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第3回定例会 9月18日(水) 本会議(一般質問3日目)
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内容
会議録
第3回定例会
9月18日(水) 本会議(一般質問3日目)
創世下関
阪本 祐季 議員
1.地域へ定着する人材
2.地域へ定着する若者
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。
○議長(香川昌則君)
15番、阪本祐季議員。(拍手)
〔阪本祐季君登壇〕
○阪本祐季君
創世下関の阪本祐季と申します。通告に従いまして、質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
〔手話を交えながら発言〕
○阪本祐季君
早速、質問させていただきますが、本日、我々の会派の創世下関の3人、星出議員、私、関谷議員と3人続いておりますので、平素の手話の勉強の成果を発揮できればと思っておりますので、午後の関谷議員も頑張っていただけると思っております。
それでは早速質問に移らせていただきます。
初めに、地域の人事部構築に向けた取組についてお伺いいたします。3月議会で、成長志向企業の経営力向上支援事業としてお示しがありましたが、目的として、市や金融機関、商工団体などの地域関係機関から構成される地域の人事部の構築すること、及び市内企業群を一体と捉えて、中小企業が単独では対応困難な人材確保や育成を支援することで、人材価値を最大限に引き出す人的資本経営を促進することで、経営力の向上を図るという2点が示されております。
この目的が示される前提として、現状の本市における中小企業が抱える課題について、担当部局はどのように捉えているのか、お伺いいたします。またあわせて、民間企業が今回の地域の人事部の構築に対して、実際にどれくらいの需要があることを見込んでおられるのか、お伺いいたします。
○産業振興部長(津野貴史君)
地域の人事部とは、地域の支援機関がそれぞれ単体で企業を支援するのではなく、支援機関や自治体等がそれぞれの強みを生かし一丸となって、地域の企業の多様な人材活用を促進し、人的資本経営の定着を目指す体制のことを言います。
企業を取り巻く外部環境の急激な変化や、生産年齢人口の減少など、厳しさが増している中、中小企業が環境の変化に対応しながら、持続的に企業価値を向上させるためには、人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営に取り組む必要性が高まっていることが挙げられております。
特に、地域経済を支えている中小企業は、県内では99.9%を占めており、本市では中核市の中でも、特に高齢化率が高いことに加え、全国より高い有効求人倍率も相まって、今後、人材確保に苦戦する中小企業がさらに増加するものと考えております。こうした中、人に関する課題は多くの中小企業にとって、現在、非常に重要な経営課題であると認識しております。
市内経営支援機関によりますと、ハローワークを利用しても応募がない、せっかく採用したのにすぐ離職されてしまう、といった悩みが中小企業において多いと聞いております。人材確保だけでなく、従業員の育成や定着に悩む中小企業が増えていることからも、企業成長に直結する人材に係る支援を多くの中小企業が求めているものと考えております。
○阪本祐季君
やはり生産人口の減少というのが一番大きなところでございます。なので、中小企業の皆様にとっては、人の確保が難しい状況の中で、一人一人の質を高めていったり、新たな人材を副業として引っ張ってくるというところが今後必要になってくるのだろうと、この地域の人事部の目的なのだろうと思います。
今年度につきましては、初年度の取組といたしまして、地域関係機関や地元企業を対象として、地域の人事部や人的資本経営についての理解を深めるセミナーの開催を中心に取り組む予定となっております。基本的には株式会社パソナJOB HUBへの委託により行われることになっていますが、具体的な取組内容についてお伺いいたします。
○産業振興部長(津野貴史君)
地域の人事部を構築するに当たっては、まず関係機関によるプラットフォームの構築、中小企業への啓蒙・啓発、そして課題解決人材とのマッチング、この三つを観点に整理し、中小企業と関係機関に対してそれぞれ取組を実施してまいります。
具体的な内容といたしましては、まず、先月8月27日に関係機関による協議会を開催いたしました。当協議会は、人的資本経営を醸成し浸透を図るため、関係機関のネットワーク形成による情報共有や意見交換などを通じて共通認識を持つとともに、一体となって人材課題解決に取り組むことを目的としたものです。同日には、地域の人事部構築の必要性や方針・内容について理解を深めるためのセミナーも開催いたしました。また、副業人材活用を学ぶセミナーを、ちょうど本日の午後開催することとしております。
今後、中小企業を対象に、人的資本経営を学ぶセミナーやワークショップを開催する予定であり、その際には、関係機関と連携し、多くの中小企業が参加機会を得るよう努めてまいります。また、実際に市内中小企業と都市部等の副業人材とのマッチングや、一気通貫で人材戦略の実行までサポートする集中支援を実施することで、事業の連動性を高め、戦略的な人材活用を進める中小企業の創出を目指してまいります。
○阪本祐季君
実際に今回は初年度ということもありまして、まずは現状、皆さんが抱える課題を共通認識として、ネットワークをつくって捉えていくというお答えだったと思います。その中で今回、基本的にやはり業務委託という形で進めているわけですけれども、業務委託という形で終わってしまうのではなくて、本市も地元企業への今回の事業の普及・啓発とか、パイプ役となってつないでいくというところの役割が必要になってくると考えていますが、本市としてはどのような関わり方をしていくのか、お伺いいたします。
○産業振興部長(津野貴史君)
国が先行して取り組んだ地域の人事部実証事業の報告書によりますと、自治体に期待される役割として、大きく2点挙げられております。
一つ目は、地域の人事部の立ち上げに際し、プラットフォーム構築に向けて、地域関係機関を広く巻き込み、中小企業が人的資本経営に取り組む意義や、支援体制構築の必要性を訴えていくこと。
二つ目は、地域の人事部の取組内容について、自治体が掲げる計画等と連動するよう工夫することになっております。ですので、まずは市が先頭に立って必要性を訴えていくことであろうと考えております。
なお、先月、協議会を開催した際には、市内の経営支援機関に加え、県や国の関係機関を含めた11もの機関に御参加いただきまして、今後、連携して本取組を行っていくといった共通理解を得たところでございます。
○阪本祐季君
引き続き、必要性を訴えていっていただいて、全ての本市の中小企業の皆様が、これは本当にいいものだなと、利用してみようと思えるような取組をぜひ積極的に行っていただければと思います。また併せてですけれども、プラットフォームを構築するという中で、やはり、行政という部分に関する信頼度というのは高いものがあると思いますので、そこをしっかりと活用していただいて、プラットフォームとして今後使いやすいような、実際にその制度につなげるような、プラットフォームになっていただければなと思っております。資料を御覧いただければと思います。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○阪本祐季君
こちらは経済産業省の関東経済産業局のホームページより抜粋した資料になりますが、令和4年度からモデル事業として、関東経済産業局管内8自治体において、地域の人事部が立ち上がり活動を実施されている実例でございます。
こちらミノル製作所株式会社とありますけれども、新潟県の燕市で行われた実例だと伺っております。こちら見ていただくと分かるように、こちらの企業さんは自社製品の売上げを拡大したいという中で、どうしても宣伝であったりとかというところが足りていなくて、ノウハウもないというところで困っていらっしゃったというところでございます。
次の資料を御覧いただければと思います。実際にマッチングされた具体例として、2名の方がマッチングされておりまして、2023年の2月から月3万円から5万円プラス交通費という形で勤務をされ、実際にECサイトであったり、自社のホームページのブランディングをブラッシュアップされたというところでございます。また、新規開拓であったり販路拡大のところの営業の仕組みを、しっかり制度設計であったり、取り組まれたという、この2名の方の紹介も実際に出ております。このように、実際に企業が抱えるウイークポイントに対して、地域の人事部が副業人材とマッチングを行って、経営改善につながっていることが、こちらの例を見ていただければ分かると思います。
一方で、本市においては、これからセミナーなどを通じて市内企業への理解を深めていくとはいえ、まだそもそも副業人材の活用の仕方や給与体系など、新しい要素が非常に多く、市内の企業文化にこの制度が定着するのか不透明な状況でございます。いかに企業が使いやすい制度にしていくかがキーポイントになると考えますが、今後の展開を教えてください。
○産業振興部長(津野貴史君)
本年度におきましては、セミナーの座学で終わらせることなく、セミナー及びワークショップに参加した中小企業を対象に、都市部の副業人材のマッチングや人材戦略の実行までサポートする集中支援を実施いたします。
企業の成長・発展のためには、まず、中小企業において経営課題の見つめ直しを行い、課題解決に必要な人材の活用を戦略的に進めていくことが重要です。そのために、既に県内外で取り組んでいる中小企業の副業人材活用事例を紹介し、自社の経営課題の解決に、専門的なノウハウを有する副業人材の活用が有用な方法であることを広く周知してまいります。本事業では、中小企業が安心して参加していただけるよう、経営課題と人材課題を整理するところから伴走支援を行い、人材とのミスマッチの抑制や、経営戦略と連動した人材戦略のサポートを実施してまいります。また、中小企業と密接に関わる関係支援機関も伴走・フォローアップする体制を整えることで、中小企業に寄り添った形での人材課題解決につなげてまいります。
○阪本祐季君
やはり実際に制度が始まりまして、実際に使いやすいというところに至るまでは、どうしても伴走型の支援が必要だと思いますので、その辺り、本当に懇切丁寧な対応で、ぜひ企業の方々が使いやすい制度になるように、繰り返しになりますがお願いできればと思います。
実際に制度がスタートしてからの話にはなるのですけれども、今度マッチングをしますというところに至った際に、企業側に様々な副業人材を紹介するというところなのですけれども、本市で例えば事業を行う人材派遣の企業さんだったりというところから紹介ができるのかどうか、逆にプラットフォームがガチガチ過ぎて、そういった企業さんが入れる余地があるのかどうか、端的に言えば民業圧迫にならないかどうかというところを確認できればと思います。
○産業振興部長(津野貴史君)
当事業は、地域の人事部を構築し、人材の確保、育成、定着という企業の成長に直結する支援を行うものでございます。そのためには、繰り返しになりますけれども、中小企業は経営課題の見つめ直しを行い、課題解決に必要な人材の活用を戦略的に進めていくことが重要であります。
副業人材の活用に取り組むことは、副業人材が新たな課題解決の選択肢であると、中小企業、そして支援機関が実感することを目的としておりまして、地域の人事部構築後は、中小企業から人材確保の相談を受けた関係機関が、自らその相談を解決できない場合は、地域の人事部を通じ、人材派遣事業者のサービスを利用することとなるため、これは民業圧迫にはならないものと考えております。
○阪本祐季君
分かりました。今のお話で言えば、市内で事業されている人材派遣の関係の方々からするとビジネスチャンスに逆につながってくるのではないかなと思いますので、非常に一石二鳥といいますか、そういった制度になってくるのではないかと思いますので、非常に期待をしております。
今後、地域の人事部が確立され、市内の企業の成長だけではなくて、地域の人材の質が向上することが期待されます。今度は少し視点を変えまして、副業のできない、つまり、この制度の対象とならない本市の職員の育成についてお伺いできればと思います。これまでも様々な内外の研修にも参加するなどの育成を行われておりますが、より濃密な研修機会として人事交流があると思います。初めに、本市における人事交流の現状についてお伺いいたします。
○総務部長(笹野修一君)
人事交流ということで御質問を頂きました。研修のほか自治法派遣など、いろいろな形態がありますけれども、組織を変えて、いろいろな学びをしていくという場の紹介をさせていただこうと思います。
本市の現状ということでいいますと、直近で33人の職員を国、県、あるいは各種法人等へ派遣をしております。その内訳を申し上げますと、まず総務省など国へ6人、それから山口県に7人、北九州市、長門市へ各1人、それから山口県後期高齢者医療広域連合へ4人、それから公立大学法人下関市立大学などの公益的法人へ12人、そのほか海外ということで釜山広域市、青島市へ各1人となっておりまして、民間企業への派遣というのは今現在ありません。
○阪本祐季君
33名ということで、もちろん国、県、市といった官公庁だけではなくて、各種、市に関係するような公益的な法人であったりというのも御紹介がありました。
実際、財政健全化プロジェクトの指摘もありまして、本市の職員数も人口減に応じた定員管理を行っていっておりますが、人事交流はやはり一対一の交換の交流でなければ、現状、予算上であったり仕事量であったり、非常に厳しいのではないかと思っております。そんな中ではありますが、県や国といった同じ官公庁への人事交流だけではなくて、民間企業への人事交流を積極的に行っていただきたいと考えております。業務のやり方の違いを学べるだけではなくて、業界の課題であったり、本市の業務を客観視できる機会にもなるため、職員の成長の促進であったり、戻ってきた際に得たノウハウを共有することによって、業務改善や市民サービスの向上に大きく寄与すると思います。ここでお伺いいたしますが、民間企業と人事交流を行う上での課題があればお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
民間企業と人事交流を行う場合の課題ということでお尋ねを頂きました。まずデジタル社会の到来、それから大規模災害や感染症などのリスク増大など、行政が対応すべき課題は、昨今、複雑化・多様化しておりまして、組織や地域の枠を超えた連携は非常に重要と考えております。
議員がおっしゃるとおり、職員が一時的に民間企業で勤務し、その実務を経験することで得た知見を公務で活用するということは、職員本人にとっても、あるいは本市にとりましても、非常に有益であると考えております。また、専門性や多様なスキルを持つ民間企業の人材を一時的に受け入れる、こういったことは、職員の意識改革あるいはスキルの向上をもたらし、組織全体の底上げに寄与するものと考えております。
このようなメリットはございますけれども、期待する成果を得るには、派遣職員に習得させたいスキルと、派遣先との適切なマッチングを図ることや、あるいは、限られた人的資源の中で、人材育成と業務遂行のバランスを調整していくことなどが課題として考えられるため、今後も研究していきたいと考えております。
○阪本祐季君
ぜひ行っていただければと思いますが、派遣の前に、こういったところを勉強してくれ、こういったスキルを身につけて帰ってきてくれというような、あまり固め過ぎてしまうと、逆にその選定であったり、難しくなってくるのかなと思いますので、ある程度幅広い形で、派遣という形、一対一の人事交流という形が取れれば、一番本市にとっても職員さんにとっても、一番成長の機会になるかと思いますので、ぜひその辺りも検討いただければと思います。
業務改善や市民サービスの向上といった成果だけではなくて、本市の独自の研修制度として売り出すことで、この民間への人事交流、より優秀な方が本市への就職を希望することにもつながるのではないかと考えております。そういった意味でもぜひ検討ではなく、前向きに行動を起こしていただきたいと考えますが、現状でそういった意思がありますでしょうか。その辺りお伺いできればと思います。
○総務部長(笹野修一君)
現状での確認ということでございます。職員の派遣を行う人事交流、こういったものだけではなくて、現在、令和5年度――昨年度からですけれども、山口フィナンシャルグループが実施主体となりまして、実際の地域課題を研究課題として、解決につながるスキーム構築を通じて、自ら案件を企画・提案・実行できる人材の育成を目的とした、公民連携によるプロジェクトとしまして、地域共創人材育成研修に取り組んでおりまして、本市もこれに参加をしております。この研修によりまして、異業種交流あるいは他の地域の視察を通じました越境学習によりまして、自らのスキル、思考の確認、仕事を再定義し、自己や職場の強み、特性に対する認識を深めていただいて、また民間企業との人脈形成により、地域課題解決に向けた連携の拡大及び強化が期待されているところでございます。
先ほども申し上げましたが、公民連携による研修を行うとともに、併せて民間企業と人事交流に関しましては、今後とも研究していきたいと考えております。
○阪本祐季君
ぜひ公民連携による研修という形だと、どうしてもその期間、一時的なものになってしまうので、人事交流という形で、ある程度の一定の期間を置いて交流という形ができれば、本当に今まで研修では分からなかったような実務的な部分で学べることというのが実際にあると思いますので、具体的なところでちょっと、ぱっと今思い浮かばないのですけれども、そういったところもあると思いますので、ぜひそういった意味でも御検討いただければと思います。
今回、民間企業における人材であったり、本市における職員の育成についてお伺いしてまいりましたが、本市全体の働く方の能力が上がることで、本市全体の生産性の向上につながると考えています。
6月議会で行政DXの質問をさせていただきましたが、こちらについても同じで、一貫してお願いをさせていただこうと思っているのが、今回のように地域の人事部事業に代表されるような民間企業への働きかけをする際には、ぜひ本市自身も自助努力を積極的に行っていただきまして、市民の皆さんの見本となっていただくような進め方、取組方をしていただくようにお願いをいたします。
引き続き、次の質問に移らせていただきます。今度は若者に視点を絞って質問をさせていただきます。地域に若者が定着する政策についてお伺いをさせていただきます。今後の本市の状況を考えれば、若者が本市に定着してもらうことは必要不可欠です。現在子育て支援や移住・定住政策など、様々な取組をされておりますが、自治体間競争も激しく、より独自な取組が必要だと考えています。その中で、今回は具体的な支援策ではなくて、マインドの部分に着目して質問させていただきます。
初めに、現在本市で育っている子供たちについてお伺いいたします。今後シビックプライドを持った大人になっていくためにも、子供の段階から生まれ育ったふるさと下関市に対する愛郷心を育むことが重要だと考えますが、現在の取組についてお伺いいたします。
○教育長(磯部芳規君)
下関市教育委員会では、教育理念に「夢への挑戦、生き抜く力、胸に誇りと志」を掲げ、ふるさと下関に対する誇りとともに、志を持って社会の担い手となる人材の育成に今取り組んでいるところでございます。
そこで、まず各学校では、生活科や社会科、総合的な学習の時間を通して、自分が住む地域を学ぶ、ふるさと学習に取り組んでおります。ホタルの飼育や米づくり、地域を巡るウオークラリー、平家踊りや平家太鼓など、地域の特色を生かした活動を行い、子供たちが地域のよさや魅力を発見・発信するような授業に今取り組んでいるところでございます。
また、教育委員会では、小学校6年生に下関市の史跡・名称等を紹介した歴史マップを配付し、子供たちが自ら市内を巡り、歴史を調べまとめる「大すきふるさと下関歴史マップ」コンクールを行っているところでございます。毎年こちらにつきましては、多くの子供たちが参加しておりますが、今年は特に参加者が1,200名を超え、改めて下関のよさに気づいた、ふるさと下関がもっと好きになったという声が届いているところでございます。このほかにも今年度新たに、各博物館施設の展示内容を題材にしたクイズ大会や、旧四町の小学校11校に美術館、考古博物館、歴史博物館で校外学習に取り組む、「大すきふるさと下関わくわくバスバスツアー」も実施する予定でございます。さらにはコミュニティ・スクールの仕組みを生かして活用し、学校と地域が連携した取組が活発になっている中で、中学校においては、子供たち自らが、中学校区の枠を超え、地域下関を好きになる地域づくりのイベント等を企画・参画するような取組も始まっているところでございます。地域の行事や清掃活動等にボランティアで参加する子供も増えていると考えております。
今後も子供たちが地域住民の一人として、ふるさと下関の活性化に向けて一緒に学び、考える取組を地域とともに進めてまいりたいと考えているところでございます。
○阪本祐季君
本当に様々な取組を各学校であったり教育委員会のほうでも独自にされていることがよく分かりました。その中で1点だけちょっとお願いなのですけれども、やはり地域を知ること、自分たちの小学校区域であったり、下関市を知ることというのはもちろん大事でありますし、それが大前提ではあると思いますが、その中に、住まわれている人たちとの交流というのも積極的にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
私自身の体験談で恐縮なのですが、小学生のときにオリエンテーリングという形で、私は清末小学校ですから清末の史跡であったり、お寺であったりというのを回りながら、そのポイントポイントに老人会の方々がいらっしゃって、昔遊びをしてくれて、ゲームをしてくれるような取組がありました。そのときにその地域の方々と触れ合った結果、その後学校帰りに出くわしたら「あんたちゃんと学校行きよるんやね」とか、声をかけてもらったりというのが、本当に地域で子供を育てるというところにもつながってくると思いますので、ぜひともそういった取組を、コロナ禍でなかなかちょっと途切れてしまった部分もあると思いますので、改めて取り組んでいただければと思っております。
次に、今子供たちのことをお伺いしましたけれども、若者のシビックプライドの向上の取組についてお伺いいたします。実際、小中学生を対象とした愛郷心を育む取組は、先ほどたくさんされているということでございましたが、高校生や大学生、また20代というところの層に対してのシビックプライド向上に向けた取組については、どういった取組がなされているのかお伺いいたします。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
それでは、高校生や大学生、20代の若者に対するシビックプライドの向上についてお答えいたします。
まず、シビックプライドは、まちに自分事として継続的に関わることで醸成されるものと考えております。まちとの関わりという視点で申し上げますと、あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン推進業務におきまして、市内の中高生を中心とした若者が、主体的にまちづくりに関わることをテーマとしたワークショップを開催するとともに、社会実験の実施の際には、スタッフとして参加をしております。
また、リノベーションまちづくり実践ワークショップでは、大学生の参加者も一定数おり、実在する遊休不動産を題材としまして、まちづくりの手法を実践的に学んでおります。
さらに、若者のデジタル人材の育成の一環といたしまして、デジタルコンテストを開催しており、市内大学生を中心に各種地域課題の解決に向けて、政策の立案及びサービスの開発に取り組んでおります。このような取組を継続し、若者のシビックプライドの向上につなげてまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
実際に取り組まれている内容は分かりました。ただどうしてもこのカテゴリーといいますか、高校生や、特に大学生、20代となってくると、下関で生まれ育った方だけではなくなってきますので、外から来た方たちが下関をぜひ好きになって、最終的には下関に住んでくれる仕組みというところまで行くように、ぜひマインドを育てていく仕組みというのを、さらに考えていただければなと思っております。
実際に下関市をより深く知るだけではなくて、実際に市民の活動に若者を巻き込むことで、本市の若者が持つシビックプライドを地域貢献という形の行動に変えていくことが可能になると思います。その受皿に、まちづくり協議会がなり得るのではないかと以前から考えておりますが、現在のまちづくり協議会への若者の参画状況についてお伺いいたします。
○市民部長(山田之彦君)
それでは、現在のまちづくり協議会への若者の参画状況についての御質問についてお答えいたします。地域活動の担い手の高齢化や人材不足が進む中、まちづくり協議会においても後継者の育成や若い世代の参画の促進が必要でございますが、現実には若者の参画がなかなか進んでいないのが現状であると認識しております。
一方で、下関市民活動センターにおいて、ボランティアに参加したい人とボランティアを必要とする団体をつなぐ制度――ボランティアギルドに取り組んでおり、現在200人近い方の登録がございます。
まちづくり協議会の活動に必要な人材の確保、そして若者の地域活動への参画を促進するためには、このボランティアギルドの登録者が重要な役割を担い得る存在であると考えております。今年度から実験的にまちづくり協議会とボランティア誘導の学生ボランティアチームが、企画段階から協力してイベントを開催するという取組を始めており、6月に七夕ふれあい祭り、8月には中学生を中心とした学習支援会を実施したところでございます。
○阪本祐季君
ボランティアギルドのお話がありました。本市で生まれ育った若者以外にもアプローチできますし、非常に期待しているところなのですけれども、やはり単にボランティアでとどまるのではなくて、実際に一住民として、本市の抱える課題やどういう市になってほしいかといった思いを持ってもらうためにも、企画運営にも入ってもらう仕組みがあればより効果が高いと考えますが、そのような取組はありますでしょうか、お伺いいたします。
○市民部長(山田之彦君)
先ほど御紹介した二つのイベントは、企画段階から一緒に取り組みたいという学生ボランティアの要望を基に、市民活動センターがまちづくり協議会と調整し、企画、準備、実行までの全ての段階を学生ボランティアと共同で行うことを了承していただいた二つのまちづくり協議会において実施したものでございます。
このイベントの後、うわさを聞きつけて、大学生のボランティアギルドの登録者が30人増加いたしました。若者が企画段階からイベントや活動に参加すること、また、自分が考えたことを自ら実現し経験することは、若者をやる気にさせ、若者の地域活動への定着につながる重要な要素であると考えております。
また今年度下半期には、地域課題解決の優良事例をまちづくり協議会と学生ボランティアが一緒に学ぶ、合同研修や意見交換の場を設ける予定としております。一度の意見交換だけでは具体的な案ができるとは考えておりませんが、イベントだけではなく、将来的にはまちづくり協議会の様々な事業に、若者の意見が取り入れられる機会をつくっていきたいと考えております。
今後もまちづくり協議会と市民活動センターとの連携を強化し、このような取組を支援していくことで、地域の方は、学生ボランティアが企画段階から関わることの効果を実感し、学生ボランティアは、地域の中で自分たちの企画を実現する場があることを知り、相互の理解が進むことにより、若者が地域活動に参加しやすい、参加したいと思える環境が整ってくるものと期待しております。
○阪本祐季君
御答弁にありました最後の部分ですけれども、これが非常に重要なのだろうと思っております。実際にボランティアを受け入れる方々も考えを改めないといけない部分というのは非常に大きくあると思っておりまして、なかなかその学生ボランティアが来るという形になると、どうしても地域の方々というのは、若い人がいるからちょっと力仕事をやってもらおうとか、悪く言えば労働力というような形で捉えてしまうところが多くあると思います。ではなくて、しっかり若い人たちにとっても自分たちが企画で、こういうことをしたら若い人が来ると思うというような具体的な提案であったり、それを受入れていく組織であったりというところができていけば、本当に若い人たちが残っていくきっかけになるのではないかと思いますので、ぜひとも引き続き、この仕組みを続けていただくと同時に、さらに拡大していただければと思っております。
初めにお話ししたように、移住・定住政策や子育て支援といった、若者が定着するような政策は多くあります。一方で、シビックプライドの向上や端的に下関を好きになるような政策が少し遅れているのではないかと考えております。特に、シビックプライドの向上から実際に本市に貢献したいと思えるようなきっかけづくりの部分、この辺が非常に弱いのではないかと感じております。資料を御覧いただければと思います。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○阪本祐季君
こちらは愛知県新城市が行っている若者議会の概要になります。こちら市長の附属機関として若者会議というものを設定しておりまして、任期は1年で定員は20名、実際に令和4年度の紹介をさせていただければ、高校生が18人、大学生は2人という形でございました。これがすごいのは、予算の提案権が上限1,000万円つけてあります。なので若い人たちが実際に考えた政策が1,000万円の予算がしっかり確保された状態で実現されていくという形になります。実際にそのメンターという形で訪れた方々であったり、委員の方々には、会議1回につき3,000円の報酬も出るという形ですので、非常に責任も伴う形になっておりまして、これはもう10年続いております。10年続いた結果、非常に若者が残る仕組みもできていますし、実際、市議会議員として立候補したりであるとか、若者が市の職員になって、実際今、職員側でメンターとして就かれている方は、若者議会の出身者であったりとか、そういった非常に地元に思いを持った方々が育つ仕組み、残る仕組みというのが、この若者議会ではないかなと考えております。
資料には反映されていない効果といたしましては、投票率という点がまず挙げられます。こちら、直近の新城市の令和3年の選挙、市長選と市議会議員選挙が一緒のタイミングではあるのですけれども、約72%と非常に高い水準でございます。その前回選挙――平成29年にあるのですけれども、こちらからは微増ではありますけど3%上がっているというところもあります。
また、この若者議会を新城市だけではなくて、ほかの市町村も取り組もうという形で実際取り組まれておりまして、長野県佐久市もこの若者議会に取り組まれておりまして、実際、若者議会のOBの方が市議会議員としていらっしゃっているというような状態であります。
このように新城市をはじめとする、この若者議会を取り入れている市町村に関しましては、一定の権限を若者に与えて、実際にプレーヤーとして市の抱える課題や、その解決策を考え、形にする機会が用意されていますし、実際結果として多岐にわたる絶大な効果を産んでおります。
私も所属しております青年会議所は、20歳から40歳を対象にした組織で、明るい豊かな社会の実現に向けて、様々な事業を行っていますが、実際にメンバーの年会費で事業を様々行っていますので、今年で言えば約20万円と年会費がかかっておりまして、それを基に様々な事業を行っていくとはいえ、ハードルがその分上がっているというような状態になっています。やはり金銭的にも、まだ余裕がない16歳から29歳といった対象年齢の若者を広く募集しつつ、資金と権限を持たせて活動させるためにも、市の予算を活用することが有益なのではないかと思っております。
実際この事業の目的であれば、ボートレース未来基金の設置目的にも合致し、活用できると考えますし、お示しした効果も非常に今の本市にとっては、のどから手が出ても欲しい結果なのではないかと考えております。ぜひ未来に向けた投資として、若者がプレーヤーになれる環境を、このような形で提供していただきたいと考えていますが、本市の考えをお伺いいたします。
○総合政策部長(岸本芳郎君)
それでは、若者議会のように若者がプレーヤーになれる環境の下関市への導入についてお答えいたします。本市における取組といたしまして、本年10月1日に設置をいたします移住定住トータルサポートセンターにおきまして、取組の一つであります定住施策として、地域の文化資源などを若者の視点で発信する拠点を立ち上げる予定としております。
内容といたしましては、学生を中心とした若者を対象に、現在推進しております地域コミュニティーの再生を図るリノベーションまちづくりの手法を用いまして、若者自らが、今あるものを生かして新しい価値を生み出し、コミュニティー活動の拠点づくりやその運営及びその活動の企画立案など、マネージメントを行うことで、シビックプライドの醸成を図りたいと考えております。
先ほど議員御紹介の先進他市の事例につきましては承知をしているところでございますが、まずは実際にまちづくりの現場を体験してもらう取組を行ってまいりたいと考えてございます。
○阪本祐季君
今お話があったとおり、実際に広く募集されているわけではないというか、ある程度自由度がある形でやっているわけではない、しっかりこう、ある程度の枠組みが決まった状態で行われているということは理解できました。ですがやはり本当に、子供たち、若い人たちは、いろいろな視点を持っていますので、ぜひその人たちが自由に企画・立案できて、しかもお金もあって、きちんと事業化できる、必要な経費は市が予算として取れる、もちろんその予算の要求であったり、予算の計上というところも学べるという仕組みになりますので、ぜひこの若者議会という形で本市でも取り組んでいただければと思っております。
前田市長、いろいろ若者議会の話もさせていただきましたけれども、前田市長、改めて、この若者に対しての施策といいますか、特に高校生から29歳までの層に対しての思いであったり、今後、どういった施策を考えておられるかも含めて、お話を伺えればと思います。
○市長(前田晋太郎君)
今日は通告なしの質問がたくさん来て、非常に何かやりがいがありますね。すごくいい質問をしていただいたと思っています。若い人たちを獲得したいのは、どの町も同じような思いだと思うのですが、とかくお金で家賃補助とか、何か政策化していくというのが、これまでのスタンダードだったわけですが、おっしゃるように、やりがいというか、そして自分のことを思い返すと、あの頃は多分きっと大人に認めてほしかったなと。僕は20代の頃というのは、もう本当にがむしゃらにいろいろなことをやっていましたけれど、やはり大人に認めてもらうことがその地域に対して、自分の存在が何か自信が出てきて、このまちでもうちょっと活躍してみたいなと、手の届かなかった会うことすらできなかったあの方々にも、ちょっとかわいがってもらえるとうれしいなと思いながら、何か20代の頃は一生懸命仕事をしていたような気がします。ぜひ今日頂いた、いろいろなアドバイスというか市議の提案を、しっかりと形にできるように、少しずつチャレンジしていきたいなと思いました。
ところで青年会議所がでましたけれど、私も卒業生ですが、今年も馬関まつりお疲れさまでございました。何か聞くところによると、質問してはいけませんね、私が。(「笑い声」あり)
すみません。若者のボランティアが非常に少なかったと聞いております。原因ははっきりしているのですよ。これは大学生の大学祭実行委員会の方々から有志を募っていて、たしか我々の頃は100人ぐらい、5大学で来てくれていたのです。ところが今回20人ぐらいだったということで、当日は大変だったろうと思いますが、大学生の方々を、結局昔も声をかけて一緒にまちづくりをやってきた、お祭りをやることでまちづくりをやってきたことも、当時はもしかしたら下関に定着してくれた方々の一つのきっかけになっていたかもしれませんし、そういう意味では、ぜひ青年会議所の皆さんには、積極的に若い人たちに、地元に定着できるようなアイデアを、また事業化させてもらって、イベントや事業につなげてもらって、我々と連携するのも当然ですけれど、していただきたいなと思います。年会費大変ですね、我々のときより値段が上がっていますね。しっかりと、今若い方が減っているから、規模が小さくなると決して思わないで、そうは言ってもまだまだいるわけですよ。頑張って声をかけて、その存在意義とやはり社会的な活動本旨の意義をきちんと伝えていけば、十分まだまだチームを増やしていくことができると思いますし、ひいては下関のこの若者の定住にきっとつながっていくと思いますので、一緒に頑張っていきましょう。よろしくお願いします。
○阪本祐季君
青年会議所へのアドバイスまでありがとうございました。本当に、私自身も実際所属して活動していく中で、やはり我々の層以外のところというのが拾えていないなと。やはりある程度年会費が払えてというところが拾えていないなという中で、こういった子たちがやる気はあるのに、そういった原資がないという子たちもいますので、そういった子たちも含めて救う仕組み、受皿になるような組織をぜひ本市でつくっていただければなと思います。それを要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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