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山野 陽生 議員
第3回定例会 9月22日(金) 本会議(一般質問4日目)
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内容
会議録
第3回定例会
9月22日(金) 本会議(一般質問4日目)
みらい下関
山野 陽生 議員
1.JR下関駅周辺の賑わい創出について
2.面で捉えた海峡沿い街づくりについて
3.彦島南風泊水産加工団地の観光開発について
4.大谷斎場の設備老朽化について
【下関市議会 本会議確定版】
△一般質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を継続いたします。22番、山野陽生議員。(拍手)
〔山野陽生君登壇〕
○山野陽生君
皆さん、こんにちは。みらい下関の山野陽生です。通告に従いまして、質問させていただきます。
本市の観光重点施策である下関海峡エリアビジョンのあるかぽーとに、星野リゾートがリゾナーレ下関として、25年秋の開業を目指し、8月23日に起工式が執り行われました。これにより、あるかぽーと・唐戸エリアの魅力を高め、下関を中心とした関門エリアが、日本を代表するウオーターフロントシティとなることを掲げ、本市の観光にとって大きなチャンスが訪れたと思います。
ここで重要なのは、強みと弱みを明確にし、課題を出し、解決策を見つけなければなりません。弱みと課題を出すと、何点か懸念案件が考えられます。
一つ目は、慢性的な唐戸周辺の車の渋滞緩和策ができていない点、二つ目は、地元商店街や市民が巻き込まれていない点、三つ目は、下関駅周辺商業施設の衰退が止まらない点です。
まず最初に、JR下関駅周辺のにぎわい創出について、質問と提案をさせていただきます。本市は、昨年3月に、関門海峡沿いの下関駅周辺から、火の山・壇之浦に至るエリア一帯について、目指すべき将来像やまちづくりの方向性を示した下関海峡エリアビジョンを策定し、官民連携の魅力あふれるまちづくりを推進しております。本事業は、居心地がよく歩きたくなるまちなか空間を目指し、歩道の拡幅や高質化、民間事業者によるリノベーションなど、まちなかウォーカブル推進事業の整備促進を進めています。
また、第2次下関市総合計画では、本市は、鉄道交通の要衝地にもかかわらず、自動車への過度な依存から、利用者数の低迷が続き、利用の促進が課題となっており、路線バスも含め、持続可能な交通体系の構築が重要であるとしています。
そこで、公共交通の利用状況についてお聞かせください。まず、JR下関駅の乗降客の推移と利用率についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
JR下関駅の乗降者についてですが、山口県統計年鑑により確認したところ、下関駅の1日の乗降者数は、平成25年度が約2万1,000人、コロナ前の令和元年度が約2万人、直近の令和3年度が約1万5,000人でございます。
また、人口に対する利用者数の割合については、平成25年度が7.6%、令和元年度が7.8%、令和3年度が6.1%となっております。
○山野陽生君
次に、サンデンバス下関駅前の乗降客の推移と、利用率についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
サンデンバス下関駅前の乗降者についてですが、サンデン交通株式会社に確認したところ、1日の乗降者数は、平成25年度が約1万8,000人、コロナ前の令和元年度が約1万7,000人、直近の令和3年度が約1万人でございます。
また、人口に対する利用者数の割合につきましては、平成25年度が6.5%、令和元年度が6.7%、令和3年度が3.9%となっております。
○山野陽生君
タブレットの画像を御覧ください。駅前と周辺商業施設です。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
1990年代バブル期、下関駅の乗降客数が約3万人から4万人と言われておりましたが、現在はその半数以下であり、新駅舎やリピエ、シネマサンシャイン下関がオープンしても、横ばいが続き、減少傾向に歯止めが利かない状況です。この状況から明確なのは、公共交通機関が市民の足に、また、観光客の足になっていないということです。
久しぶりに下関に帰ってきた人や観光で訪れた人が、まず驚くのは、にぎわいのない駅前の寂れた感です。下関と言えば、ふくをはじめとした新鮮な魚料理ですが、下関駅に来られた方が食事をしようと思っても、駅周辺に食堂街もなく、提供する店舗も少なく、困惑しております。
また、駅前の商業施設の連動性がなく、ばらばらで、さらにテナント料が高い上に、顧客も減少し、撤退が相次いでいます。JRと路線バスの連携が悪いことも、利用者が減少する要因と言われています。利用者数が減っているため、バスの便数も減っていくのは致し方ない面もありますが、負のスパイラルになっていると思われます。下関駅前の空洞化に歯止めをかけ、にぎわいを創出するためにも、公共交通機関の利用が大きな課題となります。
次に、インバウンド効果が期待できる、コロナ禍で止まっていた関釜国際航路の乗降客の推移と利用率についてお示しください。
○港湾局長(酒井貴司君)
関釜国際航路は、1970年の就航以来、約570万人の方に御利用いただいてございます。過去10年間は16万人前後の旅行者数で推移しており、直近では、2017年がピークで20万人を超えてございます。
コロナ禍の水際対策により、2020年3月から約2年9か月、旅客運送を停止していた関釜国際航路ですが、昨年12月16日より、旅客運送を再開いたしました。
再開直後は、旅客取扱人数の上限を100人とするなど制限を設けており、今年の2月末に、旅客取扱人数上限の撤廃がされるまで、段階的に緩和がなされ、さらに5月8日以降は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行したことに伴って、旅行者数は徐々に回復し、現在は、コロナ禍以前の6割から7割程度の利用率となってございます。
○山野陽生君
では、今の日本人と外国人の割合はどのくらいでしょうか。
○港湾局長(酒井貴司君)
4月から8月の乗船客については、日本人が2割、外国人が約8割という状況になってございます。
○山野陽生君
外国人も韓国人が圧倒的に多いと思われますが、最近はゴルフ、温泉、登山、自転車を楽しむため、日本に来る韓国人が増えていると聞きます。2020年に国際航路開設50周年を迎えた関釜フェリーですが、韓国人と日本人の利用は、この十数年、韓国人旅客が大きく上回っているようです。
友好都市、釜山との長い信頼関係もあり、また、親日派の現政権下で、今後一層日本の歴史、文化、観光、スポーツ、飲食に対し、興味を抱く韓国人中流層が増えていくと思われ、最短距離で、空路に比較し安価な関釜フェリーを利用する観光客はますます増えると期待されます。
しかし、課題は、下関市内に滞在していただくことです。今でもフェリーが到着すると、多くの来日された方が観光バスに乗り込み、市外、県外に出ていかれます。観光資源の多い下関市にとっては残念な結果です。
次に、駅前の商業施設、シーモール下関の現状と今後の支援及び要望についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
まず、現状でございますが、シーモール下関を運営しております下関商業開発株式会社の決算から見ますと、系列会社を合併して今の体制となりました平成31年度――令和元年度でございますけれども、と比べ、令和4年度の営業収益は2割弱減少しております。
これは郊外や近隣自治体に大型商業施設が相次ぎ開業し、競争がさらに激しさを増す中、コロナ禍での来店客の減少やインターネット購入の増加など、消費者の購買行動の変化が加わり、厳しい状況になっているものと認識しております。
こうした状況ではございますけれども、購買活動の市外流出を防止するというシーモール下関の役割をこれからも果たしていくため、本市は下関商業開発株式会社の筆頭株主であることから、その経営に対しても必要に応じて意見を述べるなど、適宜対応してまいりたいと考えております。
JR下関駅前は、本市の玄関口であり、また中心市街地の核として、市民が交流する場、文化、芸術や生涯学習に接する場でもあり、市民の豊かな暮らしを支えてくれている重要なエリアでございます。
改めて、この重要性をしっかりと認識し、にぎわいと魅力あふれるエリアとなるよう、市といたしましても積極的に取り組んでまいります。
○山野陽生君
実は、私はクリーニング業を営んでおります。2年半前までシーモールにテナントとして、16年間お世話になりました。残念ながらコロナの影響で売上げが激減し、雇用もままならない状況となり、撤退を余儀なくされました。
私はシーモールのテナント会の理事をさせていただき、シーモールの推移を肌で感じてきました。御承知のとおり、シーモール下関は1977年にオープンし、下関駅前の顔として、最盛期には年間入館客1,000万人規模で、売上げも250億円を上げ、隆盛を誇りましたが、車での来店依存が増え、長年の駐車料金有料制などの問題が足かせとなり、乱立する郊外の大型ショッピングセンターに商圏を奪われ、現在の衰退があるように思われます。
ディベロッパーである商業開発の当時の経営陣が、売る側の立場での経営から、買う側の立場、すなわち消費者のニーズを捉えた経営ができず、衰退に歯止めが利かなかったと思われます。
人口減少やネット販売の進歩に伴い、地域での消費力はますます低下すると思われますが、反面、地域での交流の場であり、ショッピングをリアルに楽しむ場として、シーモールの存在意義は非常に大きなものがあります。この危機を打破するためには、シーモールの大株主である下関市としては、シーモール商業開発の経営に依存するのではなく、官民一体となって支援していくことが必要だと思われます。次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
シーモールの空きテナントの状況です。かつてにぎわいがあったシーモールが、今どんどん空きテナント、店舗が入ってもまたすぐ撤退するという状況です。
こういったマイナス材料の多い大型ショッピングセンターですが、シーモールは駅前の好立地、関釜フェリーに隣接するという二つの下関市の玄関口です。公共交通機関を使っての来店客を増やす施策、外国人に言葉で買物に不自由のないような施策を図るとともに、行政からの出資、業務委託などによる人件費や事業支援、空き店舗への出店を促進するための運営補助など、商店街活性化、各種の支援を実施していただければと思います。
また、エキマチの活動の常態化、リピエ2階に和食をはじめとした下関ならではの食堂街をつくるなど、下関駅前のにぎわい創出の提案をさせていただきます。
駅周辺のグリーンモール、茶山通り、豊前田商店街の現状と今後についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
本市が毎年度行っております、市内主要商店街の空き店舗の調査や、中心市街地区域内の歩行者等通行量調査のデータのほうから、こちらのほうの地区の現状について、御説明をさせていただきたいと思います。
まず、グリーンモール商店街では、令和4年度の空き店舗率が約27%、それで対象区域が現在と同一でございました、平成26年度と比べさせていただきますけれども、令和4年度の空き店舗の数は3倍、空き店舗の割合は約2.5倍と増えてございます。
また、平日の歩行者等通行量につきましては、調査時点でございます下関ステーションホテル前で、令和4年度は3,432人となっておりまして、これは平成26年度に比べ、約19%減少しております。
続いて、豊前田商店街ですが、令和4年度の空き店舗率は約15%、こちらも対象区域が同一でございました平成26年度と比べさせていただきまして、空き店舗の数は約3.6倍、空き店舗の割合は約3.3倍に増えております。なお、豊前田商店街では、歩行者等通行量のデータを持ち合わせておりません。
続いて、茶山通りですけれども、茶山通りは空き店舗、通行量とも、データを持ち合わせておらず、具体的な状況は把握できておりませんけれども、空き店舗が多いことは認識をしているところです。
一方で、令和4年度に起業・副業のチャレンジ施設・レンタルスペースが開業したほか、今年度は、発達障害を持った方が運営するカフェがオープンし、またこれとは別に、新たに飲食店の開業が予定されているなど、近年、市の補助金を活用した事業により、新しい人流を生む動きが起こっております。
グリーンモール商店街、豊前田商店街、茶山通りの今後につきましては、JR下関駅前周辺にあることから、先ほど申し上げましたシーモール下関など駅前商業施設と同じく、市といたしましても、にぎわいを再び創出できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○山野陽生君
次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
グリーンモール商店街です。駅前の高架橋の東側に位置し、リトル釜山と言われ、下関のコリアタウンの中心エリアで、在日コリアンの経営する韓国の食材、雑貨を扱う店が多いのが特徴です。
下関は関釜フェリーで結ばれた韓国釜山との歴史的つながりが深く、両市は1976年に姉妹都市を結び、当商店街の店舗群には、関釜フェリーで商材を運んでくる行商――ポッタリさんと言われますけど、そこから仕入れたりもしております。毎年11月23日には、リトル釜山フェスタが開催され、韓国色一色になります。
また、茶山通りに入る地点には、ちょっと拡大しますけど、かつては下関の台所と言われた長門プラザもかなり老朽化しておりまして、中は数店舗のみが営業しているというのは、非常に寂しい限りです。
次の画像を御覧ください。グリーンモールの寂れた姿です。このように空き店舗が増え、これは韓国風の案内版なのですが、見てのとおりぼろぼろです。かつてのにぎわいはなく、行政の手も及んでいないことが分かります。
既に荒廃した茶山通りを抜けると、豊前田商店街に出ます。空き店舗も増えておりますが、今は昼間のにぎわいがなく、夜の町となっているのが実情だと思います。次の画像を御覧ください。
下関駅西部地区には、維新の史跡が多数あります。高杉晋作奇兵隊結成の地、高杉晋作終えんの地、桜山神社、維新の招魂社、厳島神社、大歳神社、日和山公園などです。歴史好きにはたまらない見て歩きコースです。
駅周辺のにぎわい創出には、市外からの観光客が、自動車だけではなく、公共交通機関を利用して来ていただき、駅周辺を回遊する仕組みづくり、すなわちソフト面の充実が重要だと思います。そのために、鉄道事業者、バス事業者等への経営支援と連携が不可欠な要素です。
また、駅周辺のにぎわい創出には、企業や商店の力だけに依存するのではなく、官民一体となり、商業施設や商店街の存続発展する仕組みづくりが重要でもあり、大きな課題となっております。
二つ目の質問に入ります。面で捉えた海峡沿い街づくりについて、私なりに提案・要望を入れながら質問させていただきます。次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
まちなかウォーカブル推進事業の図です。観光客のあるかぽーと・唐戸エリア一極集中から、地元商店街や市民を巻き込むためにも、点や線の施策から、面の施策が重要と思われます。本市の掲げる下関海峡エリアビジョンが成就するよう質問いたします。
現在、週末、唐戸周辺は車の渋滞が慢性化し、利用者にとっても市民にとっても不満の声が上がっています。市外から車で来られる方は、数時間の渋滞にストレスを覚え、二度と来るかという方も多いと聞きます。また、市民も週末唐戸方面に行くことを避ける方も多いようです。まず、唐戸周辺の渋滞状況と、渋滞緩和策についてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
今年度、唐戸周辺の渋滞について調査を行っており、3連休中日である今年7月16日の国道と県道の渋滞状況について、確認ができましたので、お示しいたします。
まず、椋野トンネル方面から唐戸市場前の交差点までの約2キロメートルの区間の通過時間は、11時半から14時前後の時間帯で、おおむね60分を超え、最大で約74分でした。次に、みもすそ川方面から唐戸市場前の交差点までの約1.5キロメートルの区間については、11時半から13時前後の時間帯で、おおむね40分を超え、最大で49分でした。
なお、これらは主に唐戸市場交差点付近を目的地とする車が、そこに向かうまでに要した時間でございます。
唐戸地区の渋滞対策ですが、現在は、情報サイト「まちナビShimonoseki」にて、主要駐車場の満空情報の提供や、3連休以上の休日において、主要道路への看板等の設置により、周辺の駐車場への誘導を行っているところでございます。現在も、先ほど御説明したとおり、唐戸周辺では、休日などに渋滞が見られます。
今後、火の山やあるかぽーとの開発により観光客が増え、このエリアへ進入する車が増加することが予想されます。現在行っている中心市街地交通円滑化対策業務では、このような将来の観光需要も考慮した渋滞予測や、課題の抽出及び渋滞対策の検討を進めているところでございます。
○山野陽生君
次に、唐戸市場、カモンワーフ、海響館の利用状況についてお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
唐戸市場の利用状況についてお答えいたします。唐戸市場の場内駐車場利用台数を基にお答えさせていただきます。
過去10年間の一般車の年間入場台数は、毎年おおむね35万台前後で推移しており、一般車両で最も多かったのは、平成27年度の35万8,806台で、バスは平成29年度の1万1,654台でした。
令和2年度と3年度は、コロナ禍での外出自粛等の影響を受け減少したものの、令和4年度には、一般車両では35万2,546台と、外出自粛以前の水準まで持ち直しております。バスの入場台数につきましては、3,117台と、自粛以前の水準には回復していない状況でございます。
○観光スポーツ文化部長(古川 力君)
カモンワーフ及び海響館の利用状況についてお答えをいたします。まずカモンワーフでございますが、平成25年度に91万129人の方が訪れまして、その後は90万人前後で推移をいたしまして、コロナ禍の影響を受けた令和2年度には40万5,558人まで落ち込んだものの、令和4年度は72万3,973人と回復傾向にあると、当該施設を運営する事業者より伺っております。
続きまして、海響館でございますけれども、平成25年に72万9,449人の入館者がございまして、その後、少しずつ減少しましたが、コロナ禍前の令和元年には61万6,141人と、60万人を超える入館者でございました。
コロナ禍によりまして、令和2年には26万9,072人まで減少しましたが、令和4年には46万3,463人と、こちらも回復傾向にございます。
○山野陽生君
次に、唐戸商店街の現状と、杉村太蔵さんの「唐戸はれて」の動向についてお示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
唐戸商店街の現状につきましては、先ほどの主要商店街の空き店舗の調査、あるいは中心市街地区域内の歩行者等通行量調査のデータから、同じように御説明をさせていただきたいと思います。
唐戸商店街のほうにつきましては、令和4年度の空き店舗率が約29%で、およそ10年前の平成25年度に比べて、空き店舗の数とその率ともに、およそ1.9倍に増えています。
また、平日の歩行者等通行量で見ますと、調査地点である唐戸ドームで、令和4年度は1,666人となっており、これは平成25年度の2,394人に比べて約3割減少をしております。
このように、唐戸商店街では空き店舗が増え、歩行者も減少している状況ではありますけれども、昨年度、地元の有志により設立をされました一般社団法人からまちが、商店街に複数あった組織を一本化し、補助事業の活用や自主財源確保のための事業など、商店街再生に向け様々な取組を精力的に行っているところであり、私ども市のほうとしましても、御支援をさせていただいているところでございます。
議員からのお尋ねがございました唐戸はれてでございますけれども、この唐戸商店街内で計画されておりますタレント・杉村太蔵氏が代表を務める株式会社ここはれてによる商業施設、唐戸はれてにつきましては、現在既に工事に着手をしておりまして、年内に工事が完了し、年明けにはオープンを予定していると伺っております。以上でございます。
○山野陽生君
次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
唐戸商店街空き店舗の画像でございます。いわゆる唐戸市場から、唐戸商店街のほうに、なかなか観光客、お客様が流れてこないという状況でございますが、去る5月26日に開催されました第1回あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン推進会議で、唐戸商店街の理事長が言われた、近くて遠い存在の言葉が何を意味しているか。駐車場を利用する観光客は、有料のため長く滞在はいたしません。結果、非常に近い唐戸商店街まで足を運ばないということです。人が流れないため、テナントも撤退が続き、魅力ある店舗が少なくなり、ますます寂れていくという負のスパイラルに陥っております。
では、前の画像をちょっと御覧ください。まちなかウォーカブル推進事業の図です。観光客の過度な自動車依存の状況を踏まえ、下関駅から唐戸までの回遊性向上について、お示しください。
○港湾局長(酒井貴司君)
下関駅からあるかぽーと間のウオーターフロントエリアの回遊性の向上と、観光客及び市民等の訪問ニーズの把握を目的に、本年度、低速・小型の電動モビリティによる新たな交通システムの実証調査を予定してございます。
運行期間は多くの方々に利用していただけるように、下関駅前の人工地盤で開催されるエキマチビアパークに合わせ、10月7日土曜日から、そして港湾緑地で開催される下関海峡グルメフェス2023の期間を含めた、10月22日日曜日までの16日間としてございます。
運行時間帯は9時から18時で、ルートは関門海峡の景色を楽しめる、下関駅から海響館までの約2キロの区間を30分間隔で運行するものでございます。
また、運賃は無料とし、利用者からのアンケート調査を行うほか、走行ルート上の施設に対し、新たな交通システムに期待する事項などの聞き取り調査を行う予定としてございます。
このたびの実証調査の結果を踏まえて、収益性や他のサービスとの連携の可能性など、実現可能な事業スキームの検討などを行うこととしてございます。
○山野陽生君
自動車に代わる手段というのは、公共交通機関と、歩きと、自転車だと思われます。しかし、もう一つあるのです。海に囲まれた立地を生かし、ベネチアのように海上交通を使うことも考えられませんか。
下関駅周辺、巌流島、彦島、唐戸、壇之浦、長府、門司港と渋滞のない海を船により観光も兼ねて移動する、いかがでしょうか。先日、前田市長にはちらっとお話ししましたが、実現すれば関門海峡の観光として100%生かせると思います。今回これは提案ということでお願いいたします。
下関駅から唐戸につながる自転車道の現状と今後の整備について、お示しください。
○建設部長(伊南一也君)
本市の自転車道についてでございますが、歩行者・自転車・自動車の安全で快適な空間を確保するため、平成21年度より自転車道の整備を実施しております。
整備の状況といたしましては、下関駅から赤間神宮に至る国道9号をはじめ、下関駅周辺の県道やオーヴィジョン海峡ゆめ広場前、下関警察署前の市道で整備を行っており、平成27年度に完了しております。
○山野陽生君
先日、ちょっと自転車で、私も実際に走ってまいりました。駅からしばらくの間は、路面に色がついていて、分かりやすかったのですけど、途中からなくなり、要は先日の聞き取りでもあったのですけど、上の表示を見てくださいと。そうしないと分からないという状況が現実でした。
自転車に乗って、上を見て走る人はあまりいないと思うのです。前か下、危ないから、やはり足元を見ると思うのです。だから、そういったところで、駅から、例えばブルーならブルーでも構いませんけど、ずっと唐戸あるいは壇之浦まで、一定の色で、分かりやすいようにしていただければ、利用者に、いわゆるその自転車道が整備されているということと、安全に利用しやすくなるという面があるのではないでしょうか。
この観光客のレンタル自転車の利用が、ますます増えていくと思われます。下関駅周辺の自転車の駐輪状況と、レンタル自転車、電動アシスト自転車のレンタルについてお示しください。
○都市整備部長(清水 悟君)
JR下関駅周辺には、plan☆do下関駅北サイクルポート、plan☆do下関駅南サイクルポートの二つの自転車専用駐車場がございます。
この利用状況ですが、二つの施設を合わせた1日当たりの利用台数は、平成27年度は約280台、コロナ前の令和元年度が約310台、令和4年度は約260台となっております。
利用率につきましては、平成27年度は約39%、令和元年度が約44%、令和4年度は約38%となっております。
次に、下関駅周辺のレンタサイクルの利用状況につきましては、plan☆do下関駅北サイクルポートにおいて、当該自転車駐車場の指定管理者が、自主事業としてレンタサイクル事業を、平成30年から行っております。稼働している自転車は総計17台で、そのうち電動アシスト自転車は5台でございます。
全体の年間利用者数ですが、平成30年度は約580人で、令和4年度は約1,030人でございます。また、このうち、電動アシスト自転車の年間利用者数につきましては、平成30年度は約190人で、令和4年度は約550人でございます。
○山野陽生君
昨日の板谷議員の質問にもありましたが、サイクルタウン下関と掲げる下関にとっては、この駅から唐戸、また壇之浦にかけてが、一つの中心エリアとして、観光客にどんどん利用してもらうために、このレンタル自転車、あるいは電動アシスト自転車のレンタル等についても積極的に考えていかれてはどうでしょうか。
また、人は何もなくて、歩く距離の限界は600メートルと言われています。見る、買う、食べる楽しさが少なくとも100メートルごとにあれば、下関駅から唐戸までの2キロの距離も長い距離ではなくなります。
まちなかウォーカブル推進事業を成功させるため、下関駅周辺から唐戸、あるかぽーと、火の山、壇之浦に至るエリアを歩いて楽しめるまちにするために、どのような施策を考えていらっしゃいますか、お示しください。
○産業振興部長(山田 豊君)
歩いて楽しめるまちづくりといたしましては、まずもって、国道を挟んだ唐戸、あるかぽーとを面で捉えた観光エリアと、商店街エリアの回遊性の向上を図る事業が実施される予定でございます。
具体的には、先ほど申し上げましたが、唐戸商店街の取組の中におきまして、今年度、国の面的地域価値の向上・消費創出事業補助金を活用して、歩きたくなるウォーカブルなまちを目指し、地域マップや連動するアプリを作成するとともに、本市のまちなかウォーカブル推進事業と連動した歩道等の公共空間における店舗利活用により、商店街への回遊を促します。
加えて、市の補助事業でございます地域商業機能複合化推進事業補助金を活用して、唐戸地区の公園内にコンテナショップを設置することで、さらに回遊性を高めることとしてございます。このように市と商店街が力を合わせて、歩いて楽しめるまちづくりに取り組んでまいろうと思っております。
○山野陽生君
ここで大事なのはやはりハード面よりもソフト面だと私は思っております。歩いて楽しめるまちづくりでの私からの提案ですが、駅から唐戸、壇之浦にかけて、商業施設や商店街、名勝等、100メートルごとに地点を設定し、スマホで最近はやりのQRコードを読み取り、ポイントを付与すると。例えば、10ポイントたまれば、エリアの商業施設や商店街、唐戸市場などで買物や飲食、お土産代が割引されるクーポンのような仕組みをつくれば、若い人を中心に、エリアを回遊するのではないでしょうか。
人の流れができれば、新たな出店も見込めると思われます。JRにも協力いただき、観光客や地元の方にマップを配付するか、SNSへ配信し、参加店を広く募れば、地元にもお金が落ちるし、初期コストもあまりかからない提案なので、ぜひ検討してみていただければと思います。
続きまして、関釜フェリーや、大型客船の来航、リゾナーレ下関、ジップライン等、外国人観光客が増えることが予想されますが、インバウンド観光のまちづくりについて、どのような取組をされますか。また、外国語に対応するため、本市はどの程度、対策されていますか、お示しください。
○観光スポーツ文化部長(古川 力君)
インバウンド観光のまちづくりについてということでの御質問でございますけれども、下関駅周辺施設における案内表示に外国語の表記を加えるなどのほか、唐戸や長府におきまして、押しボタン信号機の利用方法が分からず、立ち往生されたり、赤信号で横断しようとする外国人観光客の姿が散見されましたことから、英語、中国語、韓国語で、信号機の利用方法を記した表示盤を設置するなど、外国語対応を進めております。
さらに、本年度、多言語観光案内システム構築事業を実施いたします。これは、令和3年度、4年度に、育成に取り組みましたインバウンドガイドの皆様に御協力をいただきまして、観光スポットや交通機関の利用方法等について、多言語で案内する姿を撮影した動画を、動画共有サイトにアップロードしておきまして、各動画にアクセスする2次元バーコードを各スポットに掲示することで、外国人観光客がオンデマンドで多言語での観光案内を受けられる、環境を整備するものでございます。
いわゆる、旅ナカにおける多言語対応を強化することによりまして、本市を訪れる外国人観光客の満足度の向上を図ってまいりたいと考えております。
○山野陽生君
何分やはり、外国人の方、言葉の問題が一番足かせになるのではないかと。ここをやはり、外国人に優しいまちづくりというのは、言葉の問題ではないかと思いますので、ぜひ力を入れていただければと思います。
また、ジップラインが火の山から和布刈につながり、和布刈からトロッコ列車で門司港レトロへ行き、連絡線で唐戸に渡る構想を、先日施工業者から説明を受けました。この機会に、JR門司港駅から下関駅への観光ルートをJRと連携して企画し、下関駅周辺のにぎわい創出につなげていければと思います。ちょっと時間がありませんので、ここはもう、これだけで済まさせてください。
続きまして、次に、彦島の南風泊水産加工団地の観光開発について、質問いたします。ここも、質問をせず、私の意見だけ、提案だけさせてください。次の次の画像、南風泊水産加工団地の観光の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
インバウンド観光のまちづくりに関連して、団体客を中心に、観光バスを利用し、下関のフクを食べるだけでなく、フクの加工場で、フク料理の体験と学習をすることを、観光コースとし、広く全国、海外にフクをアピールしてはと思います。
現在は、南風泊水産加工団地では、天白ひらこしさんと畑水産さんで、体験、見学、会食ができますが、今後、天白ひらこしさんでは、2階で体験、食事をし、1階ブースで南風泊水産加工団地の直販品、これは組合だけでも二十数店舗あるのですが、フクだけではなく、鯨、明太子、ワカメ、モズクスープとか、いろいろとございます。これを一括販売することで、観光客に利用いただければと思っております。
それから、この図の一番上にある天然トラフグの取扱い日本一の南風泊市場が、高度衛生管理型荷さばき所として、6年度に完成いたします。残念ながら、袋競りの体験や見学は一般客はできません。そこで、唐戸魚市の社長とも話したのですが、現在の唐戸魚市の仮設社屋が移転した後、1階を物産館にし、南風泊水産加工団地の商品を一括販売し、2階を食堂としてはどうか。響灘などの景観を楽しみながら、フクのおいしい食べ方を学んでいただく、また、フクの袋競りの模擬体験を行い、下関のフクを身近に感じていただく試みです。
現在も年1回産業祭が開催され、また、月初めの休日に地元漁師さんが、海産物の即売会を行っております。多くの来場者があります。この物産館、食堂の構想は、常設会場をつくるということであります。この案が実現できるように、唐戸魚市さんや南風泊加工団地の組合さんと行政で連携し、下関の観光スポットが一つ増えることを期待しております。
それでは、最後に大谷斎場の設備の老朽化について質問いたします。次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
実はこの大谷斎場のエレベーターの案件というのは、知り合いの葬儀屋さんから依頼がありました。調査に伺うと、次々に現場からの不満や要望が上がってきました。
まず、エレベーターの件ですが、現在使われているエレベーター1基は何年に設置されましたか。また、故障歴はありますか。
○市民部長(渡部英樹君)
大谷斎場のエレベーターは、平成12年4月に設置されまして、供用開始から23年が経過しており、これまで月1回の保守点検と年1回の法定点検を継続して行いながら、維持管理に必要となる修繕工事を行っております。
これまでの主な改修としましては、平成24年に油圧パイプの経年劣化による油圧配管改修工事を行っております。その他の故障につきましては、令和元年度及び令和3年度に制御機器の不具合により、1週間から2週間の間、エレベーターの使用を停止いたしましたが、いずれも保守業者の対応により復旧しております。
○山野陽生君
現在、旧式の下から持ち上げる油圧式を使っておりますが、今後、故障した場合、部品がなくメンテナンスができないそうです。不慮の事故に備え、新式の上から巻き上げるロープ式の検討はございますか、お示しください。
○市民部長(渡部英樹君)
大谷斎場に設置しておりますエレベーターは、議員御案内のとおり、油圧式というタイプでございますが、御質問の中にもありましたとおり、現在はメーカーが製造を中止している部品もあり、修繕が必要となった場合に、部品が供給されないおそれがあるとの報告を、保守点検業者から受けております。
また、一般的なエレベーターの更新周期が20年から25年とされておりまして、これに差しかかっていることから、下関市斎場個別施設計画におきましては、令和6年度にエレベーターの更新を予定しております。
なお、更新予定のエレベーターの仕様に関しましては、現時点で具体的に決まっておりませんので、御提案いただきましたロープ式も含めまして、施設に適したものを検討してまいりたいと思っております。
○山野陽生君
次の画像を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山野陽生君
大谷斎場には、待合棟の1階、2階に、それぞれ男子トイレ、女子トイレがありますが、特に女子トイレは和式もあり、和服でこられた方から大変不評だそうです。
日常使用するものではありませんが、個人の宗教観や公衆衛生行政を考慮し、全面衛生管理の温水洗浄便座付洋式トイレに改善できませんか、お示しください。
○市民部長(渡部英樹君)
大谷斎場の個室トイレのうち、洋式トイレの内訳で言いますと、男子トイレ4基のうち2基、女子トイレで6基のうち2基、多目的トイレ1基となっておりまして、いずれも温水洗浄便座はついておりません。
トイレの洋式化につきましては、令和5年度予算におきまして、1基の洋式化を実施する予定にしておりましたが、ほかに優先して対応しなければならない修繕が複数発生いたしましたので、年間の修繕予定を見直して、実施の可否を検討している状況でございます。
御質問にございました温水洗浄便座付洋式トイレにつきましては、洋式便器の入替えに加えまして、電気工事も必要となり、改修費が高額になることから、新たな予算の確保に努めるとともに、今後も斎場運営におきまして、優先して行われるべき不具合に対応しながらも、こまめな改修計画の見直しなどにより、少しずつでも温水洗浄便座付洋式トイレの設置を実施できるよう努めてまいります。
○山野陽生君
早急に対応していただけると、ありがたいと思います。よろしくお願いします。
あと一つ、大谷斎場待合棟1階に売店があるのですが、民間が経営され年々売上げが減り、経営も厳しいようで、婦人会のお世話係の方が、来年3月末で、高齢で辞められるそうです。手を挙げる業者がいないのではないかと思われます。
原因の一つに弁当などの持込みを認めているため、売上げが上がらないそうです。今後、斎場に売店がなくならないように、持込み禁止を検討していただければと思います。
斎場は日常使用するものではないため、利用者がどのような不満や要望を持っているか伝わりにくい面があります。修繕費等予算の問題も重要ですが、個人の内面や政策などが複雑に絡む中、今後、需要が増えると見込まれる火葬場の機能維持、衛生管理向上のためにも、早急に対応していただくよう要望いたします。
以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。(拍手)
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