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秋月 美佐子 議員
第1回定例会 3月6日(水) 本会議(個人質問1日目)
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内容
会議録
第1回定例会
3月6日(水) 本会議(個人質問1日目)
公明党市議団
秋月 美佐子 議員
1.生活困窮者自立支援業務(ひきこもり支援事業)
2.防災機能の強化について
3.子ども・子育て支援事業について
4.豊北地域リノベーションのまちづくりについて
【下関市議会 本会議確定版】
○議長(香川昌則君)
3番、秋月美佐子議員。(拍手)
〔秋月美佐子君登壇〕
○秋月美佐子君
公明党の秋月美佐子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
〔手話を交えながら発言〕
○秋月美佐子君
それでは早速でございますが、質問に入らせていただきます。
生活困窮者自立支援業務(ひきこもり支援事業)についてでございます。ひきこもり状態にある人の現状について、現在本市で把握しているひきこもり状態にある人の人数をお示しください。
○保健部長(八角 誠君)
本市で把握しているひきこもり状態にある方の人数ということでございますが、まずひきこもりの定義について御説明したいと思います。
厚生労働省が公表しておりますひきこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、ひきこもりとは様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態とされております。
ひきこもり状態にある方の人数ですが、令和4年に内閣府が行った、こども・若者の意識と生活に関する調査では、15歳から64歳の年齢層において、ひきこもりに該当する方の占める割合が約2%であるという結果がございます。この調査では、家から出ない状態の方だけではなく、近所のコンビニや趣味の用事のときだけ外出する方、これも広い意味でひきこもりと整理されております。
このときの数字を本市の人口に当てはめますと、15歳から64歳でひきこもり状態の方は2,700人程度と推計されます。しかしながら、本人や御家族がお困りであり、支援の必要な方が実際にどの程度いるのかということについては、把握が難しい状況でございます。
○秋月美佐子君
いわゆる生産年齢人口に当たる15歳から64歳までの年齢層の2%余り、全国ではおよそ146万人、本市においては、その割合で見ると2,700人と今御説明いただきましたが、こちらの表を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○秋月美佐子君
同じその内閣府の調査の中で、ひきこもりになった主な理由をグラフにしたものでございます。40歳から69歳では最も多い理由が、退職したことが45%、次いで新型コロナウイルス感染症の流行が20%です。私が気になったのが性別の割合でございます。4年前に公表された調査では、男性が75%以上を占めていましたが、今回の調査では、女性が52.3%と半数を上回っていたということです。ひきこもりが女性に広く存在していることが、顕在化しております。
そこで、次の質問でございます。本市の実態がどうなのか分かりませんが、現在、ひきこもり状態にある人やその家族に対する相談支援などは、どのようになされていますでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
保健部が行っておりますひきこもり支援の取組について、御説明いたします。まず、相談体制でございますが、精神保健福祉相談員や保健師といった専門職が、ひきこもりに関する相談を随時お受けしているほか、民間の支援機関と連携し、ひきこもり相談会を開催しております。
次に、ひきこもりの方を抱える御家族への支援でございます。ひきこもり家族教室を開催するとともに、「下関ひきこもり家族会 すばるの会」の活動を支援しているところでございます。
相談会及び家族教室の参加者は、令和5年度でそれぞれ4名でございました。なお、専門職による随時相談では、令和4年度の1年間に延べ186件の相談対応を行っております。
そのほか、各相談機関の職員の支援技術向上を目的に研修会を開催し、ひきこもり支援に関する人材の育成にも努めているところでございます。
○秋月美佐子君
相談窓口というか、利用された延べの人数が186件と今説明いただきましたけれども、推計の2,700人にはちょっと及ばない数だと思います。
私も、市のホームページでひきこもりを検索してみたのですけれども、過去の相談会の案内などは出るのですけれども、どこに連絡したらいいのかというアクセスをするのに、最後までスクロールしてやっと健康推進課にたどり着くような状態でございましたので、もしできればひきこもりと検索したら、相談窓口はこちらというようにすんなり出てくるような、相談窓口の案内をしていただけたらと思います。
それでは、次の支援体制強化の具体的な取組について、質問させていただきます。先ほどの内閣府の調査では、どのような人や場所なら相談したいと思うかを尋ねた質問がなされています。4人に1人が、まず誰にも相談したくないと答えていました。また、その理由を尋ねたところ、半数以上が相談しても解決できないと思うからと答えています。現状の相談や支援体制に課題があるのではないでしょうか。
そこで、本事業の委託料が増額されておりますが、その目的をお示しください。また、その取組について説明をお願いいたします。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
御質問いただきました、ひきこもり支援の委託事業について、お答えいたします。最初に、この事業の概要でございますが、本市では、NPO法人Nestに委託をし、ひきこもりの状態、ひきこもりと同様の状態、または、これらの状態になるおそれがある御本人とその御家族を対象に、居場所支援と訪問支援を行っております。
居場所支援では、対象者の方に決まった場所に来ていただいて、相談支援や社会参加に向けた準備などの支援を行っております。
訪問支援では、対象の方の御自宅などを訪問しまして、御本人への個別の支援や、御家族への相談支援を行っております。
なお、委託料を増額した目的につきましては、ひきこもりの方への支援を行う正規職員を1名増員するためのものでございます。
また、このことによりまして、居場所支援や訪問支援の実施回数を増やすとともに、関係機関との連携の輪を広げまして、これまで支援が届いていなかった方を少しでも多く把握し、支援する職員との関係づくりを進めていけるように取り組んでいきたいと考えております。
○秋月美佐子君
次のグラフを御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○秋月美佐子君
これは令和3年ですけれど、東京江戸川区の調査結果でございます。ひきこもり当事者が求めているものという複数回答ではございますが、今のままでよいが32%で最も多いのですが、次に多いのが就労に向けた準備、アルバイトや働き場所の紹介が21%、短時間、15分からでもということですけれども、働ける職場が18%、先ほどのひきこもりになった理由の一番が退職したこととありましたので、もしかしたら仕事ができる環境を整えてあげる、応援してあげることで、社会に戻れる方も案外多いのかもしれないと思いました。そういう意味で、本事業の居場所支援の取組の強化は大切と思います。
一方で、居場所支援の場へ出ることができない方、政策予算説明資料の中にアウトリーチと説明がありました。確認でございますが、Nestは、学校に行きづらい子供さんへの学習支援やほかの業務もなされていますが、今回増員された方はひきこもり対応に専任されるのでしょうか。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
今回の増員に関しての御質問について、お答えいたします。最初に、今回の増員によりまして、居場所支援や訪問支援の実施回数を増やすとともに、関係機関との連携の輪を広げまして、これまで支援が届いていなかった方を少しでも多く把握し、支援する職員との関係づくりを進めていきたいと考えております。また、その先には、就労に向けた支援にもつなげていけたらと思っております。
つきましては、増員となる職員につきましては、委託するひきこもり支援事業において、ひきこもり支援の体制を強化するための職員でございます。
○秋月美佐子君
実は私も議員になりまして、ひきこもり状態にある女性のことで相談を受けております。50代後半の女性で10年以上、人との関わりを持っていらっしゃいません。数年前からは体調を崩して、でも、病院にも行けていないのです。とうとう自力で買物にも行けなくなっている状態です。両親は他界、頼れる親戚もいない。唯一携帯でつながっている県外の友達から、地元の議員ということで、私に相談がございました。どうにか、体調がよいときだけではありますけれども、電話でお話ができるようになりましたが、3か月以上今関わっておりますけれども、会うことができていません。
このような方、病気になる前に、もっと早くにどうにかできなかったかと、すごく今心配しているところでございますが、このような方々に寄り添うためには、同じ人が根気強く関わることで信頼関係を築き、支援を受け入れられるまで、まさにアウトリーチが必要です。推計2,700名と予想される市内のいらっしゃるかもしれない方々、Nestさんだけでは限界があると思います。
最後の質問でございます。今後の展望をお示しください。
○福祉部長(冨本幸治郎君)
今後の展望につきましては、ひきこもり状態にある方で、これまで支援が届いていない方はまだ多くおられると考えておりまして、このような方々の把握には保健所、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどの関係機関や、民生委員・児童委員、自治会などの地域の方々をはじめ、関係者の方々と幅広く連携していく必要があると考えております。
また、令和6年度は、本市が行っております重層的支援体制整備事業への移行準備事業におきまして、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業を行う予定にしておりまして、支援者側より働きかける、この事業のアプローチからも、支援が届いていない方を把握し、支援する職員との関係づくりや必要な支援を図れるようにしていきたいと考えております。
また、御本人のペースに合わせた社会参加や就労に向けた支援につなげてもいきたいと考えております。
○秋月美佐子君
今回の内閣府の調査に対して、全国ひきこもり家族会連合会の池上副理事長は、一人一人に寄り添って信頼関係をつくり、悩み事を聞く中で社会につながるきっかけをつくる支援が求められている。自宅以外に安心して声を上げられる場を、ネット空間などにいかにつくっていくかが、大事になっていると述べた上で、ひきこもりは遠い世界の問題ではなく、自分や家族がなるかもしれない、自分事として受け止めてほしいと訴えられました。
本市のひきこもり支援事業はこれからだと思います。働き手不足の対策として、移住者支援も大事ですけれども、今本市にいて生きづらさを感じている若い方々に、一刻も早く社会に復帰して活躍していただけるよう、自らSOSを出せない人たちに対して、支援の入り口を積極的につくる取組をお願いいたしまして、次の項目に移らせていただきます。
次に、防災機能の強化についてでございます。初めに、能登半島地震で被災され、今なお避難生活を続けておられる皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
本市におきましても、昨年は大きな豪雨災害がありました。高齢化が進む中、要支援者が避難するための計画が急がれるところでございます。そこで、このたび着手される個別避難計画作成業務について、業務の概要と委託先について説明をお願いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
個別避難計画作成業務についてのお尋ねでございます。個別避難計画作成業務につきましては、災害時の避難行動に支援が必要な方――避難行動要支援者と呼んでおりますけれども、この方ごとにお一人お一人に合った避難支援等を実施するための計画を作成するものでございます。
個別避難計画には、誰が支援して、どこにどのような経路で避難するかといった事項を記載いたします。
作業の手順といたしましては、まず、作成対象者に対しまして、御自分の個別避難計画を作成することについての同意の確認をいたします。同意の確認は、計画の作成のためには、作成対象者の同意が法律上不可欠となってございますので、行うものでございます。
その後、同意していただいた方々から、計画を作成してまいります。計画の作成に当たりましては、外部に委託することとし、委託先といたしましては、対象者と関係の深い福祉専門職を想定しております。
なお、現在の作成状況につきましては、対象者は、令和5年4月1日現在でございますけど、6,283人いらっしゃいます。これらの方々のうち、28人が作成済みでございます。
作成の委託が必要な人数は、対象となっている方々の約6,000人の方のうち、まず作成が不要となります同意をいただけない方、それから委託によらずとも作成できると見込まれます、例えば施設に入所されておられる方、あるいは、家族による介助を受けておられる方といった方々を除いた、およそ3,000人と想定をしております。
これらの方々のうち、令和6年度は600人の方の計画を作成し、全体といたしましては、令和6年度から5年間での作成を目指してまいります。
○秋月美佐子君
一人一人に合った避難計画は本当に大変な作業と思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
まず、初年度ということで事業の立ち上げでございますが、この初年度として最も力を入れていることは何でしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
まず初年度ということで、令和6年度でございますけれども、最も力を入れていきたいと考えておりますのは、できるだけ多くの作成対象の方々の意向を確認することでございます。
先ほど御説明いたしましたように、個別避難計画を作成するためには、対象者であります避難行動要支援者の方々の同意が不可欠でございます。
作成に同意していただけない方もいらっしゃるとは思いますけれども、まずは同意、不同意の意向を返送していただきたいと考えております。
そのための取組といたしまして、福祉専門職の会合に出向きまして、対象者からの相談に応じていただくよう、お願いをしているところでございます。今後も、同様にお願いをしてまいります。
また、関係部局とも連携をいたしまして、作成対象者が市役所の窓口にいらっしゃるという機会を捉えまして、意向の確認をしていきたいと考えております。
○秋月美佐子君
避難所では、環境の変化が心身の負担となり、病気や転倒で命を落とす場合もあると聞いております。この業務を進めるに当たり、やはり肝腎なのは、避難していく先、避難所の環境をいかに整えて、安心して同意をしていただくことができるかということだと思うのですけれども、次の避難所に行きづらい方への配慮についてに入ります。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○秋月美佐子君
こちらの写真は、障害のある方への配慮ということで、事例を紹介させていただきます。これは、今年の20歳を祝う会に障害のある方が安心して参加できるよう、教育委員会が初めて設置してくださった静養室でございます。総合支援学校の卒業生の保護者の方々から、おかげさまでパニックにならずに、最初から最後まで式典に参加できました。また、今までは諦めてきたけれど、こんなに配慮していただけるのなら、安心して参加できる、来年も楽しみという感謝の声が届いております。準備をしていただいた教育部の皆様、本当にありがとうございます。
能登半島地震の被災地でも、障害のある方が、人のたくさんいらっしゃるところの避難所には行けない、危険を伴う自宅や車で過ごされているという情報も聞いております。
もう一つの写真でございますが、こちらの写真は避難所にも設置可能な携帯用の点字ブロックでございます。この写真は2020年に岡山放送で紹介されたものですが、同じような写真が、今回の能登半島地震のために設置依頼を拡散してほしいと、フェイスブックで流れてまいりました。視覚障害のある方がトイレに行くたびに、人に案内をお願いするのがすごい気兼ねだ、特に夜は我慢してしまうということがあったそうです。
このように要支援者の方々にできるだけ多く同意を得るには、まず避難所の対応が肝要と思いますが、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
災害時に避難をしていただく場合には、障害をお持ちかどうかにかかわらず、災害の種類や規模、被害の状況に応じまして、指定避難場に限らず、安全な、例えば親戚や友人宅など、適宜適切な避難先へ避難していただくということが必要と考えております。
それから、今議員御案内のとおり、静養室でありますとか、点字ブロック、こういった災害時の避難誘導を含めまして、障害をお持ちの方々への対応はより配慮が必要と考えております。
障害をお持ちの方が、指定避難所に避難されることも想定いたしまして、災害時にためらうことなく避難できるように、他市の状況などを参考に関係部局とも連携をいたしまして、今後、避難所環境の改善を図っていきたいと思います。
○秋月美佐子君
ディスプレーを御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○秋月美佐子君
こちらは、仙台市のホームページにある、避難所における障害のある方への配慮の手引でございます。本市もこのようなハンドブックを携えて、要支援者の方々にお示ししながら、このように配慮のある避難所ですから安心してきてくださいと寄り添って、業務を進めていただきたいと思います。また、先ほど言いましたひきこもり状態にある方も、計画の同意が難しいと思うのですけれども、せめて名簿に記載するとか、地域の方と情報の共有ができたらと思います。これは個人情報の問題もございますので、慎重を期す要件ではあると思いますが、要望として申し添えさせていただきます。
それでは、次の質問です。災害ボランティアセンター運営支援補助金について、どのような仕組みか、お示しください。
○総務部長(笹野修一君)
今御質問ございました災害ボランティアセンター運営支援補助金につきましては、まず目的でございますけれども、社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを運営する際の費用負担を軽減し、災害時のボランティア活動の充実を図りたいと考えております。
次に、適用の条件でございます。本市からの要請に基づかず、社会福祉協議会が外部からボランティアを募集いたしまして、災害ボランティアセンターを運営した場合に提供することを想定しております。
補助対象経費につきましては、社会福祉協議会の職員の人件費、あるいは車両の借り上げ料、機材の購入費といった物件費、こういったものを対象と考えております。
補助額につきましては、社会福祉協議会が支出をしました額から、関係機関から社会福祉協議会が補助を受けた額、こういったものを除いて、すなわち、社会福祉協議会が自主的に負担をした額に対しまして、その額の2分の1を補助したいと考えております。
○秋月美佐子君
昨年7月の豪雨災害、私の地元菊川町と豊田町では、床上浸水被害が多数発生いたしました。住宅の被害は免れても、庭や敷地内に土砂が流れ込み、住民や地元消防団だけではどうにもならない状況の中、頼りになったのが災害ボランティアでございます。今回の予算案の中に、運営支援補助金の項目を見つけて、とてもうれしかったです。
ボランティアの運営にはやはり費用がかかりますし、昨年の場合は、スコップとかバケツなどの機材代は赤い羽根共同募金から工面されたと、職員の人件費には、やはり100万円以上かかったとお聞きしております。先ほどの説明で、昨年の例では、2分の1の50万円を助成することになるかと思うのですけれども、ボランティアは1日では終わりませんし、被害が大きいところや高齢者宅は何日もかかります。ボランティアの受入れが多いのは休日なので、職員の方は休日出勤になるんです。また、日々状況が変わる中、現場の状況に合わせたボランティアの調整に残業もされると聞いております。昨年も職員さんが連日汗だくになって現場で働いておられました。
災害時に市民の皆様を助けてくれる唯一の災害ボランティア運営でございますので、社協職員の皆さんがしっかり従事できるよう、どうか災害の状況に応じて、できるだけ助成していただけますよう要望いたしまして、次の項目に移らせていただきます。
子ども・子育て支援事業についてでございます。地域子どもサポート事業について、本事業の一番の特徴である地域子ども見守り強化業務について、説明をお願いいたします。
○こども未来部長(山田之彦君)
令和6年度から新たに実施する地域子ども見守り強化業務は、地域で子供を支援する民間団体等や要保護児童対策地域協議会と連携して、課題を抱えている子供の家庭への訪問などにより、子供等の状況の把握や、食事等の提供、生活指導等を通じて、子供の見守り体制の強化を図ろうとするものでございます。
その特徴は、これまでの行政と子どもの居場所との連携体制を継続する中で、日常的に子供を見守っている地域住民の方々を、各家庭を訪問する訪問支援員として想定し、新たに地域で子供を支援するネットワークを構築しようとするものでございます。
また、子供との状況の把握に当たっては、対面による実施を原則としながらも、必要に応じてSNSを活用した対応にも、取り組んでいく予定でございます。
○秋月美佐子君
前田市長の「For Kids For Future」のセカンドステージとしての本年の子育て支援事業が思い切って盛り込まれた予算となっていて、大変うれしく思っております。
中でも、この地域で子供を見守る体制は私も本当に必要と思っていました。私は菊川に住んでおりますが、旧豊浦郡4町には「かんせい」や「あきね」などの学校以外の学びの場がありません。放課後児童クラブも遠過ぎて、子供が自力で行くことができない厳しい状況です。居場所のない子供さんはどうしているのだろうと本当に心配になります。
次の質問でございます。事業の目標指標に、本事業により状況を確認できた子供の人数を20人とありますが、この指標の根拠をお示しください。
○こども未来部長(山田之彦君)
目標指標を20人と設定した理由について、お答えします。本市におきましては、23の中学校区がございます。そのうちおおむね8割に当たる20人について、支援につなげていくことを目標として、20人と設定しております。
○秋月美佐子君
取りかかりということですので、まず体制を構築するためには、その目標も大事だと思うのですけれども、子ども食堂などに行けないお子さんの状況確認を、具体的に誰がどのように把握するのか、地域のことをよく知っておられる方々と連携する、その助言をされるコーディネーターさんの働きが問われると思います。しっかりと機能する体制をまず構築していただきたいと思います。
その子ども居場所活動を支える支援補助事業についてでございます。今回拡大された内容をお示しください。
○こども未来部長(山田之彦君)
本市では、令和5年度に、下関市子どもの居場所活動支援補助金を創設し、その活動に要する経費の一部を開催実績に応じて助成しております。令和6年度からは、この補助内容を拡充します。
具体的には、補助対象期間を4月から翌年1月までの10か月間であったものを、翌年2月までの11か月間、一月間延長します。
また、補助金の月単価について、月1回以上開催した場合には、1月当たり6,000円としていたものを、月1回開催した場合には、1月当たり6,000円、月2回以上開催、または月1回開催かつ2種類以上の活動を行う場合には、1月当たり1万2,000円へと活動内容に応じて増額いたします。
これにより、補助上限額は現行の6万円から、13万2,000円と増額されます。この制度の拡充により、地域における子どもの居場所の新規設置や、安定・継続的な運営への支援をさらに推進してまいります。
○秋月美佐子君
助成金が約倍に増額されるということで、子ども食堂の皆さんに喜ばれると思います。
今年、菊川に、古民家を改修して学び場をつくるという体験型の居場所が、オープンいたしました。オープンの日に私も伺ったのですが、びっくりするほど大勢の親子さんが参加されていました。若いお母さんたちのネットワークはすごいと思ったのですけれども、反面、子どもの居場所を求めているお母さんたちがこんなにもたくさんいるのだと思いました。学校に行きづらいお子さんと参加していらしたお母さんと、ちょっとお話しさせていただいたのですが、古民家を興味津々で土間を走り回ったり、屋根裏部屋に上がったりする子供さんの姿に、あんなに元気にはしゃぐのを久しぶりに見たと、お母さんが涙ぐんでいらっしゃったのが印象的でした。
確認でございますけれども、このような子ども食堂ではない、体験型の居場所も助成の対象となるのでしょうか。
○こども未来部長(山田之彦君)
この事業では、子ども食堂だけでなく、学習支援やフードバンクで集めた食品を独り親家庭や生活困窮者などへ直接配付する活動であるフードパントリー、さらには、子供にキャンプ体験、農作物の収穫体験、公園での遊びの体験等、子供の健全な成長に役立つ様々な体験の機会を提供する活動も、補助対象としております。
○秋月美佐子君
子どもの居場所については、民間法人への支援もお願いしたいところではございますけれども、このようにまずお母さんたちが自らネットワークをつくって居場所活動をされているところに、これからも手厚い支援をお願いしたいと思います。
このようなネットワークの中で、まずお母さんが元気になります。子供の心の安定はお母さんの笑顔が一番です。私も地元でしっかり活動を応援させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後の項目に入ります。豊北地域リノベーションのまちづくりについてでございます。令和5年度の進捗状況についてでございますが、計画の立ち上げの1年目が終わりました。様々な展望が見えてきたと思いますけれども、令和5年度に実施した取組とその成果をお示しください。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
本年度の取組についてお答えいたします。豊北地域リノベーションのまちづくりは、多様なライフスタイルが実現できるまちに向けて、今ある建物・空間の利活用、産業の創出、多様な働き方の推進、そして地域住民の意識啓発の4点から取組を進めているところでございます。
まず、建物等の利活用につきましては、未利用であった旧教職員住宅2棟のリノベーションによるお試し住宅の整備を進めております。
次に、産業と働き方につきましては、パソナグループ、パソナJOBHUBの「中山間地域における地域共創テレワーク実証プロジェクト」に参画し、地域のテレワーク人材の育成を図るとともに、ワーケーションツアーによる都市部企業等との関係性を深めてまいりました。
6月のキックオフイベントを皮切りに、これらに取り組んできたことにより、地域住民の意識にも変化が現れ、地域にまちづくり団体が立ち上がり、個人でも何かやりたいと考える方が現れるなど、地域内に民間の主体的な動きが出てきております。
これらのことから、豊北地域のリノベーションのまちづくりが一歩ずつ着実に前進しているものと考えております。
○秋月美佐子君
民間の気運ということで、私も「たきびれっじ」ですか、フェイスブックでいつも活動を見させていただいておりますけれども、リノベーションのまちづくりの中でも、まず働き方のリノベーションが大事と思います。
最近、テレビ等では、熊本県の菊陽町において、バブルのようなニュースが取り沙汰されておりますけれども、羨ましい限りですが、現状、豊北町にTSMCのような企業誘致は現実的ではないので、やはり、リモートワークが要になると思います。
先ほど御説明がありましたワーケーションツアーについて、もう少し詳しくお願いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
このたびのワーケーションツアーは、地域での新たな事業展開や地域とともにリノベーションに取り組む都市部の企業の経営者や、起業家などを対象に、11月と12月に2回、それぞれ3日間の日程で開催したものです。
ツアーには、テレワーク事業を行っている企業や遊休資産の活用に知見を持つ企業、そして民泊やゲストハウスを運営する企業など15社、18名の方に豊北町を訪れていただきました。
これにより、豊北地域とのつながりができ、豊北地域に魅力を感じた2社が再度訪問されまして、空き家を活用した民泊事業等の検討を始めておられます。
さらには、テレワーク人材事業を運営している企業が、豊北に大変興味を持たれまして、この2月から地域住民へのテレワークの入門講座やスキルアップ講座を開催するといった成果につながっております。
○秋月美佐子君
テレワークの体験プログラムということで、私も成果発表会に行かせていただきました。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○秋月美佐子君
テレワークの体験プログラムの発表会というのがございました。地元の方が参加されたのですけれど、豊北高校の生徒さんが発案したデジタルスタンプラリーの説明があったのですが、着目点がすばらしくて、角島を訪れる年間100万人の観光客を、内陸部の滝部に足を運んでもらうために、スタンプラリーを活用しようとか、そのプログラムをつくってみられたり、こちらは、ある親子の方の発表なのですけれど、暮らし体験マップ、行政がすぐにでも活用できそうな空き家情報を検索しやすくなるようなプログラムがつくられておりました。
このように令和5年度に取り組まれた豊北地域の方々との体験プログラムは、地域の方が地元の魅力を再発見するためにもいい機会だと思いましたし、このプロジェクトの推進力になっていくと思います。
それでは、2年目となる令和6年度の主な取組をお示しください。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
令和6年度の事業について御説明いたします。令和6年度につきましては、豊北地域再生計画の実現に向け、取組を加速していくため、先ほど申し上げました4項目を柱としたリノベーションまちづくりを、官民連携により推し進めてまいります。
建物や空間に関しましては、未利用の旧消防署待機宿舎を改修し、新たに滞在できる場所を確保するとともに、旧法務局跡地を交流の場として、整備を進めてまいります。
産業や働き方に関しましては、引き続きテレワーク講座による人材育成や、地理情報システムを活用した空き家情報の発信、さらには、事業創造型ワーケーション事業により、地域内でのチャレンジを誘発することで、新たな雇用の創出につなげてまいりたいと考えております。
そして、動き始めた地域住民による取組を、継続的なものとしていくために、地域で立ち上がったまちづくり団体等が自立できるように、専門的なサポートを行ってまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
この事業を成功させるためには、まだまだたくさんの課題を乗り越えないといけないと思いますけれども、気がかりなことは、若い働き盛りの移住者を求めるなら教育環境なども整えていかなくてはならないと思います。
こういう課題も含めて、今後の展望をお示しください。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
豊北地域再生計画におきましては、アクティビティやキャンプが可能な海・山・川など豊かな地域資源を生かしながら、それぞれの楽しみ方やチャレンジができ、いろいろな人が自分の描く暮らし、様々なライフスタイルを自ら実現できるまちを将来目標としておりております。
この将来像の実現に向けまして、まずは滝部地区におきまして、住民の方々を中心としたリノベーションのまちづくりの取組を全力で進め、その成果を他の地域のほうに拡大してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
移住政策が成功しているところをいろいろ探してみました。一つ紹介させていただきますと、皆様も御存じかもしれないですが、長野県南箕輪村というところがございます。
そこは子供の数が40年間増え続け、人口が1.6倍になっている。1960年代には6,000人だったのが、今は1万6,000人、人口の7割が移住者とその家族というところがございます。信州大学の農学部があるところなのですけれども、ちょっと滝部と似ていまして、居住地域が約20平方キロメートルあるのですが、その中に保育園から大学まであるという環境の中なんです。20年前から保育料を5%引き下げ、その後も段階的に下げるなど、やはり子育て世代が生活しやすい環境を整備してきた。ここが村の選ばれる最大の理由だということが紹介されておりました。
33代目の村長さんが43歳、4人のお父さんなんです。藤城村長さんなんですけれど、この方自身も、移住者なんです。2017年に地域おこし協力隊として移住されたのですが、そのきっかけが、奥さん、妻のお母さんから子育てするなら南箕輪村よという女性の口コミで移住されたそうです。
暮らしやすさというのは、ほかの地域に比べて突出していいと思っていると、この村長さんの言葉です。移住してきてもらうために100万円や200万円を渡すのではなく、今暮らしている人たち、地元の人に手厚く投資する政策を続けることで、それが口コミで広がって人が増えていく。女性の口コミの力はすごいです。
ですから、子育てするなら下関よと言われるようになったら、人口が増えるのではないかなと私は思いました。
この豊北リノベーションのまちづくりプロジェクトが成功して豊北モデルとなって、4町、ひいては下関市内全域に波及することを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
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