録画中継

第3回定例会
9月18日(水) 本会議(一般質問3日目)
創世下関
関谷 博 議員
1.下関市のDXの推進に向けての取組について
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。

○副議長(安岡克昌君)
 18番、関谷博議員。(拍手)
  〔関谷博君登壇〕
○関谷 博君
 通告に従いまして、順次質問いたします。
 デジタル社会の将来のビジョンで、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を掲げ、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を進めることとし、その実現に向け、令和3年9月、デジタル庁が発足いたしました。
 一方、地方においては、人口減少、少子高齢化が進む中、活力ある多様な地域社会の実現のため、地域におけるDXの推進が必要不可欠となり、住民の利便性向上に加え、業務改革による人的資源の最適配分で、政策立案能力の向上を図る自治体DX、先進的なソリューションの実証等により、地域課題を解決していく、地域社会DXを進めるとともに、これらを支える体制、人、インフラに取り組まなければなりません。
 そこで、まずその基本理念として、1.下関市が果たすべき使命、存在意識、存在意義。2.実現したい未来。3.組織を持つべき共通の価値観についてお示しください。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 それでは、今お話がございました、果たすべき使命、存在意義、それから実現したい未来、それから共通の価値観、全てを申し上げます。
 地域社会のDX、いわゆるスマートシティの実現に向けまして、本市が果たすべき使命、存在意義について御説明をいたします。
 スマートシティ推進の目的は、少子高齢化による人口減少が加速する中で、市民生活において直面する様々な課題を行政や民間等が持つ多様なデータやサービス、IoT、AIなどのデジタル技術を活用して解決することでございます。ヘルスケアをはじめ、子育て、教育、防災、交通、農林水産、エネルギー、観光、そして行政など、様々な分野や市民のライフステージに応じて、デジタル技術を取り入れ、市民のニーズに沿った便利なサービスを構築し、提供することで、諸課題をできる限り解決し、市民誰もが安心して幸せな生活を送ることができる持続可能なまちづくりを行うことが、本市が果たすべきミッションであると考えております。
 続きまして、実現したい未来でございますが、本市では「サービスづくり」「人づくり」「仕事づくり」の三つを柱に据え、各種施策を展開し、スマートシティを推進しております。
 まず「デジタル技術を活用した生活の利便性の向上を図るサービスづくり」でございます。先ほど御説明いたしましたが、市民のニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供することで、様々な課題を解決し、市民生活の質の向上を図ります。
 次に「デジタル社会への適応力の向上を図る人づくり」でございます。子供たちや若者層を中心に、デジタル技術への興味、関心やデジタル社会への適応力を高め、将来、本市のデジタル関連産業の一翼を担う次世代人材となるよう、教育、育成を図ります。また、市民誰もがデジタルサービスを利用できるよう、高齢者等に対するサポート体制の強化を図り、情報格差の是正を行います。
 最後に「デジタル関連産業の集積による仕事づくり」でございます。官民で構成するスマートシティ推進協議会と下関市立大学のデータサイエンス学部が連携し、様々なサービスから得られた利用データを分析し、そのエビデンスを基に、新たな政策の展開やより高質なサービスの開発につなげていきます。また、これら取組に共感する民間事業者と共助の関係性を築き、本市をフィールドとした新たなビジネスの創出を促進することで、デジタル関連産業や地域ベンチャーの集積を図り、若者にとって魅力的で関心の高い仕事をつくってまいります。
 これら3本柱を進めていくことで、様々な諸課題の解決による市民生活の質の向上及び地域経済の好循環を図り、市民誰もが住み続けたいと思うまち、そして特に若者が自らの思いを挑戦でき、夢や希望をかなえ、活躍できる。そのようなまちを築いていきたいと考えております。
 最後に、組織が持つべき共通の価値観についてでございます。まず、市民が中心のまちづくりであり、誰一人取り残すことなく、市民生活の質の向上を図ることです。次に、市民、企業、行政の3者が自分事として共に考え、共につくっていくことです。最後に、よいアイデアや取組は、みんなでシェアをして、そして挑戦し、サービスの価値を高めていくことです。
 これら基本コンセプトを全職員が共通の価値観として認識し、各種施策に取り組むことが重要であると考えております。
○関谷 博君
 今、御答弁いただきましたミッション、ビジョン、バリューを念頭に置いて、これからの質問にお答えいただきたいと思っています。
 まず住民の接点であるフロントヤードそしてバックヤードの開発について、どのような取組を現在しているか、お示しください。
 まず、フロントヤードについては、1.オンラインの申請強化。2.多様な窓口の実現、書かない窓口は現在どうなっているのか。3.マイナンバーカードの利活用の推進。
 バックヤードにおいては、1.自治体情報システムの標準化・共通化、チャットGPTなど業務への取組。2.地方税以外の公金納付のeLTAX(エルタックス)を幅広く可能にすることについてはどうしているか。3.実際の情報セキュリティーの対策のさらなる充実について。4.e-stat(イースタート)のデータの設備、データの利活用、ノウハウの提供支援についてはどうなのか。e-statは、いわゆる総務省が形を発表したばかりなので、どこまで地方自治体として対応しているか分かりませんので、そこも含めて、お答えいただきたいと思います。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 それでは、ただいま御紹介のございました、フロントヤードそしてバックヤードの改革につきまして、順に説明を申し上げます。
 まず、オンラインの申請強化についてでございますが、本市における行政手続のオンライン化についての状況ですが、国におきまして「特に国民の利便性向上に資する手続」としまして、オンライン化を推進することが示されております、子育て、介護など27の手続につきまして、スマートフォンなどからマイナポータルにアクセスすることで、電子申請が可能となっております。また、インターネットから行政手続を可能とする「やまぐち電子申請サービス」や公共施設が予約できる「ひろしま・やまぐち公共施設予約サービス」による各種申請手続、さらには業務ごとの独自システムによる申請手続や各種アンケート調査なども含めますと、182の手続が現在オンライン化されてございます。
 行政手続のオンライン化につきましては、場所や時間に捉われることなく行政手続が行えるなど、市民の利便性が向上するとともに、職員の事務の負担軽減にもつながるものと考えております。
 今後も、より一層のオンライン手続の拡大を目指し、部局横断的に推進を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、フロントヤード改革の多様な窓口の実現、書かない窓口についてでございますが、市民の書くことへの負担を軽減するため、市民部におきまして、住民票の写しや戸籍証明書などの各種証明書の交付申請や住民異動届書の作成機能を備えた窓口支援システムを、今年令和6年3月に導入し、運用を開始いたしました。
 具体的な内容としましては、窓口で職員が市民の方と対面で聞き取りを行いながら、窓口支援システムへ必要な情報の入力を行うことで、申請書などの作成を支援し、同時に、各種証明書の発行や住民異動情報のデータ登録を行うことができ、市民の申請書などを記入する負担の軽減や職員がシステムへ入力する負担の軽減を実現いたしました。
 また、窓口支援システムでは、マイナンバーカードや在留カード、転出証明書をスキャナーで読み込むことにより、氏名や住所などをシステムの申請情報として取り込むことができます。そのほか、自宅のパソコンやスマートフォンを使用して、事前に申請書などに必要となる情報を入力し、そこで取得した二次元コードを窓口で職員が読み取ることで、書かずに手続ができる仕組みを導入してございます。
 加えて、市役所窓口で発行している証明手数料などの支払いに、クレジットカード、電子マネー、コード決済のキャッシュレスサービスを導入することで、これまでの現金での支払いに加え、多種多様な支払い方法が選択できるよう、市民の利便性の向上を図ったところでございます。
 続きまして、フロントヤード改革のマイナンバーカードの利活用の促進についてでございますが、マイナンバーカードを利用したサービスとしまして、住民票の写し、戸籍証明書、戸籍の附票、印鑑登録証明書、所得課税証明書の各種証明書をコンビニエンスストアなどで取得することができます。また、引っ越しの際、来庁して転出届を窓口へ届け出ることなく、マイナンバーカードを利用して、マイナポータルからオンラインによる届出及び同時に転入先の自治体への窓口予約を行うことができる「引越しワンストップサービス」を実施しております。
 さらに、先ほど申し上げました各種行政手続のオンライン申請につきましては、マイナポータルにおいて、マイナンバーカードによる厳格な本人確認を行うことができ、国により優先的にオンライン化が推進されております、子育て、介護などの手続におきまして、電子申請が可能となっております。本年4月より、公共施設予約システムの初回の利用者登録におきましても、マイナンバーカードを利用してオンラインで申請ができます。
 今後につきましても、他都市の動向を参考にしつつ、より一層マイナンバーカードを活用できるサービス環境の整備を行うとともに、市民の皆様に御利用いただけるよう、積極的なPRに努めてまいります。
 続きまして、バックヤード改革の自治体情報システムの標準化・共通化、それからチャットGPTについてでございますが、まず、自治体情報システムの標準化・共通化についてですが、本年令和6年4月に下関市基幹業務システム標準化移行計画を策定し、国が指定する標準化対象業務の所管課において、標準準拠システムの調達、構築を行っております。
 標準化によりまして、国が作成した標準仕様に準拠したシステムを調達することとなるため、業務フローの見直しが行われ、行政運営の効率化や職員の負担軽減が図れることも期待しているところでございます。
 次に、チャットGPTの業務への取り込みについてでございますが、本年度より、地方公共団体のみが接続できる総合行政ネットワークシステムでそれを利用することができ、特に個人情報に対するセキュアな環境が確保された生成AI、これを導入いたしました。生成AIは、チャットGPTの機能を利用することで、アイデア出しの場で新しい視点を提供したり、膨大な情報の中から必要なデータを素早く収集、要約したりすることができるなど、企画立案、情報収集、文書要約、言語翻訳、文書構成など、様々な業務におきまして事務を大幅に効率化できます。
 そのようなことから、生成AIの導入に合わせ、庁内研修を積極的に実施しておりまして、利用上のルールや必要な基礎知識、ノウハウなどを職員が身につけることで、より多くの業務におきまして、生成AIを活用した業務効率化が図れるよう努めているところでございます。
 続きまして、バックヤード改革の地方税以外の公金収納にeLTAXをについてでございますが、現在のところ、地方税以外の利用はございません。国におきましては、地方公共団体の公金収納のデジタル化について、地方自治法の一部を改正する法律を公布し、遅くとも令和8年9月までに、地方税以外の公金収納を開始することを目指しているところでございます。
 地方税以外の分野における利用に当たりましては、国民健康保険や介護保険といった基幹系業務システムの改修などが必要となりますが、先ほど申しましたとおり、令和7年度末までに国が定める標準仕様に準拠したシステムへの移行が示されていることから、導入に当たりましては、他都市の状況も踏まえながら、現在、eLTAXを利用している税の担当課や公金収納課、出納室など関係課と検討してまいります。
 続きまして、バックヤード改革の自治体の情報セキュリティーの対策についてでございますが、行政情報を漏えいやウイルスなどの脅威から守るため、情報システムやネットワークシステムなどのセキュリティー対策を行うとともに、最新の情報に基づきまして、情報セキュリティーポリシーの適宜改正や、情報セキュリティー監査、研修を実施しております。
 具体的なセキュリティー対策を申し上げますと、住民情報や税情報などを取り扱うマイナンバー利用事務系、財務会計などの内部事務を取り扱う地方公共団体のみが接続できる総合行政ネットワーク系、ホームページ閲覧など、情報収集をするためのインターネット接続系、今の三つに庁内のネットワークシステムを分割しておりまして、相互に接続ができないようにする、いわゆる3層分離を行っているところでございます。
 また、特に重要な情報を取り扱うマイナンバー利用事務系の端末につきましては、その端末から情報を容易に持ち出すことを防ぐため、静脈とパスワードで認証を行う多要素認証のセキュリティーシステムを導入しておりまして、さらに、インターネット接続系につきましても、山口県が構築しております自治体セキュリティークラウドを経由し、ファイルの持込みに関して、厳格なフィルタリングや無害化処理が行われる強固なセキュリティー対策を行っております。
 いずれにしましても、情報セキュリティーに対する脅威は、年々巧妙化、複雑化しておりますので、最新の情報を適宜収集し、引き続き、対応策の強化を図ってまいりたいと考えております。
○総務部長(笹野修一君)
 私のほうから、先ほどありましたe-stat(イースタット)の件について、お答えをしたいと思います。
 こちらは政府統計の総合窓口ということで、各省庁が行っている統計調査の結果が一元的に掲載、公開されております窓口になります。こちらから、統計データを活用して、情報を分析して、施策の立案に役立てるなど、利用頻度、利用の仕方というのは非常に多様だと認識をしております。そうしたことからも、庁内に周知を図って、ぜひ活用してくださいということで、案内、周知をやっていきたいと思いますし、こういうデータを扱う職員を育成していきたいと考えております。
○関谷 博君
 市民から見れば、このフロントヤード、バックヤードの改革については、ほとんど分かりにくいというか、どんなことをやっているのだろうというようなことで、今御説明がありましたように、様々な形で対応しているというのが理解できたと思っています。
 そしてもう一つ、市民の皆さん方からよく「いろいろな他地区でアプリがスタートしているのに、下関はなぜできないのか」という単純な質問がある。地域社会におけるDX推進体制の構築の促進について質問をしたいと思っています。 
 住民に密着した様々な政策分野における地域社会解決の取組について、市民の関心が高い何点かに絞って取組を質問いたします。
 まず1番はドローン、2番目は子育て・保育、3番目は自動運転、タクシーの共同配車、第4は観光についてお示しください。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 それでは、順に御説明を申し上げます。
 一つ目はドローンでございます。ここでは、農業用ドローンと災害対策用ドローンについて御説明をいたします。
 まず、農業分野につきましては、農業従事者の高齢化や担い手の減少、遊休農地の増加などの課題解決に向け、近年、農業生産活動の省力化に資するドローンなどのスマート農機の普及が進んでおります。本市では、令和5年度よりスマート農機の導入補助やドローン免許の取得支援、ドローンレンタルに係る支援を実施しております。
 また、消防・防災分野におきましては、ドローンによる俯瞰的視点からの情報収集は非常に有用であることから、現在、消防局において災害対応用のドローンの配備を行っており、火災現場における焼損状況等の確認に活用をしております。
 続きまして、子育て・保育に関してでございますが、これは、本市がスマートシティの取組を始めて以来、重点的に取り組んできた分野の一つでございまして、妊娠期から出産、子育て期までをデジタルで一貫してサポートすべく、各種サービスを展開してまいりました。
 まず、令和4年度より学校サービス「きらめきネットコム」を開始しまして、学校からの通知や欠席の連絡など、学校と保護者の間で双方向のコミュニケーションが可能となりました。また、令和5年度より妊産婦と子供の健康データの記録・管理や予防接種などのスケジュール管理、子育て情報の収集などが可能となる母子手帳アプリ「ふくふく母子モ」や専門研修を受けた認定ドライバーが妊産婦の方を病院などへ安全かつスピーディーに送迎する子育てタクシーアプリ「しもまちBABYタクシー」、スマホなどで、病院施設の空き状況の確認や利用予約が可能となる病児保育予約システム「あずかるこちゃん」の三つのサービスを開始いたしました。
 続きまして、自動運転・タクシー共同配車アプリでございます。
 まず、自動車の自動運転につきましては、公道上での実用化は、もうしばらく時間がかかるのではないかと捉えております。一方、タクシーの共同配車アプリにつきましては、コロナ禍以降、ドライバー不足などにより乗車が難しく、特に、夜間においては非常に困難な状況で、市民や観光客の移動に大きな影響を与えており、また飲食業への悪影響も懸念されているところです。
 そのようなことから、現在、山口市で実証中のアプリを参考に、配車効率や運用面、利用者の乗車状況などにつきまして、導入に向けた検証を行っていきたいと考えております。
 最後に観光ですが、観光分野におけるDXの取組については、外国人の受入環境の充実を図るため、動画化した多言語観光案内をオンライン上にアップし、外国人観光客が観光地などで二次元コードを読み込むことにより、オンデマンドで観光案内を受けられる環境整備を行っております。
 以上、4分野の取組について御説明させていただきましたが、今後につきましても、引き続き、各種分野におきまして、実効性の高いサービスを展開してまいりたいと考えております。
○関谷 博君
 今、御答弁いただいて、他地区でいろいろこのアプリ等を利用してサービスをやっていると。それについて、下関も近々中にこの対応ができるという答弁であったと思っています。
 そして、それぞれの取組について、取り組んでいるということにつきましては、タクシーの共同配車アプリなども、1日も早く、来年にはもう顔が出てくる、今の答弁では出てくるのではないかと思っています。1日も早く、対応していただきたいと思っています。
 しかしながら、先日、人口経済学の松浦教授の移住に対しての論文を読むことがありました。移住者の場合は、必ずしも悪いことではなく、社会増の状況をうまく活用して、自治体間の連携を進め、地域全体の活性化を図ることが重要であるということでありました。
 そこで、昨年私12月議会で、ここで一般質問をいたしました。その移住者の数についてです。宇部市が極端に多く、山口市、萩市と続くという質問に対して、「こういう数字の根拠があるのか」と質問をしたところ、当時、12月の答弁で「計算の仕方がおかしい」という答弁があり、そういう答弁があったので、その答弁に対して、私は「計算の仕方がおかしいのかもしれないが、そのような数字が公に出るということを検証する姿勢が重要である」ということで、12月議会で締めさせていただきました。
 このやり取りを聞いていたのかどうなのか、今年の4月、新聞に前回よりまだ大きな形で報道が出ました。数字も、昨年よりまだ厳しい数字が出ました。本年6月に、桂議員がその質問をいたしました。「こういうものが出たがどうなっているか」と。そうしたら、また「計算の仕方がおかしい」という答弁で、桂議員が「その答弁は以前お聞きしました」ということで締めくくりました。
 このような形で、同じく今年度6年度予算で、宇部市のデジタルフォーメーション推進事業として、県内13市で初めて保育所の入所選考に人工知能システムを導入するという報道がありました。
 これは、私は誤報だと思ったのです。なんせ5年前に委員会の中で、このシステムの導入について議論した記憶があったので、すぐさま担当部署に問い合わせて聞いてみると「5年前に試験導入をしたが、システムがうまくいかず、現在までストップしている」という回答でした。
 また、農業関連事業において、ドローンの導入実績など、よく報告があります。しかし、それは生産現場でのスマート農業であり、根本的な目的の若者が就農者として生活基盤を確保するための農業経営継続に向けた緊急支援での農業DX、農業の生産現場に限らず、流通・小売・消費、農業行政を含めたことをデジタル化していくことが目的であるということで、よく委員会の中で議論させていただいています。
 冒頭の質問で、基本理念、組織が持つべき共通の価値観について、答弁を頂きました。それを踏まえて、DX改革、DX戦略、全庁を挙げて価値を共通するべきであると、先ほど答弁のとおりだと思いますが、もちろん情報政策課やDX推進室を中心に、職員情報セキュリティー研修やサービスデザイン志向によるデジタル人材の確保、育成について取り組んでおられると思いますが、全庁的にどのような啓蒙活動をしていくのか、お示しいただきたいと思います。
○総務部長(笹野修一君)
 議員御指摘のとおり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、全職員の共通の理解の下、積極的に取組を行う必要があると考えております。そのため、下関市人材育成基本方針に定めます目指すべき職員像、この中で「挑戦する職員」という形で取り組むことや職位ごとに期待される能力の一つとしてデジタル技術に関する専門性を身につけることが必要であると考えております。
 そうしたことから、これを補完するための研修を本市の職員研修規程、こちらの基本研修に位置づけて、総合政策部と連携しながら、全庁的かつ計画的なデジタル人材育成の取組、これを開始したところであります。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 デジタル人材の育成、確保についてでございますが、令和6年4月に「下関市デジタル人材育成方針」を作成し、基本理念としまして「デジタル技術を利活用し、行政サービスの変革に挑戦する職員」を掲げまして、全庁を挙げてデジタル技術を利活用した行政事務の効率化はもとより、今後、多様化する市民のライフスタイルに対応した行政サービスの変革に挑戦する職員を育成することといたしました。
 具体的な取組としましては、自治体DXの推進に向けた研修として、意識改革や業務改善を図るマネジメント力、ローコード、生成AIといったICTスキルの習得、この三つの視点によりまして研修を実施するとともに、さらなるデジタル人材の確保、育成の強化に向けまして、DX推進チームを設置し、加速化を図っております。セキュリティー研修につきましても、下関市行政情報セキュリティーポリシーに規定する情報セキュリティーに関する研修計画を策定し、実施をしているところでございます。
 今後につきましても、全職員に対する研修を継続的に実施するとともに、DX推進チームを中心に、職員のデジタル意識改革を図ってまいります。
○関谷 博君
 今、大体仕様は分かったのですが、今冒頭の質問で、全庁的にどのような啓蒙活動をしていくかというところが少し抜けたような気がするのです。「それぞれのチームをつくって、部分的にはそういう活動していく」という御返答がございましたが、先ほど何でそういう質問をしたかというとちょっとずれるのです。それぞれの所管が国の省庁からいろいろなメニューが来る。それに対して、DXでいろいろ対応しようとする。ところが、その部分的なものといわゆる市が進めようとしている全庁的な啓蒙活動が少し部分的な部分と全体的な考え方が少しずれているような気がするので、全庁に対して、全職員に対して、DXの細かいやつは分かりました。そういう推進チームをつくって、一部の者で進めていくと。ただ、全体的にそういう啓蒙活動というのは、何らかの方法論はないのですか。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 先ほど、冒頭で共通の価値観につきまして、誰一人取り残すことなく、市民生活の質の向上を目指すというところを申し上げました。つまり、いわゆる市民のQOLの向上、これをいかに上げるかというところを常に職員は意識をしながら、DXのマネジメント力ですとかスキルアップ、常にそういったところを頭に持っておきながら、そういった勉強をしていきましょうというところの共通認識と考えております。
○関谷 博君
 今お話ししたようなものを、共通理解を持って、それぞれの施策を進めていくということが大前提で、そういうものがあるということですね。分かりました。
 先日、私も全国市議会議長会の会合で、福岡のいろいろな議長さんとディスカッションする場がありました。特に福岡市の自治体DXは、LINE公式において友だち数は全国1位で、自治体向けのラインスマートシティ推進パートナープログラムにおいて、福岡市DXデザイナーとして6人を任命して、そのうちの1人が、フランスのパリ在住のひろゆきさんで、福岡市DXデザイナーとして、週1勤務の契約を結び、DX戦略を進めています。全国的にも、しがらみのない外部DXデザイナーの採用が進められているようです。私もちょっとチャンネルを見ましたら、ひろゆきさんの福岡市に就任して最初の答弁、「公務員がやる、こんなものはうまくいきませんよ」と「考え方が固いから、なかなか、こういうDXについていくのは大変です」とスタートはそうだった。でも、ひろゆきさんも福岡市の職員と何回もこう議論したり会議していく中で、今度は、その後のほうの会議では、「福岡市の職員は大したものですね」「これだけの、私はもう勉強不足でした」と。「公務員という一つのくくりでものを見る見方は止めないといけませんね」とそういう答弁まで変わっていくわけです。
これを見て、下関では、下関市スマートシティ推進協議会において様々な取組をしています。外部事業者も分野ごとのワーキンググループに採用しており、また、アーキテクトコーディネーターとして松永州央さんとの委託契約を結ばれています。これはさっきのワーキンググループの中には、タクシーのアプリとか様々なほかのところでやっているアプリの専門業者が入っているのも確認をさせていただきました。そして、松永州央さんから様々なDXに対する御指導を頂きながらスムーズに進んでいる。これについては何の問題もないと思っています。でも、よくDX戦略は、一つの革命があると言われます。大なたを振ることができる外部関係者や専門家の登用、そしてCIOを含め、DX人材戦略の今後の展開について、再度お示しください。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 スマートシティにつきましては、スマートシティ推進協議会におきまして、専門的な知見や人脈を有し、先進他都市におきまして実績のある外部専門家を登用してございます。それにより、特に外部専門家が持ち合わせる人脈を最大限に活用し、先進的な民間企業や他都市と共助の連携体制を築くことができ、様々なアイデアやマネジメントを共有し、各種サービスを横展開するなど、スマートシティ推進によるまちづくりが着実に進んでおります。
 また、行政DXの推進におきましても、ICT施策の統括責任者であるCIOを補佐すべく、外部専門家を登用することで、本市が抱える業務課題に対する分析や解決に向けた施策の提案や助言を頂いており、これにより業務効率化を図るべく、ローコードツールですとか生成AIなど、DXツールの速やかな導入に至ったところでございます。
 加えて、先ほど御説明しましたように、デジタル人材の確保、育成におきまして、推進体制の構築や研修などにも尽力をいただいております。
 今後につきましても、引き続き外部デジタル人材による専門的な知見や人脈を有効に活用し、本市のDX戦略を効果的に進めてまいりたいと考えております。
○関谷 博君
 大体分かりました。そういう形で対応していただくということであります。最後に積極的にやっていくという御答弁でありました。
 今日、先ほど午前中の議論の中に、阪本議員が出していた地域の人事部という議論、やり取りだったと思います。その中で、地域の人事部による人材確保、これも副業・専業などによって、中央からDXデザイナーを呼び入れるというのが大きな基本柱だと思っています。これはもう簡単にすぐできることです。だから、本市は副業とか兼業とかいうのをいわゆる政策として、二、三年前からずっと挙げていますけれども、実質上のこういうようなプロの完全な戦力を呼び入れたというような形はちょっと見当たらないと思うのですが、そこら辺はどうですか。今、専業・副業とちょっと二、三年前から、市の政策の中でやっていますが、そういう専門的なものを組み入れて、専業、兼業で入れている事例はありますか。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
 総務省の資料によりますと、あまりそういったのを積極的に入れているような自治体というのはまだないという情報をつかんでおります。
○関谷 博君
 情報はつかまれておられると思います。そうやって対応は……。
 ただ、専業、兼業の予算書の中の政策のプランニングとして、私たちに提示しているわけですから、二、三年前から、しっかりそれに対応するように、今後は、やっていくべきだと思いますし、やはりこういうDXというのは本当に専門的です。なかなか私らの年代になると、一生懸命学ぶけれどもよく分からない。また、仕組みもよく分からない。どうしていいかも――ちょっと谷に落ちると訳が分からなくなる。
 台湾なんか、専門の大臣などは30代の、どこの方かよく分からない専門の方を大臣にして、台湾などは一気にITというのは、伸びているという現状。いろいろなところを拝見して、専業とか兼業とか私どもにそういうもので提示をする、される政策として、それについて、今の答弁のような「いや、ほかのところがあまりやっていないので、私どももちょっとそこら辺はよく分かりません」というような答弁では、下関市としての政策を出して、それを進めようとしている以上、それに対して、やった結果はどうだったのか、どういうものが得られたのか、そういうものを含めて、今後、いわゆるDXで――これが一番早いと思うのです。専門家をそういう兼業・副業で呼び込むというのが。ですから、そういうものを含めて、今後、検討していただきたいと。最後の答弁で、積極的に対応するという言葉を頂きましたので。今、部長、言うことはお分かりでしょう。何か反論ありますか。いいですか。一方的に言っていますので、反論があればおっしゃっていただけば結構ですし、だからそういう姿勢で、今後、積極的にやっていただきたいと思っています。そういうことによって、自治体DXにより、効率的な行政サービスの提供、デジタル技術を活用した市民サービスの向上、市民の利便性が向上して、社会全体が持続的な発展することを期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
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