録画放映

第4回定例会
12月14日(木) 本会議(一般質問2日目)
公明党市議団
坂本 晴美 議員
1.オストメイトについて
2.民生委員・児童委員について
3.性の多様性について
【下関市議会 本会議確定版】

△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。一般質問を継続いたします。10番、坂本晴美議員。(拍手)
  〔坂本晴美君登壇〕
○坂本晴美君
皆さん、こんにちは。公明党市議団の坂本晴美と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 〔手話を交えながら発言〕
○坂本晴美君
皆さんはオストメイトと聞いて、何のことか分かられるでしょうか。様々な病気や事故などにより、お腹に排せつのためのストーマ――人工肛門、さらには人工膀胱を増設した方をオストメイトと言います。
結構聞いても、ストーマというと聞いたことがある、オストメイトはちょっとよく分からないという方も結構おられます。タブレットをちょっと御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに提示〕
○坂本晴美君
このような装具をつけます。ストーマパウチといいます。この黄色い部分がゴムになっています。受ける側もゴムを貼ります。これを24時間装着しておられます。さらには、定期的に交換しないといけないということです。大体こういうことを分かっていただいた上で質問をしていきたいと思います。
下関のオストメイトの人数は何人でしょうか。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
オストメイトの方の人数とのことですので、排せつ物をためるためのストマ装具の受給者の方の人数でお答えしたいと思います。
障害のある方が日常生活に必要な用具を購入、またはレンタルする費用を助成します日常生活用具給付事業におけるストマ用装具の受給者の人数は、令和5年12月1日現在で、便をためる蓄便袋の受給者が423名、尿をためる蓄尿袋の受給者が144人で、合わせて567人です。
○坂本晴美君
次に、経済的負担についてお尋ねします。ストーマの装備に対して負担軽減制度はどのようになっているでしょうか。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
負担軽減の制度についてお答えします。ストマ用装具の経済的負担の軽減制度としまして、日常生活用具給付事業により助成を行っております。
なお、日常生活用具給付事業では、公費負担の対象となる費用について、基準額として限度額が定められています。この基準額は一月当たりの限度額になりますが、蓄便袋が8,858円、蓄尿袋が1万1,639円となります。
また、世帯の市民税の課税状況によって、自己負担額が定められています。生活保護を受給している世帯の方は自己負担がありませんが、その他の方については、世帯の市民税の課税状況に応じて、蓄便袋では550円から6,870円までの13段階、蓄尿袋では550円から1万1,000円までの15段階に分かれています。なお、受給者が世帯主である場合は、自己負担額は半額となります。また、基準額を超えた購入費用も自己負担となります。
また、公費負担分に当たる扶助費の令和4年度決算額は、蓄便袋が3,473万9,232円、蓄尿袋が1,667万8,016円となっております。
○坂本晴美君
総額は次で聞こうかなと思っていましたけど、ありがとうございます。
ではこの金額、皆さんが聞いて一月8,858円、1万1,639円が高いか安いかということになると思うのですけれども、この設定をされた時期はいつでしょうか。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
設定された時期についてのお尋ねです。制度ができた時期に関連してお答えします。
ストマ用装具は、もともと補装具費支給制度の対象費目でしたが、平成18年度から、日常生活用具給付事業の対象種目になりました。
補装具費支給制度は、補聴器など身体機能を補う用具の購入などの費用の一部を支給するもので、国が基準額を一律に定めていますが、日常生活用具給付事業は、各自治体が基準額を定めることになっています。
本市では、日常生活用具給付事業の基準額を、制度が移行した当時の補装具費支給制度の基準額と同額としまして、蓄便袋は8,858円、蓄尿袋は1万1,639円と定めました。なお基準額は、現在まで改正はしておりません。
○坂本晴美君
年数は、はっきり言われませんでしたが、平成18年、19年ということでよろしいですかね。(「平成18年度です」の声あり)はい。
次にタブレットを見て、ちょっと戻っていただきたいのですが。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
これはエキスパートナースという看護の専門誌で、看護師さんたちがアンケートを取ったものなのですけれども、社会生活で、このオストメイトの方たちが困った経験についてのアンケートです。
2011年で、装具代が負担というのが38.6%、2017年には、補助金を超えた装具代の支払い、さらには下にも装具代が負担というところもありますけれども、すごく一番の困りごととなっています。
皆さんも経験があると思うのですが、ばんそうこうを貼りますよね。カットバンというか、あれを貼って、何日も過ごせますか。今は精度がよくなって、剥がなくてもいいもの、結構、日ももちますけれど、剥いだときのあの瞬間の臭さ、分かりますか。カットバンとか経験あると思うのですが、あれは不潔だからです。汗をかいたりすると、特に感染力というか清潔ではありません。それのもっと厚い版です。皮膚呼吸も普通はしないといけないところに、面板といってまずゴムを貼ります。その上に袋を下げたものを密着させるわけです。
日本オストミー協会の山口県支部の事務長さんから、こういう御要望をいただいたときに、オストメイトの方に感染を防ぐためにも、節約よりも日数を守って交換してほしいと助言していますが、なかなか限られた経済の方には守ってもらえない。結果どうなるか、皮膚トラブルなどで医療費がかかって、さらに大変になるということでした。
要望をされているのは、本当に謙虚に、装具代を補助していただいているだけでもありがたいのだけれども、今、年々、もうクーラーをつけないと、小中学校も私たちも生きていけないぐらい猛暑が続いております。汗をかくということは、交換頻度が多くなるということです。また、装具代も、今言われたように平成18年から比べると、約1.5倍から2倍に値上がりをしているそうです。
パウチだけではありません。先ほど見ていただいたパウチは、もうのけないといけない。でも、それ以外に13品目の備品がいるわけです。これも値段をネットで見ていただいたら分かりますが、安いものではありません。物価高も重なって、大変に厳しい状況になっています。
オストメイトの方は、どうされているかというと、冬場、汗をかかない時に、本来5日で交換しないといけないものを、汗をかかないから、夏に比べたらいいよねと言って備蓄しているそうです。それも決して医療の面からいくとよいことではありません。
お願いなのが、他の市町がしていないからというのではなくて、中核市である本市が率先してやることで、山口県の他市も増額しやすくなると思うのですが、そこはしっかり改定をしていただくということで、次の質問に移りたいと思います。
次に、オストメイト用のトイレの公的施設の設置状況をお伺いいたします。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
公的施設へのオストメイト用のトイレの設置状況についてお答えいたします。
令和3年5月に障害者支援課から庁内の各課に照会したところ、多目的トイレなどオストメイトの方が利用できるトイレは、49施設で62か所でございました。
○坂本晴美君
あるのは全て多目的トイレということで、間違いないですか。聞き取りの時は、そういうふうに言われたのですけれども。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
一応、多目的トイレということでお願いいたします。
○坂本晴美君
分かりました。62か所あるということで、それも多いか少ないかというのは、その時々だと思うのですが、タブレットをちょっと見ていただいたらいいのですが、これがオストメイト用のトイレですね。
 〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
このようなトイレを、普通の男性トイレとか、多目的トイレではなく、女性トイレとか奥に設置してほしいというのが要望です。なぜだと思いますか。多目的トイレでいいではないですかと思いますよね。広々としているし、ちゃんとその処理ができればいいのではないかということです。
でもオストメイトの方というのは、ストーマ用装具の装着をきちんとすることで、積極的に社会に出ていくことができます。皆さんの中に入っても、私オストメイトですよと言われなければ分からないです。それぐらい社会生活はできるのです。
反面、外見では分からない内部障害、見えない障害であるために、多目的トイレを使用して出たときに、ほかにもっと車椅子の方とかから、やはりなぜここを使うのかという言葉も投げられたことがあると言います。もちろんそれは、分からないからということもあるのですけれども。この方たちが言うのは、イベントなどでワーッと出かけますよね、多目的トイレあります。でも、自分がそこで処理ができるか、処理には時間かかります。そうやって時間をかけることも、他の障害者の方たちにも申し訳ないし、スッと入ってスッと処置ができる。これを見ていただいたら分かるように、本当コンパクトにできるわけですね。こういうトイレもある、でも数が足りないということで、処置にも時間がかかるので、ぜひその検討をしていただきたいと思います。
さらには、なぜこのトイレが必要かというのは、次の災害時の避難場所についてもお尋ねしたいと思います。オストメイトの方が使用できるトイレが設置された避難場所はございますでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
オストメイト対応のトイレは、市が指定しております避難所のうち、避難所が185か所ございます。このうち14避難所について設置してございます。
○坂本晴美君
それも多分、多目的だと思いますが、周知のほうはされているのでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
今回この御質問をいただいて、改めてちょっと内容を確認したのですけれども、現在避難場所にオストメイト対応トイレを設置しているということの周知がちょっとできておりません。
今後、避難情報発令時には電話による問合せにも適切に対応できる体制、こういったものを作りたいと思いますし、ホームページのほうで掲載など、周知もやっていきたいと思っております。
○坂本晴美君
しっかり周知をしていただきたいと思います。なぜこう言うかというと、ある80代のオストメイトの方は、絶対家から避難しないと言っているのです。なぜか、それはトイレがちゃんとしているかどうか心配、それから実際、換えるときというのは臭いもするのですね。出た後に普通の方が使う、ましてや避難所というのは四六時中一緒にいないといけない。それと、今、高齢化が進んでいるわけですよ。昔はシャッシャッとできていたことが、ものすごく時間がかかったり、手が鈍くなることによって、きちんと装具がうまくできない。昔、頼りだった奥さんは認知症になって、何度言ってももう分からない。もう自分しか頼りはないし、もう避難してそういう思いをするぐらいだったら、もういいですと言われました。私もそこをちょっと確認もしていなかったので、きちんとそれは周知していく、大丈夫ですよということを周知していくことも大事だと思います。健康の私たちでも、避難所に行くというのは勇気が要りませんか。横に寝るわけではなくても知らない人と一緒に寝るというのは、大丈夫かなという思いはします。
お願いなのは、オストメイトが自分だったらどうか、自分の家族だったらどうかということを一番に考えて、1か所でも多くを設置していただけるように希望しておきます。
次の質問になります。民生委員・児童委員について質問をさせていただきます。
民生委員制度の源流は、大正6年――1917年の済世顧問制度の創設が現在の民生委員制度に始まり、1946年――昭和21年の民生委員令により法令化され、済世顧問制度創設、私も初めてこう調べて知りましたが、実に100年以上の歴史があります。
民生委員・児童委員の活動理念は、社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行うこととあります。さらに職務内容も見ましたら、抽象的で分かりにくいと思いました。
改めてお聞きします。民生委員・児童委員の役割をお尋ねいたします。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
民生委員・児童委員の役割についてお答えいたします。民生委員とは、民生委員法に基づき、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。
主な役割としましては、地域住民の生活状況の調査、援助を必要とする方の相談、助言や援助、福祉関係の機関などとの連携、福祉事務所への協力などでございます。
また、民生委員は、児童福祉法に規定する児童委員を兼ねています。児童委員としては、行政機関、学校関係者などと協力し、地域において子供が健やかに育つ環境づくりや、子育てのための相談援助に当たっております。
○坂本晴美君
あらゆる役割があるのだということは、皆さんは御存じだと思います。
続きまして、民生委員の方たちの平均年齢と充足度をお願いいたします。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
民生委員・児童委員の平均年齢と充足度についてお答えいたします。下関市の民生委員・児童委員は、定数が693人で、その内訳は、地区を担当する委員が639人、担当する地区を持たない主任児童委員が54人です。
現在の状況ですが、令和5年11月1日現在で、地区を担当する委員は607人、主任児童委員が54人の合計661人で、平均年齢は68.86歳となっております。充足度は95.38%となります。
○坂本晴美君
平均年齢にすると、思ったより若いなというちょっと印象を受けましたけれども。
続きまして、課題についてです。高齢化と担い手不足に対しての対応はどのように考えておられるでしょうか。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
民生委員・児童委員の高齢化と担い手不足への対応についてのお尋ねです。今現在、その対応については、民生委員・児童委員の方々とも相談しながら検討しておりますが、なかなか民生委員の分野だけではなくて、人を確保するというのがなかなか難しい現状がありまして、苦労はしているのですけれども、まず一義的にさせていただいているのは、年齢要件が、民生委員の場合、地区の委員が75歳未満、それから主任児童委員の方が55歳未満となっておりますが、地区の事情によって、その年齢要件については、弾力的に運営ができることとして対応しております。
○坂本晴美君
大まかに見ていくと、そういう形なのですが、現場の声というのはいろいろあると思うのですが、どのように情報を取られているでしょうか。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
現場の声についてのお尋ねですが、定例的に毎月地区の会長会がございます。また、それぞれの地区でも定例会がございまして、その場には市の職員も参加をさせていただいております。
そういった中で、常日頃から、そういった御意見をお聞きするのと併せて、このたび、山口県の民生委員児童委員協議会のほうがアンケートを行っておりまして、今、集計中と聞いております。また結果が出ましたら、情報提供していただけるということでしたので、その辺の情報も踏まえまして、市ができる取組について検討していきたいと考えております。
○坂本晴美君
平均年齢と充足度は95%まだあるということですが、年々全国的に見ても、右肩下がりに減ってきているということを、2.5倍ぐらいの速度で今減ってきているということでした。
ここで一部、私がお聞きした現場の声をお届けしたいなと思います。市から年に1回実態調査のようなものをお願いされるのですけど、民生委員さんが訪問しても、もう今この御時世ですから、玄関を開けない、電話をして聞こうとするとオレオレ詐欺やろと言って電話を切られる。本当に民生委員さんは大変だと思います。何度も何度も訪問回数も増えているというのもデータで出ておりました。ある民生委員さんは、すごいなと思うのですが、事前に手紙とかを出して、100%行きますよということをお伝えして、会えるようにしていると言われていました。
活動は民生委員さんの個人の力量に任されているのだと思います。活動理念のように、常に住民のために動くということになれば、一生懸命やればやるほどいろいろなことを引き受けざるを得ないというか、非常勤の地方公務員と言いながらも、本当にボランティアだと思います。
一番のお困りごとは、そうやって関わっていけば、一人暮らしの高齢者の方が救急搬送されたりすると一緒に救急車に同乗していくこともあるそうです。行くのはいいのです、救急車が乗せて行ってくれますから。帰りは自腹で帰ってくるわけですね。家族の中には配慮して、いやタクシー代どうぞと言われる方もあるし、昼間だったら安いバスを使って帰ることもできます。でも、そういう場合は夜間とかが結構多いので、そういうふうに、あらゆることに、自己負担というか、本当にボランティア精神以上のものを払いながら、民生委員さんは頑張っておられます。
平均年齢69歳と言いましたが、ある89歳の民生委員さんは、何年も、交代して、誰かいませんか、誰かいませんかと言っています。昨年が任期の更新だったと思うのですが、何年前から話しても、まだ元気だからできるでしょうということで、誰も替わってくれないという現状は、この方だけではないと思います。
冗談抜きで、民生委員さん同士がお話するのは、今は元気だけど、2年後、自分がいるかどうかも分からない。89歳ですから、もう90歳ですよね。さらには、民生委員の半分は、70歳とか80歳、70代後半の人もいっぱいいるわけですから、2年後いるかねという話になるそうです。
また児童委員さんも個人情報の壁とかがあって、今は、午前中、井川議員の質問にもありました、地域からいろいろ情報を得ると言ってもなかなか厳しい現状があります。
その方たちはどうしているかというと、小学校や中学校のボランティア活動に関わって、うちの地域にはこういう子供たちがいるのだと、外部的なところから情報収集をされています。そういうところの状況も踏まえて、今後どのようにしていくのかということで、今後の方向性をお願いいたします。
〇福祉部長(冨本幸治郎君)
今後の方向性についてお答えいたします。市としましては、下関市民生児童委員協議会の各地区の会長をはじめ、委員の皆さんと相談をしながら、民生委員・児童委員のまず認知度を向上させるための広報活動を行いますとともに、まず若い世代の方に民生委員・児童委員になってもらうため、地区定例会の開催時間など、仕事と両立できる体制づくり、また、今の選定方法にこだわらずに、民生委員・児童委員の選任方法の検討などに取り組んでいきたいと考えております。
○坂本晴美君
若い人を育てるということも大事ですが、ある民生委員さんは言いました。自分の地区は結構元気な高齢者がいるよと、派遣してもいいよというぐらい元気な地域もあります。
枠にとらわれる空白地域を置かないため、それから元気で、まだ大丈夫だよ、ボランティアやるよという地域が固まっている場合もあるので、固い枠に締めるのではなく、大きく広げていってもいいのかなと思います。
今地域においては、医療でもそうです、介護でもそうですが、自治会とか町内会へ未加入の人も増えてきています。昔だったら地区行事とか、みんなで草刈りしましょうとか、そういうことも減少してきています。共に支え合う機会や情報共有がなくなりつつあるのが現状です。
でも、地域はどうなっているでしょうか。ひきこもりの方もおられます、児童虐待のこともあります。そして、老々介護どころか、私が看護学校で教えていたころは老々介護だったのですけど、今は認認介護です。分かりますか認認介護って。認知症の軽い人が認知症の重症な夫婦で支え合っている。私はこれが教科書に出ていることに驚きました。私が議員になって5年の間に、もう認認介護に移っているのかと。ということは地域で見守りがもっと必要になるということです。そこを考えると、いろんな福祉計画を市が立てます。でも、地域の要である民生委員さんの協力なくして成り立たないと思います。蓋を開ければ、民生委員さんいなかったね、どうするということになる前に、まだ平均年齢が60代のうちにしっかり考えて、大きく考えていくべきだと思います。
また、高齢者はデジタルが苦手だということではなく、デジタル化もしっかり進めていただいて、安否確認は毎日デジタルだったら分かりやすいではないですか。そういうこととかをして、民生委員さんの負担が少しでも軽くなるように、あらゆる手を尽くして、地域の福祉が崩壊しないようにお願いしたいと思っております。
次に、性的マイノリティに対する理解を広めるためのLGBT理解増進法が、今年の6月16日に国会で成立しました。そこで性の多様性について質問をしたいと思います。
LGBTQや性的マイノリティ等の多様性やジェンダー平等は学校教育において重要な観点だと考えますが、本市ではどのように教育に取り入れ、実践されているでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
学校教育でのLGBTQプラスや性的マイノリティ等の学びについて、本市ではどのように教育に取り入れて実践しているかというお尋ねに対してお答えいたします。
学校では、保健体育科において、性に関する悩みへの対処方法や異性との関わり方について学ぶとともに、社会科において共生社会の実現に向けて性の多様性についての理解を深めることの大切さを学んでいます。
また、多様な性の在り方について考え議論する学習や、LGBTQ支援団体の方を講師に迎えた講習会を実施するなど、各学校において児童生徒の心身の成長過程に即した学習を進めているところでございます。
教育委員会といたしましては、LGBTQプラスや性的マイノリティの問題については、山口県人権推進指針に基づく重要な人権課題の一つとして捉えており、正しい理解と認識が広まるよう支援してまいりたいと考えております。
○坂本晴美君
それでは、教職員は正しい理解と認識を持っておられるでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
教職員が正しい理解と認識を持っているかということでございますのでお答えいたします。
教育委員会といたしましては、人権教育研修会をはじめ、初任者研修会や各キャリアステージに応じた研修会を活用し、LGBTQプラスや性的マイノリティに関する研修を実施しているところでございます。
あわせて、各学校では、文部科学省や山口県が作成した多様な性の理解に関する資料やパンフレットを用い、悩みを抱えた児童生徒の対応の仕方を学ぶなど、教職員一人一人の理解と認識が深まるよう努めているところでございます。
○坂本晴美君
性に関する悩みを持つ子供たちに対しての対応ですが、自らの性的指向や性自認、心と体の性の不一致や違和感など、性に関する相談はありますでしょうか。またその対応はどうなっているでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
相談等はあるのか、またあった場合の対応についてお答えいたします。
各学校では、児童生徒のみならず保護者からの様々な相談に対応できるよう、相談窓口を学校だよりやホームページで知らせたり、教育相談機関を設けるなど、日頃から相談しやすい環境づくりには取り組んでいるところでございます。
相談内容の中には、性に関する悩みもあり、相談を受けた学校では、自分の状況を誰にも知られたくないなどの児童生徒の心情に配慮しつつ、安心して学校生活が送れるよう支援を行っているところでございます。
具体的には、学校は相談を受けた児童生徒や保護者の意向を確認しつつ、支援計画をつくり、複数の教員で組織的に支援をしています。また、教育委員会とも情報共有しながら、必要に応じてスクールカウンセラー等の専門家とも連携するなどして、児童生徒に寄り添った対応に努めているところでございます。
○坂本晴美君
デリケートな問題なので、本当に現場の先生方も大変配慮しながら対応されているというのは、聞き取りのときにもしっかりお聞きしました。それに合わせて、制服等校則について、どのように配慮されているか、お願いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
制服や校則についてどのような配慮をしているかについてお答えいたします。
現在、学校では校則について、教育委員会からの助言を参考にしながら、時代の進展や児童生徒、地域の実情を踏まえ、児童生徒が主体的に関わるようにしたり、PTAや学校運営協議会の意見を取り入れたりするなどの工夫をしながら、適宜見直しを進めているところでございます。
また校則の見直しや運用に当たっては、性に関する悩みを持つ児童生徒が、不利益を被ったり、悩みや不安を抱えたりすることがないよう配慮することが大切であり、学校は実情に沿った柔軟な対応に努めています。
次に、制服でございますが、現在12の市立中学校・高等学校が選択制の制服を導入しており、導入した学校では、生徒一人一人が自分に合った制服を自由に選択できるよう、導入の趣旨の周知に努めているところでございます。
○坂本晴美君
制服について、私は認識を新たにしないといけないと思ったのは、こういう性的マイノリティということの視点ではなくて、女性だったとしても、寒かったらズボンをはきたい。実質、私の子供たちのお友達にもおられました。小中学校の時はズボンが大好きという女の子もいましたし、それがそういうくくりではなくて、大きく選択できる自由な制服であってほしいという願いというのがあるとお聞きしまして、そうだなと思っております。
ただ私が今回、なぜ制服と校則にこだわるかと申しますと、元の職場、専門職を育てることで、本当に厳しい校則を課しておりました。ある学生はスカートをはくことがすごく苦痛で、ショートカットに髪を切ってきて、苦痛でならないと。でも、その時というのは白衣もスカートだったのです。もう式典もスカートではないといけないという、もう凝り固まった、20年前ぐらいですけれども、そういう融通の利かないことでした。
でもある時、その学生が、私はこういう性的マイノリティがあるのだと、LGBTQなんだということを自分で言って、先生、ズボンをはかせてほしいと。だから帰る時も、急いでズボンにはき替えて、バイクで来る子だったので、はき替えていたのは確かだったのですね。
そういうこともありましたし、もともとは男子の学生が、男の子は髪をこう切ってきなさいと、私たちは言っていました。実習ではやはり髪が落ちるとか不潔になるので、女性の場合はくくるか、髪を上げるという形だったのですが、男性の場合はもう必ず髪を切っていらっしゃいという、今だったらとても許されるべきことではなかったのですが、その学生はもう髪を切ることが絶対いやと言って、前と後をくくってきたことがあります。その時は本当に私も理解がなく、駄目よと言って、切らないと実習に出れないとまで言って、彼はぎりぎりのところで切ってきました。
でも、卒業して何年かたって、女性の場合はすぐ1年後ぐらいに来て、声も変わって、先生分かりますかと言って、裁判所にも届出をして、完全にそういう届けもしたのですけれども、もう1人の学生は何年かたって来ました。素敵な女性になって来ていました。ただそこで言われたのが、親から縁を切られましたと。二度と帰ってくるなと言われました、と言われました。だから、簡単に病気もできんのよねという形で言われました。
私は、あっと思いましたけれど、その時はそうなんだねと、大変だねという言葉しかかけられませんでした。
そういう状態が、卒業しても1人2人ではありません。この何百人という生徒の中にはそういうことが言えなかった、理解が私たちも足らなかったという部分で、つらい思いをずっとさせてきたなという反省の思いも込めて、制服は選択制であってほしいなという思いで、今回質問をさせていただいております。
この子たちのことがきっかけで、いろいろなことができないのだということが分かりましたので、パートナーシップ制度とファミリーシップ制度について、今回は質問をさせていただいております。
 〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
これを見ていただいたら分かるのですが、これは世田谷区が今回新たにバージョンアップしたといいますか、ファミリーシップ制度の御利用ガイドです。ここに3つの枠があるのですが、これが追加されたものです。
ファミリーパートナーシップではなくてファミリーシップ宣誓の新設――パートナーの2人の子供や親とともに宣言できますよということ。それから対象者の拡大――対象者を同性パートナーから、双方また一方がLGBTQであるパートナーへ拡大しました。通称名の使用――希望される方には、通称名も印字した宣誓書・受領書を交付しますというものです。
このように、ファミリーシップとかパートナーシップとか、いろいろな自治体で、いろいろな制度が今変わってきて、一つではないということが分かりました。要綱型とか契約型とかいろいろあるということも含めて、導入について本市の見解を教えていただければと思います。
○市民部長(渡部英樹君)
パートナーシップやファミリーシップ制度は、法的な効力を有するものではありませんが、証明書の提示により公営住宅の入居など、一定の行政サービス等が利用できるようになるものと認識しております。
本市としましては、多様性を認め合う社会を目指し、市民の理解が進むよう、LGBT等をテーマとした講座の開催やリーフレットの配付、先行自治体への視察などを実施しているところでございます。
パートナーシップ制度等につきましては、引き続き、国や県の動向を注視しながら、他の自治体の情報収集に努め、導入について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
○坂本晴美君
すみません、ちょっと次の図の説明をしていなかったので。
 〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
これをちょっと見ていただいたら分かるのですが、パートナーシップというのは、2人の関係で、ファミリーシップになると、親までできると世田谷区の場合、制度としてやっています。
次に、制度を導入することでの利点とか課題とかはありますでしょうか。
○市民部長(渡部英樹君)
パートナーシップ制度等を導入するメリットにつきましては、主に性的マイノリティの当事者が日常生活を送る上での困りごとの解消ですとか、生きづらさの軽減に加えまして、性の多様性に関する社会的な理解を促進するものと考えております。
○坂本晴美君
それでは、今後の方向性としては何かありますでしょうか。
○市民部長(渡部英樹君)
今後の方向性でございますけれども、パートナーシップ制度等は、平成27年に渋谷区、先ほど議員からも御紹介がありました世田谷区から導入が始まっておりまして、本年6月の時点で県・市・町を含め328自治体が導入しております。
一言にパートナーシップ制度と申しましても、各自治体によって同居の要件、制度の対象者を性的マイノリティに限るか否か、子供や親を含めたファミリーシップ制度にするかなど、制度の在り方に差異もあるように見受けられます。
また、自治体間の連携も広まっているところでございますが、それぞれの運用方法が異なることにより、不具合もあると伺っております。
当事者の負担面や制度の実効性を考えますと、自治体間で取組に差がないよう、なるべく広域の自治体で取り組むことも有効ではないかと考えられます。
現在、山口県が導入の可否について検討中と伺っておりますので、県の方向性も確認しながら、どのような制度設計がいいのかを含め、研究するとともに、併せて制度への理解の促進に努めてまいります。
○坂本晴美君
性的マイノリティの困難ということは、社会資源から一番は排除されているということです。
同性カップルと行政サービスという観点では、愛を認めてくださいという表面的なことではなくて、気持ちを酌みますよ、認めますよという話ではなくて、困った時にさらに困ってしまうという、セーフティネットが機能しない、この困難をいかになくすかということです。
パートナーが入院したときに手続きができない、同性カップルで賃貸物件を借りることも拒絶される、さらに戸籍上は親に当たらない同性パートナーの保育園や幼稚園のお迎えができない、同性パートナーの親の介護をする際の介護休暇取得などができないということです。大切なことは、制度をつくることではなくて、本当に性的マイノリティの方々が生活しやすいまちにすることだと思います。
自治体間でいろいろなパートナーシップ制度が出てきています。部長がおっしゃられたように、その不具合というのも出てきているのも事実です。世田谷区のように、さらにアップグレードしている自治体もありますが、制度の活用の仕方によっては窮屈になって使えないという自治体もあるとお聞きしました。
広島修道大学の河口教授が、2015年に渋谷区と世田谷区でパートナーシップ制度が導入された年と2019年に意識調査をされています。その結果、残念なことに、高齢男性になるほど同性愛に対して不寛容だという結果が出ていること。職業別に見ると、管理職と農林漁業で6割以上が嫌だ、どちらかと言えば嫌だと回答しておられるということ。では管理職の理解が低いということはどうなるのか、職場での働きにくさにつながるということです。
また、さっきも生徒の親が縁を切ると言いましたが、身近な人に対してはもっとです。普通だったら理解するかなというアンケートかと思ったのですが、兄弟や子供の場合は、70%まで受け入れられないという結果が出ています。一般的な話としては、私もそうですが理解はできると口では言えます。では身内になった時にどうなのかということが、7年たってもなかなか難しいということです。
先ほど部長が言われたように、この制度のもう一つの目的である周知と理解、積極的に本市もされております。河口教授が言われているのは、多様な性が認められる社会は、男性はこうあるべき、女性はこうあるべきという、ジェンダー規範からも自由になると言えます。性的マイノリティを含め、多様な性の在り方を認める、それが多くの人が、より生きやすい社会につながると言われています。
しっかり、このアンケート結果もそうですが、多くの市民の方々に理解していただくことで、誰も取り残されない下関市になることを願って、さらに進めていけるように願って、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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