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第3回定例会 9月21日(木) 本会議(一般質問3日目)
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内容
会議録
第3回定例会
9月21日(木) 本会議(一般質問3日目)
創世下関
阪本 祐季 議員
1.株式会社パソナグループとの包括連携協定
2.下関市地域公共交通再編
【下関市議会 本会議確定版】
○副議長(安岡克昌君)
18番、阪本祐季議員。(拍手)
〔阪本祐季君登壇〕
○阪本祐季君
本日最後の創世下関の阪本祐季でございます。
それでは通告に従いまして、質問をさせていただきます。初めに、株式会社パソナグループとの包括連携協定について御質問させていただきます。
先日、4月6日に、株式会社パソナグループは、地域共創プロジェクトの一環として、本市と包括連携協定を結ばれました。これまで、株式会社パソナグループは、代表される実績の一例として、今定例会の一般質問の初日に、桂議員への御答弁の中で前田市長より御紹介がありましたけれども、淡路島で2008年から農業の活性化・独立就農を目指すチャレンジファームを皮切りに、兵庫県の淡路島で、人材誘致による独自の地域活性事業に取り組んでおられます。
実際、地元との調整等で賛否両論はあるみたいですけれども、自治体独自ではとても難しいような様々なハード面、ソフト面の整備がされておりまして、関係人口の増加という点に関しましては、非常に寄与されていることは間違いないと考えています。
今回、パソナグループと包括連携協定を結ぶに至った経緯と本市の目的について、まずお伺いいたします。地域活性化起業人の説明も併せてお願いいたします。
○総合政策部長(前田一城君)
今年度から取り組んでおります「豊北地域リノベーションのまちづくり」におきまして、今議員から御案内がありましたように、兵庫県淡路島でリノベーションによる地方創生事業に多大なる功績を上げられている株式会社パソナグループ、このグループに在籍されている本市出身の瀬川氏に、地域活性化起業人として、本年4月から着任していただいております。
この地域活性化起業人制度と申しますのは、地方公共団体が三大都市圏に所在する民間企業等の社員を一定期間受け入れ、そのノウハウや知見を活用し、地域活性化を図るものでございまして、瀬川氏には推進リーダーとして、豊北地域のまちづくりを牽引していただきたいと考えております。
また、瀬川氏の着任協議の過程の中で、株式会社パソナグループにおきましては、瀬川氏が下関出身であることから、社員の派遣にとどまらず、会社としても地域産業の振興や雇用の創出、それから人材育成といった、多岐にわたって連携・協力をしていきたいという意向をお聞きしましたので、本市にとっては大変有益であり、地方創生の推進に資することから、心強いパートナーとして包括連携協定の締結に至ったというところでございます。
○阪本祐季君
先ほどの御答弁の中でありましたけれども、今回の包括連携協定では、一つ目が地域産業の振興に関すること、二つ目が雇用の創出及び人材育成に関すること、三つ目として地域コミュニティーの再生に関すること、四つ目が地域と多様に関わる人々、要は関係人口の創出に関すること、そして、その他本協定の目的を達成するために必要なことと、この5点が連携協定の分野として挙げられております。
また、地域活性化起業人派遣職員である、先ほど御紹介がありました瀬川氏におかれましては、豊北地域の活性化を図るためのエリアマネジメントや旧教員住宅、空き家等を活用した移住促進業務などが業務内容として挙げられていると思います。
改めてお伺いいたしますが、現状の本市が抱えるどんな課題を、恐らく豊北町のことだと思いますけれども、今回の包括連携協定や地域活性化起業人派遣によって解決していきたいのか、具体的にお伺いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
豊北地域ということでお答えさせていただきます。豊北地域におきましては、急激な人口減少が進んでおりまして、このことに伴う地域コミュニティーの衰退が大変大きな課題だと認識しております。
このような中、今年度から豊北地域では、リノベーションまちづくりの推進により、地域の活性化を図ることとしたところでございます。そして、この事業を推進するためには、民間企業で培った専門知識や業務経験、人脈やノウハウを有する民間のスペシャリスト人材を活用することが必要という考えに至りました。
このたび、株式会社パソナグループ様との包括連携協定や地域活性化起業人制度によりまして、淡路島での地方創生事業において功績を上げられている瀬川氏が派遣され、今年度から未利用施設の活用をはじめ、リノベーションまちづくりを推進することで、豊北地域のよりよいまちづくりの再生につなげていけるものと大変期待しているところでございます。
○阪本祐季君
人口減から、地域コミュニティーの衰退が起きているというところで、民間の出身であります瀬川氏が、しっかりノウハウや知見、人脈を発揮していただいて、これを解決していきたいというお話だったと思います。
次に、実際、地域活性化起業人として本市に着任という形になった瀬川氏の現在の役職と所属されている体制というところをお伺いしたいと思います。
実際に、今後様々なプロジェクトを企画・立案していくと思うのですけれども、運営していくとなると、予算要求も含めて、準備から実行に至るまで、それなりに権限が必要になってくると考えますが、瀬川氏は、豊北総合支所内でどういった役職を与えられているのか、またプロジェクトを企画・実行していくための組織体制はどのようになっているのか、お伺いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
現在、瀬川氏の下関市での役職につきましては、豊北総合支所地域政策課の主任でございます。そしてプロジェクトを推進していくための組織体制につきましては、豊北地域リノベーションまちづくりを柱とした地域再生の取組を強力に進めるために、6月1日付で、豊北総合支所地域政策課内に豊北地域再生プロジェクト推進室を設置いたしました。そして、瀬川氏にはこのプロジェクト推進室のリーダーとして、今年度から取り組んでいく事業を牽引してもらっているところでございます。
○阪本祐季君
役職としては主任で、6月1日付で発足された豊北地域再生プロジェクト推進室のリーダーとして勤務されているということでございます。ただそうやって民間の知恵とか、ノウハウを入れたいと言いつつも、やはり市の職員さんとして制度上、どうしても配属されるというところで、本市の職員であるという点から、当然、市職員としての実務も多少は課せられるのではないかと思います。そこに追われ過ぎて、本来成してもらうべき仕事、一番やっていただきたい仕事というのがスムーズにいかないようにならないことをちょっと御要望させていただきたいと思います。
資料を御覧いただきたいと思います。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
こちらは総務省のホームページより抜粋させていただきました、地域活性化起業人制度の概要になります。この中の特別交付税措置の項目の部分ですけれども、起業人が発案、提案した事業に要する経費、上限額年間100万円、措置率1人当たり0.5ということで書いてありますけれども、この今回の制度を利用して、起業人が発案・提案した事業を実施するに当たって、本市が負担する予算はどの財源を活用して、どれくらいの予算規模を確保、予算要求する想定があるのかお伺いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
先ほど申しましたとおり、豊北地域の活性化を図るために、今年度から3年間の事業といたしまして、豊北地域リノベーションまちづくり事業を実施しているところでございます。
本事業は、国のデジタル田園都市国家構想交付金事業を活用することとしておりまして、3年間で単市の持ち出しも含め、2億6,450万円規模の事業を想定しているところでございます。
この事業の中で、起業人制度で活動をしていただきます予算につきましては、先ほど御説明にもありましたが、100万円の枠というのを活動枠として準備しているところです。
企業人が発案・提案しました事業を実施するに当たりまして、今後の予算確保につきましては、豊北総合支所といたしましては、来年度事業の予算編成に向けまして、事業推進に必要なものをしっかり予算要求に盛り込んでまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
予算要求に盛り込んでいただくということで、今回の議会でかなりの予算が、市長の御答弁の中で「予算、今言ってください」という話からずっと続いていますけれども、しっかりと、塚本財政部長をはじめとする財政部から「ちょっとこれどうなのですか」という突っ込みをされても、しっかりと絶対必要なのですというような強い気持ちと理屈と熱意というのをしっかり持って闘っていただければと思います。よろしくお願いします。
先ほどの質問で、瀬川氏は室のリーダーでありながらも、本市においては主任というお話がありました。これからまた、本格的に豊北町における地域活性化の事業というのがどんどん加速化していくと思うのですけれども、私自身ずっと考えているのは、やはりある程度の役職を持っていたほうがよりスムーズに動きやすいのではないかというところです。当然、外に出て地元の方と調整をしていくときも、肩書がある程度あったほうが調整しやすいと思うのですが、その辺りのスピード感ある事業実施というところまで考えると、この点に関して、その役職という面は、本市はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
地域内での調整や予算確保におきまして、今の役職ではスピード感のある事業実施につながらないのではないかという御懸念だということでございます。
起業人の瀬川氏につきましては、先ほど御説明いたしました、豊北総合支所内の職員等で構成するプロジェクトチームのリーダーとして、地域内外の各種団体等との調整や人材の掘り起こしに力を発揮していただいており、事業の推進に向けて、地域内外の団体から高い信頼を得ていると認識しているところでございます。
また、提案いただきました市の事業として実施していくためには、瀬川氏のポジションというよりも、豊北総合支所として、先ほど申しましたが、予算要求の中で必要なものをしっかり確保していきたいと考えております。
ともあれ、スピード感を持って、よりよい事業を展開していくということは重要なことでございますので、豊北総合支所といたしましては、瀬川氏の力を借りながら、しっかりと事業に取り組んでまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
今回、何より大切なのは、株式会社パソナグループとの連携とか、この国の制度を利用した地域活性化起業人の取組の効果というところを最大化していくところだと思います。
実際、今回の株式会社パソナグループは、本市との包括連携協定だけではなくて、全国のほかの都市とも包括連携協定を結ばれていますし、地域活性化起業人の制度に関しては、平成26年から開始されて、全国のいろいろな自治体が導入をされていますけれども「これ本当にすごいね」という成功事例というのは、いまだにあまり正直見えてこないというのが、実際のところだと思います。
その中で、国からの予算措置を上手に活用することはもちろん、単純に一職員として本市の組織図に当てはめてしまうよりも、制度上しようがない部分はあると思うのですけども、最大限力を発揮しやすい環境を整えてあげることが必要不可欠だと思います。
ちょっとお答えとしては繰り返しになってくるのかもしれませんが、今後の課題と展望、またどういう改善をしていくかとか、そういった本市のお考えをお聞かせいただければと思います。
○豊北総合支所長(中野貴広君)
議員御指摘のとおり、市の組織の中で、起業人の発想や提案の実施に当たっては、市の予算の中で実施していくことになりますので、タイムリーな事業実施など、スピード感に欠ける面もあるのかとは感じているところではございます。
起業人制度によりまして、優秀な人材に豊北地域の活性化をサポートしていただける機会をいただきましたので、十分に力を発揮していただけるよう、環境の整備を今後も整えながら、パソナグループとの連携も含めて事業の推進を図ってまいりたいと思います。
○阪本祐季君
最後に要望で終わりたいと思うのですが、今、豊北町に関しては、今のパソナグループさんだけではなくて、楽天農業さんであったり、外から投資も含めていい要素が入ってきている。非常にチャンスだと思っています。
その中で、いかにチャンスと捉えて、それをつかんでいくかというところは、今回の制度もそうですけれども、豊北総合支所さんの役割というのが非常に大きいとは思っています。ただ、総合支所の在り方もちょっと別の問題になってきますけれども、やはり本庁との連携というのも必要になってくる部分がかなり増えてくると思いますので、そういったところで、本庁側もしっかりと事業、こういうことをやりたいというところで、連携を取りやすい体制をしっかりと整えていただきたいと思います。非常に期待しておりますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
そのまま次の質問に入らせていただきます。次に、本市の公共交通再編について、お伺いをさせていただきます。人口減少に伴って、特に地方都市においては、公共交通の存続が危ぶまれ、全国の様々な都市が公共交通の再編に取り組んでいるところでございます。
改めて、今回、根本的な質問からさせていただこうと思いますが、本市の公共交通再編がなぜ必要となっているのか、本市における原因をお聞かせいただければと思います。
○都市整備部長(清水 悟君)
公共交通を取り巻く環境ですが、本市はもともと自動車への依存度が非常に高い状況でございますが、それに人口減少や高齢化の進行から、公共交通の利用者は減少傾向にありました。そこにコロナ禍の影響が重なり、利用者の生活意識や行動も大きく変化し、密を避けるために、自家用車での通勤への移行やテレワークの導入などで利用者減少が進み、さらに交通事業者の収益低下を招く状態となっております。
一方で、運転免許証返納者の増加に伴い、自動車に代わる移動手段として、公共交通の重要性は増しております。また、バスやタクシーの運転手不足も顕在化しています。
そのような社会情勢の変化をしっかり踏まえた上で、持続可能な公共交通を構築する必要があると認識しております。
○阪本祐季君
本市の自動車依存度がすごく高いというところからスタートして、コロナ禍も間に入ってきて、実際、タクシーの運転手さんの不足であったり、いろいろな要素がからみ合って、再編が必要であるということが非常によく分かりました。
これを踏まえて、これまで本市が公共交通の維持のために取り組んできたことをお示しいただきたいと思います。
○都市整備部長(清水 悟君)
持続的な公共交通の維持・確保のため、平成30年に下関市総合交通戦略、令和2年に下関市地域公共交通再編実施計画を策定し、利用状況や利用者の意向を踏まえつつ、効率性と採算性の向上に向け、長距離路線や重複路線を解消するために、幹線と支線に分割し、一部を循環線とするなど、路線の再編を行い、順次計画を進めております。
また、市民生活の重要な移動手段となるバス路線の運行の維持・確保のため、毎年、バス事業者に対し補助を行っております。
そして、利便性の向上を図るための取組では、交通系ICカードの導入、バスの運行情報をお知らせするデジタルサイネージの設置や、ノンステップバスの購入などに対する支援を行っております。
さらに、交通事業者においては、新型コロナウイルス感染症が長期化する中、利用者が大幅に減少しても、市民生活の重要な移動手段として運行を続けなければならず、加えて、燃料価格や物価高騰などの影響も受けたことにより、経営状況が非常に悪化しております。
このような状況にある事業者に対して、市民生活に不可欠なバス交通を維持していくため、令和2年度から5年度に「公共交通事業者事業継続支援金」を交付しております。
○阪本祐季君
今、事業継続支援金のお話が出ましたけれども、すみません。お答えの中に入ってくると思っていたので、もう一回お伺いしたいのですけれども、大体の予算額というのを、もちろんちゃんと出せばよかったのですけれども、お伺いできればと思います。分かる範囲で大丈夫です。
○都市整備部長(清水 悟君)
事業継続支援金のほうですか。ちょっと待ってください。
○阪本祐季君
すみません。後ほどで大丈夫です。ありがとうございます。
それでは、次の質問に移っていきますけれども、今、お答えいただいたことを踏まえて、実際、効率性と採算性の確保というところで、バス事業者も含めて、いろいろな公共交通を支えていただいている事業者さんに補助をされているというところ、午前中の坂本晴美議員の質問に対しても、法律があって、公共交通の確保については、行政にも一定の責任がありますという部長の答弁がありましたけれども、一方で、本市の公共交通は民営が主であって、幾ら交通弱者対策とはいっても、公共交通を維持するために民間企業にどこまで公金を出していくのかというところは、市民の皆様からいろいろなお声を正直いただいているところではあります。
やはり、企業努力に委ねる部分というところも当然必要になると思いますし、どうしても交通弱者の方々のために、公共交通を維持していかないといけないという間で非常に難しいと思うのですけれども、このバランス感覚について、本市が公的負担する意味とそのお考えをお伺いできればと思います。
○都市整備部長(清水 悟君)
午前中、坂本議員にお答えしたことと同様になるのですけれども、路線バスをはじめとする公共交通は、高齢者や学生など、車を持たない市民の方々の重要な移動手段でありまして、市民の生活を支える一つとして大きな役目を担っております。
本市といたしましては、交通政策基本法及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づいて、国と役割分担を図り、地域公共交通を維持・確保する責務がございます。
そのため、地域住民の生活に必要な交通ネットワークとなる複数の市町を結ぶ広域路線や下関駅や商業施設などの拠点を結ぶ路線のうち、バス事業者単独では採算が取れずに維持することが困難な場合は、市民に必要な地域の移動手段を確保する観点から、国や県とともにその赤字の一部に対する補助を行っているところでございます。
○阪本祐季君
これは非常に難しいと思うのです。実際、人口減による利用者数が減っていて、全国的にも減っていて、収益性が悪化しています。
では、運行本数を減らしていく、またその利用料金を値上げしていくとサービスが低下していく。それでやったら、またさらに利用者が減っていくという、もう完全に負のスパイラルに陥っている中、それを維持するためにも、当然その路線を効率化していったり、採算性をよくしましょうと言いながらも、やはり市のお金が、公金が何億円と入らないと維持できていないというのが正直現状だと思っています。私が思うに、これがただ維持をするだけの何億円というよりも、その根本的な解決にもしっかり投資していかないといけないのではないかというのが今回の質問でございます。
その中で、他市では国土交通省が進めているMaaSの構築というのであったり、自動運転の導入などのモデル地域の選定に応募するなど、その地域の公共交通が抱える課題を解決するために、新しい技術の実証実験が行われています。資料を御覧いただければと思います。
〔説明資料を議場内ディスプレイに表示〕
○阪本祐季君
ちょっと事例がかなり多岐にわたるので、ちょっと長くなるかもしれません。
まず一つ目がMaaSの紹介でございます。静岡県が行っている静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトのホームページより抜粋した資料になりますが、ここにありますように、MaaSとはICT、AI等の最新技術を取り入れて、誰もが利用しやすい新たな移動サービスの提供を行うものでございます。
次に、同じ資料でございますけれども、暮らしに関わるあらゆる分野と連携して、より利用しやすい移動サービスの実現を目指しているというのが、この静岡MaaSの特徴であります。
次に、MaaSの中でも、より具体的なピンポイントに絞ったところなのですけれども、経済産業省のホームページから抜粋したモビリティデータの利活用というところになります。左側の新潟の事例で見ますと、これは少し長いので、簡単に言えば、市民の移動や活動を促すアプリをつくって、それを市民の方々に利用していただいて、そこから得た移動のデータを交通とか、またほかのデータとしてほかの分野に利用していくというものです。
同様に、この右側の福岡県のほうなのですけれども、福岡県のほうは逆にデータの取りどころが多くて、交通事業者であったり、商業施設であったり、もちろん市民の方々にもしっかりと情報を全部吸い上げて、行動データを集めて、交通利用者の拡大や効率化、交通不便地域の解消というものを、これから考えていきましょうというような趣旨のものでございます。
三つ目が、自動運転を含めた新しい交通の形でございますけれども、これは富山県のホームページから抜粋させていただいた地域タクシーの「もりまる」というものでございます。特徴的なのが、自治会自体が運営をして、運転は交通事業者に自治会が委託するというところで、非常に自治会自体が回しているので、恐らく自治会費もかなり高いものがあるのではないかと思うのですけれども、こういった、自分たちで何とかしようという住民の方々もいらっしゃるというところで事例を紹介させていただきます。
その後の資料なのですけれども、デジタル庁のホームページより抜粋させていただいたプレゼン資料になりますが、茨城県の境町の完全自動運転バスの写真でございます。2枚目には、公道を実際に走行する様子が描かれていますけれども、こういった新しい技術というのを各地が手を挙げて、実際に導入していく実証実験が行われています。
先ほども申し上げましたけれども、今回の質問に至る背景といたしまして、先ほども言いましたが、やはり根本的な新しい解決を、新しい仕組みを取り入れていかなければ、今の状態を維持するためのお金を幾ら払っても、恐らく改善はされないと思うのです。
その中で、長期的にも予算というのを抑えていくためには、先行投資でかなりの額がかかるかもしれませんし、逆にほかの都市がいろいろな実証実験をされていますので、そこを参考にしながら、よりよいものだけ選択していくという形を取っていくべきなのではないかという中で、このような新しい技術の導入であったり、自動運転などの導入といった実証実験について、本市ではどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○都市整備部長(清水 悟君)
その前に、先ほどの公共交通事業者事業継続支援金ですけれども、令和2年度から5年度まで行っておりまして、総額で5億7,300万円でございます。
それと、MaaS構築等自動運転等の導入について、社会実験ということで、初めに述べました課題のとおり、社会情勢の変化をしっかり踏まえた上で、持続可能な公共交通を構築する必要があると認識しております。人口が減っても、どのような方でも、利便性が高く住みやすいまちであり、人々がいつまでも住み続けられるまちであるために、まちづくりに合った持続可能な公共交通を構築するために、現在の計画を見直し、今年度から新たに地域公共交通計画の策定に着手しております。
同計画においては、鉄道やバスなどの既存公共交通を活用しながら、自動運転といった新技術の交通モードなど、様々な交通手段も視野に入れた上で、MaaSの構築なども含めて、将来あるべき公共交通体系を検討してまいりたいと考えております。
○阪本祐季君
検討していただけるということでしたけれども、やはり何といいますか、下関としてずっと抱えている課題ではあって、ここを解決していくためには、いろいろな知識を取り入れて、いろいろな知恵を入れていって新しいものという形を作っていかないと、本当に自動車の依存度が高いですと言っても、恐らく今の車が便利だから運転できる間は当然そっちを使うという形になってしまうと思いますし、利用率を上げると言ったら、そういった方々が少しでも、交通手段としてこれは便利だから、ちょっとたまには使ってみよう、乗ってみようとなるところしか、人口が減っている今、新しい利用者というのは増えないと思います。その辺りもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
先般、つくば市のほうに全く公共交通とは関係ないところで、会派で視察に行かせていただいたのですけれども、その際に、宿泊先から駅に戻るときに、宿泊先にホテルのフロントでタクシーをお願いして「明日すみません。2台お願いします」とお願いして帰ろうと思ったら、朝、電話がかかってきて、「すいません。タクシーがつかまりません」と。「今アプリが導入されて、ほとんど電話に対応しないのです」という話を聞いて、それから慌ててすぐアプリで手配をしたら、本当にすぐに「近くに、どこの地図上に今この辺にいます」というので「あと2分ぐらいで到着します」とか、信号待ちでちょっと手前で止まっているとかまで分かる状況で、タクシーを呼んだというようなことがありました。
それぐらい事業者の方々も運転手不足であったり、人の不足というところで、アプリで配車の部分というのを人件費を削りながらうまく回していこうというところで工夫はされていると思いますし、もちろん行政のほうも関わっていると思いますけれども、これを高齢の方が利用するとなったときにアプリを落として呼んでくださいと言われてもなかなか難しい。このデジタルディバイド問題対策というところも必要になってくると思います。
ただ、それでも便利というところを積極的に示していくということを行っている自治体も実際ありますので、本市も積極的にその辺りも含めて、トライしていただきたいというところをお願いさせていただきます。
最後、総論ですけれども、豊北総合支所の問題にしても、今のお話しさせていただいた公共交通の話にしても、当然いろいろ予算要求をしていく中で、財政部に掛け合っていくと思うのですけれども、しっかりと思いを持って、本当に市に必要だというところを実際にアピールしていただいて、確保して、必ず取っていただきたいと思いますので、そこの戦う気持ちというか、実際、自分で実現しないとこれは本当にこの市のためによくならないというぐらいの思いを持って、戦って、例えば厳しいことを言われても、もう一回出しに行くぐらいの気持ちを持ってやっていただきたいと思いますので、最後にそれを御要望させていただいて、今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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