録画中継

第2回定例会
6月22日(月) 本会議(一般質問2日目)
創世下関
井川 典子 議員
1.所有者不明土地並びに空き家について
【下関市議会 本会議速報版】
・下関市議会では、本会議の正式な会議録が作成されるまでの間、速報版を掲載いたします。
この速報版は、会期終了後約1か月程度で掲載します。
・速報版の会議録は校正前原稿であり、今後修正されることがあります。
なお、音声で認識できなかった部分は一時的に「★」で表示しています。
・校正後の会議録が「会議録検索システム」に掲載された時点で、速報版の会議録は校正後の会議録に差し替えます。


○議長(林 真一郎君)
 8番、井川典子議員。(拍手)
  〔井川典子君登壇〕
○井川典子君
 皆様あらためましておはようございます。創世下関の井川でございます。通告に従いまして質問をいたします。
  〔手話を交えながら発言〕
○井川典子君
 所有者不明土地並びに空き家についてお尋ねをいたします。土地や建物は第一義的には所有者が管理すべき民間の財産であり、行政が無制限に関与すべきではないということは承知をしております。しかし、所有者が分からない、相続人が判明しない、管理がなされないといった状態になれば、固定資産税や、地籍調査だけの問題にとどまらず、空き家対策、農地・山林管理、生活環境、防災、公共事業、さらには中心市街地や地域の土地利用にも影響を及ぼす横断的な課題になると考えます。
 平成27年の亀田元市議の一般質問では、所有者不明土地について複数の部局から答弁があり、市としての所管や組織体制等を検討していくという答弁がありました。その後、国においては、相続登記の義務化、所有者不明土地特措法、相続土地国庫帰属制度、空家等対策特別措置法の改正など、制度整備が進んでいます。また、令和7年度包括外部監査では、空き地・空き家対策と併せて、所有者不明土地対策に係る事務の執行についても検討をされております。
 そこでまず、本市の現状についてお尋ねをいたします。平成27年の質問において、本市は固定資産税及び都市計画税の業務上、必要な調査を行っても所有者が把握できず、所有者が不在と思われる土地が、平成27年3月末時点では約550筆、約80万平方メートルあると答弁をしています。また、平成26年度課税において、納税通知書等が届かず、所有者を調査する必要があるという土地が約700筆、約33万平方メートルであるとの答弁もありました。
 そこで、現在の本市における所有者不明土地、納税通知書返戻土地、それから相続人調査困難土地の件数及び面積はどのようになっているのか、また、平成27年当時と比較してどのような傾向にあるのかということをお示しください。
○財政部長(前田一城君)
 財政部では、固定資産税の課税業務において把握している土地がございますが、必要な調査を行っても所有者が把握できず、所有者が不明な土地、これは令和7年3月時点で1,533筆、面積は約302万平米ほどございます。
 納税通知書を送っても返戻となり、納税義務者を調査する必要がある土地は、令和7年度課税において696筆、面積は約65万平米あり、そのうち相続人等が判明しなかった土地は219筆、面積は約22万平米でございます。
 所有者が不明な土地は、平成27年当時に比べまして981筆の増、面積は約222万平米の増となっております。大きく増えております。また、納税通知書が返戻された土地は、平成26年度課税で前回お答えしておりますが、このときと比較しまして、筆数については4筆ほど減っておりますが、面積は、約32万平米の増となっております。その後相続人が判明しなかった土地については、筆数が165筆の増、面積は約19万平米の増となっております。
○井川典子君
 大幅に増えているというところで、これは重くなっているなという問題を思うところですけれども、では、各分野における把握状態についてもお尋ねをいたします。地籍調査において所有者不明、筆界未定、現地確認不能となっている土地はどの程度あるのか。また、農地における未相続、所有者不明の傾向をどのように把握しているか。あわせて、本市における管理不全空家、特定空家、調査中の空き家、所有者不明空き家の件数についてお示しください。
○都市整備部長(即席久弥君)
 まず、都市整備部から地籍調査に関する御質問についてお答えします。地籍調査における所有者不明土地につきましては、これまで累積データはございませんが、調査が完了し、法務局に登記している直近のデータといたしましては、令和4年度のものがございますので紹介させていただきます。
 令和4年度の地籍調査では、土地所有者は405人、調査面積は437ヘクタール、筆数は2,829筆で、所有者不明土地は2筆で調査対象筆数の約0.1%でございます。
所有者不明土地の2筆のうち、筆界未定は1筆で、残る1筆につきましては、法務局と協議の上、境界を確定しております。なお、現地調査不能となっている土地はございません。
○農林水産振興部長(原田達也君)
 農林水産振興部から農地における未相続、所有者不明の傾向についてお答えします。農地について所有者が不明であるかについての調査は行っておりませんが、相続の未登記については、令和6年度に農林水産省の依頼を受けて、農業委員会が調査を実施しております。
 この調査において、農業委員会が管理する農地台帳に登録されている市内の農地約9万3,000筆、面積約9,300ヘクタールのうち、登記名義人の死亡が確認され、相続が未登記の農地は約1万7,400筆、およそ1,750ヘクタールであり、農地面積全体に占める割合は19%でした。
○建設部長(伊藤 隆君)
 建設部からは、空き家の件数についてお答えいたします。令和8年4月1日現在のデータになりますが、管理不適切空家等は1,303件、管理不全空家等は1件、特定空家等は33件存在しております。
 また、管理不適切空家等のうち、所有者を調査中のものが474件、調査の結果、所有者がいないと確定した空き家は60件となっております。
○井川典子君
 令和7年度の包括外部監査では、下関市として所有者不明土地及び空き地の実態調査はしていないとされております。各部局では個別に把握しているものはあると思いますけれども、市全体として、所有者不明土地、空き地、それから所有者不明空き家を集約するデータであったり、台帳、データベースはあるのか、また庁内で情報共有する仕組みがあるのか、さらに市としてこれを単なる個別部局の課題として捉えているのか、それとも防災、空き家、環境、土地利用を含む地域の課題として捉えているのかお示しください。
○財政部長(前田一城君)
 各所管部局でそれぞれ所管業務に必要な台帳やデータベースを作成・管理しておりまして、市全体として集約したものはございません。
 庁内の情報共有につきましては、財政部でいえば例えば固定資産税の納税義務者の情報については、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法、こういう法律とか、空家等対策に関する特別措置法により、地方税法上の守秘義務が限定的に解除されるような場合は、住所、氏名等の内部利用ができる規定が設けられておりまして、適宜、他部局からの照会に対して、情報提供を行っているという状態になっております。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 課題としてどのように捉えているかという御質問でございますけれども、現在、全国的な問題といたしまして、人口減少や高齢化が進む中で、所有者不明土地等は増加しており、本市におきましても、先ほど各部局がお答えしたとおり、多岐にわたる行政サービスに影響を与えるものと考えておりまして、市全体の課題として捉えております。
○井川典子君
 市として、多岐にわたる行政サービスに影響があるという意識をしている。しかし、集約したデータベースとかそういった台帳とかはないということだったと思うのですね。ここは課題としては全庁的な影響を認めながら、対応は各部局の個別の管理にとどまっているということだと理解をいたしました。
 所有者不明土地、空き家、空き地は、環境、防犯、防災、土地利用、まちづくりにまたがる地域課題であると私は認識をしております。各部局が必要に応じて情報を取得するだけではなくて、市全体として情報を共有して、横断的に対応する仕組みを整えていただきたいなと、必要だなと考えております。最後に市全体の課題として考えているということは言われましたので、それを受け止めまして、次の質問に行きます。
 調査手法と対応上の課題についてお尋ねをいたします。所有者不明土地や所有者不明空き家について、現在、各部局ではどのような方法で、所有者や相続人を調査しているのか。登記簿等、それから固定資産税台帳等々があると思いますけれども、その部局ごとの具体的な調査方法をお示しください。そしてまた、所有者の死亡であったりとか相続未登記等で調査に時間を要する要因については、市としてはどのように認識をしているのかもお示しください。
○財政部長(前田一城君)
 財政部におきましては、地方税法に基づき、納税通知書が返戻された場合に、随時相続人等の調査を行っております。調査の方法としましては、専ら戸籍や住民票等の照会を順次行っていくということとなります。相続未登記、相続人が多数いらっしゃる場合、それから相続放棄等の場合は、調査に長い時間を必要とする場合もありますが、適正な課税を維持するためには、やむを得ないものであろうと認識しております。
○都市整備部長(即席久弥君)
 続きまして都市整備部から地籍調査における所有者不明土地の調査方法についてお答えいたします。
 地籍調査では、まず初めに、土地所有者等に現地調査における立会いを求めるため、所有者調査を行っております。所有者調査は、調査地区の土地に係る不動産登記簿を法務局より取得の上、登記簿記載の所有者住所等に基づき、住民票、戸籍や商業・法人登記及び固定資産税課税関係の追跡調査を行うほか、地元に精通している方からの聞き取り、庁内関係部局や他の関係機関に所有者に関わる情報がないか確認を行います。
 次に、土地境界の調査につきましては、所有者が不明であっても、土地境界が把握できる場合には、法務局と協議の上、筆界案を作成し、20日間の公示の間に意見の申出がなければ、境界が確定できたものとして、隣接の方の承諾を経て、登記情報を更新しております。所有者が不明の土地で土地境界が把握できない場合には、筆界未定として処理いたします。
○農林水産振興部長(原田達也君)
 農林水産振興部から農地についてお答えします。農地においても、所有者を特定するため、不動産登記簿や戸籍、住民票などを請求し、現住所や相続関係などを調べておりますが、相続が行われていない場合には、多数に及ぶ相続人の探索や権利関係の確定に時間を要することが想定されます。
 このため、国は、所有者不明農地の利活用を促すことを目的に、相続人やその一部が不明である場合に、全ての相続人を調べるのでなく、対象者を登記名義人の配偶者及び子までに限定した相続人の探索や2か月の公示等の手続を経て、いわゆる農地バンクへ最長40年間の利用権を設定し、担い手への貸出しができる制度を設けており、本市においても13筆、約4.3ヘクタールの活用実績がございます。
○建設部長(伊藤 隆君)
 建設部において、空き家の所有者や相続人の確認につきましては、市民から管理が不適切な空き家等の情報提供があった場合に、空家等対策の推進に係る特別措置法、いわゆる空き家法に基づき調査を行っております。調査方法につきましては、固定資産税情報や不動産登記簿情報により名義人の確認の上、その名義人について住民票や戸籍謄本により所在の把握を行っております。
 名義人が死亡している場合には、同じく戸籍謄本により法定相続人の把握に努め、判明した所有者または法定相続人一人一人に対して文書による照会を行っております。
 空き家対策におきましては、建物登記上の所有者が亡くなっており、親族間で相続等の協議がなされていない、また、相続放棄がなされている、さらに、市の照会文書に対して回答いただけないなどの理由により、所有者等を特定できない場合があり、調査に時間を要する要因となっていると認識しております。
○井川典子君
 所有者不明または相続人不明により、地籍調査や筆界確認、空き家への指導・助言・勧告・解体・利活用、農地・鳥獣被害対策、生活環境、防災面にはどのような支障や影響があるのかお尋ねをいたします。特に、空き家対策における所有者不明空き家への対応、農地の未相続や管理不全、災害時の所有者確認や復旧対応への影響について認識をお示しください。
○建設部長(伊藤 隆君)
 空き家対策における、所有者不明空き家への対応につきましては、最終的に所有者等を確実に知ることができない場合におきまして、民法に基づく財産管理人制度を活用することや、空き家法に基づく略式代執行を行うことが考えられます。
 しかしながら、略式代執行を市が安易に行うことは、市の財政負担が生じるのみではなく、放っておけば市が何とかしてくれるなどの管理意識の低下を招き、相続放棄の助長につながり、管理が不適切な空き家が増大する恐れがありますので、公益性やその影響度を踏まえまして、必要な措置を尽くした上で、慎重に判断しなければならないと考えております。
○農林水産振興部長(原田達也君)
 農地の所有者不明や未相続による影響についてです。現時点では耕作されている農地も多いものの、議員お示しのように、耕作されなくなれば、雑草の繁茂等により荒廃が進み、近隣農地への病害虫の発生や、有害鳥獣による農作物被害につながる恐れがあります。また、所有者が分からないことにより、農地の貸し借りや集約化が進みにくく、地域の農地利用や基盤整備を進める上で支障となることも懸念されます。
 このため農地については、農業委員会において、農地法に基づき、毎年1回の農地パトロールを実施し、利用の意向調査を通じて、所有者等に活用を働きかける活動などにより、遊休農地の発生防止・解消に取り組んでいます。
○総務部長(笹野修一君)
 続きまして、災害時の所有者確認や、復旧対応への影響につきまして総務部からお答えをいたします。災害が発生した場合、人命はもちろんのこと、道路や河川などの公共物への被害の拡大を防ぐことを最優先に応急復旧を実施しております。
 例えば、所有者不明土地ののり面が崩壊をし、住民の生命や道路、河川などに被害が及びそうな場合、土地の境界に関係なくシート張りを行うなどの応急対策を実施しております。また、災害後に本復旧を行う必要が生じた場合には、担当部局へ事後対応の引継ぎを行うこととなるため、災害時の対応につきましては、特段の影響はございません。
○井川典子君
 皆さんおのおののところでやっているところでは、そこでは別に支障はないというところの答弁だったと思います。27年に雑草繁茂の影響というところも多く言われていましたので環境部のほうにもお聞きしました。令和7年度空き地における雑草繁茂や害虫等に関する相談というのは92件あったと。そしてそのうち、所有者不明は16件あった。そして、その登記調査においても所有者が不明で通知を郵送していないものが6件、郵送したものが10件。戻ってこないのでそれが不明ということが分かったということで16件あったと。これは、所有者不明によって行政から働きかけが届かずに改善が進みにくい事例が現にあったということだと私は思います。
 空き地の雑草繁茂や害虫などは、単なる環境美化の問題にはとどまらず、防犯、それから防災、環境、生活環境、地域の安心にも関わるものだと思います。そしてまた今後、予算や人員が限られる中で、各部がそれぞれ個別に所有者の調査を行うというよりも、所有者不明土地や対応困難な空き地の情報を全庁で共有するほうが、効率的でまた効果的な業務遂行にもつながるのではないかなと私は思っております。これはまた後のほうで聞きますけれども、次に行きます。
 法務局との連携についてお尋ねをいたします。所有者不明土地や所有者不明空き家への対応に関しまして、本市は山口地方法務局、または下関支局とどのような連携を行っているのか、連携状況をお示しください。また、所有者調査に当たっては、登記簿情報、登記簿、公図、地図情報、法人登録情報などをどのように活用しているかについてもお示しをください。
○財政部長(前田一城君)
 まず財政部のほうでお答えをいたします。財政部では、固定資産税の課税のため法務局から登記の異動情報を頂いており、納税義務者の確認に生かしております。一方で、法務局において長期間相続登記が未了となっている土地の所有者の把握等の調査を行われる場合がございまして、この場合には納税義務者の氏名や住所をこちらから提供しているというふうな連携を行っております。
 また、国の登記情報連携システムによりまして、現在はオンラインで法務局にある登記情報を得ることができるため、法務局との連携については現時点ではこれで十分であるかなとは考えております。
○都市整備部長(即席久弥君)
 続きまして、都市整備部から地籍調査についてお答えします。本市では、毎年、山口地方法務局と山口県が開催する地籍調査連絡会議及び本市が開催いたします山口地方法務局下関支局との地籍調査事務打合せ会において、地籍調査事業の計画及び実施、並びに地籍調査の実施上の課題などについて協議・調整を行っております。また、先ほど答弁いたしましたが、地籍調査では法務局より調査地区の土地に係る不動産登記簿、公図を取得し、所有者特定に活用しております。
 これによりまして地籍調査の円滑な実施を図るとともに、その成果を登記所備付け地図として広く活用いただいております。また、山口県地方法務局が行う所有者不明土地に関する調査においても、所有権に関する情報を提供するなど連携しております。
○建設部長(伊藤 隆君)
 建設部におきましては、空き家の所有者調査に不動産登記簿情報を活用し、名義人を確認しているところでございます。その情報につきましては、財政部と同様に国の登記情報連携システムを通じて行っておりまして、オンラインで即時に登記情報を取得できるため、現時点ではこの連携で十分であると考えております。
○井川典子君
 御答弁でも聞き取りでもそうでした。登記情報連携システムによる確認で十分でありますよというところでした。しかし、先ほどの調査手法の答弁では、相続放棄などによって、登記簿情報だけでは所有者を特定できなくて、調査に時間がかかる場合もありますよというふうに答弁されました。そうであれば登記情報を確認することと、所有者不明空き家の問題を解決できることというのは別ではないかなと私は思います。
 先ほども、市が何とかしてくれるというところで、管理意識が低下をする。そういうことの助長を招くというふうには言われましたけれども、それは空き家の所有者の方はそうかもしれませんけれども、この空き家が原因で困っているという隣の人に対する対応というのでは、それはないですよね。なので、所有者が分からず指導助言や対応を促す相手もいない場合には問題が長期化し、困るのはその周辺の住民や地域だと思います。
 したがって、登記情報の確認だけで十分とするのではなくて、所有者等を特定できない場合に、財産管理制度や略式代執行の活用、さらには解体後の空き家の土地管理、これまでも含めて、やはり関係部局と連携をして一体に考える必要があるのではないかと考えます。
 では、令和6年4月から相続登記が義務化されました。本市では、市民への周知、固定資産税通知、おくやみ手続、空き家相談等において、相続登記義務化をどのように案内をしているのかお尋ねいたします。
○財政部長(前田一城君)
 相続登記の義務化の件でございますが、本市におきましては資産税課の窓口で、制度概要のチラシの配布であったり、先ほど少し話が出ました「おくやみ手続ガイドブック」、これにも概要を載せております。それから令和5年4月から発送した固定資産税の納税通知書には、法務局が作成した制度周知のチラシも同封しておりまして、納税義務者等への周知に努めているところでございます。
○井川典子君
 制度の周知案内というのはチラシ等々で行われているという御答弁でした。所有者不明化を未然に防ぐという政策的な位置づけについては――後でまた質問の中には入っておりますけれども――県内では、先日美祢市が所有者の分からない土地や空き家への対応を迅速に行うために、山口地方法務局との協定を締結しています。本市においても、法務局または下関支局との協定の締結、または連携強化を検討する考えがあるのかということをお答えください。
○総務部長(笹野修一君)
 本年5月25日に、美祢市と山口地方法務局、こちらが災害時の迅速な対応や、相続手続の負担軽減等を図るため、包括連携協定を締結したということは、報道もございまして、こちらも承知をしておるところでございます。
 本市における、災害時に応急復旧を実施する上での山口地方法務局下関支局との連携につきましては、協定を結んでいない現在におきましても、必要なときには密接に協議を実施しております。
○井川典子君
 先ほどの答弁でも法務局とはもう今のままで十分ですよというふうなことは言われました。美祢市の場合は、防災に力を入れてこれを提携したという話も聞いております。必要時に協議をするということはもうそのとおりで、私も理解をします。しかし災害時の対応こそ、平常時から法務局等々との連携の手順というものを整理しておく必要もあるのではないかなと考えます。
 それでは、今後の取組についてお尋ねをいたしたいと思います。ここまで確認をしてきましたけれども、所有者不明土地や所有者不明空き家は、財政部はじめ都市整備部、複数の部局にまたがる課題です。平成27年の答弁では、所有者不明土地に関する業務を集中的、専門的に行う部局はないとしつつ、市としての所管、組織体制等を検討していくと答弁をされております。現在、所有者不明土地並びに空き家を総合的に扱う主管部局や庁内横断的に調整する部署、会議体はあるのか。また、平成27年答弁以降、所管や組織体制についてどのような検討が行われたのかお示しください。
○総務部長(笹野修一君)
 所有者不明土地、それから空き家に関する業務につきましては、案件の内容や性質に応じまして、関係部局が役割分担の上、連携して対応しておりますことから、これらを総合的に所掌する主管部局は設置をしておりません。また、庁内横断的な調整を担う担当部局や常設の会議体につきましても設置をしておりません。
 しかしながら、関係部局間におきましては、必要に応じて適宜協議や検討を行い、情報共有を図りながら、部局連携の下、業務を進めているところでございます。
○井川典子君
 一体的なものはないということと、それと27年にそういう組織を検討しますよという答えはありましたけれども、検討をした結果要らないと、個別で十分ですよという判断に至ったということだと受け止めます。
 令和7年度包括外部監査では、下関市として所有者不明土地及び空き地の実態調査はしていないとされております。各部局が個別に把握している所有者不明土地や所有者不明空き家の情報を、今後、市全体で集約して共有する考えはあるのか。また、実態把握を強化する必要性をどのように考えているのかをお示しください。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 先ほど関係部局が様々な対応について御説明いたしましたとおり、まず、所有者不明土地や空き家の情報につきましては、関係部局において、法務局の登記情報連携システムを積極的に活用するとともに、本市の固定資産課税台帳における納税義務者の情報についても提供を受けることで、おのおのの事務に必要な情報を入手するなど、円滑に事務を進めており、所有者不明土地の解消に向けて取り組んでおります。
 また、各部局で整理している個別情報につきましても、案件によっては情報共有を図り、適宜協議を行っております。さらに、法務局との連携につきましても、本市から固定資産課税台帳に関する情報の提供をはじめ、相続登記の義務化など、制度の周知に取り組むとともに、必要に応じて協議を行い、情報共有を図っております。
 そのようなことから、現状におきましては、法務局をはじめ、部局間の連携により、必要な情報の共有が図れる環境の中で、引き続き事務を進め、所有者等の実態把握に努めてまいりたいと思っております。
○井川典子君
 先ほどからずっと今のままで十分ですよと、各部局の対応で問題はないですよと言われています。しかし一体化も必要ですよねと先ほど部長もおっしゃいましたよね。ちょっと私がこの所有者不明土地でする質問の意図というか、私がここの質問をしたい――後で、それは最終的にまとめますけれども、私の意図と答弁がかみ合っていないなというところも、正直今思っております。でもちょっと先に進めて、とにかく質問をいたします。
 所有者不明土地や空き家は、第一義的には所有者の責任であるという、これはもう承知をしています。しかし、所有者が分からず、管理もされず、市民生活、防災、公共事業、土地利用、空き家対策に影響する場合、行政として一定の役割があるのではないかと考えます。民有財産であることを前提としつつも、行政としてどこまで関与して、どこから所有者や専門機関に委ねるのか、その役割と関与の範囲を市としてどう整理しているのかお示しください。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 市としての役割についてでございます。まず、議員もおっしゃったとおり、土地や建物などの不動産につきましては、本来その所有者が適正に維持管理することが前提でありますことから、相続登記の義務化や、相続土地の国への帰属制度などの周知を図っております。
 また、法務局の権限の拡大により、登記名義人の死亡の有無や名義人の住所等の変更が登記情報連携システムに反映されるなど、情報の充実化が図られることから、本市の役割といたしましては、様々な法律の規制がある中でできることもございますので、その法律の範囲の中で、今後も引き続き関係部局が一体となって、法務局と密接に連携し、所有者不明土地等の解消に努めてまいります。
○井川典子君
 今後の取組という流れでの答弁を、今、順に頂いたのですけれども、その答弁では、主管部局や、横断的な調整担当部局、常設の会議体、そういうものはないけれども、必要に応じて関係部局が協議し、情報共有をしながら対応していますよと。また、法務局との連携についても、関係部局がそれぞれの業務に応じて、登記情報連携システムや固定資産課税台帳情報を活用しているということを言われたと思います。
 しかし、それは各部局が自分の所管業務の中で必要な情報を取得して個別に対応しているということであって、市全体として、所有者不明土地や所有者不明空き家の情報を集約して、横断的に共有し、施策に反映しているということとは少し違うのではないでしょうか。
 所有者不明土地や空き家は、税務、空き家対策、環境、防災、地籍調査、農地・山林管理、土地利用、まちづくりにまたがる課題と思います。単に各部局が必要に応じて照会や協議をするだけではなくて、市全体として情報をまとめて課題を見える化し、関係部局で共有し、今後の施策に反映する仕組みというものは、私は必要であると考えます。
 先ほども言いましたけれども、私がこの所有者不明土地、この質問をするところで、市としての姿勢を明確にしてくださいというところを聞き取りでも何度も言ったと思います。各部局がそれぞれの業務の中でしっかりとやられているということは理解をしております。しかしそれをやはり、全庁共有してデータベースの一覧化からでも始めようという、そういったところ、今後、所有者不明土地や所有者不明空き家、対応困難な空き地などの情報を庁内で集約し、共有し、横断的な対応や施策検討につなげる仕組み、それをつくる考えがあるのかないのか、これをもう一度、端的にあるのかないのかでよろしいのでお答えください。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 先ほどお答えしましたとおり、この所有者不明土地や空き家の部分につきましては、後からの質問で出るかもしれませんけれども、入り口として、それを解消していくという部分につきましては、現在は、各所管部局の業務におきましては、法務局のシステムとかを連携し、それとかそれ以外の法務局との連携と、あと関係部局が適宜、協議等で調整を図っておりますので、そこの部分は、現状で進めていければいいと考えておりますが、後の、入り口部分ではなくて出口部分で残った所有者不明土地と空き家をどうやって利活用していくかというそのまちづくりに直結する部分については、庁内部局で連携強化、そういった形を図っていかなければならないと考えております。
○井川典子君
 入り口から始めたらいいのではないかと私は思います。各部局でやられているところを、データを共有するということは、その業務の簡素化にもつながるのではないですか。環境部も、通知を出して戻ってきたものに対してこれは違うのだなということを一つ一つ同じ部局がやっているわけですよね。それが一元化でぱっとデータで見られれば、その業務を省けるわけですよ。そういったところをやらないといけないのではないですかと。それが部局の連携ではないですかということを私は申し上げているのですね。
 では次の質問で、国の制度である所有者不明土地対策計画について、本市で策定を検討したことがあるのかお尋ねいたします。令和7年度包括外部監査では、所有者不明土地特措法について、本市では現時点では実施していないとされております。今後、所有者不明土地対策計画の策定や同法に基づく制度活用を検討するお考えはあるのか、また、空き家対策、防災対策、都市計画、農地・山林管理と連動させて検討されるお考えがあるのか、お示しください。
○都市整備部長(即席久弥君)
 整備部から制度活用の検討についてお答えします。所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法では、一定要件や手続を経て、都道府県知事の裁定により、所有者不明土地に最大20年を上限とした使用権を設定し、地方公共団体のほか、民間企業NPO、自治会などが地域住民の共同の福利や利便向上に資する事業に活用できる制度等が創設されております。
 この中で、ポケットパークやイベントスペース、まちなか防災空き地、駐車場の整備など、各施策分野における課題解決につながる事業例も示されていることから、計画策定の必要性と併せ、本市施策と連動させた制度の活用についても検討してまいります。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 議員がおっしゃる空き家対策とか防災対策ほかの様々な施策との連動というところでございますけれども、当然、関係部局が抱えている課題や解決に向けた施策の方向性を整理し、今後のまちづくりを進める上で、計画の策定や当該制度の活用の必要性については、まちづくりとして検討してまいります。
○井川典子君
 今、各部局が抱えている課題、それを、施策の方向性を整理すると。そしてまちづくりの中で検討していきますよという御答弁だったのですけれども、先ほどの答弁では、所有者不明土地、空き家を総合的に所管する主体部局もなければ、それから調整・横断する担当部局もない、そして常設の会議体もないと言われたのですよ。そうであれば、では誰がどのように今言われた、関係部局との課題を整理して、空き家対策、それから防災対策、先ほど並べましたけれども、そういった都市計画等々に連動させていくのかということが、私にはその姿というか組織体が見えません。計画策定や制度活用を検討するというのであれば、やはり、まずは庁内で情報を収集して、そして関係部局との課題を横断的に整理する仕組みというのは必要でないかなと考えます。
 では、これが最後の質問でございます。防災、法務局、専門士業との連携についてです。美祢市は、防災面も踏まえて山口地方法務局と協定を締結しています。平常時に情報が得られることと、災害時に迅速に対応できる体制があるということは別だと考えます。本市においても、防災担当を含めて、法務局との協定または連携強化の必要性を検討するお考えはないのか、また、法務局だけではなく、司法書士会、土地家屋調査士会、行政書士会、宅建協会などとの連携によって、相続登記、境界、空き家利活用、所有者調査などを支援する仕組みを検討するお考えはないのかも併せてお示しください。
○企画政策部長(佐藤 武君)
 現在、国におきましては、民間団体等のノウハウやアイデアを活用し、効果的な対策を構築するため、各種モデル事業を展開しております。ここの部分はどちらかというと、先ほど言いました出口の部分、どうしても入り口で残ってしまった所有者不明土地、その土地をどうやって円滑に活用するかというところのモデル事業が展開されております。
 その中で、議員御指摘の、法務局だけでなく、所有者不明の土地や空き家に関わる民間団体と連携して取り組む事業も含まれております。そのようなことから、モデル事業の成果などについて情報収集を行い、本市の今後の取組につなげてまいりたいと考えております。
○井川典子君
 もちろん他市の事例を学ぶということも大切だと思います。しかし現在、所有者不明土地や空き家の問題というのは、境界にしてもそれから相続登記にしても空き家の利活用にしても、所有者調査、そういうことが全部課題として今もう本市でも出ているのですよね。だから情報収集にとどまらず、先ほども言いました関係団体、専門団体とまずは相談とか連携の、ここも入り口をつくる必要が私はあるのではないかなと思います。
 所有者不明土地や空き家は所有者が責任があるということはもうこれは基本である、これは当然です。しかし、所有者が分からず、管理されず、市民生活、防災、公共事業、土地利用、まちづくりに影響が出る場合には、行政としても一定の役割があると私は考えます。
 平成27年の答弁から10年がたって、国の制度も整備をされ、包括外部監査でもこれは取り上げられています。本日の答弁もそうですし、聞き取りのところでも、各部局がそれぞれの所管業務の中で対応をされているということは、私も認識をいたしましたし、理解をいたします。しかし、市全体として情報を集約して横断的に共有をし、課題を見える化して政策に反映する仕組みは、現時点では十分に整っていないと感じております。
 所有者不明土地や空き家の問題は、各部局が個別に対応しているだけでは、地域課題としての解決にはつながりにくいと私は考えるのです。各部局で把握している情報を共有することで、市としてどの段階で関与して、どの段階でそういった関係団体につなぐことができるのかということの整理もできるし、そして、庁内横断的に対応できる仕組みというものがあれば、これからいろいろな市の政策にも反映ができるなと思います。
 そしてやはり、個別にやっているけれども、では誰が旗振り役をするのかと。ここが一番私はこれから大事になってくるのじゃないかなと思うのです。その旗振り役を私は企画政策部さんがやっていただければいいのではないかなと思うのです。全庁的なものというところで、やはり、総合政策部、それが企画政策部と市長公室というところに分けたというところは、やはり全庁的に施策を見ていくというところを、強く、組織的にもしたのではないかなと思います。
 企画政策部は今、共創イノベーション課のところのリノベーションまちづくりの推進事業では、民間のノウハウを生かしながら空き家対策を実施するというところも明記をされております。そして、空き家の店舗であったら産業振興部であるし、それからまちづくりの関係、都市整備部もあるし、それから空き家の建設部、それから空き地になっては環境部とたくさんの部局がある。それぞれをやっているところで、では課題をそれぞれが出しても、誰がまとめてそれを市としての政策としていくのかと。やはりそれは市としての体制、前にも言ったと思いますけれど、市としてどうするのかというところがやはり私は必要になってくるのではないかなと思います。
 この所有者不明土地というのは、本当に大変だと思います。しかしこれを整理することで、市の施策はどんどん広がっていく。また、大きな計画も生まれると思っています。なので、そういうことの組織、それからそういった課題の整理というところを市を挙げてやっていただきたいなと思っております。
 4分余っております。今日、早口でどんどん進めてしまいました。まだ一つ一つの業務、数字もおっしゃって、出していただいたことに一つ一つ答えたかったのですけれども、ちょっと時間がないと思ったので、私もテンポを上げてしゃべりましたので、ちょっと御理解できなかったところもあるかもしれませんけれども。これは市として今後一本化してやるというところをどう考えているのかというところが、一番の今日聞きたいところでございます。
 市長、最後に――個別でやっているところは私はちゃんと認めています、皆さんそれぞれに。しかしそれをやはり旗振りをして一本のデータを一元化というか、みんなが見られる。そういったものから始めていくというぐらいの連携というところを、もう少し強化していただくということのお考えはどうか、それだけでもいいので、端的にお答えいただきたいと思います。
○下関市長(前田晋太郎君)
 亀田さんの質問、覚えているのですよ。私はあれ以来全く手つかずで申し訳ない。一方で、市民の皆さんとのいろいろな会話の中で、そういった土地不明の課題というのは、各地でいろいろなジャンルで起きているというのも私は理解をしております。
 ずっと聞いていましたけれど、これは実はAIの出番かなって感じているのですよ。今のAIを皆さんはどれだけ理解されているか分かりませんが、今物すごく能力が上がってきていて、例えば台帳を全部読み込ませていけば、例えば順番を並べることとか、欲しいデータをそこから――人がやったら何十時間もかかるようなことが一瞬でできたりする時代になっていますから、少しそういったことも。今初めて言うので職員もええっと思っているかもしれませんけれど、私はちょっと、一般質問のこの聞き取りの会議をしているときはそう思っていたので。
 どこまでできるか分かりませんけれど、そういったデータの一元化という言葉が出ましたが、そういったことからやっていくことと、あとは、所管の部局を決めるのもしなくてはいけないと思うのですが、ちょっとそれをわざわざつくるというのはバランス的には重たいのかなと。所管部局をつくるというのは物すごく相当な理由が要る。それに対してはちょっとまだ足りないのかなと。
 だから、データも一元化できるような技術を持って、各担当部局がそれを享受できる、パラレルというか分散させて持てることができるほうが、事務的な負担とか、予算で解決できるのだったらそちらのほうがいいのかなと思ったり、いろいろ考えながら聞かせていただいておりましたので、頑張っていきましょう。
○井川典子君
 所管部局をつくるというよりも、いろいろな、今の複数にまたがっているので、そこを誰がリーダーシップとってそこをまとめていくかというところではないかなと思います。
 企画政策部がなぜ今日答えなければいけなかったのかなという疑問もあると思いますけれども、私はあえて、企画政策部にこの私の答弁の中に入っていただいたというところは、そういったところも施策に結びつけられるのではないかなというところもあったので、それを提案としたいと思います。
 では、以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
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