録画放映

第3回定例会
9月19日(火) 本会議(一般質問1日目)
公明党市議団
秋月 美佐子 議員
1.災害への対応と復旧支援について
2.学校に行きづらい子と親のサポートについて
【下関市議会 本会議確定版】

△一般質問
○議長(香川昌則君)
日程第2 これより「一般質問」を行います。本日は、御手元に配付の通告一覧表により、1番から6番までの通告者について行いたいと思います。
この際、お願いいたします。一般質問は、初回から一問一答方式により、全て質問席で行います。1人の持ち時間は答弁を含め50分。質問回数の制限はありません。なお、執行部におかれましては、質問の要旨を的確に捉え、簡潔にして要を得た答弁をされるようお願いいたします。
それでは、順次質問を許します。1番、秋月美佐子議員。(拍手)
  〔秋月美佐子君登壇〕
○秋月美佐子君
おはようございます。公明党の秋月美佐子と申します。よろしくお願いいたします。トップバッター頑張ります。
  〔手話を交えながら発言〕
○秋月美佐子君
まず最初に、6月29日から7月11日までの梅雨前線豪雨災害では、各部局において、不眠不休の対応、大変にお疲れさまでございました。復旧事業については、まだこれからと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
今回の被害状況について、ホームページで公開されておりました7月7日と7月14日付の最終版とありましたが、報告ではかなり増えているとのことで、最終的な被害状況をお示しください。まず、本庁管内と各総合支所管内の床上、床下浸水の被害状況についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
被害状況についてということでございます。令和5年6月29日から7月11日までの梅雨前線に伴う豪雨による住宅の浸水被害についてお答えをいたします。
この期間での顕著な豪雨は、まず6月30日夜から7月1日午後までと、それから次に7月8日午後から7月9日午前に発生をいたしました。これらの豪雨によりまして、市内で住宅の浸水被害が発生し、まず6月30日から7月1日にかけましては、床上浸水が本庁管内で2件、各総合支所管内では菊川で31件、豊田で39件、豊北で7件。また、床下浸水は本庁管内で1件、各総合支所管内では、菊川で53件、豊田で85件、豊浦で8件、豊北で12件でございます。
続きまして、7月8日から7月9日にかけましては、床上浸水は発生しませんでしたが、床下浸水は本庁管内で4件、各総合支所管内では、豊浦で2件発生しております。
○秋月美佐子君
やはり菊川、豊田、合わせて床上浸水、この表よりも増えていまして、床下に関しては、菊川が53件、豊田に関しては85件と、数字が増えている現状が確認できました。
では次に、本庁管内と各総合支所管内の公共土木施設の被災状況についてお示しください。
○建設部長(伊南一也君)
令和5年6月末から7月にかけての梅雨前線豪雨により被災した道路や河川などの土木施設の箇所数と被害額につきまして説明いたします。
まず本庁管内につきましては、道路が52か所、河川が40か所で、被災額は約20億円。次に、菊川総合支所管内は、道路が6か所、河川が26か所で、被災額は約7億5,000万円。豊田総合支所管内は、道路が44か所、河川が64か所で、被災額は約24億4,000万円。豊浦総合支所管内は、道路が36か所、河川が52か所で、被災額は約18億2,000万円。豊北総合支所管内は、道路が21か所、河川が54か所、橋梁が3か所で、被災額は約17億4,000万円でございます。
このたびの被災についてでございますが、豊田町におきまして、時間雨量が100ミリを超えるなど、4総合支所管内の各地で短時間に集中豪雨が発生し、豊田総合支所管内を筆頭に、河川の増水による護岸の崩壊など、過去最大規模の被害が発生いたしました。
○秋月美佐子君
本当に総合支所管内に被害が集中し、特に菊川と豊田に集中したということがよく分かります。私が一報を受けたのは、7月1日の午前4時でした。菊川町内の知人から、床上浸水した御自宅と水没した自家用車2台の写真がLINEで送られてきました。次に裏山から流れ出た土砂が敷地内に流入して、車が埋まって家の前が川になっていると。夜が明けるのを待って、ちょうど土日でしたので、主人に運転してもらって、現地に駆けつけました。途中、道路が崩れていたり、少し身の危険も感じましたが、情報が入った旧四町全て、1日だけでも30件近く回らせていただきました。豊田町では、夜中に100歳の御婦人を助けるため、担架の代わりにふすまに御婦人を乗せて、御近所の方が腰まで水につかりながら救助されたと伺いました。私が駆けつけたときには、水は引いておりましたけれども、一帯はほとんどが床上浸水という状況でした。
そこで、この6月30日発生の大雨についてですけど、災害発生直後の被害状況の把握と対応はどのようにされましたでしょうか。また各総合支所管内の状況把握についてお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
まず本庁の対応といたしましては、6月末からの豪雨の際には災害警戒本部を立ち上げるとともに、市民への避難指示を発令いたしまして、市民等から寄せられる通報や情報を整理した上で、警察や消防などの関係機関や庁内関係部署に展開をいたしまして、被害状況の早期把握と現地対応に努めたところでございます。
また各総合支所管内での被害状況の把握につきましては、各総合支所管内で発生した被害状況の報告を、防災危機管理課が取りまとめをいたしまして、各総合支所と情報共有を図るほか、報道発表を行い、併せて市の公式ホームページにも被害状況を掲載したところでございます。
○秋月美佐子君
各総合支所の状況把握についてちょっと確認させていただきます。各総合支所からの報告を受けるという、本庁ではその体制だと思いますけども、それでは、四町ありますので、私が住んでいる菊川総合支所では被害状況の把握はどのようにされましたでしょうか。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
議員お住まいの菊川総合支所管内でございますが、この被害状況の把握につきましては、総合支所の職員が地域内を巡回し、現地の状況確認を行うほか、自治会長及び地域住民からの通報により管内全体の把握を行いました。
しかしながら、議員御承知のとおり、地域内の被害は想像以上に甚大でございましたので、菊川総合支所の職員だけでは、早急に全容を把握することが難しいと思われたため、本庁へ応援職員の派遣を要請し、被害の状況把握を行うとともに、防災危機管理課へは逐次報告したところでございます。
○秋月美佐子君
本当に、同時多発的な災害を把握するというのは大変だったと思います。住民の方からの通報ということがありましたけれど、地域住民の方からの問合せはどのようなものがありましたでしょうか。
○菊川総合支所長(東矢博信君)
菊川総合支所への問合せにつきましては、7月1日以降、災害に関する通報が350件以上ございました。その内容といたしましては道路及び水路等への土砂流入、先ほど御案内がありましたように、床上・床下浸水の被害のほか、災害ごみなどに関するものがございました。これらに対応するために本庁の関係部署と連携いたしまして、復旧支援体制を構築し、迅速な対応に努めたところでございます。
○秋月美佐子君
私は議員になって初めて災害対応をして、とにかく被災者の方の状況を総合支所に伝えて対応してもらおうと、何度も何度もお願いに行きました。限られた人数の職員が、広大な地域の被災状況を把握するために、現場を駆け回っていらっしゃいました。大変な中でしたが、私の要望もしっかり聞いて、できることには対応していただきました。菊川総合支所だけでなく、豊田総合支所にも再三伺いまして、御迷惑をかけましたけれど、ありがとうございました。
私が一番気になったことは、被災された方が口々に、10年前はすぐに支援があったのに、なぜ今回はこんなに遅いのか。10年前のときは対応してくれたのに、なぜ今回できないのかと言われたことです。10年前というと2013年の豪雨災害です。
今回のように、各総合支所管内に被害が集中することは、今後もあると思います。10年前に比べて、職員の数が少ない、また地域住民の方たちの協力体制が高齢化に伴って厳しくなっているなど、理由は様々あると思いますが、もし人数が少ないということで、対応が後手に回ることがあるのでしたら、ぜひ連携をしっかり取って、今、菊川総合支所がされたように、本庁からの応援体制を早く要請する等、手を打っていただきたい、その体制を日頃から整えていただきたいとお願いいたします。
次の質問に移ります。私の知識と認識不足だったのですが、行政ができるのは、道路やインフラ整備と公共の施設の復旧です。民間の被害は、自分たちで対応しなければなりません。できないことを伝える伝書鳩のように、被災者のお宅と総合支所を行ったり来たり往復しました。2日たっても庭の土砂が片づけられないため、床下の汚水がたまったまま気温が上昇し、悪臭が漂い始めました。災害ごみの片づけで疲れ果て、自力では庭の土砂まで片づけられないと、途方に暮れる被災者の現状をどうにかできないかと思いついたのが、災害ボランティアでした。3日目の朝、月曜日の早朝、社会福祉協議会に電話をしました。しかしその時点で、災害ボランティアの要請がないどころか、情報すら伝わっていませんでした。
そこで質問です。被災された住民の方々の中には、一刻も早く災害ボランティアの支援が必要な方もおられたと思いますが、災害ボランティアの要請判断はどのようになっていますか。
○総務部長(笹野修一君)
災害時のボランティア活動ということでございますけども、こちらにつきましては、下関市社会福祉協議会に対応をしていただいております。どの程度の人員が必要かなどの判断は、本市と協議の上で、下関市社会福祉協議会で行っていただくということになります。そのため、判断に必要な本市が把握した住家――住まいのことでございますけども、住家の破損や浸水等の被害状況を速やかに下関市社会福祉協議会に情報提供することに努めるなど、円滑な連携を図ることとしているところでございます。
なお、大規模災害で被害の規模が大きく、市内広域にわたるボランティア活動が必要と認められるような場合には、「下関市災害ボランティアセンターの設置、運営等に関する協定書」に基づきまして、本市と下関市社会福祉協議会が協議の上、本市が下関市災害ボランティアセンターを設置し、下関市社会福祉協議会に同センターを運営していただくということになります。
○秋月美佐子君
私が要請した翌日には、約20名のボランティアが豊田町に駆けつけてくれました。前田市長も行っていただいたということでありがとうございます。ちょうど私がお願いした方のところにテレビの取材が入りまして、大変感謝されていらっしゃいました。要請をすると翌日には、もう現地に入れるという体制が、社協のほうではできているかと思います。今後も災害ボランティアを要請することは必ずと言ってよいほど必要になってくると思いますので、連携を一刻も早く取っていただいて、救済に当たっていただきたいと思います。
次に、必須事項のマニュアル化についてです。災害ごみの対応についてでございますが、今回どのように対応されましたでしょうか。
○環境部長(三好洋一君)
環境部では平成30年に策定されました下関市災害廃棄物処理計画を踏まえまして、具体的な業務内容や手順等を明確にした初動対応マニュアルを作成しており、被害状況に応じ、市民仮置場を速やかに設置し、集められた災害ごみを収集することとしております。このたびの豪雨災害におきましても、菊川地区2か所、豊田地区3か所、豊北地区1か所の計6か所に仮置場を設置しているところです。
また、災害ごみにつきましては、ごみの種類によって処理の方法、あるいは搬出先も異なってまいります。よって仮置場において、種類ごとのごみの分別をお願いしているところでございます。これがされませんと、迅速な収集処理というものに非常に支障が出るためでございます。
○秋月美佐子君
必須事項のマニュアル化を取り上げましたのは、総合支所によって若干の対応がまちまちと感じたからです。災害ごみと、次に質問させていただきます消毒の対応が、総合支所によって異なりました。はっきり申し上げまして、災害時、現場はパニックです。無理もないです。一瞬にして、家財道具がごみと化してしまうのですから。住民の方からは、車が水没して動かないのにどうやって運べばよいのか。こんなときに分別なんかできないと激怒する方も少なくありませんでした。私もそのときは同じ思いでした。でも、災害ごみの問題解決を調べていくうちに、災害廃棄物の分別は常識になっているということが分かりました。
こちらは、環境省の災害廃棄物対策室が示した災害廃棄物の発生量と処理期間です。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
 先ほど答弁にもありましたけども、これによりますと、例えば、平成30年7月の西日本豪雨では200万トンの災害ごみが発生し、その処理に約2年かかっています。また近年では、令和2年7月の豪雨で56万トン発生し、約1.5年と、この表にはありませんが、東北の豪雨で分別しなかった地域では、3年以上たっても処理が進まず、路上に山積みの状態が長く続いたところで、いろいろな被害が拡大したという事例もございます。
分別できないと、その後の処理に膨大な時間と経費がかかるということがよく分かりました。環境部の方が分別が大事と言われたこと、このことは本当にそうだということが分かりました。
平成30年7月の豪雨のときに、こちらに示しましたように、同じく環境省災害廃棄物対策室が災害廃棄物の分別についてということで周知されております。分別の重要性、分別の仕方、また仮置場の設置の仕方などが具体的に示されています。これらの情報は、総合支所だけでなく本庁管内でも共有されていると思いますが、再度確認をお願いして、各地域でまちまちな対応が発生しないように、事前に準備をしていただきたいと思います。
その上で、市民の方にも、先ほど言ったようにパニックの状態のときに、急に分別しろと言われても、中には消防団の方が、車が水没されたお宅のごみを仮置場に持っていったそうです。そうしたら、分別して持ってこいと言われたと言って、わざわざ持って帰られて、ちょっと気分を害していらした方もいらっしゃいました。そういうことがないようにするには、市民の皆様の御協力が必要だと思いますし、市民の皆様にも日頃から災害ごみの分別について、今一般のごみの分別はもう皆さん周知されて、生ごみとか資源ごみを分けて出すことが当たり前になっております。それと同じように、この災害ごみの分別についても、皆様に認識していただく必要があると思いますけども、この災害ごみの分別について市民の皆様へはどのように周知されていらっしゃいますでしょうか。
○環境部長(三好洋一君)
まず分別の件でございます。これは例年、3月の市報と同時に配布しております「ごみの分け方・出し方ガイド」に、災害が発生し仮置場を設置した際の生活ごみと災害ごみの出し方や注意事項について記載し、周知を図っているところでございます。
また、実際に設置された仮置場におきましては、初動のところでなかなかちょっとうまくいかなかった部分もありますが、搬入される市民の方に分かりやすい設置の方法、また表示に努めているところでございます。
○秋月美佐子君
こちらは松本市の災害廃棄物処理ハンドブックでございます。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
 インターネットで検索すると幾つかの市が検索できましたが、残念ながら本市には見当たりませんでした。中でもこの松本市のハンドブックの内容が分かりやすくてよいと思い提示させていただきました。このように分別の方法も、イラストでなぜ分別が必要ということも書いてありますし、分別の状況もイラスト入りで分かりやすく周知してありました。
このように周知しておけば、混乱を防ぐことはできるのではないかと思います。またホームページを見られる環境にない方に対しましては、例えば、梅雨時期を迎える6月に市報にチラシを入れるなど、周知を工夫していただくことを要望いたします。
次に、衛生対策についてでございます。住宅の消毒についてはどのように対応されましたでしょうか。
○保健部長(八角 誠君)
衛生対策、消毒についてお答えいたします。今回の豪雨災害で深刻な被害を受けました総合支所管内においては、感染症予防や食中毒の防止のため、床上浸水の被害を受けた世帯に対しまして、消毒液と消毒の手順・感染症予防の注意事項等を記載したチラシを希望者に配布いたしました。
また、広範囲に浸水した地域につきましては、地区単位で噴霧による消毒ができるよう、自治会へ噴霧器の貸出しを行うとともに、高齢単身世帯など、自力での消毒が困難な世帯につきましては、職員がその世帯に出向き、消毒作業を行ったところでございます。
○秋月美佐子君
結果的にはそうやって消毒に対応していただいたのですけども、2日目に、また四、五日たって、総合支所に消毒をお願いしたときには、総合支所によっては、各自でしていただかないといけないと、消毒の準備もないというのが最初の回答でした。そのために、私が住民の方に、消毒も自分でしないといけないそうですよと言いに戻りましたら、もうそんなことぐらい、前回のときは、防護服を着たセンターの方が来てやってくれたのに、こんなことも全部自分でしないといけないのかと、やはりすごくショックを受けていらしたので、最初から、消毒に関しては、消毒剤・噴霧器等を準備はできるので、しっかり皆様のほうで対応してくださいという周知もやはり必要ではないかなと思っております。
とにかく災害時は現場はパニックです。被災することに慣れていらっしゃる方はおられませんので、ぜひ日頃の平時に、こういうことをハンドブック等を通じて周知をしていただく中で、混乱を防ぐほうに、できるだけ気を配っていただきたいと思っております。
今回、私が質問で一番お伝えしたいことは、災害が発生したときに必要なこと、すなわち必須事項が、私の記憶では時系列で住民の皆様の要望が変わってまいります。まず災害ボランティアの派遣要請、次に災害ごみの仮置場と災害ごみの運搬支援、また消毒支援。少なくともこれらについてはマニュアル化し、総合支所だけではなく、どこでも同じ支援が届くように、早く届くように準備していただきたいことをお願いいたしまして、まだ台風シーズンは終わっていませんので、次の災害に備えて、関係部局が連携して、よろしくお願いしたいと思います。
それではもう一つ、農業用施設の復旧支援について、今回の農業関係の被害については、豊北町が大変だったと聞いております。私も田に水を引く水路に土砂が流れ込んで、自分たちではどうにもならないと連絡をいただいたところがありましたけれども、農業関係の被害状況についてお示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
農業関係の被害状況についてお答えいたします。本庁管内につきましては84か所、被害額は約1億4,000万円。菊川総合支所管内は68か所、被害額は約3,000万円。豊田総合支所管内は142か所、被害額は約3億6,000万円。豊浦総合支所管内は77か所、被害額は約2億4,000万円。豊北総合支所管内は43か所、被害額は約9,000万円でございます。
○秋月美佐子君
復旧のための補助制度について、お示しください。
○農林水産振興部長(植木純治君)
農業用施設の復旧のための補助制度についてお答えいたします。農業用施設の復旧のための補助制度といたしましては、被災の規模に応じて、国庫補助災害復旧事業と、単市の災害復旧事業により復旧を行います。
まず、国庫補助災害復旧事業ですが、復旧事業費40万円以上の箇所について、市が事業主体となり、復旧工事を実施し、その補助率は、農業用施設が95%、農地関係が90%でございます。続きまして、単市災害復旧事業ですが、平成16年度に制度を創設したもので、復旧事業費13万円以上40万円未満の箇所について、農業者自身が土木業者等に復旧を依頼して施工する経費の一部を助成する制度でございます。その補助率は、農業用施設が70%、農地が60%でございます。
○秋月美佐子君
今回ここを取り上げさせていただいたのは、私の認識不足で、消防団とか災害ボランティアは、そういう水路の土砂も取り除いていただけるのかと思っておりまして、要請があったときに御連絡させていただきましたが、やはり災害ボランティア等は、人が住んでいらっしゃる民家の支援しかできないということが分かりました。でも本当に災害がひどいところは、重機でないと取り除けないほどの状況で、今回の補正予算で、鳥獣害防止柵の復旧については、多くの補助をしていただき、大変にありがたがっていらっしゃいましたけども、今後できれば、用水路の復旧支援もお願いしたいと思います。
自己負担30%から40%、7割以上の支援がある、補助があるというのは分かるのですが、金額がかなり大きくなってきたり、農家の方たちは高齢者の方たちが多いのです。もうそこまで自腹を切ってまでできないと。もうこれをきっかけに農業をやめてしまおうかというような声が出ているということも聞いております。その農業者の方々を減らさないためにも、ぜひ負担金ゼロをできれば実現していただきたい。なかなか難しいと思います。でも本県他市ではできているところもあると聞いておりますので、どうか今後御検討をお願いしたいと思います。
災害対応についての最後の御提案です。今、体育館が避難所として指定されていると思いますけども、体育館にはエアコンがなく、また洋式トイレもございません。避難をちゅうちょしたり、水分を控えて熱中症など、体調不良になることも心配です。いろいろと環境が厳しいと思いますが、児童クラブ専用棟を避難所として運営してはいかがでしょうか。お考えをお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
児童クラブ専用棟の避難所の運営についてということで御質問をいただきました。まず小学校を避難所として開設する場合には、体育館を避難所として運営をいたします。しかしながら、避難者数や被害の状況によりましては、施設管理者の協力を得た上で諸室――そのほかのもろもろの部屋でございますが、諸室等を避難所として利用する必要があるのではないかと考えております。
また、諸室の選択肢の一つといたしまして、児童クラブ専用棟を利用することも考えられるところではございますが、児童クラブ専用棟は、単独施設でありますことから、校内放送が届かないなど設備面の課題もございます。こうしたことからも、大規模災害を想定いたしまして、広くほかの施設利用も含めて、関係部署と研究及び調整をしてまいりたいと考えております。
○秋月美佐子君
避難して来られる市民、特に高齢者の方々が不自由のない環境、少しでも快適に避難生活を過ごせる環境に配慮をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきます。学校に行きづらい子と親のサポートについてでございます。現在の、特に保護者のサポートの現状についてでございますが、相談窓口の状況について、相談件数と内容などをお示しいただきたいと思います。
○教育長(磯部芳規君)
相談窓口についてですが、初めは学校に相談する場合が多く、主に学級担任や教育相談担当、ケースによっては生徒指導担当が代わって対応しています。しかしながら、学校に相談しづらい場合もあることから、教育委員会では、いじめテレホン相談や教育相談室を設け、専門の教育相談員が電話や対話での相談を受け付けています。
令和4年度の相談受理件数は100件で、いじめや学業、進路に関するものなど、相談内容は多岐にわたっていますが、その中でも不登校に関する相談が最も多くなっています。
また、教育支援教室「あきね」では、毎月第3金曜日に保護者同士が互いに悩みを語り合う交流の場として、「親カフェあ・き・ね」を、それ以外の金曜日には、教育相談員が保護者の相談を受ける「ふれあい相談室」を開催しています。あわせて、不登校について学び、考えるとともに、保護者同士が支え合う機会として、保護者研修会を年4回、教育センターで開催しています。
○秋月美佐子君
その相談内容に、どのように対応しているか、もう少し詳しくお願いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
教育委員会で受けた相談につきましては、相談者の了解を得た上で、学校に速やかに情報を提供しています。学校では、教育委員会からの情報提供や保護者からの相談を受け、まずは、週1回のアンケート結果や指導記録などを基に、これまでの状況を整理し、要因の発見に努めるとともに、現在の子供の状態などを教職員に共有し、対応策を検討するケース会議を開催するなど、チームとして対応するように努めています。
また、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、医療機関等とも連携し、子供や保護者の不安や生活状況が改善されるよう支援していくこともあります。
さらに、状況によっては教育委員会と学校とで対応を協議した上で、教育支援教室をはじめ、フリースクール等の連携を進めるなど、子供一人一人の状況に応じた支援に取り組んでいます。
○秋月美佐子君
学校に行きづらさを感じる要因は様々で、また大変デリケートな問題と思います。最近では、何となく不登校といって、明確な原因が分からないケースが増えていると聞きました。それら個々の状況に合わせて、今お聞きしましたように対応されていくというのは本当に大変と推察いたします。こちらの表を御覧ください。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
これは御報告いただいた本市の不登校児童生徒数の推移を表にしたものでございます。小学生・中学生ともに、残念ながら年々増加しています。特に中学生については、令和2年度の1.5倍に迫る数字です。この中には、1週間の間、1日程度休み、体調を整えながら通学できている生徒さんも含まれていて、完全に不登校の生徒ばかりではないという説明は受けております。しかし、休む日数は増えていく傾向にあるのではないでしょうか。
文部科学省が令和4年10月に公表したデータによると、全国的にも不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多となったと。また、人数では中学校が上回りますが、増加率では9年間で、中学校は約1.8倍、小学校は3.8倍ということです。また、その要因の約5割は小中学校とも、無気力、不安が占めているということでした。
昨年の相談件数が約100件とのことでしたけども、令和4年度の不登校児童生徒数の合計は678人です。学校以外に行き場を求めている保護者の方の相談を十分に受け止められているのか、少し心配が残ります。
そこで、今、社会的な自立へ向けて、社会とつながる場の状況ということで、支援施設の状況をお示しください。
○教育長(磯部芳規君)
教育委員会では、子供の社会的自立のためには、基礎学力の定着、集団生活への適応、情緒の安定が必要であると考えています。そこで教育支援教室では、指導員のサポートを受けながらの自主学習のほか、ゲームや簡単なスポーツ等、小集団における触れ合い活動を取り入れています。また、オリエンテーリングや地域散策とともに、夏季休業中には、通級者以外の参加者希望も加え、深坂自然の森で「ふれあいDayキャンプ」を開催し、グループでのカレーづくりなどを通して、自己有用感、自己効力感を味わわせるなど、社会的自立に向けた支援に努めているところでございます。
教育委員会としましては、これまでも支援を必要とする全ての子供に適切な支援ができるよう、公共交通機関での通級に配慮した教育支援教室の配置や専門指導員等の配置を行うなど、体制の整備に取り組んでまいりました。今後も、市全体に支援が行き届くよう努めてまいります。
○秋月美佐子君
支援教室「かんせい」と「あきね」があると、そこにおいて希望の生徒さんが十分大体受入れができていると、聞き取り時に御報告をいただきました。ですが、通える距離でない生徒さんは、そもそもやはり希望はしないと思うのです。私が住んでいる菊川町からは、まず無理です。
最初に報告いただきましたように、様々なデリケートで複雑な要因を抱えた生徒さんに対して、全てに合った環境を整えるというのは難しいとは思いますけども、学校にはどうしても行けないけど、例えば近くの公民館だったら通えるという生徒さんがいらしたら、ぜひ総合支所管内にも支援教室を開設していただきたいと要望させていただきます。
また現在、豊北町等でリノベーションで移住者を受け入れるためのプロジェクトが進んでおります。でも、移住してきてほしいのは若い方たちと思います。都会での生活に疲れたり、もしかしたら子育てに不安があって、田舎暮らしを選ばれるかもしれません。住む家も大事ですが、教育環境を整えることも必要と思います。よろしくお願いいたします。
学校には行きづらい、支援教室にも通えない子供さんたちには、今、教育長のお話にも出てきましたけども、民間のフリースクールなどに頼ることが増えていると思います。そこで、このフリースクール等の利用家庭への経済的支援についてでございますが、交通費などの補助についてお示しください。
○教育長(磯部芳規君)
教育委員会では、学校に行きづらい子供の学校への復帰及び社会的自立を支援するために、フリースクールを利用する子供の保護者に対し、収入に応じて、一月5,000円を上限に、利用料を補助しています。
○秋月美佐子君
経済状況が厳しくない御家庭には支援がないということでございます。先日、お子さんがほとんど学校に通えていないお母さんたちに、お話を伺う機会がございました。一番の印象は、とにかくお母さんの心が疲れ切っているということです。市内のフリースクールに通うお母さんたちの言葉を紹介させていただきます。
「学校に行けず、私と2人でずっと家にいたが、お互いストレスがたまり、不登校に対しても理解ができず、けんかが多かった」「フリースクールに出会い、子供が先生のことが大好きで、フリースクールに行く日は、自ら朝の準備をして、出発する時間を玄関で待つほどになった」「フリースクールの先生が付き添ってくれて、登校もできるときもある。とてもありがたい」「パートに出たいけど、低学年だと家に1人で留守番させるのは不安で、預かってくれる場所があると本当に助かる」「私自身も息抜きするのも大事だなと感じる」「親子ともすごく心が元気になれた」「元気な声で、家族以外の人と触れ合うことができて、将来に希望が持てた」
このお母さんたちの言葉を聞いてどう思われますでしょうか。お母さんたちは、勉強も大事だけれど、とにかく社会とつながる場所が欲しいと切実に望んでいらっしゃいました。それらの要望の受皿に、フリースクールなど民間の事業所は、大きな力になっていると感じます。
しかし、せっかく子供に合ったフリースクールが見つかっても、学費や交通費などが負担で通うのを断念した。また、複数の子供さんがいらっしゃる家庭では、1人が不登校になると、兄弟皆が不登校になる傾向があるそうです。1人分でも大変なのに、2人、3人となると、ほとんどの家庭が経済的に無理です。フリースクールの経営者の方も、利用者の負担を少しでも軽くするために、行政からの支援が欲しい。また、先日も文教厚生委員会で視察させていただきましたが、ボランティアで「子ども第三の居場所」を提供している認定NPO法人の方にもお話を伺いました。国の支援は、新設から3年間で終了します。その後の運営継続に不安を抱えていらっしゃいました。先ほど支援教室を増設するのはなかなか難しいという話でした。それなら、民間の力を借りて、行政が支えることで、子どもの居場所を守るべきではないでしょうか。
今回はタブレットでの公表を控えましたが、私の手元には、ここにフリースクール利用家庭への補助金等実施自治体の一覧と、フリースクール事業所への補助金等実施自治体の一覧がございます。これは、保護者がインターネットで調べて手渡してくれたものです。この利用家族への補助の一例でありますけども、授業料や交通費だけではなく、入学費や入寮費、給食費を補助している自治体もあります。この一覧を手渡されたとき、私は思いました。このようにインターネットで情報が入手できる時代です。ニーズに合った町を簡単に検索できます。人口減少を食い止めよう、若い人に移住して来てもらおう、出産費用を助成しよう、施策を講じていますけども、このまま本市が不登校に対して何もしなければ、今、本市で暮らしながら、子育てに悩んでいらっしゃる御家庭が、もしかしたら他市へ移住していってしまうのではないかと危機感を覚えました。
人口減少と高齢化で、どの分野も人手不足が深刻な問題になっています。子どもの居場所を支えることで、まず、保護者が仕事に行く時間を確保できます。そして何よりも子供さんが社会とつながることで、成長して働き手になります。どうかこの問題は、教育委員会だけで解決される問題ではないと思います。関係部局が総力を挙げて、思い切った一歩をよろしくお願いしたいと思います。
最後の質問に移ります。あるお母さんが小学校から改善できず、気がつくと中学生になっている、だんだん自傷行為をするようになってしまった。私の対応が悪かった。子供のために何もしてあげられなかったと、泣きながら御自分を責めていらっしゃいました。もちろん、お母さんの対応が悪かったのではないと思います。ただ、学校に行きづらくなった小学生の最初のときに、もっと何かできなかったかという後悔があるようでした。当初は戸惑うばかりで何を相談したらいいかさえ分からなかったとおっしゃっていました。
そこで、本市が保護者の皆様の不安に少しでも寄り添えるように、様々な取組をまとめて周知する方法はないか、お示しいただきたいと思います。
○教育長(磯部芳規君)
現在、教育委員会では、教育支援教室や相談窓口等のリーフレット等を個別に作成し、学校を通じて情報を必要とする保護者に提供するとともに、きらめきネットコムのホームページに掲載して周知を図っております。しかしながら、全ての子供と保護者が必要なときにすぐに利用できるようにするためには、リーフレットの見直しと、なお一層の周知が必要であると考えております。
今後は、全ての情報を集約したリーフレットを作成するなど、身近で分かりやすい周知に努めてまいります。
○秋月美佐子君
大変うれしい御報告をいただいて、ぜひ一括して、流れが分かるリーフレットを早く作成していただいて、お母さんのケアに努めていただきたいと思います。
お母さんの心のケアが、子供の安定につながります。
  〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○秋月美佐子君
先ほども申しましたが、インターネットの時代です。ちょっとこれは私が調べさせていただいたのですけど、尼崎市教育委員会のホームページに掲載されているハンドブックです。ぜひホームページに、本市でもこのような掲載をお願いしたいと思います。この尼崎市教育委員会のほうには、様々な情報がまとめてあるのですけども、これはインターネットですから印刷する費用はかかりません。ホームページにアップしていただくと、必要な保護者の方が御自分で見て、また御自分で印刷しながら、手に持たれると思うのですけども、この中では、ここにありますように、民間の支援事業者の紹介もされております。本市では、民間の事業者の紹介は難しいということでしたけども、せめて、校長先生が、登校扱いにできると判断された事業所だけでも掲載をお願いしたいと思います。
不安を感じたお母さんが、いつでもどこでも必要なときに、必要な情報が得られるハンドブックの掲載をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。本日は大変ありがとうございました。(拍手)
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