録画放映

第1回定例会
3月6日(水) 本会議(個人質問1日目)

宮野 直樹 議員
1.医療的ケア児在宅レスパイト事業
2.重度障害者等一般就労支援事業
3.安岡地区複合施設整備事業
【下関市議会 本会議確定版】

△個人質問
○議長(香川昌則君)
日程第2 議案第12号「令和6年度下関市一般会計予算」から、日程第20 議案第30号「令和6年度下関市ボートレース事業会計予算」までの19件を一括議題といたします。
 議案第12号 令和6年度下関市一般会計予算
 議案第13号 令和6年度下関市港湾特別会計予算
 議案第14号 令和6年度下関市臨海土地造成事業特別会計予算
 議案第15号 令和6年度下関市渡船特別会計予算
 議案第16号 令和6年度下関市市場特別会計予算
 議案第17号 令和6年度下関市国民健康保険特別会計予算
 議案第18号 令和6年度下関市土地取得特別会計予算
 議案第19号 令和6年度下関市観光施設事業特別会計予算
 議案第20号 令和6年度下関市介護保険特別会計予算
 議案第21号 令和6年度下関市農業集落排水事業特別会計予算
 議案第22号 令和6年度下関市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算
 議案第23号 令和6年度下関市後期高齢者医療特別会計予算
 議案第24号 令和6年度下関市市立市民病院債管理特別会計予算
 議案第25号 令和6年度下関市公債管理特別会計予算
 議案第26号 令和6年度下関市水道事業会計予算
 議案第27号 令和6年度下関市工業用水道事業会計予算
 議案第28号 令和6年度下関市下水道事業会計予算
 議案第29号 令和6年度下関市病院事業会計予算
 議案第30号 令和6年度下関市ボートレース事業会計予算
○議長(香川昌則君)
ただいま議題となっております。議案第12号ほか18件について、個人質問を行います。本日は、御手元に配付の通告一覧表により、1番から6番までの通告者について行います。
この際、お願いいたします。個人質問は初回から一問一答方式により、全て質問席で行います。1人の持ち時間は答弁を含め40分、質問回数の制限はありません。なお、所管事項及び当初予算に関連しない質問は特に差し控えるようお願いいたします。
また、執行部におかれましては、質問の要旨を的確に捉え、簡潔にして要を得た答弁をされるようお願いいたします。
それでは、順次質問を許します。1番、宮野直樹議員。(拍手)
 〔宮野直樹君登壇〕
○宮野直樹君
おはようございます。無所属の宮野直樹です。通告に従い、個人質問をさせていただきます。
初めに、医療的ケア児在宅レスパイト事業についてです。医療的ケア児の在宅療養は家族の負担が重く、安全で長期的な介護をするためには、特に母親の負担軽減が必要不可欠です。心身の疲労が蓄積され、緊張状態が続けば、ストレスの増加、集中力の低下など大きな事故にもつながりかねません。実際に寝不足もあり、感情がうまくコントロールできず、兄弟に言い過ぎてしまう、もう少し休むことができれば、家族全体の安定にもつながる、こうした切実な思いを聞いています。また、介護のため仕事を失い、社会とのつながりをなくし、孤立するなど大きな課題があります。
医療的ケア児の成長や家族を社会全体で支え、当たり前の子育てができる環境を整えるためにも、レスパイトケアは必要不可欠です。そのような状況において、医療的ケア児在宅レスパイト事業が制度化されたことは、本当に大きな意義があります。
山口県内の自治体では初の試みであり、制度化に向けて御判断をいただきました前田市長をはじめ、福祉部関係者の皆様へ心より感謝を申し上げます。
本事業を必要な方々へ届けるために質問をいたします。初めに、医療的ケア児在宅レスパイト事業の概要について御説明ください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
医療的ケア児在宅レスパイト事業の概要について、御説明いたします。最初に、医療的ケア児が利用できる既存のサービスとしましては、健康保険を使った医療での訪問看護サービスがございます。
このサービスは、訪問看護ステーションの看護師が、医療的ケア児の御自宅を訪問して、御家族の代わりに介護を行うサービスでございますが、1回当たりの利用時間が90分以内であることや、自宅以外の場所では適用されないという制約がございます。
このことを踏まえて、このたび新規事業として実施いたします医療的ケア児在宅レスパイト事業は、健康保険が適用されない90分を超えた利用時間のサービスの費用のほか、自宅以外の場所での介護や外出の際の付添いなどの費用を助成いたします。
○宮野直樹君
次に、対象者について質問いたします。本事業を利用できる対象者についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
医療的ケア児在宅レスパイト事業を利用できる対象者の方について、お答えいたします。この事業は、下関市に住所があるゼロ歳から18歳になった日から最初の3月31日までの期間にある子供さんで、在宅で生活しながら、訪問看護を利用し、人工呼吸器の管理や、胃などにチューブを入れて栄養を接種する経管栄養などの医療的ケアを受けている方が対象となります。
○宮野直樹君
対象者について御説明いただきました。
次に、サービスの内容について質問いたします。本市の医療的ケア児在宅レスパイト事業は、在宅の医療的ケア児に対し、訪問看護を実施した場合、また、病院受診・外出の際の付添いについても支援が認められています。
まず、在宅でレスパイトがかなうことは、環境の変化が最小限で済むという点において、家族及び医療的ケア児にとって大きな安心につながります。また、レスパイトは本人支援というより、家族の休息という観点になりますが、本事業により外出時の支援が可能ということは、医療的ケア児及び御家族の日常的かつ社会的なニーズに寄り添える非常に重要な施策と言えます。一方、外出に訪問看護を利用することについて、イメージが湧きづらいことも考えられます。
そこでお尋ねします。外出の範囲について、利用場所の制限はあるのでしょうか。また、想定されるサービス内容の例についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
外出の範囲や想定されるサービスにつきまして、御説明いたします。外出の範囲につきましては、特に制限は設けておりません。したがいまして、例えば医療的ケア児御本人が病院を受診する場合や、御家族で一緒にショッピングセンターなどに出かける場合などにも利用していただくことが可能です。
また、参観日や運動会など、医療的ケア児の御兄弟の行事に参加される場合にも御利用していただけます。
御利用の際には、訪問看護ステーションに御相談いただけたらと思います。
○宮野直樹君
利用場所の制限は特にないと理解をしました。今御説明ありましたが、今後様々な事例が出てくると思います。医療的ケア児支援地域連携協議会をはじめ、関係機関と協議を重ね、家族の休息はもとより、学校、保育所、福祉施設と連携の可能性を模索するなど、医療的ケア児のライフステージに応じた支援も可能となるよう、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。
次に、利用時間について質問いたします。本市の医療的ケア児在宅レスパイト事業では、年間の利用上限が48時間とされています。そこでお尋ねします。年間の利用上限を48時間に定めた理由についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
年間利用時間の上限を48時間に定めた理由について、お答えいたします。年間利用時間の上限につきましては、既にこの事業を実施しております複数の自治体の取組を参考にしまして、48時間としたところでございます。
○宮野直樹君
他の自治体を参考に設定をしたという御説明をいただきました。
では、1回当たりの利用時間数の上限はあるのでしょうか。加えてサービスを利用した場合の利用者負担額についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
1回当たりの利用時間数の上限と利用者負担額について、お答えいたします。最初に、1回当たりの利用時間数の上限でございますが、1年間の利用時間の上限としております48時間以内の範囲であれば、制限は設けておりません。
次に、サービスを利用されたときの利用者負担額につきましては、全額公費で負担する方向で考えております。
○宮野直樹君
1回当たりの利用時間の上限は特に設けていないこと、利用者負担額の考え方についても御説明をいただきました。
これは福岡市の事例になりますが、令和5年9月より、保育所や学校等で利用する場合、年間48時間の上限とは別に、年間144時間の利用が可能となっています。例えば、先ほども学校行事等、家族、兄弟のこともありましたが、医療的ケア児本人の通学や修学旅行など学校行事に、本事業を活用することも想定されます。事業開始後の利用状況を検証しながら、利用時間の拡充など、適宜御検討をお願いしたいと思います。
次に、今後の取組について質問いたします。本事業を進めていくためには訪問看護ステーションの協力が不可欠です。しかし、医療的ケア児やその家族を支える小児訪問看護を提供できる訪問看護ステーションは、まだまだ少ないのが現状ではないかと考えています。
そこでお尋ねします。現在、医療的ケア児に対応している訪問看護ステーションは、市内にどの程度あるのでしょうか。また、今後訪問看護ステーションに協力していただくために、本市として実際に取り組んでいること、今後検討していることがあればお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
医療的ケア児に対応している訪問看護ステーションの数などについて、お答えいたします。市内の訪問看護ステーションは、令和6年2月末時点で、29事業所ございますが、そのうち医療的ケア児の訪問看護に対応できる事業所は10事業所ほどと聞いております。
なお、平成31年2月に、医療的ケア児の支援に関して、保健、医療、福祉、保育、教育などの関係者が意見交換などを行います下関市医療的ケア児支援地域連携会議を設置しております。
この連携会議には、山口県訪問看護ステーション協議会下関支部の方が、1名委員として参加しておられまして、医療的ケア児在宅レスパイト事業についても、御意見や御助言をいただいております。
また、この方が、訪問看護ステーションとの連携に関してもお手伝いをしてくださっております。
○宮野直樹君
市内には10事業所ほど対応できるということと、そうした検討をしているということが分かりました。
厚生労働省第195回職業安定分科会資料、看護師等の確保をめぐる状況によると、看護師の有効求人倍率は2.20となっており、不足傾向にあります。また、小児科経験がない看護職員にとって身体の状況や様々な疾患など、個別性の高い医療的ケア児への対応は、心理的な障壁が生じるため、対応できる看護師の人材確保は容易ではありません。このように、看護師不足や専門性など課題があります。訪問看護ステーションとの連携を引き続き図り、人材確保やスキルの向上など、取り組んでいただくようお願いいたします。
最後に、本事業を必要としている医療的ケア児、その御家族、関係機関へ情報を届けることが必要です。そこでお尋ねします。本事業の周知について、今後どのように取り組まれるのか、お示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
医療的ケア児在宅レスパイト事業の周知に関して、お答えいたします。医療的ケア児在宅レスパイト事業の実施につきましては、市報や市ホームページに掲載をする予定でおります。
また、相談支援事業所などの障害福祉サービス事業所や、下関市医療的ケア児支援地域連携会議の構成団体であります山口県訪問看護ステーション協議会下関支部や、下関市医師会小児科医会などへの周知を行いまして、対象の子供さんがおられた場合に、この事業につながるようにしていきたいと考えております。
○宮野直樹君
県内初の試みということで、私も県内他市の医療的ケア児を育てているお父さん・お母さんとのつながりもあります。下関のこの事業を大変注目しているということで、この事業が活用されて、広く知れ渡り、県内全体に広がっていくことを願っています。
東京都足立区では、医療的ケア児ポータルサイトにより、医療的ケア児保育や医療的ケア児が利用できる障害サービスの情報が分かりやすくまとめられています。情報へのアクセスが円滑になるよう参考にしていただきたいと思います。
医療的ケア児支援法の施行、障害福祉サービス等報酬改定など、医療的ケア児に対する支援は少しずつ前に進んでいますが、まだ道半ばです。本事業が医療的ケア児や御家族の安心と豊かな暮らしへつながることを切に願い、この質問を終わります。
では、二つ目のテーマは、重度障害者等一般就労支援事業です。介助が必要な重度障害者が企業や自営業で働く場合、福祉サービスの利用ができないという課題がありました。そのような中、本事業が実施されることで、切れ目のない支援が可能となり、重度障害者の就労機会の拡大に期待できます。
先ほどと同様、本事業を必要な方々へ届けるために質問いたします。初めに、重度障害者等一般就労支援事業の概要について御説明ください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
重度障害者等一般就労支援事業の概要について、お答えいたします。現在、重度の障害がある方が就労に必要な支援を希望された場合に、通勤や業務中の支援は経済活動とみなされ、障害福祉サービスの対象となっておりません。
また、この点を補う制度であります障害者雇用促進法に基づく助成は、3か月までと利用できる期間が限定されております。
このたび新規事業として実施いたします重度障害者等一般就労支援事業は、これらの状況を踏まえ、重度の障害がある方がヘルパーを利用して、通勤時における介助や、職場でのたんの吸引、姿勢の調整、安全確保のための見守りなどの支援を継続して受ける場合の費用を、助成するものでございます。
○宮野直樹君
事業の概要について御説明をいただきました。
次に、対象者について質問いたします。本事業を利用できる対象者についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
重度障害者等一般就労支援事業の対象者について、お答えいたします。この事業の対象となる方は、下関市内に住所がある方で、障害福祉サービスのうち、常に介護が必要な重い障害のある方が利用する重度訪問介護、それから外出中の見守りや移動の支援を行います同行援護、または行動援護を利用されている方が、企業に雇用されているか、または自営業を営んでいる場合に対象となります。
ただし、企業に雇用されている場合は、雇用主が、障害者の法定雇用率を達成できていない企業が納めます障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用して、業務上必要な支援や、通勤時における支援を行っていることが要件となります。
○宮野直樹君
対象者について御説明をいただきました。
次に、サービスの内容について質問いたします。本事業のサービスの内容についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
重度障害者等一般就労支援事業のサービスの内容について、お答えいたします。企業に雇用されている方につきましては、障害者雇用納付金制度に基づく助成金により、ヘルパーを利用して、通勤時の支援に加え、文書の読み上げや作成、パソコンの入力など、職場での直接業務に必要な支援を受けることができます。なお、そのうち通勤時の支援は3か月間の支援となっております。
重度障害者等一般就労支援事業では、障害者雇用納付金制度に基づく助成金の対象にならない4か月目からの通勤時の支援や、たんの吸引や姿勢の調整といった職場での業務に直接関連しない身体上の支援を行うものでございます。
自営業の方につきましては、障害者雇用納付金制度に基づく助成金が受けられませんので、パソコンの入力など、職場での直接業務に必要な支援についても、重度障害者等一般就労支援事業により支援いたします。
○宮野直樹君
民間企業、自営業者と働く環境によって、雇用助成金の活用、それと本事業の併用、または、自営業の場合は本事業のみの利用となることを御説明いただきました。
制度の立てつけがやや複雑なため、手引を作成している自治体があります。内容や手続が分かりやすく理解され、本事業が円滑に利用できるよう、他の自治体を参考に、手引の作成についても御検討いただければと思います。
次に、利用時間数及び利用者自己負担額について質問いたします。1か月当たりの利用時間数の上限はあるのでしょうか。加えてサービスを利用した場合の利用者負担額についてお示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
重度障害者等一般就労支援事業の1月当たりの利用時間数と利用者負担額について、お答えいたします。
最初に、1か月当たりの利用時間数の上限は、障害の程度を考慮しまして、同行援護または行動援護の受給者は月50時間以内、重度訪問介護の受給者は月150時間以内とする予定でございます。
次に、利用者負担額は、サービス提供にかかった費用の1割を御負担いただく考えです。ただし、世帯の所得の状況に応じまして、重度訪問介護などの障害福祉サービス制度と同じ、利用者負担上限月額を設定することといたしまして、生活保護受給世帯と市町村民税非課税世帯は御負担なし、市町村民税課税世帯のうち、所得割が16万円未満の世帯は9,300円、所得割が16万円以上の世帯については3万7,200円とする予定でございます。
○宮野直樹君
1か月当たりの利用時間数と利用者負担額の考え方について、御説明をいただきました。
次に、今後の取組について質問をいたします。1月初旬、ある病院から重度障害者の退院支援について御相談があり、病院を訪ねて、御本人のお話を伺いました。一番の希望は一人暮らしをしながら仕事をしたいということです。入院前は自営業でソフトウエアの開発をされていたそうです。しかし、持病の悪化により、障害が重度化したため、日常生活の様々な場面に介助が必要となり、支援がなければ生活や仕事は困難な状況でした。そのときは、仕事中に福祉サービスを利用することはできないと伝えるしかありませんでしたが、本事業を活用することで御本人の希望する生活の実現に期待ができます。
また、重度訪問介護利用者の大学修学支援事業を利用している、障害のある学生の就職活動にも生かすことができます。加えて、過去に総合支援学校の先生から、一般企業で働く力がある生徒がいるため、就労中にヘルパーを利用することはできないかといった御相談を受けたこともあります。
このように、本事業を必要としている方は、一定数いらっしゃいます。そうした方々へ情報を届けることが重要です。
そこでお尋ねします。本事業の周知について、今後どのように取り組まれるのか、お示しください。
○福祉部長(冨本幸次郎君)
重度障害者等一般就労支援事業の周知につきましては、重度障害のある方の就労の機会を広げるためにも重要であると認識しておりますので、市報や市のホームページに掲載をいたします。
また、就労移行支援事業所や相談支援事業所などの障害福祉サービス事業者に加え、総合支援学校や商工会議所などに対しても、事業の周知を行い、重度障害のある方が就労を希望された場合に、この事業につながるようにしていきたいと考えております。
そのほか、障害者福祉施策に関しまして、市への提言を行う機関であります自立支援協議会の就労部会におきまして、毎年、障害者の雇用に理解があります中小企業家同友会と交流会を行っておりまして、このような機会なども利用して、事業の周知に努めてまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
今御説明ありましたが、福祉関係者のみならず、商工会議所や同友会ということもありましたが、一般企業、また、今インクルーシブの様々な施策を進めていますので、高校や大学等にも、しっかり周知のほうをお願いしたいと思います。
最後に、今後ヘルパーの不足により、ニーズはあっても本事業のサービスを提供できないという課題を懸念しています。
厚生労働省の調べによると、令和4年度のヘルパーの有効求人倍率は15.53となっており、極めて厳しい状況です。また、令和3年10月時点で、ヘルパーの平均年齢は54.4歳、65歳以上の方は24.4%となっており、今後退職者の増加により、人材不足がさらに加速する懸念があります。
本市では、介護人材確保支援事業など、これまでも対策を実施していますが、障害福祉分野に対するヘルパーの担い手不足に対しても、人材確保や定着支援に取り組んでいただくことを要望して、この質問を終わります。
三つ目は、安岡地区複合施設整備事業についてです。令和7年1月の供用開始まで1年を切りました。建物や道路の建設が進み、徐々に形が見えています。昨年10月、安岡中学校の生徒が中心となり、芝生広場の設置予定地を活用して、ハロウィンフェスを開催しました。当日はお天気もよく、多くの方でにぎわい、企画をした生徒の皆さんは、充実感や達成感を味わい、ふるさとを愛する心をさらに育んだと思います。
また、先日は、安岡小学校の5年生を対象とした現地説明会が実施されました。子供たちの視点で、芝生公園の利活用や事業費など、様々な質問が出され、好奇心や探求心、完成への期待感が高まったと考えています。子供たちに対して安全面への配慮はじめ、貴重な機会を与えてくださった担当職員の皆様、関係者の皆様へ心より感謝を申し上げます。
このような中、これまで以上に安岡地区複合施設に対して、様々な質問や御意見が寄せられるようになり、関心の高まりを感じています。総じて、地元の皆さんは期待感を持って完成を待ち望んでおられます。今後は、運営などソフト面が重要になると考えていますが、所属する常任委員会の所管に関わるため、その質疑については総務委員会で行いたいと思います。
そこで、このたびは安岡地区複合施設整備事業の概要と進捗状況、市民の皆様から寄せられた意見の中で、防災機能と周辺の水害対策に焦点を当てて質問をいたします。
初めに、安岡地区複合施設整備事業の概要及び進捗状況についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
本事業ですけれども、老朽化した支所を移転し、公民館を新たにコミュニティ施設として整備し、さらに図書館の新設と園芸センターの再編を図るもので、PFI手法により民間活力を導入して、花と緑に囲まれた安全で住みよい空間を創出するものでございます。
建設に当たり、4つの公共施設を複合化し、昨今の災害の激甚化に耐える防災機能や、住民が利用しやすいコミュニティー機能を充実させます。
事業の進捗状況でございますが、複合施設につきましては、令和5年10月から工事に着手し、複合施設棟の鉄骨工事が本年2月までに完了しております。引き続き、屋根や外壁工事を進めてまいります。
また、道路整備につきましては、造成工事により道路の形が見えてきており、歩道の舗装工事に取りかかっているところでございます。さらに、民間施設の部分につきましても、順次造成工事を進めているところです。
今後、芝生広場や駐車場などの外構工事を行い、令和7年1月の複合施設の供用開始を予定しております。
○宮野直樹君
今回の事業は、建物や場所が変わるだけではなく、公民館からコミュニティーセンターへ移行するのも大きな変化です。
社会教育施設として担ってきた生涯学習の場に加え、まちづくり、地域交流の場として、新たなニーズにも対応できるすばらしい施設が完成することを期待しています。
次に、防災機能について質問いたします。安岡地区複合施設は、指定緊急避難場所、指定避難所として使用することを想定し、防災拠点としての機能が兼ね備えられています。近年の自然災害の状況から、防災機能についても住民の関心は高い状況です。
そこでお尋ねします。災害時のエネルギー、情報通信、トイレなど、防災及び避難所として兼ね備えられている機能についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
建物本体につきましては、震度6から7の大地震に対しても、小さな損傷にとどまり、引き続き、施設として利用できる耐震構造となっております。
設備の防災機能につきましては、停電の際、電力を供給できる非常電源装置を設置しております。また、災害時にも利用可能なWi-Fi機能を設置しております。
さらに、トイレにつきましては、バリアフリートイレに多目的シート、ベビーチェア、オストメイトユニットを設置しており、災害時に下水道が破断した場合でも、継続的に対応可能なように、汚水ピットに貯留できる構造となっております。屋外にはマンホールトイレを設置しており、災害時においても、安心できる施設となっております。
○宮野直樹君
様々な防災機能が兼ね備えられており、バリアフリー及びユニバーサルデザイン化された新しい複合施設が地域の防災拠点となり、住民の安心・安全につながることを期待しています。今後、関係部局、民間事業者、地域住民と連携を図り、避難所としての円滑な運営方法の確立にも取り組んでいただくようお願いいたします。加えて、周辺は住宅地であることから、防災のみならず、防犯対策にも力を入れていただくことを要望しておきます。
次に、周辺の浸水対策について質問いたします。昨年、現地説明会へ参加をされた住民の方から、周辺の浸水について不安の声や対策について要望がありました。私も昨年の大雨の際、周辺道路の冠水や住宅浸水のおそれがある状況を確認しています。
住民の方々は、複合施設の完成後、浸水のリスクが高まるのではないかと不安を持たれており、対策の実施を強く望まれています。そのような中、令和6年度における浸水対策事業の主な取組として、浜田排水区の浸水対策検討業務が実施されます。
そこでお尋ねします。まず、住民の不安の声や周辺の浸水の課題をどのように認識しているのか、お示しください。
○上下水道局長(林 義之君)
上下水道局では、浸水対策事業として浸水被害の軽減を図るため、雨水渠などの整備を計画的に進めているところでございます。
安岡地区複合施設整備事業地区から下関病院方面に向けた地域、その地区から海に向かってのエリアにおきまして、浸水の課題がある地区、浸水常襲地域であるということを認識しております。
○宮野直樹君
それでは次に、浜田排水区とはどの範囲を指しているのか、また今後どのようなことを検討される予定なのか、お示しください。
○上下水道局長(林 義之君)
安岡の浜田排水区は、富任町一丁目から富任町七丁目まで、それぞれの一部を範囲としております。安岡地区複合施設整備事業地区につきましても、その排水区に含んでいるところでございます。
検討の具体的な対応といたしまして、令和6年度予算に浜田排水区浸水対策検討業務を計上しております。浸水状況のシミュレーションや被害の軽減が可能かどうかなどを検討いたします。また、必要に応じて関係部局とも協議してまいりたいと思っております。
○宮野直樹君
住民の安心と課題解決のために、関係部局と検討を行い、スピード感を持った対応をぜひお願いいたします。
次に、住民への説明について質問をいたします。安岡地区まちづくり協議会が発行している広報紙「カタローテ安岡」では、3月号より毎月、安岡地区複合施設の特集が掲載される予定です。2月号では、募集をした質問の中から20項目が掲載されており、その回答については、今後、随時掲載されると認識しています。住民の皆さんは知りたいことや聞きたいことがきっとあると思います。気運を高め、地域住民から愛される施設となるために、少しでも多くの方へ、完成までのプロセスへ関わっていただくことが重要です。特に、子育て世代を含め、若い世代の参画を促してほしいと考えています。
そこでお尋ねします。今後、住民への説明や情報発信についてどのように取り組まれるのか、お示しください。
○市民部長(渡部英樹君)
安岡地区複合施設は、集会施設、支所、図書館、園芸棟、芝生広場や都市公園を備えた複合施設でございますので、幅広い年齢層の方々に利用していただけるものと期待をしております。
この安岡地区複合施設整備事業も終盤に差しかかりまして、4月からは供用開始後の運営について、事業者と関係部局による協議が始まることとなっておりますので、その内容について情報を発信し、御意見に耳を傾け、適宜運営に反映させていきたいと考えております。
御質問の子育て世代も含めた若い世代につきましては、SNSなどでの情報発信、現地での子供向けのイベントの開催など、若い世代を意識したアプローチ方法について、事業者とともに検討してまいります。
○宮野直樹君
ちょうど昨日も子育て世代の方から連絡があり、私がこの質問をするとは言っていなかったのですけれども、複合施設について完成を楽しみしているというお話でした。そこで、県外のいろいろなところに遊びに行ったり、見に行って、いろいろなアイデアがあるので、ぜひ仲間と一緒にあそこを盛り上げていきたいというお話を伺ったところです。ぜひとも、民間事業者とも連携を図り、気運をさらに高める取組をお願いしたいと思います。
最後に、今後のビジョンについて質問をいたします。一昨日、東城議員の代表質問の中で、安岡地区複合施設に関する質問に対して、前田市長より、本市において、他の地区のモデルとなる画期的な事業であるという答弁がありました。市長が述べられたように、官、民、地域が一体となってすばらしいモデルをつくりたいと思います。そのためには、今後のビジョンを共有することが重要です。
そこでお尋ねします。安岡地区複合施設が完成することで、地域にもたらす効果や期待など、今後のビジョンについてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
施設整備を担っているという立場からお答えいたします。本施設の建設に当たり、4つの公共施設を複合化したことで、拠点性が高まり、昨今の災害の激甚化に備える防災機能や、住民が利用しやすいコミュニティー機能が充実しています。
あわせて、周囲には民間提案によるレストラン、カフェ、保育所、福祉施設、分譲住宅や診療所が設置されることで、安岡地区に利便性が高く防災性を兼ね備えたまちの拠点が生まれます。
災害時においては、避難された方が安心して過ごすことができ、日常的には各施設を訪れた方が新しい目的を発見し、交流が生まれることを期待しております。
PFI事業者からは、多世代の交流を促す様々なイベントや講座の開催の提案がありました。管理運営の中で、これらが実施されることにより、将来にわたって活気あるまちの拠点となることを期待しております。しっかり活用していただきたいと思っております。
○市民部長(渡部英樹君)
続きまして、管理運営を担う立場からお答えいたします。安岡地区複合施設の中核となる集会施設は、これまでの教育事業を支援することを目的とした公民館から、多様化する住民ニーズに対応するため、自由度が高い運営ができるコミュニティ施設へと変わります。
ロビーには緑があふれ、地域の皆様が集い、くつろげる空間となっており、安岡地区住民のコミュニティーの拠点となるだけでなく、他の地区にはない園芸関係の実習や展示を行う園芸棟、芝生広場、そしてはまゆう図書館や都市公園などから成る複合施設であることから、安岡地区のみならず、多くの市民が集う場所になると考えております。
また、公民館とは異なり、営利目的での利用が可能であり、駐車場の一角にはキッチンカーのスペースも確保しておりまして、その運営を民間事業者が担う指定管理者制度を取り入れることで、民間の知恵を活用し、にぎわいを創出できる施設になると期待しております。
○宮野直樹君
私も地域住民の1人として、地域の皆さんと一緒に、あの場所をすばらしい場所にしていきたいと思います。本事業が地域のポテンシャルをさらに高め、緑あふれる多世代交流型コミュニティー空間が創出されることを切に願い、私の個人質問といたします。ありがとうございました。(拍手)
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