市議会サイトトップへ
会議録検索サイトへ
文字サイズの変更
標準
大
録画放映
トップ
/
議員名でさがす
/
桂 誠 議員
第4回定例会 12月13日(水) 本会議(一般質問1日目)
本会議でさがす
委員会でさがす
議員名でさがす
会派名でさがす
操作方法について
1倍速
1.2倍速
1.5倍速
2倍速
内容
会議録
第4回定例会
12月13日(水) 本会議(一般質問1日目)
日本共産党 下関市議団
桂 誠 議員
1.豊北町住民の移動手段の確保
2.「豊北地域リノベーションのまちづくり」にかかる豊北町の活性化
3.総合支所の特性に応じた公共施設の維持管理
【下関市議会 本会議確定版】
△一般質問
○議長(香川昌則君)
日程第2 これより「一般質問」を行います。本日は、御手元に配付の通告一覧表により、1番から6番までの通告者について行いたいと思います。
この際、お願いいたします。一般質問は初回から一問一答方式により、全て質問席で行います。1人の持ち時間は答弁を含め50分、質問回数の制限はありません。
なお、執行部におかれましては、質問の要旨を的確に捉えられ、簡潔にして要を得た答弁をされるようお願いいたします。
それでは、順次質問を許します。1番、桂誠議員。(拍手)
〔桂誠君登壇〕
○桂 誠君
日本共産党の桂誠です。まず、豊北町内の交通対策について質問します。
現在、豊北町では山陰線が6月末の大雨以来不通となっており、多くの住民が困っているにもかかわらず、復旧の見通しは立っていません。年末のこの時期は、中学生、高校生の進路決定の時期でもあります。市策定の下関市総合交通戦略では「旧4町等の公共交通が不便な地域に居住する高校生をはじめとした、自動車を運転できない学生にとっては、自宅から高校等の教育施設までの公共交通が不便なために、進学先の選択が制限される等、教育機会にも支障が生じている状況となっています」とあります。この状況は、まさに山陰線の不通により、一層深刻になっています。教育機会の喪失にもなりかねません。子供たちの将来が山陰線不通によって制限されるなど、あってはならないことです。
また、代行バスが小串以北で走っていますが、JR小串駅では、列車を降りてから代行バスが止まっている国道まで線路の下のトンネルをくぐるなど、長い距離を歩かなければなりません。一般客でさえ苦労するのに、観光客にとっては重たい荷物を持っての移動になり、大変な困難を伴います。観光都市を目指す下関市にとっては大きなマイナスイメージになります。
今回、無料の代行バス運行や暖房の効いた待合室設置など、JR利用者に支援をされましたが、抜本的な解決にはなっていません。今、代行バスが走っているのですが、運行の時刻が住民に伝わっておらず、駅に行かなければならないのが現状です。
そこでお尋ねですが、代行バス運行の住民への周知をJRに要請していただきたい。お願いいたします。
○都市整備部長(清水 悟君)
本年6月30日からの大雨により、JR山陰本線の小串駅から長門市駅間において、粟野川橋梁の傾きや土砂崩れなどにより、現在も運転を見合わせております。西日本旅客鉄道株式会社においては、7月4日より運転を見合わせている区間に代行バスを実施しております。この代行バスの情報につきましては、同社のホームページや各駅に掲載しております。市といたしましては、市のホームページにおいて、同社のホームページを閲覧できるように掲載しております。
しかしながら、高齢者の方々などでインターネットが使えない方が、代行バスの発着時刻が分からずに不便を感じていると聞いておりますので、周知していただくよう、同社に対して要請してまいります。
○桂 誠君
豊北町は高齢化率の高い町ですので、住民のほとんどが高齢者ということです。住民の願いとしては、4月当初に市が発行される紙での時刻表、これを望んでおります。ぜひともそれを実現していただきたいと考えております。
次の質問に移ります。JRの復旧については、美祢線では美祢市が復旧対策室を立ち上げ、周辺地域と一緒になり、情報の共有を進め、美祢線を災害前の状態に戻すために調査や研究を進めています。
そこでお尋ねですが、長門市、山口県と連携した早期復旧対策室などを立ち上げ、山陰線の早期復帰を目指すとともに、まずは滝部―小串間、阿川―小串間を直ちに復旧するよう求めるべきではないでしょうか。
○都市整備部長(清水 悟君)
JR山陰本線の災害復旧に対する要望につきましては、被災後直ちに行っております。
7月3日には、前田市長自ら、山口県知事をはじめとする沿線市とともに西日本旅客鉄道株式会社を訪問し、また7月13日には、山口県知事及び沿線市とともに国土交通大臣を訪問し、早期復旧に加え、代行バスの運行等について要望を行っております。
さらに、8月26日に開催された山口県市長会においても、山口県知事の強力なリーダーシップの下、国や同社に対し働きかけを行っていただくよう要望を行っております。
これら8月までの要望につきましては、この9月の第3回定例会において説明させていただいたところでございます。
その後、10月5日には、山口県市長会から山口県知事に対し、山陰本線の早期復旧に向けて、国や関係機関への積極的な働きかけについて要望しております。10月26日には、山口県知事が同社広島支社長に対し、早期復旧の方針決定を求める要望をしております。
11月21日には、同社広島支社副支社長に対し、早期完全復旧を要望するとともに、代行バスの運行区間が短くなるよう、被災が大きい橋梁以外の早期部分復旧及び運行についても要望しております。これら以外の事務連絡時においても、同社担当者等との協議時に、度々要望についてお伝えしているところでございます。
本市といたしましては、引き続き、同社に対し山陰本線の早期復旧が図られるよう要望するとともに、関係するあらゆる方面へ要望を続けてまいります。
○桂 誠君
いろいろな要望をされているのは分かりましたが、いまだに復旧のめどは立っていないというのが現状ではないでしょうか。豊北町では、振興協議会をはじめ、それから自治会長会が請願・要望を出すなどして、焦りも見られております。
私の住んでいる阿川から角島へお店に働きに行っている女性がいるわけなのですが、運転免許証がないということで、JRそしてブルーライン交通を乗り継いで行っております。しかし、このたびの豪雨により、JRの代行バスの時間がバスと合わなくなったために、途中まで親戚に送ってもらっている状態です。その方は、いつもJRのダイヤ改正にびくびくされておられました。「私が働けんようになるのではなかろうか」とそういう声もあります。
豊北町にとって、沿岸住民にとってJRというのは命の綱です。ぜひとも早めの復旧をお願いしたいところです。
私は、今まで豊北町の公共交通の不足を何度も訴えてまいりました。しかし、なかなか改善を見ずに今に至っているのが現状です。下関市では、令和2年に豊北管内における公共交通アンケートを行っています。その回答の中で、豊北町に特有の問題を次に示していきます。
交通手段について、回答者4,675人中3,583人が「自家用車を利用している」と答えています。実に76%です。これは、JRをはじめ路線バス、市生活バス、タクシーが利用しづらいためです。このことは、運転免許証の返納にも表れています。2,171世帯の中で、免許証返納予定者がいるのは、たった235世帯です。約10%です。90%の世帯が免許証の返納者がいません。車がなければ生活できないのです。
10月15日に行われた阿川八幡宮のお祭りのときのお年寄りの話です。「あんた、近頃免許証を戻したちゅうが、なんぼで戻したの」「うちは90になったから戻した」「あんた、92やないの。さば読んでから」と話していました。豊北町では、死ぬまで車の運転をしなければなりません。何とも恐ろしいことです。
自家用車が主な交通手段の方について「当面、公共交通を利用したいですか」という質問に対して、2,171世帯中たった415世帯が「利用したい」と答えています。約20%です。公共交通機関までが、自宅から遠いために利用しようにも利用できないのが現状です。
下関市総合交通戦略でも「旧4町内の中山間地域をはじめとする郊外部では、自宅からバス停まで離れている地域が存在しており、公共交通を利用できないという声が多く挙がっている」とあります。
かつて粟野地区では、住民負担でふれあいタクシーを運行しましたが、タクシーに乗るためには、長い距離を歩かなければならない、そのような住民が多かったために、継続できませんでした。町内を走っている生活バスも、バス停まで遠いために体の不自由な方は利用できません。
こんな話もありました。「お年寄りが乗りますので、乗り降りでこけたけれども、運転手さんに助けてもらった」そういう話もありました。また、粟野地区は生活バスが走っていません。このような現状を考えると、豊北町ではドア・ツー・ドアの公共交通機関でないと利用はできません。
下関市総合交通戦略の目標の中に、自動車に依存しなくても、市民や来訪者が様々な目標の活動が行え、安全・安心して暮らせるまちを目指した交通体系づくりを目指します、とあります。この中には、当然旧四町も入っているはずです。豊北総合支所で「何とかしなければならない。今検討中です」と話しておられました。
そこでお尋ねですが、都市整備部として、豊北の地域特性に応じた公共交通の方向性、実施時期、手法を福祉部、豊北総合支所とで協議されたでしょうか。その要点とこれまでの検討過程を説明してください。お願いいたします。
○都市整備部長(清水 悟君)
都市整備部としましては、鉄道やバスなどの既存の公共交通を活用しながら、公共交通に限らず、多様な移動手段・支援も視野に入れた上で、今年度新たに地域公共交通計画の策定に着手しているところでございます。
現在、同計画を策定する上で、公共交通の実態や公共交通に対するニーズ等を把握するため、市民アンケートや交通事業者への聞き取りを行い、集計・分析を行っているところでございます。
豊北地域におきましては、公共交通でカバーできていない部分を補う移動や、高齢化の進展に伴う運転免許証返納者等の移動手段、移動に必要な地理的な要因、あるいは地域のタクシー会社の存続など課題があることは認識しており、公共交通の現状や今後の改善に対する考えなどのヒアリングなど、幾度となく総合支所や福祉部と協議を行っているところでございます。
今後も引き続きまして、アンケート結果等、利用者のニーズや利用状況を踏まえて、将来あるべき公共交通体系の検討と併せて、公共交通とは異なる観点の施策についても、関係部局と協議連携し、役割分担しながら検討してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
少しずつ進んでいるような感じも受けますが、ぜひとも早めに進めていただきたいと思います。
高齢者の多い豊北町では、住民が待ち望んでいることです。あまりにも遅いと高齢者が利用できない。なくなってしまうという事態も生じかねません。ぜひとも早めにお願いし、予算をつけていただきたいと考えております。お願いいたします。
今さっきから申しておりますように、豊北町ではドア・ツー・ドアへの改善が不可欠ではないか、そう考えております。大変遠くの地域から停留所まで歩かなければならないという現状があります。ドア・ツー・ドアへの改善が不可欠ではないか、検討過程で住民意見を聴取されたでしょうか。よろしくお願いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
豊北総合支所では、高齢化が著しい中山間地域での移動手段の確保は喫緊の課題であると認識しており、タクシーを活用した移動手段についての調査研究や、去る11月には桂議員にも御参加いただきましたが、豊北自治会連合会とともに、住民主体で取り組んでいる阿武町でのコミュニティーバスの視察を行うなど、現在、地域とともに検討を重ねているところでございます。
また、これまでのアンケート調査のほかに、生活バス利用者や福祉関係者への聞き取りを行っており、今年度は、豊北地域内の交通事業者と連絡調整会議を開催して情報交換を行うなど、様々な立場から意見をいただいているところでございます。
今後も、地域の特性に応じたニーズ等を的確に把握しながら、地域住民にとってよりよい移動手段についての検討を行うとともに、引き続き関係部局とも協議してまいりたいと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも、豊北町の地域の方の意見を取り入れていただきたいと思っております。
この間行きました阿武町では、ふれあいタクシーなど、住民の方がタクシーを運行されておりました。しかし、豊北町ではタクシー会社があるために、なかなか難しいと感じております。
豊北町は高齢者が多いために、病院に通う方がほとんどです。買物も1軒しかないわけなのですが、川棚から、薬局または医院が人の多い矢玉、和久までは車を出して患者さんを連れていくと。そういうことが行われているわけなのですが、そのほかの地域ではそういう車は来ておりません。ぜひともそういう車が来ないところでも、医者に行けるような公共交通をつくっていただきたいと思います。
まして豊北町では、歯医者も1軒廃業されましたし、大きな病院も今経営困難になっていて、遠くの病院に行かなければならないのが現状としてあります。ぜひとも、お年寄り、弱者が利用できる公共交通を構築していただきたい。そのように思います。よろしくお願いいたします。
次の質問に移らせていただきます。豊北地域リノベーションによるまちおこしを受け、滝部地区では空き家を改装してお店をやろうという動きが出てきました。また、移住しても仕事ができるように、テレワークの体験プログラムが実施されたり、テレワークの始め方の講習があったりと、だんだんと形が見えてきました。また、それらの活動の中に若者の参加もあり、豊北町には老人だけが住んでいるのではないことが分かりました。
しかし、まちおこしは行政主導だけでできるものではありません。そこに住んでいる住民が主体となり、どのようにしてまちおこしを進めるか考えることから始まります。
そこで、私たちは「住民主体のまちおこしを進める豊北の会」を立ち上げるべく、準備会を8月25日と11月5日に開催しました。思った以上の参加があり、多くの人が豊北町の将来について考えているのが分かりました。
この準備会の中で、豊北町のまちおこしで三つの課題が出てきました。一つ目は空き家活用と移住促進、二つ目は浜出祭をはじめとする豊北町の歴史・文化遺産の保持と存続、三つ目は豊北町の基幹産業である農業・漁業の持続化支援です。
まず、空き家活用と移住促進ですが、これこそ豊北地域のリノベーションのまちづくりそのものです。
今、豊北小学校を中心として「ほうほく未来応援隊」が活動を始めています。目的は、移住者を募り、豊北小学校の児童数を増やし、豊北小学校の存続を目指すものです。現在、豊北町で今年までに生まれた子供は2名と聞いております。将来を考えたときに、学校が小さくなり、複式学級になり、廃校になる。そのような危機意識もあるわけなのですが、そのような危機意識の下に始められた活動です。豊北小学校の存続を目指すもので、11月18日に「第1回豊北小学校と住まいの見学会」を開催しました。内容は、豊北小学校の学習発表会の参観、それから豊北小学校おやじの会主催による「わくわく海の体験教室」そして豊北小学校児童との交流会、また、住まいの見学会と相談会も行われました。「わくわく海の体験教室」では、地元の漁師さんの協力により、魚の種類を教えてもらったり、海鮮バーベキューなどが行われました。移住希望者3組も参加され、充実したものとなりました。住まい探しも進んでいて、情報提供も増えています。
質問ですが、今話したような取組が民間から出てきています。このような事例に対して、前回の議会でも言われました公民連携、これをしていくということですが、公民連携が必要と言われましたが、どのような連携を考えておられますか。お答えください。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
住民との連携ということでございますが、豊北地域リノベーションまちづくりにおきましては、民間主導による自立型のプロジェクトや事業を興し、展開する中で、最終的には一定の収入を得るということが重要と考えており、持続的・発展的な事業展開が図られるよう、必要な連携や支援を行うことが行政の役割だと考えております。
本年6月のキックオフミーティング以降、議員から御案内のありましたとおり、豊北小学校と地域が連携した組織や、滝部地域に「たきびれっじ」というまちづくり団体が設立されるなど、地域での取組が始まっております。
行政といたしましては、豊北地域リノベーションまちづくりを進める中で、まずは団体が自立できるように、事業内容や計画そして団体運営のノウハウなどにつきまして、専門家への相談の機会を設けるなど、支援やサポートを行ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
これからどんどん具体的な事例が増えてくるかと思いますが、その都度よく話し合われて、公民連携の名に恥じないような連携をしていただきたいと、そのように思っています。
今、島戸で観光客相手のお店をやっている方がおられるのですが「従業員を募集したいが、住宅が見つからないで断らざるを得ない」と話されていました。豊北町ではない他地域からの従業員の募集をしたのですが、できなかったという話を聞きました。
聞くところによると、豊北町では100戸以上の市営住宅が空いているとのことです。市営住宅に入居できるようにすることは、まさに移住促進につながるのではないでしょうか。
そこでお尋ねですが、空き家対策と移住者支援の現地対応を強化するとの話もありましたが、移住者相談・支援及び空き家紹介の体制はどのように強化されたのでしょうか。お願いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
移住希望者への対応につきましては、総合政策部が所管いたします移住総合窓口と連携を図りながら、移住希望者と豊北地域の人や団体をつなぐことで、より深く地域を感じられる受入れ体制に力を入れているところでございます。
具体的な取組といたしましては、移住を考えられている方を対象に、移住体験をしていただくためのお試し暮らしの受入れを10月から開始しております。また、空き家紹介につきましては、地域住民による空き家情報の掘り起こしが行われており、収集された空き家情報につきましては、市の空き家バンクに登録していくこととしております。また、地域おこし協力隊員がSNSへの情報発信も行っておりまして、地域全体での取組につながっているものと考えております。
○桂 誠君
豊北小学校の取組の中で、自治会長が空き家をどんどん紹介しているのですが、なかなか条件に合ったものが見つからないというのが現状です。ぜひとも、そういうところの自治会長と連携しながら、空き家対策をしていただきたいと思っております。
次の質問ですが、移住者の条件に合った住宅が見つかりにくいと聞いていますが、誰でも空き市営住宅に入居できるようにできないものでしょうか。お願いします。
○建設部長(伊南一也君)
市営住宅につきましては、公営住宅法に基づきまして、住宅にお困りの方に提供する目的で建設されたものでございますので、現状といたしましては、移住者の方でありましても、市営住宅に入居するためには、一定の入居資格を満たすことが必要となります。
将来、地域の要望や需要の動向を勘案した上で、棟単位で市営住宅の用途を廃止した場合などにおきましては、関係部局と連携して、移住促進などに向けて建物を活用するということは可能ではないかと考えております。
○桂 誠君
ぜひとも、一般住宅にして、移住者の窓口を大きくしていただきたいと思っております。
角島では、大阪から移住されてカレー屋を始めた方もおられました。海が近いところで住んでみたいと、そういう意思から角島に移住されました。
海の近くに住みたいという移住者は結構おりまして、矢玉それから神田にもおられました。そういう移住には最適な場所である豊北町ですが、住むところがない。これが一番のネックになっております。
豊北町の小学校の校長の話でも「豊北町は住むところさえあれば、これほど移住の条件がいいところはない」と言っておられます。ぜひとも市営住宅も活用して、移住促進を進めていただきたい。そのように思っております。
令和7年4月に、豊北町では浜出祭が行われます。実行委員長の話では、住民が少なくなり、今までのように田耕と神玉だけでは浜出祭を行うことはできないとのことです。
このように豊北町では、継続が難しくなってきている伝統行事が多くあります。滝部の腰輪踊り、阿川・河内のかんこ祭、各神社の祭行列などはなくなりました。角島で続いてきた三番叟も、今まで担ってきた小学生が少なくなり、存続が危ぶまれています。
このように、伝統行事が継続できなくなっていくのは、少子高齢化により後継者がいないのが一番の原因です。しかし、今ある伝統行事は何とか存続させていかなければなりません。住民が楽しみにしている祭りがなくなることは、まちの活気もなくなり、住民の活力も衰えてきます。
そこでお尋ねですが、人口減少が進む中で伝統行事の継続が困難になっています。この実情を把握しておられますか。伝統行事を続けていくためには、参加型の伝統行事も考えられます。また、豊北町では小学校・中学校は1校だけになりました。全校児童生徒がそれぞれの伝統行事に参加するということも考えられます。伝統行事の持続のためには、どのようなことが考えられるか、お示しください。
○教育部長(藤田信夫君)
豊北地域には、文化財指定の有無を問わず、多くの伝統行事がありますが、長期の間隔を空け開催する形態のものも多く、地域の人口減少、少子高齢化が要因となり、行事の休止を余儀なくされるなど、継続的な伝承・実施が容易でない行事があるということは認識をしております。
これらの行事は、社会情勢をはじめ、行事を取り巻く環境変化の中で、行事主体者の意思と不断の努力により、変容しつつも長きにわたり維持・継続されてきたものでございます。
人口減少における行事継承の課題は、人手不足を他地域の協力などにより解決することも考えられますが、あくまでその判断は外部や行政の干渉によるものではなく、主体者の自発的な意思が最大限に尊重されるべきものであると考えております。
現在の課題解決は決して容易ではございませんが、各行事の主体者の皆さんのお考えを伺いながら、行政として可能な支援や提案等を行ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
今おっしゃられたように、こういう伝統行事の存続については、当事者の意識が一番大事だと思います。そういうこともぜひとも考えられ、相談等に乗っていただき、お互い協力して、知恵を出し合っていただきたいと考えております。
20年前、私が角島小学校の6年生を担任したとき、三番叟に子供たち全員が出ました。それから20年経った今、角島の子供1年生から6年生まで全員が出て、やっと三番叟を継承している状況です。私が担任した親の時代は、選んで三番叟を踊っていたということです。如実に担い手が少なくなっている、こういう現状があります。
ぜひとも地域に根差した伝統行事を存続させていくことが必要だと思います。みんなで知恵を出し合って、何とかしていきたい。そのように考えております。
下関市が学校給食で地産地消を進めていくことは、子供たちが下関市を知り、自分のふるさとを大切にすることにもつながるとの思いで、多くの住民が期待をしています。豊北共同調理場でも地産地消を進めようということで、11月28日に給食関係者と農家とで意見交換会をしました。ぜひとも、学校給食の地産地消を進めたいとの思いからです。
現在、豊北町では、道の駅に120名以上の方が農産物を出荷しておられます。それらの方に学校給食のことを知ってもらい、豊北共同調理場にも出荷してもらったらと思います。
このように、農産物を生産している方たちの出荷先を増やすならば、豊北町農業の持続化にもなると考えます。しかし、調理場に出すメリットがなければ、農家も出荷しません。道の駅への出荷では、自分で値段を決めることができます。売れれば高くしたり、売れなければ低くしたりと、いろいろ考えながらやっているわけなのですが、それに対抗するだけのメリットが必要です。そのためには、食材の最低金額を保証する必要があると考えます。
そこでお尋ねですが、学校給食ランチ倶楽部が立ち上がりました。その取組状況をお示しください。その中で、食材品目ごとに最低価格を設定するよう説明されていますが、きちんとした予算措置が必要ではないでしょうか。お願いいたします。
○教育部長(藤田信夫君)
JA山口県下関統括本部及び各営農センターによる「ランチ倶楽部協議会」におきましては、各営農センターの取組品目及び年間出荷予定の概算数量が現在まとまったところでございます。教育委員会といたしましては、概算数量に基づき、献立の調整や新学校給食センターをはじめとした各調理場への提供計画を検討しているところでございます。
また、当該協議会と教育委員会との協議の中で、最低価格については、これまでの市場価格での取引では、市場価格が下落した場合に生産者の収入も少なくなるため、JA山口県からの最低価格の提案を受けて決定したものでございます。
この価格設定につきましては、一般的な価格の下落を除いた市場価格に基づき設定され、基本的には市場価格と連動したものとなっておりますので、当該価格を踏まえた予算措置を行ってまいりたいと考えております。
○桂 誠君
生産者の収入の下落を保証するのは当然ですが、さらに学校給食へ出していこうという気持ちにさせるような施策も必要ではないでしょうか。それが最低価格の保証で、生産を次へとつなげるような価格保証がなされる必要があると私は考えます。ぜひともその辺を考えていただきたい。そのように思っています。
先ほど申しましたが、11月28日に行われました学校給食関係者と農家との意見交換会で、調理現場と生産現場の需給調整機能は誰が担うのかという話が出ました。その仕組みづくりができれば、調理場ごとの地産地消が進みます。どのように対応されるのでしょうか。
○教育部長(藤田信夫君)
ランチ倶楽部協議会からの青果の給食提供につきましては、教育委員会学校保健給食課が窓口となり、調理場を含め、JA山口県、新下関市場、仲卸業者等との調整を行うこととしております。
○桂 誠君
給食で使う食材につきましては、普通の市場対応ではなかなか難しい面もあります。子供の数が、それに合ったような、例えばみかんが何個というような調達をしなければならないわけです。普通、出荷する場合は何キロ単位、1箱単位で出すわけですが、その辺の需給調整をしなければ難しいという現実があります。ぜひともよく考えていただきたいと思います。
私は、この学校給食ランチ俱楽部、それから下関産の給食の地産地消を進めていくことによって、地域の農業の振興、それから下落を止めることにもつながるのではないかと考えているわけです。それで、何回も質問しております。
この間、楽天の社長と話すことがありまして、今豊北町で40ヘクタールの芋畑、それから里芋畑をつくっておられますが、イノシシにやられてどうにもならないという話をしておられました。「長門市にはこんなにイノシシはいないが、豊北町のイノシシはひどい」と言われました。そう言われても、私には答えようがありませんでした。
考えてみますと、なぜこのようにイノシシが多いのか、鹿が多いのか。耕作放棄地が多くあります。その中にイノシシが潜んでおり、隠れ家となっているのが現状ではないか。そのために、楽天さんが来られても難しい、そのような現状があります。
地産地消を進めていくと同時に、豊北町の第一次産業、大事な産業である農業、この振興につながるような、そのような契機になればと考えて質問いたしました。よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。私が議員になって寄せられる要望で多いのは、道路に出ている木や竹を切ってくれというものです。
自分の車に当たるのも当然ですが、大型の貨物やバスが屋根に木が当たるのを嫌がり、車線をはみ出して対向車線を走るため、とても危険だからです。道路の総延長が長い豊北町にあっては、そのような道路があちこちにあります。私も要望を受けて豊北総合支所に話しに行くのですが「予算が限られている」「今本所に要望している」「順番待ちです」「優先順位があります」という返事です。いつぞやは「道路に出ていた枯木が倒れて、車に当たるところだった」と言われたので、さらに要望に行きました。すると、担当職員が出ている木を切りに行きました。
豊北町では、角島観光で毎年約50万人の方が訪れます。観光バスの屋根に木が当たるので、角島に行きたくありませんとなっては困ります。豊北町の道路総延長は、他の町よりも長いという現実もあります。
そこでお尋ねですが、道路維持管理は住民の要求に応え切れていない。地域の実情に応じた維持管理予算の拡充が必要ではないでしょうか。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
地域に応じた道路維持管理のための予算の拡充が必要ではないかとの御質問でございますが、豊北総合支所では519路線、総延長303.75キロメートルの市道を管理しております。市道の維持管理におきましては、御質問にありましたように、通行の妨げとなる木や竹等の伐採をはじめ、草刈りや歩道の補修等において、様々な御要望をいただいており、交通量の多さや危険度を考慮しながら、優先順位をつけて業務を実施しているところでございます。今後も引き続き、市民や観光客の方々が安全に安心して通行できる道路の維持管理に努めてまいりたいと考えております。
○桂 誠君
観光客の方が気持ちよく安心して来られるような、そのような豊北町の道づくりをぜひともしていただきたい。そのように考えております。
この観光客ですが、連休、お盆の観光シーズンになると、角島大橋が渋滞して、車が動かなくなるほどの多くの観光客が角島に訪れます。しかし、観光客が利用するトイレの実態はどうでしょうか。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○桂 誠君
これは、角島元山港にあるトイレです。竹が覆いかぶさり、埋もれそうです。これも下関市が設置したものです。もっとも観光シーズンの渋滞では、こういう公衆トイレだけでなく、角島の畑などあちこちが臨時トイレになります。トイレの資料を続けていきます。
これは、角島にある牧崎にあるトイレです。山口県が設置したものですが、管理は下関市がしています。多目的トイレは使用禁止です。また、国道191号線沿いのトイレは、湯玉駅のトイレから角島大橋のたもとにあるトイレまで、豊北道の駅のトイレしかありません。そのため、特牛の食堂にトイレを借りに来るそうです。食堂の経営者が「角島、角島と観光で宣伝しているが、もっとトイレがないか」と言っておられました。
角島だけではありません。阿川ほうせんぐり公園のトイレは修理しましたが、全部が使えるようにはなっていません。
そこでお尋ねですが、公共施設のトイレの維持管理は、支所の実情に応じた予算の拡充が必要ではないでしょうか。
○観光スポーツ文化部長(古川 力君)
観光施設等にあるトイレの修繕については、施設の利用頻度の状況や不具合等の緊急対応について、各総合支所にヒアリングを実施しながら、当部所管の予算で順次維持・補修管理を行ってございます。
○桂 誠君
下関市では角島の観光を大変重要視して、パンフレット等には随分と橋が使われております。そういう観光名所である角島のトイレが悲惨なものでないように「角島に行ったら、景色もよかったけれども、トイレもよかった」とそのように思われるようなトイレを、きちんとして整備していただきたいとそのように思っております。
次に、これは下関市立角島開発センターの調理室です。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○桂 誠君
ガス管の腐食によりガス漏れを起こし、昨年度より使えないままで、住民の活動に大変不便をきたしております。
次のような話もありました。特牛の生涯学習センターで陶芸教室をしたときのことです。陶芸教室をやる前に、豊北中学校の電気焼き窯が使えないかと相談しましたが、使用する契約電気料が1回でも超えれば、次年度からの基本料金が上がり、年間の電気代が高くなることから断られました。仕方がないので、他の灯油窯を借りて焼き物を完成させました。
また、豊北中学校の保護者から次のような訴えがありました。「以前は部活の遠征で、下関市の外にもスクールバスで行けたのに、今は市内しか行けなくなっている」ということでした。私は実態を聞きに豊北総合支所に行きました。「今年、小学校では秋吉台青少年自然の家の宿泊学習で市外へ行っている。予算の範囲内で運行しているが、全ての要望には対応し切れていない」ということでした。
市長は「四町本気の再生」と言われていました。ぜひとも、この言葉どおりにしていただきたいものです。
四町はそれぞれ特色を持ち、事情も違っています。ですから、四町が抱えている問題はそれぞれ違います。それぞれの町に合った施策を展開しなければ、問題は解決しないと思います。そのためには、それぞれの総合支所の役割を強化しなければならないと考えます。そのことが、市長の旧四町再生の本格始動へとつながると思います。
そこで市長へのお尋ねですが、旧四町再生の本格始動というなら、総合支所の役割・機能・権限強化が必要ではないでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
総合支所の役割と機能・権限強化についてというお尋ねでございます。総合支所の組織につきましては、三つの役割・機能がございまして、まず一つ目に行政サービスの総合窓口としての役割、それから二つ目に地域振興の拠点としての役割、そして三つ目に防災緊急対応の拠点としての役割を担っていると考えております。
今後も、人口減少が見込まれる中、窓口の集約化であったり、組織のスリム化、人的資源の集中などの手法によりまして、限られた経営資源を有効活用するとともに、デジタル技術、こういったものを積極的に導入しまして、行政サービスの維持と各総合支所の地域特性を生かした地域振興につなげていきたいと考えております。
○桂 誠君
今デジタル技術とかいろいろ言われますけれども、高齢者の多い豊北町ではなかなかそれがうまく利用できないと考えております。そこはもう人が対応するしかないと思います。そういう地域の事情も考えて、ぜひとも豊北総合支所の役割機能、権限強化、進めていただきたいと思います。
以上をもちまして、質問を終わります。(拍手)
著作権について
下関市ホームページに掲載されている個々の情報(文字、写真、イラストなど)の著作権は、下関市にあります。 また、下関市ホームページ全体についても、下関市に編集著作権があります。 当ホームページの内容の全部または一部については、私的使用のための複製や引用等著作権法上認められた行為として、出所を明示することにより、複製・引用・転載できます。 ただし、「無断転載禁止」などの注記があるものについては、それに従ってください。
戻る