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下村 秀樹 議員
第1回定例会 3月10日(金) 本会議(個人質問2日目)
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内容
会議録
第1回定例会
3月10日(金) 本会議(個人質問2日目)
みらい下関
下村 秀樹 議員
1.海峡エリアのまちづくり
2.客船誘致と観光振興
3.農林水産業の振興
4.IT人材の確保
【下関市議会 本会議確定版】
△個人質問
○副議長(安岡克昌君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
個人質問を継続いたします。10番、下村秀樹議員。(拍手)
〔下村秀樹君登壇〕
○下村秀樹君
みらい下関の下村秀樹でございます。質問の前に一言御挨拶をさせていただきます。
高校を卒業してから下関を離れ、京都、東京、大阪、長野で経験を積み、4年半前に下関に戻ってまいりました。40年もの間、下関を離れて、下関での人脈も薄く、しっかりした組織も後ろ盾もない中、議員に選んでいただけたのは、市民の皆さんの中に、下関市の将来に対する大いなる危機感があるからだと思います。
私のキャッチフレーズは、子供は未来、まちづくりは未来、子供は未来、まちづくりは未来です。
子供施策については、明石市並みの施策を掲げております。また、まちづくりについては、世界有数のディベロッパーである三井不動産株式会社での経験、知見を生かしていく所存でございます。
先日、近所の若奥様から声をかけられました。「下村さん、おめでとうございます。投票しましたよ。中学生までの医療費無料化をぜひ実現してください」と言われました。このたび、予算案を拝見してびっくりしました。早速、若奥様から感謝されそうです。市長をはじめ執行部の皆様、本当にありがとうございます。この調子でいきたいと思っております。
さて、予算案全体を拝見した感想を率直に申し上げます。力作だなと思いました。未来に向けて、下関をよりよくしていこう、元気にしていこうという熱い思いと気概、本気度を感じました。私も下関を再び元気な街にするにはどうしたらよいか、ずっと考え続けてきました。
その結論は子供施策です。なぜなら、子供は未来だからです。親のあるなし、親の出来不出来にかかわらず、社会が子供を育てていく必要があると思います。そして、子供施策の充実した街には、子育て世代が集まってきます。人口は増えます。その結果、住民税が増えます。消費が増えます。その結果、経済が回ります。
ただし、人口を増やすためには、近隣市町村を圧倒する施策でなければなりません。今回の予算は、記念すべき第一歩になることだと思っております。
さて、質問に入ります。海峡エリアのまちづくりについてです。当初予算の概要、26ページから27ページになります。関門海峡は世界で勝負できる景観を誇っており、我々下関市民の宝物だと思います。
そこで質問です。海峡エリアビジョン推進体制の承認機関のメンバーをお示しください。
○総合政策部長(前田一城君)
今回策定いたしました「あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン」でございますが、これを推進していくに当たりましては、官と民とが密接に連携しまして、一体的かつ横断的に事業を推進していくため、令和5年度において、実務検討と意思決定を分離した推進体制を構築することを考えております。
意思決定を行う組織につきましては、市長をはじめ、経済団体や地域関係者、学識経験者などで構成し、それぞれの事業に係る横断的な検討、決定を行いながら、マスタープランの具現化を進めていくこととしております。
○下村秀樹君
昨年11月のあるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン素案の報告会の際に、星野リゾートの星野代表は、星野リゾートをこの承認機関、意思決定機関のメンバーにも入れてほしいということを繰り返し述べられておりました。
それに対し、私は1市民として質問に立ち、「ほかのホテルにも進出いただき、相乗効果を生み出すべきだと思います、いかがですか」と申し上げましたが、星野代表はほかのホテルの進出には否定的でございました、と私は感じました。民間事業者である星野リゾートをこの承認機関、意思決定機関に入れるということは、すなわち電通の出向者をオリンピック委員会に入れるようなことになりかねないのではないかと考えております。
そこで質問です。星野リゾートを承認機関、意思決定機関にお入れになられるお考えはおありでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
11月のときに星野代表が否定的だったというような認識は、こちらとしてはしておりませんけども、推進体制のメンバーとしましては、現在まだ調整中で何も決まったものはございませんが、そういう意思決定を行う機関についても、観光に関する専門的な知見を持っている方をメンバーにするというのは、非常に重要なことではないかと思っております。
○下村秀樹君
私は、星野リゾートそのものを否定しているわけではございません。むしろ、星野リゾートさんというホテル分野に独自のノウハウと実績を持ったディベロッパーがここ下関に進出してくださることは、下関にとって大変ありがたいことだと思っております。ディベロッパーというものは、自分の施設のことだけではなく、その施設が立地するまちづくりに強い関心を持ち、できれば、そのまちづくりにコミット―――関与していきたいと考えるからです。星野リゾートさんの知見を大いに活用すべきだと思います。その点については異論がございません。しかし、事業を行うものを承認機関に入れるのはいかがなものかということです。企業にはどうしても自社の利益の追求を行う宿命があるからです。
そこで提案です。アドバイザリーボード―――諮問機関を設置して、星野リゾートさんにはそこに入っていただいてはどうでしょうか。そして、少なくとももう1社以上、ほかのディベロッパーにもアドバイザリーボードに入っていただくとよいと思います。そうすると、知見の幅が広がりますし、星野リゾートさんとは別のディベロッパーとの間で牽制が働くことも期待できます。それは、ひいては下関市の利益につながると思います。
観光事業者、飲食事業者の団体、商店街、地銀さんも現在の案では、承認機関に入っておりますが、こういった民間事業者さんについても、アドバイザリーボードのほうに入れたほうがいいのではないかと私は考えます。
次の質問に移ります。海峡エリアビジョンと下関港ウォーターフロント開発推進事業の委託予定先は、どこになりますでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
エリアビジョン推進業務のほうでございますが、マスタープランの実現に向けた推進体制を構築し、運営などを行っていく業務となりますので、契約の相手方となる候補者を選定するに当たりましては、価格のみによる競争入札に適さないと考えておりまして、技術力、企画力、実績、専門性、創造性などを勘案しまして、総合的な見地から判断する必要があると考えておりますので、プロポーザル方式により選定する予定としております。広く参加業者の募集をすることを考えております。
○港湾局長(酒井貴司君)
令和5年度実施予定業務のうち、あるかぽーと地区の水際線を活用した周辺の観光資源と一体的なにぎわい創出に必要な基盤整備の調査、検討、及び岬之町地区における土地活用の方策の検討については、マスタープラン等の実現に必要な基盤整備の基本的な調査、事業スキーム、それと事業スケジュール等の検討において、関係法令や技術基準に基づく条件整備が中心となるため、行政主導の下、諸条件を満たす建設コンサルタントによる業務遂行が可能と判断しまして、条件付の一般競争入札での受託者決定のほうを考えてございます。
また、あるかぽーと地区の回遊性向上を図るための新たな交通システム導入に向けた社会実験の発注に当たりましては、業務の目的や性格を精査しながら、プロポーザル方式の活用も検討する等、適切な事務手続を進めてまいる予定でございます。
○下村秀樹君
私は、どちらも知見とかノウハウが問われる内容だと思いますので、そういった知見とかノウハウを問う、それを中心とするコンペであるほうがいいのではないかと考えます。総合政策部のほうは、おおむねそのようなことをお考えだと受け取りました。港湾局のほうもなるべくそういうふうにしていこうという姿勢を感じました。
できれば全て、例外はあるかもしれませんけど、極力価格入札ありき、それに条件をつけるということではなしに、逆に、価格条件を設定しつつ、知見や、実績や、企画力とか、技術力とか、その内容を問うコンペにするべきではないかと考えます。我々の、市民の宝物である湾岸エリアでもございますし、非常に難易度が高いことを依頼しないといけなくなると思います。
次の質問です。火の山公園再編整備事業、火の山移動施設整備事業において、令和5年度に実施する内容の中に、都会的、客間的―――客間というのは茶の間のではなくて客間という意味です、施設の導入計画はおありでしょうか。すなわち、観光客を呼び込むような施設、例えば、しゃれたデザインのビジターセンターのような施設の計画はおありでしょうか。
○観光スポーツ文化部長(和田守正君)
火の山の整備についての御質問ということでございますので、まず、これまでの経緯について御説明をさせていただきたいと思います。御承知のとおり、火の山には多くの観光客、そして市民の皆様に愛されてまいりました展望台がございましたが、老朽化や災害の被害等によりまして、平成29年度に解体をしております。その後、新展望台建設工事の入札を実施いたしましたが、2度の不調によりまして一旦保留し、事業を見直すこととしております。
その結果、観光施設単体ではなく、地区全体の観光施設を対象にした再編整備の実施や、新たな観光素材の付加に向けて調査検討を行うことといたしまして、令和元年度に火の山地区観光施設再編整備調査検討業務を実施したところでございます。
この調査検討業務の成果を基に、令和2年度には火の山地区観光施設再編整備基本構想を策定いたしました。基本構想策定に当たっては、ウェブアンケート及び市民アンケートの実施、並びにワークショップを開催し、市民や観光客が求めている火の山像を明らかにしてまいりました。
令和3年度におきましては、火の山の観光資源の活用方法を提案するとともに、広く市民に火の山の魅力を周知するために、にぎわい創出事業を実施いたしました。そして、令和4年度は、これまで積み重ねてまいりました準備を踏まえて、基本計画を作成中でございます。この基本計画によりまして、これからの整備の方向性をお示しできるものと考えております。
令和5年度予算につきましては、基本的な基盤や軸となる施設整備案の熟度を高めた結果、国費調達のめどがおおむね立ったことから予算計上を行うものでございます。
これまでも事業の進捗に伴い、予算の執行に当たっては、議会にその都度御審議をいただきまして、適宜御報告をしながら、情報共有を図ってまいりました。いよいよ具体的な整備を開始する段階になり、火の山地区を市民の皆様や多くの観光客の皆様に喜んでいただけるものにしていきたいと考えておりますので、今後も、これまで以上にお力添えいただきますよう、御協力をよろしくお願いいたします。
○都市整備部長(清水 悟君)
火の山は、世界に誇る歴史が詰まった海峡を一望できる絶好の位置にあり、観光資源として絶大な可能性を持っていることはもちろんでございますが、それと同時に、下関市民の郷土愛を育んできた大切な場所でもございます。
したがって、光の山プロジェクトでは、火の山の魅力である唯一無二の眺望、深い歴史、市街地に近い広大な自然を存分に生かし、日常生活での市民利用から非日常的な観光利用、企業等による新たな利用など、全ての人に親しまれ、活用される場として再編整備を目指しております。
その上で、令和5年度の当初予算案の事業内容につきましては、ビジターセンターは含まれておりませんが、観光客を呼び込むようなデザインを重視した施設として、山頂部の展望デッキがございます。展望デッキは、設計コンペにより、若手建築士を対象に、全国から広くデザインを公募しております。これにより、次世代を担う若手の感性が生かされたデザインで、市民にも、観光客にも長く愛される火の山の新しいシンボルにしたいと考えております。
現在、最終審査中でございますが、どのデザインも海峡が一望できる場所で、季節や天候、時間帯によって変わるすばらしい景色に没入し、海峡の風や匂い、光や音をゆっくり堪能することができる質の高い展望デッキとなることが期待できると考えております。
○下村秀樹君
大変工夫をされていると思いました。中身を見てみないと分からない部分も当然ございますけども、直感的には、もう少しとがった施設があってもいいのではないかと思いますし、また、下関に戻ってきて、ずっと感じていますのは、ビジターセンターみたいなものがなくて、例えば、そこに行くと、ちょっとそこまでの構想にするかどうかは別にしまして、例えですけども、平家踊りがシーズン以外でも見られるとか、下関のことがそこに行くとある程度分かるようなものをつくるとか、あるいは滋賀県ですと琵琶湖テラスみたいな、ああいったものをつくるとかですね。事業性の問題もございますので、今日のところはアイデアレベルでしかございませんが、もっととがったものは御検討されていないのでしょうか。今年度ではなくても、今後につきましてもいかがでしょうか。
○都市整備部長(清水 悟君)
火の山公園再編整備事業では、観光客を呼び込む施設として、令和5年度に実施設計に着手する展望デッキに加え、令和6年度以降、屋内展望施設やイベント広場の整備も検討してまいります。
これらは、いずれも現状の複雑な地形や砲台跡などの遺構を生かし、火の山の魅力を引き出すような計画を検討しており、火の山でイベント等の利活用を行う民間事業者や、市民と協働して火の山の再生を実現したいと考えております。
また、火の山再生に当たりましては、民間と公共の役割分担の観点から、公共の立場としては、火の山の魅力を引き出し、多くの幅広い方々に使っていただくベースの部分の整備に注力をすべきと考えております。
したがいまして、魅力度は高くても利用対象者が制限されるものなどにつきましては、公園の設置管理許可制度やPark-PFI制度などを活用し、民間事業者に委ねることも検討しているところでございます。
既に、企業へのサウンディングなども進めておりますが、今、火の山再生の絵姿が見えつつあり、火の山公園の利活用に興味関心を持たれる民間事業者もございます。
市といたしましては、これらの方々の新しいアイデアや民間投資は大歓迎でございます。火の山の観光客を呼び込むインパクトのあるコンテンツはぜひ実現したいと考えており、今後一層、積極的に働きかけを進めてまいります。
○下村秀樹君
ぜひよろしくお願いいたします。
次の質問です。通常は、安い価格の土地に作るようなアスレチックとキャンプ場を、市民の宝であるこの1等地につくる理由を教えていただけますでしょうか。もしつくられるのであれば、児童公園に毛の生えたようなものとか、ありきたりのキャンプ場ではなく、ハイエンドなもの、市外からも人を呼び込めるようなグレードの高いものにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○都市整備部長(清水 悟君)
火の山公園につきましては、瀬戸内海国立公園内であって、都市公園法上の広域公園で、広域的なレクリエーション需要を充足することを目的としておりまして、市民はもちろん、市外から訪れる方の利用も想定しております。
それと、市外からのお客様を呼べるようなハイエンドなものにすべきではないかという御意見でございます。火の山の資源、魅力を活用して、ここでしか体験できない高い付加価値をという御意見かと思います。全国で人気の高い観光地というのは、まさにそれがあると、私どもも認識しております。
そのようなこともございまして、このたびの再整備の、来年度の予算におきましても、アスレチックでございますが、海峡に張り出すローラー滑り台、ブランコ、山麓キャンプ場では、海峡を行き交う船を眺めながらのバーベキューテラスなどを検討して、火の山の資産、魅力を最大限に生かし、誰もが利用できる施設整備を行ってまいりたいと考えております。
○下村秀樹君
ぜひよろしくお願いいたします。民間事業者への土地の賃貸、または、委託契約等の契約を結びながらやっていくことになられるかと思いますが、将来、プチホテル、貸し別荘、分譲別荘用地等々、ほかの用途にも転用できるようにしておくべきだと考えております。すなわち、キャンプ場、アスレチック、それもそれで、うまくいけばそれでいいと思うのですけども、後から見ると、暫定利用だったということもあり得るように、立地の成熟度に合わせて、利用形態を変更できるように、契約上のことも含めて、あらかじめ措置をしておくとよいと考えます。
それから、ウオーターフロントのほうにつきましては、先日の質疑の中で、全員協議会の中でも御説明をされるというお話がございましたが、火の山公園につきましても、ぜひとも広い意味でウオーターフロントの中に入れていただいて、市民全体で、執行部と議会で議論させていただき、いろいろ意見を吸い上げていただけるとありがたいなと、お願いをします。
次にまいります。客船誘致と観光振興についてです。当初予算の概要25ページになります。客船が寄港するよう、誘致していくことは極めて重要なことであると考えておりますが、それだけでは、せいぜい停泊料が入るぐらいで、下関経済にとってはあまりメリットがないと考えます。乗船客になるべく長い時間、下関市に滞在していただき、下関市にお金を落としていただくようにするべきであると考えます。その策の一つとして、そのツアーを仕切っているところ、そのツアーに影響力のあるところを押さえる必要があると考えております。
そこで質問です。旅行代理店等、そのツアーを仕切っているところ、そのツアーに影響力のあるところへの営業は行っていらっしゃいますでしょうか。行っていらっしゃるとしましたら、どのように行っていらっしゃいますでしょうか。
○港湾局長(酒井貴司君)
まず、営業先でございますけれども、クルーズ客船の誘致につきましては、そもそもクルーズ船社をはじめ、御指摘ございました旅行代理店、また、必要に応じて寄港地観光を企画するランドオペレーター、それぞれ各社に影響を与えるクルーズ関係の出版社等に対して、下関港に寄港した際の観光地やイベント等についての情報提供を行うポートセールスのほうを行ってございます。
その上で寄港の決定に当たりましては、寄港地の知名度や魅力度が大きな要素になってくることから、ポートセールスにおいては、個別営業に加えまして、展示会や商談会への参加、当市セミナーの開催、コロナ禍においてもウェブを活用して営業を行うなど、多くの関係者を訪問して、下関市の自然、歴史、食などの観光地としてのすばらしさを御説明することで、知名度の向上に努めているところでございます。
また、下関港の魅力度をさらに高めるという観点で、北九州市と連携して組織した関門港クルーズ振興協議会による両市の観光資源を組み合わせた観光コースの提案をはじめ、広域の複数港との連携による誘致活動等についても行っているところでございます。
なお、冒頭申し上げたポートセールスの訪問実績については、令和4年度は本日時点で49件となってございます。令和5年度についても引き続き、多様な関係者に積極的にポートセールスを行い、下関港へのクルーズ客船の寄港拡大に取り組んでまいる所存でございます。
○下村秀樹君
すばらしいと思いました。
次の質問です。本当は市内に宿泊していただくことが、下関市にとって最もお金が落ちることになると考えます。そのためにも、星野リゾートだけではなく、さらにホテル、宿泊施設を増やしていくことが必要であると考えます。鶏が先か卵が先か。お客さんが先かホテルが先かということですが、鶏がいないと卵は生まれないと思います。要は、本当に卵が生まれるのかという鶏の不安を軽減する施策が必要であると考えておりまして、これが下関市としての役割になると思います。
クルーズ船の場合は、それ自体が動くホテルであり、乗客の方に下関市に宿泊していただくのは難しいのかもしれませんが、そういった中で、下関市にお金が落ちる仕掛けとして、どのようなことをされていらっしゃいますでしょうか。
○港湾局長(酒井貴司君)
下関市においては、令和元年に下関商工会議所や下関観光コンベンション協会などで組織する下関市インバウンド対策協議会を発足させまして、クルーズ客船の観光客や、インバウンドの受入れを市内全域に広げて、地域経済の活性化を図るために魅力的な周遊ルートの開発や、スムーズな移動手段の確保、インバウンド消費の拡大に取り組んでいるところでございます。
また、クルーズ客船の観光客が市内で、滞在時間や消費活動の拡大を図るため、観光のコースや観光の資源に加えて、下関ならではの甲冑・官女等の着付け体験や、ふく刺しを自分で引く料理体験、また、日本酒の酒造り体験など、魅力的な体験プログラムも併せて提供することで、本市の経済効果に結びつくように努めているところでございます。
引き続き、クルーズ客船を誘致するとともに、下関に来てよかったと、また来たいと思われるような観光地の造成を図るとともに、観光、産業部局等と連携を図りまして、市内での消費活動の拡大につながるように努めてまいりたいと考えてございます。
○下村秀樹君
すばらしい取組だと思いました。
次の話にまいります。今後の話として、小中学生の給食費の無償化は、単に子供施策、子育て世代施策にとどまらず、産業振興にもつながる重要施策だと考えます。なぜなら、下関市の判断で、すなわち下関市の施策として、給食の食材を買い付けることができるようになるからです。地産地消を進めることで、地域の農業水産業を振興していく可能性がありますし、有機栽培、6次化のような高度化を後押ししたり、最大の課題である後継者不足解消策として、新規就業者が思考する、新規就業者がやりたい農業や漁業を後押しする手だてとすることもできると考えます。
そこで質問でございます。学校給食用食材をてこに、有機農業を推進するお考えはおありでしょうか。
○農林水産振興部長(植木純治君)
農林水産業の振興に係る学校給食用食材をてこに、有機農業を推進する考えはあるのかについてお答えいたします。学校給食への食材供給につきましては、関係機関の合同協議の場において、地場産農産物の使用計画と供給体制について、情報交換や調整が定期的に行われているところであります。
しかしながら、市場に出荷したいという生産者の意向もあり、学校給食の需要に対して、十分な供給ができていないのが現状でございます。
こうした状況を踏まえますと、化学肥料や農薬を使用しないことにより、収量や品質が不安定になるといった課題もある有機農業では、相当量の食材を必要とする学校給食への供給はさらに難しいと考えております。
農林水産振興部といたしましては、まずは学校給食に必要な量に対応できる産地の育成が重要であると考えておりまして、令和5年度の予算では、豊田農業公園みのりの丘の圃場の一部を活用しまして、学校給食用の野菜の展示研修圃場を設置し、JAや県と連携を図りながら、生産地域拡大のための栽培研修等を行う事業を実施することとしております。
○下村秀樹君
それでは、まずは地産地消の量の拡大を図っていただければと考えます。並行して、有機農業のような新しい就農者が思考するようなものも御支援いただければと思います。地産地消や有機については、消費者のほうのニーズも増えているのではないかと思います。
次に、下関市母港化促進補助金予算減額の理由をお尋ねいたします。
○農林水産振興部長(植木純治君)
下関市母港化促進補助金の予算減額の理由についてお答えいたします。下関市母港化促進補助金は、母船式捕鯨船の本市での係船や、乗組員等の本市への移住、母船式捕鯨業者の事業拠点の設置に必要な経費に対する支援、これら3つの支援により、受入れ体制の強化を図り、母港化の実現を目指すものでございます。
これまでの取組により、令和4年度におきまして本市に出張所を開設され、一歩母港化に近づくことができました。令和5年度におきましては、これまでの補助金による係船に必要な経費支援に代えまして、長期係船が可能となるような電気供給設備を整備することとしておりまして、さらに、母港化を進めることとしております。
このため、下関市母港化促進補助金は、2つの支援が目的を達成したため予算減額となりますが、乗組員の方の本市への移住経費に対する支援につきましては、令和4年度と同額の予算を維持しております。引き続き、母港化を推進してまいりたいと思っております。
○下村秀樹君
よく分かりました。
次の質問です。デジタル人材の育成・確保についてのお考えをお示しいただけますでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
スマートシティを推進する上で、市民の誰もがデジタル社会に適応できるよう、スキルを高めることは大変重要であると考えておりまして、デジタル人材の育成に取り組んでいるところでございます。まず、令和3年度から市内大学において、各大学の特色や強みを生かしたデジタル人材育成プロジェクトを実施しております。企業等が求めるデジタル化に対応した人材の育成に取り組むとともに、スマートシティ推進協議会においても、大学生や若手社会人を対象にデジタル技術を活用し、地域課題の解決策を見いだすデジタルコンテストを開催しております。
また、首都圏等から有能なIT人材を確保しまして、本市での起業や定住を促すとともに、本市の若者のデジタルスキルの向上を図ってもらうということで、デジタル版地域おこし協力隊として、現在、2名の隊員に着任していただいております。
○下村秀樹君
そのデジタル版地域おこし協力隊員についてですが、今年度増員が1名というのは、少ないような気もしますけれども、今後のさらなる増員の予定はどうなっていますでしょうか。
○総合政策部長(前田一城君)
5年度は、1名の増員を予定しております。まずは着任されている隊員へのきめ細やかなサポートに注力しまして、隊員の夢や希望がかない、起業、定住する卒業隊員を生み出すことが重要であると考えております。
そのためには、隊員を受け入れる体制の強化が必要と考えております。そのようなことから、議員御指摘の隊員の拡充の件でございますが、隊員の人脈形成や起業の準備に向けた受入れ団体等によるフォローアップの体制や職員の活動状況を見ながら、増員については今後検討していきたいと考えております。
○下村秀樹君
人を相手にして人を育てるといいますか、下関市のために貢献していただけるように、日夜動いていらっしゃるということがよく分かりました。丁寧にフォローされているということがよく分かりました。すばらしいと思います。
質問は以上でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
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