録画放映

第4回定例会
12月14日(木) 本会議(一般質問2日目)
創世下関
井川 典子 議員
1.包括的、且つ切れ目のない子育て支援施策の在り方について
【下関市議会 本会議確定版】

○議長(香川昌則君)
9番、井川典子議員。(拍手)
  〔井川典子君登壇〕
○井川典子君
創世下関の井川です。通告に従いまして質問をさせていただきます。私が議員になって8年が過ぎたわけですが、その間、子育て支援施策においては、特に保護者や保育に関わっておられる方々のお声を届けて、課題や対策の提案というものもさせていただいてきたと思っております。
定期的に、アンケートという手法で偏らずに、より多くの声を聞かせていただいております。その集計では、産前産後ケア、特に産後ケアについての要望、改善というのは、いつも上位です。なので、度々、この質問をさせていただいているのですけれども、今回もう一度、この産後ケアの現状と課題の認識と、これからの対応について質問をさせていただきたいと思います。
本市において、特に若年層の女性の転出が多く、出産、子育て支援策の充実というのが大きな課題となっていることは、御承知のとおりであります。また近年、核家族化や地域とのつながりが薄れていく中で、妊婦や子育て家庭が抱える不安や負担が大きくなっていることも事実です。
そういった背景から、妊娠期から出産・子育て期の一貫した伴走型支援が必要とされており、スピーディーな対応が求められていると思うのです。市も伴走型支援という言葉は、子供支援においては度々言われています。
そこで、下関市で必要な産後ケアとは、どのようなものが必要であると考えられていて、それを踏まえた市独自の取組というのを、どのような事業としてされているのでしょうか。お答えください。
○保健部長(八角 誠君)
産後ケアについての御質問でございますので、産後1年以内の母子に対して本市が実施しております、主な四つの事業について御説明いたします。
1番目ですが、家族などから家事や育児などの援助を十分に受けられず、心身の不調または育児不安のあるお母さんを対象とした、産後ママとベビーのためのケア事業がございます。
2番目に、産後のお母さんの心身の健康状態を確認し、産後鬱の早期発見・早期支援を目的に、産後2週間及び1か月に実施する産婦健康診査がございます。
3番目に、子育ての孤立化を防ぐために、生後4か月までの乳児がいる全ての御家庭を訪問する乳児家庭全戸訪問事業がございます。
4番目に、令和5年2月1日から開始しておりますが、妊娠期から出産・子育て期まで一貫して相談に応じ、様々なニーズに即し、必要な支援につなぐ伴走型相談支援事業がございます。
○井川典子君
市からのアプローチについてというのは、以前からの取組を継続している。そして今言われた個々の事業に関しての改善点というものは、聞きながらそれに応じているものもあれば、まだ今整理中であるもの、そういった事業もあるというところでは、今承知をいたしました。
反対に、ママからのアプローチの取組というのが、私は弱いと思うのですけれども、その一例としましては、ママがつらいときに気軽に相談できる場所、ママからのアプローチというところに主を置いて、そして少しの時間でも休める場所というものが、どのようなものがあるか、それらも含めてのお考えというか、今やっていることがあれば教えてください。
○保健部長(八角 誠君)
ママからのアプローチ、相談窓口というような観点でお答えしたいと思います。保健部といたしましては、安心して出産・子育てができる環境整備として、市内9か所に子育て世代包括支援センター、保健センター内に設置しておりますけれども、こちらを設置いたしております。
当センターには、保健師・助産師等の専門職を配置し、専門性の高い母子保健相談を身近な地域で受けることができるような体制としてございます。また、産科・小児科の医療機関や子育て支援センターなどの関係機関に対して、気になる妊産婦や乳幼児がいた場合には、最寄りの子育て世代包括支援センターを案内いただくよう、日頃からお願いしているところでございます。
○井川典子君
平成31年4月17日に行われた第3回妊婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会、これにおいて、産後ママとベビーのためのケア事業は、利用者にはとても好評を得ているという審査結果をいただいております。
育児不安の解消に有効であるけれども、宿泊型、これは空きベッド利用という不安定な運営であり、安定した提供体制が求められているとの報告も上がっております。
また、この検討会より、今5年ぐらいたっているかと思いますけれども、本市で行った安定した提供体制における課題解消のための取組、そしてまたその成果というものについてお聞きをいたします。
○保健部長(八角 誠君)
本市の行っております産後ママとベビーのためのケア事業について、産科医療機関の空きベッドを活用しているということで、まれにお引受けできないケースというのもございます。
ただ、先ほど議員御案内の国の検討会において、当時、空きベッド利用で安定的でないというふうな発言をしているところでございますけれども、それにつきまして、現状については、おおむね引受けをできているという状況だと理解してございます。
もし利用できなかった場合ということでございますけども、そのような場合について、保健師、助産師等の専門職が妊産婦の相談に応じて、心身のケアや育児サポート等を行うように努めてございます。
また、体制整備といたしまして、協力医療機関を増やすべく、毎年市内の産科医療機関へお願いをしているところでございます。
里帰り出産などで市外の医療機関、これを希望される場合でも、当該医療機関と調整し、サービスを提供するなど、個別対応にも努めているところでございます。
○井川典子君
受入れ施設の拡大と医療機関への交渉を続けているところですけれども、今答申にもあったところに対しては、現状の空きベッドを利用するシステムが、不安定な運営の要因と捉えているので、医療機関との空きベッドの増設についてもずっと交渉されているということですよね。
それはそれで、今も続けていらっしゃると思うのですけれども、より安定させる、利用しやすいシステムにするためには、そこだけではなくて、それに特化した施設づくりというところも必要があるのではないかとも思うのですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
保健部の行っております産後ママとベビーのためのケア事業に関しましては、看護師等の専門職の配置基準等々を満たす必要がありますことから、なかなか特化した施設というものを準備するのは難しいのではないかと認識しております。
○井川典子君
それでは、現時点での産後ママとベビーのためのケア事業の利用状況というのを教えてください。
○保健部長(八角 誠君)
令和5年4月から11月末までの利用件数につきましては、合計で10件でございます。
○井川典子君
今の一連の流れから、私が何を言いたいかというと、今そういう医療機関へのつなぎとか、保健師さんの対応、そういうことをしていて、不足は生じていないと聞き取りのときでも言われたのです。
でも、その電話をかけてくれたりとか、つながった人には、しっかりと対応されていると思うのですけれども、お母さんへの聞き取りの中では、利用するベッドも空きベッドがあれば入れるというところも、お母さんたちは理解しているのです。
それで、自分が電話をする前に、自分よりももっと、ここを使える人がいるのではないかという頭がすごくあって、電話をしてもいいのかなという、その連絡をためらっているという声が非常に多いのです。その辺は理解していただきたいと思うのですけれども、そういった利用したいときにためらわずに連絡が取れるところの体制づくりが必要ではないかと思うのです。つながった人はいいと思うのです。それをずっと継続したら、それが寄り添いですよと言われるのは分かるのですけど、それはそれでいいのです。
でも、つながらない人の体制というところに、ちょっと主を置いてもらって考えていただきたい。その一つとしては、SNSやLINEで申請ができるシステムづくりをするというのも一つではないかなと。利用するまでにちょっと時間がかかるとか、その経過がかかる、ここが一つの今の課題になっているところは御理解いただきたいと思います。
それで、産後ケアの事業の一例としては、山口市では産科医療機関などに出向いて心身のケアや授乳相談、育児サポートを受けることができるデイサービス型、そして産科医療機関などで過ごしながら心身のケアや授乳相談、育児サポートを受けることができる宿泊型、それに加えて2023年8月からは、産科医療機関などに出向いて、授乳相談などを受けることができる母乳支援型、そして地域の助産師さんなどが御自宅や滞在先に訪問して、安心できる場所での心身のケアや授乳相談、育児サポートを受けることができる訪問型、この4種に拡大をして、24時間365日どこからでも申請ができるウェブ申請も導入して、料金においては、食費、おむつ代、雑費等を除いては無料です。そういう取組というのもされています。
各自治体、本当にいろいろ産後ケアには重きを置いてやっているのですけれども、この下関市でも、こういった柔軟な取組をもっと取り入れてはくれないのかと思いますけど、いかがでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
産後ママとベビーのためのケア事業に関しまして、今後の取組について御説明いたします。
本市といたしましては、事業が利用しやすいものとなるよう宿泊型サービスの利用形態の見直し、日帰り型サービスの受入れ施設の拡充、現在の本市が提供してございますのが宿泊型と日帰り型でございます。また、訪問型サービスの新設、利用者負担の軽減の4点について現在検討しているところでございます。
一方で、予約に当たりましての保健師等専門職の聞き取りにより、産婦の育児不安や心身の疲労などの状況を確認するお話をお聞きするというのは、非常に重要なことだと考えてございますので、お聞きした上でサービスにつなげていくということは、引き続き重要なものとして捉えてございます。
○井川典子君
今、これまでにずっと何年間というところで、産後ケアというのを行ってきているわけです。それで、その中で、いつもお母さんたちの要望、課題というところが、上位に上がってくるということは、まだまだこれは課題が多く、何かしらの新しい取組を行う必要というのがあるのだと私は感じております。
先ほども言いましたけれども、市からのアプローチはいっぱいあるけれど、ママからのアプローチを受ける体制を、ちょっと主眼を置いていただけないか。そういったことから考えると、ママからアプローチのできる母乳支援型であったり、宿泊型よりももっと気軽に利用ができるデイサービス型などの導入というのも急いでしていくべきではないでしょうか。
先ほど言われた寄り添うことを大切にするための電話相談、これはしっかりと、そのまま継続していってくださったらいいと思います。先ほど10件と言われましたけれども、つながった方には、きちんとそれで対応して、次の子育て支援につないであげる、それも大事だと思います。
でも、今の寄り添いというのはつながってからの寄り添いなので、もっと窓口を開くことによって、先ほどもお話ししたように利用を控えているママであったり、まだつながっていないお母さんへの利用というのを見込めるのではないでしょうか。また今まで拾えなかったケアの必要性のあるお母さん、ママにもアプローチできるような取組を、もう少し増やしてというか、そこにちょっと着目してほしいと思います。
山口市では、令和5年度に産後ケア事業を行う医療実施機関というのが、医療機関が13施設、助産院が12施設の25施設あります。現在、市においても産後ケア事業を行う医療機関、そして助産院を増やしていると伺っておりますけれども、この前も聞いたのですけれども、もう一度、これの市内市外、今の全体で施設の数、ちょっと教えてください。
○保健部長(八角 誠君)
本年4月から12月末までに契約した医療機関数、ケアを引き受けていただけるところの件数でございますが、市内の医療機関で3件、市外の医療機関で2件、合計5件でございます。
○井川典子君
これ今確認のために、お伺いをいたしました。施設数については一つでも増やしていくという努力もされていると思いますので、増えればそれはいいのではないかなと。でも、単に医療機関を増やすだけではなくて、空きベッドの利用ですから、内容の充実というのが前提なので、そのところはしっかりと、内容も含めてのお願いをしていただきたいと思います。
でも、それを考える中でもやはり医療機関を増やすというところは、安易なことではないのかなと。状況を見て、実際なかなか増えないという現実もあります。医療機関だけにこだわらずに、産後ケアという大きな視点から見ると、保育園や児童福祉施設など協力できる施設はほかにもあるのではないかと私は思うのです。それぞれの役割というのが違うということは承知をしていますけれども、公が主導して協力体制を取った場合は、それぞれの持つ強みというのが生かされて、そこが産後ケアの一つの大きな鍵になるのではないかと思うのです。
このように産後ケアを大きく捉えると、様々な支援というのが考えられるのですけれども、保健部さんが考えられるというか、行う領域というのでは、今の現状のケア事業と施設を増やして拡充すると捉えるのか。そこはどうですか。私も聞き取りする中で産後ケアといったら保健部なのです。そこの枠で苦しいことはないのですか。部長その辺はどうですか。
○保健部長(八角 誠君)
産後ケア、現在保健部で行ってございます事業は、やはり母子保健という観点で、事業実施をしているところでございますので、先ほど申しましたように、子育てで孤立することがないように、また産後鬱がないようにと、そういった視点での事業展開ということで、認識をしてございます。
○井川典子君
部長もちょっと言いにくいところもあるのかと思いますけれども、私は産後ケア支援の目的は、このママとか産婦とかお母さんとかという言葉がいろいろになってくるので、一応ママで統一はしたいと思っているのですけど、ママがほんの少しの手助けによって、地域で安心して生活ができるようになることを目指して、一人一人の状況というのは違うので、それに基づいて子育て支援サービスにつないであげる。
ママの身体的回復であったり、心理的な安定であったり、母子の愛着形成、そういったものも促して、母子とその家族が健やかな育児ができる、そういう支援をするところが産後ケアの目的ではないかと考えるのです。だから、産後ケアは保健部ですというふうな感覚で今決められているというか、その中での対応になるから、なかなかそこから抜け出せないのではないかと思うのです。
保健師さん、聞き取りでもお母さんたちにしっかりと寄り添って、状況をいろいろ聞かれている。それを理解されているということが私にも伝わってきました。その中で、保健師さんはお母さんとも医療機関とも話せるので、いろいろな課題というのは見えてくると思うのです。お母さんの課題の中から見えることは、保健部の領域を超えたこともあると思うのです。それは、保健師さんの報告では上がってきていると思うのですけれども、そこを網羅していく、施策として形にするというのは、やはり部局、そしてその部局の連携であって、こども未来部もそうだし、教育委員会もそうなることもあるだろうし、福祉部もそうだろうし、総合政策部ももちろん、私は入っての構築でないと、これからの産後ケアをかっちりとした体制は定まらないのかなと。医療機関が駄目と言ったら、そこでケアの内容というのは変わってくるのかな、落ちてくるのかな、進まないのかなと考えるわけです。
それで、総合政策部も福祉部も教育委員会もと言いましたけれども、私が今回通告しているところの部局は、こども未来部と保健部だったので、こども未来部の部長にもちょっとお聞きしたいのですけれども、こども未来部はそういったママの声とかもしっかりと聞かれていると思います。何を求められているかというのも御理解をしていらっしゃると思うのです。
例えば、相談機能の充実であれば、その対策、ここもというところがあると思うのですけど、その辺、山田部長どうでしょうか。
○こども未来部長(山田之彦君)
相談に関しましては、こちらのほうにいただければ、保健部のほうと連携してやっていきたいと考えております。
○井川典子君
来ればではないのです。仕掛けるのです。そこを前から、ずっと私は言っていて、来てくれればいいのです。来てくれる方へのアプローチというのはいろいろされているのです。そうではなくて、来れない、アプローチできないママからのアプローチをどう受けるかというところがやはり大事なのかな。その辺をもうちょっと理解していただきたいと思います。
4月に、下関市こども家庭センターの設置という組織編成もされるとの答弁を、6月の一般質問でいただいているので、そこにもすごく期待をしているところでございます。
連携のくくりで言いますと、今年、2023年10月に児童発達支援センターと小規模認可保育園の複合施設が開園をいたしました。これは、こども未来部、福祉部が部局を超えて協力体制を取ったことによって実現したものであります。運営は民間が行っていますけれども、これこそ公と民の連携の中に、部局を超えた新しい形があったからこそ、インクルーシブ社会の推進という大きな課題解決の一助に結びついた。そして、これは全国的にも珍しい取組になったと言えるのだと思います。部局が連携をして、未来に向けた子育ての環境の大きな課題にしっかりと立ち向かって、施策を立ててこられた。こういうことが大切ではないのかと思います。
急速に少子化が進んでいる中で、今でももう間に合っていない状況と言われることもあります。公だけでやっていくというのは難しいところもあります。柔軟に動ける民の力も借りて、公が主導して、官民一体となって取り組んでいくというのは、そういった方向のほうがいいのかとも思います。そのような背景も考慮しながら、新しい産後ケアの事業を加えてもらえないか。こども未来部と保健部だけでも、先ほど言ったような相談機能というところに関しては、できるのではないかと思いますけれども、もう、これだけをしたら時間がなくなってしまいますので一言ずつ、部長どうでしょうか。
○こども未来部長(山田之彦君)
ただいまの井川議員から御質問のありました、来たくても施設に来ていただけない保護者に対しては、今後、保健部等の関係部局と、また地域と連携して、直接御家庭に情報をお届けできるように、そのような仕組みづくりを考えていきたいと思っております。
○保健部長(八角 誠君)
保健部で行ってございます事業の中で、母子手帳の交付でございますとか、こんにちは赤ちゃん事業ということで、全ての妊婦の方とお会いできる、お話しするチャンスが保健部のほうにはございますので、その際にしっかりと、ためらわずに御相談いただけるというところを、しっかりお伝えできるようにやっていきたいと思います。
○井川典子君
お願いします。二つの部局だけではなく、いろいろなところが関係をして、しっかりとした産後ケアに新しい風を入れていただきたいと思います。
それから、先ほどからセンターができればというところをすごく言っているのですけれど、これは、センターができて、それを全部担うというようなことを言っているわけではなく、そこは誤解がないようにということをちょっと付け加えさせていただきます。
このようなケア事業についての周知、予約等というのは、どのような媒体で行っているのでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
産後ママとベビーのためのケア事業の周知ということで、お答えしたいと思いますけども、まずは母子手帳交付時の面談で、妊婦の状況把握に合わせて、全員に対して御説明を差し上げているところでございます。
広報媒体といたしましては、母子手帳アプリ「ふくふく母子モ」や市ホームページで周知啓発に努めているところでございます。
利用方法といたしましては、利用希望者から健康推進課に連絡をいただき、保健師等の専門職と相談しながら、サービスの利用につなげていくというような状況でございます。
○井川典子君
面談の際の説明というのも非常に大事だと思うし、それも継続してずっと続ける中でも、何で声が上がってくるかというと、これもちょっと参考にしていただきたいのですけれども、もっと敷居を下げて、利用しやすい形を工夫していくことではないかと思います。
相談内容の中には、誰に聞いていいか分からないとか、ちょっと聞きたい、ちょっと聞いてもらいたいというお母さんが多いようです。そのちょっとの相談が、このママの心を救うことが、本当に多くある。そういう面では、チャットやラインでの相談というのを取り入れることは、そういったお母さんの心を軽くしていくというのに、簡単につながっていける一つのツールではないかと思います。それを何でも相談してくださいという意味で言うのではなくて、そういった様々な、お母さんからのサインを拾い上げて、そして本題につながる一つの窓口としての機能を果たすようにしていただきたいと思います。利用状況のチェックであったり、ブラッシュアップを重ねて、よりよい情報発信をお願いしたいと思います。
それでは次に、産後レスパイトケアについての取組について、お伺いをいたします。産後レスパイトケアというのは、産後のママが、一時的に育児から解放されて心身を休めてリフレッシュできるための仕組みを意味します。
全国事例の一例としては、山梨県では推進モデル事業として、ホテルを利用した出張保健サービスや、保育施設を利用したショートステイサービスというのを行っております。本市での取組というのはどのようなものがあるか、教えてください。
○こども未来部長(山田之彦君)
本市では、産後のレスパイトケアを含め、保護者の育児疲れ等で養育が困難な場合に、一時的に児童福祉施設等で、子供を昼夜問わず預かるショートステイ事業や、子育ての援助をしたい市民が、保育施設、学校終了後などの預かりや、保育施設などへの送迎等を行うファミリーサポートセンター事業を実施しております。
これらの事業を御利用いただくことにより、産後の育児ストレスの低減が少しでも図れるものと考えております。
○井川典子君
それでは、今の事業の利用状況、そしてこの事業の周知や予約というような媒体でのことを教えてください。
○こども未来部長(山田之彦君)
産後レスパイトケアの利用状況、予約状況、周知方法についてお答えいたします。ショートステイ事業の実績は、令和3年度が65人、令和4年度が35人でございます。
予約方法は、利用要件の確認が必要であるため、市役所子育て政策課の窓口にお越しいただいての申込みとなります。
ファミリーサポートセンター事業の産前産後の支援などでの利用実績は、令和3年度が133件、令和4年度が62件でございます。
電話またはLINEでの予約となります。これらの事業については、市報や本市ホームページをはじめ、案内チラシにより制度の周知に努めております。
○井川典子君
国の基準のショートステイ事業とファミリーサポートセンターを挙げられたのですけれども、これは私の記憶では、利用がしにくいというお母さんからの声、その課題をいただいて、こども未来部で、新ショート・トワイライト事業というのを挙げられたと思うのです。これ、レスパイトに挙げられなかったというのはそれなりの理由があるのかもしれない。レスパイトだけではなくて、それは保育にも関わっているので、そういうことを、今ここでは、レスパイトだけにというところで、のけられたのかもしれませんけれども、私の今聞いている趣旨としては、そういったお母さんたちの課題に、市もこういう施策を立てて対応しているのですよという、何か意気込みというか、そういったところを、私も引き出したかったのです。その中では、やはりこの新ショート・トワイライト事業というのは、もっと言ってもいいのではないかなと思います。
これは、国の基準のショートステイ事業というのは、夜勤を理由とする場合では会社の証明が要るし、出張では証明が要る。病児の病気の場合は、そういった診断書が要る。平日の5時までに、窓口に連絡してください。そういうところでお母さんたちが使いにくい。そういうところで部局は、新ショート・トワイライト事業は、何の形式でも、すぐに行って利用できますよというところを出されたのではないですか。そういったところもPRしてほしいと思います。
そして、さっきの事業の利用人数が、半数近く減っている。それはコロナもあると思うのですけれども、一概にそれだけではないと思います。そういった原因を踏まえて、次のアプローチというのは、部長考えられていますか。
○こども未来部長(山田之彦君)
先ほど議員から御紹介いただきました新ショートト・ワイライトステイ事業、これは預かりの理由を問わずに御利用いただける事業で、非常に使い勝手のいい事業となっております。
しかし、利用料金が高い等、そういった課題等があり、利用件数が伸び悩んでいる。そういった実態もございます。今後、金銭的負担を軽減するなど、利用しやすい制度になるように検討していきたいと思っております。
○井川典子君
今の新ショートの分は、あれができたのがもう何年も前です。それで、改善というのはずっとしていったほうがいいという答えだと思うのですけど、私が今聞いたのは、そういった現状、部局が言われた国基準のショートステイ事業であったり、ファミリーサポートセンターの利用状況も少なくなっていくという中で、次の手だてというのは考えているのですかということを聞きたかったのですけど、多分その具体的なものがなかったので、今の新ショートのところのお答えにいったんだと思いますので、分かりました。
でも、子育て世帯数というのは、今2万2,000世帯あるのです。その利用の人数から見ると、これだけの取組では本当に少ないということは御理解されているのだと思います。ニーズはもっと多いと思いますので、そういった様々な面から、新ショートの改善もそうだし、また違うところもやるんだというところで、取組の種類も増やしていくというところは求められていると思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは続きまして、保護者支援の現状と課題についてお伺いをいたします。保護者の子育ての孤立化を防ぐための一つの手段として、一時保育が考えられます。一時保育における子育て相談事業の拡大については、どのようにお考えでしょうか。保育事業者側の課題も含めてお答えいただきたいと思います。
部長、時間があまりないので、ここでの思いはすごく私も聞き取りの中であったので、分かるのですけれども、なるべく要約をして、お願いいたします。
○こども未来部長(山田之彦君)
それでは一時保育、いわゆる一時預かり事業について、行っている施設ごとに御説明いたします。
まず、一時預かり事業は、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児を、認定こども園や保育所等で一時的に預かる事業で、保護者の出産や病気、就労等の理由以外に、レスパイト利用など、子育て負担を軽減する目的での利用も可能でございます。
本市における一時預かり事業の現状は、令和元年度の利用者が5,497人であったのに対し、直近の令和4年度は2,739人にまで減っております。
これは新型コロナウイルス感染症による影響もありますが、大きな要因としては、令和2年4月に本市で初めて国の基準による待機児童が発生したことで、通常の保育事業への保育士確保を優先せざるを得なくなりました。その結果、一時預かり事業への十分な保育士の配置が難しくなっており、保護者からの要望に十分に応えられていない状況でございます。
全国的に保育士不足が続いている状況ではございますが、今後も一層の保育士確保に努め、国の「こども誰でも通園制度」の本格実施を見据えて、体制を整えていきたいと考えております。
続きまして、相談支援事業の窓口として、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安や悩みを相談できる子育て支援センターについてお答えいたします。市内25か所、15施設ございます。
子育て支援センターには、育児・保育についての知識や経験を有し、地域の子育て事情に精通している指導員を配置しております。課題として、活動内容についての周知不足により、保護者の方に施設の役割が十分に認知されておらず、子育ての不安や悩みに対しての相談件数が伸び悩んでいることがございます。
このため、今年度から新たな取組として、一部の子育て支援センターにおいて、きらめきネットを活用した情報発信を開始し、地域の子育て家庭の情報に精通している保健センターなどと連携することにより、子育て支援センターの活動内容を知っていただき、相談及び指導の増加に努めてまいりたいと考えております。
最後にもう一つ、お答えいたします。ふくふくこども館についてでございます。一時預かり事業と相談事業を行っているふくふくこども館においては、保育の課題は、低年齢児を安全に保育するために、受入れ可能な人数が限られてしまうため、予約が重なると、人数調整をしないといけなくなる状態になることでございます。
なお、館内で疲れた表情の保護者を見かけた際には、職員が、一時預かり事業を御利用しませんかなどの声かけを行い、一時預かり事業と相談事業の利用を促すことで、育児の悩みを抱えながらも、相談できずに苦悩する保護者の負担を少しでも軽減できるように努めております。
○井川典子君
今のお答え、三つのブロックに分けて説明してくれたのですけれども、令和2年4月に、本市で初めて国の基準による待機児童が発生した。だから、預かりというものを提言しているのですと言われたことに関しては、ちょっと私は違うと思います。
それよりも前から、下関市では、保育園に入れない待機児童というのはいたのではないですか。国の基準でというところ、その待機児童について今言うと、時間になるのでちょっとそこはもう言いません。
令和2年度から急に一時預かりの利用者が減少したのは、そこを理由に挙げるというのはちょっとどうかと思います。それから、保育士不足については、ずっと質問にも挙げさせていただいていますけれども、そういった背景、本当に保育士さんが減少しているという、そこを何で減るのかというところをもっと市も意見聴取とかもしていったほうがいいと思いますし、保育科に進学して保育士を取得する学生というのがすごく減っているというところも本当に耳にするのです。保育士の育成が一時保育であったり、待機児童対策の解決の一助となるというのを担うとするならば、市が主導して保育士の育成を行うというような取組も必要になってくるのではないかと考えます。
だから、その点についても、しっかりとこうですよと言える背景というか、聞き取りでもあったり、そこの状況、背景をしっかりと市が理解していくというところが、私は必要なのではないかなと思います。
それから、地域の事情に精通している、しっかりとした知識も有している指導員を配置しているというところですけれども、そこはすばらしいと思います。でも、そこで、周知というところに関しては、課題が出ているということでしたら、そこにはやはり課題というのがある。それは、周知の不足が課題というところではないのではないかと私は思うのです。この指導員の質の担保に係る取組という部分についても、伺いたかったのですけれども、またそれは次のことにしますけれども、こういう施設というところで、すごくいい取組とかがなされたら、お母さんたちの口コミというのはすごいのですよ。そこに絶対に行きたいというところがすごくあるので、そういったところで、何でそういう周知がされないのかというところの課題というのは、もう一度ちょっと考えていただきたい、見つけていただきたいと思います。
そして、ふくふくこども館での声かけ、これは一つの手段というのはあると思います。でも、私が前から言っていて、さっきからずっと言いたいというところなのですけれども、施設に足を運んだママはいいんですよ。自宅の外にも出ていかない、そういったママに対してのアプローチはどうするのか、そういうところに目を向けていく。この層というのが本当に多いのです。ここへのアプローチ、これの対策を取るというところは、やはり行政の仕事なのかなと。それをどういうふうにしたらいいかというところは、本当にお母さんたちに意見を聞いたら、いろいろなアイデアとか、こうしていったらいいというのがすごく出ます。
もう時間がないので、このアンケート調査、それから情報発信として、お母さんたちの使うツールとしてはSNSが本当に多い。これを踏まえた情報発信というのを行っているかというところで、本当に部局は市報であったり、ホームページであったり、アプリであったり、いろいろな広報についてのツールを使って、仕掛けているという答えもいただいております。
本当に広報というのは難しいと思います。いろいろな方法を試されている。それも理解します。でも、一方ではアプリは重たいから、もうアンインストールしたという声もあるし、使いやすい環境づくりというのに、今後もずっと努めていっていただきたいなと思います。
次の質問に移りますけれども、子育て支援施策というのは一つ一つの施策を単体で行うのではなくて、このゼロ歳から18歳までのつながった包括的な取組が必要であるということをずっと言ってきて、それというのはもう皆さんの共通認識になったものと理解をしております。
部局も、何年も言っている間に、ライフステージの見直しというのもされていると思います。それの中で見えてきたこととか、新しい取組というのはあるのでしょうか。
○こども未来部長(山田之彦君)
議員おっしゃられましたように、本市では、安心して子供を産み育てていけるように、デジタル技術を活用した上で、妊娠、出産、子育てなどのライフステージに応じた取組を進めてまいります。
今年度は10月から病児保育予約サービスを開始し、電話対応が中心であった空き状況の確認や予約を、スマートフォンで24時間簡単に行える仕組みづくりを行いました。11月からは、妊産婦のための「しもまちBABYタクシー事業」を開始しております。
また10月から、子ども医療費助成制度を拡充し、小・中学生に対する医療保険適用の自己負担分を全額助成しております。それに加え、高校生等の入院に係る医療費の無償化も実現しているところでございます。
さらに、子ども・子育てに関する次期計画である“For Kids”プラン2025は、子ども・若者計画を新たに加え、切れ目のない長期的かつ包括的な子育て政策の計画として策定する予定でございます。
○井川典子君
市長が昨日も御答弁されたように、For Kids For Future、子育て政策だけをやっていればいいのかというぐらい、子育ての支援策には意気込みを感じる。そして、そういった市長の言われる中で、どんどん施策を、市長がこれもこれもこれも、これはどうなのかと言うぐらいに、どんどん部局も出していって、それを受けていかれるという市長の腹積もりはあるのだという覚悟というものは、私に伝わったのです。だからもっともっと部局は挙げてほしい。具体的なものを挙げてほしいと願うのですけれども、ソフト面からの支援というのは、しっかりと今もやられていると言っておられました。でも先ほどから課題に挙がっているハード面の問題解決に向けても、しっかりと取り組んでいただきたいです。
そして、“For Kids”プラン2025の策定に当たっては、前回も言ってきましたけれども、具体的なものをしっかりと挙げてください。そして子育て審議会、本当にここでの意見聴取というのをしっかりとしてほしい。今これをされているのですよね。そこで、2020のときと比べて、この背景はどう変わって、これに対してはこうしていくんだというようなところを、しっかりと聴取してほしい。そして市民も巻き込んで、いろいろな立場からアイデアを聴取できる場を設けて、計画に臨んでもらいたい。もう1年、短いです。
今の積み重ねというのがあるものとして、私も言っていますけれども、その辺の状況というのもお聞きしたかったのですけれども、もう時間がないので、それはしっかりと子育て審議会で意見聴取、そして議論、協議をされていると思います。それはされていますよね。ちょっとそこだけ。されているか、されていないかだけ。
○こども未来部長(山田之彦君)
まだ、今年度が始まったばかりでして、また来年度も含めてですけど、今から確実にしていく、そのような所存でございます。
○井川典子君
それでは今からするということをお約束いただきまして、最後の質問でございます。少子高齢化に拍車がかかっていく中、この今の現状の中で、昨日も出生率は県内16位、19市町で16位とされていたということも聞きましたけれども、現状を諦めるのではなくて、いろいろなアイデア、施策を出して、市としてできるもの全てを打ち出して、少しでも前に進んでいけるように取り組んでいくべきであると考えますし、皆様もそうだと思います。
今の課題、これからの課題、これをもう重視しなければいけないというものに対して、市の子育て環境の充実を実現するためには、官民の専門家の支援であったり、個々に応じた支援、行政からの支援、そして子供を取り巻く大人の支援、これらの内容というものをしっかりとつくり上げてほしい。対応とその仕組みづくりが、しっかりとしたものでなければいけない。下関の現状を踏まえて、描いた未来に向けてどのような支援が必要とされていると思いますか。未来を描いていますか。部長どうでしょうか。
○こども未来部長(山田之彦君)
本市では、子育てを強力に支援する施策を、今までも実施し、子育てしやすい環境を整えてきたつもりでございます。
また、今後の人口減少を踏まえた子育て支援の取組として、近隣市への人口流出を抑制するためにも、まずは多子世帯への経済的負担の軽減を最優先で実施すべきと考えております。そのため、令和6年度からの第2子以降保育料無償化の実施に向け準備を進めているところでございます。
また、来年度には、妊娠期から子育て期まで一体的に切れ目のない支援を行えるように、先ほど、議員のほうからも紹介していただきました、こども家庭支援センターの設置を予定しております。今後も関係部局との連携を強化しながら、包括的な子育て支援に取り組んでまいります。
また、本市の子育て支援の取組につきましては、先ほども申し上げたとおり、“For Kids”プラン2025を策定する過程において、切れ目のない長期的かつ包括的な子育ての計画として策定してまいります。今後、関係部局、関係機関と連携の上、計画の実現に取り組んでまいります。
○井川典子君
子育て支援、強力に推進してまいったということですけれども、一生懸命されているというところは、私は否定はしません。でも、実際に出生率が増加したのでしょうか。また、その施策の実施によって、人口流入は何%増えて、また人口の流出は何%抑えられているのでしょうか。私は、ここは部局だからこそシビアに見てほしいのです。そういったところも、きちんと踏まえて、具体的施策というものを立ててほしいと思います。
第2子保育料の無償化についても、出生率向上に向けての取組であって、そういうところをきちんと押さえられているというところは、私も理解をしています。
今回、私が包括的なかつ切れ目のない子育て支援の在り方という大題で質問をさせていただきました。課題というところは絞ったものもあるし、大きい面でもとしましたけれども、それの答えというものは、包括的な切れ目のない支援を心がけていきます、やっていきますという答えです。ちょっとおかしくないかなと思ったのですけど。やはり具体的なものを挙げていないと響かないのです。熱意を感じられないのです。やっていることはすばらしくやっているのだけれど、まだ形にはなってはいないけれど、こういったものにすごく取り組んでいるのですという思いというか、そういったものを、私はすごく感じたいのです。
だから、今回産後ケアにしても、8年間、答申が出て、もう5年間、その中で少しでも、ママからのアプローチというところに対してはこうしていますとか、新ショート・トワイライトもこうやってつくったけれど、それに、こういう課題も出てきたからこうやってやるんですと、さっき部長は言われました。そういうところをもっと自信を持ってお母さんたちにも言って、そしてお母さんたちは待っていますから、ちゃんとしてくれれば、きちんと受け止めてくれると思います。
少子化が進んで保育士も不足する、いろいろこれから統合とか減少とか整理していく施策もあると思いますけれども、出生率を上げる母親への支援策と、両方というものをしっかりとやっていかなければいけないと思います。必ずお母さんが希望を持てる子育て環境である下関にしていただきたいということを願いまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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