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第3回定例会 9月17日(火) 本会議(一般質問2日目)
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内容
会議録
第3回定例会
9月17日(火) 本会議(一般質問2日目)
創世下関
江村 卓三 議員
1.外出したくなる環境づくりについて
2.養護老人ホームの現状について
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。
△一般質問
○議長(香川昌則君)
日程第7、これより「一般質問」を行います。
本日は、御手元に配付の通告一覧表により、7番から12番までの通告者について行いたいと思います。それでは、順次質問を許します。
7番、江村卓三議員。
〔江村卓三君登壇〕
○江村卓三君
おはようございます。創世下関の江村卓三と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
〔手話を交えながら発言〕
○江村卓三君
通告に従い順次質問させていただきます。6月議会では、下関市立美術館の存在と活性化について質問させていただきましたが、時間が足りなく、一部をはしょった質問となりました。そのときには言いませんでしたが、職員の意識改革の点で問題がないか、心配をしております。と言いますのも、美術館正面入り口の案内板ですが、大きな案内板があります。これまでもそうでしたが、展示期間終了後、3か月も、2か月も、1か月も過ぎまして、まだポスターが、現在も掲示されておりますが。何か目的があるのであればいいのですが、一般的にはどうかと思っております。
それでは、今回の質問に入ります。外出したくなる環境づくりについてでございます。私は、3年前の令和3年9月議会でも、外出したくなる環境づくりについてお聞きいたしました。と言いますのも、コロナ禍にあって、高齢者の方などが長く外出を控えていた時期でしたので、その弊害として健康面がどうなるかを、その当時の保健部長にお聞きしたところ、その状態が長く続くと筋力が落ちて、歩くこと、身の回りのことなど、生活動作が行いにくくなったりと、要介護状態の前段階であるフレイルに進展する可能性が高くなり、健康への影響が危惧されるとのことでございました。
そのフレイル対策としては、運動を中心に適切な栄養摂取や、社会参加の促進が重要であると言われています。いわゆるコロナ禍以前の通常の生活に戻ることで、普通に外出をすることができるのですが、改めて保健部長にお聞きしますが、フレイル対策として、市民にどのような対策を取られているか、御紹介をお願いいたします。
○保健部長(八角 誠君)
保健部におきましては、高齢者に対する健康づくり事業といたしまして、年齢とともに身体機能等の低下が進行する、いわゆるフレイルへの対策や、認知症予防等に関する健康教育を行うほか、骨量―――骨の量を測定し、生活改善の個別指導を行うことなど、骨粗鬆症に対する健康相談などを実施しております。
令和5年度の各事業の実施状況は、フレイルに関する健康教育が267回、6,622人、認知症予防等に関する健康教育が19回、358人、健康相談が160回、1,299人でございますが、各事業とも新型コロナの影響から回復し、参加者数は増加しているところでございます。
また、今年度からスタートした健康増進計画「ふくふく健康21」第三次計画では、今より10分体を動かし、無理なく続ける運動習慣を身につける。このことを行動目標の一つとしており、引き続き高齢者の健康づくりにつながる取組を進めてまいります。
○江村卓三君
事業も多くされて、参加者もおられるようでございます。
それでは次に、高齢者に直接関わりのある福祉部にお聞きいたします。前回お聞きした本市の7月末時点の高齢化率は、令和元年は35.0%、令和2年は35.4%、令和3年は35.9%と、約0.4%ずつ高齢化が進んでおります。
それでは、その後、全国平均も含めどのように変わってきているか、お尋ねをいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
令和4年度以降につきまして、本市の直近3か年の高齢化率をお答えいたします。令和4年は36.1%、令和5年は36.4%、令和6年は36.6%となっております。
また、全国の高齢化率については、総務省統計局の人口統計によりますと、公表されている直近のものが令和6年3月1日時点のものになりますが、直近3か年の3月1日時点での高齢化率は、令和4年が29.0%、令和5年が29.0%、令和6年は29.2%となっております。
○江村卓三君
全国平均においては、高い値となっております。また、年間、最近では約0.3%ずつ増えているようにお聞きをいたしました。
また、平均寿命から見てみますと、厚生労働省の資料によりますと、コロナ禍の中にあって、思うように外出ができなかったことも影響しているようで、寿命は僅かですが、年々下がっており、その要因の一つとして、新型コロナウイルス感染症が、平均寿命を縮める方向に働いたとしています。
要は、先ほど保健部長からもお話がありましたが、やはり運動を中心に、適切な栄養摂取や社会参加の促進が重要であると思います。
それでは、福祉部としては健康面に関してどのような事業をされているか。簡単に紹介をしていただければと思います。また、コロナ前との参加状況はどうだったかもお尋ねをいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
福祉部におきましては、高齢者の介護予防や健康の維持、改善を図り、生活をより豊かにするために様々な事業を行っております。代表的なものといたしまして、運動、栄養、口腔等の機能向上を目的とした介護予防教室で、令和5年度の実施状況は、24教室を256回開催し、437人の参加がございました。
また、地域包括支援センターの職員が、地区の集会場や、町民館等に出向いて、介護予防、認知症予防に関する知識や情報の提供、介護予防体操の指導等を行う「介護予防ふれあい講座」を実施しておりまして、令和5年度の実施状況は115回開催し、1,555人の参加がございました。
さらに、高齢者の運動機能の維持や向上を目的とする体操教室を、自主的に開催する住民グループに対し、活動に必要な費用の一部を補助する「高齢者健康づくり活動住民グループ助成事業」がございまして、令和5年度は113団体に助成し、開催回数は3,728回、2,258人の参加がございました。いずれもコロナの影響がありました令和4年度に比較いたしまして、参加者数は増加しております。
○江村卓三君
高齢者の関わりのある福祉担当部署とあって、多くの事業に取り組まれておられますが、その事業に多くの参加者がおられるかでございますけれど、さらに多くの方が参加できるよう、これからも周知をしていただき、増加につながるよう、よろしくお願いいたします。
それでは、スポーツを担当しておられる観光スポーツ文化部では、高齢者も対象とした事業を多くされているようですので、簡単に紹介をお願いいたします。特に、スロージョギングについては、職員が資格を取られての事業で、令和2年度の壮行会では、定例会11回、大会1回の参加延べ人数314人ということでございましたが、その後の参加状況もお願いします。
○観光スポーツ文化部長(田中一博君)
令和3年9月の定例会において御質問いただきました健康に関する事業でございますが、各種スポーツ振興施策を展開するほか、一例として、スロージョギングについて御答弁をしております。こちらの参加状況は、令和3年度に11回開催し、延べ253名、令和4年度も11回の開催で延べ280名の方に御参加をいただき、スロージョギングの普及促進に一定の効果があったことから、事業を完了しております。
また、高齢者に向けた軽スポーツの普及を目的の一つとして、地域スポーツ振興会へ補助金を交付しておりますが、これにより、地域において各種スポーツ教室等が実施されているところでございます。
なお、令和6年3月に策定をいたしました第2期下関市スポーツ推進計画において、高齢者のスポーツ機会の創出を具体的な取組の一つとして掲げているほか、全ての人が分け隔てなく楽しむことができるインクルーシブスポーツの推進など、高齢者をはじめとした幅広い世代の健康の保持、増進に取り組むこととしております。
○江村卓三君
今、いろいろ御紹介をいただきましたけれど、スロージョギングに関しましては、職員が資格をせっかく取って、令和5年度はないようでございますけれど、やはり継続することが大事ではないかと思っております。
それと同時に、スポーツ担当部署とあって、本当に健康に直結しております。今年の8月には、新体育館「J:COMアリーナ下関」もオープンいたしましたので、新しい環境の中で、高齢者も含め多くの参加者が見込まれるものと思いますので、気軽に参加できる企画をよろしくお願いいたします。
それでは次に、教育委員会ですがどうでしょうか。前回の紹介で多くの事業をされていますが、再度、簡単に紹介とコロナ禍以降の参加状況も併せてお願いいたします。
○教育部長(藤田信夫君)
教育委員会が所管する各公民館等では、成人を対象とした地区市民学級や、親子を対象とした地域ふれあい活動として、各種講座を実施しております。この中で、健康をテーマとしたものとして、地区市民学級では健康体操、ヨガ教室などがあり、地域ふれあい活動では親子体操教室、ミニトランポリン教室などがございます。
これらの各種講座につきましては、対象者を高齢者に限定したものはございませんが、地区市民学級、地域ふれあい活動とも、全体としてコロナ禍以前の水準には戻っていない状況ではございます。ただし、令和2年度から令和5年度にかけまして、講座数、参加人数とも徐々に増加の傾向にございます。
○江村卓三君
ただいま各部署にお話をお聞きいたしましたけれど、やはり事業も、市としていろいろな事業をされておられまして、本当に市民の健康に向けた対応をされていると思っております。それと同時に、コロナ以前にも戻りつつあるということでございました。
ここからが私の本題ですが、今お聞きいたしましたように、各部署では高齢化が進む中で、高齢者の健康面も考慮した多くの事業に取り組まれていますが、その事業に参加するためには、外出しやすい環境が必要です。その環境とは、移動手段であるバスなどの交通の便利さであったり、歩いて行ける場所であれば、途中に一休みできる休憩場所があったりと、安心して外出ができる環境でございます。ここで私が特に問題としている点は、高齢者はもちろんですが、そのためだけではなく、障害者、妊産婦、子供連れの人などが安心して休める休憩場所が公道上、歩道などにあるかです。
その休憩場は、大きな施設を言っているのではなく、公園やバス停などにあるベンチで、その設置が安心して外出できる環境だと考えております。以前、福祉部長はベンチの必要性について、高齢者をはじめ障害者の方、妊産婦や小さなお子様連れの方がバス停などにベンチが設置されていれば、日々の散歩や外出がしやすくなるなど、一定の効果があると述べられました。
そこで、私の考えと一致している福岡市が進めておられるベンチプロジェクトについて、いま一度、状況を確認するために、先月――8月に福岡市へ確認をしてまいりました。そこで御紹介をさせていただきますと、福岡市では、全ての人が安全で快適に利用できるバリアフリーのまちを実現するための施策の一つとして、ベンチプロジェクトを進めておられます。この事業は、高齢者、障害者をはじめ、誰もが気軽に安心して外出できる環境づくりのためで、市内全域に必要とされるベンチを設置するために進めておられます。当然のことながら、設置に関しての条件はあります。
その事業は、平成28年度より開始され、バス事業者や道路管理者によるバス停への上屋、ベンチ設置のほか、バス停付近やウオーキングコース沿いなどの市有地へのベンチ設置や、地域や企業、団体等が民有地の道路沿いの場所に設置するベンチの購入費補助、1基当たり上限10万円でございますが、気軽に休憩できるスペースの設置に取り組まれているもので、特に令和4年度においては、道路管理者が歩道の設置可能な全てのバス停、約350か所にベンチの設置をされておられました。
そこで、ベンチプロジェクトで、どのようなベンチを設置されているか、タブレットで御紹介をさせていただきます。
〔説明資料を議場内ディスプレーに表示〕
○江村卓三君
2ページにありますけれど、こういったベンチでございます。以前も紹介いたしましたが、2ページ、3ページ、それと4ページにあるのがベンチでございまして、このようないろいろなベンチがありますが、ベンチ購入補助で設置された場合は、補助金交付要綱に従った仕様でなければならないということの中で、例えば、今見ていただきましたけれど、複数人の大人が安心して腰かけられることや、材質は容易に壊れないもの、高齢者の利用に配慮されているかなどでございます。
参考に、福岡市のベンチ設置状況を表に表していますので、1ページの表を見ていただければ数値があるかと思いますが、平成28年度から令和5年度までの設置基数を書いています。
特に、令和4年度でございますが、道路管理者が歩道の設置可能な全てのバス停、先ほど、約350箇所と言いましたけれども、正式には347箇所にベンチを設置されております。
それと、面白い試みとして、4ページになりますが、横断歩道の隣に円いベンチがありますけれど、これは直径40センチ程度の円形のベンチでございまして、当然のことながら、ベンチと同時に荷物も置けるようにというような言葉も入ったベンチでございます。こういったのが令和6年度から実施されておられました。
下関のバス停の状況はどうかといいますと、次のページにありますように、市内ですけれど、このようにベンチがあり、上屋があり、さらに向こうにも普通のベンチがありますが、次のページをめくっていただきますと、これは田舎のほうでございまして、バス停の標識はありますけれど、このように何もない状況であります。
今、福岡市の紹介をさせていただきましたが、以前紹介した中で、福祉部長は、財源の問題や費用対効果、ベンチの維持管理など、検討すべき課題もあることから、先進事例を参考とし、関係部局と連携を取りながら研究してまいりたいとのお考えでしたが、その後、3年が経過いたしました。どのようになったか、お尋ねをいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
ベンチの設置に関しまして、他市の状況等も調査しましたところ、議員から御紹介いただきました福岡市のベンチプロジェクトのほか、有志の地域住民や関係機関、店舗、企業、行政等が協力してベンチを設置する東京都豊島区の「としまベンチプロジェクト」や、社会福祉協議会の支援を得て、自治会や民間団体などがベンチを設置する兵庫県芦屋市の「わがまちベンチプロジェクト」などの取組がございました。
ベンチの設置につきましては、安全な設置場所の確保や設置後の維持管理、更新の問題のほか、近年の気象状況の中、熱中症対策など、様々な課題も多くございますので、高齢者をはじめとした市民の皆様が外出しやすい環境とはどういったものであるか、引き続き関係部局と研究してまいりたいと考えております。
○江村卓三君
引き続き、研究をしていきたいということでございます。実際、福岡市もそうでしたが、やはり関係部局との調整も大変難しいということを伺っておりますが、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、ベンチに関して、関わりが大きい部署にお尋ねをいたします。まず、初めに建設部ですが、最近の道路に関しては、道路空間を利用した事業が可能となっているようで、3年前には豊前田通りに椅子を設置されています。経緯とベンチ設置に関しての道路上での問題点をお聞きいたします。また、その必要性に関してのお考えがあれば、併せてお願いいたします。
○建設部長(伊南一也君)
道路管理者が設置するベンチにつきましては、歩行者の往来が特に多く、高齢者などの利用も想定される駅前広場や商店街、観光地などにおきまして、道路を利用する方々の快適性や、利便性の向上を図ることを目的として設置しております。
豊前田通りの道路整備に当たりましては、周辺の土地利用や沿道ニーズを反映するため、地元自治会や商店街組合などとワークショップを行っておりまして、これら地域の声を踏まえて、本市の中心的な商店街である豊前田通りのさらなるにぎわいを創出することを目的として、ベンチやフラワーポットなどを設置しております。なお、歩道にベンチを設置する際には、歩行者が安全に通行できる歩道の幅を確保した上で、幅の広い歩道に設置する必要があり、道路の利用状況や費用対効果の検証などを行った上で対応する必要があると考えております。
○江村卓三君
必要性についてお聞きをいたしました。また、今現在あるベンチについては、にぎわい創出という観点から設置したということでございました。当然のことながら、個人が道路にベンチを設置することは、道路法に基づき安全性が確保されなければならないので、やはり許可が、なかなか難しいものがあるかと思います。しかし、そういった中で、いかにベンチが設置できるかということも、併せて検討していただきたいと思います。
そのベンチ等、休憩施設の設置に当たっては、歩道上は歩行者が安全に通行するためにスペースが限られており、休憩施設を単独で設置することが、先ほど言いましたように、本当に困難な場合が多いようで、限られた道路空間を有効に活用することや、道路に隣接する市有施設や市有地、民有地への設置など、官民連携しながら進めていく必要があると思いますし、福岡市では、いかにしたら設置が可能かというような形で、前向きに考えられておられました。
それでは次に、都市整備部にお聞きいたしますが、主に公園でございます。多くの方がスポーツや散歩などで利用されていると思いますが、そこで私が気になったのが、現在、工事が進んでいる乃木浜総合公園や安岡にある運動公園など、大きな公園ですけれど、舗装された園路沿いですけれど、一休みできるベンチがほとんどないように感じていますが、公園におけるベンチ設置の考え方をお聞きいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
本市の公園では、公園の利用目的や利用状況に応じ、ベンチの設置数や設置場所を調整しております。設置の考え方としては、遊具の近くで保護者が子供を見守ることができる場所や、グラウンドや園路の周辺で休息を取るのにふさわしい場所、それから景色や自然をゆっくりと楽しめる場所などにベンチを設置しております。
整備中の乃木浜総合公園を例に申し上げると、こちらには、現在、139基のベンチを設置しております。一般的なベンチのほか、屋根のある、あずまやを併設したベンチがあり、今後、野球場や園路沿いに新たに32基のベンチを設置する予定です。
次に、議員御指摘のありました、安岡地区富任町にある、下関北運動公園の状況ですけれども、こちらには公園全体としては42基のベンチがあり、散策やジョギングの利用者が多いオーヴィジョンスタジアム下関の周りでは、球場正面付近の広場に18基のベンチがあり、休息などに御利用いただいております。
公園におけるベンチは、安全安心な環境で子供の見守りや休息、景色を楽しむなどする上で不可欠なものだと考えております。今後も、利用者の声を伺いながら、行きたくなる、立ち寄りたくなる公園の環境づくりに取り組んでまいります。
○江村卓三君
ただいま説明がありましたが、本当にふさわしい場所に設置するということの中で、公園内にはあずまやとか、ちょっとした広いベンチがありますが、そういったところには、言われましたように多くのベンチがあるように思いますけれど、私が言っているのは、やはり沿道沿いにあったほうが、やはり休憩もできますし、そういったところには、私はほとんどないように感じていると申し上げました。
それでは次に、私が休憩施設になり得ると考えている、バス停のベンチについてお聞きをいたします。初めに、バス利用の観点からお聞きしますが、現在、公共バスの利用者が減少し、バス路線も年々廃止、減便となるなど、市民生活に大きく影響しています。その路線を維持するために、バス事業者に毎年大きな金額を補助しているわけですが、廃止、減便とならないための施策として、市ではどのようにお考えか、まずはちょっとお聞きをいたしたいと思います。
○都市整備部長(山上直人君)
路線バスをはじめとする公共交通は、高齢者や学生など、車を持たない市民の重要な移動手段ですが、人口減少や過度な自動車への依存などにより、利用者は減少傾向にございます。加えて、長引く燃料費高騰や物価高は事業者の収益低下を招き、いわゆる2024年問題である運転手不足や労働時間の制約なども重なり、やむを得ず廃止や減便が進み、利便性が低下することで、さらに利用者の減少を招くという悪循環に陥っております。
市としては、路線バスが廃止、減便とならないためには、路線バスの利便性を少しでも高めることが重要だと考えております。これについて、このたび御質問のあったバスの環境整備という観点から申し上げますと、例えば、事業者による交通系ICカードの導入であったり、ノンステップバスの導入への支援に取り組んでおり、乗り継ぎ利用者の多い交通結節点については、まちづくりの観点から、待合環境を整備することなどにより、高齢者や妊産婦、障害者の方でも、利用しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
○江村卓三君
ICカードなど、市民に向けたバス利用の観点から、いろいろ考えておられることは、私もよく知っております。利用者、それと同時に都市整備部のほうでは利用者減少により、深刻な影響を受けている公共交通について、将来的に持続可能な公共交通を構築するための地域公共交通計画の策定もされていると伺っておりますが、それはバスの運行のみに特化した考えで、利用者減少による事業者経営のことが主となっているように思われます。利用者をいかに増やすか、利用者の立場で考える必要があるように考えます。
要は、バス利用者の環境を考えた施策を、考慮しているかということでございますけれど、難しいと思いますけれど、田舎のほうでのバス路線ですが、1日に2、3便の箇所もあり、便数の少ない箇所では、いつバスが来るのか心配で、早く来た場合を考えて長い待ち時間となりますが、そのとき、ベンチがなければ、立って待つこととなり、特に利用される高齢者には苦痛となります。そのことから、さらに利用者が減ることにつながっていきます。
ですから、バス利用者のバス停の環境を考えると、ベンチは必要です。昔は、バス中心でしたので、利用者も多かったことから、どのバス停も広告つきのベンチが多くあったように思います。そこで、ベンチの現状の一部を調べてみますと、中心部以外には、先ほども写真で紹介をいたしましたけれど、少ない状況でございまして、今設置してある少ないベンチの中には、古くて座れないベンチもありましたが、バス停環境の点で、必要性を市はどのようにお考えかお尋ねをいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
バスの停留所のベンチは、主にバスの到着を待つまでの間の休息や、荷物を置くために利用されており、特に高齢者や妊産婦の方には必要性の高いものと考えております。
また、バス事業者によると、本市の路線バスの停留所の約8割には、何かしらのベンチが設置してあるとのことです。バス事業者としても、基本的にはベンチがあるほうが望ましく、特に利用者の多い病院やスーパーの周辺は、優先度が高いという認識を持たれております。
一方で、歩道が狭く、物理的に置ける場所がないケースや、停留所周辺にお住まいの方から、ベンチを置くとごみが増える、人がたむろするなどの理由で、設置を拒否されるケースもあると聞いております。
○江村卓三君
ただいま8割あると言われましたけれど、私の感じではそのようなイメージではございません。バス停の環境は、ベンチ設置だけではなく、利用者の立場を考えれば、夏の日差しよけや、突然の雨よけの屋根つきのバス停、要は上屋ですけれど、必要と考えます。
市は、事業者へ設置へのお願いなど、公共バスを残すための方策の観点から要望されているか、お尋ねをいたします。
○都市整備部長(山上直人君)
バスの停留所の上屋につきましても、日差しよけや雨よけとして、市としてもその有効性については認識してございます。これまで頂いた御要望については、バス事業者へお伝えしております。
バス事業者によると、本市の路線バスの停留所の約3割に、何かしらの上屋が設置してあるということですが、整備費用がネックとなり、近年は老朽化による補修を、優先して進めていると聞いております。
○江村卓三君
バス利用者増の点では、バス停環境の整備も必要です。今年度より、いきいきシルバー100事業ですが、毎週火曜日に、バス料金が100円で乗れるように、通年化いたしました。
私は、王喜から市役所に行く中で、火曜日の午前中のバス停には多くの高齢者の方がおられます。ほとんどの方が立っておられます。そのことも含め、安心して外出したくなる環境づくりの一つとして、福岡市が取り組まれているバリアフリーのまちを実現するための施策の一つであるベンチ設置を取り上げました。
安心して公共バスを利用できるベンチ設置の必要性に併せ、バス停の環境を考えた上屋の話もありましたが、たとえ廃止になったとしても、外出のしやすい環境からすれば、休憩場ともなりますし、絶対、安心につながります。
最後に、前田市長にお聞きいたしますが、外出したくなる環境づくりを市長はどのようにお考えかお尋ねをいたします。
○市長(前田晋太郎君)
江村議員、すばらしいタイトル、この外出したくなる環境づくりについてということで、高齢者の皆様方がさらに移動しやすい環境、そして高齢者の皆様方に、また、まちを元気にしていただこうという、そして今回、いきいきシルバー100も通年化したことで、さらに効果をもたらすために、いい着眼点で、お話をいただきました。
まず、いきいきシルバーにつきましては、かねてから皆様方には、いろいろ御意見を頂いて、やっと今年の春からスタートとなりましたけれども、なぜ火曜日なんだという御意見が、いろいろあるということも、この議会でも議論が出ましたけれども。様々な理由をもって火曜日を選んでおりますし、1週間は7日しかありませんし、これを2日にすると、この予算を倍額ということで、なかなか簡単ではないというところです。まずは、この火曜日をいかに生かしながら、町を元気に、高齢者の皆様方に多く出かけていただけるかということを、皆さんと一緒に知恵を絞っていきたいと思っております。
その中で、非常に、ベンチをしっかりと設置したらどうかということを、私も盲点だったと思っておりますが、おっしゃるように、昔は結構、ベンチがたくさんありました。そう言われてみれば、たくさん広告が貼って、今、非常に減っているということで。やり方とすれば、これを行政でどんとやっていくのか、それともバス事業者の皆さんと連携していくのか。そしてまた、地域の福祉のために、地域のために、まちづくりのために御寄附をいただける方は、たくさん下関にはいらっしゃいますので、そういった方々の予算をうまく使っていくという方法、様々あると思うのです。
これは、非常にいい御質問をいただいたと思いますので、私としては前向きに、これは検討して、また、来年度以降の事業計画、予算化に向けて努力をしていきたいと思います。まずは全庁でコンセンサスを取れるように、私も先頭に立って、これをやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○江村卓三君
ありがとうございます。今市長から、いきいきシルバー100の話もありましたけれど、市長の決断で通年化、火曜日にされて、多くの方が利用されているということは、本当に効果が上がったと思っております。
そして、また元に戻りますけれど、外出したくなる環境づくりの施策の一つとして、バス停のベンチ設置などを中心に、今回質問させていただきましたが、これは単なるバス停の改善ではなく、全ての人が安心して、快適に利用できる休憩場としての価値もありますので、先ほど市長が今から検討を、さらにしていかれるということでございますので、お願い申し上げまして、この質問は終わります。
次の質問に入らせていただきます。養護老人ホームの現状についてお聞きをいたします。本市には、陽光苑と松涛園、春光苑の3施設の養護老人ホームがあり、いずれも社会福祉法人の運営でございます。最近は、施設の入所率が低下傾向にあり、厳しい経営状況にあるとお聞きしておりますが、こうした状況が続くと、高齢化が進む時代にあって、養護老人ホームがないとなると、大変なことになるのではと危惧をし、今回の質問といたしました。
初めに、養護老人ホームとはどのような施設なのか、また、どのような役割があるのか、お聞きをいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
養護老人ホームは、老人福祉法に基づき設置する施設でございまして、原則として65歳以上で、住民税非課税世帯の方など、経済的にお困りの方で、かつ在宅での生活が困難な方が入所できる施設で、本市には3施設ございます。
養護老人ホームでは、入所者が自立して日常生活を送れるよう、食事や入浴などの基本的な生活支援や健康管理、レクレーション、生活の質を高めるための支援を行っております。
様々な事情で、自宅での生活が難しくなった高齢者に、安心して暮らせる場を提供し、できる限り自立した生活を続けられるようサポートすることが、養護老人ホームの役割となっております。
○江村卓三君
養護老人ホームは、65歳以上で、環境上や経済理由により、自宅での生活が困難な高齢者を入所させ、養護を行う施設ということでございます。
それでは、運営といいますか、経営する上では、入所率が問題となっているようですので、現在のそれぞれの入所率をお聞きいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
本市に所在する養護老人ホームの、令和6年8月1日現在の状況をお答えいたします。陽光苑は定員110人に対し、入所者93人、入所率84.5%です。次に、春光苑は定員80人に対し、入所者数47人、入所率58.8%です。最後に、松涛園は定員50人に対し、入所者41人、入所率82.0%でございます。
今年度に入り、全ての施設において、1%から5%の割合でございますが、入所率は向上しております。
○江村卓三君
ある調査では、令和4年度入所率でございますけれど、全国平均は87.2%という数字でございまして、下関市においては、ちょっと低いようにお聞きいたしました。そしてまた、入所率が90%から95%でないと、やはり、現状の経営が厳しいとも伺っております。
その大きな要因となるのが、市から交付される措置費が大きく影響しているようでございまして、その措置費については、平成16年の三位一体改革により、施設運営費――要は措置費ですが、地方交付税に組み込まれ、自治体が歳出することとなっております。毎年交付される措置費ですが、改定には、国から物価や人事院勧告を勘案して決めるように通達されているようですが、この点について、毎年、適正に経済事情を勘案され、改定されておられるのか、確認をさせていただきます。
○福祉部長(野坂隆夫君)
本市の措置費につきましては、先ほど議員御紹介ありましたように、三位一体の改革により、一般財源化されて以降、国が示した指針に基づき算定しております。
これまで、2度の消費税の引上げに伴う改定と、令和4年度からの処遇改善加算の新設を行っております。令和6年1月及び3月の国の通知により、職員の処遇改善や入所者の居住費の改定など、措置費の改定の考え方が示されましたので、近年の物価高騰などに対応するため、本年度中の改定を目指し、手続を進めているところでございます。
○江村卓三君
適正に経済諸事情を勘案され、改定しているということでございましたけれど、養護老人ホームの運営は、入所率によって左右されるようで、悪化したからといって、施設職員の雇用調整を、その都度できないと思いますので、悪化した際の対策として、市ではどのような支援策をお考えか、お尋ねをいたします。
県内で、山口市のみではございますけれど、独自の対策があり、運営体制維持のための加算を設けているようでございますけれど、お尋ねをいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
県内で、独自の基準により措置費の算定を行っている市があることは存じておりますが、本市の措置費は、その他の市町同様に、国から示された指針に基づきまして算定しております。国の指針では、措置費単価のうち、主に職員の人件費に該当する部分は、施設の定員ではなく、前年度の平均入所者数によって決まる仕組みでございます。入所者数が多いと措置費単価は低く、逆に入所者数が少ないと措置費単価は高くなるというような単価設定となっております。
このため、本市といたしましては、入所率が悪化した場合においても、現状のところ、独自基準を設ける予定はございません。なお、入所率が悪化した場合の対策というものでございますが、昨今の急激な物価高騰が、施設運営に多大な影響を与えているということから、令和5年度、光熱費負担軽減のために、支援金の給付を行ったところでございます。
○江村卓三君
当然のことながら、経営努力は必要ですが、養護老人ホームの施設目的から考えた場合、何らかの支援策が必要だと思いますし、また、そういったことも、今、考えられているということも、お話がありました。
次に、問題となる点でございますけれど、養護老人ホームに入所しようとする場合、市が主導して実施する、入所判定会議を経ての入所となることや、措置費額についても市が決めるという点は、他の有料老人ホームの入居とは大きく異なっているようでございます。それだけ、行政の養護老人ホームに対する姿勢が、安定した経営を左右するということにつながっていると思います。
そこでお聞きいたしますが、本市の入所判定会議の構成員に、専門とする老人福祉施設の代表者は入っておられないようですが、県内では、ほとんどの市町が構成員となっているようでございます。本市が構成員とされないお考えをお尋ねいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
養護老人ホームは、福祉事務所長の措置によって入所の可否が決められる施設であるため、本市におきましては、入所措置の適正な実施を行うものとして、入所検討会を設置しております。
入所検討会においては、事前に入所を希望される方と、生活相談員が行った面談結果、及び施設側の意見を伺っております。また、入所希望者の心身の状況や、生活状況に関する担当者の調査結果、及び医師からの健康状況の所見等に基づきまして、入所が適切かどうかの検討を行っております。
施設の意見を十分に確認した上で、入所検討会を実施しておりますので、施設の代表者が会議の構成員に入っていないものでございます。
なお、会議の透明性を高めるため、今年度から議事録を、入所予定の施設へ提供しているところでございます。
○江村卓三君
市としてのお考えをお聞きいたしました。入所検討会を実施して、状況を確認しているということでございました。同じ判断になるかもしれませんが、内容を把握している専門員を構成員に加えるべきと考えます。一言、言っておきます。
次に、措置費についてですが、先ほどお聞きいたしましたが、措置費は国から、物価や人事院勧告を勘案して決めるように通告されていますが、その年の措置費については、毎年、年度当初に措置を示されていると思いますが、今年度はまだのようですが、いかがでしょうか。
また、措置単価の改定分についてのお考えも併せてお願いいたします。
○福祉部長(野坂隆夫君)
本年度の措置費の改定は、2回行う予定としております。1回目は、国の指針に基づく例年どおりの4月1日を基準日とした単価改定です。こちらは、既に改定を終え、各施設へ通知しております。
2回目は、令和6年1月及び3月の国からの通知によるものでございます。主な内容といたしまして、介護保険施設の介護職員処遇改善支援事業、及び令和6年度介護報酬改定を踏まえた改定でございます。
養護老人ホームは、両制度の対象となっていないことから、支援員を対象とした処遇改善や、職員の賃上げが可能となるように、また、光熱水費や物価の高騰に対応するために措置費の単価を、このたび改定するものでございます。
この2回目の単価改定につきましては、令和6年4月1日を適用日とし、本年度中できるだけ早い時期に行うことを目指して、ただいま手続を進めているところでございます。
○江村卓三君
手続を進めているものもあるということでございました。改めてですけれど、措置費については、物価変動や最低賃金改定、人事院勧告などを勘案し、地域の実情を勘案して示すようになっているようでございます。
しかし、そのうちの人事院勧告は、12月議会の決定となると、新年度措置とはなりませんので、前年度の措置となるかと思います。その点での対応をどのようにされているか、詳しくは分かりませんが、安定した経営を行う上での問題とならないよう、よろしくお願いいたします。
昨年度――令和5年度ですけれど、その時点で、全国921ある施設の半数超が赤字で、ここ6年で約50施設が閉鎖したという話もあるようでございます。本市の高齢化がさらに進む中で、必要とされる施設ですので、しっかりと事業者と協議を進めていただき、施設が存続できますようお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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