録画放映

第4回定例会
12月13日(水) 本会議(一般質問1日目)
公明党市議団
秋月 美佐子 議員
1.農業の担い手を支援する取組について
2.飼い主のいない猫について
【下関市議会 本会議確定版】

○議長(香川昌則君)
 2番、秋月美佐子議員。(拍手)
〔秋月美佐子君登壇〕
○秋月美佐子君
 公明党の秋月美佐子と申します。よろしくお願いいたします。
〔手話を交えながら発言〕
○秋月美佐子君
本日は、農業の担い手を支援する取組について、まずお尋ねをさせていただきます。農家の現状についてでございます。
急速に進む少子高齢化により、様々な分野で担い手不足が深刻な問題となっています。特に、人間が健康で生きていくために必要不可欠な食を支えている農業は、絶対に守らなければならない分野と思います。本市における農家の現状を確認したいと思います。
最初の質問です。本市の農家の数の推移と担い手の年齢層をお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 農家数の推移と担い手の年齢層についてお答えいたします。下関市内の総農家数は、農林業センサスでは、令和2年は3,521戸、その前の平成27年は4,581戸、平成22年は5,368戸であり、年々減少傾向にあります。
令和2年の農業経営体のうち、基幹的農業従事者の割合を見ますと、65歳以上の従事者は、総従事者の約8割を占めております。農業従事者の高齢化が進む中で、新規就農者や農業後継者の確保、集落営農の組織化を図ることが必要と考えております。
○秋月美佐子君
 こちらの表を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
ただいま説明を受けましたが、本市のホームページに示された令和2年時点の農家数の推移を棒グラフにしたものです。説明がありましたように、減少している状況が顕著に分かります。特に、自給的農家より販売農家の減少が深刻です。平成22年から令和2年の5年ごとのデータが示されていますが、この10年間で自給的農家は129戸減少、一方で、販売農家は1,718戸も減少しています。
また減少の幅は、自給的農家は最初の5年間は33戸減、次の5年間は96戸減、販売農家は、最初の5年間は754戸減、次の5年間は964戸減となっています。いずれも減少が加速している現状が分かります。
次のグラフです。この表は、同じく本市のホームページに示された農家の担い手の年齢層のグラフです。もう一目瞭然、これを見たときに私は大変ショックを受けたのですけれども、70歳の方が最も多く、問題は60歳以下の担い手がほとんどいない現状です。高齢者によって、本市の農業が支えられていることがよく分かります。
次の質問です。認定農業者の説明と状況をお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 認定農業者についてお答えいたします。認定農業者とは、農業経営基盤強化促進法に基づきまして、農業経営改善計画を作成し、効率的かつ安定的な農業経営の目標を実現できるとして、市町村が認定した農業者等のことであります。
本市におきましても、地域農業の持続的な発展とこれからの農業の担い手として、経営改善に意欲的な農業者を認定しております。
次に、認定農業者の数についてでございますが、高齢化や担い手不足が進む中で、平成30年度末現在256経営体、うち集落営農法人が36法人であり、令和4年度末現在242経営体、そのうち集落営農法人が35法人となっております。
○秋月美佐子君
 意欲的な農業者を認定農業者に認定して、市が重点的に支援していく制度と理解いたしました。
では次の質問です。その担い手を支援する本市の取組はどのようなものがありますでしょうか。また、その成果についてお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
担い手を支援する取組とその成果についてお答えいたします。
現在、農業従事者の減少・高齢化が急速に進む中で、地域を支える新たな担い手の確保・育成が喫緊の課題であると認識しております。新規就農者や農業後継者の確保の取組といたしまして、首都圏等における就農相談会へ参加し、本市での就農を呼びかけるとともに、本市独自の事業としまして、就農希望者に対しまして、市内の指導農家の下で実際の農業を体験できる場を提供する「あぐりチャレンジ推進事業」を実施するほか、国・県の事業を活用して、農業技術を習得するための長期研修時や経営職員に係る費用への支援を行っております。
令和4年度「あぐりチャレンジ推進事業」では、体験希望者と指導農家とのマッチングを行い、アスパラガス、梨、イチゴの品目において、4名の方が農業就業体験を行われております。
さらに労働力不足が深刻化する中、農作業の省力化や負担軽減を図るため、ロボット、AI、IoTなど、先端技術を活用するスマート農機の導入支援を実施しております。
また、令和5年度からは市単独事業として、新たな農業経営者等育成実践モデル事業において、独立就農を目指す移住就農者を雇用して育成する農業法人等に対して、事務所開設支援を行うとともに、その法人に就業した移住就農者に対して、住宅改修や家賃への支援を行っております。
このような担い手を支援する各種施策を講じることで、認定農業者数は令和3年度末231経営体から令和4年度末242経営体へと増加に転じております。
今後も、県、JA等関係機関と一体となり、新規就農者や農業後継者の確保、集落営農の組織化、就農相談から機械等整備事業まで、多岐にわたる担い手支援策を講じてまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 本当に様々事業立てをして、新規就農者、そういう農業者を増やす取組が行われていることは、本当に期待が持てると思います。
聞き取りのときに確認したのですけれども、皆様意欲を持って、農業を務められているというのは、認定農業者の方が、聞き取りのときは令和3年から4年までの1年間の状況では、13経営体が減っていたと。それが、施策がうまくいっているのか、令和4年には今増加傾向にあるという説明をいただきまして、少し安心いたしました。
ほとんどの、今聞きました支援が、新しい方に、できるだけ来ていただく取組になっているかと思うのですけれども、なかなか現場の声を聞きますと、農業というのは季節がありますので、1年間に一つの季節に一つのことしか学べない、実践できない。ですから、たとえ3年、5年と研修を受けても、3年の方は同じことをたった3回、年に1回ですから、5年あっても5回しか経験できないということで、なかなか本当に習得できるまでというのが、年数がかかるものだと聞いております。短期ではなく、就農者を根づかせるためにも、長期の支援をしていただいて、農業の技術の引継ぎというか習得ができるように支えていただけたらと思います。
今年度の施策が、最終的には成果は年度が終わってからになると思いますが、減少の歯止めになっていることをさらに期待したいと思います。
一方で、ちょっと気になりますのが、スマート農業の推進とかで、意欲的な認定農業者の方々に農機具の購入等の支援が行われていると思います。でも、その意欲的な認定農業者の方といっても、やはりその方々の年齢が気になります。高機能の農業用機器を購入するのに、補助を受けてもかなり大きな自己負担があると思います。自然相手の仕事なので、様々な要因で見込んだ収穫が得られないこともあると思います。さらに、世界的な経済状況の影響による肥料や燃料の高騰もございます。肥料につきましては、複数の方から、市と県からの補助金が本当に助かったという声を聞いております。今後も、農業者の皆様が意欲的になっていけるよう、さらなる支援をお願いいたします。
そしてもう一つ要望でございます。高齢化や担い手不足が進む中、今申し上げましたように、スマート農業技術の活動による農地の大区画化を進める計画の方向性は分かりますが、すぐには実現できません。ちょうど今内日地域の圃場整備が進んでおりますが、計画から5年目にして、ようやく工事にかかれたと聞きました。整備が完了し、作物が収穫できるまでさらに時間を要します。また旧豊浦郡四町は、中山間地域が多く、豊田町や豊北町では、点在する離農された方々の土地を契約によって借り受け、耕作を続けているのが実情です。聞き取りのときに、認定農業者でない販売農家がどれぐらいあるかとお尋ねしましたが、明確な回答が得られませんでした。
本市の施策は、意欲的な農業者を支援対象としていますが、市だけではなく、国もそうなのですけれども、規模の大きい法人に対する施策はありますが、販売農家といっても、比較的小規模な農家に対する支援がないように思われます。また、ある程度の規模を持っていても、認定を受けていない農家もあります。ある農家さんは「認定を受けようと思ったが、いろいろな制約が合わないので受けなかった」とおっしゃっていました。制約の見直しが必要ではないでしょうか。
また、私に相談された方のお話では、その方は認定農業者ですが、認定農業者の会ではアンケートがあるそうです。でも、そのアンケートがどのように活用されているのかが分からないとのことです。説明会などでもう少し丁寧に教えてほしいという声があります。また、認定農業者でない方へのアンケートはもちろんありませんので、要望を伝える機会がないともおっしゃっていました。
私自身が農業者ではないのと、勉強不足で、適切な要望ができないのが心苦しいのですが、スマート農業への大きな目標を推進しながら、認定農業者でない販売農家の方々の声も聞いていただいて、農家の実情に合ったさらなる支援をお願いしたいと思います。
次の質問に移ります。農業インフラ(用排水路、ため池)の整備についてでございます。高齢化や離農によって、維持管理が困難になった農村の環境保全の取組はどのようになされていますでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 高齢化や離農によって維持管理が困難になった農村の環境保全の取組といたしましては、「多面的機能支援事業」及び「中山間地域等直接支払推進事業」により、用排水路やため池などの農業用施設を維持管理するための地域活動などに対し、交付金を支給し、農村の環境保全に取り組んでおります。
まず、多面的機能支援事業につきましては、市内全域で26組織、約4,500ヘクタールの農地で取り組んでおります。それから次に、中山間地域等直接支払推進事業につきましては、市内全体で101の協定(組織)、約2,000ヘクタールの農地で取り組んでおります。
また、高齢化や離農によって維持管理が困難となり、利用されない農業用ため池につきましては、地域の防災リスクを除去するため、ため池に水がたまらないよう、堤体を切開する廃止工事を行っております。
○秋月美佐子君
 今お話しいただいた点で、ため池についてですけれども、利用しないため池がもう使われないので、ちゃんと整備をして管理しているということだったのですけれども……。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
 こちらの写真は、豊北町粟野の用水路の上の道路ですけれども、この道路の右側には山の斜面がありまして、ちょうどその奥に使われないため池があります。そこは個人の土地なのですけれども、使われなくなったということで、私も入ってみたのですが、大きな土のうがどんと置いてありました。でも、大雨が降って、最近は雨の状況が尋常ではないので、その大きな土のうが経年劣化で崩れて、結局はそこにたまった土砂が一緒になって、雨が降るたびに、この道路のほうに押し寄せてくるそうです。この柵があるのですけれども、このところに小さい土のうを総合支所の方が積んではくれたけれども、それを超えてやはり土砂がたまると。道路のほうも雨が降るたびに、この住民の方が掃除をしていらっしゃるのですが、この道路の下には、このようにずっと用水路があります。圃場整備がされていますので、耕作地は広くて真っすぐ続いているのですが、それに沿うように、延々と続いている用水路があります。この用水路を、実は85歳の男性が1人で管理していらっしゃいます。その方から相談を受けましたが、御近所の方の様子を伺うと、近所の方もお年でもう無理だと。農繁期には息子さんが帰ってきて、草刈りなどを手伝ってくれるけれども、雨のたびに埋まる用水路まではできない。この85歳の男性も腰が悪くなってきて限界が来ているので、どうにか助けてほしいという御相談でございました。
このように、延々と続く用水路、これもほぼ農作業ではなく土木工事に匹敵すると思います。
もう一つ次の写真、これも豊北町の田耕の写真でございますが、ちょうどこれはゴールデンウイークの頃の写真です。田植の準備で田に水を引くため、用水路の整備をしているところですが、この地域は川から水を引いていますが、川まで約1キロも水路を整備しなければなりません。写真のように、1年たつと、どこに水路があるか分からないほど、ここは土で埋もれています。
次の写真、これは土砂で埋もれています。このように、延々と山のほうの川のところまで続いて埋まっている状態です。このところは、昨年までは5軒の農家の方が共同で作業していましたが、2軒の方が離農されて、1軒の方は御主人が亡くなって、奥さんが農業を継がれていますけれども、女性ですので水路の整備までが難しい。もう1軒の方は腰を痛めてできない。残ったのは、写真にあるこのお一人だけです。今年に限っては、地元の土木会社の方にお願いして、ボランティアで整備をしてもらって、どうにか田植に間に合いました。
安心したのもつかの間、今度は7月の豪雨で、水路は前以上に埋まっています。水がないと作物は育てられません。自己負担金を払ってでもいいので、3軒で負担するからと早急に復旧工事をお願いしたそうですが、結局、収穫まで間に合わなかったと。今回は収穫が半分しかできなかったという実情がございます。
私は、この件は9月の議会でも災害復旧の支援ということで要望いたしましたが、山口市では県内でも早くから法定外公共物のうち、用水路などの整備については、自己負担金はゼロで対応してくれるとなっています。市町が違うと状況も違うと思うのですけれども、やはり水がなければ農業ができません。用水路の整備を支援することは、農家の皆さんが切望されていることと思います。
私がお話を伺った方々は口々に言われていました。「田植や草刈りは機械でできるから、年を取っても腰を傷めてもどうにかできる。でも土木作業は無理だ。用水路の整備さえしてもらえたら、まだまだ農業を続けられる」とおっしゃっていました。
高齢者が安心して住み慣れた地域で生活できるように、本市も様々な対策を講じています。さきに示したグラフのように、今この下関の農業を支えているのは70歳以上の方々です。新しく移住者が来られても、若い担い手を育てることができるのも、この長年経験を積み上げてきた70歳以上の方々です。
私ごとで恐縮でございますが、義理の父がおととい誕生日で、93歳になりました。農業がしたいと、退職後に長府から豊田町に移り住んだ人です。88歳まで畑仕事をしていたときは足腰がしっかりしていましたが、やめた途端に半年もしないうちに、足元がふらつきだしました。自分の家で生活したいと、現在も豊田町で独り暮らしを頑張っていますが、どうにか足腰を保ってもらえたらいいと思っています。
私が申し上げたいのは、農業は仕事でもあり、生きがいでもあるということです。農業を営む高齢者の方々が、1年でも長く農業ができるように支えていただくことは、高齢者を支援する最大のことになると思いますし、先ほど、認定農業者でない販売農業者の支援をと要望いたしましたが、その第一歩として、この用水路の整備支援をよろしくお願いしたいと思います。
次の質問に移らせていただきます。次は、有害鳥獣対策についてです。これも3月の議会で示された有害鳥獣捕獲業務として、鹿の集中捕獲対策が3,540頭を目標に行われていると思います。業務の進捗状況と今後の展望をお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 事業の進捗状況と今後の展望についてお答えいたします。ただいま議員の発言にありました現在の捕獲目標を達成しても、生息個体数が減少しないのではという御意見もあることは認識しております。
本市としましては、令和5年度に市独自の指定管理鳥獣集中捕獲対策事業において、令和3年度の捕獲頭数である2,214頭の約1.6倍に当たる3,540頭を鹿の捕獲目標頭数として、捕獲活動の強化を進めております。
引き続き、農林作物等の被害軽減に向けて、山口県等関係機関と連携をしながら、有害鳥獣の捕獲活動のための捕獲奨励金の確保や侵入防止柵の整備をさらに進めて、捕獲と防護の両面から様々な対策に努めてまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 まだ年度途中ですので、成果を示すのは難しいということは分かりました。3月議会で私が質問させていただいたとき、今お話がありましたように、この3,540頭の目標の根拠は、たしか山口県として本年度1万頭を目標にしていると。下関としては、この3,540頭がノルマのような感じで設定していると記憶しているのですけれども、そのとき本当に私は県で1万頭の目標が達成できれば、鹿の増殖が制御できるのだと思っていました。ところが、先日、公明党の県本部として、県の猟友会の方から御要望を伺ったときに、ちょっと本当にショックだったのですが、現在山口県には、約4万頭の鹿が生息していて、1万頭の目標が達成できても減らすのはかなり難しいという答えを聞きました。
さらに今、鹿だけではなく、先ほどもお話があったのですけれども、豊北町ではイノシシの被害が尋常ではないと聞きました。農業されている方にお聞きすると、イノシシは、電子柵を二重にしてもその下を潜ってくるので侵入が防げないと。畑に侵入する対策が本当にお手上げの状態だということで、困っていらっしゃいました。
この鳥獣害について、猟友会の方たちの後継者支援もしっかりしていただきたいと思いますが、さらなる対策といっても本当に簡単ではないと思うのですけれども、また先ほどの要望に戻ってしまいますが、農業者を支援することで、離農者を防ぎ、遊休農地を防ぐということは、この有害鳥獣対策にもなるのではないかと思いますので、また来年度へ向けて、引き続き検討をよろしくお願いいたします。
要望ばかりになってしまいまして大変恐縮でございますが、農業に関する最後の質問です。女性活躍の明るい話題に移りたいと思います。
農村女性起業活動への支援について、先日、私は下関地域農山漁村女性の集いに参加させていただきました。活動報告など各分野での女性の活躍を聞いて、大変頼もしい思いがしました。農業従事者の約半数を占める女性の活躍は、今後ますます期待されると思いますが、本市の支援はどのようになっていますでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 その前にちょっと、先ほど令和3年度の捕獲頭数を2,274頭と申しましたが、2,174頭の間違いでございました。すみません。
それでは、農村女性起業活動への支援についてお答えいたします。
現在、市内では農業従事者の高齢化・減少が進む中で、農業従事者のうち、約半数を女性が占められております。市内の農業生産の重要な担い手である女性農業者の活躍を支援することは重要な課題であると認識しております。
市内では現在10のグループと個人の方が地元の食材を使いまして、漬物、餅、こんにゃく、ジャムなどの加工品を作られております。本市の支援策としましては、農産物の加工・販売を推進する単市事業として、6次産業化推進事業を実施しておりまして、多くの女性起業グループに御活用いただいているところでございます。
本事業は、地元農産物を活用して、新たな加工品開発等に取り組む市内の農業生産者団体等に対して、必要な経費の一部を補助するもので、平成25年度から実施しておりますが、本事業による加工品の製造機器等の導入により、製造された製品が地元の直売所等でも販売されております。
今後とも、地域資源の維持管理、農村コミュニティーの維持が図られ、地域全体としての発展に結びつくよう、女性農業者の積極的な地域農業への参加・協力を促進するとともに、農村女性起業活動を支援してまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
 私も道の駅巡りが大好きなのですが、農産物の加工コーナーに行くと、おいしそうなものがたくさんあってつい買い込んでしまいます。
女性のアイデアはすばらしいです。生活者目線で作られているから好評なのだと思います。漬物や手作りこんにゃく、ジャムなど、手のかかるものばかりなので、少しでも売上げアップができたらいいと思うのですが、ここでちょっと御紹介させていただきます。
先日の女性の集いでの話ですが、皆さんは「ヤサイコトバ」というのを御存じでしょうか。私も女性の集いに参加して初めて知ったのですが、この講演の講師を務められた、野菜ソムリエ上級プロの西川満希子さんが作られた言葉です。この西川さんは周南市の方で、テレビ出演もされていますので御存じの方もあると思いますが、このヤサイコトバというのは花言葉みたいなもので、野菜に一つ一つ言葉をつけるのです。
例えば、ネギは薬味として使われるので、ヤサイコトバは「あなたを守りたい」。毒からあなたを守るということで、ネギのヤサイコトバは「あなたを守りたい」。枝豆は「有り難うお父さん」。ちょうど父の日のあたりにこの枝豆が収穫されるのと、枝つきの枝豆は最後まで子供たちに栄養を送り続けるからだそうです。事例があったのですけれども、里芋、今のちょうど受験シーズンにぴったりなのですが、この里芋のヤサイコトバは「努力の実り」だそうです。この努力の実りというのは、里芋は栽培される土の味が反映されるということで土の力――土力の当て字で「努力する」を土力に換えて「努力の実り」とつけたそうです。
周南の道の駅で野菜を販売するときに、このヤサイコトバのシールを貼って売ると高値で売れるという実績がありまして、紹介されました。この里芋も、シールを貼っていない通常の里芋を300円で置いて、その隣にこの「努力の実り」のシールを貼った里芋を1.5倍の450円で並べておいたところ、受験生へのプレゼントにするからといって、すぐに完売したそうです。この450円のほうが先に完売したということがあります。
これを聞いたときに、要するにブランド化というのですけれども、少しでも付加価値をつけて、里芋というお野菜であっても、ただ自家消費するのではなく、プレゼントになるという、この発想は女性でないと出ないのではないかと思いました。女性の発想はすばらしいので、ぜひシールを作るとかいろいろな機械も要るかと思いますが、これからも引き続き、女性起業活動への支援をよろしくお願いいたしまして、次の質問項目に移らせていただきます。
農業に関しては以上ですけれども、よろしいですか。何かあれば。
○農林水産振興部長(植木純治君)
 度々すみません。先ほど訂正を申し上げたのですけれども、令和3年度の捕獲頭数は先ほど2,214頭と申しましたが、2,274頭の間違いでございました。どうもすみません。
○秋月美佐子君
正確にありがとうございます。では次の項目です。
 飼い主のいない猫についてでございます。飼い主のいない猫の問題については、これまでも何人もの議員が取り上げてきた問題ですが、なかなか解決に至りません。私も過去の議事録を読みましたが、人の思いは様々で、理解し合うのは容易でないと感じました。
先月、創世下関さんと公明党市議団の会派で京都市に視察に行ってまいりました。京都市は、まちねこ活動支援事業が進んでいるようで、本市の参考になればと思い、事例を紹介しながら質問したいと思います。
それではまず、本市の状況を確認させてください。最初の質問です。猫が要因のトラブルについて、センターに寄せられる、猫が要因のトラブルの状況をお示しください。
○保健部長(八角 誠君)
 本市における猫に起因する主な苦情内容と、苦情の対応件数についてお答えいたします。
主な苦情内容につきましては、ふん尿被害、飼い主のいない猫への餌やり、それから繁殖に係る苦情などがございます。苦情の対応件数につきましては、記録を取っているものとして、実際に現場に赴く等の対応を行った件数となりますけれども、年間200件程度となってございます。
○秋月美佐子君
 私の知っている地域でも、猫が要因で町内を二分するトラブルになっています。猫派、嫌い派。そもそも猫が好きでない方からすれば、苦痛と嫌悪でしかないのでしょうが、理解してもらうためには、やはり今も猫の餌やりの問題、苦情が多いということでしたけれども、やはり猫をかわいがる方のマナーがまず基本となると思います。こちらを御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
これは、京都市で発行されている猫の給餌の届出証です。京都市では、野良猫への給餌活動を届け出る制度が設けられています。一定のルールに従って給餌している証明書のようなもので、地域への周知と理解にもつながっているようです。
京都市は、動物との共生に向けたマナー等に関する条例を定め、動物を飼うときに取り組むよう努力してもらうことと、必ず守ってもらうことを明確に示し、必ず守ってもらうことに関しては過料も定めています。
令和2年に施行された動物愛護管理法においても、動物の適正飼養のための規制が強化され、周辺の生活環境の保全に係る措置が規定されました。本市における市民の意識向上への取組が必要ではないかと考えます。
二つ目の質問です。TNR活動につきましてですけれども、この件は6月議会で阪本祐季議員も質問されましたが、本市における市民の皆様への周知の取組はどのようにされていますでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
まずTNR活動につきまして、この活動は、飼い主のいない猫の増加を抑制し、地域生活環境の改善を目指すことを目的とした活動であり、猫を安全な方法で捕獲(トラップ)をし、不妊・去勢手術により不妊化(ニューター)した上で、元いた場所に戻す(リターン)というものでございます。
本市のTNR活動周知の取組につきましては、市報やホームページにおいて、具体的なTNR活動の方法や飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術助成金のお知らせを行っているところでございます。
○秋月美佐子君
 このTNR活動で要となるのが、地域猫の推進だと思うのですけれども、その地域猫の推進状況はいかがでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
 地域猫活動とは、飼い主のいない猫による地域内での様々なトラブルを地域の環境問題として捉え、地域住民の理解と合意の下で、住民やボランティアが地域にいる猫の共同管理を行うものです。具体的には、地域の猫の管理者を明確にし、TNR活動により、不幸な繁殖を抑制しながら、猫の数や健康状態等を把握するとともに、餌やり場やふん尿の片づけ、周辺美化等、その地域で決めたルールに基づき、適切に管理を行う活動となってございます。
実際に、猫の世話を行うためには相当な手間が必要であり、地域住民の理解と協力が不可欠である一方、猫が苦手な方や地域で猫を管理することに対して反対する方もおられますので、残念ながら、地域猫活動が十分に実践されるまでには至ってございません。しかしながら、引き続き自治会等に対しまして、地域猫活動の取組を紹介するなどして、その推進を図ってまいりたいと考えてございます。
○秋月美佐子君
 聞き取りのときにも確認したのですけれども、やはりこの地域猫活動については地域の方の理解がなかなか得られにくいということで、本市においては、残念ながらあまり進んでいないというか、何か実績がかなり――今言っていいのでしょうか――一地域ぐらいしかないとかいうことを聞いておりまして、かなり厳しい状況だと感じております。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
こちらは、本市のTNR活動、地域猫活動に当たるものですけれども、京都市の条例は規制だけではなく、支援も規定しています。それがまちねこ活動支援事業です。本市の地域猫を京都市では「まちねこ」と呼びます。
こちらは京都市ホームページに掲載された9年間の検証結果です。野良猫の数を把握するのはまず不可能ですので、京都市では、交通事故等により、路上で死亡した猫の頭数を示して確認してあります。活動開始5年目で野良猫が半減しています。野良猫の寿命は4年から5年と言われていますので、活動をまず5年間集中して頑張れば、結果が出るということではないでしょうか。担当の説明では、京都市でも、やはり地域の理解を得るのが一番難しいと。現在も理解が得られない地域もたくさんあると言われていました。
次のこの表は、まちねこ活動の実績の紹介をグラフにしたものなのですけれども、まちねこ活動が開始されたのが、平成22年からです。当初からの実績表です。オレンジ色の棒グラフがまちねこ活動の地域数です。この13年間で累計323地域が登録されています。避妊去勢手術はこの赤い折れ線グラフが、まちねこの地域数に比例してずっと上昇していますけれども、2,098頭、避妊去勢手術が行われています。それに反比例するように、青い折れ線グラフですけれども、野良猫センターが収容する猫の頭数が、当初1,525頭から470頭と約3分の1に減少できています。
なぜ、京都市がここまでまちねこ登録を進めることができたのか、本市との違いが二つ大きくあると私は思います。まず一つは、避妊去勢手術をセンターにおいて、無料で実施できているということです。やはり無料ですから、皆さん費用がかからないので、しっかりまちねこ登録をして、猫を殺処分しなくていいように、去勢手術をしようという目的でどんどんされていると思うのですが、ただもう一つ、2点目は京都市はちょっと残念ながら、殺処分ゼロということがあまり進んでいないようです。この二つ、下関とは大きく違うと私は思います。
それぞれの自治体によって課題があると思うのですけれども、本市において、様々な立場で様々な御意見があることは承知しております。ただ、避妊去勢手術を無料にするということにも、いろいろな問題、センターにおいてするということも、様々問題があるということも聞いておりますけれども、御意見があるということも承知しておりますが、まず同じ方向に向かってこがなければ船は進みません。どうか、関係各位の御英断を望んで、最後の質問をさせていただきます。
最後に、人と動物の共生は重要な課題と思います。動物愛護の心や飼育のマナーなどの啓発の取組はどのようにされていますでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
 これまで、本市では人と動物が共生できる社会の実現を目指し、子供の頃から命の大切さや動物にも人と同じ命があることを学んでもらえるよう「いのちの教室」を小学校や放課後児童クラブなどで行ってまいりました。
猫を飼う場合には、周囲の生活環境に配慮しつつ、最後まで責任を持ってお世話をすること、みだりに繁殖することがないようにすることなどが重要となります。これらのことを十分に御理解いただくため、ホームページ、市報、啓発チラシ、メディア等を活用して、動物愛護及び適正飼養に関する普及啓発を実施するとともに、飼い主のいない猫への不妊去勢手術に対する助成を行うなどしてきたところでございます。
また、殺処分となり得るような課題がある犬猫を動物愛護団体に譲渡する場合、犬猫の治療費が必要となるなど、受入れ団体の負担が大きいことから、その費用の一部を補助する「動物愛護活動支援事業費補助金」を本年度創設したところでございます。
○秋月美佐子君
 説明ありがとうございました。最後になりましたが、日々飼い主のいない猫の避妊去勢手術や譲渡など、殺処分ゼロを目標にボランティアで活動されていらっしゃる方々に感謝申し上げたいと思います。
公明党といたしましても、特に動物保護団体への支援をお願いしてまいりましたが、引き続き支援の拡充も要望したいと思いますのでよろしくお願いいたします。
子供は正直です。そして大人の振る舞いをよく見ています。子供が育つ地域が、トラブルがなく、思いやりが先に立つような地域であるように、大人の一人として、私にできることを、私も模索してまいりたいと思っています。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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