録画中継

第2回定例会
6月22日(木) 本会議(一般質問5日目)
公明党市議団
坂本 晴美 議員
1.男性用トイレ個室にサニタリーボックス設置
2.教育長の4つの取組について
【下関市議会 本会議確定版】

○議長(香川昌則君)
24番、坂本晴美議員。(拍手)
  〔坂本晴美君登壇〕
○坂本晴美君
 おはようございます。公明党市議団の坂本晴美と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  〔手話を交えながら発言〕
○坂本晴美君
 今日は私以降、公明党が4名続きます。運命のいたずらといいましょうか、好んで4人並んだわけではございません。くじ運だと思っております。元気いっぱい、質問をさせていただきたいと思います。通告に従いまして、質問をさせていただきます。
男性用トイレ個室にサニタリーボックス設置についてであります。国立がん研究センターの統計では、2018年時点で、前立腺がん9万2,021人、膀胱がんの男性患者は1万7,552人、合計約11万人が罹患しています。
タブレットを御覧ください。
  〔説明資料を議場ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
見ていただいたら分かりますように、前立腺がんが罹患率は第1位です。これは亡くなるということではなくて、罹患率です。術後の後遺症として尿漏れがあります。
次のタブレットを御覧ください。小林製薬によりますと、2021年3月の調査で、40代から70代の男性の約8人に1人が、尿漏れに悩むと回答がありました。がんだけでなく、前立腺肥大症や高齢化によるホルモンバランスの乱れなどによって、尿漏れとか、尿切れが悪いという心配が付きまといます。そのため、尿漏れパットを使用される方も年々増えてきています。テレビのコマーシャルでも見たことがあると思いますが、そこでお聞きしたいと思います。
本市施設で設置状況をお尋ねいたします。庁舎、市民会館、生涯学習プラザ、公民館など、お答えください。
○総務部長(笹野修一君)
今御質問いただきました複数の建物につきまして、一括でお答えさせていただきます。
本庁舎、市民会館、生涯学習プラザ、それから、公民館等におきまして、現時点では、男性用トイレへのサニタリーボックスの設置というのは行っておりません。
一方で、各施設には、見られたこともあると思いますけど、多目的トイレ、みんなのトイレというようなものがございまして、こういったものを設置しておりまして、その大半でサニタリーボックスを設置しております。
多目的トイレ、みんなのトイレは、お子様連れの場合、おむつ替えシートであったりとか、あるいはベビーチェアなど、こういったものが設置しておりますほか、小物が置ける棚、それから衣服を整えるためのフィッティングボードといいまして、壁から出していただいて、そこで履き替えていただくときに、足場に靴を脱いで上がっていただくようなフィッティングボード、こういったものを備え付けております。
必要な方は、どなたでも使用いただけるものでございます。また広さも十分確保しておりますので、お問合せのありましたような場合には、多目的トイレ、それからみんなのトイレを御利用いただくよう御案内をさせていただいているところでございます。
なお、御質問のあった施設のうち、小規模な公民館、それから、ふれあいセンターの8施設につきましては、建物が整備された時期が古いなどの理由で、多目的トイレ、みんなのトイレの設置がございません。
また、市民会館の2階など階層によりましては、多目的トイレ、みんなのトイレの設置がない施設もございます。
○坂本晴美君
それでは、男子トイレにサントリーボックスを設置している中核市の状況をお知らせください。
○総務部長(笹野修一君)
今御質問いただいた内容につきましては、令和2年度に中核市の中の他市が行った調査がございまして、こちらの内容を御紹介させていただきます。回答がありました中核市48市のうち、恐らく当時全体で60市あったと思われますけども、48市のうち設置していると回答した市は18市ございます。割合にしますと、38%、約4割弱ということになります。
また、設置している市につきまして、サニタリーボックスの設置範囲、こちらを確認したところ、全ての男性トイレ個室に設置している自治体が6市、それから、一部に設置している自治体が12市となっております。
○坂本晴美君
昨年、濵岡議員が質問されたときに、あまり要望がないという答弁でしたけれども、その後、何か情報収集をされましたでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
今回、この御質問をいただいた中で、改めて本庁舎におきます多目的トイレ、それからみんなのトイレの利用実態、こういったものを把握するため、現在清掃を委託しております事業者、こちらのほうに日頃の状況確認といいますか、聞き取りのほうをさせていただきました。
現状といたしましては、大きく3点ございまして、まず1階から2階などの低層階を中心に、おむつや尿取りパッドの配置が見られますけれども、サニタリーボックス自体の容量が不足するという程度ではないこと。それから2点目といたしまして、半数以上のサニタリーボックスを使用されていない場合が多いということと、3点目最後ですが、一般のごみなどが捨てられている事例があるというようなことを把握しております。
本庁舎につきましては、多目的トイレ、それからみんなのトイレの設置数、こちらが全体で16か所ございまして、比較的多いことから、特段の混雑等も見られないということと、また使用できないといったクレームのほうも届いておりませんので、おおむね、現在の運用で不足を来していないと考えられます。
○坂本晴美君
トイレの環境改善に取り組む、一般社団法人日本トイレ協会の事務局長さんは、男性はなかなか悩みを言えないと指摘しております。昨年2月に、このトイレ協会が行った調査では、パッドなどを使う男性約40人中25人が、サニタリーボックスがなくて困ったと回答しております。今後どのように対応していかれますでしょうか。
○総務部長(笹野修一君)
多目的トイレ、みんなのトイレのある施設におきましては、多目的トイレ、みんなのトイレのほうの御活用をいただきたいと考えております。
一方で、未整備の施設につきましては、御指摘のとおり、使用された方が廃棄物の後始末に困られているというようなことも、実際認識をしております。
本来は、トイレ個室内にサニタリーボックスを置くことが理想とは考えておりますけれども、サニタリーボックスは、比較的大型のものが求められているということと、設置場所を工夫する必要がございます。ほかにも、清掃費用の増嵩など、こういった課題もございますので、利用される方のニーズ、それから動向などを踏まえながら、引き続き、検討していきたいと考えております。
○坂本晴美君
そういう御答弁だと思いますけれども、本当に必要とされていないのでしょうか。女性の生理の問題もなかなか表には出てきませんでした。なぜだと思われますか。デリケートな問題で、羞恥心の問題もあると思います。そういうのを市役所に電話をかけて、サニタリーボックスを設置してくださいと言えるかと思います。
私、孫と同居しておりまして、小学校から遠いものですから50分近く歩いて帰ってきます。先日も、ばたばたと帰って、トイレに駆け込みましたが、1年生の子がうえーんと泣くので、どうしたのかなと思ったらトイレに行った途端、安心したのでしょうね。おしっこが間に合わずに漏れてしまって、下着を汚したりすることもあります。小学生でも、「ばあば、誰にも言わんでよ」と口止めをしてきます。それぐらいおしっこのことというのは言いにくいです。皆さんがあるかどうか分かりませんけど、汚したと、奥さんに言えますかというお話です。
高齢女性は、今でも元気よく、定年しても、どんどん、70代の方とかも、ランチとか行っています。1軒1軒、家を訪問したときに、感じるのが大抵高齢の男性は留守番されております。それでなくても活動がどうかと思う中で、ましてや、尿漏れパッドのことを心配して、持っていかないといけないとなると、ますます出かける気持ちが薄れていくと思います。
私も御相談を受けたのは男性の方ではありません。奥様です。どこかに行こうと言っても、それが気になって、奥さんが二重のジップロックを持って行くのだけれども、行きたくない、おまえだけ行けということで、そういう捨てるところがない。いくら主人のでも持ちたくないということも言われておりましたが、そういうことを考えると、本当に必要ないのか。市庁舎はいいです。一般に新しい多目的トイレも、それだけの数があるということですけど、高齢者が行かれる公民館とかはいかがなのか。市役所に用事で行ったら一、二時間で終わると思うのです。やはりいろいろな行事をしていったら、1日行ったときに、どこに捨てたらいいのということが、私は問題だと思います。
ちょっとすみません、専門者から言わせていただくと、尿は出たときはそんなに臭くはありません。でも、時間がたつとともに、保健部長は御存じだと思いますが、アンモニア臭がすごく強くなってきます。人は匂わないと思っても、匂うのではないかという不安を持ちながら、そういうものを持って歩かないといけないということが、私はどうなのかと思います。
この議場におられる男性は、ほとんどが40歳以上の男性だと思います。この小林製薬の高齢にいずれ該当していきます。今はなくても、いずれしていくと思います。費用対効果もあるかもしれませんが、その費用が本当に高いのか。お困り事がある高齢者の男性の方にとって、高いと言っていいのかどうかということも改めて考えていただいて、聞きにくいことですが、情報収集をしっかりしていただいて、今後多目的トイレがないところには設置していただく。何とかそういう方法を考えていただきたいと要望して、次の質問に移ります。
磯部教育長が、所信表明で、下関市教育委員会の教育理念である「夢への挑戦 生き抜く力 胸に誇りと志」を基盤として、四つの重点的な取組を話されました。その取組について質問をさせていただきます。
道徳教育の充実、いじめ問題解消のための力点を、目前の状況に応じて対応する対症療法から、個々の根本原因を探り、その根本原因を取り除く、原因療法とは、具体的にはどのような方法と考えたらよろしいでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
対症療法と原因療法についてのお尋ねでございますが、対症療法とは、表れた症状を軽減するための治療を行うこと。原因療法とは、病気の原因を取り除くことによって治療を行うことを指す言葉でございます。
従来、学校におけるいじめ問題への対応については、表出している言動や行動、行為に対して、直接的に指導を行う対症療法が中心でした。その場に見える問題を速やかに解決することができる反面、再度同様の事案を繰り返すといったことがありました。
これを受けて、現在では、その原因を探り、それを取り除いて、より根本的な問題の解決を目指す原因療法の取組を、積極的に進めているところでございます。
対症療法も原因療法もどちらも大事な取組であるとは思いますが、児童生徒の道徳性を養い、心を耕し、よりよい人間関係を築く力を育む道徳教育を中心に、いじめ問題につながる言動や行為を未然に防ぐ原因療法により、いじめ問題の解消を図っていきたいと考えています。
○坂本晴美君
次に、子供たちが安心して学べる学校とは、どのようにお考えでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
子供たちが安心して、学べる学校づくりを進めていくためには、子供たち一人一人がかけがえのない存在であると認められているという安心感を感じることが、最も大切であると考えております。その中で、自己有用感を育み、互いの個性を尊重することができるような、学びの環境を整えることが必要です。
私は、その根底を支えるものが道徳教育であると考えております。道徳教育は道徳科の時間を要として、学校の教育活動全体を通じて行われるものであり、子供たちが関わり合い、つながり合う教育活動を通して、お互いのよさを認め合う経験を重ねながら、人として成長していくことができるよう、道徳教育を軸として、安心して、学べる学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
○坂本晴美君
先日、地元の中学校がフリー参観日を開催されておりまして、5日間ぐらいのうち、いつでも来ていいですよということで、たまたま議会が空いておりましたので、行きました。1年生の教室に行くと、入ったところが何と道徳の授業でした。テーマがばあばでした。私のための授業かと思って入りましたけれども、先生が、授業の初めから挨拶の声が小さかったらやり直しをしたり、肘をついていたら、やる気がなくなるよと声をかけたり、発表が2往復できたら、すごいねと褒めたり、あっという間の45分授業でした。タブレットとか電子黒板をうまく使われておりました。
うちの主人は補導員で一緒に行ったのですけれども、先生は主人におばあさんのお年はと聞かれたと思うのですけど、主人自体がもうじいじですので、自分の年を答えて、64歳ですと言ったら、いやいや、お母さんのお年を聞いていますという感じで、いきなり当てられると緊張するものだなと思いながら、1番は、いろいろな電子機器とかもありますけど、伝わってきたのは、先生の授業における情熱と思いでした。
授業の合間にも、道徳、こういうふうに発表するんだ、こうやってみんなの発表に手をたたくんだとか、いろいろな思いが、その授業には込められておりました。後ろの掲示板を見ると、生徒が書いた6月の目標に対して、担任の先生が一人一人に対して頑張ろうと思えるコメント、例えば、勉強時間を増やすと書いている生徒に対しては、1日5分でも、7日で35分増えるよ、すごいよというふうなコメントを丁寧に書かれておりました。反面これだけのことをするということは、先生たち一生懸命やればやろうとするほど時間が足りないだろう。自分の時間というのはあるのかなということも痛感いたしました。
続きまして、豊かな学力の育成についてお尋ねいたします。教育長は、学力の2極化の背景に、家庭の経済格差が影響していると言われました。親ガチャという言葉が、昨年はやったと思います。子供は親を選べない、家庭環境によって子供の人生が左右される考え方を指します。そして、それに通じるペアレントクラシー、親の富と願望が強い影響を及ぼす社会、今はそういう社会だと、大阪大学大学院教授の志水先生が述べられています。
それは、小・中学生の間に、学力のフタコブラクダ化という事態が進行していること。昔はヒトコブで山のようなコブだったそうですが、子供たちの学力分布ができる層とできない層に分かれている。できる層は豊かで安定した家庭生活を送っている。できない層は、家庭生活に様々な課題を抱えている層と、大きくオーバーラップしている。この状態は、今日の公立小・中学校では常態化しており、できない層をどう支えるかという課題が、学校の共通した懸案事項となっていると言われております。
そこで質問です。下関の現状はどうなのでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
学力の2極化の現状についてのお尋ねでございますが、本市においても、2極化の様相が見られます。
昨年度の全国学力・学習状況調査の結果を見ますと、特に中学校3年生の数学において、2極化の傾向が顕著に見られました。
また、児童生徒質問紙の結果も見ますと、小学生も中学生も、国語や算数、数学が好きかという問いに対して、好きだと回答している児童生徒の割合が全国平均を上回っている一方で、好きではないと回答する児童生徒も一定数いることから、学習に対する関心意欲の面でも、2極化の傾向が見られる状況でございます。
○坂本晴美君
教育長のお言葉で、学力テストで測れる認知能力と自己肯定感や自己有用感など、生きる上で必要な非認知能力の育成の両面から、学力向上に取り組んでまいりますとありますが、改めてお聞きします。非認知能力とは何かをお尋ねいたします。
○教育長(磯部芳規君)
非認知能力とは、自己肯定感や知的好奇心といった数値化しにくい内面的な力であり、下関市教育委員会ではこの力を見えない学力と捉え、全国学力・学習状況調査の質問紙調査において、分析・研究を続けているところでございます。
見えない学力を育てるためには、児童生徒が学ぶ楽しさを感じる授業を実践することが必要となります。
そのためには、児童生徒が受け身で授業に臨むのでなく、1人の学び手として、課題に積極的に取り組むとともに、授業後には、自らの学びを振り返り、達成感を味わうことができるような授業づくりを目指して、授業改善に取り組んでいるところでございます。
○坂本晴美君
非認知能力はどのように育てていかれますか。
○教育長(磯部芳規君)
見えない学力につきましては、将来でも何か起こったときに自分で考え、行動する力が必要だと考えております。したがいまして、自分で考えて行動する子供となるように、学びを進めていかなければいけないと考えております。
また、下関のほうでは取り組む授業づくりとしまして、学び続ける児童生徒の育成、主体的な学びの育成、それから、ICT活用により、個別最適で共同的な学び、このような授業づくりを行うことによって、非認知能力、見えない学力について、取り組んでいきたいと考えております。
○坂本晴美君
何かをやり抜く粘り強さ、自分の感情をコントロールする力、計画を立てて実行する力なども学び抜く、生き抜く力になると、認知能力のところをちょっと勉強したときに書いてありました。
公立の小学校であっても差があると思うのは、ある小学校は宿題のプリントが1枚であったり、ある小学校は5枚であったり、そのことを以前お聞きしたとき、5枚ちゃんと家庭が責任を持って大半の親ができる。小学校では5枚出せる。でも、なぜ1枚なのかとお聞きしたときに、はなから家庭で学習をさせる習慣がないところに、5枚出すと1枚もやらない。まずは1枚をやって来ることが大事なんだと、学校の先生方も、その生徒たち、その環境に応じて、しっかり育てておられるのも、本当によく知っております。
本当に、非認知能力というのが、今は学力で知識を詰め込むよりも、生き抜く力が大事なんだ、それは学校だけでは本当に難しい時代に入っているということも痛感しております。
次に、魅力ある学校づくりについてお尋ねいたします。新型コロナ禍で、学校行事や部活動といった教育活動に、大きなゆがみが生まれたと言われました。どのような影響があったのでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
令和2年3月の全国一斉臨時休業に始まり、約3年間でありますが、新型コロナウイルス感染症に追われた学校の教育活動は、大きく変わることを余儀なくされました。
運動会や修学旅行など学校行事の中止や縮小、給食時間の黙食、地域と連携した様々な学習や体験活動も実施が難しくなるなど、子供たちにとっては、お互いに関わり合う学びの場が減っていきました。
また、長らく続いたマスクを着用した生活の影響も大きく、現在もまだマスクを外すことに抵抗感を持っている子供も少なくありません。
そのため、相手の表情を読み取りながら、意思疎通を図るなどのコミュニケーション能力が低下していることが、大変懸念されております。
○坂本晴美君
本当にそうだなと思います。うちも孫がおりましたけれども、6年生最後の運動会、それまでは両親2人とか、人数制限もありまして、最後の運動会を見ることができました。
昭和ですから、昔と変わったと思うのは、本当は開始されたことに感謝しないといけないのですけれども、徒競走と踊り、集団の踊りがあったのですが、リレーないの、それから騎馬戦ないのと、ちょっと思ってしまいましたけれども、まずは開始することが大事だなと痛感しております。
私も中学校のときに部活動を2つ頑張っていただけに、部活動とかも子供たちが発表する場がなかったり、マスクで表情が見れないというのは、私はすごく大変なことだと思うのは、今子供たちがゲームをしていても、通信といって、家同士でできるのですけど、顔が見えないので、結構過激な言葉で、普通だったら、表情を見ることができれば相手が嫌な顔するとか、それ以上の言葉を発せないのに、お互い傷つけあって泣いているというのを、保護者の方からお聞きしたときに、顔が見えないということはこういうことなんだなと痛感をしております。
魅力ある学校とはどのようにお考えでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
魅力ある学校についてでございますが、こちらについては、学校の役割というものが関係してくると思います。学校というのは、単に知識や技能を習得するだけでなく、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、また協力し合い、切磋琢磨することを通じて、表現力、判断力、課題解決能力などを育んでいって、そして社会性や規範意識を身につけさせていくことが、役割としてあると思っております。
その中で、魅力ある学校づくりは、わくわくするいろいろな行事、体験的な活動を通して、つくっていくことが大切ではないかと考えております。
○坂本晴美君
個別で言うと、先生はどういう役割なのでしょうか。先生はとか、保護者はとか、生徒はということを投げかけていたと思うのです。
○教育長(磯部芳規君)
私は、学校というのは、子供たちがわくわくする場所でなければならないと考えています。そのためには、主役である子供たちが、自身の手で学校を創造していくことが大切だと考えます。
例えば、修学旅行でどこに行くのか、そこで何を体験するのかといったことを、子供たちが考えたり、学校をよくするために、地域の方と一緒に取り組みたいことについて話し合ったりしながら、子供たち自らが学校づくりを進めていくことで、子供たちは充実感を味わい、学校をわくわくする場所として感じることができ、さらには課題に向き合う力や社会で生きる力が身に着くと考えます。
また、魅力ある学校づくりを進めようとする子供たちを支えていくためには、コミュニティ・スクールの取組は不可欠です。教員、保護者、地域が一体となって子供たちに身に着けさせたい力について話合い、それぞれの立場から助言をしたり、認め、励ましたりしながら、子供たちを支えていくことで、魅力ある学校づくりが一層推進すると考えています。
○坂本晴美君
魅力ある学校になるために、子供たちの声、保護者の声、先生の声を、どのような方法で聞いていこうと思われているでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
子供・先生・保護者それぞれの悩みや声を、どう吸い上げていくのかという御質問に対してお答えいたします。
子供に関しては、毎週1回の生活アンケートとともに相談週間を設け、子供の生活の様子や悩みなどを聞き取る機会を確保しています。また、保護者に関しては、学期末の保護者懇談会や、スクールカウンセラー相談会、学校評価アンケートを利用するとともに、また、教職員に関しては、管理職による面談を年3回行うなど、悩み等の把握に努めてきたところです。
あわせて、教育委員会では、教育相談電話を設置し、直接相談に対応できる体制を整えてまいりました。
人と人とのつながりがコロナ禍において希薄となったとされる中、先生にはなかなか相談しにくいといった声もあることから、教育相談電話等の学校外の相談窓口のさらなる周知を図るとともに、子供と保護者、教員の交流の機会を確保するなど、それぞれの悩みや声に耳を傾けることができる、関係づくりを進めてまいりたいと思います。
○坂本晴美君
私は保護者の方からの御相談で、個別の案件は申し上げませんけれども、学校の中でいろいろな話をするきっかけをいただきました。一つの事柄が起きたときに、子供は親に話します。そこで親は、まず担任の先生に相談します。そこがうまくいかなかったときに、校長先生に相談します。問題はここからです。そこで、うまくいかなかったら、先生の問題であったり、いろいろな問題があると思うのですが、子供と保護者は、もう誰にも言えない状況で、いろいろな思いを抱えるだけではなくて、信頼関係が崩れたまま、その思いだけがマイナスにどんどんどんどん膨らんでいくということです。
子供たちはよく見ています。学校の先生が悪いとか、そういう問題ではないのです。子供たちは、この先生は話をよく聞いてくれて、本当にいいことはいい、悪いことは悪いと判断してくれる、そういうことは素直に聞ける。でも、頭ごなしに、いやいやもう、あなたたちが悪いと言われてしまうと、そこから、もう何も言えなくなるとも言っています。
また、学校の先生も、今、30代、40代の先生が少ないとお聞きしております。若い先生が、たくさん入ってきて、ベテランの先生も御指導が大変なのも分かります。でも、ある若い先生のお話を聞くと、いろいろな思いがあって、その思いを伝えることがうまくできなかったり、上司に相談しても何も変わらなかったりすると、諦めてしまう。息苦しさを感じていくと言われています。
せっかく教師になって、夢を持って入ってきた新人の先生が育つように、いろいろな声も聞いていただきたいですし、それは新人の先生だけではなくて、ベテランの先生も同じだと思います。ずっと若い先生が入って来ずに、いきなり若い世代がぼんと入って来ると、自分たちがやってきた成功体験がそのまま使えるとは思わないのです。そういう声が皆さん共通しているのは、子供たちのために一生懸命やっているということは変わりありません。
でも、私がいろいろ御相談を受けた中で思ったのは、コミュニケーションのかけ違いであったり、お話しすると学校の先生たちも早く言ってくれれば、そんな思いをさせなかったのにと言われます。でも、早く伝えるすべがなかったのです。
保護者の方の立場で言うとあれですけども、一番問題なのは、子供に何か影響があってはいけない。変に保護者同士で話もできない。学校の先生のことであったりするとです。そういうときにどういうふうに話したらいいか。電話というのは結構勇気が要ります。いろいろな方法が今はラインであったり、そういうことで報告を受けたり、相談がしやすい環境をもっと届けていただきたい。
保護者の方も、若い先生のお話を聞いたときも、簡単には言えない。学校の評判を下げてもいけないし、下関の教育がこんなのではいけないと思われるのも、一部のことであってはいけないという思いもあるのです。だから、子供たちの声もそうです。
今、教育長が言われました週に1回アンケートをしている。でも、アンケートは記名なのです。子供たちがタブレットで返す、保護者のアンケートも、今、携帯から返せるようになっているということは、本音が書けない現状があります。こういう意見を言うときというのは、やはり名前を名乗って責任を持ってということも分かります。でも、言えない言葉を早くに拾わないと、大変な問題に広がっていってしまうということです。
アンケートをする方法に記名もあっていいと思いますが、無記名でちゃんと本音が聞ける状態をしっかり整えていただくのが、教育委員会だと思っております。いろいろな問題が起こると思います。いろいろな人がいます。私もいろいろな人の1人だと思います。
でも、子供たちを真ん中に置いたときに、子供たちが、よりよい環境で学んでいく。一つは学校の先生が一番大きな環境だと思っています。それから保護者もそうです。今言われたように、今からは、地域も頑張っていかないといけないという部分で、しっかりもっと本音が聞ける体制を整えていただきたいと思っております。
最後の、コミュニティ・スクールを中核とした地域連携教育のさらなる充実について、本市で、これは本当にいいという例があるでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
各学校の取組等についてお答えさせていただきます。各学校において、学校運営協議会を中心として、それぞれの目標や、地域の実情に合わせた取組が行われています。
特に、授業等への支援では、朝の学習の時間に丸つけ先生として答え合わせを手伝ったり、校外学習の引率の補助をしたりするなど、地域の方が授業に参加・支援する姿が、どこの学校でも、日常的に見られるようになり、子供たち一人一人の学びに寄り添った環境づくりに貢献していただいているところでございます。
また、ある中学校では、生徒が講師を務め、スマートフォンの操作方法を地域の方に教えるスマホ教室を開催しました。子供たちが大人に対して教える経験を通して、自己有用感を高めることができ、参加者との交流も深まりました。
さらに、小中高の児童生徒と学校運営協議会委員が熟議を行い、提案された地域清掃を一緒に行ったり、獣害対策や街灯設置等に向けて動き始めたりするなど、地域づくりに、児童生徒が参画することで、地域連携協働活動は活性化しています。
今後も、コミュニティ・スクールの仕組みを生かし、地域連携がさらに充実するよう支援してまいります。
○坂本晴美君
私も小学校に丸つけ先生で行っておりますけれども、2年生に行ったときに、本当に先生大変だなと思うのですけど、文章を読み込めない子供が、何回か行くと分かっていったりすると、ちょっと一言声をかけてあげると、解けるようになったり、4年生ぐらいになると子供同士が教え合ったりという形を見ました。
でも、本当にちょっとでも地域の方が手伝えることがあれば、授業も言われたように、学力のフォローもできるのかと思いますし、熟議で夢塾というところに私も参加させていただいたときに、地域の方が、昔はこうだったという話、自分はこういうことで頑張ったというところをしっかり子供たちが聞いたりして、本当にそれはいいことだなと思っております。
社会全体がどのように関わっていくことが、大切だとお考えでしょうか。
○教育長(磯部芳規君)
社会全体が、どのようにして子供たちを見守っていくかという形になるかと思います。
今学校のほうには、二つの視点を伝えております。一つの視点は、子供を真ん中において、コミュニティ・スクールにある三つの役目であります学校支援、学校運営、そして子供たちの支援、こういった視点をどうするかというのを、真ん中に置いている子供を見る視点。それからもう一つ、子供たちから見る視点。子供たちが今自分たちに何をしてほしいか、また自分たちに何ができるか、こういったことを考える視点を大事にしてほしいと伝えております。
こういった両方から見た視点、特に子供から見た景色を考えることによって、私たち大人や、学校ができることができてくるのではないかと考えております。
○坂本晴美君
本当に子供から見た視点がすごく大事だと思いましたし、先ほど例を言われたスマホとかのことは、子供たちのほうがよく分かっていて、私たちもデジタル介護と、よく議員同士で言っているのですけど、デジタル難民というか、デジタル介護だなと、なかなか理解ができなかったり、だから、今、地域の方が丸つけ先生とかばかりに行くのではなくて、やはり子供たちが、地域の高齢者の方で特にスマホとかの操作があれなので、そういうこともしっかり地域の方にも教えて、こういう例がありますということがいろいろな中学校とか、小学校に広がるといいと思っております。
  〔説明資料を議場ディスプレイに表示〕
○坂本晴美君
タブレットを御覧ください。ちょっとこの数字で見にくいかもしれませんが、NHKがアンケートを取られたものです。学校は楽しいですかという質問に、とても楽しい、まあ楽しいが、8割、9割方の子供たちが楽しいと答えています。さらに、学校で1番楽しいことは何かというと、この3番目の友達と話したり、一緒に何かしたりすることが楽しいと答えています。子供たちも、やはり人と人や友達と触れ合って、いろいろなことをするのが楽しいということがよく分かるアンケートです。
学校に、今コロナ禍が終わって出てきている生徒は、そこで楽しいという気持ちがあるんだと思います。一緒に子供たちと友達と話したり、一緒に何かしたりすることが1番楽しい、では学校に来れない不登校の子供たちがどうなのかということを、逆にすごく考えます。不登校の生徒たち増えています。私が思うのがこの地域の連携というところで、学校以外でも、子供たちの足で歩いて行ける居場所をつくっていくこと。
それから、ヤングケアラーの問題もあります。子供たちのこと、学校の先生が全部理解しようというのはなかなか難しいと思います。地域の人だったら隣で何をしているか。今、家の中までは分からないにしても、何となく分かる。早く発見することが、気づくきっかけができたり、これから部活動も地域へ移行していくという話がどんどん進んでいきます。地域連携教育というのは大切になると思います。
いろいろな意味で、地域の人が関わる一方的ではなくて、一緒に何かをやるということが本当に大切になっていきますし、先生方、働き方改革と言われていますけれども、なかなかそう簡単にはいっていないのではないか。時間を短縮すると言っても、思いが募れば、それだけ持ち帰る仕事も多くなり、早く帰ることだけではないと思います。家ですることもたくさんあると思います。
そういう意味で、地域の人たち、しっかり丸つけ先生も、だんだん70代の女性の方とかが増えてきております。みんな老眼をかけながら、一生懸命やっておりますけれども、地域としっかり結びついていくということは、今から力になっていくと思います。
本当にまだまだお聞きしたいことはたくさんありますけれども、私自身もしっかり協力をしていきたいと思いますし、今日お話ししたことにどれだけ答えていただけるか。今後に期待して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
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