市議会サイトトップへ
会議録検索サイトへ
文字サイズの変更
標準
大
録画放映
トップ
/
議員名でさがす
/
宮野 直樹 議員
第2回定例会 6月19日(金) 本会議(一般質問1日目)
本会議でさがす
委員会でさがす
議員名でさがす
会派名でさがす
操作方法について
1倍速
1.2倍速
1.5倍速
2倍速
内容
会議録
第2回定例会
6月19日(金) 本会議(一般質問1日目)
宮野 直樹 議員
1.障害児者の地域生活を支えるレスパイト支援について
2.精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについて【21分44秒から】
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。
△一般質問
○議長(林 真一郎君)
日程第4 これより一般質問を行います。
本日は、御手元に配付の通告一覧表により、1番から6番までの通告者について行いたいと思います。
この際お願いいたします。一般質問は初回から一問一答方式により、全て質問席で行います。1人の持ち時間は答弁を含め50分、質問回数の制限はありません。なお、執行部におかれましては、質問の要旨を的確に捉えられ、簡潔にして要を得た答弁をされるようお願いをいたします。
それでは、順次質問を許します。1番、宮野直樹議員。(拍手)
〔宮野直樹君登壇〕
○宮野直樹君
おはようございます。無所属の宮野直樹です。通告に従い一般質問をさせていただきます。
1つ目のテーマは、障害児者の地域生活を支えるレスパイト支援についてです。初めに、緊急一時支援の現状について質問をさせていただきます。令和6年第2回定例会で取り上げさせていただいた地域生活支援拠点等整備事業では、障害者の重度化、高齢化や親亡き後を見据え、緊急時の対応や施設や病院等からの地域移行の推進を担う重要な事業として、令和6年度より障害者総合支援法に位置づけられるとともに、その整備に関する市町村の努力義務が設けられました。本市においては、自立支援協議会の中に、地域生活支援拠点等整備検討部会を設置され、5つの機能の整備に向けて協議が重ねられています。そのうちの一つ、緊急時の受入れ・対応については、令和4年8月より、障害者児緊急一時支援事業が開始されました。在宅の障害者が介護者の急病等の事由により、在宅での生活が困難になった場合に、緊急で宿泊または日帰りの支援を行うものです。令和6年6月1日の状況は、登録者数86人、受入れ事業所数9事業所、令和5年度の利用実績は、利用者数9人、延べ宿泊数17日、日帰りの利用数6日ということでした。事業開始から間もなくの状況において、一定の成果を上げられていることは評価できるものと考えています。その一方、強度行動障害者や医療的ケア児をどのように受け入れていくかという課題が挙げられていました。
そこでお尋ねします。その後、約2年が経過しましたが、現在の登録者数、受入れ事業所数、令和7年度の利用実績、加えて強度行動障害者や医療的ケア児の受入れ状況についてお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
緊急一時支援事業につきましては、令和8年3月末時点の登録者数が138人、受入れ事業所数は9事業所となっております。また利用実績につきましては、令和7年度の利用者が17人、延べ宿泊者数が53日、日帰り利用が6日となっております。
現在、強度行動障害者や医療的ケア児の受入れ件数等については把握できておりませんが、事業所への聞き取りを行ったところ、強度行動障害者の特性に対応できる人材の確保や医療的ケア児に対する看護体制等の問題から、利用実績は少ない状況にございます。
○宮野直樹君
現状について御説明いただきました。登録者数あるいは利用者数ですね、着実に増えているという状況の中で、強度行動障害者あるいは医療的ケア児については、なかなかやはり受入れが難しいという課題が明確になったというふうに思います。
それでは、次に短期入所の現状について質問をさせていただきます。このたびのテーマである障害児者のレスパイト支援については、障害の重度化、家族を含めた高齢化、また医療的ケア児の増加等に伴い、その重要性はますます高まっています。3月議会でも、井川議員もレスパイト支援の重要性について質問されていましたが、特に重症心身障害児や医療的ケア児等の家族は、24時間365日、常に緊張感の中で生活されている現実があります。人工呼吸器、たん吸引、経管栄養、気管切開など、医療的ケアを日常的に担いながら、睡眠も十分にとれず、外出も難しく、介護離職や兄弟児への影響など、大きな負担や不安を抱えている御家庭も少なくありません。令和3年には、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、医療的ケア児とその家族への支援を社会全体で支える責務が明確に位置づけられました。医療的ケア児とその御家族を支えるための重要な支援の一つが短期入所です。短期入所等を通じたレスパイト支援は、単なる預かりや休息ではなく、本人及び家族が地域で暮らし続けるための命綱とも言える重要な社会基盤となります。そうした重要性があることから、令和6年度の報酬改定においては、事業者により医療的ケアが必要な方へ対応した場合について、各種加算による評価の強化がされています。
そこでお尋ねします。現在の支給決定者数、指定事業所数、令和6年度、令和7年度の利用実績、加えて強度行動障害者や医療的ケア児の受入れ状況についてお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
短期入所につきましては、令和8年3月時点の支給決定者数が467人、指定事業所数は19事業所でございます。令和6年度の実績は、一月当たりで申しますと90人の利用者数で、利用日数は581日となっております。次に、令和7年度の実績は、一月当たり120人の利用者数で、利用日数は771日となっております。緊急一時支援と同様に、強度行動障害者や医療的ケア児の受入れ件数等については把握できておりませんが、同じく利用実績は少ない状況にございます。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。短期入所についても、年々ニーズあるいは受入れの状況は増加しているというところですけれども、なかなか強度行動障害や医療的ケア児、状況については厳しい状況があるというふうに認識をいたしました。
それでは次に、受入れ体制の現状と課題について質問をさせていただきます。本市においては、先ほどの緊急一時支援、医療的ケア児者在宅レスパイト事業など、市独自の施策を実施され、支援体制の整備を着実に進めておられることは承知しております。しかしながら、先ほどの御答弁からも分かるように、強度行動障害や医療的ケア児等の御家族から寄せられる声には、制度はあるが実際には利用が難しい、緊急時に預け先が見つからない、親が倒れたら終わってしまうという切実な声を伺います。
タブレットの資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
本市の第7期障害福祉計画では、短期入所利用者数は令和8年度に月115人、利用日数は月816日まで増加すると見込まれています。一方、第6期計画期間中の実績平均は、利用者数、月58人、利用日数、月472日となっており、計画値の間に乖離が見られます。私はこの数字を見て、短期入所のニーズが少ないということは考えていません。実際に支給決定を受けている方は467名であり、むしろ利用を必要とする方がいるにもかかわらず、利用につながっていない実態があるのではないかと考えています。
次の資料を御覧ください。実際に、第7期計画策定時の事業者アンケートでは、不足しているサービスとして、約4割の事業者が短期入所を挙げられています。
次の資料を御覧ください。短期入所の福祉型・医療型を合わせると、最も多く短期入所が挙げられていることが分かります。そこでお尋ねします。第7期計画開始以降、短期入所等の受入れ体制拡充に向けてどのような取組をされてきたのか、お示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
第7期下関市障害者福祉計画は、令和6年度から令和8年度までを期間とする計画でございます。計画開始以降の取組としましては、まず令和6年4月から医療的ケア児在宅レスパイト事業を開始いたしました。そのあと本年4月からは、18歳以上の医療的ケア者も利用できるように対象を拡大しております。これらのレスパイト支援に係る事業につきましては、自立支援協議会を通じまして周知を行っているところでございます。
○宮野直樹君
ありがとうございます。市独自の施策として整備を進められてきたということで、今年度から医療的ケア者――大人の方も対象ということで、それを必要とされている方から利用したいという声も私も伺っております。それについては大変評価すべきものというふうに思っております。しかしながら、先日、医療的ケア児及び重症心身障害児を育てる保護者の方々へお会いする機会がありました。その際、緊急一時支援、短期入所を含め、レスパイト支援等の課題についてお話を伺いました。ある日、当該保護者を含め、家族が発熱等で体調が急変し、お子さんの介助を担うことが難しい状況が生まれました。そこで登録している緊急一時支援の利用を考えたようですが、原則利用に係る送迎は家族等が行うことが前提となっているため、体調不良から送迎が難しく利用へ至らなかったそうです。また別の保護者からは、けがや病気で入院されることがあり、その際、市内の短期入所の利用ができなかったため、市外の事業所を利用して何とか対応したというお話も伺いました。そのほかにも手術が必要な状況が生まれ、長期間の入院が見込まれる中、預け先がないため、家族が介護離職をされたというケースも伺いました。不安と精神的負担を常時抱えており、心身ともにぎりぎりの状態で生活をしていることから、保護者の急病や休息が必要な際、市内で安心してお子さんを預けることができる体制整備を切実に求められています。また、受入れ体制が整備されることは、兄弟児の心のケアや保護者の就労、障害のある本人にとっても経験の一つとして大変重要な意味があります。加えて、本年3月に実施された地域生活支援拠点等整備検討部会において開催された緊急一時支援事業受入状況報告会では、事業者の多くが懸命に対応している中で、医療的ケア児など特別な配慮が必要な方に対応することは難しい実態が明らかになっており、課題として特に夜間の人員確保や看護師など専門職の配置を挙げられていました。
そこでお尋ねします。緊急一時支援及び短期入所を含め、レスパイト支援に係る受入れ体制の課題をどのように認識されているのか、お示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
レスパイト支援の受入れ体制に関する課題につきましては、議員お示しのとおり、専門職や夜間に対応する人員の確保が難しいことが挙げられます。また、障害の特性を理解し対応できる人材を育成する必要があることや、地域によっては受入れができる事業所がないといった点も課題であると考えております。
○宮野直樹君
課題の認識について確認をさせていただきました。それを踏まえ、次に今後の取組について質問をさせていただきます。まずは、医療と福祉の連携についてです。重症心身障害児や医療的ケア児等が緊急一時支援や短期入所を利用するには、様々な課題があります。そのような中、近年では、地域包括ケア病棟を活用したレスパイト入院や短期的受入れを実施している自治体や医療機関が見られるようになっています。地域包括ケア病棟は急性期治療後の在宅復帰支援や在宅療養支援を目的とした病棟であるため、在宅生活を支えるという観点から、重症心身障害児や医療的ケア児等のレスパイト支援とも親和性が高いのではないかと考えています。一方、病床確保や専門スタッフのマンパワー不足など、病院の受入れについても課題が多く、入院レスパイトの拡大は難しいという声を伺います。しかしながら、医療機関との連携は必要不可欠であるため、医療的ケア児、その家族の地域生活支援のための体制整備等について検討を重ねている医療的ケア児支援地域連携会議を活用し、連携強化に取り組むべきと考えています。
そこでお尋ねします。レスパイト支援など、医療と福祉の連携及び受入れ体制の強化に向けて、今後どのように取り組むのか、御見解をお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
議員御案内の地域包括ケア病棟を活用したレスパイト支援など、受入れ体制を強化することにつきましては、自立支援協議会の専門部会の一つである医療的ケア児支援地域連携会議などにおいて意見を伺ってまいりたいと考えております。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございます。しっかり協議の場を活用して、連携体制を取って、それぞれの役割をつないで、しっかりと包括的にケアができるようによろしくお願いいたします。
次は、送迎の加算についてです。先ほどの保護者のエピソードで御紹介したとおり、緊急時の課題の一つとして、送迎の問題があります。緊急一時支援という事業の性質を考えると、送迎を必須にすることは極めて困難だと考えますが、保護者等の相談を受け対応可能な場合に送迎を実施した際に報酬上の評価があれば事業者の対応がしやすいのではないかというふうに考えております。
そこでお尋ねします。緊急一時支援の報酬上の評価として、送迎加算を検討すべきではないかと考えますが、御見解をお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
送迎を行った場合に報酬等の加算を設けるかどうかにつきましては、制度設計や予算上の措置を検討する必要がございますが、まずは現在受入れを行っている事業所に対して意向確認を行っていきたいと考えております。
○宮野直樹君
今御答弁があったように、しっかり事業者の皆さんの声も聞いて、より効果的、そして効率的というか、しっかり対応できる実のある施策の検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。
では次は、受入れ体制支援についてです。緊急一時支援及び短期入所の事業者から挙げられる受入れ体制の課題の多くは看護師など専門人材の確保です。そうした中、本市においては、看護師等を配置して医療的ケア児の受入れを行う私立保育園に対し、当該看護師等の人件費、研修受講費用、受けるために必要な備品等の費用の一部を補助する私立保育所等医療的ケア児受入れ体制支援補助金制度があります。この制度を参考にすることは、受入れ体制の課題解決に寄与できる一つになるのではないかと私は考えております。
そこでお尋ねします。当該制度を参考に補助制度を含めた支援策を検討すべきだと考えますが、御見解をお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
議員お示しの私立保育所等医療的ケア児受入れ体制支援補助金は、私立保育園等が医療的ケア児の受入れ体制を整備するための補助制度でございますが、緊急一時支援や短期入所等のレスパイト支援の強化に向けては、今後、当該補助制度も参考にしながら支援策を検討してまいります。
○宮野直樹君
ありがとうございました。既存の制度をしっかり反映するような形で、横展開のような形で検討していただければというふうにお願いしたいと思います。
最後に、下関市障害福祉計画第8期についてです。来年度からは、下関市障害福祉計画第8期の策定が予定されております。第7期計画では、短期入所の利用見込みと実績値に乖離が見られ、また本日の質疑において、医療的ケア児者や重症心身障害児者等の緊急時を含めたレスパイトに係る受入れ体制について、依然として課題があることは明らかです。私は次期計画においては、単に利用見込み量を定めるだけでなく、本日の質疑も踏まえ、医療的ケア児者等の受入れ体制強化、緊急時対応の充実、レスパイト支援の拡充、医療と福祉の連携、専門的人材の確保、送迎を含めた利用環境の整備など、実効性のある施策を具体的に位置づけていくことが重要であると考えています。
そこでお尋ねします。来年度から策定される下関市障害福祉計画第8期に向けて、今後どのように取り組まれるのか。また、障害児者のレスパイト支援に係る各種施策をどのように反映されるのか、御見解をお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
議員御案内のとおり、現在、令和9年度から令和11年度に係る第8期下関市障害福祉計画及び第4期下関市障害児福祉計画の策定を進めているところでございます。障害児者のレスパイト支援につきましては、本市として取り組む必要がある重要な施策の一つであると認識しております。今後開催する策定委員会やパブリックコメント等による御意見を踏まえて、計画にも反映させてまいります。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。重要な政策の一つということで、しっかりこれから検討していただきたいというふうに思っております。このたびの質問に至ったことは、保護者の方々の切実な声がきっかけです。その思いや願いは決して特別なものではなく、家族とともに住みなれた地域で安心した暮らしを続けたい、ただそれだけだというふうに私は認識しています。その願いを支えるために、様々な課題に取り組んでいかなければなりません。来年度から策定される第8期障害福祉計画は、本市のレスパイト支援体制はもとより、地域共生社会を実現させる実効性のある計画となることを期待するとともに、実行可能な施策を早期に実施することを要望して、この項目の質問を終わります。
2つ目のテーマは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについてです。初めに、現状と課題について質問をさせていただきます。近年、うつ病、統合失調症、不安障害など精神疾患を抱える方は増えており、高齢化の進展や社会環境の変化も関連し、孤独や孤立、生きづらさを感じる方も増加しています。厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査によると、令和5年の精神疾患を有する総患者数は約603万人とされています。また、世界精神保健調査では、我が国の精神障害へ罹患する生涯有病率は22.9%とされており、およそ5人に1人が当事者となる可能性がある身近な健康課題です。一つの目安である精神障害者保健福祉手帳の所持者について、本市においても増加していると認識しています。
そこでお尋ねします。本市の精神障害者保健福祉手帳所持者について、令和元年4月1日時点と本年4月1日時点の所持者数と増減の割合についてお示しください。
○保健部長(藤野 綾君)
本市における精神障害者保健福祉手帳の所持状況についてお答えいたします。当該手帳の所持者は、令和元年4月1日時点は2,531人、令和8年4月1日時点は3,138人で約24%増加しております。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。増えているという現状について確認をさせていただきました。手帳を所持されていない方もおられるため、精神疾患を有している方の数については、さらに多いと思います。一方、精神疾患は誰にでも起こり得る身近な疾患でありながら、いまだに誤解や偏見が存在し、必要な支援につながることができないケースも少なくありません。そのような状況において、令和4年12月、精神保健福祉法改正により、国は住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる社会の実現を目指し、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進しています。また法改正の中では、市町村による精神保健相談支援の対象が従来の精神障害者に限定されず、精神保健に関する課題を抱えるものへと広がりました。住民にとって身近である市町村において、福祉や母子保健等の様々な支援と一体または連携し、精神保健に関する積極的な相談支援体制の充実を図ることが求められています。
タブレットの資料を御覧ください。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○宮野直樹君
精神疾患は糖尿病、がん、脳卒中、心筋梗塞を超えて一番多く、改めて心の健康の問題は、全ての人々の身近な課題であるということが分かります。また精神疾患を発症することにより、QOL低下や社会的孤立が生まれるリスクがあります。こうしたことから、人の健康を支える基盤として、また社会とのつながりに大きく関係している心の健康は極めて重要です。
次の資料を御覧ください。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムとは、精神障害者や精神保健上に課題を抱えた者等が、精神障害の有無や程度にかかわらず、地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉、介護、住まい、社会参加、地域の助け合い、普及啓発が包括的に確保されたケアシステムのことです。通称、二毛包括と呼ばれており、地域共生社会の実現に向かっていく上で欠かせないものだと認識しています。
この二毛包括は、地域の基盤が計画的に整備されるとともに、市町村や障害福祉、介護事業者が、地域生活に関するあらゆる相談に対応できるように、市町村等に設置した協議の場を通じて、様々な関係機関等による協議が図られ、重層的な支援体制を構築していくこととされています。本市においては、自立支援協議会に協議の場が設置されていると認識しております。
そこでお尋ねします。本市における精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのこれまでの取組、現状と課題についてお示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
本市におきましては、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムによる重層的な支援体制を構築することを目的に、自立支援協議会の専門部会として、令和3年12月に地域移行・居住支援部会を設置し、現在部会を2か月ごとに開催しております。これまで重層的支援体制の構築に向けて、事例検討や各機関の役割紹介、制度理解の促進等を通じ、医療と福祉の相互理解を深め、顔の見える連携を進めてきたところです。また令和6年には、精神科病院に入院中の方の地域移行に関する啓発資料を作成し、精神科病院へ配付するとともに、ホームページにも掲載しております。しかしながら、支援人材の不足、社会参加に向けた居場所づくりなど、当事者やその家族を地域で支える仕組みが十分とは言えず、依然として課題は多いと認識しております。
○宮野直樹君
御説明ありがとうございました。令和3年12月から、年6回協議を重ねて、しっかり連携を図る、顔の見える関係をつくるということや、長期入院の方に対する周知啓発の情報発信等、行っているということで取組のほうを進めているということが分かりました。
現在、地域包括ケアシステムという言葉は、高齢者福祉の分野では広く浸透しています。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、新しいサービスが増える話ではありません。その本質は、既存の支援や社会資源をどうつなぐかだと認識しています。例えば、精神科医療は、診断、治療、服薬管理、危機介入などにおいて重要な役割を果たします。しかしそれだけでは、地域生活は支えられません。住まいの確保、経済的支援、就労支援、人とのつながり、日中活動、生活相談等においては、医療だけでは完結しないからです。一方、福祉だけでも急性症状の対応や医療的支援には限界があります。行政も同様です。どの機関もそれぞれ重要な役割を担っていますが、単独では完結しません。そのため二毛包括では、医療、障害福祉、介護、住まい、就労教育、地域住民、ピアサポート、家族支援といった資源が横断的につながることが求められています。しかし、精神障害の分野では、医療福祉、地域住民との連携が十分とは言えない状況があると私は考えています。特に精神疾患を抱える方やその家族は、地域とのつながりを失いやすく、孤立しやすい傾向があります。また、地域住民側も、どのように接してよいか分からず、地域の支え合いなど、支援の輪が広がりにくい現状もあると認識しております。
そこでお尋ねします。精神障害者の地域生活を支える上での課題をどのように認識されているのか、お示しください。
○福祉部長(藤永真一君)
先ほどお答えしました課題に加えまして、地域生活を支える上での特有の課題として、当事者やその家族の高齢化や孤立、住居の確保の問題など、課題は多岐に及ぶと考えております。
○宮野直樹君
ありがとうございました。課題が多岐に及ぶということで御説明をいただきました。
では次に、普及啓発及び人材育成の取組について質問をさせていただきます。制度やサービスの整備、これも大変重要ですが、それと同じくらい大切なのが地域の理解と支え合いです。精神疾患について正しく理解し、困っている人に気づき、適切な相談先につなぐことのできる市民が増えることで、地域全体の支援力は大きく向上すると私は考えています。
そこでお尋ねします。精神疾患等に関する普及啓発や人材育成など、現状の取組についてお示しください。
○保健部長(藤野 綾君)
本市における普及啓発及び人材育成の取組についてお答えいたします。まず、普及啓発の取組として、本市で作成した「こころの健康ハンドブック」を支所や医療機関などに設置し、市民が自由にお取りいただけるようにしております。また、統合失調症や、ひきこもりの方を支える御家族を対象とした家族教室の開催や、企業や学校等からの依頼による出前講座を実施しております。
次に、人材育成の取組として、本市では平成18年度から、民生児童委員や本市職員を対象としたゲートキーパー養成研修会を開催しております。ゲートキーパーとは、地域の中で悩みを抱える方の心身の不調に気づき、声かけ、話を聞き、必要な支援につなげる方のことを言います。この事業は、自殺対策の取組として実施していますが、メンタルヘルスの問題を抱える方を支える人材の育成にもつながるものと考えております。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。普及啓発についてはハンドブック、また家族教室や出前講座、そういった取組に加えてゲートキーパー、自殺対策の一環として、メンタルヘルスの課題に対応できる人材を育成しているということで、取組をされているということで理解をしました。
では次に、心のサポーター養成事業について質問をさせていただきます。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの中に位置づけられている普及啓発や地域での助け合いを推進するため、令和3年から心のサポーター養成事業が開始されました。心のサポーターとは、精神疾患やメンタルヘルスについて正しく理解し悩みを抱える人に寄り添いながら、必要に応じて専門機関につなぐ役割を担う人材です。国は3年間の準備を整えた上で、令和6年からの10年間で100万人のサポーターを養成することを目標に掲げています。この事業は、専門家を養成するものではありません。地域の中に理解者を増やし、地域における普及啓発にも寄与するとともに、メンタルヘルス不調等の予防、さらには早期介入につながることが期待されています。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めるためには、地域住民の理解や支えも重要であり、地域住民に対する普及啓発を効果的な方法で実施していくことは極めて重要です。
私はこの取組は、精神障害者支援だけでなく、高齢者福祉、子供・若者支援、自殺対策、ひきこもり支援など、多くの分野に効果が期待できると考えています。例えば、地域包括支援センターでは、高齢者支援を通じて8050問題など、精神疾患の疑いのある家族と出会う機会が多いと伺います。また、民生委員や自治会役員等の方々は、地域で孤立する方と接する機会が多いと伺います。さらに、学校現場では、不登校や精神的不調を抱える児童生徒、また保護者等への対応や理解が求められています。こうした様々な場面で心のサポーターとしての基礎的な知識を持つ地域人材が増えることは大きな意義があると私は考えています。また、受講資格は特別な資格は不要で、子供から大人まで多くの人に心のサポーターになっていただくことが想定されています。
そこでお尋ねします。市民に対して、心のサポーター養成研修を実施することは有効であると考えますが、御見解をお示しください。
○保健部長(藤野 綾君)
心のサポーター養成事業の有効性についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、精神疾患があっても、地域で孤立することなく安心して暮らしていくためには、身近な方の理解や支えが重要ですので、心のサポーターを養成する事業は有効な取組であると考えます。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。それを踏まえて最後に今後の取組について質問させていただきます。これまでの質問を通じて、本市においても、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けた取組が進められていること、また、精神疾患を抱える方が地域で安心して暮らし続けるためには、医療や福祉だけでなく、地域住民の理解や支えが重要であることを確認させていただきました。
一方で、精神疾患は外見から分かりにくく、偏見や誤解がまだまだ残っていることから、支援が必要な方ほど、地域とのつながりを失い孤立してしまう場合があります。また近年は、不登校やひきこもり、メンタル不調による休職、自殺対策、ヤングケアラー支援など、様々な分野においてメンタルヘルスの課題が顕在化しています。
私は、この二毛包括の本質は、単に精神障害者支援の充実にとどまらず、誰もが地域の中で支え合いながら暮らせる地域共生社会の実現にあると考えています。そのためには、行政や専門職だけでなく、市民一人一人が精神疾患やメンタルヘルスについて正しく理解し、身近な相談相手として支え合う地域づくりが重要です。心のサポーター養成事業は、その大きな第一歩になる可能性を秘めており、本市においても積極的に活用すべき施策であると私は考えております。
そこでお尋ねします。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのさらなる充実に向け、心のサポーター養成研修の実施を含め、市民への普及啓発や地域における支援人材の育成に積極的に取り組むべきと考えますが、御見解をお示しください。
○保健部長(藤野 綾君)
まず、保健部における今後の取組についてお答えいたします。既に保健部において実施しております心の健康に関する正しい知識の普及啓発をはじめ、自殺対策、ひきこもり対策などの取組をしっかり行いつつ、今後は心のサポーター養成事業にも取り組んでまいりたいと考えております。
心のサポーターの養成に当たっては、まずは地域の関係機関と連携して、研修の講師となる心のサポーター指導者を養成してまいります。
今後もこれらの取組を通じて、メンタルヘルスの問題を抱える方を地域で支えることができるよう取り組んでまいります。
○福祉部長(藤永真一君)
福祉部の今後の取組についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの充実には、市民への普及啓発や地域における支援人材の育成についての取組が必要であると考えております。
福祉部といたしましては、自立支援協議会の専門部会等において地域の支援体制の構築、社会資源の活用等に向けた具体的な取組について、議論を深めてまいりたいと考えておりますです。
○宮野直樹君
御答弁ありがとうございました。既存の取組に加えて、このサポーターの養成にもしっかり取り組んでいくということで認識をさせていただきました。この精神障害にも対応した地域包括ケアシステムについて、県内他市の会議にちょっと私も参加をさせていただいたときに、下関市がこういう取組を令和3年12月からやっていますということについては、非常に興味深く、そして高く評価をされておりました。早くから、年6回ですね、協議を重ねておられるというこの取組をさらに加速して、これを我が事として捉えることができるのかが大事だと思いますので、その一つとしてこの心のサポーターの事業もしっかり活用していただければというふうに思います。
精神疾患は特別な人だけの問題ではありません。誰もが人生の中で、心の不調を経験する可能性があり、また、家族や友人、同僚など身近な人が当事者となることもあります。だからこそ、地域の中に精神疾患への理解者を増やし、必要な方を適切な支援につなぐことのできる環境づくりが求められています。市民一人一人が支え手となり、困ったときには、自然に助け合える地域をつくることができれば、それは精神障害のある方だけでなく、高齢者、子供、若者、そして全ての市民にとって暮らしやすい街へつながると私は考えております。心のサポーター養成事業はその第一歩となる可能性を持っております。本市において、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の一つとして、普及啓発や人材育成の取組を着実に進めていただくことを要望して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
著作権について
下関市ホームページに掲載されている個々の情報(文字、写真、イラストなど)の著作権は、下関市にあります。 また、下関市ホームページ全体についても、下関市に編集著作権があります。 当ホームページの内容の全部または一部については、私的使用のための複製や引用等著作権法上認められた行為として、出所を明示することにより、複製・引用・転載できます。 ただし、「無断転載禁止」などの注記があるものについては、それに従ってください。
戻る