提案ですが、さきに述べました道の駅と、海と山とを面で捉え、車で移動せずに、歩いて回遊するためには、この画像の上の写真ですが、ビーチの直線の歩道から左側に斜面を上がると、ナイスビューパークにつながります。急傾斜にはなりませんので、歩いても、自転車でも、車椅子でも移動できる、景観も楽しめる遊歩道になると思います。こちらも所管は県になりますが、下北道路完成を待たず、少しでも早く計画的に開発を要望いたします。
 また、ナイスビューパークの景観を生かした施設の整備について提案ですが、一つ前に戻っていただいて、昨年6月議会で提案させていただいたように、風車のなくなったナイスビューパークに、響灘を背景にした、夢こぐブランコという大型ブランコや、地元若手グループ「ヒコハツ!」が企画したナイスビューを常設し、九州へ帰る方が立ち寄る、インスタ映えする景観を演出します。
 また、デジタル案内版を設置し、旧有料事務所をカフェにリノベーションし、キッチンカーを併設することで、滞在して景観を楽しめるようにします。同じく所管は県になりますが、要望いたします。
 次に、下北道路の整備に向け、老の山公園の今後の整備について考えをお示しください。
○都市整備部長(山上直人君)
 老の山公園につきましては、市としても大変魅力の高い公園と認識しております。本公園に、民間の優良な投資を誘導し、市の財政負担を軽減しつつ、公園の質の向上、公園の利用者の利便の向上を図ることを目的として、現在、Park-PFIの導入の可能性を検討しております。
 それに向けて、試行的に公園を利用していただきながら、収益性や施設の使い勝手などを、公民で確認するトライアル・サウンディングを現在実施しており、老の山公園のさらなる利活用の可能性を確認しているところです。
 今後、サウンディングで得られた結果を参考に、公園の利便性の向上や、利用促進が図られるよう、民間活力導入について検討を進めてまいります。
 また、下関北九州道路については、先日公表された計画素案において、老の山公園へスムーズな進入ができる計画であることを確認しており、今後、道路計画を踏まえた公園の在り方について、検討してまいりたいと考えております。
○山野陽生君
 まずは、とにかく先に、安心・安全な公園として計画的に、早期の整備を要望したいと思います。実は、老の山公園を周遊する林間道、ここが非常に危険な状態です。暗いし、道路も割れている。また今、多くの家族連れでにぎわう遊具広場もあずまやがなくて、日除けが欲しいという利用者の声もあるので、重ねて要望いたします。
 続きまして、関門海峡彦島エリアの開発と準備についてですが、現在、本市が重点的に取り組んでいる海峡エリアビジョンですが、下関駅から東側、唐戸よりに集中しています。今後は、中長期で、駅から西側、彦島エリアの関門海峡の景観を、180度パノラマで楽しめるゾーンを、下北道路の開通を見据え、計画的に開発整備していただきたいと要望いたします。タブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 前田市長も御存じの弟子待の巌流島展望台は、地元の黒川さんという方が、12年かけて、1人で、手作業で整備され、手作りの遊歩道沿いに、地元の小学生と一緒に植えた季節の花も含め、正面に巌流島、その遠景に関門橋、右手に門司市街地、左手に下関市街地が望める景観は、市外からも多くの方が訪れる観光名所になっています。ただ、御本人も御高齢で、いつまでメンテナンスができるか心配され、地元弟子待自治会の方からも、このままでは、せっかくの観光名所が廃墟になってしまうと危惧されています。ぜひ早期に、市の公園として、管理していただくことを要望いたします。
 次に、日本遺産でもある旧金ノ弦岬灯台、右下に絵があります。これは、明治4年、関門海峡の岩礁の上に初めて設置された礁標です。設計は、門司の部埼灯台や六連島灯台のイギリス人リチャード・ブラントンです。下関最南端に位置し、下北道路が完成すれば、左手に今の関門橋、右手に第2関門橋が見える絶好のロケーションになると思います。彦島霊園の下にありまして、現在、立ち入れないようになっていますが、国の管理地ということもあり、海峡の景観を間近に楽しめる場所として、安心・安全に整備していただきたいと要望いたします。
 続きまして、次のタブレットの画像を御覧ください。塩浜町にある関門都市霊園下の旧彦島パークランドの整備についてです。昭和43年頃、2年間、彦島にあった大型レジャー施設です。私が小学校高学年のとき、プールやゴーカート、ローラースケート等があったと記憶しています。事故か何かあって、廃止したと聞いています。昨日、45年ぶりに訪れましたが、廃墟となっていました。ただ景観がすばらしく、右手に小倉市街地、左手に門司市街地が一望でき、当時の事業主が、この景色にほれて、この地につくったのだとすぐに理解できました。法務局にも行って調べましたが、白地ということで、海岸と同じ扱いになるそうで、一般公共海岸として、県または国有地との見解でした。
 下北道路が完成すれば、右手に第2関門橋が見える位置でもあり、ぜひとも整備して、例えばローラースケートやスケートボードをはじめ、関門海峡の景観を楽しみながら、スポーツもできる場所にもなるかもしれませんので、大きな期待を込めて、開発、整備を要望いたします。
 場所は、タブレットの一番最初の画面にエリアマップがありまして、南のほうに、関門都市霊園の下、彦島パークランド跡地と書いています。先ほどの金ノ弦岬灯台と並行しております。
 次に、近代土木遺産といわれ、水産庁が発表した未来に残したい漁業漁村の歴史的文化財百選に選ばれた下関漁港閘門―――いわゆる水門のライトアップです。
 昨日、県水産振興局にお伺いし、確認したところ、市がする分には問題ないとの見解でした。後の海上交通でも取り上げますが、多くの方に世界最小のパナマ式運河式水門という希少価値のある建造物に光を当てて、周知していただきたいと要望いたします。
 また、先ほどの弟子待の巌流島灯台には、三菱造船所の裏手からつながる遊歩道がありまして、この遊歩道がまだ今、狭く暗いところなので、こちらの整備も要望いたします。
 タブレットの画像6枚目です。御覧ください。桜の名所でもある彦島南公園は、市の管理施設ですが、今後の整備について考えをお示しください。
○都市整備部長(山上直人君)
 彦島南公園は、本市の近隣公園として、現在、散歩やグラウンドゴルフなど、主に彦島周辺の住民の方々に利用されております。
 関門海峡と関門橋を望むことができる展望場所、それから桜やツツジといった花や木、散策やスポーツが楽しめるグラウンドや遊歩道があり、また、砂浜に降りていけるなど、隠れた人気スポットとなっております。
 一方で、施設の老朽化や樹木の繁茂により、利用者から、舗装がひび割れていて歩きづらいとか、樹木の案内サインをよくしてほしいとか、眺望をよくしてほしい、暗くて怖いというような声もいただいております。
 また現在、市では、令和3年に崩壊した公園内ののり面と、フェンスの復旧について取り組んでいるところです。市としては、令和7年度より、本公園において指定管理者制度を導入する予定としており、公園のきめ細やかな管理や、指定管理者による自主事業イベントの開催、情報発信などによるにぎわいの創出を期待しております。
 今後につきましては、まずは公園の利用動向を注視しながら、指定管理者とともに公園の利活用の可能性や、整備の必要性について検討してまいります。
○山野陽生君
 私も子供が幼い頃、よく遊びに行きましたが、あれから30数年も経つと、遊具や施設も老朽化し、丘の上にあった展望台もなくなり、海岸へつながる歩道も危険な状況でした。近隣の方の利用以外に、花見や海峡花火大会には、各地から人が集まります。計画的に整備をお願いいたします。
 続きまして、タブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 南風泊水産加工団地の観光化に向けた、整備と集客についてお示しください。
○観光スポーツ文化部長(田中一博君)
 本市ならではの体験メニューとして「天白ひらこしふく楽舎」において、プロの料理人の指導による「ふくの料理教室」を20年近く実施されている実績がございます。
 また、畑水産におきましても、ふく調理過程の見学後に、ふく食を楽しんでいただける団体向けの観光コンテンツを始められております。
 こうした民間事業者による特色ある取組を、体験メニューの一つとしてPRに努めているところでございますが、引き続き、積極的な情報発信を推進してまいりたいと思います。
○山野陽生君
 昨年も議会のほうで説明いたしましたが、本当にフグを食べるだけでなくて、自分が体験する、包丁を引いてみるとか、袋競りを経験するとか、いろいろな、ふだん体験できないところが、この南風泊にはいっぱい魅力があると思います。この下北道路の開通もさることながら、関釜フェリーや星野リゾートから、多くの団体客やインバウンド効果も期待できる施設です。早期に、内外に、大いに発信していただければと思います。
 続きまして、海上交通について、要望・提案させていただきます。次のタブレットの画像を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 これは、このたび提案する下関の海上交通マップです。下関は、三方を海に囲まれています。瀬戸内海の周防灘、関門海峡、日本海の響灘、の三海です。歴史的にも、北前船の西回り航路をはじめ、文化、経済、観光においても、その恵みを生かしてきました。また、関門海峡は、源平合戦壇ノ浦の戦いや下関戦争が行われた戦いの聖地でもあります。その立地を生かす施策として、海上バスや海上タクシーを使った響灘、日本海と関門海峡をつなぐクルーズ船を運航した海上交通を、昨年9月議会一般質問に引き続き提案します。この響灘と関門海峡をつなぐクルーズ、海上バス、海上タクシーについてですが、タブレットの次の画像を御覧ください。
 これは海上から見た下関市街地と北九州市街地です。3月15日の海上交通の社会実験を踏まえ、響灘と関門海峡をつなぐクルーズ、海上バス、海上タクシーについての今後の取組についてお示しください。
○総合政策部長(前田一城君)
 本年3月に、カイキョーサンセットクルーズという社会実験を実施したところ、大変盛況でございました。
 参加者に対するアンケートを行ったところ、六連島、満珠・干珠、響灘などの新たなルートの提案があったこと、また、適正だと思う金額という設問に対しては、1,000円台が47.5%、3,000円台が25%という結果であったことなど、常設化に向けては、利用客のニーズに沿った多様なルートの設定、及びそれに伴う収益事業としての適正な料金の設定など、これら課題の解決策を実証するため、今年度においても、引き続き、社会実験を実施する予定としております。
○山野陽生君
 源平船合戦に例えると、平氏は彦島の福浦港から出陣し、源氏は満珠・干珠から出陣したと言われています。下関漁港竹崎桟橋から彦島を回遊し、右手に北九州市街地、左手に彦島から下関市街地を望み、唐戸を経由し、長府に至るコースを、船上から平氏になった気分で、また、帰りは源氏になった気分で、840年前に歴史を遡って体感する、下関しか味わえない歴史ロマンクルーズになります。
 また、サンセットクルーズとしても、響灘に沈む夕日と北九州工業地帯の工場ネオンが、非常にきれいで感動します。第2関門橋がつながれば、二つの関門橋を巡るツアーも楽しみです。さらに、ドローンを使った海上からのプロモーションビデオも活用されると、新たな発見があると思います。
 タブレットの画像を、1ページ戻して御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 下関の関門海上交通マップです。本市が所有する、係留施設の利用についてお示しください。
○港湾局長(大庭靖貴君)
 本市港湾局が所管する竹崎や唐戸などの公共桟橋については、現在、離島航路や門司、巌流島への定期便に使用されています。当該施設で対応可能な船舶でございましたら、既存使用者との調整の上、使用を許可することは可能でございます。
 なお、竹崎桟橋につきましては、六連島航路のため渡船施設として下関漁港区域内に設置していることから、同区域の管理者である山口県と協議も必要となります。
○山野陽生君
 本来でしたら、JRなどの公共交通と関釜フェリーを考えて、今後、関釜フェリー側にも桟橋ができると、さらによくなると個人的には思っております。
 次に、世界最小のパナマ式運河、下関漁港閘門―――水門のクルーズについて提案いたします。下関漁港竹崎桟橋から時間制限はあるものの、水門を通過して、巌流島や彦島を周遊するコースです。閘門は、1938年――昭和13年に完成し、彦島と下関が徒歩等で行き来可能になりました。大和町の埋立てにより、瀬戸の幅が大きく狭められたことにより、干満差における漁港内と昇降機側の潮位差による潮流が加速し、小型船舶の航行が困難になったため、潮流を調整し、小型船舶航行の安全を確保する目的で建設されたそうです。今の閘門は3代目で、水質の汚濁を防ぐため、両扉を同時に開けられる巻き上げ式の閘門に、2台目から改良されたそうです。
 次に、唐戸と門司、唐戸と小倉を結ぶ航路についてですが、過度な車依存による唐戸の渋滞緩和と、市内の周遊性向上のため、車以外の来客を考え、連絡船で、小倉駅周辺及び門司駅周辺から、直接唐戸に行く便を提案します。特に、小倉は九州一円から新幹線などで来られるので期待大です。また、こちらに書いていますが、北九州空港と唐戸を結ぶ航路についても同様に提案いたします。
 それでは最後に、交通弱者である高齢者の活力維持について質問いたします。これは、私の信念である誰一人取り残されない、夢つなぐ下関を達成する重要な案件です。本市の人口構成は、男女ともに70歳から74歳人口が突出して多くなっています。国勢調査によると、65歳以上の人口割合、高齢化率は上昇し続けており、2020年では35.9%となっています。
 それでは、現在の本市の65歳以上の人口割合、高齢化率と全国平均についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 本市の65歳以上人口の割合は、令和6年4月30日現在で、36.6%であり、全国平均の29.3%に比べて、7.3ポイント高い状況でございます。
○山野陽生君
 本市が36.6%、全国平均が29.3%ということで、高齢化率は平均値よりかなり上回っています。次に、現在の本市の70歳以上の人口割合と、全国平均についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 本市の70歳以上人口の割合は、令和6年4月30日現在で、29.8%でございます。全国平均の23.4%に比べて、6.4ポイント高い状況となっております。
○山野陽生君
 本市が29.8%、全国平均が23.4%ということで、こちらも平均値よりかなり上回っています。高齢化社会と言われますが、今までのように高齢者が隅に追いやられ、肩身の狭い思いをする時代ではないと思います。これからは、堂々と真ん中を進んでいく、そのためにも健康で長生きしなければなりません。
 本年2月に、彦島12か所で活動報告会をさせていただき、多くの市政に対する要望、意見をいただきました。その中で、最も多かったのがバスに関するものでした。お元気で、まだまだ御自分で運転されている方はよいですが、多くの高齢者は免許証を返納したり、もともと自動車免許を持っていなかったりで、バス料金の高さや便数の減少により、外出する機会が減り、不便さを訴えておられました。
 それでは、いきいきシルバー100の365日通年化についてお尋ねします。4月実施からのバスと渡船の利用状況と、賛否についてお示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 いきいきシルバー100の利用状況でございますが、まず、バスにつきましては、この4月と5月の2か月間で、約1日平均利用者数は5,503人で、昨年度の実績と比較いたしまして約1,500人増加しております。
 次に、渡船につきましてですが、六連島航路の1日平均利用者数は16人で、昨年度から1人増加しております。蓋井島航路の1日平均利用者数は9人でございまして、昨年度から3人増加となっております。
 この4月から、方式を変えたことによります市民の方からの御意見でございますが、例えば、以前の秋の50日間連続のほうがよかったという御意見や、火曜日以外の曜日がよいという御意見もある一方で、1年を通じて利用できるので非常に助かっているとか、または高齢者の通いの場の活動日を変え、火曜日にいたしまして、参加者が火曜日に、このいきいきシルバー100を活用して、外出できるようになったという御意見もございました。
○山野陽生君
 私も、近しい方30名程度ですが、感想を聞きとりました。約4割の方は助かりますとの回答でしたが、開始以前から懸念したような不満の声も多くありました。高齢者はバスを利用して、医療機関に行くことが多く、患者さんが火曜日に集中するため、待合が以前は10分、20分程度だったのに、1時間以上待たされたとか、予約制の医療機関は、火曜日の予約は取れず、100円バスの意味がないとか、医療機関側もスタッフがてんてこ舞いするし、他の曜日は閑散としているとか、買物も、いつも行くスーパーは水曜日が割安なので意味がないとか、また、バスの運転士とのトラブルもあったようです。多少認知が入っている利用者さんが、火曜日以外の曜日に提示し、運転士さんから指摘され、逆切れしたりとかです。利用できる曜日を複数に増やせば、さらに運転士さんとのトラブルは増えると思われます。
 火曜日のみの通年化は、言葉のマジックでのごまかしでしかなく、実用的でないため、高齢者には逆に反発の要因をつくったようにも思われます。来年度以降、本年の実施状況を踏まえ、同じするなら中途半端にせず、平準化したほうがトラブルも不満もなくなります。
 市長の言われる足元の予算組みとしていただき、365日通年化を要望いたします。タブレットの画像、最終ページを見てください。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 令和2年4月から、萩市で実施されている高齢者移動事業「HAGICA」の利用状況についてですが、先週、私、日帰りで、萩市まで行きまして、萩市の高齢者支援課に伺い、直接聞いてまいりました。萩市が行ったきっかけは、平成17年、7市町村合併し、広域になったことで、市内中心部に人口が集約し、特に周辺の町村では、店舗閉鎖などで買物弱者が増え、必然的に市内中心部へ買物に出る方が増え、また、高齢者の免許返納者が多く、住民から特に高齢者から移動手段に不安の声が高まり、バス会社の利用促進と赤字補塡の観点から、山口市の前例に倣い、1年間調査した後、令和2年度から実施に踏み切ったそうです。以後、利用者は順調に増えており、移動手段で困っている高齢者を救う即効的な施策となったそうです。
 令和5年は、5,600万円を補助し、路線バスへの市の補助金1億6,000万円から補塡しているとのことです。
 今後は、70歳以上の無料化も検討されているようで、高齢者支援に対する意識の高さに感銘しました。それでは、本市の考えはどうでしょうか、お示しください。
○福祉部長(野坂隆夫君)
 ただいま、県内の周辺他市町の状況につきましては、議員が言われました萩市をはじめ、各周辺都市、適宜調査研究を行っている状況でございます。
 本市のいきいきシルバー100につきましては、先週、恵良議員の答弁とも重なるところも一部ございますが、現在のところ、実施回数を増やすということにつきましては、事業費が増加いたしますので、現時点では厳しいかと思われます。今後につきましては、実施状況を踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。
○山野陽生君
 今、山口県内の高齢者支援バス事業をされている自治体は、山口市の福祉優待バス乗車証に始まり、萩市、岩国市、美祢市、周南市、防府市、そして下関市と、多くの自治体で実施されています。本市のように、部分的な取組もありますが、365日通年化する自治体が多いようです。
 続きまして、サンデン交通が実施している65歳以上、高齢者定期券ロングライフパスがあることは、皆さん御存じでしょうか。1か月で7,700円、3か月で1万7,000円、6か月で3万2,300円、全て税込みのお得な定期券があります。令和5年度で2,585人が利用し、その74%が3か月を購入し、75歳以上の方の利用が多いそうです。この定期券は、100円バスと利用者層が異なり、公共交通を使い、もっと社会活動を楽しみたいという高齢者が多いと思われます。昨年、1億8,000万円の売上げがあったそうですが、本市が6割から7割程度助成することで、利用者の負担が、1日何度乗っても100円程度になります。高齢者のバス利用機会を増やし、健康増進になり、市内の経済循環につながるとともに、事業者の収益向上にもなると思いますので、高齢者定期券ロングパスの一部助成も、いきいきシルバー100、365日通年化同様に強く要望いたします。
 続きまして、コミュニティーバスや小型バス導入によるバスの増便、運転手増についてですが、バスの増便や運転手不足の解消のため、例えば、コミュニティーバスやマイクロバスや、10人乗りワゴン車の活用が考えられますが、本市としていかがお考えでしょうか。
○都市整備部長(山上直人君)
 議員御提案のコミュニティーバスの活用やバスの小型化につきましては、本市としても、公共交通の課題や交通事業者の問題解決策の一つとして認識しているところです。
 コミュニティーバスにつきましては、交通空白地域・不便地域の解消のため、運行しているものであり、自家用有償旅客運送という特別な登録を受けて行う場合は、運転手が所定の講習を受ければ、第二種運転免許がなくても運航が可能です。
 つまり、運転免許による雇用の制約は少ないと言えます。
 本市では、菊川、豊田、豊北において、定期路線やデマンドで、市生活バスとして運行をしております。
 また、バスの小型化につきましては、令和2年度に策定した下関市地域公共交通再編実施計画にも位置づけており、令和5年度に事業者が3台の小型バスを、国の補助金を活用して購入し、道幅の狭い団地の中を経由する四王寺線で運行している事例がございます。こちらは、サンデン交通のようなバス事業者が、小型バスやワゴン車を活用したとしても、この場合、大型免許はもちろん不要なのですけれども、第二種運転免許は必要ということで、現時点では、バスの増便や運転手不足の解消策としては、すぐには考えづらいものと認識しております。
 今後、策定予定の下関市地域公共交通計画、その中で、既存の公共交通サービスを最大限に活用しながら、路線バスとは異なる、市やNPOなどが運営するコミュニティー交通、それからスクールバスや福祉輸送、また、政府が規制改革に取り組んでいるライドシェア、自動運転等の新技術の交通モードなど、様々な移動手段も視野に入れまして、地域の移動ニーズに応じた交通体系となるよう、方向性を検討してまいりたいと考えております。
○山野陽生君
 先日伺いました萩市では、赤色が特徴の「萩循環まぁーるバス」が100円で、コミュニティーバスとして運行されています。令和5年で、13万5,000人が利用されたそうです。
 今回の萩訪問で最も衝撃を受けたのが、地域ぐるっとバスの存在でした。これは、市が8人乗りワゴン、もしくは4人乗り軽乗用車を準備し、バス事業者に委託します。事業者は普通免許の運転手を募集、登録し、利用者から電話で予約を取り、自宅と主要な目的地を直接結ぶ運行となります。原則、デマンド制で自宅まで送迎する仕組みだそうです。
 交通の不便な地区、交通弱者を救済する手段として、本市も取り入れるべきだと思います。主要幹線道路は大型バスを使い、不便な地区は地域ぐるっとバスでフォローする、運転手の裾野も広がるわけです。
 昨日も、自治体ライドシェアと日本版ライドシェアが読売新聞に取り上げられていましたが、運転手不足の事業者にとっても、交通弱者の利用者にとっても、市が支援することで、メリットの多い施策になると思いますので、この案件も強く要望いたします。
 最後になりますが、タブレットの画像の最初のページを、また見ていただければ。
  〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○山野陽生君
 これは彦島エリアマップですが、ピンク色の線が循環バスの路線となっております。彦島島内は、ロータリーで乗換えをしないとならないため、通勤、通学やイベントごとで不便さを訴える方が多く、島内を循環するバスのニーズが多いため、サンデン交通に地元自治会の方々と陳情に伺いました。今後は、島内でアンケートを実施し、利用者のニーズ状況を踏まえ、長年の要望案件である循環バスの実現に向け、本市にもお力添えをお願いいたしたいと思います。
 私も、この春、65歳を迎え、高齢者の仲間入りとなりましたが、まだまだ元気です。この高齢化社会を否定するのではなく、高齢者が元気で、健康で、活動することで経済は動きます。私の信条である若者の市外流出を防ぐための将来に向けた予算投資と同様に、高齢者に対する足元の予算投資は、車の両輪だと思います。元気な高齢者と次代を担う若者が増えることで、下関は必ずよくなります。そのためにも、今回の下北道路や海上交通の夢ある提案と、高齢者に対する施策は、全庁的に検討していただくよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
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