録画放映

第1回定例会
3月6日(水) 本会議(個人質問1日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.中山間地域におけるいきいきシルバー100の利用
2.中山間地域の医療確保
3.誰もがデジタル社会に対応するために
【下関市議会 本会議確定版】

○副議長(安岡克昌君)
6番、桂誠議員。(拍手)
  〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
日本共産党下関市議団の桂誠です。いきいきシルバー100について質問します。豊北町滝部に住んでおられる方が、「100円で下関市まで行ったでや、これはええのう」と私に話してくれました。山陰線が不通の豊北町にあって、バス代100円で出かけることは本当にありがたいことです。また、このいきいきシルバー100が、通年で使えるようになるとのこと、多くの住民が望んでいたことで、さらに使いやすくなるのではないかと期待しています。
しかし、いきいきシルバー100が利用できにくい住民がいるのも事実です。中山間地域に住んでいる人は、高齢者が多いということもあり、バス利用は通院と買物が主ではないでしょうか。週1回、しかも火曜日というのは、通院・買物に不便です。火曜日利用のいきいきシルバー銭湯デーと切り離し、週1回、どの曜日でも使えるようにしたら、かなり便利になります。銭湯がない地域もあることを考えると、どの曜日でも使えることが、利用率を高めることにつながると考えます。
また、そもそもバス路線がない地域があります。ここでは、いきいきシルバー100が使えません。いきいきシルバー100を使って下関に行った方は、バス路線が通っているところの方です。
さらに、地域にバスが通っていても、停留所まで長い距離を歩いていかなくてはならないのが、中山間地域の実態です。高齢者にとっては、2キロ、3キロ歩くのはとても酷な話です。停留所に行くまでに、へとへとになってしまいます。
このような中山間地域に住んでいる人でも、利用ができるようにするには、いきいきシルバー100を、タクシー利用まで拡大してはどうでしょうか。タクシー会社が潰れていくのが下関市の実情です。豊田町でも1社がなくなりました。タクシー利用にまで拡大すれば、タクシー会社が元気になります。そうなれば、観光を売りにしている下関市に来た観光客も、タクシーが利用しやすくなります。下関市の支出が多くなりますが、メリットも多くあります。
このいきいきシルバー100の事業目的には、定期的な外出を促し、社会参加と生きがいづくりを支援するとあります。また、第8次いきいきシルバープラン基本目標の中に、高齢者の生活を支える環境づくりとして、高齢者が住みやすい環境で、必要な支援を受け、安心して暮らすことができるように、福祉サービスや地域の多様な主体による生活支援の充実を図るとともに、住みやすい住まいの確保、地域の環境づくりとあります。これらのことから、中山間地域に住んでいる人にも、支援できるようにすべきと考えます。
そこでお尋ねします。いきいきシルバー100を、どの曜日でも使えるようにできないものでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
いきいきシルバー100をどの曜日でも使えるようにできないかとの御質問にお答えいたします。いきいきシルバー100の通年化に当たり、利用者の方が利用する曜日を自分で選べるようにできないかということも、実施に向けては検討いたしました。しかしながら、曜日の確認が必要になるなど、バスの運転手の方の負担が大きくなることなどから、通年化するためには、まずは曜日を固定する方法が一番よいと判断しまして、火曜日を実施する曜日として決定をさせていただきました。
なお、今後の事業展開につきましては、令和6年度以降の実施状況を踏まえて、検討していきたいと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも考えていただきたいと思います。いきいきシルバー100をタクシー利用にまで拡大できないものでしょうか、お尋ねします。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
いきいきシルバー100をタクシー利用まで拡大できないかとの御質問にお答えいたします。現時点におきまして、タクシーをいきいきシルバー100の利用対象とすることは、検討しておりません。
しかしながら、通院や買物が困難な高齢者の方の移動手段につきましては、大変重要な課題と認識しております。地域の方々の自主的な取組への支援なども含めまして、関係部局と連携をして検討していきたいと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも関係部局と検討していただきたいと思いますが、このいきいきシルバー100が始まったときに、やはりバス路線がないところは認識されていたと思うのですよ。それについてはどのように考えておられましたか、よかったらお知らせください。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
今の御質問につきましては、バス路線がない地域の方というのは当然認識しております。ただこの事業につきましては、まずバスを使える、利用することができる方の支援ということで、今議員さんが言われた件につきましては、別の方法で検討していかないといけないことだということで認識をしておりました。
○桂 誠君
いきいきシルバー100の恩恵が受けられないということは、やはり地域格差が生まれることと思うのです。やはりこれは福祉の恩恵を受けられないことにもつながることと思います。こういうふうにして、いきいきシルバー100が大変いい面もあるのですよね。だけど、このように、ある面では格差を生んでしまうというのもあるわけですが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
なかなかいろいろなことを検討してまいったのですけれども、なかなか今の御指摘の部分というのは、まだいい手段が見つけられておりませんが、先ほどもお答えしましたとおり、関係部局とも連携して、そういった地域にいらっしゃる方、そういった実情にある方の支援につきましては、しっかり検討していきたいと考えております。
○桂 誠君
このいきいきシルバー100の事業目的には、定期的な外出を促し、社会参加と生きがいを支援するというのがあるわけなのですよね。この目的が達成されるならば、いきいきシルバー100にこだわることはないのではないかと思います。
またこの問題の上には公共交通が確保できないという大きな課題もあるわけなのですが、これについて、持続可能な公共交通の計画を作成するというのがあるわけなのです。それがきっちり策定された上で、いきいきシルバーの今言われました違う形のことを、ぜひとも検討していただき、そしてこの目的が達成されるようにお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。次に、下関市における中山間地域の医療確保について質問します。私が住んでいる豊北町では、このように豊北病院というのが粟野にあります。
 〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○桂 誠君
この病院は、豊北町での唯一の入院ができる病院です。しかしこの豊北病院が、最近、休診となりました。この豊北病院は、58床の病床を持ち、外来も通所リハビリもやっております。豊北町民にとっては、なくてはならない病院です。以前も病院の都合で、人工透析ができなくなり、大変不便な思いをしました。また、この一、二年前には、近くにある薬局が閉鎖してしまい、滝部にある薬局にファックスを送り、滝部の薬局が届けるという事態も生まれております。今回は休診ということで、この状態で豊北町民の命が守れるかという危機感を持ちました。
下関市過疎地域持続的発展計画で、豊北地域では、医療施設は下関市立角島診療所及び下関市立島戸診療所のほか、民間病院1施設、民間診療所4施設があり、歯科については、民間診療所4施設がありますとあります。しかし、阿川にあった診療所も、数年前には入院を受け付けるのをやめました。豊田中央病院角島診療所は、医師の都合により、長い間、週2日の診療でした。最近ようやく週6日に戻りました。また、豊田中央病院島戸診療所は、週1回水曜日の診療のみです。ほかに外来を受け付けている病院は2医院あるのみです。歯医者さんについては、以前は4つありましたが、最近、高齢のためにやめられ、今3医院のみです。また一つの歯医者さんは、医師の都合により、週の診療回数が制限されています。医療の状況がこのようなために、豊北町民は、長門市や豊浦町の病院に行っているのが現状です。豊田町にも豊田中央病院があるのですが、交通が大変不便なために、高齢者はなかなか通院できません。このような状況の中での豊北病院の休診です。休診にあたり、医療関係者が入院患者の転院などに当たったとのことですが、それまでに適切な対応が行われたのだろうかと疑問を持ちます。
下関地域医療の確保に関する基本計画の中に、人口減少が進む中、僻地等において、市民が適切な医療を受けることができるよう、総合診療医等の確保・育成を推進するなど、医療提供体制の確保を図りますとあります。また、かかりつけ医の普及・啓発として、市民にとって身近で日常的な医療サービスの中心的な役割を担う、かかりつけ医や、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局等を持つことの意義や必要性について、市民の普及・啓発に努めますとあります。しかし、医療機関のない地域においては、適切な医療を受けることも、かかりつけ医を持つこともできません。
そこで質問ですが、3月1日には、豊北地域医療機関等連絡会議が開かれたということですが、下関市は豊北病院休診に至るまで、どのような対応をされたのでしょうか、お示しください。
○保健部長(八角 誠君)
豊北病院が休診に至るまでの対応ということでお答えいたします。豊北病院の休診に関しまして、休診しますという連絡は、今のところ市のほうには届いてございません。ただ、令和6年2月1日に、入院患者に係る医療の継続が困難であるという連絡を受け、転院支援の要請がございました。入院患者の健康、ひいては生命を守る観点から、市としても支援するということで、転院調整の支援を行い、2月26日に全ての入院患者が転院を完了されたというところでございます。
○桂 誠君
豊北病院が休診に至った原因と、再開の見通しはどうなっているのでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
休診に至った原因でございますが、病院の休診の原因につきましては、民間病院の経営の範疇に係ることでございまして、市としても明確な原因は判明しておりません。財務状況が悪化したものということは聞いてございます。再開の見通しにつきましては、法人において検討中であるということで聞いてございます。
○桂 誠君
なかなか再開の見通しが立たないわけなのですが、このままいきますと、町内唯一の入院施設である豊北病院がなくなるわけですが、これについてどのようにお考えでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
入院施設に関しましては、当該地域における医療需要や提供体制の状況を踏まえつつ、下関医療圏域全体として、医療提供体制を考えていくものと考えございます。
○桂 誠君
もしこの豊北病院がなくなったとき、豊北町の医療が足りているとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
医療が足りているかという御質問でよろしかったでしょうか。(「はい」の声あり)医療の提供体制として、豊北町の粟野で病院はなくなってしまうということになるかもしれませんけれども、医療を受ける体制としましては、地域のクリニック等々、送迎であったり、また訪問診療であったりということで、対応いただけるというようなお言葉をいただいているところがございます。
○桂 誠君
豊北町は高齢化率が57.4%です。面積も大変大きいわけです。そして、病院は中心部である滝部に、ほとんど集中しております。田耕地区にはもう医者はありませんし、それから粟野もこれでなくなってしまうかもしれませんし、それから神田地区は、今言ったように週1回の診療のみです。シルバーパスも使えないところもあるわけなのですが、病院に行こうにも、やはり行けない人がかなりの数いるわけなのです。高齢であったり交通が不便であったり病院まで遠いということで、そのようなことについて、どのように考えておられますでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
先ほども、地域のクリニックのほうで送迎サービスであるとか、訪問診療等をやっていただけるというお話は申し上げましたけれども、3月1日に地域のクリニック及び住民の代表者の方にお集まりいただきまして、状況をお聞きしました。その中でやはり地元の住民の方で、通院手段についてはお困りの方が多いということを、地元の方からお聞きしております。
実態としましては、まだ1か月ほど休診の状況でございますけれども、もう一月ぐらい状況を見ないと、定期通院の方、二か月に1回という方もいらっしゃいますので、全貌が見えてこないというような状況でございます。
○桂 誠君
中山間地域の医療、民間病院に代わる医療確保について、豊田中央病院が豊北町粟野に診療所を置くということも考えられるわけですが、民間病院に代わる医療確保について、どのようにお考えでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
議員御案内のとおり、本市においては、僻地医療を確保するために、豊田町に豊田中央病院を設置するほか、豊田中央病院の附属診療所である殿居診療所、及び角島診療所の設置、運営を行っているところでございます。加えて、豊北町の島戸地区に島戸診療所を設置し、指定管理者による運営により診療を行っております。また、地方独立行政法人下関市立市民病院は、蓋井島への巡回診療を行っているところでございます。
このたびの豊北病院の入院患者さんの転院支援におきましても、豊田中央病院において入院患者7名のほか、通所リハビリテーション利用者2名の受け入れを行っているというような状況でございます。
僻地における医療の確保につきましては、当該地域における医療需要や提供体制などの状況を踏まえつつ、地域の住民が生涯を通じて、住み慣れた場所で、健康で安心して暮らせるよう、医療提供体制の充実に努めてまいりたいと考えています。
○桂 誠君
高齢化が急速に進む中山間地域において、下関市は早急に医療を確保する責任があると思います。十分な医療を受けずに亡くなるという不幸なことは、絶対にあってはならないと考えています。豊北病院に関しては、もし閉鎖するようなことがあるなら、今言ったように、市が何らかの対策を打たなければならないと思います。このことについて、聞き取りの中で民業圧迫と言われましたけれども、豊北町のお医者さんは高齢の方もおられます。早晩、今ある医院もなくなる可能性もあります。今から中山間地域の医療確保について考えておく必要があると思います。以上でこれについて質問を終わります。
次の質問に移ります。デジタル社会への対応について質問します。今の生活はデジタル抜きでは考えられないものとなっています。デジタルというよりは、インターネットなしでは成り立たなくなったと言ってもよいでしょう。テレビの広告でも、詳しくはホームページでとか、QRコードからお入りください、LINEで連絡するからなどなど、インターネットなしではひとときも生活できないのが現実です。
このように、どの世代においても、どの地域においても、インターネット環境が必要とされています。下関市も例外ではありません。下関市過疎地域持続的発展計画でも、今後、医療や介護、防災等の生活全般にわたるデジタル化が進むことが予想される中、高齢化が急速に進む過疎地域においても、デジタル化を通じた安全・安心の確保や、生活の質の向上を図っていく必要がありますとあるように、たとえ中山間地域でも、デジタル化を進めなくてはならなくなっています。光インターネット回線の普及もかなり進み、地域間格差もなくなりつつあります。
このように、デジタル環境は整いつつあるのですが、デジタルの恩恵を受けるためには、スマホが使えなくてはなりません。しかし私の回りには、スマホを持っていない人もいます。まだまだガラケーを使っています。スマホを持たない理由として、ガラケーで足りているということです。確かに今はガラケーでも生活できます。しかし、2025年にはガラケーの使用ができなくなります。
次に、高齢者に多いのはスマホを持っているが、電話にしか使わないという方です。理由は、使い方がよく分からないというものです。このような方に対して、豊北町まちづくり協議会が主体になって、スマホ教室が開催されました。これは高校生が先生になって、高齢の方にスマホの使い方を教えるという、大変ユニークな取組です。これも一つの方法でしょうが、高齢化率の高い中山間地域においては、行政が責任を持って、スマホ利用を進める必要があると考えます。
さらに、スマホ利用を進めるならば、高齢者に被害が多い、振り込め詐欺についても一緒に啓発していかなければならないと考えています。
そこで質問ですが、高齢者のスマホ利用を進めるためには、どのような政策があるのかお示しください。
○総合政策部長(前田一城君)
高齢者のスマホ利用に対するサポート体制についてでございますが、公民館において実施しております市民学級の中で、スマホ教室を継続的に行っております。また、スマートシティの推進という面でも、今年度から新たな取組としまして、ショッピングモールにおいて高齢者ニーズの高いキャッシュレス決済や、LINEの扱い方、操作方法を主とした体験型のイベントを開催するなど、高齢者の相談機会の拡大を図っております。さらにスマートフォンの操作など、高齢者からの相談に対して、身近な場面で少しでも対応できるよう、地域におけるサポート人材を育成するための研修会も実施しております。
今後につきましても、高齢者へのスマホ利用の支援に対する国や県の助成制度もございますので、こういった制度も積極的に活用しながら通信事業者、それから地域団体と連携して、高齢者のニーズに沿ったサポート環境の充実を図ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも高齢者がスマホを使えるようになるようにしていただきたいと思います。また、全国の統計では、高齢者はスマホを持っているわけなのですが、結構な率で持っております。だけど、中山間地域の高齢者は、かなり高齢なもので、なかなかスマホを持つことができないわけなのですが、買うところがないというのが第一なのです。そういう人たちにも持たせるような政策というのは何かございませんか。
○総合政策部長(前田一城君)
他都市でスマホの購入の補助というような制度を持っている自治体とかも、話は聞いておりますけども、今はもうずっとスマホの普及率が進んでおりまして、高齢者でももう8割、9割というような状況になって、どんどん普及率が上がっていますので、そこまでの制度は必要ないのかなと、今の段階では思っております。
○桂 誠君
誰もがデジタル社会の恩恵を受けるように、高齢化の進む下関においても、誰もがスマホが使えるようにしていただければと思います。以上で、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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