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河野 淳一 議員
第2回定例会 6月22日(木) 本会議(一般質問5日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月22日(木) 本会議(一般質問5日目)
公明党市議団
河野 淳一 議員
1.業務継続計画について
2.多文化共生・国際交流推進について
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
27番、河野淳一議員。(拍手)
〔河野淳一君登壇〕
○河野淳一君
皆様こんにちは。私の名前は、公明党市議団の河野です。どうぞよろしくお願いいたします。
〔手話を交えながら発言〕
○河野淳一君
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。初めに、業務継続計画について問わせていただきます。
近年、気候変動による災害の激甚化や頻発化に対して、人の生命を守るための対策強化が必要であると思います。万一、災害が発生したときに、各自治体の庁舎、ここで言えば本庁舎でございますが、災害対策本部を設置し、住民避難に係るサポートや被害状況の的確な掌握などの要となり、この業務継続性の確保は極めて重要になってくると思います。例えば、平成28年熊本地震や台風第10号等の災害におきましては、救助活動など初動時の応急対策を迅速、的確に行うため、また、関係機関との調整をより円滑、的確に行うため、市町村の災害対策本部において、被害状況等の情報を一元的に把握することの重要性が改めて認識されたところでございます。
しかしながら、大規模災害発生直後は、情報収集など、市が行う業務量が急激に増加して、極めて膨大になることや、市庁舎自体も被災し、人、物、情報等を利用できる資源に制約ができることとなります。この制約がある状況下において、優先的に実施すべき業務を特定するとともに、この業務の執行体制や対応手順、継続に必要な資源の確保等をあらかじめ定め、この地震等による大規模災害発生時においても、適切な業務執行がスムーズに行われることを目的とした計画が業務継続計画、いわゆるBCPでございます。本市では平成29年に策定されまして、令和3年に改定をされています。そこでちょっとタブレットを御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○河野淳一君
資料は、地方公共団体における業務継続計画等の策定状況について、総務省消防庁が調査を昨年実施して、令和4年6月1日現在の状況を取りまとめたものでございます。
ここにありますように、この業務継続計画に必要な主要6項目、これがきちんとその業務継続計画で表されて、しっかり実施されているかというのが、6要素というのがあります。首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制や、この市役所本庁舎が実際に災害対策本部として被害を受けて使えなくなったときの代替の庁舎の特定、また電気、水、食料等の確保、災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保、重要な行政データのバックアップ、非常時優先業務の整理ということで、この3つは必ず整理、整理というか、しっかり表して対応するようにということでございます。
そこでお伺いいたします。本市の業務継続計画に定める、この定めるべき今御紹介しました重要6要素の策定状況について、6要素ごとにお示しいただきたいと思います。後でちょっと得点をつけたいと、最後に6点満点で点をつけようかなと思いますのでよろしくお願いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
今議員のほうから御案内のとおり、業務継続計画の中核となりまして、その策定に当たりまして必ず定めるべきは、特に重要な要素ということで、あちらのタブレットのほうにもございますけども、6つの要素がございます。それぞれ御説明をさせていただこうと思います。
まず最初に、1番の首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制でございます。市長不在時の代行順位につきましては、まず両副市長、それから総合政策部長の順としております。また職員の参集体制につきましては、災害規模や時間帯等の状況で大きく変動してまいりますけれども、参集可能な職員の割合、参集率と呼んでおりますが、こちらを過去の他の地区での大規模災害時の実績を基に、60%と想定をしております。
次に2番目の本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定でございます。現計画には代替庁舎については、明記というか定めておりませんけれども、災害対策本部機能を消防局庁舎へ移行するなど今現在調整を行っておりまして、今年度中に成案として改定したい、改定する方針ということで考えております。
次に3番目の電気、水、食料等の確保でございます。業務の継続に必要な電気、水につきましては確保できておりますけれども、食料につきましては、避難所に避難する方の食料は確保しておりますが、実際に業務に当たる職員用につきましては確保できていない、備蓄できていないという現状でございます。
それから次に、4番目の災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保でございます。こちらは、通信手段といたしまして、災害時優先電話、防災行政無線、さらには衛星携帯電話など、こういったものを備えているところでございます。
次に5番目の重要な行政データのバックアップでございます。バックアップにつきましては、定期のバックアップ機能といったものもございますけれども、特に重要な住民情報系のデータにつきましては、バックアップ媒体を遠隔地で保管をしているというところでございます。
最後に6番目でございます。非常時優先業務の整理でございます。こちらは各部局ごとに優先業務を取りまとめて、業務継続計画に記載をしているところでございます。
最後になりますけれども、本計画につきましては適宜見直しを行っておりまして、先ほどの庁舎機能の代替のところもございましたけども、今年度中に改定したいということで考えております。
○河野淳一君
こちらの資料の右下にもあるように、6要素全て丸がついているのは大体40%ぐらいでございます。6要素のうち5要素ができているのが30%、特に非常用電源とかが確保できていないとかいうところで6要素のうち丸が全部ついていないというところが半数以上あるというのが分かると思います。
その上で確認ですけど、水、食料の確保状況、先ほど御答弁もあったかと思いますけど、もう一度詳しく教えていただけたらと思います。
○総務部長(笹野修一君)
水、食料の確保ということで、まず本庁舎におきます水道につきましては、飲料水として使用できる上水と、それからトイレなどで用いる雑用水、それぞれ別系統で整備をしております。
まず上水につきましては、28立方メートルの受水槽を設置しておりまして、満水状態から約3日間使用できるという見込みでございます。また雑用水のほうにつきましては、約200立方メートルの水槽を設置しておりまして、満水状態から約6日間使用できる見込みということでございます。
それから、食料につきましては、避難所に避難する方のための食料といたしまして、本庁であったり各総合支所、それからボートレース場といった場所などに、アルファ米や缶入りフーズ、パン、こういったものを約1万3,000食を備蓄しているところでございます。職員の業務継続を目的とした備蓄は、現在確保できていない状況でございまして、これにつきましては、今後も他市の状況なども参考にしながら検討していきたいということで考えております。
○河野淳一君
水は上水であれば3日程度確保できているということで、確認させていただきました。食料ですけど、御答弁あったように、市民の方の食料が優先ということで、職員の皆さんは3日間ぐらい弁当か何か持ってこないといけないという話になるのかと思いながら、こういう非常食は、小さな災害であれば全部使うことはないとは思うのですが、やはり災害というのは程度も規模も、これはもう予見しないときに大きな災害はくるものですので、その辺りも今後、先ほど御答弁あったように、職員のための食料というか、その確保も、予算等の兼ね合いもあるとは存じておりますが、しっかり確保して、またローリングストックとかいろいろ検討していただいて、確保量も少しずつ増やしていただきたいと思いますので、これは要望としてお伝えさせていただきます。
それで、そのときのエネルギーです。特に電気、ガス、空調も含めて、この供給体制について、お示しいただけたらと思います。
○総務部長(笹野修一君)
エネルギーの供給体制についてということで御質問いただきました。まず本庁舎におきます電気は、今、本線と予備の2系統で供給を受けております。安全性を確保しておりますけれども、万が一、本線と予備のいずれの系統も停電したような場合には、非常用発電に自動で切り替わる仕組みとなっております。
続きましてガスにつきましては、主に空調設備に使用しておりますけれども、供給が遮断されたときには、一部の設備が使用できなくなることが想定をされます。なお、ガス湯沸器やコンロなどは、もともと設置の数も少ないということから、実際には大きな影響はないのではないかと考えております。
○河野淳一君
電気に関しまして2系統入っているということで、両方とも停電することは、なかなか確率は低いものと思います。確保できているということだと思いますが、その上で非常用発電機を設置されているということで、2系統とバックアップ、両方とも停電した場合でも体制はできているということで、十分対応できているのではないかと考えます。ただ、もう少し細かく、ちょっと電気は、情報収集とかまた本庁舎でやる上で、やはりどうしてもパソコンとかたくさん使うのですよね。我々も災害時で仕事柄対応していますけど、パソコンが使えないと情報収集もできません。情報がうまく伝達できませんし、また情報の状況とか整理するのが、時間がもう10倍どころではないですね、時間がかかってしまって、なかなか情報収集ができないということになります。要はパソコンや通信機器を駆使して、災害発生時、関係各所と連携を取りながら迅速に情報収集を行うことになるかと思いますが、地方行政のDXを推進する中で、多くの機器はこの電力で稼働していることになると思います。庁舎が、先ほど電気の回線が2系統とありましたが、2系統ともが停電してしまう可能性もゼロではございません。電源喪失はイコール機能停止を意味し、これは絶対回避しなければならないことで、災害対策本部における電源供給は必須条件と考えます。その上で、国の防災基本計画においては、国、公共機関、地方公共団体及び災害拠点病院等、災害応急対策に関わる機関は、保有する施設、設備について、再生可能エネルギー等の代替エネルギーシステムや、電動車の活用を含め、自家用発電機設備、LPガス、災害用バルク、燃料貯蔵設備等の整備を図り、十分な期間――この十分な期間は大体最低3日間と定義をされておりますが、十分な期間の発電が可能となるように燃料の備蓄等を行い、平常時から点検・訓練等に努めるものとすると明記されていることから、この大規模な災害が発生した場合には、物資の調達、輸送が平常時のようには実施できないという認識の下、要は72時間ですよね、電気が喪失しても電源が喪失しても72時間は稼働できるよう、あらかじめ燃料等を備蓄しておくということになっております。また、停電の長期化に備え、1週間程度は災害対応に支障が生じないように準備することが望ましく、その際、軽油・重油等の非常用発電機用の燃料でございますが、軽油・重油等の燃料の備蓄量等は、消防法、建築基準法等により制限される場合もあるため、あらかじめ燃料販売事業者との優先供給に関する協定の締結を進めることと示されております。
その中で、最初に一つ、国の防災基本計画で示されている最低3日間、72時間対応の発電機、この非常用発電機はあると御答弁あったと思いますが、72時間対応になっているかどうかお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
本庁舎に設置しております非常用の発電機は、定格出力で1,000キロボルトアンペアとなっておりまして、軽油でございますが、容量4万リットルの地下燃料タンクを備えております。
停電時には40秒後に自動に切り替わりまして、満タン時から約72時間、議員御案内のとおり3日間、運転が可能となっております。なお燃料の補給を行えば、運転時間の延長も可能になりますけれども、先ほど御案内ありましたとおり、非常用発電の電力というのは照明の一部であったり、あるいはトイレ、情報政策課のサーバー室関係とか、ごく一部の機能といいますか、特定の部署に限られて、災害対策本部、こういったところに供給されるものでありまして、庁舎全体に供給できるほどの能力があるかと言われれば、それはございませんので、あくまでも災害対策本部を維持するための最低限の電力と考えていただけたらよろしいかと思います。よろしくお願いいたします。
○河野淳一君
3日間、最低のところをとって申し訳ないですが、3日間は確実に確保できるということで確認をさせていただきました。十分だと思います。
それでは、その発電機のメンテナンスも大事だと思うのです。1か月に1回とかメンテナンス、また稼働させてみて、確認が必要になってくると思いますが、これが適正に行われているかお示しいただけたらと思います。
○総務部長(笹野修一君)
今御案内のとおり、確かにきちんと点検、メンテナンスをしないと、やはり非常時に稼働できないということになりますけれども、非常用発電機につきましては、定期的に点検であったり試運転を行いまして、また逐次燃料の補給も行っておりまして、非常時の運転に支障が生じないよう適正な管理に努めているところでございます。
○河野淳一君
最後に、この非常用発電機の項で一つ確認だけ。これはやはり、例えば3日間非常用電源がずっと喪失していて、非常用発電機が例えば3日連続稼働しましたとなると燃料が枯渇、地下にタンクがあると思うのですが、例えば、燃料が空になった後、補給してもらうのに燃料販売事業者との災害時における優先供給、例えばあまりケースはないと思うのですが、3日間非常用発電機が稼働してなくなった場合の燃料販売事業者との優先供給は、私は必要だと思うのですが、この優先供給に関する協定が締結されているかお示し願いたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
現時点では、燃料販売事業者との優先供給協定は締結をしておりませんけれども、恐らくですが3日間経過をしますと、災害対策本部だけではなくて、庁内のいろいろなところで応急業務を開始する時期にも当たろうと思いますので、電気だけではなくて水道とかガス、こういったものもないとなかなか実際業務の復旧というのは難しいところが正直あるのではないかと思います。そうしたところからも、今協定は実際結んでおりませんけれども、今後は総合的にそういったところについても、研究していきたいと考えております。
○河野淳一君
最悪のケースもしっかり考えて、そこも一応協議しておくというか、締結まで至らない場合もあろうかと思いますけど、燃料事業者さんとやり取りしておく、日頃から連携を取っておくというような形をしっかり取っていただきたいと思いますのでよろしくお願いをいたします。
この項、最後ですけど、平成28年4月に発生した熊本地震、これは熊本県で夜中の21時26分に地震が発生し、また28時間後の夜中の1時25分に発生して、この地震の発生により、大きな災害を熊本地震では受けたわけでございます。このとき熊本県、被災に遭った市町村が20市町村以上で、なかなか夜中でもありまして、災害対策本部の立ち上げ、初動がかなり遅れたと。これは致し方ない部分もあるのですが、このような形で平成28年4月の熊本地震は大きな被害も広がったということで、これが、熊本地震を踏まえた応急対策、生活支援策の在り方ということで、いろいろな方で検証され、今、先ほど言いました主要6要素、これがこのような形で確認があった流れだと思います。
その中で、特に応援、受援体制というのですけど、要は大規模災害になればなるほど、他の市町村とか、また国からの役人というか、そういう方からも応援を受けるようになると思います。そのような中で、この応援職員の受入れ体制、これを受援体制というのですが、この広域災害時の対応における応援職員受入れなどの、受援に対する規定を定めなさいということになっておりますが、これについて本市が定めているかどうかお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
受援に関する規定についてどうかという御質問でございました。確かに受援とは災害時に他の自治体、都市から職員の応援を受けまして、業務継続を行うことでございます。法律的には災害対策基本法の第67条、第68条におきまして、被災した市町村長は、都道府県知事あるいは他の市町村長へ職員の応援要求等を求めることができるとされております。
本市におきましては、受援に関する規定といたしまして、令和4年3月に下関市災害時受援計画を策定しております。この計画の策定の趣旨は、大規模な災害が発生した場合、今議員御案内のとおりでございますけども、外部からの応援を迅速かつ的確に受け入れて対応することが、業務の継続を行う上で必要不可欠であるということから、本市における災害応援に係る情報共有、あるいは各種調整を行うための体制と受援対象業務を明らかにするということで整理しております。
○河野淳一君
タブレット、ちょっと示すのを忘れていたのですけど……、
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○河野淳一君
これは受援体制の計画が定められたかどうか、アンケートというか確認したところで、市町村では67%が定めている。30%が定めていないということで、本市はしっかり定めているということで確認をさせていただいたところでございます。安心をさせていただきました。
今、災害復旧はいろいろな形で、災害対策本部の立ち上げは確実に迅速に行うというのがトレンドになってきております。ちょっと事例を紹介いたしますと、災害対応への初動の迅速化に向け、大阪府の吹田市は、住民の命を守る司令塔の役割を担う市民危機管理センターを稼働させたということで、同センターは災害発生時の有事に、災害対策機能を瞬時に立ち上げ、様々な情報を集めながら対応に当たったということで、今まで庁舎とかの建て替えもあったのだと思いますけど、要はそれも含めてハード面での変更もあったのですが、今まで災害対策、緊急で立ち上げる場合、ゼロからスタートすると、机の配置とかいろんなものを変えていくと3時間ぐらいかかっていたそうなのですが、今ここはいろいろな先ほど言ったハード面、またソフト面で物も用意しまして、大体用意ドンで何も用意しない状態で、30分で災害対策本部が設置できる、また機能するような状態にできるということで、今年1月の庁舎の災害訓練では、先ほど言いました約30分でセンターを開設して情報収集を開始し、地震発生時刻から60分後に第1回災害対策本部会議を開催できる体制を整えたと。これに立ち会った防災科学技術研究所は、この訓練について、これまで見てきた何十という訓練の中で3本の指に入るというお褒めの言葉もいただいているのですが、やはり、市町村の今から災害対策本部を立ち上げるのは、もうこのスピード感がトレンドになってきていると思います。そういう意味で、ここの本庁舎についても、しっかりスピードもしっかり見ていきながら、どのぐらいで設置できる、特に夜間とか、人が集まる時間帯は必要になってくるかもしれませんが、それの掌握にもこの災害対策本部というのが、中心になって情報収集が必要となってくると思いますので、その辺りもしっかり今後の訓練、またマニュアルの適切な見直しを日常からしっかりチェックをしていただいて、この大規模災害時の初動態勢を、いかに円滑に行うか、また継続的かつ歩みを止めることなく検討していただくことを要望として、次の質問に移らせていただきたいと思います。
それでは次の質問でございます。多文化共生・国際交流推進についてお伺いさせていただきます。この質問をしようと思ったのは、国立社会保障・人口問題研究所が今年公表した将来推計人口、50年後の日本の人口推計でございます。外国人を含む日本の総人口は2070年に8,700万人。2020年の1億2,615万人から、50年間で約3割減ると推定されて発表されております。この将来推計人口では、5年ごとの国勢調査でございますが、これ2020年に至近で国勢調査を行いましたが、この至近での出生率、平均寿命、外国人を含む出入国の状況を基に、50年後までの人口を推計するものでございますが、前回5年前の推定より、人口減少のペースが、前回統計に比べて少し緩むというか、そんなに減らないという状況になったということで結果がございます。要は人口減少が少し緩やかになったということです。これは、なぜかといいますと、出生率が上がったわけでもなくて、何が原因かというと、外国人がたくさん日本に来られるという想定を下に、この50年後、前回の予測値より、人口は少し増えると、前回想定より増えるということでございます。総人口が1億人を割り込む時期というのが、前回想定では2053年だったのが、今回の想定では2056年、3年遅くなったということでございます。先ほど言いましたように大きな要因は、この日本で暮らす外国人の人口を大きく見積もったこと。要は、純然たると言ったら失礼かもしれないけど、日本人自身の数は前回より減ってきている。ただ、外国人がたくさん入って来られるということの数が、この総人口の減少に緩みをかけたということでございます。前回調査では、外国人の入国超過数を年間6.9万人、約7万人と見込んでおりましたが、今回の想定では年間16.4万人と2倍以上、年間それだけ入ってくるということでございます。この結果、2070年時点の外国人数は、全国で939万人になる予定です。2020年時点の約3.4倍ぐらい外国人が増えるということでございます。そのときは総人口の1割は超えると、要は、全体の日本の総人口の1割が外国人という推計結果が5月に出ている状況であります。
本市においては、第2次下関市総合計画後期基本計画にある国際化の推進にあるとおり、これまで行っている国際交流などの施策に加えて、今後外国人がたくさん増えてくるということが想定されるということで、外国人住民が地域社会とともに、地域社会を構成する一員として、多様性を生かした豊かな地域づくりを推進していく、多文化共生社会の実現を目指しているところでございますが、そこでお伺いしたいと思います。まず一つ、この多文化共生の現在の取組と課題、また予算も含めてちょっとお示しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○総合政策部長(前田一城君)
本市におきましては、近年、ベトナムからの技能実習生など、在留外国人が増加しておりまして、地域における多文化共生社会の実現は、本市の新たな行政課題として認識しております。
そのため、令和3年3月に下関市多文化共生・国際交流推進計画を策定いたしまして、本市が取り組むべき方向性を定めて、多文化共生社会の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
多文化共生社会を実現するためには、地域で生活する外国人を同じ地域を構成する住民として受け入れることが重要であると考えていることから、本年度は、災害時における共助の意識を高めるとともに、顔の見える関係づくりを構築するため、自治会等と連携して防災訓練を実施することや、本市を理解し愛着を抱いていただけるよう、下関市の歴史、文化、観光資源等を視察して学んでもらう「下関塾」、こういった事業を実施する予定としております。
予算額につきましては、防災訓練につきましては120万円を予定しております。それから「下関塾」につきましては89万2,000円の予算を予定しているところでございます。
○河野淳一君
ちょっと壮大な施策にしたら、予算が少ないなというのが正直な私の感想でございます。皆さんも同感ではないかなとは思うのですけど。
それでは、これまで取り組んできた国際交流、多文化共生は、どちらかというと日本に外国人を受け入れるという形でございますが、これまで下関市でも国際交流は厳然と進めてきたわけですが、この国際交流の現状と課題について、これも予算も含めてお示しいただけたらと思います。
○総合政策部長(前田一城君)
本市には5つの姉妹友好都市がございまして、このうちサントス市、それからイスタンブール市は、地理的要因もありますので、行政交流や周年事業――締結からの5年ごとの周年事業、こういった事業が主となっております。ピッツバーグ市においてはこれに加え、青少年交流も行っておりまして、また、釜山広域市、青島市におきましては、青少年、スポーツ、文化、経済等、様々な分野において、官民それぞれに交流を行っているところでございます。
令和2年から新型コロナウイルスの影響により、対面での交流に制限がかかりましたが、その間はオンラインを利用して交流を続けておりました。現在は、本年5月より規制が緩和され、対面での交流も徐々に復活している状況でございます。
今後は対面での交流はもちろんのこと、姉妹都市によっては、時差という問題がございますが、コロナ禍において培ったオンライン交流のノウハウを使って交流の機会を増やし、一層の活性化を図ってまいりたいと考えております。
国際交流費の予算につきましては、総額で2,803万2,000円を計上しているところでございます。
○河野淳一君
事業も、国際交流も以前からかなり歴史のあるところではございますが、以前よりは国際交流といっても、お互いのメリットというか、なかなか難しい状況にはなってきているのかなと。先ほど部長からも答弁のあった周年事業が、ある程度、節目節目の大きな行事で、本来の国際交流という姿とは、ちょっと私もそこまでいっていないのかなというのが率直な感想でございます。
次の質問ですけど、私はこの国際交流、特に今、国際間で様々、国と国のレベルで言えば様々な解決できない課題というのが、ずっと続いているのが今日本を取り巻く状況だと考えております。この姉妹都市、友好都市の関係性、都市間交流を、またコロナ後、今からさらに拡充していくことが大事でありますし、国際間での解決できない課題を解決するためにも、対話のチャンネルを増やしていく、広げていくことが、私は必要になってくるのではないかと思っております。そういう意味で、コロナ後の姉妹都市、また友好都市の交流促進は、今後、先ほどオンラインということがあったと思うのですけど、もう少し何とか進めていただきたい、取り組んでいきたいと思うのですが、この辺りをお答えいただけたらと思います。
○総合政策部長(前田一城君)
議員おっしゃるとおり、国家間での難しい問題は確かにあると思いますが、本市との交流が、その国と国との関係の緩衝材の役目を果たすことを期待しまして、今後も姉妹友好都市との交流は継続していきたいと考えております。
○河野淳一君
継続というか、拡充していただきたいと思います。本当に強化していただいて、単純に予算を上げろというわけではございませんが、予算も本当に僕は大きな施策だと思いますし、目的も大きなものになると思います。もう少しというか、積極的に国際交流また予算もつけて、活発、積極的に行う施策だと思っておりますので、これについては要望として取り上げますけど、よろしくお願いをいたします。
それでこの国際間の交流とかいろいろ国際交流、また多文化共生もそうなのですけど、取組を行う上で、やはり人と人との交流というのが基盤になってくると思います。これをさらに活性化、活発化するためにも、いわゆるグローバル人材の人数を増やしていく、またグローバル人材自体のスキルアップというのが、今後求められていくと思いますが、そこでお伺いします。本市の考える、いわゆる国際協力また国際間の友好関係の橋渡しとなる、このグローバル人材とは、どのような人材をイメージされているかをお示ししてほしいと思います。
○総合政策部長(前田一城君)
グローバル人材とは、国境を越えて海外の人々との円滑なコミュニケーションができる人材のことであると考えております。そのため語学やコミュニケーション能力、協調性や柔軟性、チャレンジ精神や異文化に対する理解に加え、日本人としてのアイデンティティーも必要であると考えております。
○河野淳一君
全くそのとおりだなと思います。今御答弁ありましたように、やはりグローバル人材というのは、国際社会に対応できるような、特に外国の言語や文化・習慣を学んでいる方が、目指すべきというかグローバル人材の定義になってくると思います。
その上で、やはりその中でもまた、言語、文化、習慣等を学んでいるとありましたけど、その中で今一番大事、日本として一番欠けているのは、言語のところがやはり一番、日本は小さな国で島国であり、なかなか外国人との接点も他国に比べて少ないところ、そういう意味では、この言語というところが、一つハードルがあって、なかなか外国人と交流が、人と人のレベルでいくと進まないというようなことが、私は要因として一つあると思います。その上で、世界で最も話す方が多い言語は英語でございます。インターネット上で最も使用されている言語も英語であります。国際共通語とも言える英語を使って、海外の人たちとの交流をするには、相手が話したり書いたりしたことを理解する、聞く力と読む力に加えて、自分が相手に伝えたいことを表現する話す力、また書く力が必要と、これを培う必要があると思います。
そういう意味で、我々下関市としては、この日本の小中の英語教育というのも、今後いろいろな形で考えていかなくてはならないのかなと思っております。東京都は今年度から、小中ではありませんけど、都立高校などで英語教育を強化するということで、海外派遣などで異文化に触れる機会を拡大すると。国際感覚を身につけた人材育成に注力し、都市の国際競争力の強化を図るということで、新規事業として高校生の海外交流事業に6億円を予算づけしたそうでございます。約200人規模の生徒を世界各国に派遣してグローバルで活躍できる人材の輩出を目指すということで、これは東京なのでちょっと規模が全然違いますので一概に言えませんが、そういうような考えで言語の習得等も含めて文化の交流も含めて、施策として取り組んでいるところがあるということでございます。
そこでお伺いしたいと思います。今現在、全国的なこの英語教育の目的とか取組について、どのような形になっているかお示しいただければと思います。
○教育長(磯部芳規君)
全国的な英語教育の目的につきましてお答えいたします。文部科学省の示す、学習指導要領に定められている外国語の目標は、簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり、伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成することとしております。
○河野淳一君
そうなのです。コミュニケーションをしっかり取れるということでございます。とはいえ、皆さん英語で簡単にコミュニケーションを取れる人もいらっしゃると思いますけど、僕もそうですけど、外国人と道中で普通に、ちょっと油断しているときに会ったら、なかなか英語で話しかけられても、ちょっと答えがなかなか出ないとか、ボディーランゲージでできる人は私もやるのですけど、なかなかできないのが、この日本という国の今の現状なのかなと思っております。
文部科学省がアクションプランをまとめているのですけど、国際的な英語の検定試験で日本人の平均点が最低水準に落ちているそうでございます。海外への留学を希望する人の英語力を評価するTOEFL ⅰBT、これは先ほど言いました「聞く」「読む」「話す」「書く」、この4技能の全てのテストを行うのですけど、外国の同じ方と比べて、日本人の平均点は、経済協力開発機構OECDの中で最低です。英語の力は37か国中、最下位でございます。なおかつアジアの中でも、アジアの29か国中、27位だそうでございます。特に、「話す」と「書く」に関するテストの点数が低いという結果が出ているそうでございます。
私は、しっかり今から、多文化共生・国際協力だけではなくて、やはり我が下関市から、優秀な人材を世界に羽ばたかせていけるような教育を目指すべきだと考えております。そのためには、この英語というか、しっかり世界の共通語の大部分を占める英語というのを、どれだけ若い時に習得して、世界で活躍する人材を伸ばすかということが本当に重要になってくると思うのですけど、私の小さい頃の英語の教育は、あまりそういう目的感はなかったので、どうしてもやらされ感になって、受け身でやっていたので、僕も英語を習得できなかったのですけど、こういうことが今回、英語を学ぶ動機づけの一つ、必要になってくるのかなと思いますが、そこでお伺いしたいと思います。今、本市の英語の教育がどのようになっているかお示しいただけたらと思います。
○教育長(磯部芳規君)
本市では、より実践的な学びができるよう、ALT8名を市内小・中学校、下関商業高等学校、幼稚園、こども園に派遣しています。子供が実際に外国人と英語を通して触れ合う中で、英語を学ぶことの楽しさや意義、積極的にコミュニケーションを取ることの必要性を感じるとともに、外国の文化に触れる貴重な機会となっています。
併せて小学校では英語科の免許を持った英語専科教員を複数校に配置するとともに、中学校では、英語科教員の専門性を生かし、授業を全て英語で行うなどの取組を行っています。また、中学校においては、英語暗唱・弁論大会を開催し、英語力の向上とともに、自分の考えを英語を通して、多くの人に伝える場を設けています。
さらに、市教育委員会といたしましては、子供たちが楽しく英語を学ぶことができるよう、教員の指導力の向上に向けて、ALTと合同の教員研修も行うとともに、タブレット端末やデジタル教科書の効果的な活用を進めているところでございます。
○河野淳一君
しっかり取り組まれていらっしゃるというのは認識させていただきました。たださっき言いましたように、日本の英語力は、あまり思ったほど、中学校3年で大体、国が目指しているのは英検3級相当以上が50%以上の人材と、高3で英検準2級相当以上の生徒を50%つくろうというのが、この2022年までの目標であったのが、50%いっていないという現状がございます。それで今、国もそうですけど、市町村もこの英語教育についての見直しとか、いろいろ新しいものを取り入れていこうということで取り組んでいるところでございます。先ほどのALTですね、外国語の外国人の方も8名ですかね、下関市で活躍していらっしゃるということで、引き続きやっていただきたいと思うのですが、これは他市の状況でございますけど、英語教育の充実を図るということで、埼玉県伊奈町ですけど、この町立中学校の3年生を対象に英語検定3級の検定料――3,400円ですか、今もうちょっと高くなったかもしれないですけど、全額を助成しているそうでございます。同町は、既に3級を取得している3年生で準2級、2級の受験を希望する生徒に対しても、上限で3,400円、受験料を助成しているというような事例もございます。また、ALTを各学校に一人、今、本市は小・中全体で8名ということでお聞きしましたが、このALTの方を、中学校1校単位に配置と、外国語指導助手でございます。ALTは基本的に外国語指導助手を頼めば、予算が国から普通交付税で1人当たり大体500万円つきます。たくさん受け入れても、住むところとか、いろいろなことは予算的にもカバーしないといけないのかもしれませんけど、私もたくさん雇って、先ほど教員との共同研修とかやっていると言いましたけど、ALTの人数を増やして、しっかり英語教育の推進をしていくのも一つの手かなと思っております。
それでは最後の質問ですけど、そのようないろいろな市町村で、英語を話す力、特に主眼を置いた英語教員の充実とか、見直しが考えられているところですが、本市として、教育長の思いで結構でございます。英語教育の今後の見直し、またいろいろな意味でどのように必要なものかとか、お考えがありましたらお示しいただきたいと思います。
○教育長(磯部芳規君)
御指摘のとおり、グローバル人材を育成するために、話す機会を増やすことは重要であると捉えています。本年度の全国学力学習調査では、話すことの調査が行われるなど、これまで以上に話す力が重視されていると言えます。
本市においては、実際に英語を用いて互いの考えや気持ち等を伝え合う、言語活動を中心とした授業づくりや、ALTの派遣を通して、各学校における話す機会の確保に努めているところです。またオンラインにより、ハワイの姉妹校との国際交流を実施した学校もあります。
今後も様々な活動を通してグローバル人材として必要な英語力の向上及び異文化に対する理解が図れるよう取り組んでまいりたいと思います。
○河野淳一君
もう時間もなくなりました。最後に一言だけ、先ほど言いましたように、世界で活躍する人材を下関で育てていくという大きな目標を、特に教育委員会の皆さんは立てているとは思うのですが、そこをしっかり立てていただいて、子供たちにも世界で活躍するために、この言語の習得は必要なのだと、しっかり先生方が動機づけもしていただいた上で、この英語教育を進めていくと。やはり目的感が、教育長も先ほど坂本市議の答弁の中でありました、受け身ではなかなか身につかないけど、自分が自発的に行う勉学というのは、やはり吸収力も高くなってくるものと私も思いますので、どうかこの英語教育、これからのグローバル人材、大変必要な言語習得だと思いますので、主体性を持って学べるようにいろいろな動機づけ、また学校でのいろいろな教育、楽しんで学べるような学校の教育も御検討いただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
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