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山下 隆夫 議員
第2回定例会 6月20日(火) 本会議(一般質問4日目)
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内容
会議録
第2回定例会
6月20日(火) 本会議(一般質問4日目)
市民連合
山下 隆夫 議員
1.下関医療圏公的(主要)4病院の再編・統合等について
2.市職員の人事評価制度について
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
22番、山下隆夫議員。(拍手)
〔山下隆夫君登壇〕
○山下隆夫君
市民連合の山下隆夫です。まず、下関医療圏公的(主要)4病院の再編統合についてお伺いをいたします。下関医療圏地域医療構想調整会議が平成28年8月に設置をされ、二次救急医療を担っている関門医療センター、下関市立市民病院、済生会下関総合病院、下関医療センターの再編統合をはじめとする協議が続けられています。改めて、下関医療圏地域医療構想調整会議、これの目的をお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
地域医療構想調整会議は、医療法第30条の14第1項の規定により、都道府県が地域医療構想の区域ごとに、診療に関する学識経験者の団体、その他の医療関係者、医療保険者、その他の関係者との協議の場を設け、関係者との連携を図りつつ、医療計画において定める将来の病床数の必要量を達成するための方策その他の地域医療構想の達成を推進するために、必要な事項について協議を行うために設置するものでございます。
山口県では、県内八つの医療圏ごとに、地域医療構想調整会議が設置をされており、下関医療圏は下関市のみで構成をされてございます。
○山下隆夫君
今、申されませんでしたけども、あくまで病床の削減が目的ではなくて、将来の下関医療圏の医療提供体制のあるべき姿を示して、その実現に向けて取り組んでいくということが目的ということでよろしいですね。(「はい」の声あり)
調整会議は、病気のなり始めや24時間体制の治療介入が必要な、急性期患者に対する医療提供体制について協議をする高度急性期・急性期専門部会と、急性期を乗り越え回復を目指す回復期や、再発予防や体力回復の時期の患者に対する医療提供体制について協議をする、回復期・慢性期専門部会、この二つの専門部会に分かれ協議をされていますけれども、それぞれの部会の進捗状況、これをお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
高度急性期・急性期専門部会と、回復期・慢性期専門部会の二つの専門部会は、平成28年に山口県地域医療構想の策定後に、下関医療圏地域医療構想調整会議の設置と同時に設置をされました。
高度急性期・急性期専門部会は、平成28年度から令和4年度において、また、回復期・慢性期専門部会は、平成29年度から令和2年度において、年1回から2回開催をし、各病院の対応方針を示した2025プランや病床機能再編支援補助金の申請等について議論をしてございます。
直近でも、本年の5月29日に地域医療構想調整会議と二つの専門部会を合同で開催をし、下関医療圏の全ての病院における具体的対応方針の検討・見直しの検討結果や、豊田中央病院を対象とした下関市立病院経営強化プランの地域医療構想との整合性などについて、協議を行ったところでございます。
○山下隆夫君
地域医療構想に関して地域などでお話をすると、高齢者の皆さんから、高度急性期・急性期機能の充実は大切なことだけれども、どちらかというと回復期・慢性期機能の医療提供体制に関心があると言われます。調整会議におきましても、訪問診療や介護療養病床についての議論をもっとすべきではないかという意見が出されていました。そういった意味では、回復期・慢性期の情報についてもしっかり、市民のほうに提供していただきたいと思います。
次に、平成29年6月に公表された下関医療圏地域医療構想調整会議中間報告(高度急性期・急性期機能編Ver.1.0)についてお伺いをいたします。第1次中間報告では、医療従事者の確保や、総合診療医を含む専門医、専門看護師等の養成が可能であり、日常的で身近な病気や、けがの診療を行う医療機関の後方支援が可能となるなどの必要な高度急性期・急性期機能が示されるとともに、必要な機能を満たすために求められる病院の規模について示されています。その内容を今、モニターに表示をしています。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山下隆夫君
まず、高度急性期・急性期に特化した病床数500床以上の規模の基幹病院が複数あることとした理由をお示しください。
○保健部長(石丸文至君)
病床数500床以上の病院が複数とした理由についてですけれども、「好事例となる病院が各地にあるが、それらを見ると五百から七、八百床の規模が必要」という御意見、「災害や感染症のリスクを考えると、1,000床1病院よりも500床2病院のほうが良い」という御意見、「経営上90%の病床稼働率が必要」という御意見、「現在の4病院の稼働病床数から、1,000床で稼働率はほぼ100%になる」などの御意見を踏まえて、高度急性期・急性期に特化した病床数500床以上の規模の基幹病院が複数あることということでまとめられたところでございます。
○山下隆夫君
次に、基幹病院は専門医研修が可能な環境が整備されているなど、医師をはじめとする医療従事者にとって魅力的な病院であって、医師200名体制を目指すこととされていますけれども、その理由をお示しください。
○保健部長(石丸文至君)
医師200名体制を目指すという理由についてですけれども、「県内事例として徳山中央病院が約500床で医師170人から180人である」という御意見、「熊本の済生会では400床で医師は200人以上であり、ほかにも事例はある」という御意見、「現在4病院の医師数は、合計で常勤換算283.6人であるが、専門医、後期研修医を集められれば200人は現実的」などの御意見を踏まえて、基幹病院は、専門医研修が可能な環境が整備されているなど、医師をはじめとする医療従事者にとって魅力的な病院であって、医師200名体制を目指すこととされたところでございます。
○山下隆夫君
次に現在、二次救急医療を担っている4病院は、基幹病院としては診療規模が小さいため、平成37年までに段階的に再編を進めることとされた理由、これをお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
2025年までに段階的に再編を進めることとした理由については、調整会議において「下関市は2025年に向けてますます高齢化が進み、人口が減っていく中で、医療需要が変わっていくということを踏まえた上で、必要な医療が提供できる医療従事者の確保が必要」「地域の医療需要を踏まえた経営ができる医療機関が残るということが、地域のために何よりも大切」などの御意見があったことを踏まえて、中間報告において、令和7年(2025年)までに段階的に再編を進めることとされたものでございます。
○山下隆夫君
今おっしゃられました、下関は2025年に向けて、ますます高齢化が進み、人口が減っていく中で、医療需要が変わっていくことを踏まえた上で、必要な医療を提供するためには、医師を200名程度確保する必要があり、基幹病院として機能させるためには500床程度の規模にする必要があるというのが、ある意味では、この3点の共通した理由ではないかと、私は思っています。
これを踏まえて、次の下関医療圏地域医療構想調整会議、第2次中間報告に関してお伺いをいたします。調整会議は、新型コロナウイルス感染症の関係で、一時協議が中断していましたけれども、その間、水面下で主要4病院の院長による協議が行われており、その協議結果を「下関医療圏公立・公的等4病院意見のまとめ」として、本年3月2日に開催をされた調整会議において報告し、承認されるとともに、そのまとめが第2次中間報告とすることを了承されました。
その中身は「下関市立市民病院と下関医療センターの2病院の統合の可能性に向けた検討を進める」「当面の間、下関医療圏として急性期医療体制を3病院体制で確実に担うことができるよう、必要な機能再編を行う」「統合する病院で重複する診療科等について、3病院間で必要な再編を行う」「他の2病院を上回らない程度の規模とすること」などの病院再編統合の方向性に加えて、職員の処遇、市民への周知について記載をされているところでございます。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○山下隆夫君
このモニターに今表示していますように、第1次中間報告では、高度急性期・急性期に特化した病床数500床以上の規模の基幹病院が複数あることとなっていますけれども、第2次中間報告では、統合病院は他の2病院を上回らない程度の規模とすることとなっています。4病院における病床数の現状は、関門医療センター400床、済生会下関総合病院373床です。一方、市民病院と下関医療センターの合計の病床数は661床です。他の2病院を上回らない程度の規模となると、統合病院は約400床程度となることが想定されます。そうなると、261床程度削減されることになります。
第1次中間報告で示した500床以上の規模の基幹病院とし、医師200名体制を目指すとした根拠は、先ほど申し上げましたけども、調整会議等で慎重な議論を重ねた結果であります。
第2次中間報告のパブリックコメントにも、規模を小さくしたことで、かえって2病院に負担が増大するばかりでなく、住民にとっても不利益になるので、当初から2病院を上回らない規模とするのではなく、現状として必要な規模を確保することを前提とした協議をすべきとの意見が寄せられています。市民病院と下関医療センターの統合の協議に当たっては、まずは現状の661床をベースとして協議すべきと思いますけども、どのようにお考えでしょうか。
○保健部長(石丸文至君)
議員御案内のとおり、第2次中間報告においては、新病院の規模は他の2病院を上回らない程度の規模とされてございます。
これは、各病院が良好な経営状況となるように検討を進めることが必要であり、このためには、建て替え時期等を踏まえ、既存の施設等を最大限有効活用することが必要であることから、二次救急医療を担う公立・公的等の4病院長が議論を重ねて取りまとめられたものでございます。
現状の市民病院及び下関医療センターの病床使用率が60%から70%程度となっていることや、下関医療圏として、今後の急性期医療提供体制を3病院で確実に担っていく必要があることから、本市といたしましても、この報告を尊重して検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○山下隆夫君
第1次中間報告がまとめられた際、済生会下関総合病院は「中間報告の目標はハードルが高い。現状では、今のままでと考えている」。関門医療センターは「現状では明確な判断はできないので、態度を表明することは控える」との認識を示されています。再編統合に対する他の2病院の認識に、その後、変化はあったのですか、お伺いします。
○保健部長(石丸文至君)
今回の第2次中間報告においては、下関医療圏地域医療構想調整会議での報告に先立って、済生会下関総合病院と関門医療センターを含む、市内の二次救急医療を担う公立・公的等4病院の院長が議論を重ねた結果を、4病院意見のまとめとして公表し、中間報告、及び4病院意見のまとめを踏まえて、第2次中間報告が作成されております。したがって、中間報告について、2病院の認識に変化があったものではないと考えてございます。
○山下隆夫君
他の2病院の基本スタンスが変わらない限りでは、3病院体制で固定化をされることが危惧されるわけであります。山口県の病床機能報告結果で、2025年の下関医療圏における高度急性期・急性期機能病床の必要数が1,120床とされていますので、3病院体制が続く限り、段階的に統合病院の病床数を増やしていくという考えは、現実的ではないと思います。また、今後の下関医療圏の高度急性期・急性期医療の安定的提供のためには、500床以上の病院が必要とのパブリックコメントの意見もありました。
医師確保という点においても、市民病院と下関医療センターの統合による新病院は、現状の病床稼働率、これを70%として、10%程度の余裕率が必要ですから、そうすると500床ぐらいの病床が必要という結果になります。そういった意味では、当初から500床以上の規模とすべきと思いますけども、改めて見解をお伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
先ほども申し上げたとおりでございますけれども、病床の規模に関しては、将来の病床の必要数の推計、すなわち下関医療圏における将来の人口動態を踏まえた患者数、こういったものの推計に基づいて、必要十分な病床数を踏まえて、4病院で意見をまとめまして、第2次中間報告という形で、調整会議でまとめたものと考えてございます。したがって、現状、この第2次中間報告でまとめられた結果に基づいて、検討を進めていくことが妥当であると考えているところでございます。
○山下隆夫君
そうは言いましても、やはり、他の2病院の基本的なスタンスが変わらない限りは、先ほども言いましたように、県が示した2025年の下関医療圏の必要病床数が1,120床といって、これは確定した、こうなりなさいという数字ではないとは思いますけれども、大体2025年では、下関の医療圏では1,120床程度が妥当だろうという数字が出されています。
統合病院を400床程度でスタートするということは、400床と373床、それと400床。新たな統合病院を合計すると1,170床ぐらいになると思います。そういった意味では、県が求めている病床数に、その時点で到達をしてしまうということは、それ以降にやはり病床数を段階的に増やしていくというのは、ちょっと難しいのではないかと思いますし、ある意味では、病床削減が目標ではないと言いながら、先行する2病院の病床数削減をしてしまって、削減されてしまうことだけになってしまうのではないかと、そういう危惧があるわけですから、この点についてはしっかりと、もう一度検討していただきたいと思います。
現在、下関医療圏地域医療調整会議において、旧下関市内に設置をされている4病院の再編統合の議論が進められているわけでありますけれども、このたびの新型コロナウイルス感染症の対応状況から、公立病院である市民病院の必要性、重要性、これを改めて実感をしたところでございます。市民病院は、市民が安心・安全に生活をしていく上で、なくてはならないインフラだと思います。パブリックコメントにおきましても、公立病院としての存続をという意見が、医師、歯科医師等で構成される団体から出されています。市民病院と下関医療センターの統合病院につきましては、公立病院としての市民病院として、私は存続させるべきと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○保健部長(石丸文至君)
ただいま御指摘がございましたけれども、新型コロナウイルスへの対応については、御指摘のとおり、市民病院には重要な役割を担っていただいたと考えておりますが、公立病院だけではなく、その他の公的病院や民間病院にも同じように、重要な役割を担っていただいたところであると考えてございます。
この市民病院及び下関医療センターの2病院の統合の可能性については、協議を開始したところでございまして、新病院の建設主体や運営主体については、現状では決定をしておりませんが、令和5年3月から4月にかけて行った意見募集等でいただいた意見も参考にするとともに、想定される診療科や想定患者数、概算事業費などの様々な諸条件を精査しながら、協議を進めてまいりたいと考えてございます。
○山下隆夫君
今後も新興の感染症が発生する確率は、それなりにあるのではないかと言われています。その新興感染症対策は行政の責務として、担っていかなければいけないという義務づけ的なものがされているわけであります。そういった意味では、新しい感染症がまた出たときに、やはり密接に連携できる公立病院の存在というのは、本当に大切なことだと私は思っておりますので、ぜひ、公立病院としての存続に向けて、努力をしていっていただきたいと思います。
次に、下関医療圏地域医療構想の今後の展開についてお伺いいたします。職員の処遇につきまして、第2次中間報告では、在籍する職員の理解を得ながら検討を進めるとともに、雇用について職員の希望に沿えるよう、十分に配慮することが必要であることとされています。しかし、先ほども言いましたけれども、病床の大幅削減となれば、現在の職員数は過剰となり、希望する全員の雇用がかなうのかという疑問が生じます。その心配はありませんか、お伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
現在、新病院の病床数や職員数などの規模は決定してございませんので、職員の過剰をといいますか、そもそも必要な職員がどの程度になるかといったことは、お答えをすることが難しい状況であると考えてございます。
ただし今後、市民病院及び下関医療センターの統合の可能性を検討する際には、必要な職員数等を精査してまいりたいと考えておりますが、第2次中間報告におきましては、「職員の処遇について」において、雇用について、職員の希望に沿えるよう十分配慮することが必要とされてございますので、雇用の継続を希望される職員については、しっかりと雇用が継続できるよう配慮してまいりたいと考えてございます。
○山下隆夫君
その意味からも、500床規模の病院としてスタートすれば、ほぼ全員の雇用がかなうのではないかと思いますので、このことも含めて検討してください。
職員の処遇につきましてもう一点、第2次中間報告に対するパブリックコメントにおきまして、一度全員を解雇して再雇用する方法は決して取らないでくださいという意見が寄せられています。なぜこういう意見が出たのか、ちょっと関係者にお伺いしたところ、厚生病院から下関医療センターに変わった際、一旦退職し退職金の精算をした後、形の上では新規雇用となった実例があったそうです。そういった懸念から、こういう意見が出されたと思いますけども、この点、市としてはどのように考えておられますか、お伺いいたします。
○保健部長(石丸文至君)
2病院を統合した場合には、少なくとも一つの病院の職員については、身分の変更が必要となると思ってございます。今後、新病院の経営主体の検討とともに、病院再編統合に当たっての職員の処遇について、所属職員の御不安も伺いながら、御理解をいただきながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○山下隆夫君
私はJRの出身ですけども、国鉄時代に就職をいたしました。昭和62年に国鉄からJRに移行する際に、一応国鉄は退職した形になって、新会社に再雇用されるという形になりましたけども、勤続年数についてはそのまま継続をしていくと。国鉄時代、JR時代を含めた勤続年数で、最後の最後に、JRで退職するときに退職金をいただいた。そういったことを体験しております。そういう意味では、これはやはり国策として、国鉄からJRという運営形態を変えていったわけです。
病院の再編統廃合につきましても、ある意味では政策的なことで統合しようとするわけですから、国鉄、JRの移行時の例も参考にして、職員に不安を与えないような状況で進めていっていただきたいと思います。
次に、下関医療圏地域医療構想調整会議の中間報告Ver.1.0をまとめた時点では、感染症への対応を考慮して、先ほどもありましたけども、500床以上の規模の基幹病院が複数あることとされていましたけども、今回の新型コロナウイルス感染症の流行では、再編統合対象の4病院全てでパンデミックが起こりました。今後、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合を想定した議論も必要だと思いますけども、その点は、今後どのようにお考えでしょうか。
○保健部長(石丸文至君)
この新型コロナウイルス感染症、またはそういった疾患が発生した場合の議論については、急性期病院の再編統合の議論のみではなく、より広い範囲での議論が必要と考えてございます。
現在、国においては、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、我が国の医療提供体制に多大な影響が生じ、救急医療をはじめ、地域医療の様々な課題が浮き彫りとなったことを踏まえて、都道府県が策定をする医療計画の策定に当たっては、新興感染症発生・蔓延時における医療について、新たに記載をすることが求められており、今年度、山口県が策定をする第8次医療計画において、その対応が盛り込まれる予定でございます。
また、昨年12月に感染症法が改正され、今年度、山口県において、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、今後新たな感染症の蔓延等に確実に対応できるため、関係機関との連携による保健・医療提供体制の整備を内容とした、山口県感染症予防計画の改定を行うこととされており、新たに予防計画の策定が義務づけられた保健所設置市である本市においても、次の感染症危機に備えた予防計画を今年度中に策定をしたいと考えてございます。
○山下隆夫君
しっかり対応をしていただきたいと思います。市民への周知について、第2次中間報告で地域医療構想の推進の趣旨や、病院再編・統合の必要性等について、市民へ分かりやすく丁寧に説明を行う必要があるとされていますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○保健部長(石丸文至君)
地域医療構想の推進の趣旨や病院再編・統合の必要性等の市民への周知につきましては、第2次中間報告が公表された後に、令和5年3月から4月にかけて、市のホームページや本庁、12支所、4総合支所の窓口で、第2次中間報告やその解説などを公表し、御意見を募集しました。
また、令和5年4月16日には、市民会館において「これからどうなる?病院の再編・統合」と題して、公立・公的等4病院の院長などにパネリストとして御参加をいただき、シンポジウムを開催いたしました。
今後は御要望にも応じて、各地域で説明会等を開催し、市民の皆様に御説明をいたしたいと考えてございます。
○山下隆夫君
よくシンポジウム等でお世話になっている伊関先生がおっしゃっておりますけれども、この地域医療構想を実現するためには、市民の理解が必要なのだと、市民の理解が得られない限り、これは成熟しないんだみたいなことを、毎回、おっしゃっております。そういった意味では、今おっしゃられたようなことだけではなくて、以前は市報に、この地域医療構想はなぜ必要なのかということを掲載していただいたこともありますけれども、こうした市報をはじめとする様々なツール、また媒体を活用して、本当に漏れなく、市民に分かりやすく、情報提供をしていただきたいと思います。改めてお願いをしておきます。
第1次中間報告の解説に、新専門医療制度が始まり、働き方改革により、医師の労働時間が短縮される中、勤務環境が整備され、十分な症例数が確保されている病院に、大学医局から派遣されるようになる。そのためには、症例の確保と勤務環境の整備により、大学医局及び医師にとって魅力的な病院となる必要がある。基幹病院が500床規模となり、19診療科がそろえば、総合診療医の育成体制が整うなど、調整会議等で出された意見が記されています。
市民病院と下関医療センターの統合に当たっては、当初から病床数500床以上を目指して、このことからしても協議をすべきだということを改めて申し上げておきます。また、感染症対策は、先ほども言いましたように、実際の責務であるわけであります。その役割を果たすためには、公立病院としての市民病院の存続、これも不可欠だということも改めて申し上げさせていただきます。
さらに、医師確保のためには、子育て環境や教育環境の充実が併せて必要である。都市に魅力がないと学生が集まらず、研修医は定着せず流出してしまう、と高度急性期・急性期専門部会の協議において議論をされています。持続可能な医療提供体制の確保にしても、このことはとても重要な要件だと思っています。そういった意味では、こういったことについて、各関係部局にお任せをするのではなくて、やはりこの医療構想を担っている保健部としても、こうした声にしっかりと応えていかなければいけないと思っています。
現状では、調整会議なり専門部会でそういった意見が出る。後は市なり県にお願いしますというところで終わっておりますけれども、ただその要望を受けて、保健部としてもどうあるべきかを関係部局としっかり、このことについても腹合わせをしておいていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。以上をもちまして、このテーマについての質問は終わります。
次に、市職員の人事評価制度についてお伺いをいたします。地方公務員法の改正によりまして、これまでの勤務評定から新たに人事評価制度が法律で義務づけられ、任用、給与、分限、その他の人事管理の基礎として活用するものと規定されたことにより、本市も昨年度から人事評価制度を導入し、勤勉手当へ反映をしています。改めて、人事評価制度導入の目的と、どのような効果を期待しているのか、お伺いをいたします。
○総務部長(笹野修一君)
今、人事評価制度に関する目的と導入する効果はということで、お尋ねをいただきました。まず、人事評価制度の目的でございますけども、発揮した能力と挙げた業績を評価しまして、本人にフィードバックすることで、能力開発や人材育成を促していくことでございまして、その評価結果を、今議員御案内のとおり、地方公務員法の第6条でございますけども、こちらに任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用することによりまして、公務能率及び組織力の向上を図って、もって住民サービスの向上の土台をつくり上げるような効果を持っていると考えております。
○山下隆夫君
一般的にどんな制度でも、メリット、デメリットがあると思います。人事評価を勤勉手当に反映することのメリットについては、今、部長がおっしゃられたことが当てはまるのだろうと思いますけれども、デメリット、これはございませんか。
○総務部長(笹野修一君)
人事評価に関するデメリットはどうですかという御質問でございました。人事評価の結果につきましては、先ほども答弁させていただきましたとおり、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするものでございまして、非常に幅広く活用すべきものではございますけれども、現状、勤勉手当に反映する成績区分にのみ関心が集まっている状況と言えます。
人事評価制度のデメリットとしまして、一般論ではございますけれども、評価者あるいは被評価者の制度の理解不足、あるいは面談などの不足から、適切な制度運用がなされないような場合に、低い成績区分の反映率により、勤勉手当の支給を受けることとなった職員につきましては、評価結果への納得度が低くなるというようなことから、職務に対するモチベーションの低下を招くことが考えられると思います。
○山下隆夫君
そうしたデメリットが解消される制度になっているかという観点で、以下、質問したいと思います。人事評価の定義につきまして総務省は、人事評価は職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力を把握した上で行われる勤務成績の評価であるとしています。
本市もこの定義に基づいて、勤務成績を評価し、勤勉手当に反映することで、公務能率及び組織力の向上を図り、住民サービスの向上に結びつけることを目的に導入したわけでありますけれども、この1年間の運用を経て、今年度、制度を一部見直されたとお伺いをいたしました。見直しに至った経緯と、見直し後の制度内容についてお伺いをいたします。
○総務部長(笹野修一君)
制度の見直しに至った経緯、それと見直し後の制度内容はという御質問でございました。御承知のとおり、令和4年度から、前年度の人事評価結果を勤勉手当の成績区分に反映をしております。このことによりまして、職員をはじめ職員団体などから、評価制度そのものに対する様々な御意見をいただきました。いただいた御意見を踏まえまして、職員団体との協議や、あるいは苦情処理委員会における検討を重ねまして、より公正・公平な評価制度となるよう、例えばでございますけども、勤勉手当の処分範囲の対象となる職員の割合を、成績区分上位・下位それぞれ25%以内としておりましたけども、こちらは10%以内へ引下げを行ったりとか、あるいは平均点の調整方法の見直し、そのほかの能力評価シートの見直し、こちらは国に準じての見直し、こういったものを実施しております。
○山下隆夫君
そもそも平均点調整をしなければならないこと自体が、制度に欠点があるということではないかと、私は思います。住民サービスの向上を図ることが、人事評価制度導入の目的でありますけれども、業務内容によっては、単年度で解決できるもの、また、複数年かかってしまうものもございます。しかし、職員が評価を意識するあまり、短期的な視野での業務となり、中期的、長期的な視野での業務は評価をされないため、視野が狭くなってしまう、こういった可能性も人事評価のデメリットとして、私はあるのではないかと考えています。
そのために、京都府では目標管理という手法ではなくて、各職員の達成への努力とプロセス、これを重視した制度としているそうでございます。住民福祉の向上を図るために、職員が広い視野で伸び伸びと業務を遂行するためには、業務目標に対する努力とプロセス、これを評価することも必要だと思います。本市の制度はノルマ主義になってはいませんか、お伺いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
本市の制度がノルマ主義となっていないでしょうかというお尋ねでございました。業績評価における個人目標、こちらは組織目標と連動するものではございますけれども、基本的には評価者との面談を経た上で、被評価者自らが設定するものでございまして、一方的に課されるようなノルマとは性格を異にするものであると考えておりまして、ノルマ主義になっているということはございません。
また、議員御指摘のとおり、個人目標としている業務そのものが年度内に完結しないものも当然ございます。そのような業務を個人目標とする場合には、評価する年度末時点における達成水準、年度末時点でどこまでを達成するのかというところを数値や状態で設定しまして、また評価者は年度末時点での達成状況に基づき評価を実施することから、中期的・長期的な業務であっても、適正に評価されるものであると考えております。
○山下隆夫君
分かりました。次に評価の公正・公平、客観性、透明性は担保されているかという観点についてお伺いをいたします。地方公務員法第23条におきまして、職員の評価は公正に行われなければならないと、人事評価の基本基準が規定をされています。
しかし、人事評価の実施を規定している同法第23条の2では、人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関して必要な事項は、任命権者が定めるとなっていることから、公正性については法律で担保されていますけれども、任命権者の一存で人事評価の基準や方法を定めることができるようになっているため、公平性、客観性、透明性については法律では担保されていません。人が人を評価するのはとても難しい作業であります。評価の仕方によっては、労働意欲の減退につながることが危惧されます。人事評価制度の運用に当たり、公正な評価に加え、公平な評価や客観性、透明性はどのように担保されているのでしょうか、お伺いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
人事評価制度の透明性の担保というところでございますけども、先ほど答弁させていただきましたとおり、より公正・公平な評価となるよう制度や運用の見直しを行い、今年度から評価者・被評価者それぞれを対象といたしました研修の充実を図っておりまして、評価の客観性の確保や、評価の偏りの是正、こういったものを図っているところでございます。
また、2点目といたしまして、従来から評価結果の通知に当たりましては、業績評価・能力評価の評価シート、それから各評価点数及び最終成績区分を個々の職員に対して開示することに加えまして、評価のマニュアルに業績評価・能力評価の各評価点数の算定方法、それから成績区分の反映率を明記するなどいたしまして、評価の透明性の向上を図っております。
なお、勤勉手当に反映する人事評価結果に基づく成績区分の決定方法につきましては、あらかじめ期末面談の実施に係る通知を、2月頃に実施しますけども、この時点で明示をしまして、透明性を確保しているというところでございます。
○山下隆夫君
適正にやっているということでございますけども、職員の努力の成果が平等に報われる制度になっているかという点について、次にお伺いいたします。人事評価の結果を勤勉手当に反映する際、アップする職員とダウンする職員が、ある意味では同率となる相対評価方針となっていますけれども、人事評価自体も相対評価で行っているのでしょうか。どのような方法で行っているのでしょうか、お伺いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
人事評価そのものは絶対評価で行うということを、従来から、研修の中でもずっと、常々言っておりまして、そのようにして実施しております。
ただ議員御質問にありました勤勉手当の反映、この成績区分のところでございますが、こちらは人事評価により得られた評価結果を点数化いたしまして、これを被評価者の総合点として、職員・職種ごとにSからA、B、C、Dの5段階に区分して、決定をしているところでございます。
○山下隆夫君
絶対評価で評価しなさいというのは、総務省の指導の中にも書かれてありますから、評価自体は絶対評価でやっていると、これが基本であるということですね。(「はい」の声あり)ただ、絶対評価で評価をしたにもかかわらず、勤勉手当に反映する際は相対評価をしている。そのことによって、評価された職員イコール評価されない職員と理論的にはなってしまいます。そういった意味では、幾ら頑張って成果を上げたとしても評価されない職員が、一定程度生じてしまうことになります。
そのことによって、職員のやる気が失われれば、全体としてはマイナス効果となってしまうのではないかと思います。人事評価により、公務能率及び組織力の向上を図り、住民サービスの向上につなげる、このこと自体を否定するものではございませんけれども、人事評価自体を絶対評価で行っているのであれば、その評価制度の目的を達成するためにも、勤勉手当に反映する際も、絶対評価をそのまま反映させるべきだと思いますけども、いかがお考えでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
先ほどの繰り返しになって恐縮ではございますけども、人事評価は絶対評価により実施しております。勤勉手当に反映する成績区分につきましては、人事評価により得られた評価結果を点数化し、これを被評価者の総合点として、職位・職種ごとにSからA、B、C、Dの5段階に区分しまして、決定をしております。
人事評価制度は、先ほども山下議員もおっしゃられましたけども、人が人を評価するという制度でございますので、評価者や組織の目標の違い、こういったものによりまして厳し過ぎる、あるいは甘過ぎるといった偏りが発生することがございます。そのため、今年度から評価者・被評価者それぞれを対象とした研修を重点的に開催し、評価の偏りの是正を図っているというところでございます。
評価の偏りが解消され、より納得度の高い制度への見直しを図るということで、正確な処遇反映につなげていきたいと思いますし、そのようになるということは可能であると認識しております。
○山下隆夫君
今、御答弁の中ではございませんでしたけれども、昨年の議会答弁では、そこに座っておられる副市長が総務部長のときに、人件費総額をいじることができないので、どうしても、当時は25%アップする人がいれば25%ダウンする人、そこで調整をしなければ仕方ないのですというようなことをおっしゃっていました。そういった意味では、人件費総額を維持したままでは、本当に正当な評価はできないのではないかと思います。
絶対評価に基づいて、特別に問題のある職員、これは減額をされても仕方ないと思いますけれども、誰もが認める功績を上げた職員に対しては、評価をそのまま評価をして増額をする、そういう方式にする必要があるのではないですか。そういう方式にすれば、公正・公平、客観性、透明性を担保することは、私は可能だと思います。
また、職員間のわだかまりや士気の低下を招くことなく、納得感も得られると私は思います。人事評価制度は職員個人に差をつけることが目的ではないと、過去の議会答弁でおっしゃっています。住民サービスの向上を達成することが本来の目的でありますと御答弁されています。そのためにも人件費総額の枠内という考えを撤廃して、本当に努力して頑張った職員を評価するという制度に変えるべきと思いますけども、改めてお伺いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
今、人件費総額のお話をいただきました、こちらはもともと国家公務員の給与制度、この中でも給与法という法律があるわけですけれども、この第19条の7の中で総額を超えてはならないという1文がございまして、職員の給与の総額、これをどう設定するかという考え方、総和を求めるという規定がございまして、本市の給与条例、こちらにおきましても第29条であったと思いますけども、こちらも同様に、国に準拠しているという形で総額を定めております。そうした中で、限られた人件費の枠組みは当然ございますけれども、その中でより職員の努力と成果を、より的確に処遇に反映できるように、これは引き続き検討していきたいと思っております。
○山下隆夫君
乗り越えなければならないハードルがあるということでございますけども、何とか検討していただきたいと思います。現状の制度では、職員が評価される仕事と評価されない仕事が、取捨選択、基準になってしまう。チームワークが弱くなり、職員の考え方が中期的・長期的から短期的になり、視野が狭まってしまう。また、ストレスや不満が高まり、離職率が高くなるなどのデメリットが私はあると思っています。
法律では、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎としなさいということがうたわれていますので、ある意味では、人件費総額をいじることができなければ、勤勉手当の反映ではなくて、昇進の際の基礎資料として、私は活用すればいいのではないかと思います。そのことによって、結果的に昇進をすれば給与に反映をするわけでありますから、法律の趣旨を果たせるのではないかと思いますし、昇進を、あの方が昇進した、本当にすばらしい成績を上げておられる方だから、昇進して当然よねと、あの方の部下として私は働きたいとなっていくのではないかと思いますけども、そうした方法に変更するという方法もありますけども、いかがお考えでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
今、いただいた御質問につきましては、繰り返しになって申し訳ありませんけども、平成26年の地方公務員法の一部改正、こちらによりまして、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用すると明記をされました。今おっしゃられたのは、任用の部分であろうと思います、昇進というのがです。そうですので、それも当然、備わっている機能と考えております。併せて同法におきまして、地方公務員法の中で第23条の3でございますけれども、人事評価結果に応じた措置を講じなければならないとされておりますことから、まずは勤勉手当のほうの処遇に反映をしたところでございます。
なお、今後もよりよい人事評価制度の構築に努めるというのは、当然課せられた責務だろうと思いますので、任用、分限その他の人事管理の基礎として活用できるように、こちらも、いわゆるPDCAサイクルといったものの中で適切に、研究なり、見直しなりをやっていきたいと考えております。
○山下隆夫君
絶対評価で評価された結果をそのまま反映するのではなくて、勤勉手当の反映の際には、相対評価をするということによって、担当業務で成果を出したにもかかわらず、評価が、ある意味では下がってしまう職員が一定数出てしまうわけであります。そうした制度では、職員全体の士気が上がるわけはないと思います。
社員のランクづけが、大部分の社員のモチベーションを下げるので、職務能率及び組織力の向上につながらない。労力を費やす割には効果がないため、投資効果が極めて低いという理由から、民間企業では人事考課制度を廃止するところも出ているそうでございます。公務能率及び組織力の向上を図り、住民サービスの向上に結びつけるためには、勤勉手当の反映は絶対評価と、私はすべきだと思います。それができなければ、昇進の際の基礎資料としてのみ活用するという方法に変えていただくことを申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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